JP3584614B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真感光体に関する。さらに、詳しくは、本発明は、新規なビスアゾ化合物を含有する高感度な電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体としては、従来はセレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無機系の光導電性物質を用いた感光体が使用されていたが、最近は、無公害で、製造、取扱いが容易であること、画質が良好であること、ドラム、シート、ベルトなど各種の形状の感光体が簡単に得られることなどの多くの利点を有する有機系の光導電性化合物(以下OPCと略す)を用いた、いわゆるOPC感光体が普通紙複写機やプリンター用に採用されるようになり、しかもその割合は年々増加している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
OPC感光体は、従来の無機系の感光体に比べ多くの利点を有しているが、感度や耐久性などでは劣っており、現在のところは主に低速機分野に使用されている。
このため、感度、耐久性共にすぐれたOPCの開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは高感度かつ高耐久性の電子写真感光体を得るために新規なOPCについて鋭意検討した結果、特定のカップラー非対称型のビスアゾ化合物が好適であることを見い出し本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、導電性支持体上に下記一般式〔I〕
【0005】
【化4】
【0006】
〔上記式中、
【0007】
【化5】
【0008】
を示し、(Yは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、または、アルコキシ基を示す。)R1 及びR2 は同一でも異なっていてもよく、水素原子、少なくとも1個以上のフッ素原子で置換された炭素数1〜6のフッ素置換アルキル基、または、少なくとも1個以上のフッ素原子で置換された炭素数1〜6のフッ素置換アルコキシ基を示す。但し、R1 とR2 が同時に水素原子である場合を除く。〕
で表わされるビスアゾ系化合物を含有する感光層を有することを特徴とする電子写真感光体に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の電子写真感光体に含有されるビスアゾ化合物は前記一般式〔I〕で表される構造を有する。
前記一般式〔I〕においてR1 及びR2 は同一でも異なっていてもよく水素原子、少なくとも1個以上のフッ素原子で置換された炭素数1〜6のフッ素置換アルキル基または少なくとも1個以上のフッ素原子で置換された炭素数1〜6のフッ素置換アルコキシ基を示し(ただしR1 とR2 が同時に水素原子である場合を除く)具体的にはトリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、1H,1H−トリフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、1H,1H−ペンタフルオロプロピル基、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル基、2H−ヘキサフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、1H,1H−ヘプタフルオロブチル基、1H,1H,4H−ヘキサフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、トリフルオロメトキシ基、パーフルオロエトキシ基、テトラフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、パーフルオロプロポキシ基、1H,1H−ペンタフルオロプロポキシ基、1H,1H,3H−テトラフルオロプロポキシ基、2H−ヘキサフルオロプロポキシ基、パーフルオロブトキシ基、1H,1H−ヘプタフルオロブトキシ基、1H,1H,4H−ヘキサフルオロブトキシ基、パーフルオロペントキシ基、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルオキシ基、パーフルオロヘキシルオキシ基等があげられ、中でも直鎖状フッ素置換アルキル基、中でもトリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、テトラフルオロエトキシ基、1H,1H,3H−テトラフルオロプロポキシ基、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルオキシ基等が好ましい。
