JP2006103056A - 記録装置とインク供給方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インクの過充填によるインク漏れを防止し信頼性を向上させた記録装置とインク供給方法を提供することである。
【解決手段】 記録ヘッドにインクを供給する小容量の第1のインクタンクと、第1のインクタンクに接続してインクを供給する大容量の第2のインクタンクと、第2から第1のインクタンクにインクを充填するために第1のインクタンク内のエアーを吸引する吸引機構とを有した記録装置のインク供給において、第1と第2のインクタンクを接続して互いの間にインク流路を形成するとともに、第1のインクタンクと吸引機構を接続することで互いの間にエアー流路を形成し、その吸引機構を動作させて第1のインクタンクに第2のインクタンクからインクを供給し、その後、第1のインクタンクと吸引機構とを分離してエアー流路を開放した状態を所定の時間維持し、その後、第1と第2のインクタンクとを分離してインク流路を遮断する。
【選択図】 図6

Description

本発明は記録装置とインク供給方法に関し、特に、例えば、容量の異なる2つのインクタンクを用い、間欠的に大容量のインクタンクから記録ヘッドに直結した小容量のインクタンクに対してインク供給を行う間欠インク供給方式を採用したインクジェット記録装置とインク供給方法に関する。
インクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッドという)を用いて記録媒体へとインクを吐出することにより記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置(以下、記録装置)には、装置に固定した記録ヘッドに対し記録媒体を搬送移動させつつその過程でインク吐出を行うことにより画像形成を行うものや、固定した記録媒体に対し記録ヘッドを移動させつつその過程でインク吐出を行い、その後に記録媒体を移動させる動作を複数回繰り返す、いわゆるシリアルスキャンにより画像形成を行うもの等があるが、最近は、シリアルスキャンタイプのものが主流となっている。
シリアルスキャンタイプの記録装置において、記録ヘッドにインクを供給する手段として、これまでにも数多くのものが提案・実用化されているが、インク供給手法の1つとしては、記録装置側のインクタンクからチューブを介してキャリッジに搭載された記録ヘッドにインクを供給する手法(以下、チューブ供給手法)がある。しかしながら、このようなチューブ供給手法によると、キャリッジの移動に伴うチューブの移動により、キャリッジの移動方向におけるチューブ内のインクの流れが影響を受け、記録ヘッドからのインク吐出が不安定になる場合がある。このため、記録ヘッドの所定ノズルからの吐出間隔を短くして記録速度の高速化を図るためには、インク吐出が不安定にならないようチューブ内のインクの揺動を抑制する必要があった。
また、チューブ供給手法には、キャリッジの往復を許容し得る長さのチューブが必要となることに伴う以下のような様々な弊害も存在していた。
例えば、記録装置を長期にわたり使用しないとき、その期間におけるチューブ内への空気の侵入による不具合を回避するためには、記録装置を使用する際に、まず初めにインクタンクなどのインク供給源からチューブ内に大量のインクを流通させる必要があった。一方、このようなチューブは、単に、インクタンクから記録ヘッドにインクを供給する経路を形成するだけのものであり、付加価値が少ない割には、記録装置のサイズアップ、コストアップ、更には、構造が複雑になる等の問題を招いていた。
このようなインク供給用のチューブを廃すべく提案されたものが、所謂ヘッドタンクオンキャリッジ方式と呼ばれるもので、これは記録装置本体のキャリッジ等に搭載されて往復移動する記録ヘッドに一体不可分に、または分離可能にインクタンクを取り付けて、そのインクタンクから記録ヘッドにとインクを供給するものである。以下、ヘッドタンクオンキャリッジ方式について言及する際には、キャリッジとは特に断りのない限り記録ヘッド及びインクタンクを含んだ移動体全体を指すこととする。
このようなヘッドタンクオンキャリッジ方式のもとでは、記録ヘッドとインクタンクとの間に、直接インクを供給するインク供給路が形成されるので、チューブを用いたインク供給路が必要なく、インク供給路の構成を極めてシンプルにすることができる。また、インク供給路が記録ヘッドまたはインクタンクに一体的に内包されるため、小型化と低コスト化を図ることが可能となる。更に、インク供給路自体を短く設計することが可能となり、インク供給路において、キャリッジの移動方向と平行をなすインク供給路の距離を大幅に低減させることができるので、高速記録の際にインク供給路内のインクの揺動に起因してインク吐出が不安定となる事態を効果的に抑制することができる。
しかしながら、このようなヘッドタンクオンキャリッジ方式は、インクタンクの容量を増加させたり記録に用いるインク色の数を増やしたりすると、記録ヘッドとインクタンクを含むキャリッジ全体のサイズアップや重量増となってしまい、これは、キャリッジの駆動源となるモータの大型化や、駆動電力の増加、ひいては、記録装置全体の大型化や重量増加をも招いてしまう。
即ち、キャリッジ重量が増加するのに比例してキャリッジ移動時の慣性力も増大してしまうので、その慣性力に抗してキャリッジを高速移動させるためには、キャリッジの駆動モータとして、駆動電力の大きい高出力のものを備えることが必要となり、記録装置全体の高価格化を招いてしまう。また、キャリッジ重量の増加に伴い、キャリッジ往復走査において、その移動方向を反転するときに、慣性力に反してキャリッジを停止させるための力も大きくなり、その力の反力によって記録装置全体が大きく振動するという問題も生じる。
一方、記録装置の小型化や低価格化、あるいは薄型化を図る場合には、キャリッジの軽量化や薄型化が必須となり、仮にインクタンクのインク容量を少なくした場合には、インクタンクの交換頻度が高くなり、ユーザ利便性が低下し、極端な場合、記録動作途中においてインクタンクを交換しなければならなくなってしまう可能性もある。また、環境を考慮すると頻繁なインクタンクの交換は好ましくない。
これらの問題を解決可能なインクジェット供給方式として、間欠インク供給方式を採用するものが知られている。
例えば、シリアルスキャンタイプの記録装置に適用される間欠インク供給方式は、キャリッジ上に相対的に小容量のインクを収容するサブインクタンクと記録ヘッドとを搭載し、これとは別に記録装置のキャリッジ以外の部位に相対的に大容量のインクを収容するメインインクタンクを有し、メインインクタンクからサブインクタンクに対し適切なタイミングでインクが供給されるように供給機構が構成される。
また、キャリッジ走査中には、サブインクタンクとメインインクタンクとの間のインク供給系を空間的に切り離すか、または弁等によってインク流路を遮断することによって、サブインクタンクとメインインクタンクと間を流体的に絶縁するような構成が採用される。このような方式を採用することで、チューブの揺動による種々の問題の発生を基本的には解決でき、しかもキャリッジ上のサブインクタンクの小型化が可能でありながら、頻繁にはメインインクタンクを交換することもなくユーザの利便性を損なうことはなくなる。
このような間欠インク供給方式を採用した記録装置の1つは、特許文献1に開示されている。この従来技術によれば、記録ヘッドに密閉式の偏倚袋型インク容器が接続され、必要に応じて、その偏倚袋型インク容器に補助インク容器が接続されることによって、補助インク容器から偏倚袋型インク容器にインクが補給される。偏倚袋型インク容器はインクを収容する袋を備えており、記録ヘッドのインク吐出口からのインクの漏れを抑える程度の負圧下において、その袋内にインクを収容している。この負圧力を用いて、補助インク容器から偏倚袋型インク容器にインクが補給される。
