JP3120515B2 - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JP3120515B2
JP3120515B2 JP03339075A JP33907591A JP3120515B2 JP 3120515 B2 JP3120515 B2 JP 3120515B2 JP 03339075 A JP03339075 A JP 03339075A JP 33907591 A JP33907591 A JP 33907591A JP 3120515 B2 JP3120515 B2 JP 3120515B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真用感光体に関す
る。さらに詳しくは、本発明は新規なアゾ化合物を含有
する高感度な電子写真用感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真用感光体としては、従来はセレ
ン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無機系の光導電性物
質を用いた感光体が使用されていたが、最近は無公害品
で製造や、取扱いが容易であること、画質が良好である
こと、ドラム、シート、ベルトなど各種の形状の感光体
が簡単に得られることなどの多くの利点を有する有機系
の光導電性化合物(OPC)を用いた、いわゆるOPC
感光体がPPCやプリンター用に採用されるようにな
り、しかもその割合は年々増加している。OPC感光体
は、従来の無機系感光体に比べ多くの利点を有してい
る。
【0003】OPC感光体の感度と耐久性向上の手段と
して数多くの試みがなされている。OPC感光体として
最初に実用化されたのはポリビニルカルバゾール(PV
K)と電子吸引性化合物である2,4,7−トリニトロ
フルオレノン(TNF)との混合により形成される電荷
移動錯体による増感作用を利用した感光体であった。
【0004】しかし、その後、数多くの電荷移動錯体型
のOPC感光体の開発が行なわれたが、PVK−TNF
系感光体をしのぐ性能のものは実用化されていない。現
在主に実用化されているのは、電荷キャリヤーの発生と
輸送の機能を分離して別々の化合物に分担させた、機能
分離型と呼ばれる感光体である。機能分離型感光体は、
電荷キャリヤーの発生効率が高い化合物と輸送効率の高
い化合物を組合せることが可能であり、さらに、耐久性
にすぐれた材料の選択の幅も広く、高感度でかつ耐久性
にすぐれた感光体を得ることが可能なタイプである。
【0005】機能分離型感光体の形態としては、キャリ
ヤー発生材料とキャリヤー輸送材料が別々の層に分離
し、積層された積層型と、同一の感光層中に含まれる単
層型の2種類があるが、いずれの場合でもキャリヤー発
生材料が光を吸収してキャリヤーを発生し、発生したキ
ャリヤーをキャリヤー輸送材料に注入し、キャリヤー輸
送材料の分子間をキャリヤーが移動するプロセスが感光
体中で行なわれている。従って、感光体の感度は、キャ
リヤーの発生効率、注入効率、輸送効率により左右さ
れ、発生効率の高いキャリヤー発生材料と輸送効率の高
いキャリヤー輸送材料、および注入効率の高いキャリヤ
ー発生材料と輸送材料の組合せが選択されている。
【0006】キャリヤー発生材料としては、各種の光導
電性顔料が開発されている。PPC用には他の顔料に比
べ、高感度で、分光感度も適していることから、特にア
ゾ顔料が数多く検討され、実用化され、高感度な例もい
くつか報告されている。しかしながら、耐久性の点で
は、従来のアゾ顔料は、一般に光疲労が大きく、十分と
は言えなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はOPC
感光体の問題点である感度と耐久性を共に改良した感光
体を提供することであり、特に、高感度でしかも光疲労
性がきわめて小さく、繰返し使用に対する静電特性の劣
化が少なく、耐久性にすぐれたOPC感光体を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】キャリヤー発生材料とし
て用いられるアゾ顔料は特開昭47−37543号公報
をはじめ、主にナフトールAS系のカップラー残基を有
するビスアゾ顔料が主に検討されてきたが、このタイプ
のカップラー残基を有するアゾ顔料は一般に光疲労性が
大きく静電特性の耐久性に劣る点が欠点であった。
