JPH05209433A - 大梁一体型柱構造物を用いた建物の施工方法 - Google Patents

大梁一体型柱構造物を用いた建物の施工方法

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JPH05209433A
JPH05209433A JP22189791A JP22189791A JPH05209433A JP H05209433 A JPH05209433 A JP H05209433A JP 22189791 A JP22189791 A JP 22189791A JP 22189791 A JP22189791 A JP 22189791A JP H05209433 A JPH05209433 A JP H05209433A
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pillar
building
column
pillar structure
construction
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JP22189791A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Kobayashi
和彦 小林
Yasukazu Omae
安和 大前
Shinichi Yamada
山田  信一
Takashi Tsujii
孝 辻井
Teruhiro Ogawa
彰宏 小川
Akio Shinozaki
明夫 篠崎
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 柱構造物10は、柱11とこの柱11の上端
部に垂直かつ左右対称に延びる大梁12とで全体がT字
状に形成されてなり、柱11及び大梁12の長さ方向に
互いを接合するとともに、柱11における大梁12と直
交方向に取り付けられた直交梁13により互いを連結し
て建物10aを構成するようになっている。 【効果】 柱構造物10の製造が容易であり、かつその
建て方を簡便に行うことができるから、建物10aの施
工能率が向上する。また、柱構造物10は、形状が単純
であり、かつ軽量に形成することができるから建物10
aのさらなる施工能率が向上が可能であるとともにその
施工精度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柱と大梁を一体に接合
してなる柱構造物を水平垂直方向に接合する建物の施工
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建物の施工を能率良く行うために
プレキャスト化した柱及び梁を互いに接合する方法が採
られているが、近年の労務事情に伴う作業の省力化及び
工業化の求めに応じて、施工現場におけるさらなる施工
能率の向上のために施工すべき建物の柱と梁を一体とし
た柱構造物を上下左右に接合する方法が採られつつあ
る。
【0003】一方、前記柱構造物を接合する工法につい
て、施工すべき建物のPC化した柱1同士を上下に接合
する工法としては、図12に示すように、スプライスス
リーブジョイント2等を用いて互いの柱主筋3を接合す
る方法が採られている。前記工法にあっては、下方に位
置する側の柱1aの上部から上方へ突出する柱主筋3に
この柱1aの上部に施工するべき柱1bのスプライスス
リーブジョイント2の位置を合わせて建て方する。そし
て、柱1aと柱1bの接合部分にモルタルを注入するこ
とにより双方の接合を完了する。モルタルの注入方法と
しては、図12に示すように、接合を最も確実に行う方
法として、柱1aと柱1bの目地部よりSSモルタルを
注入充填する目地スリーブ同時注入方式が採用されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ような柱構造物を用いる施工方法の場合、以下のような
問題が生じていた。すなわち、前記のような柱構造物の
場合、互いの接合部分の鉄筋の位置を合わせることが難
しく鉄筋の収まりが悪いことから、作業能率の低下の原
因になるといった問題が生じていた。また、前記柱構造
物は、3次元的な形状となるから、多数を工場で製作す
るには作業面積が手狭であって、柱構造物の製作面から
も作業能率の低下がするほか、製作した柱構造物は重量
が大きく、運搬及び建て方の作業能率も低下といった問
題もある。
【0005】一方、前記柱構造物におけるプレキャスト
