JPH05138898A - インク容器、これを用いた記録ヘツドユニツトおよびこれを搭載する記録装置 - Google Patents

インク容器、これを用いた記録ヘツドユニツトおよびこれを搭載する記録装置

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JPH05138898A
JPH05138898A JP3329546A JP32954691A JPH05138898A JP H05138898 A JPH05138898 A JP H05138898A JP 3329546 A JP3329546 A JP 3329546A JP 32954691 A JP32954691 A JP 32954691A JP H05138898 A JPH05138898 A JP H05138898A
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Masanori Takenouchi
雅典 竹之内
Hidemi Kubota
秀美 久保田
Kenjiro Watanabe
顕二郎 渡邉
Toshihiko Ujita
敏彦 氏田
Torachika Osada
虎近 長田
Kazuhiro Nakajima
一浩 中島
Yasuo Kotaki
靖夫 小滝
Keiichiro Tsukuda
圭一郎 佃
Yohei Sato
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Containers And Packaging Bodies Having A Special Means To Remove Contents (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微小なインク消費量に対応してインク容器内
の圧力を調整することができ、インク容器内に空気を吸
込まないようにする。 【構成】 インク容器は、一端面が底板4により閉鎖さ
れた円筒状の外筒1の他端面の開口部がゴム、軟質のプ
ラスチック等の可撓性材料からなる可撓性部材2で閉鎖
されたものであり、その内部にはインク6が収容されて
いる。可撓性部材2は、その周縁部が外筒1の開口部の
端面に固着され、外壁部2a、屈曲部2b、内壁部2c
および底壁部2dからなり、インク容器内のインク6の
消費にともなって、屈曲部2bが外筒1の内壁面に沿っ
て移転して不可逆変形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、筆記具、インクジェッ
ト記録装置、複写機またはファクシミリ等の記録装置に
おいて使用されるインク容器、これを用いた記録ヘッド
ユニットおよびこれを搭載する記録装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置において、記録
ヘッドの吐出口からのインクもれ防止のためのインク容
器として、次に記載する(イ)または(ロ)等が知られ
ている。
【0003】(イ)容器の開口部を図19に示すような
厚肉t1 の側壁と薄肉t2 の底壁を有する可撓性部材2
00で覆い、前記容器内の負圧に応答して可撓性部材2
00が弾性変形するもの(特開昭59−98857号公
報参照)。
【0004】(ロ)図20に示すように、インク容器本
体201内に、吐出口203から吐出されるインクの量
に応じて吐出口203に向けて移動する可動壁を配設
し、該可動壁とインク容器本体201の内面との間の接
触界面における摩擦力によって、インク容器本体201
内のインクの負圧力を制御するものであって、前記可動
壁には、(A)に示す周面にOリング202を設けた可
動壁204や、(B)に示すダイヤフラム状の弾性材料
製の可動壁304を用いたものである(特開昭60−2
04355号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術のうち
(イ)のものでは、インクを収容する容器の開口部が弾
性を備えた可撓性部材で覆われており、インクの消費に
ともなう負圧に応じて弾性的に変形してつぶれてゆく構
成であるため、ある程度インクが消費されてゆくと可撓
性部材の変形が大きくなり、ゆがみが大きくなる。する
とそれ以上の変形がしにくくなり、可撓性部材で発生さ
れる負圧が急激に大きくなり、インクの供給がなされな
くなってしまう。また(イ)のものでは、可撓性部材は
側面部分から変形してゆくため、可撓性部材がとりつけ
られている容器の開口部では、可撓性部材は変形できな
い構成となっている。そのためインクが供給できなくな
る。
【0006】本発明者らの実験によれば、(イ)の構成
におけるインクの使用効率は最大でも50%程度でしか
なく、インクの使用効率が低い。加えて、(イ)の形態
でインク吐出部と切り離せる構成とした場合、可撓性部
材の弾性変形の特性のため、切り離した状態で可撓性部
材の復元を生じ、可撓性部材内に空気を吸込んでしまう
おそれがある。このように空気が吸込まれた場合には再
度のインク吐出が正常に行なわれず、インク切れを起す