この偏倚袋型インク容器における袋は、記録ヘッドからのインクの吐出量に応じて、つまりインクの使用量に応じて、その袋が潰れて容積が減少する。その袋の容積が所定量以下にまで減少したときに、偏倚袋型インク容器に設けられた供給口と補助インク容器とを接続する。この結果、偏倚袋型インク容器の袋内の負圧力によって、その袋内に、補助インク容器からインクが補給される。そして、その袋内のインク収容量が最大となったときに、袋内の負圧力が“0”となって、インクの補給が自動的に停止する。従って、この従来技術によれば、圧力センサや容量検出センサなどを用いた制御を必要とすることなく、負圧力を用いてインクの補給を自動的に停止することができる。
ところで、偏倚袋型インク容器における負圧力の上限は、記録ヘッドがインクを吐出するときのインク吐出力との兼ね合いによって決定される。その負圧力が大き過ぎた場合には、その負圧力のために記録ヘッドのインク吐出力が減少して、インクが吐出できなくなってしまうからである。従って、その負圧力は、記録ヘッドにおける最良のインク吐出条件の範囲内において決定する必要がある。また、補助インク容器におけるインクの水頭位置は、偏倚袋型インク容器におけるインクの水頭位置よりも下方に設定する必要があるが、それらの水頭差が大き過ぎた場合には、たとえ偏倚袋型インク容器における負圧力を記録ヘッドのインク吐出条件に応じて決定したとしても、インクの補給ができなくなってしまう。
そのため、この従来技術では、偏倚袋型インク容器に対する補助インク容器の鉛直方向の高さ位置を設定するために、特別な装置が備えられている。しかし、このような装置を備えることは、記録装置本体の大型化やコストアップを招くという問題を生じさせる。また、インク補給時に、補助インク容器と偏倚袋型インク容器とを接続するインク流路中の一部から、そのインク流路内にエアーが混入する事態が発生した場合には、そのエアーが偏倚袋型インク容器の袋内に移動して、偏倚袋型インク容器のインク収容量が減少してしまう。さらに、そのエアーの侵入量が多い場合には、偏倚袋型インク容器内がエアーによって満たされて、再度のインク補給ができなくなるという問題がある。
なお、上述した偏倚袋型インク容器内へのエアー混入の問題に対しては、袋自体のガスやエアーの透過性を低減する方法も考えられるが、例えば、特許文献2に記載のような技術も提案されている。この技術によれば、偏倚袋型インク容器を用いた間欠インク供給方式において、インク供給可能な状態にした後、袋に対して外側から加圧することで袋内に混入したエアーを補助インク容器へとインクごと一旦逆流させ、その後に、通常のインク供給を行うようにする。また、通常のインク供給時は袋の外側を負圧にすることでインクを引き込むようにしているため、上述した水頭差の問題も大きな課題とはならない。
しかしながら、このような方法を用いれば、インクの供給動作に時間がかかることは明らかである。また、偏倚袋型インク容器は、袋を形成する伸縮性の袋部材としてガスやエアーの透過性の低いものを用いたり、その袋部材を膨らませるためのばね部材などの可動部品を用いて構成されるため、その低コスト化や小型化に限界がある。結果として、間欠インク供給方式を用いながらも、装置の小型化が困難で構造も複雑化し、装置の重量増化やコストの上昇を招くという問題もあった。
一方、特許文献3に記載のような記録装置も提案されている。この文献に開示された構成では、記録ヘッド上部のサブタンクにインク供給口とは別にエアーの吸引口を設け、さらにそのエアー吸引口内部には空気は通すが液体は通さない半透膜状の気液分離部材を具え、インク供給時は吸引ポンプ等で気液分離膜を介して吸引口よりサブタンク内のエアーを吸引し、サブタンク内を減圧することで、メインタンクからインクを供給するようにしている。
この方法によれば、インクの供給を吸引ポンプ等の吸引にて行うため、上述した水頭差の問題は大きな問題とはならない。さらに、この気液分離部材が満タン弁の役目を果たすため、別に圧力センサや容量検出センサなどを用いた制御を必要とすることなく、気液分離膜を用いてインクの補給を自動的に停止することができる。即ち、インクが十分に供給された時点でサブタンク内の負圧は解消されインク供給は終了し、しかしながら気液分離膜はインクを通さないのでこの膜からサブタンク内のインクが流出することはない。
また、偏倚袋型インク容器を用いたときのように、サブタンク内にエアーが混入したとしても、エアーはインク供給時に気液分離膜を通してサブタンクから排出されるため、エアー混入によるインク供給への弊害の問題は原理的に発生しない。さらにサブタンク内に供給されるインクはスポンジ等の負圧発生部材によって保持されるが、スポンジにより負圧を生成する技術は、インクジェット記録装置においてしばしば用いられているものであるため、サブタンク内の負圧の管理において多くの知見があるという利点もある。
実際にこのような気液分離膜を用いて、小型で薄型の記録装置を実現するための技術として、特許文献4、5に記載の技術が提案されている。
さて、複数色のインクを用いて記録を行う記録装置の場合、その色の数だけのサブタンクとメインタンクが備えられており、通常は、メインタンクからサブタンクにインクを供給するために用いるインク供給針がサブタンク側に設けられ、メインタンク側にはそのインク供給針を受けるゴム栓が設けられている。このゴム栓はインク供給以外にはメインタンクのインク供給口を封止する役割を果たす。インク供給時には、そのサブタンクとメインタンクとがインク供給針とゴム栓とを介して結合され、インクがメインタンクよりサブタンクに供給される。従って、このような構造上、そのインク供給針の直下にはメインタンクのゴム栓が位置し、また、装置を小型化するため、複数のメインタンクは並んで記録装置内に配置される。従って、複数のゴム栓は互いに近接する位置に配置されることになる。
しかしながら上記従来例のようなインクジェット記録装置では、インク供給位置でサブタンク内をインクで満タンにした後、インク充填の動作を終了し、サブタンクをメインタンクから切り離してから数秒後に、インク供給針の中空部すなわちインク取り入れ口からインク滴が1滴乃至2滴と漏れることがある。
この漏れが発生すると、上述のように複数のメインタンクのゴム栓の配設位置が互いに近接しているため、漏れたインク滴の跳ね返りなどにより、その液滴が他の色のインクを収容したメインタンクのゴム栓に落下してしまうことがある。その結果、漏れたインク滴が他の色のインクは互いに混じりあい黒色となり、次回のインク供給時にインク針内に取り込まれてしまう場合がある。
さらに他の弊害として、ゴム栓の上に落下したインク滴がそのまま長時間放置されてしまうと、インク滴の揮発成分が蒸発し、インクの粘度が増加するため、次回のインク供給がスムーズにいかないおそれもある。
図9は従来のインク供給動作の概要を模式的に説明する図である。
図9において、40eはサブタンク、48は吸引ジョイント、55は気液分離膜、55aはエアー室、91はメインタンクのゴム栓、94はインク供給針である。
図9から分かるように、インク供給時にはメインタンクのゴム栓91にサブタンク40eのインク供給針94が挿入され、メインタンクとサブタンクとが結合される。このように、インクタンクがリフトアップしインク供給針94がゴム栓91に挿入されてインクの供給流路が形成された状態を「インク供給可能位置」の状態であるともいう。