の柱1aと柱1bの接合部分における目地スリーブ同時
注入方式にあっては、柱1a及び柱1bの接合を確実に
行うために目地部を大きく採れば、高価なモルタルの使
用量が増加して目地部の施工費用が2から3倍になり施
工コストが上昇するといった問題がある。逆に目地部を
柱1a及び柱1bの接合に必要十分な大きさに形成すれ
ば、スプライススリープジョイント2へのモルタルの流
入が途中で詰まるなどして特にスプライススリーブへの
充填が不十分となることが懸念される。
【0006】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
ので、建物の施工能率を向上し、かつPC化された柱同
士の接合を簡便かつ確実に行うことができる建物の施工
方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の建物の施工方法
では、前記柱構造物の大梁を柱に対して略左右対称に接
合するとともに、梁の一面を柱の一面と面一に形成して
おくことを特徴とする大梁一体型柱構造物を用いたこ
と、ならびに前記大梁一体型柱構造物を用いた建物の施
工方法であって、前記柱構造物の直交梁との接合面に凹
凸部を形成しておくこと、ならびに前記柱構造の柱下面
に柱主筋を挿入する挿入孔を複数形成するとともに、目
地用モルタルの注入通路を各挿入孔でつなぐようにして
形成しておくことを前記課題の解決手段とした。
【0008】
【作用】本発明の前記請求項1の建物の施工方法によれ
ば、柱構造物を水平垂直方向に接合して建物を施工する
から、作業が単純化して学習効果が生じて能率及び精度
が向上する。また、柱構造物を現場で製作でかつ平面的
な形状に形成することにより、施工位置への移送が容易
でかつ製作が簡便であり、施工の一層の作業能率の向上
が可能となる。
【0009】前記請求項2の建物の施工方法によれば、
前記柱構造物の直交梁との接合面に凹凸部を形成してお
くから、この部分を含んで現場打ちコンクリートを打設
することにより接着度が向上して大梁に直交する直交梁
を形成することが容易となる。
【0010】前記請求項3の建物の施工方法によれば、
目地部より注入されるグラウト材は目地コッターを介し
てスプライススリーブ内に流入することによりスプライ
ススリーブへの充填が簡便となるから、目地部を従来よ
り小さく形成することが出来、目地部に充填されるグラ
ウト材を節約することができる。
【0011】
【実施例】以下本発明の一実施例を、図1及び図4を参
照して説明する。図中符号10は、本実施例の建物の施
工方法により施工された鉄筋コンクリート製の建物10
aを施工するために用いる大梁一体型柱構造物(以下、
単に柱構造物と称する)である。図1ないし図4に示す
ように、柱構造物10は、柱11とこの柱11の上端部
に垂直かつ左右対称に延びる大梁12とで全体がT字状
に形成されてなっている。図3に示すように、そして柱
構造物10は、柱11及び大梁12の長さ方向に互いを
接合するとともに、柱11における大梁12と直交方向
に取り付けられた直交梁13により互いを連結して建物
10aを構成するようになっている。
【0012】柱11は、断面矩形で鉛直に形成され、そ
の上部には、上端面11aから柱主筋11bが上方に突
出している。また、柱11上部の直交梁13が打ち継が
れる位置には打ち継ぎ時の定着を図るためのコッター1
4及び打ち継ぎ突起(凹凸部)14aが突出して形成さ
れている。一方、図5に示すように、柱下面11cに
は、柱11を上下に接合する際に自身の下方に位置する
柱11の柱主筋11bが挿入される柱主筋挿入孔11d
が前記柱主筋11bの位置に開口されている。また、図
6に示すように、柱下面11cには、グラウト材が注入
される目地部(注入通路)15が形成されている。目地
部15は、柱下面11cを充填されたグラウト材が目的
の強度を発現する厚さを有するような大きさに形成され
ている。そして、目地部15の柱主筋挿入孔11dの位
置は、上方に広く形成された目地コッター部15aとな
っている。
【0013】図6に示すように、柱11の下部には、下
方から挿入された柱主筋11bを自身の柱主筋11bと
接続するスプライススリーブ16が埋設されている。ス
プライススリーブ16は、鉄で形成された円筒状の部材
であって、中央部に柱主筋11bが挿入可能な柱主筋固
定孔16aが形成されている。そしてスプライススリー
ブ16は、柱主筋固定孔16aに挿入された柱主筋11
bと自身の柱主筋11bとを互いに突き合わせるように
してセットするとともに、この状態で内部に前記グラウ
