JPH05197176A - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JPH05197176A
JPH05197176A JP1024692A JP1024692A JPH05197176A JP H05197176 A JPH05197176 A JP H05197176A JP 1024692 A JP1024692 A JP 1024692A JP 1024692 A JP1024692 A JP 1024692A JP H05197176 A JPH05197176 A JP H05197176A
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JP
Japan
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group
alkyl group
indicates
formula
hydrogen atom
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JP1024692A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Ono
均 小野
Junko Watabe
純子 渡部
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 導電性支持体上に、下記一般式で表わされる
アゾ化合物を含有する感光層を有する電子写真感光体。 【化1】 Ar;結合基を介して結合していてもよい芳香族炭化水
素基または複素環基。n;1〜4。R1 ;特定の基。
X;特定の基。m;0〜4。 点線;点線部分の存在しないベンゼン環あるいは存在す
るナフタレン環を表わすことを意味する。 【効果】 高感度で感色性も良好であり、特に光疲労が
少ないため、繰返し使用した場合、感度、帯電性、残留
電位の変動が少なく、安定性が高く、耐久性がきわめて
すぐれたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真用感光体に関す
る。さらに、詳しくは、本発明は、新規なアゾ化合物を
含有する高感度な電子写真用感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真用感光体としては、従来はセレ
ン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無機系の光導電性物
質を用いた感光体が使用されていたが、最近は、無公害
で、製造、取扱いが容易であること、画質が良好である
こと、ドラム、シート、ベルトなど各種の形状の感光体
が簡単に得られることなどの多くの利点を有する有機系
光導電性化合物(以下OPCと略す)を用いた、いわゆ
るOPC感光体が普通紙複写機やプリンター用に採用さ
れるようになり、しかもその割合は年々増加している。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】OPC感光体は、従
来の無機系の感光体に比べ多くの利点を有しているが、
感度や耐久性などでは劣っており、現在のところは主に
低速機分野に使用されている。このため、感度、耐久性
共にすぐれたOPCの開発が望まれている。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、高感度
かつ高耐久性の電子写真用感光体を得るために新規なO
PCについて鋭意検討した結果、特定のアゾ化合物が好
適であることを見い出し本発明に到達した。すなわち、
本発明の要旨は、導電性支持体上に、下記一般式〔I〕
【0005】
【化3】
【0006】(式中、R1 は水素原子、低級アルキル
基、低級アルコキシ基又はハロゲン原子を表わし;Ar
は結合基を介して結合していてもよい芳香族炭化水素基
または複素環基を表わし、nは1、2、3または4の数
を表わし;Xは低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハ
ロゲン原子、ニトロ基、下記一般式〔II〕、〔III 〕も
しくは〔IV〕で表されるいずれかの基を表わし、mは
0、1、2、3または4の数を表わし、但しmが2ない
し4の場合、m個のXは上記置換基の中同一でも異種の
置換基でもよく;
【0007】
【化4】
【0008】R2 、R3 およびR4 は水素原子、置換基
を有していてもよいアルキル基、または置換基を有して
いてもよいアリール基を表わし、R3 およびR4 は互い
に同一でも異なっていてもよく、互いに共同して環を形
