JPH0617952A - 弁機構及びそれを用いた液体貯蔵容器、該液体貯蔵容器を有する記録ヘッドユニット及び該液体貯蔵容器を搭載した記録装置 - Google Patents

弁機構及びそれを用いた液体貯蔵容器、該液体貯蔵容器を有する記録ヘッドユニット及び該液体貯蔵容器を搭載した記録装置

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JPH0617952A
JPH0617952A JP4173258A JP17325892A JPH0617952A JP H0617952 A JPH0617952 A JP H0617952A JP 4173258 A JP4173258 A JP 4173258A JP 17325892 A JP17325892 A JP 17325892A JP H0617952 A JPH0617952 A JP H0617952A
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thin film
opening
ink
valve
container
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Yohei Sato
陽平 佐藤
Kazuhiro Nakajima
一浩 中島
Shuichi Murakami
修一 村上
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 空気の流入、流出の微調整が行える弁機構液
体の貯蔵効率、使用効率が高く、安定した供給を行える
液体貯蔵容器、該液体貯蔵容器を有する記録ヘッドユニ
ット、及び該液体貯蔵容器を搭載した記録装置を提供す
ること。 【構成】 液体を貯蔵した第1の容器を覆うように第2
の容器を設け、第2の容器に備えられた弁機構によっ
て、第1及び第2の容器の間の空間の圧力を調整するこ
とにより、液体の供給圧を一定範囲に維持して供給を行
う構成である。開口部を持つ支持部と、この開口部を覆
う弁体と、これらの間に介在する粘性封止剤の少なくと
も1つが間隙保持機能を有している。 【効果】 複雑な機構を用いる必要なく空気の流入、流
出の微調整を行いうる弁機構、又この弁機構を有するこ
とによつて液体の貯蔵効率、使用効率を高くし、安定し
た液体の供給を、行なわせることができる液体貯蔵容
器、該液体貯蔵容器を有する記録ヘッドユニット、及び
該液体貯蔵容器を搭載した記録装置を得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、容器内の加減圧を解消
する空気弁及びそれを用いた液体貯蔵容器、該液体貯蔵
容器を有する記録ヘッドユニット及び該液体貯蔵容器を
搭載した記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、容器を密封しつつ同時に内部の圧
力が過剰に加圧状態や減圧状態になることを防止するた
めに、その容器に何らかの空気弁を設ける方法について
は数多く提案されている。特に容器内外の圧力差がない
ときに閉塞状態を維持し、かつ容器内の圧力が外気圧に
対して相対的に加圧や減圧になった場合に所定の圧力の
閾値をもって開放し、速やかに閉塞状態に戻る空気弁が
望まれている。さらには開放閾値が製造条件によってば
らつかず、安定していることが望ましい。
【0003】実公昭55−446号公報では、図16の
(a)(b)に示すように、容器のキャップにゴムなど
の部材にスリットを設け、内圧が上昇したときにこのス
リットを押し開いてガスを逃すように構成した空気弁が
提案されている。この空気弁は簡単な構成ではあるが、
容器内外の圧力差がないときにスリットの部分の閉鎖状
態は必ずしも保証することはできず、信頼性に問題があ
る。また、圧力の開放閾値はスリットの微小な条件で大
幅に変動するため用途が限定される。
【0004】実公昭56−53012号公報では、図1
7に示すように、容器の通気孔を、撥水性の良好な10
0〜10000オングストロームの微細孔が多数開いた
熱接着性合成樹脂シート片で閉鎖した空気弁が提案され
ている。しかしながら、この弁は液体は漏らすことはほ
ぼないが、気体に関しては自由に出入りが可能なため内
容物の蒸散を抑制できず、用途が限られる。
【0005】特公平2−36464号公報では、コーヒ
ー豆などの保存時に二酸化炭素を放出するようなものを
収容する袋の場合に、通常は密封状態を保ちつつ、加圧
時には袋の外へガスを放出するために、2枚の可撓性フ
ィルムを中心に対して対向する位置で接着し、そのベー
スとなる可撓性フィルムの中央部に開けられた穴からフ
ィルムの間を通してガスを逃すタイプの空気弁が提案さ
れている(図18(a)(b))。これら2枚の可撓性
フィルムの間にはシリコンオイルなどのシール剤が塗ら
れており、そのシール剤の表面張力の効果により空気弁
の内外に圧力差がないときの閉塞性に優れており、さら
に開放閾値も安定している。しかしながら、この空気弁
は内圧が加圧状態のみに対応する片方向弁であり、内圧
が相対的に減圧状態になった場合には閉塞したままで弁
は機能しない。
【0006】実開昭55−29722号公報では、図1
9に示すように、弁体とそれを付勢するコイルバネから
なる弁を1対、互いに逆向きに設けた双方向弁が提案さ
れている。しかしながら、この弁は部品数が多く複雑で
あることに加え、実験によれば開放閾値を1000Pa
以下に設定しかつ内外圧差が0のときの閉塞性を保証す
ることが難しいことが判明した。
【0007】さらに、実開昭55−29723号公報で
は、前記双方向弁の別の態様として図20に示すような