【0009】本発明者らは、高感度で高耐久性の電子写
真用感光体を得るために、キャリヤー発生材料となる新
規なアゾ化合物について種々検討した結果、特定のカッ
プラー対称型のジスアゾ化合物が好適であることを見出
し、本発明に到達した。すなわち、本発明の要旨は、導
電性支持体上に下記一般式(I) A−N=N−D−N=N−A (I) 〔上記式中、Aは下記一般式(II)で表わされるカップ
ラーの残基を示し、Dはアゾ基が結合している炭素原子
が二重結合を形成するSP2 型の炭素原子である2価の
基を示す。
【0010】
【化2】
【0011】(上記式中で、Qは置換基を有していても
よい芳香族炭化水素の2価の基または置換基を有してい
てもよい複素環の2価の基を示す。)〕で表わされるア
ゾ化合物を含有する感光層を有することを特徴とする電
子写真用感光体に存する。
【0012】本発明のアゾ化合物を詳細に説明すると、
上記一般式(I)において、Aは一般式(II)のカップ
ラーがジアゾニウム塩とカップリング反応により結合し
たカップラー残基を示し、一般式(II)において、Qは
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素の2価の基ま
たは置換基を有していてもよい複素環の2価の基を示
す。芳香族炭化水素の2価の基としては、例えばo−フ
ェニレン基等の単環式芳香族炭化水素の2価の基、o−
ナフチレン基、1,8−ナフチレン基、1,2−アント
ラキノニレン基、9,10−フェナントリレン基等の縮
合多環式芳香族炭化水素の2価の基等が挙げられる。
【0013】また、複素環の2価の基としては、例え
ば、3,4−ピラゾールジイル基、2,3−ピリジンジ
イル基、3,4−ピリジンジイル基、4,5−ピリミジ
ンジイル基、6,7−インダゾールジイル基、5,6−
ベンズイミダゾールジイル基、5,6−キノリンジイル
基等の複素環の2価の基等が挙げられる。本発明におい
て、これら芳香族炭化水素の2価基および複素環の2価
基は置換基を有していてもよい。かかる置換基として
は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i
−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、n−ヘキ
シル基等のアルキル基;トリフルオルメチル基;メトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアル
コキシ基;ヒドロキシル基;ニトロ基;シアノ基;アミ
ノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジ
ルアミノ基等の置換アミノ基;弗素原子、塩素原子、臭
素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;カルボキシル
基;エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル
基;カルバモイル基;アセチル基、ベンゾイル基等のア
シル基;フェノキシ基等のアリーロキシ基;ベンジルオ
キシ基等のアリールアルコキシ基;フェニロキシカルボ
ニル基等のアリーロキシカルボニル基等が挙げられる。
中でもアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン
原子、ヒドロキシル基、カルバモイル基、特に、メチル
基、メトキシ基、ニトロ基、塩素原子、ヒドロキシル基
が好適である。
【0014】以上の一般式(II)で示されるカップラー
の構造式の具体例のいくつかを下記表−1に示す。な
お、当然ながら、本発明は、これら具体例のみに限定さ
れるものではない。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】これらのカップラーは、A−1、A−2、
A−3の様に2種類の異性体があるがわかりやすくする
ためにA−4以降ではこれらの一方のみの異性体の例の
みを示した。一般式(I)におけるDは、アゾ基が結合
している炭素原子が二重結合を形成するSP2 型の炭素
原子である2価の基であり、具体的には、芳香族炭化水
素環または芳香族複素環の2価の基あるいは、これらが
直接結合したものや、縮合して、縮合環を形成したも
の、あるいは結合基や芳香族炭化水素環、脂肪族炭化水
素環、複素環などにより結合した2価の基が挙げられ
