JP2015199238A - 画像形成装置 - Google Patents

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【課題】一時貯留部を大型化することなく、一時貯留部内に入り込んだ空気を一時貯留部から排出する際にインク等の液体が排出されるのを安定して抑制することを可能にする。【解決手段】液体収容器から供給される液体を吐出する液体吐出ヘッド1と液体収容器との間の液体供給路に設けられ、液体を液体収容空間内に一時的に貯留する一時貯留部5を備えた画像形成装置において、一時貯留部の液体収容空間に一端側が接続され、前記液体供給路よりも流体抵抗の大きい流体通路73と、前記流体通路の他端側に設けられ、該流体通路から流体を排出する方向のみ流体が通過可能な逆止弁60と、前記液体収容空間内の気体78については前記流体通路を通過して逆止弁から排出され、かつ、該液体収容空間内の液体については該流体通路を通過できずに該逆止弁から排出されない大きさの流体搬送力を発生させる流体搬送手段とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、液体吐出ヘッドから液体を吐出する画像形成装置に関するものである。
この種の画像形成装置としては、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ等が挙げられる。
近年、インクカートリッジを記録ヘッド(液体吐出ヘッド)が搭載されるキャリッジ上には設けない、いわゆるオフキャリッジ方式が多く採用されている。オフキャリッジ方式では、記録ヘッドに供給されるインクの圧力を安定させるため、インク供給路上の記録ヘッド直前にサブタンク(一時貯留部)を設ける。サブタンク内は、記録ヘッドからインクが垂れてしまうことを防ぐために、大気圧よりも低い圧力すなわち負圧に維持される。
オフキャリッジ方式においては、使い終わったインクカートリッジを取り外す際、サブタンクとインクカートリッジとを連通させるチューブに少量の泡状の空気が入り込むことがある。また、チューブの透気特性によっては、経時使用によってチューブ内に空気が入り込むこともある。チューブ内に入り込んだ空気は、記録ヘッドでのインク消費に伴ってチューブからサブタンク内へ移動する。サブタンク内に入り込んだ空気は、温度上昇によって体積が膨張し、サブタンク内の圧力を上昇させる。その結果、サブタンク内の圧力が正圧側にシフトし、適切な負圧を維持できなくなる。
特許文献1には、サブタンクの上部壁面に設けられた開口に、サブタンク内の空気を外部に排出する向きにのみ空気を流す逆止弁が設けられたインクジェット記録装置が開示されている。この装置は、サブタンク内のインク液面がサブタンク内の液面センサのところまで下がったことを検知すると、逆止弁に接続されたチュービングポンプを駆動し、逆止弁の弁部材を閉弁方向に付勢する圧縮ばねの付勢力よりも大きな吸引力を発生させる。これにより弁部材が変位して逆止弁が開弁し、サブタンク内の空気が逆止弁を介してチュービングポンプに吸引され、サブタンク内から排出される。
ところが、前記特許文献1に記載されたインクジェット記録装置は、サブタンク内の空気をチュービングポンプで吸引する際、空気だけでなくインクも逆止弁を通じてサブタンク内から排出されるおそれがある。インクが逆止弁から排出されると、チュービングポンプによる吸引動作に支障を来してサブタンク内の空気を適切に吸引できなくなったり、逆止弁にインクが固着して逆止弁が適切に閉弁できなくなってサブタンク内の圧力を適切な負圧に維持できなくなったりする問題を引き起こす。
前記特許文献1には、逆止弁を付勢する圧縮ばねの付勢力とチュービングポンプによる吸引力(搬送力)とのバランスを最適化することで、インクが逆止弁から排出されるのを抑制する方法が記載されている。しかしながら、このようなバランスをとる最適化作業は困難であり、この方法ではインクが逆止弁から排出されるのを安定して抑制することは難しい。
また、前記特許文献1には、逆止弁が設けられるサブタンクの開口位置と液面センサの位置との高低差を十分に確保することにより、インクが逆止弁から排出されるのを抑制する方法も記載されている。しかしながら、この方法では、サブタンクの大型化を招くという不具合がある。
上述した課題を解決するために、本発明は、液体を収容する液体収容器と、前記液体収容器から供給される液体を被吐出対象へ吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体収容器と前記液体吐出ヘッドとの間の液体供給路に設けられ、前記液体収容器から供給される液体を液体収容空間内に一時的に貯留する一時貯留部とを備えた画像形成装置において、前記一時貯留部の前記液体収容空間に一端側が接続され、前記液体供給路よりも流体抵抗の大きい流体通路と、前記流体通路の他端側に設けられ、該流体通路から流体を排出する方向のみ流体が通過可能な逆止弁と、前記液体収容空間内の気体については前記流体通路を通過して前記逆止弁から排出され、かつ、該液体収容空間内の液体については該流体通路を通過できずに該逆止弁から排出されない大きさの流体搬送力を発生させる流体搬送手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、一時貯留部を大型化することなく、一時貯留部内に入り込んだ空気を一時貯留部から排出する際にインク等の液体が排出されるのを安定して抑制することが可能であるという優れた効果が奏される。
(a)は、実施形態に係る画像形成装置のキャリッジ上に設けられるサブタンクの概略構成を主走査方向から見た説明図であり、(b)は、同サブタンクの概略構成を副走査方向から見た説明図である。 実施形態に係る画像形成装置の内部構成を側方から見たときの概略構成図である。 同画像形成装置の内部構造を上方から見たときの概略構成図である。 実施形態に係る液体供給装置(インク供給システム)の概略構成の一例を示す説明図である。 実施形態における気泡排出シーケンスの流れを示すフローチャートである。 (a)は、同サブタンク内に気泡が存在しない状態におけるサブタンクの概略構成を主走査方向から見た説明図であり、(b)は、同サブタンクの概略構成を副走査方向から見た説明図である。 実施形態における閾値の設定範囲を説明するための説明図である。 (a)は、変形例1におけるサブタンクの概略構成を主走査方向から見た説明図であり、(b)は、同サブタンクの概略構成を副走査方向から見た説明図である。 変形例1における気泡排出シーケンスの流れを示すフローチャートである。 (a)は、変形例1におけるサブタンクに接続されるバルブ室に設けられる閉弁状態のリリーフバルブを示す説明図であり、(b)は、開弁状態の同リリーフバルブを示す説明図である。 (a)は、変形例2におけるサブタンクの概略構成を主走査方向から見た説明図であり、(b)は、同サブタンクの概略構成を副走査方向から見た説明図である。 変形例2における気泡排出シーケンスの流れを示すフローチャートである。 変形例3における送液ポンプの主要部構成を示す説明図である。 変形例4における連通路の細管部分を拡大した説明図である。 変形例5における連通路の細管部分を拡大した説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置(インクジェット記録装置)の内部構成を側方から見たときの概略構成図である。また、図3は、同画像形成装置の内部構造を上方から見たときの概略構成図である。