おそれがある。
【0007】ところで、インクの使用効率を改善するも
のとして米国特許第5,040,001号明細書では、
可撓性部材の側面の肉厚に差をつけ、肉厚の薄い側から
積極的につぶれるような構成としたものがある。
【0008】しかし、本件においても容器との接合部で
ある開口部はそのままであるため、インクの使用効率は
さほど向上しない。また、薄肉厚部が不均一な変形をし
た場合や、開口端と反対の側が内方に向って変形してつ
ぶれてしまった場合には、可撓性部材側の負圧の分布が
バラツキ、あるいは、インクを多量に残したまま急激に
負圧が大きくなりインクの供給がなされなくなり、使用
効率の低下を招くおそれもある。
【0009】また(ロ)のものでは、可動壁とインク容
器本体との間の気密性保持および可動壁の倒れ防止のた
めに、Oリングやダイヤフラムの剛性を大きく設定した
り、Oリングやダイヤフラムの厚みを厚くしインク容器
との接触面積を大きくしなければならない。その結果、
可動壁とインク容器本体内面との接触界面における摩擦
力が大きくなり、可動壁の始動圧、すなわち、可動壁の
静止状態から移動を開始するのに必要な差圧が大きくな
ってしまうなど、高精度のインク負圧の調整を行なうた
めの必要条件の設定が難しい。
【0010】本発明は、上記従来の技術の有する問題点
に鑑みてなされたものであって、微小なインク消費量に
対応してインク容器内の圧力を調整することができ、イ
ンク容器内に空気を吸込むおそれがないインク容器を実
現することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のインク容器は、一端面が底板により閉鎖さ
れ、他端面に開放部を有する外筒と、前記外筒の開放部
を閉鎖する可撓性部材からなり、その内部にインクが収
容されたインク容器において、前記可撓性部材は、前記
インクの消費にともなって前記外筒の内壁面に沿って移
転する屈曲部を有しており、該屈曲部の移転は不可逆的
なものであることを特徴とするものである。
【0012】また、可撓性部材の外表面が潤滑処理され
たものや、可撓性部材の周縁部が外筒の開放部他端に固
着されたもの、あるいは可撓性部材の周縁部が底板に固
着されたものとすることができる。
【0013】さらに、可撓性部材の外側に大気連通孔を
有する蓋を固着したものとするとよい。
【0014】
【作用】インクが消費されていくにともなって、インク
容器内の圧力が下がり負圧力が発生する。この負圧力に
よって可撓性部材が変形し、その屈曲部が外筒の内壁面
に沿って底板に向けて移転して行く。このとき底壁部
は、外壁部および内壁部に比較して変形し難いので、初
期の状態の形状を保ったまま底板に向かって移動して可
撓性部材が不可逆変形し、インク消費量に見合う分だけ
外筒、底板および可撓性部材に囲まれたインク容器容積
が減少して行く。
【0015】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0016】図1は、第1実施例の斜視図、図2は第1
実施例の模式断面図である。
【0017】図1および図2に示すように、本実施例の
インク容器は、一端面が底板4により閉鎖された円筒状
の外筒1の他端面の開口部がゴム、軟質のプラスチック
等の可撓性材料からなる可撓性部材2で閉鎖され、底板
4には非使用時には閉塞手段であるボール栓で閉塞され
たインク取出し用の排出口6が形成されたものであり、
その内部にはインク6が収容されている。
【0018】前記可撓性部材2は、その周縁部が外筒1
の開口部の端面に固着され、前記周縁部近傍から外筒1
の内壁面に沿って折り曲げられて外筒1の長手方向に延
びる外壁部2aと外筒1のほぼ中央部で逆方向に折れ曲
がった屈曲部2b、この屈曲部2bから前記外壁部2a
に沿って外筒1の開口部近傍まで延びる内壁部2cおよ
び、内壁部2cに続く円板状の底壁部2dを有する。
【0019】なお、図2は模式的に描いた図面であり、
屈曲部2bは図のような折れまがり状態だけでなく、材
質の特性によってふくらみを有するように比較的大きな
曲率で屈曲している形態も当然含むものである。
【0020】図3および図4は、それぞれ第1実施例の
変形例を示し、図3に示すインク容器は排出口5を外筒
1の底板4の近傍に形成したもの、図4に示すインク容
器は底板4の外筒1寄りに排出口5を形成したものを示
す。
【0021】このようにインクの排出口5をインク収容
器である外筒を構成する底板の中央よりもインク収容器
の装着状態下方側に設けることにより、重力によってイ
ンク収容器の底側にインクを集めることができ、インク
のヘツドへの供給性が一層向上するものである。
【0022】図5は、第2実施例を示す模式断面図であ
り、可撓性部材12の周縁部が底板14に固着され、外
筒11に沿って外筒11の開口部近傍まで延びる外壁部
12aと、前記開口部近傍で逆方向に折れ曲がった屈曲
部12b、屈曲部12bから前記外壁部12aに沿って
延びる内壁部2cおよび内壁部2cに続く円板状の底壁
部2dからなる。その他の部分の構成は第1実施例と同
様である。