る。代表的な例としては、芳香族炭化水素環の2価の基
としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピレ
ン、フルオレノン、アントラキノン、フェナントレン、
ビフェニレン、トリフェニレン、ペリレンなどから導か
れた2価の基が挙げられ、芳香族複素環の2価の基とし
ては、N−エチルカルバゾール、アクリジン、キサント
ン、フェナジン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン
などから導かれる2価の基が挙げられる。
【0019】さらに、これら芳香族炭化水素環または芳
香族複素環の2価の基が直接結合したり、縮合環を形成
したものから導かれる2価の基の具体例の一部は、下記
表−2に示される。
【0020】
【表4】
【0021】結合基の例としては、−O−、−S−、−
S−S−、−SO−、−SO2 −、−SO2 NH−、−
CH2 −、−NH−、−CO−、−CO−CO−、−C
2 −、−CONH−、−CH=CH−、−CH=C
(CN)−、−CH=CH−CH=CH−、−N=N
−、−CH=N−N=CH−、−NH−NH−、−CH
=N−、−CONH−NH−、−NHCONH− など
がある。
【0022】また、炭化水素環や複素環の例としては、
ベンゼン、ナフタリン、アセナフテン、アントラセン、
ピレン、フルオレン、フルオレノン、フェナントレン、
ナフトキノン、アントラキノン、シクロヘキサン、シク
ロヘキサノン、ピペラジン、ピロール、フラン、チオフ
ェン、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピラゾ
リン、イミダゾール、イミダゾリジン、オキサジアゾー
ル、チアジアゾール、トリアゾール、ピリジン、インド
ール、キノリン、カルバゾール、キサンテン、クマリ
ン、キサントン、フェノチアジンなどが挙げられ、D
は、これら炭化水素環または複素環と上記結合基を組合
せて得られる。これらの炭化水素環、複素環は置換基を
有していてもよい。これら具体例のいくつかを下記表−
3に示す。
【0023】
【表5】
【0024】
【表6】
【0025】
【表7】
【0026】
【表8】
【0027】
【表9】
【0028】
【表10】
【0029】本発明のアゾ化合物は、例えば次の方法で
製造できる。下記一般式(III)
【0030】
【化3】
【0031】で示されるテトラゾニウム塩を、一般式
(II)のカップラー2モル比とを反応させて、下記一般
式(I) A−N=N−D−N=N−A (I) で表わされるアゾ化合物を製造する。
【0032】反応溶媒としては、水および/又はジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスル
ホキシド、N−メチルピロリドン、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール等の有機溶媒が適当であり、塩
基の存在下、30℃以下の温度で30分ないし10時間
程度反応させればよい。一般式(II)で表わされるカッ
プラーは、例えば下記反応式に従い、ヒドロキシナフタ
ル酸無水物(IV)とO−ハロゲノフェニル酢酸の誘導体
とを塩基の存在下、溶融加熱し、縮合、閉環することに
よって得られる(特開昭46−7277号公報参照)。
【0033】
【化4】
【0034】(上記の式でYはハロゲン原子を示す。) 上記合成方法により得られるカップラーは、一般式(II
−a)および(II−b)の異性体混合物として得られる
が、本発明においてはいずれの異性体も使用でき、通常
は、反応により生成した異性体を分離せず、混合物のま
まカップリング反応に用いる。
【0035】本発明の電子写真用感光体は、前記一般式
(I)で表わされるアゾ化合物を1種または2種以上含
有する感光層を有する。種々の形態の感光層が周知であ
るが、本発明の電子写真用感光体の感光層はそのいずれ
であってもよい。通常、次に例示するタイプの感光層で
ある。 アゾ化合物からなる感光層 アゾ化合物をバインダー中に分散させた感光層 アゾ化合物を周知の電荷キャリヤー輸送媒体中に分
散させた感光層 前記〜の感光層を電荷発生層とし、これに周知
の電荷キャリヤー輸送媒体を含む電荷輸送層を積層した
感光層 前記一般式(I)で表わされるアゾ化合物は、光を吸収
すると極めて高い効率で電荷キャリヤーを発生する。発