図9(a)はインク供給針が挿入されたインク供給ポジションを示すもので、インク供給前の状態を示し、図9(b)はポンプ(不図示)が、吸引ジョイント58と気液分離膜55を介してサブタンク40e内のエアーを吸引しサブタンク40eを減圧し、サブタンク内にインクを供給した結果、サブタンク内が満タンとなった状態を示す。
ここで、サブタンクが満タンとなってサブタンク内へのインクの流入が止まりサブタンク内の負圧が解消されたとしても、気液分離膜上のエアー室55aは吸引ジョイント48を開放するまでは負圧を維持している。そのため、気液分離膜が負圧側にへこんで、結果として気液分離膜の直下の、本来はフラットであるはずの満タン位置以上にインクが入ってしまう。
そのため、この状態でインク供給針94とゴム栓91との結合を解除し、同時に吸引ジョイント48を解除すると、過剰に供給されたインクがインク供給針から漏れてしまうのである。
このような問題に対しては、例えば、気液分離膜が変形しないようにテンションをかけた状態でその膜をサブタンクに接着または溶着するという手法や、その膜厚を厚くする、或いはあるいは特許文献6が開示するように膜の変形防止部材を設けるなどして、サブタンク側に対策を施すことがなされてきた。
また、メインタンクを収容する記録装置本体側では、そのインク供給部をゴム等の弾性体としたり、例えば、特許文献7で提案されているように、インク供給針にスライドカバーを設けたりしてインク漏れを防ぐことが提案されている。
特開平9−24698号公報 特開2002−370374号公報 特開2000−334982号公報 特開2004−074781号公報 特開2004−074782号公報 特開2003−246075号公報 特開2002−086753号公報
しかしながら特許文献6のように、サブタンク側でインク漏れの対策を施した場合には、気液分離膜に剛性がないため、これらの対策はインク漏れを低減する効果はあるものの、その漏れを完全に防ぐことは依然として難しい。また、インクの供給時にこのようなストレスがその膜に繰り返し作用するために、その膜が劣化してしまい変形量が大きくなるという問題もあり、その対策には限界があった。
加えて、記録装置本体側でインク漏れの対策を施した場合には、明らかに記録装置の構造を複雑化することになるので、装置全体の生産コストの上昇を招くほか、ゴム栓の採用は装置本体の寿命との比較で、長期にわたるゴム栓の耐久性に問題が生じる。また、スライドカバーの採用は、装置製造上のメカ公差等でインクがしみ出してきてスライドカバーとの間で固着してしまう問題があり、構造が複雑になる割には得られる信頼性が不十分であった。
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、インクの過充填によるインク漏れを防止し信頼性を向上させた記録装置とインク供給方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため本発明の記録装置は以下の構成からなる。
即ち、インクジェット記録ヘッドを用いて記録を行う記録装置であって、前記インクジェット記録ヘッドにインクを供給する小容量の第1のインクタンクと、前記第1のインクタンクに間欠的に接続して、前記第1のインクタンクにインクを供給する大容量の第2のインクタンクと、前記第1のインクタンクと前記第2のインクタンクとを互いに接続或いは分離することにより前記第1のインクタンクのインク流入口と前記第2のインクタンクのインク流出口との間にインク流路を形成或いは遮断する第1の接続分離手段と、前記第2のインクタンクから前記第1のインクタンクにインクを充填するために前記第1のインクタンク内のエアーを吸引する吸引手段と、前記第1のインクタンクと前記吸引手段とを互いに接続或いは分離することにより前記第1のインクタンクと前記吸引手段との間にエアー流路を形成或いは該エアー流路を開放する第2の接続分離手段と、前記第1の接続分離手段を制御して前記第1と第2のインクタンクと接続して互いのインク流路を形成し、前記第2の接続分離手段を制御して前記第1のインクタンクに前記吸引手段を接続して互いのエアー流路を形成し、さらに前記吸引手段を動作させて前記第1のインクタンクに前記第2のインクタンクからインクを供給するよう制御するインク供給制御手段と、前記インクの供給後、前記第2の接続分離手段を制御して前記第1のインクタンクと前記吸引手段とを分離して前記エアー流路を開放してから、前記第1の接続分離手段を制御して前記第1のインクタンクと前記第2のインクタンクとを分離して前記インク流路を遮断するよう制御する分離制御手段とを有することを特徴とする記録装置を備える。
さらに、前記分離制御手段では、前記第2の接続分離手段を制御してエアー流路を開放してから、所定の時間が経過した後に、前記第1の接続分離手段を制御してインク流路を遮断するよう制御することが望ましい。
ここで、前記所定の時間が0.5秒〜5秒の範囲であることが好ましい。
また、前記第1のインクタンクは、前記インク流入口としての中空のインク供給針と気体を通過するが液体は通過しない気液分離膜を有することが望ましい。
この場合、前記吸引手段は、前記第1のインクタンクと接続されたとき、第1のインクタンク内のエアーを吸引することで発生する負圧をその気液分離膜を介して第1のインクタンク内に作用させ、第2のインクタンクからインクを供給すると良い。
また。前記インク供給針のインク流入口は、前記第1と第2のインクタンクが分離しているときは大気と連通していても良い。
或いは、前記インク供給針に横穴を設け、その横穴を開閉するスライド可能なカバーを設け、そのインク供給針が第2のインクタンクに挿入されたときには前記カバーがスライドして横穴を開放し、そのインク供給針が第2のインクタンクから抜き出されたときには前記カバーがスライドして横穴を閉じるようにしても良い。このようにすることで、インク供給針のインク流入口は、第1と第2のインクタンクが分離しているときは大気と遮断されることになる。
さらに、インクの供給後、記録装置への電源供給停止時には、前記インクジェット記録ヘッドの吸引回復或いは前記インクジェット記録ヘッドによる予備吐出によって前記インク供給針近傍に存在するインクを除去するようにしても良いし、これに加え、インク供給の後、記録装置による記録動作時には、前記インクジェット記録ヘッドの吸引回復或いは前記インクジェット記録ヘッドによる予備吐出によって前記インク供給針近傍に存在するインクを除去するようにしても良い。
このようなインクの除去によって、前記第1のインクタンク内にインクを保持するための負圧が生じる。
また他の発明によれば、インクジェット記録ヘッドと、前記インクジェット記録ヘッドにインクを供給する小容量の第1のインクタンクと、前記第1のインクタンクに間欠的に接続して、前記第1のインクタンクにインクを供給する大容量の第2のインクタンクと、前記第2のインクタンクから前記第1のインクタンクにインクを充填するために前記第1のインクタンク内のエアーを吸引する吸引機構とを有した記録装置におけるインク供給方法であって、前記第1のインクタンクと前記第2のインクタンクとを互いに接続することにより前記第1のインクタンクのインク流入口と前記第2のインクタンクのインク流出口との間にインク流路を形成するとともに、前記第1のインクタンクと前記吸引機構とを互いに接続することにより前記第1のインクタンクと前記吸引機構との間にエアー流路を形成する流路形成工程と、前記吸引機構を動作させて前記第1のインクタンクに前記第2のインクタンクからインクを供給するインク供給工程と、前記インク供給工程におけるインクの供給後、前記第1のインクタンクと前記吸引機構とを分離して前記エアー流路を開放してから、前記第1のインクタンクと前記第2のインクタンクとを分離して前記インク流路を遮断する流路分離工程とを有することを特徴とするインク供給方法を備える。
