JP2579345B2 - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JP2579345B2 JP63145034A JP14503488A JP2579345B2 JP 2579345 B2 JP2579345 B2 JP 2579345B2 JP 63145034 A JP63145034 A JP 63145034A JP 14503488 A JP14503488 A JP 14503488A JP 2579345 B2 JP2579345 B2 JP 2579345B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は電子写真用感光体に関する。さらに、詳しく
は、本発明は、新規なアゾ化合物を含有する高感度な電
子写真用感光体に関する。
<従来の技術> 電子写真用感光体としては、従来はセレン、硫化カド
ミウム、酸化亜鉛等の無機系の光導電性物質を用いた感
光体が使用されていた。最近は、無公害品で製造や、取
扱いが容易であること、画質が良好であること、ドラ
ム、シート、ベルトなど各種の形状の感光体が簡単に得
られることなどの多くの利点を有する有機系の光導電性
化合物(OPC)を用いた、いわゆるOPC感光体がPPCやプ
リンター用に採用されるようになり、その割合は年々増
加している。
<発明が解決しようとする課題> OPC感光体は、従来の無機系感光体に比べ多くの利点
を有しているが、感度や耐久性などでは問題を有してお
り、現在のところは主に低速機分野に使用されている。
このため、感度、耐久性共にすぐれたOPCの開発が望ま
れている。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは、高感度かつ高耐久性の電子写真用感光
体を得るために新規なOPCについて鋭意検討した結果、
特定のアゾ化合物が好適であることを見い出し本発明に
到達した。
すなわち、本発明の要旨は導電性支持体上に、一般式
(I) (上記式中で、K1,K2はカップリング能を有する芳香族
性水酸基を含むカップラー残基を表わし、K1とK2は同一
でも異なっていてもよいが、K1とK2の少なくとも一方は
下記一般式(VI−a)、(VI−b)、(VII−a)又は
(VII−b)のいずれかで表わされる。また、lおよび
mは、それぞれ0または1の整数を示す。) (一般式(VI−a)、(VI−b)、(VII−a)、(VII
−b)において、Yは芳香族炭化水素の2価基、または
窒素原子を環内に含む複素環の2価基を示す。) で表わされるアゾ系化合物を含有する感光層を有するこ
とを特徴とする電子写真用感光体に存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電子写真用感光体は、一般式(I)で示され
るアゾ化合物を用いる。
一般式(I)において、K1,K2はカップリング能を有
するフェノール性水酸基を含むカップラー残基で、例え
ば以下の一般式(II)〜(VII)の基が好ましい例とし
て挙げられるが、K1とK2の少なくとも一方は下記一般式
(VI−a)、(VI−b)、(VII−a)又は(VII−b)
で表わされる。
(式中、Xはベンゼン環と縮合して、ナフタレン環、ア
ントラセン環、カルバゾール環、ベンズカルバゾール
環、ジベンゾフラン環、ベンゾナフトフラン環、ジフェ
ニレンサルファイド環等の多環芳香環又は、ヘテロ環を
形成するに必要な残基を示し、R2及びR3は水素原子;置
換基を有していても良い、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基等のアルキル基;ベンジル基、フェネチ
ル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基;置換基を有
していても良い、フェニル基、ジフェニル基、ナフチル
基等のアリール基;カルバゾール基、ジベンゾフラン
基、ベンズイミダゾロン基、ベンズチアゾール基、チア
ゾール基、ピリジン基等のヘテロ環基;又はR2とR3が結
合して窒素原子と共に環状アミノ基を構成したものを示