【0010】
前記一般式〔I〕においてYは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を示し、具体的には例えばフッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、n−ヘキシル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基等が挙げられる。中でも、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基、メトキシ基等が好ましい。
本発明のビスアゾ化合物は、種々の方法で製造でき、第1の方法は下記一般式〔III 〕
【0011】
【化6】
【0012】
で表わされるジアミンの一方のアミンを保護基により保護するか、ニトロ基に変えジアゾ化反応が不可能な状態にして他方のアミンのみを常法により、ジアゾ化反応、次いでカップリング反応を行ない、モノアゾ化合物を合成し、次に、残りのアミンの保護基をはずすか、ニトロ基を還元することにより、アミンの形にした後、ジアゾ化反応をした後、上記と異なるカップラーによりカップリング反応を行ない、前記一般式〔I〕で表わされるビスアゾ化合物を製造する方法である。
第2の方法は下記一般式〔IV〕
【0013】
【化7】
【0014】
〔上記式中、Xはアニオン官能基を示す。〕
で示されるテトラゾニウム塩を、下記一般式〔V〕と〔VI〕
【0015】
【化8】
【0016】
〔上記一般式〔V〕,〔VI〕中、R1 ,R2 ,Yはそれぞれ前記一般式〔I〕におけると同義である。〕
で示されるカップラーの混合物と反応させて前記一般式〔I〕で表わされるビスアゾ化合物を製造する方法である。
【0017】
本発明のビスアゾ化合物としては、いずれの方法で製造したビスアゾ化合物も使用できるが、第1の方法は、反応段階が多く、アゾ化合物の製造コストが高くなる欠点を有している。第2の方法は、製造方法は従来と同じであり、単一のカップラーを用いる代りに、2種類のカップラーを、用いる点が異なるだけであり、第1の方法に比べ製造しやすい利点を有している。
しかし、第2の方法はカップラーを混合して反応させるため、合成されるアゾ化合物も、カップラーが異なる一般式〔I〕で表わされるビスアゾ化合物の他にカップラーが同じビスアゾ化合物(下記一般式〔VII 〕及び〔VIII〕)が生成する可能性がある。
【0018】
【化9】
【0019】
〔上記一般式〔VII 〕,〔VIII〕中、R1 ,R2 ,Zはそれぞれ前記一般式〔I〕におけると同義である。〕
上記一般式〔VII 〕または〔VIII〕の化合物の混入割合が少ない場合は問題はないが、多い場合は本発明のビスアゾ化合物〔I〕の性能よりもビスアゾ化合物〔VII 〕や〔VIII〕の性能を主体とした性能を示す様になるため、なるべくビスアゾ化合物〔I〕が多くなる様な反応条件を選択することが必要である。
【0020】
本発明者は、この点に関し検討を行なった所、カップリング反応の反応性は、カップラー分子の構造により差があり、カップラーの混合比などの反応条件を適正に選択することにより、一般式〔I〕で表わされる本発明のアゾ化合物を高純度で合成できることを見出した。
すなわち、本発明のビスアゾ化合物は、上記第2の方法により容易に合成することができる。合成反応を具体的に説明すると下記一般式〔IV〕
【0021】
【化10】
【0022】
〔上記式中Xはアニオン官能基を示す。〕
で示されるテトラゾニウム塩を下記一般式〔V〕と〔VI〕
【0023】
【化11】
【0024】
の混合物とを公知の方法によりカップリング反応させて、下記一般式〔I〕
【0025】
【化12】
【0026】
〔上記一般式〔V〕,〔VI〕,〔I〕中、R1 ,R2 ,Y,Zは前記一般式〔I〕におけると同義である。〕
で表わされるビスアゾ化合物が製造される。反応溶媒としては水及び/またはジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の有機溶媒が適当であり、酢酸ナトリウム等の塩基の存在下、30℃以下の温度で30分ないし10時間程度反応させればよい。
【0027】
2種のカップラーは等モル混合するか反応性の差により反応性の低いカップラーを過剰に用い、テトラゾニウム塩1モルに対し、反応性の高い方のカップラーを1〜1.5モルの割合で反応させるのが好ましい。
カップラーはいずれも公知の方法により合成できる。
一般式〔VI〕で表わされるカップラーは例えば下記反応式(a)に従いヒドロキシナフタル酸無水物〔IX〕とジアミン〔X〕とを酢酸等の有機溶媒中で加熱し、脱水縮合することにより得られる。(特公昭61−30265号公報参照)
【0028】