双方向弁が提案されている。しかしながら、この双方向
弁についても前記双方向弁よりも小型化が可能になって
いるが、前記双方向弁と同様の問題点をもっている。
【0008】実開昭55−61665号公報では、図2
1に示すように、ゴムなどの弾性部材を用い、ドーム状
に形成した部分の頂部にスリットを設け、この構造の対
称に1対設けた双方向弁が提案されている。しかしなが
ら、弾性部材にスリットを設ける構成は、前述の実公昭
55−446号公報と同様に、容器内外の圧力差がない
ときにスリットの部分の閉鎖状態は必ずしも保証するこ
とはできず、信頼性に問題がある。また、圧力の開放閾
値はスリットの微小な条件で大幅に変動するため好まし
くない。
【0009】一方、インクジェットなどの液体インクを
用いた記録装置においては、近年小型化が求められてき
ており、プリンタキャリッジ上に記録ヘッド及びインク
タンクを搭載したものや、さらにインク終了時にインク
タンクのみを交換するタイプが提案されている。これは
従前のインクタンクをプリンタ本体内に固定しチューブ
などでインクをキャリッジ状の記録ヘッドに送る機構の
ものに比べ、小型化と機構の簡素化が可能であるためで
ある。
【0010】インクジェットプリンタのインクタンクは
印字を適正に行ない、かつ非印字時においても吐出口よ
りインクが洩れ出さないために適正な負圧を確保する必
要がある。従前のプリンタの場合は、インクタンクの位
置を記録ヘッド位置よりも低い位置におくことによって
実現していたが、キャリッジ上にインクタンクを設ける
ためにはインクタンク自体に負圧を発生させる機構が必
要となる。そのため、キャリッジ上に設けるインクタン
ク部分の機構としては、スポンジなどの多孔質体や繊維
束などにインクを吸蔵させるものやゴムなどの弾性部材
から構成されたドーム状の容器にインクを収容するもの
などが実用化されている。
【0011】しかしながら、多孔質体を用いるインクタ
ンクはインクを収容する容積に対し約半分のインクしか
取り出すことができず残りの多くは多孔質体中に残って
しまう。また、ゴムのドーム上の容器にインクを収容す
るタイプについても、インクが消費されていきゴムのド
ームの変形が大きくなるに従い負圧が大きくなっていく
ため容器内のインクを完全に使い切ることはできない。
【0012】これら従来のインクタンクのインク使用効
率の低さは、特にインクタンクの小型化が求められてい
る現在、大きな障害となっている。
【0013】
【目的】本発明は、上記従来例の問題点である、空気弁
の複雑さと信頼性の低さを解消する新規な双方向空気弁
を提供する。また、小型インクジェットプリンタのイン
クタンクの使用効率を改善するためと、良好な印字と高
信頼性を得るため前記空気弁を用いたインクタンクを提
案する。
【0014】(手段)上記目的を達成するための構成
は、次のとおりである(図1)。即ち、開口部2をもつ
支持部1と、この開口部2を覆う大きさをもつ弁体とし
ての薄膜3と、薄膜3は粘性封止剤を介して支持部1上
に前記開口部2を覆うように載置される。ただし図1に
おいては、液体の取り出し口を示していないが、これは
適宜好ましい位置に設けてよい。さらには、薄膜3の支
持部1への載置位置がずれないように支持部1上にずれ
防止部材を設けてもよい。さらには、薄膜3が外部から
の障害物にぶつからないように薄膜面から離れた位置に
覆いを設けてもよい。本発明の構成は上記構成以外に、
支持部1と薄膜3との間に間隙保持機能を持たせてい
る。ここでいう間隙保持機能を持たせるための手段とし
ては、例えば弁体としての薄膜3及びまたは支持部1の
表面を粗く処理することや凹凸を付けることや、弁体と
支持部間に介在させる例えばシリコンオイルに粉体を混
入することをいう。
【0015】さらに、上記の空気弁を液体貯蔵容器の大
気連通孔に用いることができる。液体貯蔵容器に液体を
収容する方法としては、そのまま液体を注入する方法の
他、液体袋のように可撓性のフィルムによって液体と空
気を分離して保持させる方法や、液体貯蔵容器内をスラ
イドする可動壁によってインクと空気を分離する方法な
どがある。このような液体貯蔵空気の気相部が外気と連
通する大気連通孔に本発明の弁機構を設ける。
【0016】
【作用】以上の構成によれば、本発明の弁機構は、容器
の内外の圧力差が開放閾値以内のときは、薄膜3と支持
体1の間は粘性封止剤のために密着し支持体の開口部2
は閉塞されている。
【0017】容器の内外に圧力差が生じた場合、双方向
空気弁の薄膜3は支持体1からその一部が持ち上がり開
口部が外部と連通することで圧力差は解消する。このと
き例えばこの空気弁が長期放置後の状態におかれた場
合、薄膜3と支持体1との間隙が狭くなり空気弁の圧力
開放閾値(動作閾値)が非常に高くなり、この空気弁が
開放しにくくなるという解決すべき課題が実験によりわ
かった。空気弁の圧力開放閾値が高くなると、容器内が
過剰な減圧または加圧状態になり、様々な問題が発生す
る虞れがあった。例えば容器内の過剰な加圧による内容
物の流出や、容器内の過剰な減圧によって内容物が取り
出しにくくなるということなどが挙げられる。しかしな
がら本発明では、薄膜3と支持体1の間には、間隙保持
機能を有しているために常に空気の溢路確保され、過剰
な圧力差が生じる前に速やかに薄膜3の一部が支持体1
より持ち上がり、開口部を外部と連通させる。空気弁
(弁機構)は開放後、粘性封止材の表面張力と薄膜の弾
性により速やかに元通りの閉塞状態に復帰する。
【0018】インクタンクに前記双方向弁を用いた場合
は、例えば、図13のようにインクを袋に収容した形態
の場合、インクの消費に従いインク袋の容積は小さくな