す。R2とR3は互いに同一でも異なっていてもよいが、一
方を水素原子とし他方を水素原子以外の基とすることが
感度上好ましい。) (式中、R4,R5は水素原子;置換基を有していても良
い、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のア
ルキル基;ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル
基等のアラルキル基;置換基を有していても良い、フェ
ニル基、ジフェニル基、ナフチル基等のアリール基;カ
ルバゾール基、ジベンゾフラン基、ベンズイミダゾロン
基、ベンズチアゾール基、チアゾール基、ピリジン基等
のヘテロ環基を示す。) (式中、R6はR4,R5と同じ例によって示される置換基を
有していても良い、アルキル基、アラルキル基、アリー
ル基を示す。) (一般式(VI−a,b),(VII−a,b)において、Yは芳
香族炭化水素の2価基、または窒素原子を環内に含む複
素環の2価基を示す。芳香族炭化水素の2価基として
は、例えば、0−フェニレン基等の単環式芳香族炭化水
素の2価基、0−ナフチレン基、peri−ナフチレン基、
1,2−アントラキノニレン基、9,10−フェナントリレン
基等の縮合多環式芳香族炭化水素の2価基等が挙げられ
る。
また、窒素原子を環内に含む複素環の2価基として
は、例えば、3,4−ピラゾールジイル基、2,3−ピリジン
ジイル基、5,5−ピリミジンジイル基、6,7−インダゾー
ルジイル基、5,6−ベンズイミダゾールジイル基、6,7−
キノリンジイル基等の5〜10員環の窒素原子、好ましく
は、2個以下の窒素原子を環内に含む複素環の2価基等
が挙げられる。
感度及び耐久性を考慮した場合、0−フェニレン基、
0−ナフチレン基、peri−ナフチレン基、2,3−ピリジ
ンジイル基、4,5−ピリミジンジイル基、特に、0−フ
ェニレン基、0−ナフチレン基が好ましい。
本発明において、これら芳香族炭化水素の2価基およ
び窒素原子を環内に含む複素環の2価基は置換基を有し
ていてもよい。かかる置換基としては、例えば、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、i−ブチル基、n−ヘキシル基等のアルキル
基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基等のアルコキシ基;ヒドロキシル基;ニトロ基;シア
ノ基;アミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ
基、ジベンジルアミノ基等の置換アミノ基;弗素原子、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;カ
ルボキシル基;エトキシカルボニル基等のアルコキシカ
ルボニル基;カルバモイル基;フェノキシ基等のアリー
ロキシ基;ベンジルオキシ基等のアリールアルコキシ
基;フェニロキシカルボニル基等のアリーロキシカルボ
ニル基等が挙げられる。中でもアルキル基、アルコキシ
基、ニトロ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボ
キシル基、特に、メチル基、メトキシ基、ニトロ基、塩
素原子、ヒドロキシル基が好適である。
本発明のビスアゾ化合物の合成方法は特に限定されな
いが、例えば下記一般式(VIII) で表わされるジアミン化合物を常法によりテトラゾ化
し、対応するカップラーとカップリングさせることによ
り容易に合成することができる。
かかるカップリング反応は、公知の方法に従い、通
常、水及び/又はメタノール、エタノール、イソプロパ
ノール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド等の有機溶媒中、反応温度30℃以下に
て1時間ないし10時間程度反応させればよい。
上記一般式(VIII)で表わされる芳香族ジアミンは下
記反応式に従って製造される。
上記反応式を詳しく説明すると、例えば含水エタノー
ル等の溶媒中でシクロペンタノンとp−ニトロベンズア
ルデヒドを水酸化ナトリウム等の塩基によるアルドール
縮合反応を行ない、次いでニトロ基を還元することによ