本実施形態の画像形成装置は、装置本体501の内部に印字機構部502等を収納している。印字機構部502は、主走査方向に移動可能なキャリッジ4と、キャリッジ4に搭載した液体吐出ヘッドとしての記録ヘッド1へ画像形成用の液体であるインクを供給する一時貯留部としてのサブタンク5等を備えている。
装置本体501の下方部には、装置前方側(図2中右側)から複数枚の記録媒体としての用紙19を積載可能な給紙カセット504(又は、給紙トレイ)を抜き差し自在に装着することができる。また、用紙19を手差しで給紙するための手差しトレイ505を開倒することができる。そして、給紙カセット504又は手差しトレイ505から給送される用紙19を取り込み、印字機構部502によって所要の画像を記録した後、装置前方側(図2中右側)に装着された排紙トレイ506に排紙する。
印字機構部502は、図示しない左右の側板に横架した主ガイドロッド40と従ガイドロッド41とでキャリッジ4を主走査方向に摺動自在に保持している。キャリッジ4は、装置前方側を主ガイドロッド40に摺動自在に嵌装し、装置後方側を従ガイドロッド41に摺動自在に載置している。そして、キャリッジ4を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ13で回転駆動される駆動プーリ16と従動プーリ17との間にタイミングベルト14が張装されている。キャリッジ4は、主走査モータ13で駆動プーリ16と従動プーリ17の間に架け渡したタイミングベルト14を介して移動走査する。タイミングベルト14はキャリッジ4に固定されており、主走査モータ13の正逆回転によりキャリッジ4が往復駆動される。なお、ガイドロッド40,41以外にも板金でキャリッジを擦動自在に保持する構成でもよい。
キャリッジ4には、複数のインク吐出口としてのノズルを主走査方向と交差する方向に配列し液体吐出方向を下方に向けるように、複数の記録ヘッド1が装着されている。複数の記録ヘッド1は、それぞれ、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びブラック(Bk)の各色の液滴を吐出するヘッド(インクジェットヘッド)であり、各色のインク滴を吐出するノズルを有している。このノズルは、キャリッジ4の走査方向と交差する方向に配列されている。なお、本実施形態では各色に対応させて4個の記録ヘッド1を用いているが、各色の液滴を吐出する複数のノズルを有する1個の記録ヘッドを用いてもよい。
記録ヘッド1としては、液体としてのインク(記録液)をインク滴として吐出するための各種のエネルギ発生手段を備えたもの等を使用できる。このエネルギ発生手段としては、例えば、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰を利用するサーマルアクチュエータなどが挙げられる。また、上記エネルギ発生手段としては、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータや、静電力を用いる静電アクチュエータなども挙げられる。
また、図3の装置本体右側には、記録ヘッド1に各色の液体(インク)を供給するための複数の液体収容器としてのインクカートリッジ23が装置本体に対して着脱可能(交換可能)に装着されている。インクカートリッジ23は、記録ヘッド1へインクを供給する供給口を有している。
また、キャリッジ4には、インクカートリッジ23から供給されたインクを一時的に貯留し、記録ヘッド1に供給するインクの圧力を安定化させるための一時貯留部としてのサブタンク5が搭載されている。サブタンク5は、記録ヘッド1に対して一体的に接続される。
インクカートリッジ23は、色ごと又はインク(記録液)ごとに装置本体に取り付けられている。インクカートリッジ23とサブタンク5との間は、液体供給路としてのインク供給路を形成する部材である供給チューブ22によって連通されている。この供給チューブ22を通じてインクカートリッジ23から記録ヘッド1に各色のインクが供給される。なお、図3には、供給チューブ22が1本のみ描かれているが、実際には色ごとにインクカートリッジ23はサブタンク5と連通する。
サブタンク5は、単体で色ごとに供給路が区分けされた構成であり、供給チューブ22が色ごとにサブタンク5と連通する。また、一つのサブタンク5につき、一種類のインクのみと連通する構成であれば、各サブタンク5に供給チューブ22が接続される。図3の例では、1色につき1つのサブタンク5が配置されている。なお、サブタンク5の片面と反対の面で別々の色が供給される構成としてもよい。この場合、サブタンク5には1個につき2色のインクが流れ込み、4色のインクを吐出するインクジェット記録装置の場合には2個のサブタンクを備えるものとなる。
供給チューブ22には、インクカートリッジ23にあるインクを加圧してサブタンク5に供給するための送液手段としての送液ポンプ25が設けられている。
また、本実施形態の画像形成装置は、給紙カセット504にセットした用紙19を記録ヘッド1の下方側に搬送するために、給紙ローラ601及びフリクションパッド602と、ガイド部材603と、搬送ローラ604と、先端コロ605とを備えている。給紙ローラ601及びフリクションパッド602は、給紙カセット504から用紙19を分離給装し、ガイド部材603は用紙19を案内する。また、搬送ローラ604は、給紙された用紙19を反転させて搬送する。先端コロ605は、搬送ローラ604の周面に押し付けられる搬送コロ605及び搬送ローラ604からの用紙19の送り出し角度を規定する。搬送ローラ604は副走査モータ151によってギヤ列を介して回転駆動される。
そして、キャリッジ4の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ604から送り出された用紙19を記録ヘッド1の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材608が設けられている。この印写受け部材608の用紙搬送方向下流側には、用紙19を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ701、拍車702が設けられている。さらに、用紙19を排紙トレイ506に送り出す排紙ローラ703及び拍車704と、排紙経路を形成するガイド部材705,706とが配設されている。