りそれに伴ってインク袋の周囲の空気の圧力は減圧状態
になり、それが所定のレベルに達すると外容器に設けら
れた前記双方向空気弁は開き、過剰な減圧状態になって
印字劣化やインク滴吐出不能になることはない。減圧状
態を緩和するとともに速やかに元に戻り、同様に繰り返
す。
【0019】一方、このインクタンクが高温状態にさら
されたり周囲を減圧状態にさらされたりした場合、イン
クタンク内の空気は膨張し、インクを押し出そうとす
る。しかし容器に設けられた前記双方向空気弁は速やか
に開放するため容器内が過剰な加圧状態になることな
く、インクの洩れ出しを防止することが可能である。
【0020】さらには、前記双方向空気弁は、常時閉塞
しているため容器内からのインクの揮発成分の蒸散を防
止する。
【0021】
【実施例】
(実施例1)以下、図面を参照して本発明の実施例を詳
細に説明する。
【0022】図2は、本発明の一実施例の構成を示す断
面図であり、図3にその構成の機能部分の模式的な拡大
図を示す。図2において示される液体等の貯蔵容器は2
つの一方向弁からなる弁機構11を有している。容器の
一部を利用して構成された支持部1には円形の開口部2
が設けられ、薄膜3は開口部2を覆うように配置されて
いる。薄膜3は蓋部材4で保護されていて、空気は蓋部
材4の開口部5を流通する。一方支持部6には円形の開
口部7が設けられ、薄膜8は開口部7を覆うように配置
されている。薄膜8は蓋部材9で保護されていて、空気
は蓋部材9の開口部10より流通する。薄膜3と薄膜8
には図3に示すように粘性封止剤11と接する面が粗さ
れており適度の凹凸が施されている。面を粗にして凹凸
を付ける方法としては、例えば、サンドプラスト処理や
化学的に処理する方法、または薄膜成型時に予め凹凸を
付けておく方法がある。これらの支持部1と薄膜3、支
持部6と薄膜8とはシリコンオイル等の粘性封止剤11
を介して密着されている。このとき粘性封止剤11は密
着力を発生して圧力差のほぼない場合の閉塞性を保ちつ
つ、薄膜表面適度の凹凸によって一定塗布厚を確保す
る。
【0023】粘性封止剤は、シリコンオイルなどのよう
に揮発性がなく、粘度が1000〜5000cst程度
の液状の物質が好ましく用いることができる。さらに好
ましくは温度変化に対してできるだけ粘度などの物性変
化の小さいものが望ましい。
【0024】次に、図4、図5を用いて動作の説明をす
る。容器の内圧が外圧に対して相対的に上昇すると薄膜
3は容器の外に向かって押し上げられる。この時薄膜8
は支持部6に押し付けられている方向であるため、開口
部7は薄膜8によって閉塞されたままである。一方、薄
膜3は所定の圧力に達すると支持部1との間の粘性封止
剤の一部が開放し、図4に示すように溢路を形成する。
このとき薄膜3の適度の凹凸により、長時間弁機構が閉
塞された状態で放置されていた場合であっても、粘性封
止剤中に速やかに溢路を形成することができ、容器内が
過剰な加圧状態になることなく非常に低い圧力差で弁が
開放する。そしてこの開放によって内圧の上昇が緩和さ
れると、薄膜3の持つ弾性と粘性封止剤の表面張力とに
よって速やかに溢路は閉塞される。
【0025】逆に、内圧が外圧に対して相対的に減圧す
ると、薄膜3は支持部1に押し付けられる方向であるた
め支持部1と薄膜3との密着部は閉塞されたままであ
る。一方、薄膜8は開口部7を通して圧力を受け、所定
の圧力に達すると薄膜8と支持部6との間の粘性封止剤
の一部が開放し、図5に示すように溢路を形成する。こ
のとき薄膜8の適度の凹凸のより、先の弁の説明と同様
に長時間放置された後であっても粘性封止剤中に速やか
に溢路を形成することができ、容器内が過剰な減圧状態
になることなく非常に低い圧力差で弁が開放する。そし
てこの開放によって内圧の減圧が緩和されると、薄膜8
の弾性と粘性封止剤の表面張力の作用によって速やかに
閉塞する。
【0026】本発明の双方向空気弁の開放圧力の閾値
は、いくつかの設計要素により容易にそのレベルを制御
可能である。例えば、図4のように内圧が高くなった場
合の開放圧力閾値は、支持部1と薄膜3との密着部の面
積と開口部2の面積と薄膜3の弾性と粘性封止剤の粘度
及び表面張力によって決定される。これらのパラメータ
を適宜制御することにより、希望の開放圧力閾値を設計
することが可能である。
【0027】一方、図5に示すように内圧が減圧状態に
なったときの開放圧力閾値は、支持部6と薄膜8との密
着面積と開口部7の面積と薄膜8の弾性と薄膜8と支持
部6の密着部の粘性封止剤の粘度及び表面張力とによっ
て決定される。これらのパラメータを適宜制御すること
により、希望の開放圧力閾値を設計することが可能であ
る。
【0028】本発明ではさらに薄膜3と薄膜8の粘性封
止剤との密着面に凹凸を設けて間隙を保証したことで、
さらに低い圧力での開放圧力閾値を達成し、また開放毎
の開放圧力値のばらつきを抑え安定性を確保できる。凹
凸の程度は大きすぎると粘性封止剤が流失しやすくなる
ので、最も高い位置と低い位置との差が20μm以下程
度がよい。
【0029】図2及び図3に示す構造の薄膜を具体的に
以下のように製作した。
【0030】薄膜3は、材質はポリエチレンテレフタレ
ート(PET)フィルムを用いて、その寸法を厚さが2
5μm、直径が14mmの円形のものを用いた。この薄
膜3の粘性封止剤と接する面には、サンドプラスト処理
が施されていて、その凹凸は最大10μmである。薄膜
8は同材質のものを用いた。
【0031】一方、開口部2の穴径は8mm、開口部7
の穴径は4mmに設定した。
【0032】また、今回粘性封止剤としてシリコンオイ
ル(信越化学製:TSF−1000)を用いて図2、図