成してもよく;R5 は水素原子、低級アルキル基、低級
アルコキシ基、ハロゲン原子またはニトロ基を表わし;
式中の点線は、点線部分が存在しないベンゼン環か、存
在するナフタレン環かのいずれかを表わすことを意味す
る。)で表わされるアゾ化合物を含有する感光層を有す
ることを特徴とする電子写真用感光体に存する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
電子写真用感光体に含有されるアゾ化合物は前示一般式
〔I〕で示される。一般式〔I〕において、R1 は水素
原子;メチル基、エチル基、プロピル基等の低級アルキ
ル基;メトキシ基、エトキシ基等の低級アルコキシ基;
塩素原子、フッ素原子、臭素原子、等のハロゲン原子が
挙げられる。
【0010】一般式〔I〕において、Arは1〜4価の
結合基を介して結合していてもよい芳香族炭化水素基ま
たは複素環基を示す。芳香族炭化水素基としては、例え
ば、フェニル基、ナフチル基、1−ピレニル基、2−ア
ントリル基、5−アセナフテニル基等の単環式または縮
合多環式芳香族炭化水素の1価基;フェニレン基、1,
3−または1,4−ナフチレン基、2,6−アントラキ
ノニレン基、2,7−フルオレニレン基、ピレニレン基
等の単環式または縮合多環式芳香族炭化水素の2価基;
その他ピフェニレン基等の2価基が挙げられる。結合基
を介して結合していてもよい芳香族炭化水素基として
は、一般式
【0011】
【化5】
【0012】(式中、Yは−O−、−S−、−S−S
−、−SO−、−SO2 −、−CO−、−CONH−、
−CH2 −、−CH=CH−、
【0013】
【化6】
【0014】で表わされるビスフェニレン基、キサント
ニレン基、フルオレノニレン基等の2価基;その他トリ
フェニルアミン、トリフェニルメタン、9−フェニルフ
ルオレン等から導かれた3価の基等が挙げられる。ま
た、複素環基としては、ナフトイレンベンズイミダゾリ
ル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズオキサゾリル基、
カルバゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノリル基等の
9〜20員環の複素環の1価基;カルバゾールジイル
基、ベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾチオフェンジ
イル基、ベンゾチオフェンオキサイドジイル基等の9〜
20員環の複素環の2価基;N−フェニルカルバゾール
トリイル基、トリフェニルアミン−トリイル基等の3価
基;テトラフェニルエチレンテトライル基、p,p′−
ジフェニルアミノ−スチルベン−テトライル基等の4価
基が挙げられる。
【0015】感度及び耐久性を考慮した場合、フェニル
基、ナフチル基、ピレニル基、ナフチレン基、アントラ
キノニレン基、ビフェニレン基、一般式
【0016】
【化7】
【0017】(式中、Yは−O−、−S−、−CH
2 −、−CH=CH−、
【0018】
【化8】
【0019】で表わされるビスフェニレン基、ナフトイ
レンベンズイミダゾリル基、特に、
【0020】
【化9】
【0021】本発明において、これら芳香族炭化水素基
および複素環基は置換基を有していてもよい。具体的に
は、ニトロ基;シアノ基;塩素原子、臭素原子等のハロ
ゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、1−
ブチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基等のアルコキシ基;フェニル基等のアリール
基;フェニルアミノ基等のアリールアミノ基;フェノキ
シ基等のアリールオキシ基;スチリル基、ナフチルビニ
ル基等のアリールビニル基等が挙げられる。中でも、ニ
トロ基、シアノ基、メチル基、メトキシ基、塩素原子、
特に、ニトロ基、シアノ基が好ましい。
【0022】一般式〔I〕において、Xはメチル基、エ
チル基、プロピル基等の低級アルキル基;メトキシ基、
エトキシ基等の低級アルコキシ基;塩素原子、フッ素原
子、臭素原子等のハロゲン原子;ニトロ基;下記一般式
〔II〕、〔III 〕または〔IV〕で表されるいずれかの基
を表わし、mはベンゼン環またはナフタレン環へのXの
結合の数を示し、0、1、2、3または4の数を表わ
す。但しmが2ないし4の場合、m個のXは上記置換基
のうち、同一でも異種の置換基でもよく;
【0023】
【化10】
【0024】R2 、R3 およびR4 はそれぞれ水素原
子、メチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアル
キル基;フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等
のアリール基を表わし、R3 およびR4 は互いに同一で
も異なっていてもよく、互いに共同してピロリジン環、
ピペリジン環等の環を形成してもよい。これらのアルキ
ル基、アリール基は置換基を有していてもよく、置換基
としては、水酸基;塩素原子、臭素原子、よう素原子等
のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基等の
アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等の
アルコキシ基;アリル基;フェノキシ基、トリロキシ基
等のアリールオキシ基;フェニル基、ナフチル基等のア
リール基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジ
アルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基、ジナフチルア
ミノ基等のジアリールアミノ基;ジベンジルアミノ基、
ジフェネチルアミノ基等のジアラルキルアミノ基又、上
記のアミノ基の置換基を組み合わせたジ置換アミノ基等
があげられる。
【0025】R5 は水素原子、メチル基、エチル基、プ
ロピル基等の低級アルキル基;メトキシ基、エトキシ基
等の低級アルコキシ基;塩素原子、フッ素原子、臭素原
子、等のハロゲン原子;ニトロ基等があげられる。点線
は、点線部分が存在しないベンゼン環か、存在するナフ
タレン環のいずれかを表わすことを意味する。
【0026】本発明のアゾ化合物は、例えば、下記一般
式〔V〕で表わされるカプラー成分と一般式Ar−(N
2 n (式中、Ar及びnは前記と同じ意義を有す
る。)で表わされる芳香族モノ−、ジ−、トリ−または
テトラアミンから誘導されるジアゾニウム塩、テトラゾ
ニウム塩、ヘキサゾニウム塩またはオキサゾニウム塩と
のカップリング反応により容易に合成することができ
る。
【0027】
【化11】
【0028】(式中、R1 ,X,mおよび点線は前記一
般式〔I〕におけると同じ意義を有する。)かかるカッ
プリング反応は公知の方法に従い、通常、水及び/又は
ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N−メチルピロリドン等の有機溶媒中、反応温度3
0℃以下にて1時間ないし10時間程度反応させればよ
い。一般式〔V〕で表わされるカプラー成分は、例えば
工業化学雑誌74(7)1390(1971)、アメリ
カ特許第3,023,213号、ドイツ特許第2,21
0,168号等、あるいは特開昭50−114439号
に記載の公知の方法により製造することができる。
【0029】本発明の電子写真用感光体は上記一般式
〔I〕で表わされるアゾ系化合物を1種又は2種以上含
有する感光層を有する。感光層は種々の形態のものが周
知であるが、本発明の感光体においては、そのいずれの
タイプであってもよい。特に好適なのは、本発明のアゾ
化合物を電荷発生材料としてバインダー中に分散させ、
これを電荷発生層とし、周知の電荷キャリヤー輸送媒体
を含む、電荷輸送層を積層した積層型感光体や、上記の
アゾ化合物の分散層中に、周知の電荷キャリヤー輸送媒
体を添加した単層型感光体などが挙げられる。
【0030】本発明の上記一般式〔I〕で示されるアゾ
化合物は電荷キャリヤーの発生効率及び電荷キャリヤー
輸送媒体へのキャリヤー注入効率が高く、前記の積層型
や単層型の機能分離型感光体の電荷発生材料としてきわ
めてすぐれた性能を有している。本発明のアゾ化合物と
組合せて用いる電荷キャリヤー輸送媒体は一般に電子の
輸送媒体とホールの輸送媒体の2種に分類されるが、本
発明感光体には両者とも使用することができ、またその
混合物をも使用できる。電子の輸送媒体としてはニトロ
基、シアノ基、エステル基等の電子吸引性基を有する電
子吸引性化合物、例えば2,4,7−トリニトロフルオ
レノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン等
のニトロ化フルオレノンあるいはテトラシアノジメタン
が挙げられる。また、ホールの輸送媒体としては電子供
与性の有機光導電性化合物、例えばカルバゾール、イン
ドール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オ
キサジアゾール、ピラゾール、ピラゾリン、チアジアゾ
ール等の複素環化合物;トリフェニルメタン等のトリア
リールアルカン誘導体;トリフェニルアミン等のトリア