また、本実施形態の画像形成装置では、キャリッジ4の走査方向の一方側の非印字領域(画像形成領域外)に、記録ヘッド1のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構104が配置されている。この維持回復機構104は、記録ヘッド1の各インク吐出面をキャップして保湿するための複数のキャップ18と、インク吐出面の払拭するワイパーブレード12と、ワイパーブレード12に隣接された空吐出受け102などを備えている。空吐出受け102は、増粘した印刷に寄与しないインクを記録ヘッド1から吐出させ、そのインクを受ける。
上記維持回復機構104は、次のように記録ヘッド1のインク吐出面の保湿を行ってノズルの詰まりを防止するものである。記録ヘッド1のインク吐出面に付着したインクが、乾燥により水分を失うと、ノズルを詰まらせることがある。ノズルが詰まると、そのノズルからインク滴が吐出できなくなり、画像に影響を及ぼす。そのノズルの詰まりを防止するために、電源OFF時や印刷ジョブが無い時などは、キャリッジ4を図3に示すホームポジション100へ移動させ、インク吐出面をキャップ18によってキャッピングすることで保湿を行っている。また、維持回復機構104は、インク吐出面に付着したインクが増粘してノズルを詰まらせた場合は、インク吐出面をキャッピングした状態で、専用のポンプで吸引し、増粘したインクを取り除くように構成してもよい。
また、キャリッジ4のホームポジション100には、インク滴を吐出した記録ヘッド1のインク吐出面に付着したインクを払拭し、インク吐出面においてメニスカスを形成するためのワイパーブレード12を備えている。このワイパーブレード12は、インク吐出面を払拭する際に突き出される。そして、突き出されたワイパーブレード12に向けてキャリッジ4が走査することで、インク吐出面を払拭する。
なお、本実施形態のワイパーブレード12は、インク吐出面に対して、キャリッジ走査方向にインク吐出面を払拭するように構成されているが、副走査方向にインク吐出面を払拭するように構成してもよい。
上記構成の画像形成装置における画像形成(印刷)は、例えば次のように実行される。まず、給紙トレイにセットされた記録媒体としての用紙19は、搬送ベルト51によって保持されながら搬送される。用紙19が記録ヘッド1の記録域(画像形成領域)を通過する際に、キャリッジ4が走査し、印刷が実行される。キャリッジ4には、主走査方向に沿って両側板34L、34R間に取り付けられたエンコーダスケールのパターンを読み取るエンコーダセンサが設けられている。このエンコーダスケールとエンコーダセンサとによってキャリッジ4の位置が検知される。キャリッジ4が走査する際に、画像信号に応じて記録ヘッド1のアクチュエータを駆動すると、停止している用紙19にインク滴を吐出する。キャリッジ4の走査により所定の行を印字し、用紙19を所定量搬送した後、次の行を印字し、記録が終了した用紙19を排紙トレイ506に排紙する。印刷が終了すると、用紙19は排紙トレイ506に排紙される。
図4は、本実施形態に係る液体供給装置(インク供給システム)の概略構成の一例を示す説明図である。
図4において、供給チューブ22は、容器装着部としてのカートリッジホルダー108に装着されたインクカートリッジ23と液体供給対象としての記録ヘッド1とに連通する液体供給路を形成する部材である。供給チューブ22は、インクカートリッジ23からサブタンク5まで連通している。サブタンク5と記録ヘッド1とは一体的に取り付けられているため、実質的には、供給チューブ22によって、インクカートリッジ23から記録ヘッド1までが連通される液体供給路としてのインク供給路が形成される。供給チューブ22に取り付けられている送液ポンプ25は、インクカートリッジ23からサブタンク5の向き(送液動作方向)だけでなく、サブタンク5からインクカートリッジ23の向き(液戻動作方向)にも選択的にインクを搬送できる構成となっている。
図6(b)に示すようにサブタンク5の一側面には可撓性フィルム72が貼られている。この可撓性フィルム72は、サブタンク5内の圧力に応じて容易に変形可能である。可撓性フィルム72上には、フィラー70が取り付けられている。フィラー70は、可撓性フィルム72に当接しており、可撓性フィルム72の変形に伴って、先端部70aの位置が変わる。この先端部70aの位置をフィラーセンサ110で読み取ることで、サブタンク5内の圧力を間接的に検知することができる。すなわち、本実施形態では、可撓性フィルム72、フィラー70及びフィラーセンサ110によって圧力検知手段が構成されている。
また、サブタンク5の上部には、流体通路としての連通路73の一端が接続されており、サブタンク5の内部空間(液体収容空間)82と連通路73とが連通している。この連通路73の他端には逆止弁60が取り付けられている。逆止弁60は、サブタンクの内部空間82から流体を排出する方向のみに開弁可能である。なお、本実施形態の逆止弁には、安価なアンブレラバルブを使用しているが、逆止弁としての機能を持つ弁であれば、アンブレラバルブに限定されない。
本実施形態において、連通路73は、サブタンク5の内部空間82の空気(気体)については逆止弁60まで移動して逆止弁60から排出させることができるが、サブタンク5の内部空間82のインク(液体)については逆止弁60まで移動できずに逆止弁60からの排出を防止できる大きさの圧力損失が生じるように、構成されている。具体的には、本実施形態では、連通路73のうち、少なくともサブタンク内部空間82側(一端側)の連通路部分73aを内径の小さい細管で形成している。以下、この連通路部分を細管部分73aという。細管部分73aの流体抵抗は、液体供給路としてのチューブ22の流体抵抗よりも大きい。更に、図1における連通路73及び逆止弁60は一時貯留部としてのサブタンク5の上部においてサブタンク5と一体に形成されている。なお、連通路73をサブタンク5とは別体のチューブとして形成してサブタンク5の内部空間82に接続する構成としてもよい。
また、本実施形態において、キャップ18は、記録ヘッド1のインク吐出面77の乾燥を防ぐために備わっている。インク吐出面77に付着したインクが増粘してノズルを詰まらせた場合は、インク吐出面77をキャッピングした状態で吸引ポンプ65により吸引し、ノズルの詰まりを解消させる。吸引ポンプ65で吸引したインクは、廃液タンク80に溜められる。
図1(a)及び(b)は、本実施形態におけるサブタンク5の概略構成を示す説明図であり、図1(a)は、主走査方向から見た図であり、図1(b)は、副走査方向から見た図である。
供給チューブ22を通じて透気した空気や、インクカートリッジ23を交換することで生じる空気が送液ポンプ25の駆動によってサブタンク5に運ばれると、サブタンク5内のインク中に気泡78が生じる。サブタンク5内のインク中に混入した気泡78は、浮力によってインク内を上昇する。サブタンクの上部内壁には、インク中を気泡78が浮力によって上昇する際に連通路73に向かって気泡78が移動するように案内する傾斜面79が形成されている。