従って本発明によれば、間欠インク供給方式を用いるインクジェット記録装置において、インク供給終了後のインク流路を開放する前にエアー流路を開放してから、第1と第2のインクタンクのインク流路を遮断するようにしたので、第1のインクタンク内が大気と連通してその加圧状態が解消されるので、第1と第2のインクタンクが分離後の第1のインクタンクのインク流入口からインクが漏れ落ることがなくなるという効果がある。これにより、信頼性の高いインク供給方式を有するインクジェット記録装置を提供することができるという効果がある。
特に、本発明は、第1と第2のインクタンクが分離しているときに、第1のインクタンクのインク流入口が大気と連通している構成の記録装置において、その効果はより顕著である。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施例について、さらに具体的かつ詳細に説明する。
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
またさらに、「ノズル」とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
またさらに、本発明に適用可能な記録ヘッドは、インクジェット記録方式を採用したものであるが、その具体的な形態としては、電気熱変換体が発生する熱エネルギーを利用して液体に膜沸騰を生じさせ気泡を形成する形態、電気機械変換体によって液体を吐出させる形態、静電気あるいは気流を利用して液滴を形成吐出する形態など各種形態が挙げられるが、特に小型化の観点からは電気熱変換体を利用したものが好適に用いられる。
<インクジェット記録装置の説明(図1〜図4)>
図1〜2は本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置の断面図である。
図1に示されているように、記録ヘッドと一体化されたキャリッジ40は矢印A方向に往復走査しながらインクを吐出する。ここで、記録媒体は矢印A方向とは直行する方向(図面では紙の裏から表方向)へと搬送される。また、記録媒体を支持するプラテン9の下側に相対的に大容量のインクを収容するインクタンク12(メインインクタンクとも称する)が装着されている。図1はキャリッジ40が走査できるよう、インクタンク12がリフトダウンした状態を表している。
一方、図2はインクタンク12を、支点7を回転中心として回転させリフトアップさせた状態を表した図である。
ここでインク袋86、87、88には夫々、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色のインクが収容されており、これらのインク袋には夫々、ゴム栓が挿入され、そのゴム栓には中空のインク供給針が挿入される。なお、図2は側断面図であるので、インク袋88に対するゴム栓91とインク供給針94が示されており、インク袋86、87に対するものは不図示である。しかしながら、以下、インク袋86、87に対応するゴム栓やインク供給針に言及するときには、ゴム栓92、93、及びインク供給針95、96として言及する。また、40bはインクタンク12と比較して相対的に小容量のインクを収容するインクタンク(サブタンクとも称する)である。
図2から分かるように、インクの供給が必要な場合のみ、インクタンク12内のインク袋とキャリッジ40とが連結されインク供給可能位置を作り出している。
図3は図2に示したインク供給可能位置におけるキャリッジの断面を、そのキャリッジ走査方向から見た図である。
図3に示されるエアー吸引ジョイント48はキャリッジ40に当接してエアーの吸引路を形成するものであり、エアー吸引ポンプ(不図示)に連結している。サブタンク40b、40c、40dの上部には気液分離膜55が設けられ、エアー吸引ポンプがエアー吸引ジョイント48と気液分離膜55を介してサブタンク40b、40c、40d内のエアーを吸引することで、各色インクが貯留されるサブタンク内を減圧しサブタンクにインクを供給することができる。なお、サブタンク40b、40c、40d内にはスポンジ等の負圧生成部材が充填されていて、気液分離膜はその上部に設けられている。
以下では、便宜上、図2のようにインクタンクにキャリッジのインク供給針を挿入した状態を「インク供給可能位置」といい、図3のようにエアー吸引ジョイントがキャリッジに当接した状態を「エアー吸引可能状態」ということにする。
このような間欠インク供給方式を用いることで、記録ヘッド上部のサブタンク40b、40c、40dを簡単な構成で小容量とすることができるため、キャリッジ40そのものの薄型化が可能であり小型、薄型のインクジェット記録装置を実現することができる。
さらに、図1〜図2に示される廃インク吸収体23はインクタンク12内に内包されているため、インクタンク12の交換と同時に廃棄される。そのため、記録装置本体内に大容量の廃インク吸収体を設けずにすむため、更にいっそうの装置の小型化、薄型化が可能となる。
さらに上記の構成では、ゴム栓91、92、93を消耗品であるインクタンク12側に設け、記録装置本体側にはゴムを貫通するインク供給針94、95、96を設けたため、針の挿抜を繰り返すことによるゴム栓の劣化に対して有利な構成となっている。即ち、針の挿抜を繰り返すことによる劣化したゴム栓はインクタンク12の交換ごとに新品となるため、過剰に劣化の少ない複雑な構成や高価なゴム栓を用いずにすむため、記録装置の低コスト化に貢献する。
なお、以下の説明では、記録媒体の給紙、搬送及び排紙、キャリッジ走査による画像形成方法、インクタンクの取り出しと装着に関しては、本発明と直接関係はなく、これらの技術については公知であるため、その詳細な説明は省略する。
再び、図1〜図3に戻って説明を続けると、図1はキャリッジ40が記録可能位置にある状態も示しており、プラテン9およびインクタンク12はリフトアップなしの位置でインクタンク12が矢印B方向から本体プラテン下に装填されている。この状態で、記録媒体を供給した後、矢印A方向へのキャリッジ40の走査を繰り返すことで記録媒体上に画像を形成することができる。そして、その記録媒体への記録を完了させた後、次の記録媒体への記録との間、即ち、連続する記録媒体間毎に、インク残量検知機構(不図示)を用いてサブタンク内のインク量を推定し、インク量が少ないと判断された場合(例えば、記録用紙1枚分の記録に必要な量に満たない場合等)には、記録装置の状態は、図2に示す「インク供給可能位置」へ遷移する。
このインク供給位置は上述した通りであり、さらに図3に示されるように、吸引ジョイント48をキャリッジ40に当接させエアー流路を形成し、記録装置の状態を「エアー吸引可能状態」にする。
ここで、図3に示した記録装置の状態が「インク供給可能位置」のときのインク供給動作を説明する。
図3に示されているように、吸引ジョイント48のジョイント口48aがキャリア40に当接し吸引口40aからサブタンク40b、40c、40d内に通じるエアー流路が形成される。その後、エアー吸引ポンプ(不図示)によりサブタンク内の空気を吸い出すと、その負圧によりインク供給針94、95、96より各色のインクがサブタンクから吸い出されることでインクが供給される。