リールアミン誘導体;フェニレンジアミン誘導体;N−
フェニルカルバゾール誘導体;スチルベン誘導体;ヒド
ラゾン化合物などが挙げられ、特に、ジアルキルアミノ
基、ジフェニルアミノ基の様な置換アミノ基、あるいは
アルコキシ基、アルキル基の様な電子供与性基、あるい
はこれらの電子供与性基が置換した芳香族環基が置換し
た電子供与性の大きな化合物が挙げられる。又、ポリビ
ニルカルバゾールの様に、これらの化合物からなる基を
主鎖もしくは側鎖に有する重合体も挙げられる。これら
の内、ヒドラゾン化合物としては下記一般式〔VI〕
【0031】
【化12】
【0032】(式中、Qは、フェニル基、スチリル基、
ナフチル基等の置換基を有していてもよい芳香族炭化水
素基又はカルバゾリル基等の複素環基を示し、R6 及び
7 は例えばメチル基、エチル基等のアルキル基;フェ
ニル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基等のア
ラルキル基を示し、R6 、R7 の内少なくとも1つはア
リール基であり、aは1又は2を示す)で表わされるヒ
ドラゾン化合物が特に好適である。
【0033】本発明の電子写真用感光体は常法に従って
製造できる。すなわち、本発明の電子写真用感光体は、
導電性支持体上に、本発明のアゾ化合物を含有する電荷
発生層と電荷輸送層を有する積層型か、アゾ化合物が分
散した感光層を有する単層型の感光体であり、これらの
他に、接着層、ブロッキング層などの中間層や、保護層
など、電気特性、機械特性などの性能改良のための層を
設けてもよい。導電性支持体としては周知の電子写真用
感光体に採用されているものがいずれも使用できる。具
体的には例えばアルミニウム、銅等の金属ドラム、シー
トあるいはこれらの金属箔のラミネート物、蒸着物が挙
げられる。更に、金属粉末、カーボンブラック、ヨウ化
銅、高分子電解質等の導電性物質を適当なバインダーと
ともに塗布して導電処理したプラスチックフィルム、プ
ラスチックドラム、紙等が挙げられる。また、金属粉
末、カーボンブラック、炭素繊維等の導電性物質を含有
し、導電性となったプラスチックのシートやドラムある
いは、酸化スズ、酸化インジウム等の導電性金属酸化物
層を表面に有するプラスチックフィルムなどが挙げられ
る。
【0034】前記した積層型感光体では、通常は導電性
支持体上に電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層が
形成されるが、逆の構成でもよい。該電荷発生層は、本
発明のアゾ化合物とバインダーポリマーを含む塗布液を
塗布、乾燥して形成される。アゾ化合物は溶解していて
もよいが通常は分散した状態の塗布液として塗布され
る。塗布液調製用の溶媒としてはブチルアミン、エチレ
ンジアミン等の塩基性溶媒;テトラヒドロフラン、1,
4−ジオキサン等のエーテル類;メチルエチルケトン、
シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド、ア
セトニトリル、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホ
キシド等の非プロトン性極性溶媒;メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール等のアルコール類;酢酸エチ
ル、蟻酸メチル、メチルセロソルブアセテート等のエス
テル類;ジクロロエタン、クロロホルム等の塩素化炭化
水素などが挙げられる。
【0035】アゾ化合物を分散する場合には、1μm以
下、好ましくは0.5μm以下の粒径にすることが必要
である。バインダーとしては、スチレン、酢酸ビニル、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルア
ルコール、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重
合体及び共重合体、フェノキシ樹脂、ポリスルホン、ポ
リビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリウレタン、セルロースエステル、
セルロースエーテル、エポキシ樹脂、けい素樹脂等が挙
げられる。
【0036】本発明のアゾ化合物とバインダーポリマー
との割合は、特に制限されないが、一般には、ビスアゾ
化合物100重量部に対し、5〜500重量部、好まし
くは20〜300重量部のバインダーポリマーを使用す
る。上記塗布液にはこの他にも分散安定剤、塗布性改良
剤、さらには、性能改良のための、色素、電子吸引性化
合物その他の添加剤を加えてもよい。電荷発生層の膜厚