3のように組み立てた。
【0033】尚、上述の図2、乃至図5の弁機構を有す
る容器においては、内容物を外部に取り出すための取出
し口を特には示していないが、好適な位置例えば図2に
点線で示されるような位置に適宜設ければよい。
【0034】(実施例2)図6と図7に本発明の別の実
施例を示す。図6はその実施例の構成を示す断面図であ
り、図7にその構成の分解斜視図を示す。容器の一部を
利用して構成された支持部21には円形の開口部22が
設けられ、その上に円形の薄膜23と同じく円形の薄膜
25が図に示すように、前記開口部22と薄膜23と薄
膜25の中心がほぼ一致するように載置されている。薄
膜23はその中央部に開口24が開けられており、その
径は薄膜25の径よりも小さく、また薄膜23は支持部
21及び薄膜25と対向する面が粗されており適度の凹
凸が施されている。面を粗して凹凸を付ける方法として
は、サンドプラスト処理や化学的に処理する方法、また
は薄膜成型時に予め凹凸を付けておく方法がある。ま
た、薄膜25は薄膜23の開口24を覆うように密着
し、かつ前記支持部21の開口部22の径よりも小さく
その開口部22の中に収まるように構成される。これら
の支持部21と薄膜23と薄膜25とはシリコンオイル
等の粘性封止剤を介して密着されている。粘性封止剤は
図7のハッチングの領域に適量塗布され、図7の薄膜2
3の対応する面との間で密着力を発生するとともに圧力
差のほぼない場合の閉塞性を保ちつつ、薄膜23の表面
の適度の凹凸によって一定塗布厚を確保する。
【0035】粘性封止剤は、シリコンオイルなどのよう
に揮発性がなく、粘度が1000〜5000cst程度
の液状の物質が好ましく用いることができる。さらに好
ましくは温度変化に対してできるだけ粘度などの物性変
化の小さなものが望ましい。
【0036】次に、図8、図9を用いて動作の説明をす
る。容器の内圧が外圧に対して相対的に上昇すると薄膜
23及び25は容器の外へ向かって押し上げられる。こ
の時薄膜25は薄膜23に押し付けられる方向であるた
め、薄膜23の開口部24は薄膜25によって閉塞され
たままである。一方、薄膜23は所定の圧力に達すると
支持部21との間の粘性封止剤の一部が開放し、図8に
示すように溢路を形成する。このとき薄膜23の適度の
凹凸によって、粘性封止剤中に速やかに溢路を形成す
る。そしてこの開放によって内圧の上昇が緩和される
と、薄膜23の持つ弾性と粘性封止剤の表面張力とによ
って速やかに溢路は閉塞される。
【0037】逆に、内圧が外圧に対して相対的に減圧す
ると、薄膜23は支持部21に押し付けられる方向であ
るため支持部21と薄膜23との密着部は閉塞されたま
まである。一方、薄膜25は薄膜23の開口部24を通
して圧力を受け、所定の圧力に達すると薄膜23と薄膜
25との間の粘性封止剤の一部が開放し、図9に示すよ
うに溢路を形成する。このとき薄膜23の適度の凹凸に
よって、粘性封止剤中に速やかに溢路を形成する。そし
てこの開放によって内圧の減圧が緩和されると、薄膜2
5と薄膜23とのそれぞれの弾性とその間の粘性封止剤
の表面張力の作用によって速やかに閉塞する。
【0038】本発明の双方向空気弁の開放圧力の閾値
は、いくつかの設計要素により容易にそのレベルを制御
可能である。例えば、図8のように内圧が高くなった場
合の開放圧力閾値は、支持部21と薄膜23との密着部
の面積と開口部22の面積と薄膜23の弾性と粘性封止
剤の粘度及び表面張力によって決定される。これらのパ
ラメータを適宜制御することにより、希望の開放圧力閾
値を設計することが可能である。
【0039】一方、図9に示すように内圧が減圧状態に
なったときの開放圧力閾値は、薄膜23と薄膜25との
密着面積と薄膜23の中央部の開口24の面積と薄膜2
5の弾性と薄膜23の弾性と薄膜23と薄膜25の密着
部の粘性封止剤の粘度及び表面張力とによって決定され
る。これらのパラメータを適宜制御することにより、希
望の開放圧力閾値を設計することが可能である。
【0040】本発明ではさらに薄膜23の粘性封止剤と
の密着面に凹凸を設けて間隙を保証したことで、さらに
低い開放圧力閾値を達成し、また開放毎の開放圧力値の
ばらつきを抑え安定性を確保した。
【0041】図6及び図7に示す構造の容器を具体的に
以下のように製作した。
【0042】容器はポリプロピレン製で、寸法は空気弁
が設けられる面が20mm×20mm、この面と直交す
る方向の長さが40mm、全周に渡って壁厚が1mmで
ある。空気弁を設けられた面には、直径が9mmの開口
部2が開けられている。薄膜23は厚さが25μm、直
径が14mmで、その中央部に同心で直径4mmの開口
があるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
であり、粘性封止剤と接する面にサンドプラスト処理が
施されていて、その凹凸の最大は10μmであった。薄
膜25はこれと同材質で直径が8mmのフィルムであ
り、それらはシリコンオイル(信越化学製:TSF−3
000)を用い図7のように組み立てた。
【0043】この容器にポンプを接続し、容器内部に圧
力センサーを設置し、空気を吸引/注入しながら圧力変
化を計測した。その結果、空気を注入した場合には、内
圧が約250Pa程度外圧より高くなったときに開放
し、そして速やかに閉じ、注入を続けるとこれを繰り返
した。一方、容器内部の空気を吸引した時には、内圧が
外圧より約500Pa低くなったときに開放し、そして
速やかに閉じ、吸引を続けるとこれを繰り返した。また
長期放置後に同様の測定をした結果、空気を注入した場
合には、内圧が約300Pa程度外圧より高くなったと