各サブタンクには気体と液体とを分離する気液分離膜55が配設されているので、各サブタンクがインクで一杯になると気液分離膜にインクが接することになり、全インクがこの状態になると吸引口40aから空気を吸い出すことができなくなるので、自動的にインク供給が停止される。サブタンク40b、40c、40d内の負圧は、インク供給時は所定の負圧が生じるが、インクの供給が停止すると負圧は解消され大気圧へと戻る。
図1〜図2に図示されているように、記録ヘッドの保護及び吐出口からのインクを吸引するための保護/吸引キャップ(以下、吸引キャップ)が、リフトアップと同時に上下する機構を取っている。
図3を用いて説明したインク供給動作で、サブタンク40b、40c、40d内にインクが満たされると、プラテン9、インクタンク12及び吸引キャップ60はリフトアップ位置とフラットな位置との中間位置にセットされる。
図4はインクタンク12が中間位置にある様子を示す断面図である。
この中間位置は、記録ヘッド68内に残留している泡等を取り除くための回復動作を行う位置である。回復動作に際しては、ばね63により記録ヘッド68に対する吸引キャップ60の密閉状態が継続されているが、インク供給針94、95、96はジョイントゴム91、92、93から抜かれて離れている。
間欠インク供給方式を採用した記録装置の回復動作は、従来から行われていることであるので詳細な説明は省略するが、記録ヘッドをキャッピングした状態で大気連通部66を閉じた状態で吸引チューブ67から吸引することで行われる。インクは吸引キャップ内の負圧に応じて、大気連通部を開くまで、もしくは吸引キャップ内の負圧がほぼゼロになるまで吸引される。また同様の位置において、吸引キャップ60の大気連通部66を開放した状態を記録装置の放置位置とする。
なお、記録ヘッドの回復動作には、記録ヘッドから吸引キャップやインク受け部等に向けて画像記録に寄与しないインクを吐出させることによって、インクの吐出状態を良好に維持することも含まれる。或いは、予備加熱手段を用いて記録ヘッドの温度制御を行うようにして回復性能や吐出性能をより安定化させることもできるが、これらについては従来の記録装置で一般的に行われていることであるので、これ以上の説明は省略する。
回復動作が完了すると、吸引キャップ60をキャリッジ40からばね63の付勢力に抗して引き離し、プラテン9およびインクタンク12を記録動作時と同じリフトアップしていないフラットな位置に復帰させる。
その状態、即ち、図1に示す状態において、キャリッジ40を、右側に一旦移動させた後に、ワイパブレード106を上昇させ、次に、キャリッジ40を所定の速度で左方向に移動させると、記録ヘッドの吐出口形成面に付着した不要なインクをワイピングして拭き取ることができる。
なお、図1は、ワイパブレード106を初期の待機位置にセットし、記録ヘッドが記録可能な状態になった状態を示している。この状態で記録媒体を供給して図1に示す矢印A方向にキャリッジ40を往復駆動させながら、記録ヘッド68から画像データに対応したインクを用紙に吐出し、画像形成を行なう。
<インクジェット記録装置の制御構成(図5)>
図5は図1〜図4に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。
図5に示すように、コントローラ600は、MPU601、後述する制御シーケンスに対応したプログラム、所要のテーブル、その他の固定データを格納したROM602、キャリッジモータM1の制御、搬送モータM2の制御、メンテナンスモータM3の制御、及び、記録ヘッド68の制御のための制御信号を生成する特殊用途集積回路(ASIC)603、画像データの展開領域やプログラム実行のための作業用領域等を設けたRAM604、MPU601、ASIC603、RAM604を相互に接続してデータの授受を行うシステムバス605、以下に説明するセンサ群からのアナログ信号を入力してA/D変換し、デジタル信号をMPU601に供給するA/D変換器606などで構成される。
また、図5において、610は画像データの供給源となるコンピュータ(或いは、画像読取り用のリーダやデジタルカメラなど)でありホスト装置と総称される。ホスト装置610と記録装置との間ではインタフェース(I/F)611を介して画像データ、コマンド、ステータス信号等を送受信する。
さらに、620はスイッチ群であり、電源スイッチ621、記録開始を指令するためのプリントスイッチ622、及び記録ヘッド3のインク吐出性能を良好な状態に維持するための処理(回復処理)の起動を指示するための回復スイッチ623など、操作者による指令入力を受けるためのスイッチから構成される。630はホームポジションを検出するためのフォトカプラなどの位置センサ631、環境温度を検出するために記録装置の適宜の箇所に設けられた温度センサ632等から構成される装置状態を検出するためのセンサ群である。
さらに、640はキャリッジ40を矢印A方向に往復走査させるためのキャリッジモータM1を駆動させるキャリッジモータドライバ、642は記録媒体を搬送するための搬送モータM2を駆動させる搬送モータドライバ、644はメンテナンスモータM3を駆動させ、エアー吸引ポンプを動作させたり、キャッピング動作、ワイパブレード106を動作させ記録ヘッドの吐出口形成面をワイピングするなどの回復動作を行うためのメンテナンスモータドライバである。
ASIC603は、記録ヘッド68による記録走査の際に、RAM602の記憶領域に直接アクセスしながら記録ヘッド68に対して記録素子(吐出ヒータ)の駆動データ(DATA)を転送する。
次に、上記のような構成を共通の構成として実行されるインク供給動作についてのいくつかの実施例を説明する。
<第1実施例>
図6はこの実施例に従うインク供給動作の概要を模式的に説明する図である。
なお、図6は図3を簡略化して説明し易くした図であり、吸引ジョイント48とサブタンクの相対的な位置関係が、図3とは異なっている。また、図6は(a)〜(d)の4つの図から成り立っており、インク供給動作の工程順番を説明する図となっている。またさらに、上述のように、サブタンクやインク袋は複数の備えられ、これらに対応するインク供給針やゴム栓も複数備えられるが、これら複数のサブタンクやインク袋の構造は共通なので、ここでは、サブタンク40bに対してこれに対応するインク袋88からインクが供給される動作について説明する。
まず、図6(a)に示されるように、中空針であるインク供給針94をゴム栓91に挿入してインク袋88とサブタンク40bとの間のインク流路を形成し、吸引ジョイント48をキャリッジ40に密着させエアー流路を形成し、インク供給可能な状態にする。これは上述のように、インクタンク12がリフトアップポジションとなる状態で実現する。
次に、図6(b)に示されるように、吸引ジョイント48と気液分離膜55を介して、吸引ポンプ(不図示)がエアーを矢印C方向に吸引する。これにより、インクがインク供給針94を介して、サブタンク40b内に供給される。そして、インクが供給されてサブタンク40bが満タンとなり気液分離膜55にまでインクが到達したときにインクの供給は終了し、サブタンク40b内は負圧が解消され大気圧まで戻る。しかし、気液分離膜55の上のエアー室55aの負圧は解消していないので、図6(b)が示すように気液分離膜55がエアー室側に凹んだ状態となり、その部分に過剰にインクが充填されている。
そして、図6(c)に示すように、サブタンク40bとインク袋88との間のインク流路を遮断する前に、エアー流路を開放する。即ち、図6(c)が示すように、吸引ジョイント48とキャリッジ40との密着状態を開放する。ここで、この開放動作を行うメカニズムについての機構的な説明は詳述しないが、インク供給路を形成するためのインクタンク12のリフトアップ動作と吸引ジョイント48を密着させる動作とを夫々、別々に行うようにすることで達成される。なお、複数のカムを用いてインクタンクのリフトアップ動作と同様の駆動源を用いて吸引ジョイント48を密着させても良い。