は0.05〜5μm、好ましくは0.1〜2μmになる
様にする。
【0037】電荷発生層用の上記塗布液に前記電荷キャ
リヤー輸送媒体を1種又は2種以上溶解し、乾燥後の膜
厚が5〜50μm、好ましくは10〜30μmになる様
に導電性支持体上に塗布すれば、単層型の感光体が得ら
れる。アゾ化合物とバインダーポリマーおよび電荷キャ
リヤー移動媒体との割合は通常アゾ化合物10重量部に
対しバインダーポリマーが10〜1000重量部好まし
くは30〜500重量部、電荷キャリヤー輸送媒体が5
〜1000重量部、好ましくは20〜500重量部であ
る。
【0038】積層型感光体においては、前記電荷発生層
の上に、電荷キャリヤー輸送媒体を含む塗布液を塗布し
乾燥することにより、電荷輸送層が形成される。電荷キ
ャリヤー輸送媒体が成膜性のある高分子化合物の場合は
特にバインダーポリマーを用いなくてもよいが、可とう
性改良等のために混合してもよい。低分子化合物の場合
は、フィルム形成のためにバインダーポリマーを用い
る。バインダーポリマーとしては前記のものが用いら
れ、その使用量は通常電荷キャリヤー輸送媒体100重
量部に対し50〜3000重量部、好ましくは70〜1
000重量部の範囲である。
【0039】電荷輸送層には、この他にも性能改良や塗
膜の機械的強度、耐久性の向上のために種々の添加剤を
用いることができる。この様な添加剤としては、電子吸
引性化合物や色素類、紫外線吸収剤や酸化防止剤等の安
定剤、塗布性改良剤、可塑剤、架橋剤等が挙げられる。
電子吸引性化合物としては例えばクロラニル、2,3−
ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2−メチルアントラ
キノン、1−ニトロアントラキノン、1−クロロ−5−
ニトロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、フ
ェナントレンキノン等のキノン類;4−ニトロベンズア
ルデヒド等のアルデヒド類;9−ベンゾイルアントラセ
ン、インダンジオン、3,5−ジニトロベンゾフェノ
ン、3,3′、5,5′−テトラニトロベンゾフェノン
等のケトン類;無水フタル酸、4−クロロナフタル酸無
水物等の酸無水物;テトラシアノエチレン、テレフタラ
ルマロノニトリル、4−ニトロベンザルマロノニトリ
ル、4−ベンゾイルオキシベンザルマロノニトリル、4
−(p−ニトロベンゾイルオキシ)ベンザルマロノニト
リル等のシアノ化合物;3−ベンザルフタリド、3−
(α−シアノ−p−ニトロベンザル)フタリド、3−
(α−シアノ−p−ニトロベンザル)−4,5,6,7
−テトラクロロフタリド等のフタリド類等が挙げられ
る。
【0040】
【発明の効果】本発明のアゾ化合物を含有する電子写真
用感光体は、高感度で感色性も良好であり、特に光疲労
が少ないため、繰返し使用した場合、感度、帯電性、残
留電位の変動が少なく、安定性が高く、耐久性がきわめ
てすぐれたものである。特に、同種のカップラー残基が
結合した化合物よりも感度がすぐれている。電子写真方
式の普通紙複写機のみでなく、性能の安定性、信頼性が
特に要求されるレーザプリンタ、液晶、シャッタープリ
ンタ、LEDプリンタ等のプリンタ用感光体にも適した
感光体である。
【0041】
【実施例】次に本発明を参考例と実施例により更に具体
的に説明するが、本発明はその要旨をこえない限り以下
の実施例に限定されるものではない。なお、参考例と実
施例中[ 部 ]とあるは[ 重量部 ]を示す。
【0042】参考例1 文献(Friedl.,22,482)に従ってイサチ
ンとクロルアセトンを水酸化カルシウムの存在下に縮合
して得た2−メチル−3−オキシキノリン−4−カルボ
ン酸3.18gおよび無水フタル酸2.96gを1,
2,4−トリクロルベンゼン30ml中で3時間加熱還
流させた。析出した結晶を濾取、メタノールで十分洗浄
した後乾燥して黄色結晶2.60gを得た(融点263
〜264℃)。元素分析値ならびに赤外吸収スペクトル
測定により、この結晶は3′−ヒドロキシキノフタロン
であることがわかった。元素分析値は下記の通りであっ
た。
【0043】C1811NO3 として 計算値;C74.73%、H3.83%、N4.84% 実測値;C74.60%、H3.89%、N4.77%
【0044】参考例2 参考例1で得た3′−ヒドロキシキノフタロン1.77
gをジメチルスルホキシド400mlに溶解し、20℃
条件下で攪拌しつつこれに2,5−ビス(4′−アミノ
フェニル)−1,3,4−オキサジアゾールのテトラゾ
ニウムホウフッ化水素酸塩のジメチルスルホキシド溶液
を滴下し、その後酢酸ナトリウム水溶液を滴下し、その