きに開放し、そして速やかに閉じ、注入を続けるとこれ
を繰り返した。容器内部の空気を吸引したときには、内
圧が外圧より約600Pa低くなったときに開放し、そ
して速やかに閉じ、吸引を続けるとこれを繰り返した。
【0044】比較として、上記測定を本発明の間隙保持
手段を具備していない薄膜を用いた容器で行った結果を
以下に示す。空気を注入したときには内圧が外圧より約
300Pa程度高くなったとき開放し、速やかに閉じ
た。空気を吸引したときには内圧が外圧より約600P
a程度低くなつたとき開放し、速やかに閉じた。また長
期放置後にこの推定を行うと、空気を注入したときには
内圧が外圧より約600Pa程度高くなったとき開放
し、速やかに閉じた。空気を吸引したときには内圧が外
圧より約1000Pa程度低くなったとき開放し、速や
かに閉じた。間隙保持手段が施されていないと、長期放
置後の空気弁の開放圧力閾値が上昇してしまう。図6乃
至図9の容器においても取り出し口を示していないが先
の実施例と同様に適宜設ければよい。
【0045】(実施例3)図10は本発明の第3の実施
例の機能部分の拡大図である。
【0046】図10に示すように間隙保持手段として支
持部31のオイルと接触する面と、薄膜35オイルと接
触する面が粗されていて適度の凹凸が施されている。容
器内外の圧力差が弁の開放閾値以内の時は薄膜33と薄
膜35及び支持部31の間粘性封止剤38のために密着
し弁は閉塞し、薄膜35と支持体31の適度の凹凸によ
りシリコンオイルは一定塗布圧を確保する。容器内外に
圧力差が生じた場合は、薄膜35と支持部31の凹凸に
より、粘性封止剤38中に速やかに溢路を形成する。そ
してこの開放によって内圧が外圧に対して緩和すると、
薄膜の弾性と粘性封止剤38の表面張力とによって速や
かに溢路は閉塞される。
【0047】本発明では支持部31と薄膜35の凹凸は
最大10μmに設定した。
【0048】(実施例4)図11は本発明の第4の実施
例の機能部分の拡大図である。
【0049】図11に示すように薄膜43と、支持部4
1及び薄膜45はシリコンオイル48を介して密着して
いる。シリコンオイル48には間隙保持手段として、粒
子体49が混入されている。これによって容器内外に圧
力差が生じた場合、粘性封止剤中に速やかに溢路を形成
し、開放する。そしてこの開放によって内圧が外圧に対
して緩和すると、薄膜の弾性と粘性封止剤の表面張力に
よって速やかに溢路は閉塞される。
【0050】粒子体49には、シリコンオイルなどの粘
性封止剤によって変質しないものが好ましい。その材質
は、金属でも樹脂などでも良い。またその粒子体49の
粒径はばらつきが少なくそろっているものが望ましい。
例えば粒径にばらつきがあると、大きい粒径の粒子体に
よって発生した間隙の間を小さい粒子が移動し一部分に
集積してしまい、その機能を果さない。その粒子径は経
験的に5μm〜20μm程度が望ましい。
【0051】(実施例5)図12は、実施例2で示した
双方向空気弁を有する液体貯蔵容器をインクジェットプ
リンタのインクタンクに用いた実施例である。
【0052】インクタンク容器51の上部には前述の双
方向空気弁50が設けられており、容器中にはインク5
3を収容している。インク53はインクタンク容器31
のインク取り出し口56から記録ヘツド54へ供給チュ
ーブ55を通じて供給され、記録ヘッド部54より図示
しない吐出手段によって図示しない信号伝達手段から与
えられる画像信号に応じて吐出する。この記録ヘッド部
54はプリンタのキャリッジ上に搭載され、インクタン
ク51はプリンタ本体の適当な部位に設置され、従来よ
く知られたシリアルプリンタの印字手順により記録紙上
に印字を行なうものである。
【0053】インクジェットの記録ヘッドに対して安定
した若干の負圧状態でインクを供給することが望まし
い。これはインク吐出を安定化するのみでなく、万が一
記録へッドの吐出口が濡れてしまった場合に加圧状態で
インクが供給されているとインクタンク内のインクが全
て洩れ出してしまうからである。そのため従来このタイ
プのプリンタでは、インクタンクのインク水面が記録ヘ
ッドよりも低い位置になるように配置せざるを得なかっ
た。本実施例のインクタンクによれば、本発明の双方向
空気弁をその大気連通孔に用いているため、インクタン
クの位置をプリンタ内のどこに設けても、安定した印字
とインク洩れの防止が可能となった。
【0054】記録ヘツドの印字に伴いインク容器51中
のインク53は減少していくが、この時インクタンク容
器51内の気圧は徐々に低下していく。そして所定の圧
力まで低下したところで双方向空気弁50が開きそれ以
上のタンク内の圧力の過剰な低下を防ぐ。この機能によ
り記録ヘッド54から吐出する液滴の大きさを好ましい
範囲に押えることができる。
【0055】さらには、このインクタンクが例えば高温
にさらされたり、例えば減圧環境におかれた場合、イン
クタンク容器51内の空気は容易に双方向空気弁50を
押し開いて外部へ逃げ、インク53が記録ヘッド54か
ら溢れ出すことを防止する。
【0056】これらの空気弁の開放は、間隙保持手段を
設けたことにより速やかに行われ、容器内が過剰な減圧
状態になり印字不良やインク滴吐出不能になったり、容
器内が過剰な加圧状態になりインク漏れを起こすのを防
ぐ。
【0057】加えて、通常の放置時においては、双方向
空気弁50は閉塞しているためインクタンク内からのイ
ンクの蒸散も抑制することが可能である。放置後の弁の
開放も間隙保持手段を設けたことにより速やかに行われ
る。
【0058】(実施例6)図13は、実施例2で示した
双方向空気弁をインクジェットプリンタの記録ヘッドユ