その後、図6(c)に示した状態を2秒間維持する。これにより気液分離膜55の上のエアー室55aの気圧が大気と連通して大気圧にまで戻り、気液分離膜55にかかる差圧はサブタンク内外ともに生じていない状態となる。そのため、エアー室55a側に凹んでいた気液分離膜55が元に戻り、結果としてその膜の直下に過剰に供給されていたインクが、インク流路を介してインク袋側(矢印D方向)に戻る。
従来の間欠インク供給に関する技術には、インク供給終了後のインク供給路とエアー流路との開放の順番に関する知見がなく、インク流路とエアー流路とは同時に接続し同時に開放するようにしていた。そのため、従来例の図9(b)に示したように、気液分離膜の直下に過剰にインク供給されたままエアー流路、インク流路とも開放されるとその膜直下のインクがインク針91から漏れてしまっていたのである。
この実施例では、図6(c)に示した状態を意図的に作り出し、さらに気液分離膜のたわみが戻るまで間の待機時間を設けたため、従来のようなインク漏れの問題を解決している。なお、この実施例では待機時間を2秒としているが、この時間は用いる気液分離膜の剛性等に応じて適宜微調整してかまわない。ただし、たわんだ膜が元に戻るのは瞬時に戻るのではなく、過剰に供給されたインクがインク供給針を通じて戻るだけの時間が必要であるため、少なくとも0.5秒以上の待機時間を設けることが望ましい。また、その待機時間は記録動作全体の高速化と実質的な気圧調整の観点から5秒を越えないことが望ましい。
最後に、図6(d)に示すようにインク供給針94をゴム栓91から抜き去ることでインク流路を遮断し、サブタンク40bとインク袋88とを分離する。
ここで、吸引ポンプ(不図示)によるエアーの吸引量は、サブタンク40b、40c、40d夫々の内容積の合計以上であればよい。それだけの量のエアーをサブタンク内から吸引すれば、サブタンク内に残留するインク量の如何に拘わらず、サブタンク内の空気が気液分離膜55を通して排出され、その代わりにインクタンク12からインクが供給されサブタンクは満タンとなる。ただし、満タンとするまでの時間の短縮化のためには、上記エアー量の1.5倍程度のマージンもって吸引ポンプを設計するのが好ましい。
図7は以上説明したインク供給動作のシーケンスを示すフローチャートである。
この図を参照してインク供給動作をまとめると次のようになる。
まず、ステップS10ではインクタンク12をリフトアップポジションにして、図6(a)に示すように、インク供給針94をゴム栓91に挿入してインク袋88とサブタンク40bとの間にインク流路を形成し、吸引ジョイント48をキャリッジ40に密着させエアー流路を形成する。
次に、ステップS20では、吸引ポンプ(不図示)を用いて、図6(b)に示すようにエアーを矢印C方向に吸引し、インクをインク供給針94を介して、サブタンク40b内に供給する。
さらに、サブタンク40b内にインクが満タンまで供給されると、ステップS30では、図6(c)に示すように、エアー流路を開放する。そして、ステップS40では、エアー流路の開放動作を所定の時間待ち合わせ、その時間(例えば、2秒間)が経過すると、処理はステップS50に進む。
最後に、ステップS50では、図6(d)に示すように、インク供給針94をゴム栓91から抜き去ることでインク流路を遮断し、サブタンク40bとインク袋88とを分離する。
以上説明したようにこの実施例に従えば、間欠インク供給方式を用いるインクジェット記録装置において、インク供給終了した後にサブタンクとインク袋との間のインク流路を遮断する前にエアー流路を開放し、さらにこの状態を所定の時間維持するようにしたので、気液分離膜のたわみがなくなり、インク供給後にインク供給針を通してインクが漏れることを防止することができる。これにより、信頼性の高いインク供給が達成される。
なお、この実施例においては、メインタンクからサブタンクへのインク供給後のインク流路とエアー流路の分離の仕方を説明しているが、メインタンクとサブタンクのそれぞれの流路を接続する際に、インク流路を接続してからエアー流路を接続するようにしてもよい。このような構成とすることにより、エアー流路を接続した際に、サブタンク内の負圧の変化によってインク供給針からインクが漏れることを防ぐことが可能となる。
また、図6(d)に示したサブタンク40bとインク袋88の分離後に、装置電源のOFF指示がなされた場合には、所定量のインク排出を行ってから、その装置への電力供給を終了するように制御しても良い。これによって、インク供給針内のインクを除去することができ、仮にその後、ユーザが記録装置を使用せずに長期間放置したとしても、インク供給針内にインク固着が発生せず、次回使用時にも問題なくインク供給することが可能となるという利点がある。このインク除去は、記録ヘッドの吐出口からの吸引回復、もしくは予備吐出によるインク消費を行えばよいが、それら方法は公知なので、その説明は省略する。
さらに、図6(d)に示したサブタンク40bとインク袋88の分離後に、記録動作が開始された場合には、所定量のインク排出を行ってから記録を行うように制御しても良い。このインク排出は、記録ヘッドの吐出口からの吸引回復、もしくは予備吐出によるインク消費を行えばよいが、それら方法は公知なので、その説明は省略する。これによって、インク供給針内のインクを除去することができ、装置電源のOFFの場合と同様の利点もあるし、サブタンク内の自由インクを除去することで、サブタンク40b、40c、40d内にスポンジによる負圧を生成させ、吐出が良好な負圧状態を作り出すことができる。
なお、この実施例で用いたエアー吸引ポンプ(あるいはインク吸引ポンプ)としては、シリンジポンプの他にチューブポンプも用いることができる。シリンジポンプは、吸引量や吸引速度を制御するためにポンプストロークやポンプ速度を制御する古典的なものである。チューブポンプは、駆動の時間と速度をパラメータとして自由に吸引動作させることができるという特徴がある。しかし、その反面、吸引量の定量性を確保するには、駆動の時間と速度を厳密に制御する必要がある。この実施例では、比較的コンパクトであり、しかも定量制御が容易であるという理由から前者のシリンジポンプを用いている。
また、この実施例で用いている気液分離膜55は多孔質体であって、気液の分離作用は微細な穴とインクの接触によって発生する毛管力(メニスカス力)によって生じる。一般的にその穴の径を小さくすればするほど、インクを通しにくくなるが同時に通気性(ガーレー数とも言う)が悪くなってしまう特性がある。また、このときメニスカス力が大きくなり膜の耐圧も大きくなる。この実施例では気液分離膜55として、インクに対する耐圧と実用的な通気性を考慮し、PTFE製で孔サイズが0.1μmから1μm、膜厚は250μm、インクに対する耐圧は100kPa前後のものを用いている。
また、この他にも気液分離機能をもつものであればよく、インクの種類や使用形態に応じて、種々の材質のものを用いることができる。例えば、四弗化エチレン樹脂に類する樹脂多孔質材料からなる気体透過膜の他、磁器、陶器の素焼き、セラミック等、またはそれに類する多孔質材料を用いることもできる。また、気体が通過するときに開き、液体が通過しようとしたときに閉じる機械的な構成の弁を気体透過部材として用いても良い。
なお、特許文献3に開示されているように、インクがインク収容部材の下側から充填されて、遅れて気液分離膜に到達するように構成することでインク供給性能が安定する。また、気液分離膜とインク収容部材との間に空間を設け記録ヘッドからのインク消費に伴い気液分離膜直下に空間ができるようにし、インクとの接触時間を減らすことで次回のインク供給を可能にすると共に、膜の寿命を向上させることができる。