【化13】
【0029】
上記合成方法により得られるカップラー〔VI〕は異性体の混合物となるが、本発明においてはいずれの異性体も使用でき、通常は反応により生成した異性体を分離せず混合物のままカップリング反応に用いる。
本発明の代表的な電子写真感光体としては下記の表−1に示すようなビスアゾ化合物を挙げることができる。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
本発明の電子写真感光体は上記一般式〔I〕で表わされるビスアゾ系化合物を1種または2種以上含有する感光層を有する。感光層は種々の形態のものが周知であるが、本発明の感光体においては、そのいずれのタイプであってもよい。特に好適なのは、本発明のビスアゾ化合物を電荷発生材料としてバインダー中に分散させ、これを電荷発生層とし、周知の電荷キャリヤー輸送媒体を含む、電荷輸送層を積層した積層型感光体や、上記のビスアゾ化合物の分散層中に、周知の電荷キャリヤー輸送媒体を添加した単層型感光体などが挙げられる。
【0034】
本発明の前記一般式〔I〕で示されるビスアゾ化合物は電荷キャリヤーの発生効率及び電荷キャリヤー輸送媒体へのキャリヤー注入効率が高く、前記の積層型や単層型の機能分離型感光体の電荷発生材料としてきわめてすぐれた性能を有している。
【0035】
本発明のビスアゾ化合物と組合せて用いる電荷キャリヤー輸送媒体は一般に電子の輸送媒体とホールの輸送媒体の二種に分類されるが、本発明感光体には両者とも使用することができ、またその混合物をも使用できる。電子の輸送媒体としてはニトロ基、シアノ基、エステル基等の電子吸引性基を有する電子吸引性化合物、例えば2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン等のニトロ化フルオレノンあるいはテトラシアノジメタンが挙げられる。また、ホールの輸送媒体としては電子供与性の有機光導電性化合物、例えばカルバゾール、インドール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、ピラゾリン、チアジアゾール等の複素環化合物;トリフェニルメタン等のトリアリールアルカン誘導体(例えば特開昭60−87334号公報);トリフェニルアミン等のトリアリールアミン誘導体(例えば、特開昭56−4148,58−203446号公報);フェニレンジアミン誘導体(例えば特開昭54−110836号公報);N−フェニルカルバゾール誘導体(特公昭63−18738号公報);スチルベン誘導体(例えば特開昭58−65440,58−198043,58−198425号公報);ヒドラゾン化合物(例えば、特開昭57−11350,57−67940,58−108359,54−150128,58−159536号公報)などが挙げられ、特に、ジアルキルアミノ基、ジフェニルアミノ基の様な置換アミノ基、あるいはアルコキシ基、アルキル基の様な電子供与性基、あるいはこれらの電子供与性基が置換した芳香族環基が置換した電子供与性の大きな化合物が挙げられる。又、ポリビニルカルバゾールの様に、これらの化合物からなる基を主鎖もしくは側鎖に有する重合体も挙げられる。そして本発明のアゾ化合物と組み合わされる好適なものとしては、下記一般式〔II〕
【0036】
【化14】
【0037】
〔上記式中、R3 は置換基を有していてもよいスチリル基を示す。〕
が挙げられる。
本発明の電子写真感光体は常法に従って製造できる。
すなわち、本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に、本発明のビスアゾ化合物を含有する電荷発生層と電荷輸送層を有する積層型か、ビスアゾ化合物が分散した感光層を有する単層型の感光体であり、これらの他に、接着層、ブロッキング層などの中間層や、保護層など、電気特性、機械特性などの性能改良のための層を設けてもよい。
【0038】
導電性支持体としては周知の電子写真感光体に採用されているものがいずれも使用できる。具体的には例えばアルミニウム、銅ニッケル等の金属ドラム、シートベルトあるいはこれらの金属箔のラミネート物、蒸着物が挙げられる。更に、金属粉末、カーボンブラック、ヨウ化銅、高分子電解質等の導電性物質を適当なバインダーとともに塗布して導電処理したプラスチックフィルム、プラスチックドラム、紙等が挙げられる。また、金属粉末、カーボンブラック、炭素繊維等の導電性物質を含有し、導電性となったプラスチックのシートやドラムあるいは、酸化スズ、酸化インジウム等の導電性金属酸化物層を表面に有するプラスチックフィルムなどが挙げられる。
【0039】
前記した積層型感光体では、通常は導電性支持体上に電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層が形成されるが、逆の構成でもよい。