ニツトのインクタンク部に用いた実施例である。
【0059】インクタンク容器61の一端には前述の双
方向空気弁60が設けられており、容器中にはインク6
3を収容するインク袋62が収納されている。インク袋
62中のインク63はインクタンク容器61のインク取
り出し口66から記録ヘッド部64へ供給され、吐出口
65より図示しない吐出手段によって図示しない信号伝
達手段から与えられる画像信号に応じて吐出する。この
インクタンクと記録ヘッドはプリンタのキャリッジ上に
搭載され、従来よく知られたシリアルプリンタの印字手
順により記録紙上に印字を行なうものである。
【0060】記録ヘッドの印字に伴いインク袋62中の
インク63は減少していくが、この時インクタンク容器
61内の気圧は徐々に低下していく。そして所定の圧力
まで低下したところで双方向空気弁60が開きそれ以上
のタンク内の圧力の過剰な低下を防ぐ。この機能により
吐出口65から吐出する液滴の大きさを好ましい範囲に
押えることができる。
【0061】また、このインクタンクは吐出口65側が
下になるように置かれた場合、吐出口65にはインクの
高さに相当する分の水頭圧がかかるが、通常は吐出口6
5の部分のインクのメニスカス力で溢れ出すことはな
い。しかし、吐出口65が漏れてメニスカス力が働かな
くなってしまった場合、もしも双方向空気弁60が設け
られておらず単なる大気連通孔のみであれば、インク袋
62中のインク63は吐出口65から溢れ出してしま
う。しかし、図のように双方向空気バルブ60を設け、
さらにその容器内減圧時の開放圧力閾値がインク63の
水頭圧を上回るように構成することで、インクが溢れ出
してしまうという恐れもなくなる。
【0062】さらには、このインクタンクが例えば高温
にさらされたり、例えば減圧環境におかれた場合、イン
クタンク容器61内の空気は容易に双方向空気弁60を
押し開いて外部へ逃げ、インク63が吐出口65から溢
れ出すことを防止する。
【0063】これらの空気弁の開放は、間隙保持手段を
設けたことにより速やかに行われ、容器内が過剰な減圧
状態になり印字不良やインク滴吐出不能になったり、容
器内が過剰な加圧状態になりインク漏れを起こすのを防
ぐ。
【0064】加えて、通常の放置時においては、双方向
空気弁60は閉塞しているためインクタンク内からのイ
ンクの蒸散も抑制することが可能である。放置後の弁の
開放も間隙保持手段を設けたことにより速やかに行われ
る。
【0065】(実施例7)図14は実施例5と同様なイ
ンクタンクであるが、インク73は袋ではなく、可動壁
72によって空気77と隔てられている。このインクタ
ンクは記録ヘッドのインクの消費に伴い可動壁72が移
動する。
【0066】このインクタンクにおいても実施例6と同
様に、安定な吐出が可能であり、また吐出口が濡れても
インクが連続的に洩れ出すことはなかった。一方温度が
上昇したときにも容器71内の空気は速やかに外部へ放
散し、インクが押し出されて洩れ出すことはなかった。
放置後の弁の開放も間隙保持手段を設けたことにより速
やかに行われる。
【0067】図10は本発明の液体貯蔵容器をインクタ
ンクとして用い、記録ヘッドを一体化させて搭載したイ
ンクジェット記録装置IJRAの概観図である。駆動モ
ータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア50
11、5009を介して回転するリードスクリュー50
05のら線溝5004に対して係合するキャリツジHC
はピン(不図示)を有し、矢印a、b方向に往復移動さ
れる。5002は紙押え板であり、キャリッジ移動方向
にわたって被記録媒体である記録紙をプラテン5000
に対して押圧する。本記録装置は、この記録紙に対して
記録ヘッドからインクを吐出して記録を行う。
【0068】符号の5007、5008はフォトカプラ
でキャリッジのレバー5006のこの域での存在を確認
してモータ5013の回転方向切換等を行うためのホー
ムボジション検知手段である。5016は記録ヘッドの
前面をキャップするキャップ部材5022を支持する部
材で、5015はこのキャップ内を吸引する吸引手段で
キャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復
を行う。5017はクリーニングブレードで、5019
はこのブレードを前後方向に移動可能にする部材であ
り、本体支持板5018にこれらは支持されている。ブ
レードは、この形態でなく周知のクリーニングブレード
が本例に適用できることはいうまでもない。又、502
1は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャ
リッジと係合するカム5020の移動に伴って移動し、
駆動モータからの駆動力がクラッチ切換等の公知の伝達
手段で移動制御される。
【0069】これらのキャッピング、クリーニング、吸
引回復は、キャリッジがホームポジション側領域にきた
ときにリードスクリュー5005の作用によってそれら
の対応位置で所望の処理が行えるように構成されている
が、周知のタイミンクで所望の作動を行うようにすれ
ば、本例には何れも適用できる。上述における各構成は
単独でも複合的に見ても優れた発明であり、本発明にと
って好ましい構成例を示している。
【0070】なお、本実施例の記録装置においては、搭
載した記録ヘッドを駆動する為の信号を記録ヘッドに与
える記録信号供給手段を有し、記録装置の駆動をつかさ
どる制御手段を有する制御部を有している。
【0071】また、本装置に搭載したインク容器は、記
録ヘツドと一体となったインクジェットヘッドユニット