生したキャリヤーはアゾ化合物を媒体として移動するこ
ともできるが、周知の電荷キャリヤー輸送媒体を媒体と
して移動させる方が好ましい。
【0036】この点から特に好適なのは、本発明のアゾ
化合物をバインダー中に分散させ、電荷発生層とし、周
知の電荷キャリヤー輸送媒体を含む、電荷輸送層を積層
した積層型感光体や、上記のアゾ化合物の分散層中に、
周知の電荷キャリヤー輸送媒体を添加した単層型感光体
などの機能分離型感光体が挙げられる。本発明の上記一
般式(I)で示されるアゾ化合物は電荷キャリヤーの発
生効率及び電荷キャリヤー輸送媒体へのキャリヤー注入
効率が高く、前記の積層型や単層型の機能分離型感光体
のキャリヤー発生材料としてきわめてすぐれた性能を有
している。
【0037】本発明のアゾ化合物と組合せて用いる電荷
キャリヤー輸送媒体は一般に電子の輸送媒体とホールの
輸送媒体の二種に分類されるが、本発明の感光体には両
者とも使用することができ、またその混合物をも使用で
きる。電子の輸送媒体としてはニトロ基、シアノ基、エ
ステル基等の電子吸引性基を有する電子吸引性化合物、
例えば2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,
5,7−テトラニトロフルオレノン等のニトロ化フルオ
レノンあるいはテトラシアノキノジメタンが挙げられ
る。また、ホールの輸送媒体としては電子供与性の有機
光導電性化合物、例えばカルバゾール、インドール、イ
ミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾ
ール、ピラゾール、ピラゾリン、チアジアゾール、ベン
ゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール
等の複素環化合物、ジフェニルメタンなどのジアリール
アルカン誘導体、トリフェニルメタンなどのトリアリー
ルアルカン誘導体、トリフェニルアミンなどのトリアリ
ールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、N−フ
ェニルカルバゾール誘導体、スチルベンなどのジアリー
ルエチレン誘導体、ヒドラゾン化合物などが挙げられ、
特に、ジアルキルアミノ基、ジフェニルアミノ基の様な
置換アミノ基、あるいはアルコキシ基、アルキル基の様
な電子供与性基、あるいはこれらの電子供与性基が置換
した芳香族環基が置換した電子供与性の大きな化合物が
挙げられる。又、ポリビニルカルバゾール、ポリグリシ
ジルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルフェ
ニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ピレン−ホ
ルムアルデヒド樹脂等、上記した化合物からなる基を主
鎖もしくは側鎖に有する重合体も挙げられる。これらの
うち、ヒドラゾン化合物としては下記一般式(IV)
【0038】
【化5】
【0039】(式中、Ar1 は、置換基を有していても
よい芳香族炭化水素基、例えばフェニル基、ナフチル
基、アントリル基、ピレニル基、スチリル基、または複
素環基、例えばカルバゾリル基を示し、R1 及びR2
アルキル基例えばメチル基、エチル基、またはアリール
基例えばフェニル基、ナフチル基、またはアラルキル基
例えばベンジル基を示し、R1 およびR2 のうち少なく
とも1つはアリール基であり、mは1または2を示す)
で表わされるヒドラゾン化合物が特に好適である。
【0040】本発明の電子写真用感光体は、導電性支持
体上に、本発明のアゾ化合物を含有する感光層を有する
感光体であり、これらの他に、接着剤、ブロッキング層
などの中間層や、保護層など、電気特性、機械特性など
の性能改良のための層を設けてもよい。導電性支持体と
しては周知の電子写真感光体に採用されているものがい
ずれも使用できる。具体的には例えばアルミニウム、銅
等の金属ドラム、シートあるいはこれらの金属箔のラミ
ネート物、蒸着物が挙げられる。更に、金属粉末、カー
ボンブラック、ヨウ化銅、導電性高分子、高分子電解質
等の導電性物質を適当なバインダーとともに塗布して導
電処理したプラスチックフィルム、プラスチックドラ
ム、紙等が挙げられる。また、金属粉末、カーボンブラ
ック、炭素繊維等の導電性物質を含有し、導電性となっ
たプラスチックのシートやドラムあるいは、酸化スズ、