り前記化合物(VIII)を好収率で製造し得る。ニトロ基
の還元は鉄粉、亜鉛末、スズ等の金属あるいは塩化スズ
などと塩酸、酢酸等の酸との組み合せなどの公知の反応
により行うことができる。
本発明の電子写真用感光体は上記一般式(I)で表わ
されるアゾ化合物を1種又は2種以上含有する感光層を
有する。
感光層は種々の形態が知られているが、本発明の感光
体においては、そのいずれのタイプであってもよい。特
に好適なのは、本発明のアゾ化合物を電荷キャリヤー発
生材料として用い、これを電荷キャリヤー移動媒体と組
合わせて用いることである。具体的には、上記アゾ化合
物をバインダー中に分散させてこれから電荷発生層を形
成し、周知の電荷キャリヤー移動媒体を含む電荷移動層
を、電荷発生層と積層した積層型感光体や、上記のアゾ
化合物の分散層中に、周知の電荷キャリヤー移動媒体を
添加した単層型感光体などが挙げられる。
本発明の上記一般式で示されるアゾ化合物は電荷キャ
リヤーの発生効率及び電荷キャリヤー移動媒体へのキャ
リヤー注入効率が高く、前記の積層型や単層型の機能分
離型感光体のキャリヤー発生材料としてきわめてすぐれ
た性能を有している。
本発明のアゾ化合物と組合せて用いる電荷キャリヤー
移動媒体は一般に電子の移動媒体とホールの移動媒体の
二種に分類されるが、本発明感光体には両者とも使用す
ることができ、またその混合物をも使用できる。電子の
移動媒体としてはニトロ基、シアノ基、エステル基等の
電子吸引性基を有する電子吸引性化合物、例えば2,4,7
−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフ
ルオレノン等のニトロ化フルオレノンあるいはテトラシ
アノキノジメタンが挙げられる。また、ホールの移動媒
体としては電子供与性の有機光導電性化合物、例えばカ
ルバゾール、インドール、イミダゾール、オキサゾー
ル、チアゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、ピラ
ゾリン、チアジアゾール等の複素環化合物、トリフェニ
ルメタン等のトリアリールアルカン誘導体、トリフェニ
ルアミン等のトリアリールアミン誘導体、フェニレンジ
アミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチ
ルベン誘導体、ヒドラゾン化合物などが挙げられ、特
に、ジアルキルアミノ基、ジフェニルアミノ基等の置換
アミノ基、あるいはアルコキシ基、アルキル基等の電子
供与性基、あるいはこれらの電子供与性基が置換した芳
香族環基が置換した電子供与性の大きな化合物が挙げら
れる。又、ポリビニルカルバゾールの様に、これらの化
合物からなる基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体も挙
げられる。これらの内、ヒドラゾン化合物としては下記
一般式(IX) (式中、Arは、フェニル基、スチリル基、ナフチル基等
の置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、または
カルバゾリル基等の複素環基を示し、R7及びR8はメチル
基、エチル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基
等のアリール基;又はベンジル基等のアラルキル基を示
し、R7、R8の内少なくとも1つはアリール基であり、n
は1または2を示す。) で表わされるヒドラゾン化合物が特に好適である。
本発明の電子写真用感光体は常法に従って製造でき
る。
すなわち、本発明の電子写真用感光体は、導電性支持
体上に、通常は本発明のアゾ化合物を含有する電荷発生
層と電荷移動層を有するか、アゾ化合物が分散した感光
層を有する感光体であり、これらの他に、接着層、ブロ
ッキング層などの中間層や、保護層など、電気特性、機
械特性などの性能改良のための層を設けてもよい。
導電性支持体としては周知の電子写真感光体に採用さ
れているものがいずれも使用できる。具体的には例えば
アルミニウム、銅等の金属ドラム、シートあるいはこれ
らの金属箔のラミネート物、蒸着物が挙げられる。更