として構成された例を示したが、これに限らず、インク
容器と記録ヘッドが別体で、インク供給路を通して記録
ヘッドに供給される形態としてもよいことは言うまでも
ない。
【0072】上述の様に本発明は、特にインクジェット
記録方式の中で熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成
し、記録を行うインクジェット記録方式に利用されるイ
ンク容器、記録ヘッドユニット、及び記録装置におい
て、特に優れた効果をもたらす。
【0073】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特にオンデマンド型の場合には、液体(インク)が
保持されているシートや液路に対応して配置されている
電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越え
る急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を
印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを
発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、結
果的にこの駆動信号に一対一対応し液体(インク)内の
気泡を形成出来るので有効である。この気泡の成長、収
縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させ
て、少なくとも一つの滴を形成する。
【0074】この駆動信号をパルス形状とすると、即時
適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に
優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。尚、上記熱作
用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第43131
24号明細書に記載されている条件を採用すると、更に
優れた記録を行なうことができる。
【0075】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応せる構成を開
示する特開昭59年第138461号公報に基づいた構
成としても本発明は有効である。
【0076】更に、記録装置が記録できる最大記録媒体
の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘ
ツドとしては、上述した明細書に開示されているような
複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さを満た
す構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドとしての
構成のいずれでも良いが、本発明は、上述した効果を一
層有効に発揮することができる。
【0077】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0078】又、本発明の記録装置の構成として設けら
れる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手
段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、キャピング手段、クリーニング手
段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の
加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備加熱手段、
記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行なうこと
も安定した記録を行なうために有効である。更に、記録
装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モ
ードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複
数個の組み合わせによってでもよいが、異なる色の複色
カラー又は、混色によるフルカラーの少なくとも一つを
備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0079】更に加えて、本発明のインクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダと組み
合わせた複写装置、更には送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態をとるものであってもよい。
【0080】
【発明の効果】本発明の双方向空気弁によれば、簡単な
構成で、通常時は閉状態を維持しつつ、その両側に圧力
差が生じた場合にはどちらであっても所定の低い圧力閾
値で開放毎に安定的に開放し、また速やかに閉じること
が可能である。また長期放置後でも同等の低い圧力閾値
で安定的に開放し、また速やかに閉じる。さらにはその
圧力閾値は核方向について独立に設定することが容易で
ある。
【0081】この双方向空気弁によって、小型で簡素で
高信頼性の空気弁を提供できる。
【0082】さらに、この双方向空気弁をインクジェッ
トプリンタのインクタンクの空気の出入口に用いること
によって、インクジェットに必要な非常に低い圧力値で
の設計が容易にでき、印字の吐出液滴の適正化を図るこ
とができるとともに、吐出口付近が濡れてしまった場合