【0023】本実施例の場合、可撓性部材の開口部を底
板に接続しているため、形態として従来例で示した図1
9のものに極めて近い。そのために、外壁部が底壁部1
2dの移動より先につぶれを生じてしまうおそれがあ
る。
【0024】そこで本実施例では、可撓性部材の外壁部
と外筒の内面との接触界面に極めて容易にはがれやすい
接着剤のようなものを介在させて、可撓性部材の底壁部
側からの移動が先行してなされるようにする。インクの
消費量による負圧増大で発生するおそれのある外壁部の
内方へのつぶれを防止でき、これにより安定的なインク
供給が達成できるとともに、可撓性部材の外壁部が外筒
の内面からのはくりの力がインクに対する負圧として作
用するので、良好にインクもれを防止することもでき
る。なお、外筒の内面からの外壁部のはくり力を調整す
ることで発生する負圧を調整することができる。
【0025】図6は、第3実施例を示し、第1実施例と
同様の可撓性部材22を有する外筒21の開口部に大気
連通孔27aを形成した蓋27を取付けたものである。
【0026】このように大気連通孔27aを有した蓋2
7を設けることで、可撓性部材の底壁部が外方からの作
用に対して保護される。したがって、不用意な加圧状態
による吐出口からのインクもれを発生することなく、可
撓性部材によるインクの供給状態を安定に達成すること
ができる。
【0027】図7乃至図10は、それぞれ図6に示した
第3実施例の変形例を示し、底板に設けられた排出口の
閉塞手段が異なる。
【0028】もちろん、第3実施例に限られることな
く、第1、第2の実施例に適用しても有効である。
【0029】図7に示すものは、底板24−1に設けら
れた排出口25−1はボール栓23−1で閉塞されてお
り、底板24−1の容器内部側には、インクが通る孔2
8aを有する箱形の揺動防止機構28が排出口25−1
を取囲むように取付けられている。本変形例では、イン
ク容器に衝撃が加わっても、揺動防止機構28の働きに
よって排出口25−1からインク洩れが発生しない。
【0030】図8に示すものは、ボール栓にかえて、つ
き破りタイプの閉塞部材23−2によって排出口25−
2を閉塞したものであり、図9に示すものは、排出口2
5−3をフィルム状シール材23−3で閉塞したもので
ある。
【0031】図10に示すものは、底板24−4に取付
けたインクの通る孔28a−1を有するボール栓ガイド
28−1中において、圧縮ばね28b−1で常時付勢さ
れたボール栓23−4により排出口25−4を閉塞した
ものである。本変形例では、使用時に適宜手段によりボ
ール栓23−4を圧縮ばね28b−1の弾発力に抗して
押圧力を加え排出口25−4を開くことができ、一旦使
用した後、前記押圧力を除くと再度排出口25−4を閉
塞することができる。
【0032】ここで、本発明のインク容器の動作につい
て説明する。
【0033】図11は、上記第1実施例のインク容器を
記録装置の記録ヘッド29に結合してその吐出口29a
よりインク6を吐出させて消費していく状態を示し、
(A)は初期、(B)は途中、(C)は最後をそれぞれ
示す。
【0034】初期の状態では、図11の(A)に示すよ
うに、記録ヘッド29との結合時にボール栓(図示せ
ず)が記録ヘッド側に設けた棒体等の手段により押圧さ
れて排出口3より離反され排出口3は開放されており、
吐出口29aよりインク6が吐出されて消費されてい
く。
【0035】インク6が消費されるにともなって、イン
ク容器内の圧力が下がり負圧力が発生する。この負圧力
は可撓性部材2が変形するのに十分な大きさであって、
可撓性部材2が変形し、屈曲部2bが外筒1の内壁面に
沿って底板4に向けて移転していく。このとき底壁部2
dは、外壁部2aおよび内壁部2cに比較して変形し難
いので初期の状態の形状を保ったまま底板4に向かって
移動して行き、インク消費量に見合う分だけ外筒1、底
板4および可撓性部材2に囲まれたインク容器の容積が
減少して行く。
【0036】そして、図11の(C)に示すように、最
後には屈曲部2bが底板4に接触すると、可撓性部材2
の変形ができない状態となるため、負圧力がインク供給
できない程に大となり、通常の使用状態ではこれ以上イ
ンクを吐出することができない状態となる。
【0037】本発明では上記したように、可撓性部材の
屈曲部が外筒1の内壁面に沿って移転していくためイン
クが消費されていく過程で、移転した下流側すなわち底
板付近の内壁面近傍に、ほとんどインクが残らない状態
を作りだすことができ、さらに、底壁部2dがほぼ初期
の状態の形状を保ったまま底板4まで達するため、イン
ク残量が極めて少なくなるまで使用できることになる。
【0038】また、動作図で明らかなように、可撓性部
材の移転が内壁面に沿って行われるため、その屈曲部の
変形は不可逆的になり、従来技術の様な弾性変形するも
のと比べ、元の形状に戻ることがなく、オリフイスから
空気を吸い込んでしまい、インク切れを起こすことがな
い効果がある。
【0039】可撓性部材の屈曲部、および外壁部は、外
筒内壁部に、密着していても良いし、離れていてもかま
わない。
【0040】このため、可撓部材の寸法精度は、厳密な