サブタンク5内の圧力が変化すると、それに伴って可撓性フィルム72が膨らんだり凹んだりする。具体的には、サブタンク5内の圧力が上昇すれば可撓性フィルム72が膨らみ、サブタンク5内の圧力が低下すれば可撓性フィルム72が凹む。通常、記録ヘッド1からインクを吐出する際、サブタンク5内の圧力は負圧に維持される。
サブタンク5内には、図1(b)に示すように、可撓性フィルム72が凹むのを妨げる付勢力を可撓性フィルム72に付与するばね85が設けられている。記録ヘッド1からのインク吸引あるいは送液ポンプ25の液戻動作によって可撓性フィルム72は凹もうとするが、このばね85の付勢力が可撓性フィルム72の凹みを妨げることから、サブタンク5内の圧力が一定範囲内の負圧に維持できる。
フィラー70は、可撓性フィルム72に当接しており、軸105を回転中心として回転可能になっている。そのため、可撓性フィルム72が変形するとそれに追従してフィラー70の先端部70aの位置が変わる。この先端部70aの位置の移動距離を図示しないフィラーセンサ110で検知することで、フィラーセンサ110の検知結果からサブタンク5内の圧力を間接的に検知する。
フィラーセンサ110の検知結果からサブタンク5内の圧力が規定圧力を下回ったことが検知されると、送液ポンプ25が一定時間駆動して、送液ポンプ25に送液動作を実行させる。これにより、インクカートリッジ23内の一定量のインクがサブタンク5へ送液され、サブタンク5内の圧力が上昇する。このような送液制御によって、サブタンク5内の圧力は一定の負圧範囲内に維持される。
また、連通路73の細管部分73aは、サブタンク5の上部壁112の側面に溝を形成し、その溝をフィルム83で蓋をすることにより作成されたものである。ただし、この細管部分73aは、インクの移動を阻害しつつ、気泡78だけ通過させることができる程度の圧力損失が得られるように構成されていれば、その作成方法は本実施形態のものには限られない。
また、図1(c)に示すように、連通路73の逆止弁側連通路部分73bは、サブタンク5の上部壁112の上面に溝114を形成し、その溝114をフィルム83で蓋をすることにより作成されたものである。ただし、この逆止弁側連通路部分73bも、インクの移動を阻害しつつ、気泡78だけ通過させることができる程度の圧力損失が得られるように構成されていれば、その作成方法は本実施形態のものには限られない。
次に、サブタンク5内に入り込んだ気泡78の排出動作について説明する。
図5は、本実施形態における気泡排出シーケンスの流れを示すフローチャートである。
本実施形態では、所定の排気動作タイミングに、サブタンク5内の内部空間82から気泡を排出する気泡排出シーケンスが発動すると、キャリッジ4を非印字領域(画像形成領域外)の維持回復機構104と対向する維持回復位置まで退避させる(S1)。本実施形態における気泡排出シーケンスでは、後述するように、送液ポンプ25の送液動作によりサブタンク5内にインクを送り込んでサブタンク5内を昇圧する。そのため、サブタンク5内の昇圧によって記録ヘッド1のインク吐出面77に形成されたメニスカスが壊れてインクがノズルから押し出されるおそれがある。もしインクがノズルから押し出されると、インク吐出面77の撥インク膜の作用でインクが一箇所に集まって雫になり、インクが垂れて機内を汚すおそれがある。これを防ぐために、本実施形態では、気泡排出シーケンスを実行する際には、まず、キャリッジ4を非印字領域にある維持回復機構104まで退避させる。これによりインク吐出面77が維持回復機構104のキャップ18の上に位置するので、気泡排出シーケンスによりサブタンク5内が昇圧してインク吐出面77からインクが垂れたとしても、これをキャップ18で受け取って吸引ポンプ65により廃液タンク80まで回収することができ、機内を汚すことを回避できる。
キャリッジ4を維持回復位置まで退避させたら、次に、送液ポンプ25を駆動させて送液動作を開始し(S2)、インクをサブタンク5内に供給する。サブタンク5内にインクが流入することで、サブタンク5内の圧力は上昇する。サブタンク5内の圧力が上昇すると、サブタンク5内のインクがサブタンク5内の上部に溜まった気泡78を下方から押し上げ、逆止弁60に圧力がかかる。この圧力が逆止弁60の開弁圧力を上回ると逆止弁60が開弁し、連通路73内に溜まっていた空気(気泡)が逆止弁60から順次排出されるとともに、その分だけサブタンク5内の上部に溜まっていた気泡78が細管部分73aから連通路73の内部へ進入する。このような排出動作によって、サブタンク5内の気泡78はサブタンク5内から排出される。
本実施形態では、サブタンク5内に一定量以上の気泡78が存在することを検知する気泡検知センサ等の気泡検知手段を設けずに、定期的に上述した気泡排出シーケンスを発動してサブタンク5内の気泡78を排出する。もちろん、気泡検知手段を設けて、サブタンク5内に一定量以上の気泡78が存在することが検知されたタイミングで気泡排出シーケンスを発動させてもよい。
ここで、気泡78は、空気(気体)であり、インク(液体)よりも粘度が低いので、サブタンク5内から、内径の小さな細管部分73aへ流入して連通路73を通過するときの圧力損失が小さい。そのため、サブタンク5内の気泡78は、細管部分73aへ容易に流入でき、連通路73を通過することができる。そのため、逆止弁60の開弁圧力は比較的低い圧力に設定されており、その逆止弁60の開弁圧力を上回る程度の比較的低い圧力までサブタンク5を加圧すれば、サブタンク5内の気泡78は、連通路73を通じて逆止弁60から排出することができる。
一方、サブタンク5内から気泡78が連通路73の連通路部分73aへ流入した後、あるいは、もともとサブタンク5内に気泡78が存在していない場合、サブタンク5内のインクも細管部分73aに進入して連通路73を通過しようとする。特に、本実施形態では、気泡検知手段を設けておらず、気泡78の有無を検知できないので、サブタンク5内の気泡78が無くなった後も、送液ポンプ25が送液動作を継続する。ただし、インクは、空気(気体)である気泡78よりも粘度が高く、細管部分73aへ流入して連通路73を通過するときの圧力損失が大きい。例えばインクは空気よりも約100〜300倍の高い粘度を有するので、細管部分73a及び逆止弁60を通過するときの圧力損失が大きい。そのため、本実施形態のように、低く設定された逆止弁60の開弁圧力を上回る程度の比較的低い圧力までサブタンク5を加圧する程度では、インクは細管部分73aを通過することができない。よって、気泡排出シーケンスによってサブタンク5内のインクが連通路73を通って逆止弁60から排出されることはない。
図6(a)及び(b)は、サブタンク5内に気泡78が存在しない状態におけるサブタンク5の概略構成を示す説明図であり、図6(a)は、主走査方向から見た図であり、図6(b)は、副走査方向から見た図である。