なお、過度に気液分離膜に負圧がかかるのを防止するために、エアー吸引ポンプには開放弁(不図示)等による圧力リミッタを設けるのが好ましい。
また、エアー室及びサブタンク内を減圧するためのエアー吸引ジョイント48は、サブタンク壁との密着が必要であるためシリコンゴム等とするのが好ましい。密着するサブタンク面もフラットであることが好ましく、吸引ジョイントの材質や、サブタンク面の面粗さに応じて適宜当接圧を設定すればよい。
さらに、インク供給針94はインクに対する腐食に強いSUSパイプが好ましく、ゴム栓へのダメージや、記録装置放置時のインク供給針からの蒸発、インク供給時の流抵抗等の点からその外径/内径を設定すればよい。もちろん中空針にしてもよいし、横穴針でも問題ない。
またさらに、この実施例のゴム栓91は塩素化ブチルゴムとしているが、インク袋内のインクの蒸発や、リフトアップ時のインク針の挿入力に応じてゴム材質を選択することができる。
またさらに、この実施例のサブタンク40b、40c、40d内にはインクを保持して所定の負圧を生成するための負圧生成部材が充填されている。例えば、スポンジ等のインク収容部材がサブタンク40b、40c、40d内に配置される。インク収容部材を形成する材料としては、ウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、セルロース等の高密度発泡体を採用することが可能であり、発泡体の毛細管力によって負圧が発生する。
このインク収容部材によって生じる負圧は、記録ヘッドにおけるインクの吐出を安定化させるためには、一般的におよそ−500Pa以上が望ましく、インクの使い切りまで負圧の上昇が少ないものが好ましい。
またさらに、キャリッジ40の成型材料としては、ここでは加工上の成形性の良さと、インクに対する接液性の良さからポリサルフォンを用いている。ただし、サブタンクの材料でもあるため、インクの蒸発やガス透過性を考慮してその肉厚を設定したり、必要に応じて蒸発抑制部材でカバーすることも可能である。
<第2の実施例>
第1の実施例ではインク供給針94、95、96が、インク供給時以外の状態であってもその先端が大気連通している中空針の構成であったが、この実施例ではインク供給時以外にはインク供給針が大気と連通しない構成について説明する。
図8はこの実施例に従うインク供給動作の概要を模式的に説明する図である。
この実施例では、図8(a)に示すようにインク供給針に横穴の針を用い、インク供給時以外は、ばね94aによって、ゴム製のスライドカバー94bが横穴を封止し大気連通させていない構成になっている。図8(b)はインク供給時の様子を表すもので、気液分離膜55直下では過剰なインク供給になっている。
このようにこの実施例では、インク供給時以外には、スライドカバーによりインクの取り入れ口94cを閉じる構成なので、インク蒸発を防止する効果があるのに加え、ゴミ等がインク供給針内に混入するのを防止することができる。
さて、従来は、図8(b)に示すような状態から、上述のように吸引ジョイント48とインク供給路とを同時に開放していたので下記のような問題が生じていた。
即ち、気液分離膜55の直下の過剰に供給されたインクは、インク供給路の遮断から短時間のうちに漏れ始めるものではないものの、メカ公差や、インク供給動作を繰り返すことによるスライドカバーのゴム劣化等により徐々にインクが染み出しやすい状況となり、このような状態で装置を長期間放置すると徐々に染み出したインクがカバー上部に滞留し、ついには漏れ始めたり、あるいは、ぼた落ちはしないもののインク供給針とスライドカバーとがインクで固着してしまい、次回のインク供給動作時に正常に動作しない等の問題が生じていた。このように、従来のスライドカバーを設ける構成は、装置構成を複雑にするもののインク漏れ防止の効果が少なく信頼性が低いものであった。
そこで、この実施例でも、第1の実施例で説明したように、吸引ジョイントを開放後、その状態を所定時間の維持し、その後にインク供給路を開放することによって、インク供給後にインク供給針を通してインクが漏れることを防止することができる。
以上2つの実施例を通して気液分離膜を用いた間欠インク供給方式について説明してきたが、本発明はこれによって限定されるものではなく、例えば、従来の偏倚袋型インク容器を用いた場合においても負圧を用いて一旦インクを過剰に供給するタイプのインク供給方式であれば本発明を適用することができる。
なお、特許文献2には、負圧にて偏倚袋型インク容器内にインクを供給した後に、加圧してサブタンク内のインクをメインタンクに戻す技術が開示されているが、これは偏倚袋型インク容器内に負圧を生成させる工程を必要としており、本発明とは目的や構成の点で異なるものである。また、特許文献2によれば、加圧時の圧力は記録ヘッドのインク吐出口部分にも作用するため、強い圧力で加圧すると記録ヘッドのインク吐出口の耐圧を上回るものとなり、そのインク吐出口からもインクを排出してしまうという問題を生じさせてしまう。この問題を解決するには、低い圧力で加圧する必要があり、圧力の厳密な制御が必要となることに加え、その加圧に時間を要すると言う別の問題を生じさせてしまう。
しかしながら、以上説明した実施例から明らかであるように、本発明は複雑な制御を必要とせず、またインク供給動作終了時の減圧のために所要時間も短いなどはるかに優れており、そもそもサブタンク内の負圧の生成を目的としていないため、前述した特許文献2の提案する技術とは根本的に異なるものである。
さらに、以上の実施例において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
以上の実施例は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
また以上の実施例はシリアルスキャンタイプのインクジェット記録装置を例として説明したが、本発明はこれに限らず、記録可能な記録媒体の最大幅の長さを持つフルライン記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置にも、本発明は有効に適用できる。そのような記録ヘッドとしては、複数の記録ヘッドの組合せによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
加えて、以上の実施例のようなシリアルスキャンタイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
さらに加えて、本発明のインクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力装置として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置の断面図である。 本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置の断面図である。 図2に示したインク供給可能位置におけるキャリッジの断面を、そのキャリッジ走査方向から見た図である。 インクタンク12が中間位置にある様子を示す断面図である。 図1〜図4に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施例に従うインク供給動作を説明する図である。 インク供給シーケンスを示すフローチャートである。 本発明の第2実施例に従うインク供給動作を説明する図である。 従来のインク供給動作の概要を模式的に説明する図である。