精度を必要とすることなく作動するため、インク容器を
製造する際にも安価である効果がある。
【0041】本発明で使用されうる可撓部材2は、比較
的変形し易い軟質の材料であることが好ましい。
【0042】また、インク容器の材料に要求される諸特
性としては、 (1)可塑剤フリーまたはインクへの影響の無いこと (2)界面活性剤フリーまたはインクへの影響の無いこ
と (3)重金属フリーまたはインクへの影響が無いこと (4)吸水率の低い高分子化合物であること (5)ガスバリアー性に優れたものであること (6)ガラス転位点(Tg)が室温以下の高分子化合物
であること (7)インクによって膨潤、変形などを引き起こさない
高分子化合物であること (8)耐候性、耐環境性に優れていること (9)厚さを2mm以下、好ましくは1mm以下に加工
が可能な高分子化合物であること 等が挙げられる。
【0043】例えばガラス転位点(Tg)が室温以下の
材料としては具体的には、 フッ素系ゴム PVC(ポリ塩化ビニル) PVA(ポリビニルアルコール) PVdC(ポリ塩化ビニリデン) PE(ポリエチレン) PP(ポリプロピレン) ポリオレフィン EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体) ポリブテン EPDM EPR/EPT 塩化ブチルゴム ポリウレタン アクリルゴム シリコンゴム BR(ポリブタジエンゴム) NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム) SBR(スチレンブタジエンゴム) IR(イソプレンゴム) IIR(イソプレンイソブチレンゴム) CR(クロロプレンゴム) クロロスルホン化PE 多硫化ゴム などが挙げられる。
【0044】また、可撓性部材2は、さらに要求される
特性を十分に満足させるため所望の特性の材料を多層と
して積層して構成してもよい。
【0045】その場合、例えば、ガスバリアー性に優れ
た材料と、容器の外筒と可撓性部材の外壁部との摺動性
に優れた材料等を組合わせることで目的に合致した材料
とできる。また、他の例としては、最内層として耐イン
ク性にすぐれた接液性の良好な材料を用いたり、また、
おり返して変形して移転していくために摩擦係数が低
く、スムーズな隔壁の移動を可能にする材料などを使用
するとよい。
【0046】また、インクの蒸発やガスの侵入を防止す
るガスバリアー性に優れた材料や、ゴム等の可撓性部材
に優れた形状保持機能を備えた材料を使用してもよい。
【0047】なお、ゴム材料は長期保存に耐えられるよ
うな材料が好ましく、例えば、IIR、ブチルゴム、E
PR、EPDM、EPT、フッ素ゴム、熱可塑性のエラ
ストマーなどが挙げられる。
【0048】一方、外筒や可撓性部材は、その一部が、
あるいは全体が透明あるいは半透明の材料で構成しても
よい。
【0049】このように透明あるいは半透明部分をもた
せることで、内部のインクの使用状態や、インクの色を
識別することができ、取り扱い性が向上する。
【0050】ところで、本発明では、特に図2などの実
施例においては、内壁部2cと外壁部2aとが接触状態
となることがある。
【0051】したがって、ここの間の摩擦が大きいと、
可撓性部材2の屈曲部2bの移転が生じなくなり、イン
クの供給に支障をきたす場合がある。
【0052】そのために、接触面部分に摩擦力を低減さ
せるための潤滑性を示す部材を介在させるか、使用部材
自身潤滑性を備えたものを使用することで解消すること
ができる。
【0053】潤滑性を示す材料としてはガラスビーズな
どの粒子径の小さな物質(でんぷんやコロ、その他の粉
末類)が利用できる。
【0054】また、オイルや不揮発性の液体や、ゲル化
やゾル化した部材、ワックスやロウなどの使用も可能で
ある。
【0055】図12は、図5に示す第2実施例のインク
容器を記録ヘッド29に結合して吐出口29aよりイン
ク16を吐出させて消費して行く状態を示し、(A)は
初期、(B)は途中、(C)は最後をそれぞれ示す。
【0056】初期の状態では、図12の(A)に示すよ
うに、記録ヘッド29との結合時にボール栓(図示せ
ず)が排出口15より離反され排出口5は開放されてお
り、吐出口29aよりインク16が吐出されて消費され
て行く。
【0057】インク容器内のインク16が消費されるに
ともなって、インク容器内の圧力が下がり負圧力が発生
する。この負圧力により、図12の(B)に示すよう
に、可撓性部材12が変形し、屈曲部12bが外筒11
の内壁面に沿って底板14に向けて移転して行く。底壁
部12dは外壁部12aおよび内壁部12cに比較して
変形し難いので初期の状態の形状を保ったまま底板14
に向けて移動して行き、インク消費量に見合う分だけ外
筒11、底板14および可撓性部材12に囲まれたイン
ク容器容積が減少して行く。
【0058】そして、図12の(C)に示すように、最
後には可撓性部材12の弾性力と前記負圧力とが釣り合
い、通常の使用状態ではこれ以上インクを吐出すること
ができない状態となる。
【0059】本実施例においても可撓性部材12の変形