サブタンク5内に気泡78が存在せず、サブタンク5内がインクで満たされている場合、送液ポンプ25の送液動作によってサブタンク5内が昇圧することで、インクが細管部分73aへ流入しようとする。しかしながら、インクの粘度は空気(気体)の粘度よりも遥かに大きく、細管部分73a内にインクが進入するにはサブタンク5内の圧力を非常に大きくする必要がある。
例えば、20℃の温度環境下において、空気の粘度は0.018[mPa・s]であり、インクの粘度が3[mPa・s]であるとすると、インクの粘度は空気の約167倍である。このインクの粘度は一般的な数値であるが、高粘度インクや高粘度液体を使用する画像形成装置であれば、空気との粘度比は更に大きなものとなる。20℃の温度環境で3[mPa・s]の粘度をもつインクを使用する場合、例えば、細管部分73aの内径がφ0.5[mm]で、細管部分73aの管路長さが10[mm]であるとすると、気泡78(空気)が細管部分73aを通り抜けるには、サブタンク5内の圧力を0.02[kPa]以上まで昇圧することを要する。これに対して、インクが細管部分73aを通り抜けるには、サブタンク5内の圧力を2.67[kPa]以上まで昇圧することを要する。
つまり、気泡78(空気)が細管部分73aを通過するには、送液ポンプ25の送液動作を実行して、サブタンク5内の圧力を0.02[kPa]を超える程度まで僅かに昇圧させるだけでよい。これに対し、インクが細管部分73aを通過するには、送液ポンプ25の送液動作をより長く継続し、サブタンク5内の圧力を2.67[kPa]以上という高い圧力まで昇圧させることが必要となる。実際には、逆止弁60を開弁させるための開弁圧力Pを上乗せする必要があるので、サブタンク5内の圧力を、気泡78(空気)及びインクそれぞれが細管部分73aを通過するために必要な圧力Pair,Pinkに開弁圧力Pを上乗せした圧力を超える程度まで昇圧する必要がある。
本実施形態では、細管部分73aを通過する際の気泡78(空気)とインクとの間の圧力損失の違いを利用し、サブタンク5内の気泡78(空気)だけを逆止弁60から排出させる。すなわち、気泡78(空気)が細管部分73aを通過するのに必要な(Pair+P)よりも大きく、かつ、インクが細管部分73aを通過するのに必要な(Pink+P)よりも小さい範囲内まで、サブタンク5内の圧力が昇圧するように、送液ポンプ25の送液動作を制御する。
具体的には、送液ポンプ25の送液動作を開始した後、開弁圧力Pを仮に10[kPa]とすると、20℃の温度環境では、サブタンク5内の圧力が10.02(10+0.02)[kPa]より大きく12.67(10+2.67)[kPa]よりも小さい範囲内で設定される所定の閾値に到達したかどうかを、前記フィラーセンサ110によって検知する。詳しくは、サブタンク5内が昇圧すると、図6(b)に示すように、サブタンク5の一側面に貼り付けられている可撓性フィルム72が外方へ膨らみ、これに押し出されるようにしてフィラー70が軸105を回転中心にして回転する。そして、そのフィラー70の先端部の位置がフィラーセンサ110によって検知され、サブタンク5内の圧力が閾値に達するのに対応する位置までフィラー70の先端部が移動したことをフィラーセンサ110が検知することにより(S3)、気泡78(空気)がサブタンク5内から排出されてサブタンク5内にはインクしか残っていないと判断し、送液ポンプ25の送液動作を停止させる(S4)。これにより、サブタンク5内の気泡78(空気)だけを逆止弁60から排出させることができる。
図7は、本実施形態における閾値の設定範囲を説明するための説明図である。
前記閾値は、図7に示すように、気泡78(空気)が細管部分73aを通過するのに必要な(Pair+P)よりも大きく、かつ、インクが細管部分73aを通過するのに必要な(Pink+P)よりも小さい範囲内で設定される。ただし、この閾値を、上述した範囲のうち、気泡78(空気)が細管部分73aを通過するのに必要な(Pair+P)に近すぎる設定にすると、温度変化によって空気の粘度が上昇してPairが増えた場合や、圧力検知手段であるフィラー70およびフィラーセンサ110の動作の誤差によって、サブタンク5内に気泡が残った状態で送液ポンプ25の送液動作を停止させてしまうおそれがある。逆に、前記閾値を、インクが細管部分73aを通過するのに必要な(Pink+P)に近すぎる設定にすると、サブタンク5内の昇圧によってインク吐出面からのインクが垂れるおそれがある。そのため、前記閾値は、P+PairとP+Pinkから適度に離れた値に設定することが望ましい。
以上のように、本実施形態においては、サブタンク5内に気泡78が存在していても、送液ポンプ25の送液動作を制御するだけで、サブタンク5内から気泡78を排出することができる。しかも、本実施形態では、細管部分73aを通過する際の気泡78とインクとの間の圧力損失の違いにより、サブタンク5内のインクが細管部分73aを通過して逆止弁60に達することはない。よって、逆止弁60にインクが付着することによる不具合が発生することはない。
しかも、サブタンク5内に気泡78が存在していない状況で気泡排出シーケンスを実行しても、インクが逆止弁60に到達することはなく、インクが逆止弁60から漏れ出る事態が起きない。したがって、サブタンク5内に気泡78が存在しているかどうかを検知するための気泡検知手段は不要であり、サブタンク5内の気泡78の存在を確認することなく所定のタイミングで気泡排出シーケンスを実行して、サブタンク5内の気泡78を排出することができる。
また、気泡排出シーケンスを実行しても、サブタンク5内のインクが無駄に排出されることがないので、インクの無駄な消費を避けることができる。そして、インクの無駄な消費が無いことから、気泡排出シーケンスの実行頻度を高めることができ、サブタンク5内の気泡78による不具合の発生を安定して抑制することが可能である。
また、本実施形態においては、送液ポンプ25の送液動作を制御することにより気泡排出シーケンスを実行できるので、気泡排出専用のポンプ等の気泡排出機構が不要であり、部品点数を低減してコスト削減に寄与できる。
本実施形態においては、気泡排出シーケンスを実行した後のサブタンク5内の圧力は正圧になっているため、通常の液体吐出動作のためにサブタンク5内の圧力を適切な負圧に戻す必要がある。そのため、本実施形態では、送液ポンプ25の送液動作を停止させた後に、送液ポンプ25を逆回転させ、サブタンク5内から供給チューブ22を経てインクカートリッジ23へインクを戻す液戻動作を実行する(S5〜S7)。これにより、サブタンク5内の圧力を適切な負圧に戻すことができる。
サブタンク5内の圧力を適切な負圧に戻した後、本実施形態では、インク吐出面77をワイパーブレード12で払拭するワイピングを実施する(S8)。その後、キャップ18に向かって僅かにインクを吐出する空吐出を実施し(S9)、メニスカスを最適形状にして吐出動作に備えた後、インク吐出面77をキャップして(S10)、気泡排出シーケンスが終了する。なお、気泡排出シーケンスの後に直ぐに印字動作を実行する場合には、インク吐出面77をキャップせずに、印字を開始するように制御しても良い。