符号の説明
9 プラテン
12 インクタンク
23 廃インク吸収体
40 キャリッジ
40b、40c、40d、40e サブタンク
48 吸引ジョイント
55 気液分離膜
55a エアー室
60 吸引キャップ
63 キャップバネ
86、87、88 インク袋
91、92、93 ゴム栓
94、95、96 インク供給針
94a ばね
94b カバーゴム
106 ワイパ

Claims (12)

  1. インクジェット記録ヘッドを用いて記録を行う記録装置であって、
    前記インクジェット記録ヘッドにインクを供給する小容量の第1のインクタンクと、
    前記第1のインクタンクに間欠的に接続して、前記第1のインクタンクにインクを供給する大容量の第2のインクタンクと、
    前記第1のインクタンクと前記第2のインクタンクとを互いに接続或いは分離することにより前記第1のインクタンクのインク流入口と前記第2のインクタンクのインク流出口との間にインク流路を形成或いは遮断する第1の接続分離手段と、
    前記第2のインクタンクから前記第1のインクタンクにインクを充填するために前記第1のインクタンク内のエアーを吸引する吸引手段と、
    前記第1のインクタンクと前記吸引手段とを互いに接続或いは分離することにより前記第1のインクタンクと前記吸引手段との間にエアー流路を形成或いは該エアー流路を開放する第2の接続分離手段と、
    前記第1の接続分離手段を制御して前記第1と第2のインクタンクと接続して互いのインク流路を形成し、前記第2の接続分離手段を制御して前記第1のインクタンクに前記吸引手段を接続して互いのエアー流路を形成し、さらに前記吸引手段を動作させて前記第1のインクタンクに前記第2のインクタンクからインクを供給するよう制御するインク供給制御手段と、
    前記インクの供給後、前記第2の接続分離手段を制御して前記第1のインクタンクと前記吸引手段とを分離して前記エアー流路を開放してから、前記第1の接続分離手段を制御して前記第1のインクタンクと前記第2のインクタンクとを分離して前記インク流路を遮断するよう制御する分離制御手段とを有することを特徴とする記録装置。
  2. 前記分離制御手段は、前記第2の接続分離手段を制御して前記エアー流路を開放してから、所定の時間が経過した後に、前記第1の接続分離手段を制御して前記インク流路を遮断するよう制御することを特徴とする請求項1に記載に記録装置。
  3. 前記所定の時間が0.5秒〜5秒の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記第1のインクタンクは、
    前記インク流入口としての中空のインク供給針と、
    気体を通過するが液体は通過しない気液分離膜を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の記録装置。
  5. 前記吸引手段は、前記第1のインクタンクと接続されたとき、前記第1のインクタンク内のエアーを吸引することで発生する負圧を前記気液分離膜を介して前記第1のインクタンク内に作用させ、前記第2のインクタンクからインクを供給することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の記録装置。
  6. 前記インク供給針のインク流入口は、前記第1と第2のインクタンクが分離しているときは大気と連通していることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
  7. 前記インク供給針に横穴が設けられ、
    前記横穴を開閉するスライド可能なカバーが設けられ、
    前記インク供給針が前記第2のインクタンクに挿入されたときには前記カバーがスライドして前記横穴を開放し、前記インク供給針が前記第2のインクタンクから抜き出されたときには前記カバーがスライドして前記横穴を閉じることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
  8. 前記インクの供給後、前記記録装置への電源供給停止時には、前記インクジェット記録ヘッドの吸引回復或いは前記インクジェット記録ヘッドによる予備吐出によって前記インク供給針近傍に存在するインクを除去することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の記録装置。
  9. 前記インク供給の後、前記記録装置による記録動作時には、前記インクジェット記録ヘッドの吸引回復或いは前記インクジェット記録ヘッドによる予備吐出によって前記インク供給針近傍に存在するインクを除去することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の記録装置。
  10. 前記インクの除去によって、前記第1のインクタンク内にインクを保持するための負圧を生じさせることを特徴とする請求項8又は9に記載の記録装置。
  11. インクジェット記録ヘッドと、前記インクジェット記録ヘッドにインクを供給する小容量の第1のインクタンクと、前記第1のインクタンクに間欠的に接続して、前記第1のインクタンクにインクを供給する大容量の第2のインクタンクと、前記第2のインクタンクから前記第1のインクタンクにインクを充填するために前記第1のインクタンク内のエアーを吸引する吸引機構とを有した記録装置におけるインク供給方法であって、
    前記第1のインクタンクと前記第2のインクタンクとを互いに接続することにより前記第1のインクタンクのインク流入口と前記第2のインクタンクのインク流出口との間にインク流路を形成するとともに、前記第1のインクタンクと前記吸引機構とを互いに接続することにより前記第1のインクタンクと前記吸引機構との間にエアー流路を形成する流路形成工程と、
    前記吸引機構を動作させて前記第1のインクタンクに前記第2のインクタンクからインクを供給するインク供給工程と、
    前記インク供給工程におけるインクの供給後、前記第1のインクタンクと前記吸引機構とを分離して前記エアー流路を開放してから、前記第1のインクタンクと前記第2のインクタンクとを分離して前記インク流路を遮断する流路分離工程とを有することを特徴とするインク供給方法。
  12. 前記流路分離工程は、前記エアー流路を開放してから、所定の時間が経過した後に、前記インク流路を遮断することを特徴とする請求項11に記載のインク供給方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008030433A (ja) * 2006-07-05 2008-02-14 Brother Ind Ltd インクジェット式記録装置及びそれのエア除去方法
US8020981B2 (en) 2006-07-05 2011-09-20 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Inkjet recording apparatus and air removal method therefor
KR101549069B1 (ko) 2013-11-26 2015-09-01 한보환 잉크 무한공급기 및 그 작동방법
JP2016198923A (ja) * 2015-04-09 2016-12-01 ローランドディー.ジー.株式会社 インクジェットプリンタおよびインクジェットプリンタにおけるインクの充填方法

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