は不可逆とすることで、インク容器内に空気が混入する
のを防止している点では、上記第1実施例の場合と同様
である。
【0060】図13乃至図16は他の実施例をそれぞれ
示し、可撓性部材の形状が第1実施例と異なるのみであ
るので、以下、可撓性部材についてのみ説明し、その他
の部分については説明は省略する。
【0061】図13に示す第4実施例は、可撓性部材3
2の底壁部32dを半球状としたものである。
【0062】図14に示す第5実施例は、可撓性部材4
2の外壁部42aおよび内壁部42cとなる部分に凹凸
を設けたものである。
【0063】このように厚みに差をもうけることで、可
撓性部材の発生する負圧の調整や外壁部42aと内壁部
42cとの接触状態を改善することができ、摩擦係数を
減少させることが可能である。
【0064】図15に示す第6実施例は、可撓性部材5
2の底壁部52dを外壁部52aおよび内壁部52cと
なる部分に比較して厚肉としたものである。本実施例で
は底壁部52dが変形し難いのでより安定した動作が可
能となる。
【0065】図16に示すものは第6実施例の変形例で
あって、可撓性部材52−1の厚肉の底壁部52d−1
の外面に凹部52e−1を形成したものである。
【0066】図18は第7実施例を示し、外筒81およ
び可撓性部材82を立方体状とした点が上記各実施例と
異なるのみで、その他の部分の構成は同様であるのでそ
の説明は省略する。
【0067】次に、本発明のインク容器を適用した図1
7に示すインクジェット記録装置について説明する。
【0068】記録ヘッド103と本実施例のインク容器
とを接合した記録ヘッドユニットを搭載したキャリッジ
101はガイド軸104および螺旋溝105aをもつリ
ードスクリュ105に案内され、キャリッジ101上に
は、本発明のインク容器が内装されたインク容器カセッ
ト102を装着することが可能である。ちなみに、記録
ヘッド103側には、図示しない棒体が設けられてお
り、インク容器カセット102を一体化した際に、前記
棒体の先端部が容器本体1の排出口5内に挿入されてボ
ール5を押圧し、排出口5を解放するように構成されて
いる。
【0069】リードスクリュ105は、正逆回転する駆
動モータ106によって歯車列106a,106b,1
06c,106dを介して正逆回転され、その螺旋溝1
05aに先端部が係合したキャリッジ101に設けられ
ているピン(図示せず)を介してキャリッジ101を矢
印方向および反矢印方向へ往復移動させる。駆動モータ
106の正逆回転の切換は、キャリッジ101がホーム
ポジションにあることをキャリッジ101に設けられた
レバー115とフォトカプラ116とで検出することに
より行なう。
【0070】他方、被記録媒体である記録紙109は、
プラテン107に押え板108によって押圧され、紙送
りモータ110によって駆動される紙送りローラ(図示
せず)によって記録ヘッドに対向するように搬送され
る。
【0071】回復ユニット111は、記録ヘッド103
の吐出口に付着した異物や粘度の高くなったインクを除
去して、吐出特性を正規の状態に維持するために設けら
れたものである。
【0072】回復ユニット111は、吸引手段(図示せ
ず)に連通されたキャップ部材113を有し、記録ヘッ
ド103の前記吐出口をキャッピングして吸引すること
により、吐出口に付着した異物や粘度の高くなったイン
クを除去する。また、回復ユニット111とプラテン1
07の間には、案内部材112に案内されて記録ヘッド
103の吐出口面の走行経路上に向けて前進、後退する
クリーニングブレード114が配設されており、該クリ
ーニングブレード114の先端で前記吐出口面に付着し
た異物やインク滴をクリーニングできるように構成され
ている。
【0073】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中で熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記録を
行うインクジェット記録方式の記録ヘッド、記録装置に
於いて、優れた効果をもたらすものである。
【0074】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行なうものが好ましい。この記録方
式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれ
にも適用可能である。
【0075】この記録方式を簡単に説明すると、液体
(インク)が保持されているシートや液路に対応して配
置されている吐出エネルギ発生手段である電気熱変換体
に、記録情報に対応して液体(インク)に核沸騰現象を
越え、膜沸騰現象を生じる様な急速な温度上昇を与える
ための少なくとも一つの駆動信号を印加することによっ
て、熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面
に膜沸騰を生じさせる。この様に液体(インク)から電
気熱変換体に付与する駆動信号に一対一対応した気泡を
形成出来るため、特にオンデマンド型の記録法には有効