酸化インジウム等の導電性金属酸化物層を表面に有する
プラスチックフィルムなどが挙げられる。
【0041】本発明のアゾ化合物を含有する感光層は常
法により製造することができる。例えば前記のタイプ
の感光層を有する電子写真用感光体は、前記一般式
(I)で表わされるアゾ化合物を適当な媒体中に溶解な
いし分散させて得られる塗布液を導電性支持体上に塗
布、乾燥し、通常数μm〜数十μmの膜厚の感光層を形
成させることにより製造することができる。塗布液調製
用の媒体としてはブチルアミン、エチレンジアミン等の
ビスアゾ化合物を溶解する塩基性溶剤あるいはテトラヒ
ドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素;N,N−ジメチル
ホルムアミド、アセトニトリル、N−メチルピロリド
ン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;
メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコ
ール類;酢酸エチル、蟻酸メチル、メチルセロソルブア
セテート等のエステル類;ジクロロエタン、クロロホル
ム等の塩素化炭化水素などのアゾ化合物を分散させる媒
体が挙げられる。アゾ化合物を分散させる媒体を用いる
場合には、アゾ化合物を粒径5μm以下、好ましくは1
μm以下、最適には0.5μm以下に微粒子化する必要
がある。
【0042】前記のタイプの感光層を形成させる際に
用いられる塗布液にバインダーを溶解させれば、前記
のタイプの感光層を有する電子写真用感光体を製造する
ことができる。バインダーとしては、スチレン、酢酸ビ
ニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビ
ニルアルコール、エチルビニルエーテル等のビニル化合
物の重合体および共重合体、フェノキシ樹脂、ポリスル
ホン、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリ
エステル、ポリアミド、ポリウレタン、セルロースエス
テル、セルロースエーテル、エポキシ樹脂、けい素樹脂
等が挙げられる。
【0043】本発明のアゾ化合物とバインダーポリマー
との割合は、特に制限されないが、一般には、アゾ化合
物100重量部に対し、5〜500重量部、好ましくは
20〜300重量部のバインダーポリマーを使用する。
上記塗布液にはこの他にも分散安定剤、塗布性改良剤、
さらには、性能改良のための、色素、電子吸引性化合物
その他の添加剤を加えてもよい。
【0044】同様に、前記のタイプの感光層を形成さ
せる際に用いられる塗布液に電荷キャリヤー輸送媒体を
溶解させれば、単層型の機能分離型感光体を製造でき
る。電荷キュリヤー輸送媒体としては先に例示したもの
をいずれも使用することができる。ポリビニルカルバゾ
ール、ポリグリシジルカルバゾール等のそれ自身成膜性
がありバインダーとして使用できる電荷キャリヤー輸送
媒体以外はバインダーポリマーを使用することが好まし
い。
【0045】バインダーポリマーとしては、先に例示し
たものがいずれも使用できる。この場合、バインダーポ
リマーの使用量はアゾ化合物10重量部に対し、通常1
0〜1000重量部、好ましくは30〜500重量部の
範囲であり、また、電荷キャリヤー輸送媒体は5〜10
00重量部、好ましくは20〜500重量部の範囲であ
る。それ自身、バインダーとして使用できる電荷キャリ
ヤー輸送媒体の場合には、アゾ化合物1重量部に対し通
常3〜100重量部が使用される。
【0046】この場合、接着性、可とう性等、感光層の
性能改良のために、他のバインダーポリマーを添加する
こともできる。単層型感光層の膜厚は通常5〜50μ
m、好ましくは10〜30μmである。前記〜のア
ゾ化合物を含有する感光層を電荷発生層とし、先に例示
した電荷キャリヤー輸送媒体を含有する電荷輸送層を積
層すればのタイプの積層型の機能分離型感光体とな
る。電荷発生層の膜厚は0.05〜5μm、好ましくは
0.1〜2μmになる様にする。
【0047】電荷キャリヤー輸送媒体は、2種以上混合
して用いてもよい。電荷キャリヤー輸送媒体が成膜性の
ある高分子化合物の場合は特にバインダーポリマーを用
いなくてもよいが、可とう性改良等のために混合しても
よい。電荷キャリヤー輸送媒体が低分子化合物の場合
は、フィルム形成のためにバインダーポリマーを用い