ト材を充填して固着することにより、自身を介して双方
の柱主筋11b、11bを接合するようになっている。
また、柱11の下部には、グラウト材の充填時にグラウ
ト材に押し上げられる目地部15及びスプライススリー
ブ16内の空気を排出して充填作業をスムースに行うた
めの空気孔16bが外面からスプライススリーブ16の
上部まで貫設されている。
【0014】図1ないし図3に示すように、大梁12
は、上部にスラブ筋定着用の現場打ち部分12aを有す
る断面であって、一側の側面が柱11の上部で面一とな
るように寄せて取り付けられている。図1に示すよう
に、現場打ち部分12aには、大梁12の長さ方向に延
びる梁主筋12bと、この梁主筋12bに対して垂直方
向に巻き付けるようにして等間隔に配設された梁用剪断
補強筋12cとが設けられている。なお、大梁12は、
一側の側面が前記柱11の側面と面一に位置されること
により、柱構造物10の製作時に製作スペースに載置さ
れる載置面10bとなっている。
【0015】前記のように構成される柱構造物10を接
合して建物10aを施工するには以下のように行う。建
物10aの施工は、柱構造物10を製作する第1の工程
と、製作の完了した柱構造物10をその柱11及び大梁
12の長さ方向に互いに接合する第2の工程と、大梁1
2の直交方向に隣り合う柱構造物10を互いに直交梁1
3で連結する第3の工程を具備してなっている。
【0016】前記第1の工程は、建物10aの施工現場
近傍に柱構造物10の製作スペース(図示せず)を設
け、この製作スペース位置で鉄筋の組み立て及びプレキ
ャストコンクリート17の打設を行って柱構造物10を
製作する。図2に示すように、柱構造物10の製作は、
前記載置面10bを下にして前記スペースに横たえた状
態として、柱主筋11b、梁主筋12b、梁用剪断補強
筋12cその他の鉄筋を組み上げる。また、組み上がっ
た鉄筋には周囲を覆うようにしてプレキャストコンクリ
ート17を打設するための型枠(図示せず)を設置する
が、柱11の前記直交梁13の取り付けられる位置に
は、前記コッター14及び打ち継ぎ突起14aを形成す
るためのコッター用型枠18をあらかじめ取り付けてお
く。
【0017】図7に示すように、コッター用型枠18
は、概略正面視T字板状の部材であって、中央部に長方
形状の打ち継ぎ突起形成孔18aが設置されている。ま
た、コッター用型枠18の上下両端部には、前記梁主筋
12bが挿通可能な梁主筋挿通孔18bが水平方向に連
設されている。
【0018】図7及び図8に示すように、載置面10b
側のコッター用型枠18には各梁主筋挿通孔18bの取
り付け裏面側に、梁主筋12bを取り付けるための梁主
筋固定金具18cが表面からねじ(図示せず)などで螺
着されている。梁主筋固定金具18cは、内部が目ネジ
に形成されて梁主筋12bの端部が捩じ込み可能になっ
ているネジコン18dと、このネジコン18dの奥側端
部から取り付け奥方向に延びる梁主筋アンカー18eと
でなっている。梁主筋アンカー18eは、中央部が直角
に屈曲されたL字状であって、先端部がコッター用型枠
18と略平行となるようにセットされている。そして、
梁主筋アンカー18eは、柱11内に埋設されることに
より梁主筋12bの張力に対する支持力を発揮するよう
になっている。一方、載置面10bと相対する面に設置
するコッター用型枠18には、梁主筋固定金具18cを
用いず、梁主筋挿通孔18bに直接梁主筋12bを挿通
しておいてもよい。また、載置面10b側の梁主筋アン
カー18eと、載置面10bと相対する面の梁主筋12
bは連続した鉄筋としてもよい。
【0019】図9に示すように、載置面と相対する面に
設置するコッター用型枠18の取り付けは、コッター用
型枠18をその表面側から支持金具18fで支持する。
支持金具18fは、プレキャストコンクリート17を打
設すべき柱11の形状に組まれた型枠に取り付けられて
直交梁13の取り付け位置の両側部型枠から上方に突出
して対をなす第1の支持金具18g、18gと、これら
第1の支持金具18g、18gの各対にそれぞれ水平に
して架設された第2の支持金具18hと、各第2の支持
金具18hとコッター用型枠18の表面とを連結する第
3の支持金具18iとで構成されている。第1、第2、
第3の支持金具18g、18h、18iは、それぞれ断
面L字柱状の部材を適切な長さに切断してなっている。
【0020】支持金具18fを構成するには、まず、第
1の支持金具18gを、柱11の両側部型枠から合計4
箇所に取り付けて柱11の幅方向で向かい合う対を2対