送液ポンプ25は、サブタンク5内の圧力に関わらず、サブタンク5内へインクを送り込むことが可能な構成であるのが好ましく、例えば、前後の流路に逆止弁が取り付けられたポンプあるいはチュービングポンプのように、サブタンク5内の圧力が高くなっても逆流を許さない構成であるのが好ましい。この場合でも、気泡排出シーケンスを実行した後にサブタンク5内の圧力を負圧に戻すための手段が必要である。
また、本実施形態では、送液ポンプ25の送液動作により、サブタンク5内の圧力が前記閾値に到達したかどうかを、可撓性フィルム72、フィラー70、フィラーセンサ110等で構成される圧力検知手段で検知する構成であるが、他の構成の圧力検知手段であってよい。また、圧力検知手段を設けなくても、例えば、送液ポンプ25の送液動作の動作時間とサブタンク5内の圧力との関係が予め把握できれば、送液ポンプ25の送液動作を予め決められた時間だけ実行するという構成であってもよい。
また、本実施形態においては、逆止弁60から細管部分73aまでの間の連通路73の部分は常に空気で満たされているが、連通路73の容積は非常に小さく設計されているので、高温環境になって連通路73内の空気が膨張してもサブタンク5内の圧力を吐出不可能なレベルまで上昇させてサブタンク5内の適切な負圧を維持できなくなるようなことは無い。
〔変形例1〕
次に、上述した実施形態における画像形成装置の一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
図8(a)及び(b)は、本変形例1におけるサブタンク5の概略構成を示す説明図であり、図8(a)は、主走査方向から見た図であり、図8(b)は、副走査方向から見た図である。
基本的な構成は上述した実施形態のものと同様であるが、本変形例1では、サブタンク5の天井部(重力方向と逆向き)にバルブ室88が設けられている。このバルブ室88とサブタンク5との間には、図8(b)に示すように、リリーフバルブ95が存在する。リリーフバルブ95によって、バルブ室88とサブタンク5の内部空間82との間は隔離された状態となっている。
バルブ室88には、リリーフバルブ95のほか、リリーフバルブ95が閉弁する方向に付勢するばね93と、リリーフバルブ95のストッパ90とが配置されている。このストッパ90には、サブタンク5内の内部空間82と連通する開口(第2開口)116が形成されている。また、バルブ室88と外部(大気)との間には可撓性フィルム89が取り付けられており、バルブ室88は、外部(大気)とは連通しておらず、密閉されている。バルブ室88の内壁面とリリーフバルブ95との間は、リリーフバルブ95の周縁部に設けられたパッキン92によって密閉されている。よって、サブタンク5内にあるインクがリリーフバルブ95を通過してバルブ室88の可撓性フィルム89側部分(バルブ室内部側)に流れ込むことはない。
サブタンク5内の圧力が規定圧力以下である場合、リリーフバルブ95は、ばね93によりストッパ90側の付勢力を受けて閉弁状態が維持される。一方、サブタンク5内の圧力が規定圧力を上回ると、サブタンク5内の内部空間82内の圧力を受けてリリーフバルブ95が開弁する。つまり、リリーフバルブ95は正常動作時には常に閉弁状態を維持するが、サブタンク5内が規定圧力を上回る圧力まで昇圧すると、リリーフバルブ95が開弁して、リリーフバルブ95がバルブ室88の内部側(開弁側)へ変位する。これにより、バルブ室88内のリリーフバルブ95とストッパ90との間(サブタンク側)に空間が生じる。この空間は、サブタンク5内と連通しているので、サブタンク5内が規定圧力を上回る圧力まで昇圧することにより、サブタンク5内の容積が拡張することになる。
また、リリーフバルブ95が開弁側に変位すると、リリーフバルブ95のバルブ室内部側の圧力が高まるが、可撓性フィルム89が膨張することにより、リリーフバルブ95のバルブ室内部側の容積はほぼ一定に保たれ、バルブ室内部側の圧力はほとんど高まらない。
図9は、本変形例1における気泡排出シーケンスの流れを示すフローチャートである。
本変形例1の気泡排出シーケンスにおける基本的な処理は上述した実施形態と同様であるが、送液ポンプ25の送液動作の停止条件が異なっている。具体的には、本変形例1においては、送液ポンプ25の送液動作を開始してから所定時間経過したら(S11)、サブタンク5内の圧力が、気泡78(空気)が細管部分73aを通過するのに必要な(Pair+P)よりも大きく、かつ、インクが細管部分73aを通過するのに必要な(Pink+P)よりも小さい範囲内まで昇圧し、気泡78(空気)がサブタンク5内から排出されてサブタンク5内にはインクしか残っていないと判断して、送液ポンプ25の送液動作を停止させる(S4)。
したがって、本変形例1の気泡排出シーケンスにおいて、気泡排出に関しては、サブタンク5内の圧力を検知するための圧力検知手段は不要となる。ただし、本変形例1では、気泡排出後にサブタンク5内を適切な負圧に戻すためにフィラー70及びフィラーセンサ110を有する圧力検知手段を用いているが、サブタンク5内の負圧を検知できれよく、サブタンク5内の正圧の検知は必要ない。したがって、上述した実施形態のように、サブタンク5内の正圧と負圧の両方を検知できる圧力検知手段が必要な構成よりも、圧力検知手段の選択自由度が高まる。
本変形例1において、送液ポンプ25の送液動作を開始してサブタンク5内の圧力が上昇すると、その圧力によってリリーフバルブ95も開弁方向の力を受けることになる。しかしながら、リリーフバルブ95を閉弁方向へ付勢するばね93の付勢力は、サブタンク5内の圧力が上述した範囲内にあれば、リリーフバルブ95の閉弁状態を維持できるように設定されている。よって、サブタンク5内の圧力が上述した範囲内にある正常動作時には、図10(a)に示すように、リリーフバルブ95の閉弁状態は維持される。
ここで、本変形例1における気泡排出シーケンスでは、送液ポンプ25の送液動作を開始した後は、サブタンク5内の圧力に関係なく、所定時間が経過するまでは、送液ポンプ25の送液動作が継続される。そのため、送液ポンプ25の送液動作が停止するまでにサブタンク5内の圧力がどの程度まで上昇するかは、多少のバラツキがある。そのため、何らかの要因により、サブタンク5内が上述した範囲を超える圧力まで昇圧するおそれがある。
本変形例1においては、サブタンク5内の圧力が規定圧力を超えたら、図10(b)に示すように、その圧力によってリリーフバルブ95が開弁し、ばね93の付勢力に抗してリリーフバルブ95が開弁方向へ変位する。これにより、サブタンク5内の容積が拡張されるので、サブタンク5内の圧力を下げることができる。このとき、リリーフバルブ95の開弁方向への変位に伴ってバルブ室内部側の圧力が高まろうとするが、可撓性フィルム89が外側に膨らむことにより、バルブ室内部側の圧力はほとんど変化しないので、バルブ室内部側の圧力がリリーフバルブ95に対して閉弁方向へ作用する影響はほとんどない。