該電荷発生層は、本発明のビスアゾ化合物とバインダーポリマーを含む塗布液を塗布、乾燥して形成される。ビスアゾ化合物は溶解していてもよいが通常は分散した状態の塗布液として塗布される。塗布液調製用の溶媒としてはブチルアミン、エチレンジアミン等の塩基性溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;酢酸エチル、蟻酸メチル、メチルセロソルブアセテート等のエステル類;ジクロロエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素などが挙げられる。
【0040】
ビスアゾ化合物を分散する場合には、1μm以下、好ましくは0.5μm以下の粒径にすることが必要である。
バインダーとしては、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルアルコール、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、フェノキシ樹脂、ポリスルホン、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、セルロースエステル、セルロースエーテル、エポキシ樹脂、けい素樹脂等が挙げられる。
【0041】
本発明のビスアゾ化合物とバインダーポリマーとの割合は、特に制限されないが、一般には、ビスアゾ化合物100重量部に対し、5〜500重量部、好ましくは20〜300重量部のバインダーポリマーを使用する。
上記塗布液にはこの他にも分散安定剤、塗布性改良剤、さらには、性能改良のための、色素、電子吸引性化合物その他の添加剤を加えてもよい。電荷発生層の膜厚は0.05〜5μm、好ましくは0.1〜2μmになる様にする。
【0042】
電荷発生層用の上記塗布液に前記電荷キャリヤー輸送媒体を1種または2種以上溶解し、乾燥後の膜厚が5〜50μm、好ましくは10〜30μmになる様に導電性支持体上に塗布すれば、単層型の感光体が得られる。ビスアゾ化合物とバインダーポリマー及び電荷キャリヤー輸送媒体との割合は通常ビスアゾ化合物10重量部に対しバインダーポリマーが10〜1000重量部、好ましくは30〜500重量部、電荷キャリヤー輸送媒体が5〜1000重量部、好ましくは20〜500重量部である。
【0043】
積層型感光体においては、前記電荷発生層の上に、電荷キャリヤー輸送媒体を含む塗布液を塗布し乾燥することにより、電荷輸送層が形成される。電荷キャリヤー輸送媒体が成膜性のある高分子化合物の場合は特にバインダーポリマーを用いなくてもよいが、可とう性改良等のために混合してもよい。
低分子化合物の場合は、フィルム形成のためにバインダーポリマーを用いる。バインダーポリマーとしては前記のものが用いられ、その使用量は通常電荷キャリヤー輸送媒体100重量部に対し30〜300重量部、好ましくは40〜200重量部の範囲である。電荷輸送層の膜厚は5〜70μm、好ましくは10〜50μmの範囲で形成される。
【0044】
電荷輸送層には、この他にも性能改良や塗膜の機械的強度、耐久性の向上のために種々の添加剤を用いることができる。
この様な添加剤としては、電子吸引性化合物や色素類、紫外線吸収剤や酸化防止剤等の安定剤、塗布性改良剤、可塑剤、架橋剤等が挙げられる。
【0045】
【実施例】
次に本発明を参考例と実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨をこえない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、参考例と実施例中〔部〕とあるは〔重量部〕を示す。
【0046】
参考例
m−アミノフェノール8.0gをDMF65mLに懸濁し、水酸化ナトリウム5.8gを加えて室温にて30分間攪拌した。ここへ1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルヨーダイド25.0gを1時間で滴下し40℃にて8時間反応させた。反応液を氷水300mL中に注加しトルエン抽出した。有機層を硫酸マグネシウムにし乾燥後、減圧濃縮し、減圧乾燥して13.7gのm−1H,1H,5H−オクタフルオロヘプチルオキシアニリンを得た。
【0047】