形成する。各第1の支持金具18gは、それぞれ一側の
フランジの外面を柱11の側面に当接するとともに他側
のフランジを同じ側に位置させる。次いで、各第1の支
持金具18gの前記他側のフランジの上部に第2の支持
金具18hのフランジを当接してその長さ方向の端部を
溶接することにより、図9に示すように柱11表面から
所定距離離間させて架設する。そして、第2の支持金具
18hの架設の完了したら、第3の支持金具18iの一
側のフランジ外面を第2の支持金具18hのフランジに
当接して溶接するとともに、他側のフランジをコッター
用型枠18表面に当接して溶接する。なお、支持金具1
8fは、コッター用型枠18を表面側から支持する簡便
な方法の一例であって、他の形態に形成してもよい。
【0021】前記コッター用型枠18のセットが完了し
たら、型枠及びコッター用型枠18で囲まれた内部にプ
レキャストコンクリート17を打設して、柱構造物10
を完成する。十分に乾燥を完了した柱構造物10は、図
1に示すように、コッター用型枠18を柱11から取り
外す。この際、コッター用型枠18を取り除いた後に
は、柱11がコッター用型枠18の厚さ分窪んで前記コ
ッター14が形成されるとともに、前記打ち継ぎ突起形
成孔18aの位置にはコッター14から突出した打ち継
ぎ突起14aが形成される。また、打設したプレキャス
トコンクリート17が乾燥して十分に強度を発現した
ら、略直立するように立ち上げることによって、大梁1
2を左右から支持すれば、偏心が少なく初期姿勢のまま
簡便にストックしておくことができる。
【0022】なお、コッター用型枠18を設置した部分
は、打ち継ぎ突起形成孔18a及び梁主筋固定金具18
cなどが設けられていることなどから打設したプレキャ
ストコンクリート17の回りが悪くなって表面が粗くな
る可能性があるが、直交梁13の施工時の打ち継ぎ面と
なる部分であるから、特別に大きなジャンカの発生を避
ければ、現場打ちコンクリート19を打ち継いでその定
着に適当な目荒らしとなる。また、コッター用型枠18
の設置部分は、コンクリートを打ち継いだ後には、打ち
継ぎ面が露出しないから美観上の配慮を特別必要としな
い。
【0023】次いで、完成した柱構造物10は、施工位
置に移送して建て込み、隣り合う柱構造物10などとの
間に梁主筋12bと梁用剪断補強筋12cを配筋して現
場打ちコンクリート19を打設して柱11、11または
床部Tの接合と、大梁12、12の接合と、直交梁13
の施工を行う。
【0024】前記第2の工程は、例えば図6に示すよう
に、柱11を床部Tの上に載置して目地部15を形成す
るとともに、この目地部15からモルタル20を注入し
て前記スプライススリーブ16内に下方からモルタル2
0を充填する。
【0025】目地部15の形成は、床部T上の柱11が
載置される位置に予めレベル調整用プレート21を設置
し、柱11をこのレベル調整用プレート21の上に載置
するようにして設置する。レベル調整用プレート21
は、上面に柱11が前記柱下面11cを水平として載置
されることにより、モルタル20が充填されて柱11と
床部Tの間を安定に支持可能な厚さの目地部15を構成
する大きさに形成されている。また、図6に示すよう
に、柱11の載置は、スプライススリーブ16内に床部
T側の柱主筋11bが挿入されるように行う。
【0026】図6に示すように、柱11の載置が完了し
たら、柱下面11cの外周縁と床部Tとの間に目地押さ
えモルタル22を付着することにより、モルタル20を
注入するための入口を残して柱下面11cと床部Tの間
を密閉する。そして、密閉作業の完了後、前記入口から
モルタル20を注入して目地部15及びスプライススリ
ーブ16内部に充填する。モルタル20の注入は、目地
部15より開始して目地コッター部15a、スプライス
スリーブ16の順にその内部に充填していく。なお、モ
ルタル20の充填に伴い、目地部15、目地コッター部
15a、スプライススリーブ16内にあって上方に押し
上げられる空気は、前記空気孔16bより柱11外に放
出されて、内圧の上昇が防がれるからモルタル20は目
地部15の下方からスプライススリーブ16の上方に向
かってスムースに充填されていく。
【0027】大梁12、12の接合は、現場打ちコンク
リート19の打設などの従来工法により行う。
【0028】図1、図3、図10及び図11に示すよう
に、前記第3の工程は、隣り合う柱構造物10、10間
で双方のコッター14、14e間に直交梁13用の梁主