以上より、本変形例1によれば、ばね93の付勢力を適切に設定することにより、サブタンク5内の圧力が上述した範囲内を超えて昇圧することを抑制でき、サブタンク5内のインクが細管部分73aを通過して逆止弁60に達する事態を抑制できる。
なお、本変形例1のようなリリーフバルブ95を採用することは、上述した実施形態のように圧力検知手段の検知結果から送液ポンプ25の送液動作を停止させる構成と併用しても有効である。圧力検知手段がサブタンク5内の圧力を誤検知したり、圧力検知手段が故障したりした場合でも、送液動作が継続されてサブタンク内が過剰に昇圧されることを抑制できる信頼性の高い画像形成装置を実現できる。
本変形例1において、リリーフバルブ95の開弁圧力Pvalveは、ばね93の付勢力によって決まる。ばね93の付勢力つまりリリーフバルブ95の開弁圧力Pvalveは、気泡78(空気)が細管部分73aを通過するのに必要な(P+Pair)よりも大きく、かつ、インクが細管部分73aを通過するのに必要な(P+Pink)よりも小さい範囲内に設定するのが好ましい。
また、リリーフバルブ95が完全に開弁しきっても、送液ポンプ25が駆動を続けると、サブタンク5内が昇圧し続けてしまい、細管部分73aを通じてインクが逆止弁60まで移動するおそれがある。そのため、本変形例1では、サブタンク5内をインクで満たし、気泡がない状態で、送液ポンプ25を駆動させ、リリーフバルブ95が完全に開弁するまでの時間を予め測定しておき、その時間と同じかその時間よりも短い時間に、送液ポンプ25の送液動作を停止させる前記所定時間を設定する。
〔変形例2〕
次に、上述した実施形態における画像形成装置の他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
図11(a)及び(b)は、本変形例2におけるサブタンク5の概略構成を示す説明図であり、図11(a)は、主走査方向から見た図であり、図11(b)は、副走査方向から見た図である。
基本的な構成は上述した変形例1のものと同様であるが、本変形例2では、バルブ室88に取り付けられた可撓性フィルム89に当接するように、フィラー97が設けられている。このフィラー97は、サブタンク5内の圧力検知用のフィラー70と同様の働きをする。つまり、リリーフバルブ95の変位に応じて可撓性フィルム89が変形すると、その変形によってフィラー97の先端位置が変わる。このフィラー97の先端位置をフィラーセンサ118で検知し、リリーフバルブ95の変位量を間接的に検知する。
図12は、本変形例2における気泡排出シーケンスの流れを示すフローチャートである。
本変形例2の気泡排出シーケンスでは、リリーフバルブ95の変位量を検知するためにフィラー97の先端位置を検知するフィラーセンサ118の検知結果を利用して、送液ポンプ25の送液動作を停止させる。具体的には、送液ポンプ25の送液動作を開始して(S2)、サブタンク5内が昇圧し、リリーフバルブ95が開弁して開弁方向へ変位し、フィラー97の位置が所定位置に達したことをフィラーセンサ118が検知する(S21)。これにより、リリーフバルブ95の変位量が規定量に達したことが検知され、気泡78(空気)がサブタンク5内から排出されてサブタンク5内にはインクしか残っていないと判断し、送液ポンプ25の送液動作を停止させる(S4)。なお、送液ポンプ25の送液動作を停止させるための前記規定量は、リリーフバルブ95が完全に開放する変位量よりも少ない量に設定するのが好ましい。
本変形例2では、リリーフバルブ95の変位量の検知結果を利用して送液ポンプ25の送液動作を停止させるので、サブタンク5内の圧力を検知する圧力検知手段は、正圧を検知できなくても負圧を検知できればよい。よって、上述した実施形態と比べて、圧力検知手段の選択の自由度が高い。
もちろん、本変形例2においても、リリーフバルブ95の変位量の検知手段を設けず、上述した実施形態や変形例1の構成、動作により、送液ポンプ25の送液動作を停止させるようにしてもよい。
〔変形例3〕
次に、上述した実施形態における画像形成装置における送液ポンプ25の一変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。
図13は、本変形例3における送液ポンプ25の主要部構成を示す説明図である。
本変形例3の送液ポンプ25はチュービングポンプであり、ローラ107が供給チューブ22を押し潰して図中破線矢印の方向に移動するように構成されている。このローラ107による供給チューブ22の押し潰しによって、供給チューブ22内のインクが押し出されて供給チューブ22内を搬送される。
本変形例3のチュービングポンプにおいては、ローラ107が供給チューブ22を押し潰しているものの、ローラ107が供給チューブ22を完全に押し潰すのではなく、供給チューブ22の内部に隙間dが生じるように、押し潰すように構成されている。そのため、本変形例3におけるチュービングポンプでは、サブタンク5内が昇圧して、チュービングポンプによる送液動作によるインク搬送力よりもサブタンク5内の圧力が高まると、供給チューブ22内のインクが隙間dからインクカートリッジ23側へ逆流する。これにより、サブタンク5内の圧力が必要以上に昇圧するのを防ぐことができる。
また、サブタンク5内が昇圧した状態で電源がOFFになったとき、サブタンク5内のインクを供給チューブ22からインクカートリッジ23側へ逆流させてサブタンク5内をゆっくりと脱圧できる。その結果、サブタンク5内が高圧のまま放置されてサブタンク5からインクがリークする等の事態を抑制することもできる。
なお、本変形例3において、隙間dが大きすぎると、チュービングポンプによるサブタンク5内へのインク搬送力が弱くなって、気泡排出シーケンスの際にサブタンク5内の気泡78を排出されるのに必要な圧力までサブタンク内が昇圧される前に、インクが逆流してサブタンク内の圧力を下げてしまう。これでは、気泡78をサブタンク5内から排出できなくなるので、隙間dの大きさは、インクの粘度や、サブタンク5内のどこまで昇圧させるか等とのバランスで適宜決定される。
〔変形例4〕
次に、上述した実施形態における画像形成装置における連通路73の細管部分73aについての一変形例(以下、本変形例を「変形例4」という。)について説明する。
図14は、本変形例4における連通路73の細管部分73aを拡大した説明図である。
本変形例4における連通路73の細管部分73aは、その内壁面が撥水性(撥インク性)を有するように加工処理が施されている。本変形例4では、細管部分73aの内壁面を撥水膜でコーティングする加工処理を施しているが、細管部分73aの内壁面が撥水性を有するような加工処理であれば、これに限られない。