に、金属粉末、カーボンブラック、ヨウ化銅、高分子電
解質等の導電性物質を適当なバインダーとともに塗布し
て導電処理したプラスチックフィルム、プラスチックド
ラム、紙等が挙げられる。また、金属粉末、カーボンブ
ラック、炭素繊維等の導電性物質を含有し、導電性とな
ったプラスチックのシートやドラムあるいは、酸化ス
ズ、酸化インジウム等の導電性金属酸化物層を表面に有
するプラスチックフィルムなどが挙げられる。
積層型感光体では、通常は導電性支持体上に電荷発生
層を形成し、その上に電荷移動層が形成されるが、逆の
構成でもよい。
電荷発生層は、本発明のアゾ化合物とバインダー樹脂
を含む塗布液を塗布、乾燥して形成される。
アゾ化合物は溶解していてもよいが通常は分散した状
態の塗布液として塗布される。塗布液調製用の溶媒とし
てはブチルアミン、エチレンジアミン等の塩基性溶媒;
テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル
類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;N,N−ジメ
チルホルムアミド、アセトニトリル、N−メチルピロリ
ドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶
媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のア
ルコール類;酢酸エチル、蟻酸メチル、メチルセロソル
ブアセテート等のエステル類;ジクロロエタン、クロロ
ホルム等の塩素化炭化水素などが挙げられる。
アゾ化合物を分散する場合には、粒径を1μm以下と
することが好ましく、0.5μm以下とすることがより好
ましい。
前記バインダー樹脂としては、スチレン、酢酸ビニ
ル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニ
ルアルコール、エチルビニルエーテル等のビニル化合物
の重合体および共重合体、フェノキシ樹脂、ポリスルホ
ン、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエ
ステル、ポリアミド、ポリウレタン、セルロースエステ
ル、セルロースエーテル、エポキシ樹脂、けい素樹脂等
が挙げられる。
本発明のアゾ化合物とバインダー樹脂との割合は、特
に制限されないが、一般には、アゾ化合物100重量部に
対し、5〜500重量部、好ましくは20〜300重量部のバイ
ンダー樹脂を使用する。
上記塗布液にはこの他にも分散安定剤、塗布性改良
剤、さらには、性能改良のための、色素、電子吸引性化
合物その他の添加剤を加えてもよい。電荷発生層の膜厚
は0.05〜5μmが好ましく、特には0.1〜2μmが好ま
しい。
電荷発生層用の上記塗布液に前記電荷キャリヤー移動
媒体を1種又は2種以上溶解し、乾燥後の膜厚が5〜50
μm、好ましくは10〜30μmになる様に導電性支持体上
に塗布すれば、単層型の感光体が得られる。この場合、
アゾ化合物とバインダー樹脂および電荷キャリヤー移動
媒体との割合は通常アゾ化合物10重量部に対し、バイン
ダー樹脂は10〜1000重量部が好ましく、特には30〜500
重量部が好ましく、電荷キャリヤー移動媒体は5〜1000
重量部が好ましく、特には20〜500重量部が好ましい。
積層型感光体においては、前記電荷発生層の上に、電
荷キャリヤー移動媒体を含む塗布液を塗布し乾燥するこ
とにより、電荷移動層が形成される。電荷キャリヤー移
動媒体が成膜性のある高分子化合物の場合は特にバイン
ダー樹脂を用いなくてもよいが、可とう性改良等のため
に混合してもよい。
低分子化合物の場合は、フィルム形成のためにバイン
ダー樹脂を用いる。バインダー樹脂としては前記のもの
が用いられ、その使用量は通常電荷キャリヤー移動媒体
100重量部に対し50〜3000重量部が好ましく、特には70
〜1000重量部の範囲が好ましい。
電荷移動層には、この他にも性能改良や塗膜の機械的
強度、耐久性の向上のために種々の添加剤を用いること
ができる。
この様な添加剤としては、電子吸引性化合物や色素
類、紫外線吸収剤や酸化防止剤等の安定剤、塗布性改良