筋12b及び梁用剪断補強筋12cを組み上げ、現場打
ちコンクリート19を打設する。
【0029】梁主筋12b及び梁用剪断補強筋12cの
組み上げは、まず、前記ネジコン18dにねじが形成さ
れた梁主筋12bの端部を捩込んで螺着する。そして、
図3及び図10に示すように、隣り合う柱構造物10か
ら延びる梁主筋12bの端部をエンクロ溶接で延長して
大梁12d及び直交梁13を構成することにより連結す
る。梁主筋12b、12bの連結が完了したら、これら
梁主筋12bに梁用剪断補強筋12cを取り付ける。
【0030】梁主筋12b及び梁用剪断補強筋12cの
組み上げが完了したら、現場打ちコンクリート19を打
設して大梁12d及び直交梁13を完成する。また、同
時に他の梁スラブ等の配筋を施工した後全体に現場打ち
コンクリート19を打設することにより床部Tを完成
し、建物10aを構築する。図11に示すように、直交
梁13の柱11との接合部は、現場打ちコンクリート1
9を前記コッター14及び打ち継ぎ突起14aに打設す
ることによりコッター14表面との打ち継ぎの接合強度
を良好に確保することができる。また、打ち継ぎ突起1
4aは、その形状より剪断荷重に対して大きな耐力を発
揮するから、直交梁13自身及び直交梁13に作用する
荷重の支持に好適である。
【0031】以下、本実施例の作用を説明する。前記柱
構造物10は、左右対称なT字状に形成されて偏心が少
ないから重量のバランスをとることが容易であって、前
記ストック時のみならず施工位置への移送や建て込み時
においても掲重及び設置作業を簡便に行うことができ
る。
【0032】また、柱構造物10は、柱11及び大梁1
2の一側の面が面一に形成されているから、製作スペー
スに寝かせた状態で製作することができるほか、プレキ
ャストコンクリート17を平打ちで打設することが出
来、製作作業を簡便に行うことができる。加えて、柱構
造物10は、柱11と大梁12がT字状に形成されてお
り直交梁13が現場打ちであることから、軽量であって
移送が簡便である。
【0033】一方、柱構造物10は、形状が平面状であ
るから、移送時に建物10aの完成部分や機材などとの
干渉を少なく出来、移送作業を簡便に行うことができる
ほか、建て方作業も単純となる。
【0034】したがって、本実施例の建物の施工方法に
よれば、柱構造物10の製造が容易であり、かつその建
て方を簡便に行うことができるから、建物10aの施工
能率が向上する。また、柱構造物10は、形状が単純で
あり、かつ軽量に形成することができるから建物10a
のさらなる施工能率が向上が可能であるとともにその施
工精度が向上する。
【0035】さらに、コッター14は表面が目荒らした
状態であるとともに打ち継ぎ突起14aが設けられてい
るから、柱11と直交梁13とを前記コッター14を介
して接続することにより双方の接合強度が向上し、かつ
その剪断耐力が向上する。
【0036】加えて、前記目地部15は、目地部15に
流入したモルタル20が目地コッター部15aを介して
スプライススリーブ16内に流入することにより目地部
15とスプライススリーブ16の間にモルタル20が滞
留することが防がれるから、目地部15を小さく形成す
ることができる。その結果、高価なモルタル20の使用
量を節約することができ、柱11下部の施工費用を大幅
に低減することができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の建物の施
工方法によれば、前記柱構造物の大梁を柱に対して略左
右対称に接合するとともに、梁の一面を柱の一面と面一
に形成しておくことを特徴とする大梁一体型柱構造物を
用いたこと、ならびに前記大梁一体型柱構造物を用いた
建物の施工方法であって、前記柱構造物の直交梁との接
合面に凹凸部を形成しておくこと、ならびに前記柱構造
の柱下面に柱主筋を挿入する挿入孔を複数形成するとと
もに、目地用モルタルの注入通路を各挿入孔でつなぐよ
うにして形成しておくことを特徴としており、柱構造物
を水平垂直方向に接合して建物を施工するから、作業が
単純化して学習効果が生じて能率及び精度が向上する。
また、柱構造物を現場で製作しかつ平面的な形状に形成
することにより、施工位置への移送が容易でかつ製作が
簡便であり、施工の一層の作業能率の向上が可能となる
ほか、柱の製造が容易であり、かつその建て方を簡便に
行うことができるから、建物の施工能率が向上する。ま
た、柱は、形状が単純であり、かつ軽量に形成すること
ができるから建物のさらなる施工能率が向上が可能であ
るとともにその施工精度が向上する。