にインクが連続的に洩れ出すことを防止することが可能
である。また、インクタンクが高温にさらされたり、減
圧状態にさらされたりした場合には速やかに外部へ容器
内の空気を逃すことができるため、加圧によるインクの
洩れ出しを防止することが可能である。
【0083】さらには、インクタンクに空気弁を適用す
る場合に、その開放圧力閾値レベルの設定が重要である
が、本発明の双方向空気弁はその設計自由度が高く、ま
た安定したものが容易に実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本作用を示す図である。
【図2】本発明の双方向空気弁の第1実施例の断面図で
ある。
【図3】本発明の双方向空気弁の第1実施例の機能部分
の拡大図である。
【図4】本発明の双方向空気弁の動作を示す図である。
【図5】本発明の双方向空気弁の動作を示す図である。
【図6】本発明の双方向空気弁の第2実施例の構成を示
す断面図である。
【図7】本発明の双方向空気弁の第2実施例の構成を示
す斜視図である。
【図8】本発明の双方向空気弁の第2実施例の動作を示
す図である。
【図9】本発明の双方向空気弁の第2実施例の動作を示
す図である。
【図10】本発明の双方向空気弁の第3実施例の機能部
分の拡大図である。
【図11】本発明の双方向空気弁の第4実施例の機能部
分の拡大図である。
【図12】本発明のインク供給装置の実施例を示す断面
図である。
【図13】本発明のインク供給装置の他の実施例を示す
断面図である。
【図14】本発明の液体貯蔵容器を用いた記録ヘッドユ
ニットの実施例を示す断面図である。
【図15】本発明の従来例を説明する図である。
【図16】本発明の従来例を説明する図である。
【図17】本発明の従来例を説明する図である。
【図18】本発明の従来例を説明する図である。
【図19】本発明の従来例を説明する図である。
【図20】本発明の従来例を説明する図である。
【図21】本発明の従来例を説明する図である。
【符号の説明】
1 支持部 2 開口部 3 薄膜 4 蓋部材 5 開口部 6 支持部 7 開口部 8 薄膜 9 蓋部材 10 開口部 11 粘性封止剤 21,31,41 支持部 22,32,42 開口部 23,33,43 薄膜 24,34,44 開口部 25,35,45 薄膜 26,36,46 保護部材 27,37,47 開口部 28,38,48 蓋部材 29 開口部 49 粒子体 50,60,70 双方向空気弁 51,61,71 インクタンク容器 62 インク袋 72 可動壁 53,63,73 インク 54,64,74 記録ヘッド 55,65,75 吐出口 56,66,76 インク取り出し口 57,67,77 空気

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部をもつ支持部と、この少なくとも
    開口部を覆う大きさをもつ弁体からなり、前記弁体は粘
    性封止剤を介して前記開口部を覆うように載置されてい
    る空気弁であって、前記支持部弁体、粘性封止剤の少な
    くとも1つが間隙保持機能を有していることを特徴とす
    る弁機構。
  2. 【請求項2】 前記弁機構の弁体が一枚の薄膜であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の弁機構。
  3. 【請求項3】 前記第一の弁体が前記第一の開口部より
    小さい第二の開口部を持ち、その第二の開口部を覆う大
    きさでかつ第一の開口部より小さい第二の弁体が第二の
    開口部を覆うように粘性封止剤を介して第一の弁体の支
    持部と密着する側の面に密着し、第一の開口部の中に収
    まるように載置され、第一の弁体と第二の弁体との間に
    間隙保持手段を設けた双方向弁機能であることを特徴と
    する請求項1記載の弁機構。
  4. 【請求項4】 請求項2の空気弁を吸気、排気の双方向
    に配置したことを特徴とする液体貯蔵容器。
  5. 【請求項5】 請求項4の液体貯蔵容器を、インクタン
    ク部として有すと共に、該インクタンク部からインクの
    供給を受け、インクの吐出を行う記録ヘッド部とを有し
    た記録ヘッドユニット。
  6. 【請求項6】 請求項4の液体貯蔵容器が搭載可能であ
    り、該液体貯蔵容器から液体であるインクを供給する記
    録ヘッドが搭載可能であり、前記記録ヘッドを駆動する
    ための信号を該記録ヘッドに供給するための記録信号供
    給手段を有する記録装置。
JP4173258A 1992-02-24 1992-06-30 弁機構及びそれを用いた液体貯蔵容器、該液体貯蔵容器を有する記録ヘッドユニット及び該液体貯蔵容器を搭載した記録装置 Pending JPH0617952A (ja)

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CA 2090094 CA2090094C (en) 1992-02-24 1993-02-22 Valve for a liquid container
CA002291998A CA2291998C (en) 1992-02-24 1993-02-22 Valve, liquid container using same, recording head cartridge having liquid container and recording apparatus using liquid container
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