る。バインダーポリマーとしては前記のものが用いら
れ、その使用量は通常電荷キャリヤー輸送媒体100重
量部に対し50〜3000重量部好ましくは70〜10
00重量部の範囲である。
【0048】電荷輸送層には、この他にも性能改良や塗
膜の機械的強度、耐久性の向上のために種々の添加剤を
用いることができる。この様な添加剤としては、電子吸
引性化合物や色素類、紫外線吸収剤や酸化防止剤等の安
定剤、塗布性改良剤、可塑剤、架橋剤等が挙げられる。
電子吸引性化合物としては例えばクロラニル、2,3−
ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2−メチルアントラ
キノン、1−ニトロアントラキノン、1−クロロ−5−
ニトロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、フ
ェナントレンキノンの様なキノン類、4−ニトロベンズ
アルデヒドなどのアルデヒド類、9−ベンゾイルアント
ラセン、インダンジオン、3,5−ジニトロベンゾフェ
ノン、3,3′,5,5′−テトラニトロベンゾフェノ
ン等のケトン類、無水フタル酸、4−クロロナフタル酸
無水物等の酸無水物、テトラシアノエチルン、テレフタ
ラルマロノニトリル、4−ニトロベンザルマロノニトリ
ル、4−ベンゾイルオキシベンザルマロノニトリル、4
−(p−ニトロベンゾイルオキシ)ベンザルマロノニト
リル等のシアノ化合物;3−ベンザルフタリド、3−
(α−シアノ−p−ニトロベンザル)フタリド、3−
(α−シアノ−p−ニトロベンザル)−4,5,6,7
−テトラクロロフタリド等のフタリド類等が挙げられ
る。
【0049】電荷発生層と電荷輸送層の積層順はどちら
でもよいが、電荷発生層が薄層のため、機械的損傷を受
けやすいので、通常は、電荷発生層の上に電荷輸送層を
積層する。電荷輸送層の膜厚は5〜50μm好ましくは
10〜30μmである。
【0050】
【発明の効果】本発明のテトラキスアゾ化合物を含有す
る電子写真用感光体は、高感度で感色性も良好であり、
特に光疲労が少ないため、繰返し使用した場合、感度、
帯電性、残留電位の変動が少なく、安定性が高く、耐久
性がきわめてすぐれたものであり、中高速PPC用に適
しているだけでなく、性能の安定性、信頼性が特に要求
されるレーザプリンタ、液晶シャッタープリンタ、LE
Dプリンタ等のプリンタ用感光体にも適した感光体であ
る。
【0051】
【実施例】次に本発明を参考例と実施例により更に具体
的に説明するが、本発明はその要旨をこえない限り以下
の実施例に限定されるものではない。なお、参考例と実
施例中〔部〕とあるは〔重量部〕を示す。
【0052】参考例1 3−ヒドロキシナフタル酸無水物(東京化成工業社製)
26.4部、O−クロロフェニル酢酸45.0gおよび
無水酢酸カリウム45.0gを230℃に加熱し、水を
留去しながら溶融、この温度で4時間攪拌した。200
℃に冷却し、N,N−ジメチルホルムアミド150gを
添加し、1時間還流下攪拌した。室温まで冷却し、濾
過、熱水(80℃)で洗浄し、乾燥した。得られた固体
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘ
キサン/テトラヒドロフラン=3/1)により精製し
て、20.1部の下記構造式で示す黄色固体を得た。こ
の固体は305℃で分解した。
【0053】
【化6】
【0054】このカップラーの赤外吸収スペクトルを図
1に示す。
【0055】製造例1 参考例1で合成した化合物2.54部をジメチルスルホ
キシド30部に溶解した溶液を18〜23℃の温度に保
ちながら、2,5−ビス(p−アミノフェニル)−1,
3,4−オキサジアゾールをジアゾ化して得られたテト
ラゾニウムホウフッ化水素酸塩1.85部をジメチルス
ルホキシド25部に溶解した溶液を加えた後、攪拌しつ
つ、酢酸ナトリウム3.7部を水9部に溶解した溶液を
滴下し、そのまま3時間攪拌した。析出した沈澱を濾別
し、ジメチルスルホキシド、希酢酸、水、メタノール、
テトラヒドロフランで洗浄後、乾燥し、下記構造式で表
わされる化合物およびその異性体混合物を得た。収量
は、2.10部(60.5%)であった。このアゾ化合
物の赤外吸収スペクトルを図2に示す。
【0056】
【化7】
【0057】実施例1 製造例1で合成したアゾ化合物1部、ポリビニルブチラ
ール樹脂(積水化学社製エスレックB)1.0部をテト