2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸8.0gをトルエン48mLに溶解しDMF0.2mLを加え70℃に昇温した。ここへ塩化チオニル5.3gを滴下し、70℃にて2時間攪拌後、室温まで放冷した。別の反応容器に上記アニリン誘導体全量をN,N−ジメチルアセトアミド16mLに溶解し炭酸ナトリウム5.7gを加えた。ここへ2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸塩化物の全量を滴下し室温にて2時間反応させた。固体を濾別し、濾液を減圧濃縮後水450mL中に注加し2N水酸化ナトリウム水溶液にて中和した。デカンテーションにて溶媒を除き、エタノール−水にて再結晶後シリカゲルカラムにて精製、さらにエタノール−水にて再結晶して目的物質である2−ヒドロキシ−3−(3−1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルオキシフェニル)カルバモイルナフタレン3.0gを得た。
【0048】
製造例1
2−ヒドロキシまたは5−ヒドロキシ−7H−ベンズイミダゾ〔2,1−a〕ベンゾ〔de〕イソキノリン−7−オン0.84gと2−ヒドロキシ−3−(3−1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルオキシフェニル)カルバモイルナフタレン0.72gをジメチルスルホキシド156mLに溶解し、この溶液を18〜23℃の温度に保ちながら2,5−ビス(p−アミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールをジアゾ化して得られたテトラゾニウムホウフッ化水素酸塩0.66gをジメチルスルホキシド9mLに溶解した溶液を加えた後攪拌しつつ酢酸ナトリウム0.87gを水3mLに溶解した溶液を滴下し、そのまま3時間攪拌した。析出した沈澱を濾別し、10%酢酸、水、THFにて順次洗浄後、乾燥して目的物質であるビスアゾ化合物(No.1−15)0.42gを得た。
【0049】
製造例2〜20
製造例1においてカップラー2種類とテトラゾ成分をそれぞれ相当するものを用いた以外は実施例1と同様にして表1に示すビスアゾ化合物をそれぞれ得た。
【0050】
実施例1〜20
一般式〔I〕に相当する構造を有する表1に例示したビスアゾ化合物No.1−1から1−20までのそれぞれを0.4部、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 30部と共にサンドグラインダーにより分散させ、これにポリビニルブチラール(積水化学工業(株)製、商標エスレックBH−3)を0.4部添加溶解させた。得られたアゾ化合物の分散液を厚さ75μmのポリエステルフィルムに蒸着したアルミニウム蒸着層の上にワイヤーバーで乾燥膜厚が0.4g/m2 となる様塗布した後乾燥した。この様にして得られた電荷発生層上に4,4′−ビス{N−〔4−(α−スチリル)フェニル〕−N−フェニルアミノ}ジフェノキシメタン90部及びポリカーボネート樹脂(三菱化学(株)製、商標ノバレックス7025)100部をジオキサン670部に溶解した溶液を乾燥膜厚が28μmになる様に塗布し、電荷輸送層を形成した。この様にして2層からなる感光層を有する電子写真感光体が得られた。
【0051】
これらの感光体の感度として半減露光量(E1/2 )の値を表3に示した。なお、表3中のビスアゾ化合物の番号は前記表1中の番号である。
半減露光量は、前記感光体を静電複写紙試験装置(川口電機製作所製モデルSP−428)により測定した。まず暗所で−6.5kVでコロナ放電により帯電させ、次いで照度5 luxの白色光で露光し、表面電位が初期表面電位の半分に減衰するために必要な露光量を求めた。
【0052】
比較例
下記一般式〔I〕においてYが水素原子及びメチル基でR1 ,R2 が表2に示すような水素原子、アルキル基、アルコキシ基を持つビスアゾ化合物No.21〜27を製造例1と同様の方法にて製造し実施例1〜20と同様に感光体を作成した。これらの感光体No.21〜27の感度を比較例として表−3に示した。
【0053】
【化15】
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
表−3の結果から明らかなように、一方のカップラーである2−ヒドロキシ−3−カルバモイルフェニルナフタレン誘導体のフェニル基のm位にフッ素置換アルキル基、あるいはフッ素置換アルコキシ基が位置することにより無置換のフェニル基のものと比較して同程度あるいはより高い感度を示しており、さらには対応する炭素数のアルキル置換体あるいはアルコキシ置換体と比較すると明らかに高感度であり、フッ素置換の効果が感度に現われていることがわかる。
【0057】
【発明の効果】
本発明のビスアゾ化合物を含有する電子写真感光体は、高感度で感色性も良好であり、特に、同種のカップラー残基が結合した化合物よりも感度がすぐれている。電子写真方式の普通紙複写機のみでなく、性能の安定性、信頼性が特に要求されるレーザプリンタ、液晶、シャッタープリンタ、LEDプリンタ等のプリンタ用感光体にも適した感光体である。
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