まま3時間保持した。反応後析出したビスアゾ化合物を
濾過し、次いで、これをメタノール、希酢酸、水、テト
ラヒドロフラン等により洗浄後、乾燥した。得られた固
体は暗褐色を呈しており、320℃以下では融解しなか
った。元素分析値および赤外吸収スペクトル(図1)測
定よりこのものは下記の構造式で示される目的のビスア
ゾ化合物と同定された。収量1.02gで元素分析値は
下記の通りであった。
【0045】
【化13】
【0046】C50288 7 として 計算値;C70.42%、H3.31%、N13.14
% 実測値;C70.19%、H3.40%、N13.23
% 以後の実施例において用いられる本発明のアゾ化合物は
本参考例またはこれと類似の方法により合成を行った。
【0047】実施例1〜28 表−1〜4に示すアゾ化合物0.4部をシクロヘキサノ
ン30部と共にサンドグラインダーにより分散させ、こ
れにポリビニルブチラール(積水化学工業(株)製、商
標エスレック)を0.4部添加溶解させた。得られたア
ゾ化合物の分散液を厚さ75μmのポリエステルフィル
ムに蒸着したアルミニウム蒸着層の上にワイヤーバーで
乾燥膜厚が0.4g/m2 となる様塗布した後乾燥し
た。この様にして得られた電荷発生層上にN−エチルカ
ルバゾール−3−アルデヒドジフェニルヒドラゾン90
部およびポリカーボネート樹脂(三菱化成(株)製、商
標ノパレックス7525)100部をジオキサン670
部に溶解した溶液を乾燥膜厚が13μmになる様に塗布
し、電荷輸送層を形成した。この様にして2層からなる
感光層を有する電子写真感光体が得られた。
【0048】これらの感光体の感度として半減露光量
(E1/2 )の値を表−1,表−2,表−3および表−4
に示した。半減露光量は、前記感光体を静電複写紙試験
装置(川口電機製作所製モデルSP−428)により測
定した。まず暗所で−6.5kVのコロナ放電により帯
電させ、次いで照度5 luxの白色光で露光し、表面電位
が初期表面電位の半分に減衰するために必要な露光量を
求めた。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例2で得たビスアゾ化合物の赤外吸収スペ
クトル図

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、下記一般式〔I〕 【化1】 (式中、R1 は水素原子、低級アルキル基、低級アルコ
    キシ基又はハロゲン原子を表わし;Arは結合基を介し
    て結合していてもよい芳香族炭化水素基または複素環基
    を表わし、nは1、2、3または4の数を表わし;Xは
    低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、ニ
    トロ基、又は、下記一般式〔II〕、〔III〕もしくは〔I
    V〕で表されるいずれかの基を表わし、mは0、1、
    2、3または4の数を表わし、但しmが2ないし4の場
    合、m個のXは上記置換基のうち、同一種もしくは異種
    の置換基でもよく; 【化2】 2 、R3 およびR4 は水素原子、置換基を有していて
    もよいアルキル基、または置換基を有していてもよいア
    リール基を表わし、R3 およびR4 は互いに同一でも異
    なっていてもよく、互いに共同して環を形成してもよ
    く;R5 は水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ
    基、ハロゲン原子またはニトロ基を表わし;式中の点線
    は、点線部分が存在しないベンゼン環か、存在するナフ
    タレン環かのいずれかを表わすことを意味する。)で表
    わされるアゾ化合物を含有する感光層を有することを特
    徴とする電子写真用感光体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105669545A (zh) * 2016-03-15 2016-06-15 江苏华尔化工有限公司 一种染料分散黄54#的制备工艺
JP2018062578A (ja) * 2016-10-13 2018-04-19 Dic株式会社 新規キノフタロン化合物

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CN105669545A (zh) * 2016-03-15 2016-06-15 江苏华尔化工有限公司 一种染料分散黄54#的制备工艺
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