剤、可塑剤、架橋剤等が挙げられる。
上記電子吸引性化合物としてはクロラニル、2,3−ジ
クロロ−1,4−ナフトキノン、2−メチルアントラキノ
ン、1−ニトロアントラキノン、1−クロロ−5−ニト
ロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、フェナ
ントレンキノン等のキノン類;4−ニトロベンズアルデヒ
ド等のアルデヒド類;9−ベンゾイルアントラセン、イン
ダンジオン、3,5−ジニトロベンゾフェノン、3,3′,5,
5′−テトラニトロベンゾフェノン等のケトン類;無水
フタル酸、4−クロロナフタル酸無水物等の酸無水物;
テトラシアノエチレン、テレフタラルマロノニトリル、
4−ニトロベンザルマロノニトリル、4−ベンゾイルオ
キシベンザルマロノニトリル、4−(p−ニトロベンゾ
イルオキシ)ベンザルマロノニトリル等のシアノ化合
物;3−ベンザルフタリド、3−(α−シアノ−p−ニト
ロベンザル)フタリド、3−(α−シアノ−p−ニトロ
ベンザル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド等のフタ
リド類等が挙げられる。
<発明の効果> 本発明のアゾ化合物を含有する電子写真用感光体は、
高感度で感色性も良好であり、特に光疲労が少ないた
め、繰返し使用した場合、感度、帯電性、残留電位の変
動が少なく、安定性が高く、耐久性がきわめてすぐれた
ものであり、電子写真方式の普通紙複写機のみでなく、
性能の安定性、信頼性が特に要求されるレーザプリン
タ、液晶シャッタープリンタ、LEDプリンタ等のプリン
タ用感光体にも適した感光体である。
<実施例> 次に本発明を参考例と実施例により更に具体的に説明
するが、本発明はその要旨をこえない限り以下の実施例
に限定されるものではない。なお、参考例と実施例中
〔部〕とあるは〔重量部〕を示す。
参考例 p−ニトロベンズアルデヒド25.7部とシクロペンタノ
ン5.5部をエタノール480部とテトラヒドロフラン90部と
の混合溶媒中に溶解し、10℃以下に冷却してなる溶液
に、1部の水酸化ナトリウムを水9部に溶解した液を滴
下し、2時間反応させた。反応後、析出した結晶を取
し、次いでエタノールによりよく洗浄した後、乾燥して
黄色結晶17.2部を得た。このものをテトラヒドロフラン
で再結晶し、融点253〜253.6℃の2,5−ビス(p−ニト
ロベンザル)シクロペンタノンが得られた。この構造は
マススペクトルと赤外吸収スペクトルにより確認した。
マススペクトルでは、M/e=350のピークが観測された。
赤外吸収スペクトル(第1図)では、C=0とNO2の吸
収が観測された。
次いで該縮合物を酢酸溶媒中、塩化錫、塩酸系で還元
し、橙黄色結晶を得た。収量は、10部であった。赤外吸
収スペクトルではニトロ基の吸収が消失した。元素分析
値は下記の通りであった。
C19H18ON2 計算値:C78.59%、H6.25%、N9.60% 実測値:C78.22%、H6.41%、N9.33% 上記ジアミン3部を水50部、濃塩酸7.2部中に加え冷
却し、これに5℃以下で10%亜硝酸ナトリウム水溶液14
部を滴下し、5℃以下で2時間撹拌してテトラゾ化し
た。次いで該液に42%ホウフッ化水素酸水溶液8.4部を
加え、5℃以下で1時間撹拌した後、析出結晶を過、
少量の冷水、次いで冷メタノールで洗浄後乾燥してテト
ラゾニウム塩5.1部を得た。
該テトラゾニウム塩2.4部をジメチルスルホキシド55
部に溶解させ、これを下記化合物の混合物 3.7部をジメチルスルホキシド730部に溶かした液に加
え、次いで反応系へ酢酸ナトリウム5部を水15部に溶解
した液を加え、さらに3時間撹拌を続け、析出結晶を
取した。
次いで、得られたビスアゾ化合物を希酢酸、水、メタ
ノール、テトラヒドロフランにより洗浄の後乾燥する。
得られた固体は濃紫色を呈しており320℃以下では融解
しなかった。元素分析値および赤外吸収スペクトル測定
よりこのものは目的のビスアゾ化合物と同定された。収
量は3部で元素分析値は下記の通りであった。
C55H32O5N8として 計算値:C74.65%、H3.64%、N12.66% 実測値:C74.12%、H3.23%、N12.20% 該ビスアゾ化合物は、下記化合物の混合物として得ら