ラヒドロフラン100部と共に分散処理した後、アルミ
ニウムを蒸着した75μmの膜厚のポリエステルフィル
ムのアルミ面上に、乾燥後の膜厚が0.2g/m2 にな
る様にこの分散液を塗布し、乾燥して電荷発生層を形成
した。
【0058】こうして得られた電荷発生層の上に、N−
メチル−3−カルバゾールカルバルデヒドジフェニルヒ
ドラジン90部とポリカーボネート樹脂100部(三菱
化成社製ノバレックス7030A)をテトラヒドロフラ
ン100部に溶解した溶液を乾燥後の膜厚が28μmに
なる様に塗布、乾燥して電荷輸送層を形成した。この様
にして二層からる感光層を有する電子写真用感光体が得
られた。
【0059】これらの感光体の感度として、半減露光
(E1/2 )の値を測定した。半減露光量は、前記感光体
を静電複写紙試験装置(川口電機製作所モデルSP−4
28)により測定した。まず暗所で−5.3kVのコロ
ナ放電により帯電させ、次いで照度5 luxの白色光で露
光し、表面電位が−450Vから−225Vに半減する
のに必要な露光量を測定することで求めた。このように
して求めた半減露光量(E1/2 )は4.4 lux・ sec で
あった。また、十分に露光した後(50 lux・ sec 露光
後)の表面電位(残留電位)は32Vであった。
【0060】実施例2〜13 実施例1で用いたアゾ化合物の代りに下記一般式(V)
【0061】
【化8】
【0062】において、カップラー成分Aが表−4に示
すように表−1に記載のカップラーである構造を有する
アゾ化合物を用いる他は、実施例1と同様にして感光体
を作製し、感度E1/2 の測定を行なった。測定結果を表
−4に示す。
【0063】
【表11】 表 − 4 実施例 カップラーの構造 E1/2 (lux ・ sec) 2 表−1のA−2 8.6 3 表−1のA−3 2.2 4 表−1のA−4 2.7 5 表−1のA−5 3.4 6 表−1のA−6 4.8 7 表−1のA−7 3.0 8 表−1のA−8 2.5 9 表−1のA−9 3.7 10 表−1のA−10 4.1 11 表−1のA−11 3.2 12 表−1のA−12 3.9 13 表−1のA−13 2.1
【0064】実施例14〜19
【0065】
【化9】
【0066】上記一般式(VI)で示されるアゾ化合物お
よびその異性体混合物(Dは表−5に示す2価の基であ
る)を実施例1で用いたアゾ化合物の代りに用いる他
は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感度E1/2
の測定を行なった。結果を表−5に示す。
【0067】
【表12】
【0068】実施例20〜25 実施例1、5、8、12、15及び19において、電荷
輸送層の組成として、N−メチル−3−カルバゾールカ
ルバルデヒドジフェニルヒドラゾンの代りに、1−ピレ
ンカルバルデヒドジフェニルヒドラゾン90部を用いる
他は、それぞれ各実施例と同様にして感光体を作製し、
感度を測定した。結果を表−6に示す。
【0069】
【表13】 表 − 6 実施例 電荷発生層のアゾ化合物 E1/2 (lux ・ sec) 20 実施例1のアゾ化合物 2.2 21 実施例5のアゾ化合物 2.5 22 実施例8のアゾ化合物 2.7 23 実施例12のアゾ化合物 2.4 24 実施例15のアゾ化合物 2.2 25 実施例19のアゾ化合物 2.9
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1で得られた化合物の赤外吸収スペクト
ル図である。
【図2】製造例1で得られたアゾ化合物の赤外吸収スペ
クトル図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、下記一般式(I) A−N=N−D−N=N−A (I) 〔上記式中、Aは下記一般式(II)で表わされるカップ
    ラーの残基を示し、Dはアゾ基が結合している炭素原子
    が二重結合を形成するSP2 型の炭素原子である2価の
    基を示す。 【化1】 (上記式中で、Qは置換基を有していてもよい芳香族炭
    化水素の2価の基または置換基を有していてもよい複素
    環の2価の基を示す。)〕で表わされるアゾ化合物を含
    有する感光層を有することを特徴とする電子写真用感光
    体。
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