である。この気泡の成長、収縮により吐出孔を介して液
体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成
する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に
気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた
液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。この
パルス形状の駆動信号としては、米国特許第44633
59号明細書、同第4345262号明細書に記載され
ているようなものが適している。なお、上記熱作用面の
温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号
明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れ
た記録を行なうことができる。
【0076】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出孔、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に開示されている様に、熱作
用部が屈曲する領域に配置された構成を持つものにも本
発明は有効である。
【0077】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出孔とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成を有するものにおいても本発明は有効である。
【0078】さらに、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録可能である記録媒体の最
大幅に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッドが
ある。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開示
されているような記録ヘッドを複数組み合わせることに
よってフルライン構成にしたものや、一体的に形成され
た一個のフルライン記録ヘッドであっても良い。
【0079】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0080】また、本発明のインク容器を使用した記録
装置に、記録ヘッドに対する回復手段や予備的な補助手
段を付加することは、記録装置を一層安定にすることが
できるので好ましいものである。これらを具体的に挙げ
れば、記録ヘッドに対しての、キャピング手段、クリー
ニング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれ
とは別の加熱素子、或はこれらの組み合わせによる予備
加熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを
行なう手段を付加することも安定した記録を行なうため
に有効である。
【0081】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録
ヘッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせ
で構成したものかのいずれでも良いが、異なる色の複色
カラーまたは、混色によるフルカラーの少なくとも一つ
を備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0082】本発明において、上述した各インクにたい
して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行する
ものである。
【0083】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファ
クシミリ装置の形態を採るものであってもよい。
【0084】
【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているの
で、以下に記載するような効果を奏する。
【0085】可撓性部材が、外筒内壁面に沿って転移す
る屈曲部を有し、非可逆変形するため、インクの消費量
にともなう微小な圧力変化に合わせてインク容器の容積
が減少して行き、その状態を保つ。その結果、インクに
空気が混入するおそれがなく、筆記具や記録装置の信頼
性が向上する。
【0086】また、可撓性部材の外側に大気連通孔を形
成した蓋を固着しておくと、外筒に比較して強度が小さ
い可撓性部材が直接外部の物に接触することがなくな
り、可撓性部材の破損等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のインク容器の斜視図である。
【図2】第1実施例のインク容器の模式断面図である。
【図3】第1実施例の第1変形例の模式断面図である。
【図4】第1実施例の第2変形例の模式断面図である。