【0038】さらに、前記柱構造物の直交梁との接合面
は、凹凸部が形成されているから、柱と直交梁とを前記
凹凸部を介して接続することにより双方の接合強度が向
上し、かつその剪断耐力が向上する。
【0039】加えて、前記目地部は、目地部に流入した
目地用モルタルが注入通路を介して柱主筋の各挿入孔内
に流入することにより流入通路と各挿入孔の間に目地用
モルタルが滞留することが防がれるから、目地部を小さ
く形成することができる。その結果、高価なモルタルの
使用量を節約することができ、柱下部の施工費用を大幅
に低減することができるといった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す要部斜視図である。
【図2】前記柱構造物を示す斜視図である。
【図3】前記正面図である。
【図4】前記柱構造物により施工すべき建物である。
【図5】前記柱構造物を示す下面図である。
【図6】前記施工時の柱構造物の下部を示す側面図であ
る。
【図7】前記コッター用型枠の裏面側を示す斜視図であ
る。
【図8】前記コッター用型枠の断面及び梁主筋固定金具
を示す側面図である。
【図9】前記コッター近傍の施工方法を示す施工手順図
である。
【図10】前記柱構造物への直交梁の取り付けを示す施
工手順図である。
【図11】前記柱構造物と直交梁との接合部分を示す拡
大断面図である。
【図12】従来の技術を示す要部拡大図である。
【符号の説明】 10 柱構造物 11 柱 11c 柱下面 11d 柱主筋挿入孔 12 大梁 13 直交梁 14 コッター(凹凸部) 14a 打ち継ぎ突起(凹凸部) 15 目地部(注入通路) 19 現場打ちコンクリート 20 モルタル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻井 孝 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 小川 彰宏 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 篠崎 明夫 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱と大梁を一体に接合してなる柱構造物
    を柱同士を連結して上下方向に積み上げるとともに、大
    梁同士を接続して左右方向に配設し、さらに大梁に直交
    する直交梁を現場打ちコンクリートにより製造するよう
    にした建物の施工方法であって、前記柱構造物の大梁を
    柱に対して略左右対称に接合するとともに、梁の一面を
    柱の一面と面一に形成しておくことを特徴とする大梁一
    体型柱構造物を用いた建物の施工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の大梁一体型柱構造物を用
    いた建物の施工方法であって、前記柱構造物の直交梁と
    の接合面に凹凸部を形成しておくことを特徴とする建物
    の施工方法。
  3. 【請求項3】 前記請求項1の建物の施工方法であっ
    て、前記柱構造の柱下面に柱主筋を挿入する挿入孔を複
    数形成するとともに、目地用モルタルの注入通路を各挿
    入孔でつなぐようにして形成しておくことを特徴とする
    建物の施工方法。
JP22189791A 1991-09-02 1991-09-02 大梁一体型柱構造物を用いた建物の施工方法 Withdrawn JPH05209433A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08302891A (ja) * 1995-05-08 1996-11-19 Ohbayashi Corp 柱と梁とを一体化したプレキャストコンクリート部材
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JPH1068166A (ja) * 1996-08-27 1998-03-10 Kumagai Gumi Co Ltd ブラケット付き柱体の建築構造物への組付け構造
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JP6807473B1 (ja) * 2020-02-14 2021-01-06 鹿島建設株式会社 接合構造の構築方法および接合構造

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