れた。以後の実施例においては、カップラー残基として
一般式(VI)又は(VII)の基を導入した場合は、同様
に3種の異性体が得られるが、このうちの1つで代表さ
せることとする。
以後の実施例において用いられる本発明のビスアゾ化
合物は本参考例またはこれと類似の方法により合成を行
った。
実施例1〜5、比較例1〜13 上記一般式(I′)に相当する構造を有するアゾ化合
物0.4部をシクロヘキサノン30部と共にサンドグライン
ダーにより分散させ、これにポリビニルブチラール(積
水化学工業(株)製、商標エスレック)を0.4部添加溶
解させた。得られたアゾ化合物の分散液を厚さ75μmの
ポリエステルフィルムに蒸着したアルミニウム蒸着層の
上にワイヤーバーで乾燥膜厚が0.4g/m2となる様塗布し
た後乾燥した。この様にして得られた電荷発生層上にN
−エチルカルバゾール−3−アルデヒドジフェニルヒド
ラゾン90部およびポリカーボネート樹脂(三菱化成
(株)製、商標 ノバレックス7525)100部をジオキサ
ン670部に溶解した溶液を乾燥膜厚が13μmになる様に
塗布し、電荷移動層を形成した。この様にして2層から
なる感光層を有する電子写真感光体が得られた。
これらの感光体の感度として半減露光量(E1/2)の値
を第1表に示した。
半減露光量は、前記感光体を静電複写紙試験装置(川
口電機製作所製モデルSP−428)により測定した。まず
暗所で−6.5KVのコロナ放電により帯電させ、次いで照
度5luxの白色光で露光し、表面電位が初期表面電位の半
分に減衰するために必要な露光量を求めた。
なお、実施例4、5においては実際には2つのカップ
ラー残基ともK1の化合物及び2つのカップラー残基とも
K2の化合物も含まれている。(後記実施例7も同様。) 実施例19、6、7、比較例14〜17、24 上記一般式(I″)に相当する構造を有するアゾ化合
物を実施例1のアゾ化合物に代えて用いた以外は、実施
例1と同一条件下で感度を測定した。結果を表2に示
す。
実施例8 実施例1で用いた感光体を、実施例1で用いた装置に
より、特性の安定性評価を行なった。
まず、感光体を暗所で−6KVのコロナ放電により帯電
した後、400luxの照度の白色光の露光を2秒間行うサイ
クル繰返し行なって、感度の変化を調べた。感度は、表
面電位−500Vから−250Vに減衰するのに必要な半減露光
量(E1/2)と−100Vに減衰するのに必要な露光量(E1/
5)の値で求めた。初期感度は5luxの照度の白色光でE1/
2が1.3lux・sec,E1/5が2.7lux・secであり、2000回繰返
した後の感度はE1/2が1.4lux・sec、E1/5が2.8lax・sec
であった。
同じ組成の感光体をアルミニウムドラムに塗布し、複
写機(シャープ社製、SF−7500)にセットし、複写を行
なったところ、1万枚複写後も初期と同等の濃度でかぶ
りのない鮮明な画像が得られ、電気特性の変動の少ない
安定性の良好な感光体であることが示された。
【図面の簡単な説明】 第1図は、参考例で得た2,5−ビス(p−ニトロベンザ
ル)シクロペンタノンの赤外吸収スペクトル図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に、下記一般式(I) (上記式中で、K1、K2はカップリング能を有する芳香族
    性水酸基を含むカップラー残基を表わし、K1とK2は同一
    でも異なっていてもよいが、K1とK2の少なくとも一方は
    下記一般式(VI−a)、(VI−b)、(VII−a)又は
    (VII−b)のいずれかで表わされる。また、lおよび
    mは、それぞれ0または1の整数を示す。) (一般式(VI−a)、(VI−b)、(VII−a)、(VII
    −b)において、Yは芳香族炭化水素の2価基、または
    窒素原子を環内に含む複素環の2価基を示す。) で表わされるアゾ系化合物を含有する感光層を有するこ
    とを特徴とする電子写真用感光体。
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