【図5】第2実施例のインク容器の模式断面図である。
【図6】第3実施例のインク容器の模式断面図である。
【図7】第3実施例のインク容器の第1変形例を示す模
式断面図である。
【図8】第3実施例の第2変形例を示す模式断面図であ
る。
【図9】第3実施例の第3変形例を示す模式断面図であ
る。
【図10】第3実施例の第4変形例を示す模式断面図で
ある。
【図11】第1実施例のインク容器の使用時における状
態を示し、(A)は初期の状態を示す模式断面図、
(B)は途中の状態を示す模式断面図、(C)は最後の
状態を示す模式断面図である。
【図12】第2実施例のインク容器の使用時における状
態を示し、(A)は初期の状態を示す模式断面図、
(B)は途中の状態を示す模式断面図、(C)は最後の
状態を示す模式断面図である。
【図13】第4実施例のインク容器を示す模式断面図で
ある。
【図14】第5実施例のインク容器を示す模式断面図で
ある。
【図15】第6実施例のインク容器を示す模式断面図で
ある。
【図16】第6実施例の変形例を示す模式断面図であ
る。
【図17】本発明のインク容器を用いたインクジェット
記録装置の一例を示す斜視図である。
【図18】第7実施例のインク容器の斜視図である。
【図19】従来のインク容器に用いられる可撓性部材の
一部断面側面図である。
【図20】従来の他のインク容器を示し、(A)はOリ
ングを有する可動壁をもつものの模式断面図、(B)は
ダイヤフラム状の可動壁を有するものの模式断面図であ
る。
【符号の説明】
1 外筒 2 可撓性部材 2a 外壁部 2b 屈曲部 2c 内壁部 2d 底壁部 3 ボール栓 4 底板 5 排出口 27 蓋 27a 大気連通孔 29 記録ヘッド 29a 吐出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田 秀美 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 渡邉 顕二郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 氏田 敏彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 長田 虎近 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中島 一浩 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小滝 靖夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 佃 圭一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 佐藤 陽平 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端面が底板により閉鎖され、他端面に
    開放部を有する外筒と、前記外筒の開放部を閉鎖する可
    撓性部材からなり、その内部にインクが収容されたイン
    ク容器において、 前記可撓性部材は、前記インクの消費にともなって前記
    外筒の内壁面に沿って移転する屈曲部を有しており、該
    屈曲部の移転は不可逆的なものであることを特徴とする
    インク容器。
  2. 【請求項2】 可撓性部材の外表面は潤滑処理がなされ
    ていることを特徴とする請求項1記載のインク容器。
  3. 【請求項3】 可撓性部材の周縁部が外筒の開放部の端
    面に固着された請求項1または2記載のインク容器。
  4. 【請求項4】 可撓性部材の周縁部が底板に固着された
    請求項1または2記載のインク容器。
  5. 【請求項5】 可撓性部材の外側に大気連通孔を有する
    蓋が固着された請求項1、2、3または4記載のインク
    容器。
  6. 【請求項6】 インク容器の反可撓性部材側に排出口が
    形成されており、前記排出口を閉塞する閉塞手段が設け
    られた請求項1乃至5いずれか1項記載のインク容器。
  7. 【請求項7】 排出口を囲む揺動防止機構がインク容器
    内面に設けられた請求項6記載のインク容器。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7項いずれか1項記載のイ
    ンク容器を備え、前記インク容器の排出口と連通された
    液路を有し、前記液路に設けられた吐出エネルギ発生手
    段によりインクを吐出させる吐出部を有する記録ヘッド
    を備えた記録ヘッドユニット。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の記録ヘッドユニットを搭
    載するキャリッジと、吐出エネルギ発生手段に電気信号
    を供給する手段と、記録ヘッドに対向するように被記録
    媒体を搬送するための搬送装置を備えた記録装置。
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