このような加工処理を施すことにより、インクがサブタンク5内からから細管部分73aへ流入した場合でも、インクを細管部分73aの内部に留まらせることなく速やかにサブタンク5内へ戻すことができる。仮にインクが細管部分73aに進入してそのまま残留すると、細管部分73aの内部でインクが乾燥して固着する。その結果、細管部分73aを詰まらせてしまうおそれがある。本変形例3のように細管部分73aの内壁面を撥水性(撥インク性)を有するように加工処理することで、細管部分73aの内部でのインクの乾燥、固着を抑制し、細管部分73aが詰まる事態を抑制できる。
〔変形例5〕
次に、上述した実施形態における画像形成装置における連通路73の細管部分73aについての他の変形例(以下、本変形例を「変形例5」という。)について説明する。
図15は、本変形例5における連通路73の細管部分73aを拡大した説明図である。
本変形例5においては、細管部分73aの壁部に微細孔104を開けるとともに、細管部分73aの外壁面に吸収体93を取り付けている。微細孔104は、非常に小さな貫通孔であり、微細孔104と吸収体93とは密着している。この状態で、インクがサブタンク5内から細管部分73aに流入すると、インクは毛細管力によって微細孔104を通過して吸収体93へ流れる。これにより、細管部分73a内にインクが残留することを抑制することができる。よって、細管部分73aの内部でのインクの乾燥、固着を抑制し、細管部分73aが詰まる事態を抑制できる。
なお、本変形例5では、細管部分73aの壁部に微細孔104を複数設けた構成であるが、これに限られない。例えば、吸収体93と細管部分73aとの間に内径が小さい連通路を設けるなどして、細管部分73aから吸収体93まで毛細管力によってインクが流れる構成であればよい。
なお、上記実施形態(各変形例を含む。)では、液体吐出ヘッドから吐出した液滴を用紙に着弾させて画像を形成する画像形成装置に適用した場合について説明したが、本発明の画像形成装置は、液体吐出ヘッドを備えた用紙以外の媒体に画像を形成する画像形成にも適用することができる。例えば、本発明は、画像形成用の液滴を着弾させて付与する媒体が、用紙以外の媒体(記録媒体、転写材、記録紙)、例えば糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体である場合も同様に適用することができる。また、本発明の画像形成装置は、画像として文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与すること場合だけでなく、画像として文字等の意味を持たないパターンを媒体に付与する(単に液滴を吐出する)装置にも適用することができる。また、本発明の画像形成装置は、パターニング用の液体レジストを吐出して被着弾媒体上に着弾させる装置にも適用することができる。また、本発明の画像形成装置は、遺伝子分析試料を吐出して被着弾媒体上に着弾させる液体吐出装置や、三次元造型用の液体吐出装置などにも適用することができる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
インク等の液体を収容するインクカートリッジ23等の液体収容器と、前記液体収容器から供給される液体を用紙19等の被吐出対象へ吐出する記録ヘッド1等の液体吐出ヘッドと、前記液体収容器と前記液体吐出ヘッドとの間のインク供給路等の液体供給路に設けられ、前記液体収容器から供給される液体を液体収容空間(サブタンク5の内部空間82)内に一時的に貯留するサブタンク5等の一時貯留部とを備えた画像形成装置において、前記一時貯留部の前記液体収容空間に一端側が接続され、前記液体供給路よりも流体抵抗の大きい連通路73等の流体通路と、前記流体通路の他端側に設けられ、該流体通路から流体を排出する方向のみ流体が通過可能な逆止弁60と、前記液体収容空間内の気泡78(空気)等の気体については前記流体通路を通過して前記逆止弁から排出され、かつ、該液体収容空間内のインク等の液体については該流体通路を通過できずに該逆止弁から排出されない大きさの流体搬送力を発生させる送液ポンプ25等の流体搬送手段とを有することを特徴とする。
本態様では、一時貯留部の液体収容空間と逆止弁との間に、所定の通路長さをもつ流体通路を設けている。一般に、流体通路を通過する流体の圧力損失は、液体の方が気体に比べて大幅に大きい。そのため、流体搬送手段が発生させる流体搬送力により流体通路内の流体を搬送するとき、気体については逆止弁から排出させるが、液体については逆止弁から排出させない大きさの圧力損失を安定して得られるように流体通路を構成することは、容易である。よって、流体搬送手段によって、液体収容空間内の気体については流体通路を通過して逆止弁から排出され、かつ、液体収容空間内の液体については流体通路を通過できずに逆止弁から排出されない大きさの流体搬送力を安定して発生させることができる。しかも、本態様によれば、一時貯留部を大型化しなくても、一時貯留部内の液体を逆止弁まで移動させることなく、一時貯留部内の気体だけを逆止弁まで移動させて排出することが可能となる。
(態様B)
液体を収容する液体収容器と、前記液体収容器から供給される液体を被吐出対象へ吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体収容器と前記液体吐出ヘッドとの間の液体供給路に設けられ、前記液体収容器から供給される液体を液体収容空間内に一時的に貯留する一時貯留部とを備えた画像形成装置において、前記一時貯留部に設けられて、前記一時貯留部の前記液体収容空間に一端側が接続され、前記液体供給路よりも流体抵抗の大きい流体通路と、前記流体通路の他端側に設けられ、該流体通路から流体を排出する方向のみ流体が通過可能な逆止弁と、前記液体収容器から前記液体供給路を介して前記一時貯留部へ液体を送り込む送液動作を行う送液手段と、前記液体収容空間内の圧力を検知する圧力検知手段と、前記送液手段により前記一時貯留部へ液体を送り込んで前記液体収容空間の圧力を上昇させ、前記圧力検知手段が検知する圧力が所定の閾値を超えたら該送液手段の送液動作を停止させることにより、前記液体収容空間内の気体については前記流体通路を通過して前記逆止弁から排出され、かつ、該液体収容空間内の液体については該流体通路を通過できずに該逆止弁から排出されない大きさの流体搬送力を発生させる流体搬送手段とを有することを特徴とする。
本態様では、一時貯留部を大型化しなくても、一時貯留部内の液体を逆止弁まで移動させることなく、一時貯留部内の気体だけを逆止弁まで移動させて排出することが可能となる。
(態様C)
前記態様Aにおいて、前記液体収容器から前記液体供給路を介して前記一時貯留部へ液体を送り込む送液動作を行う送液ポンプ25等の送液手段を有し、前記流体搬送手段は、前記送液手段により前記一時貯留部へ液体を送り込むことにより前記液体収容空間の圧力を上昇させて、前記流体搬送力を発生させるものであることを特徴とする。
これによれば、液体吐出ヘッドからの液体吐出によって消費された分の液体を前記液体収容器から前記液体供給路を介して前記一時貯留部へ送り込む通常の液体供給動作に使用される送液手段を利用して、液体収容空間内の液体については逆止弁から排出させず、液体収容空間内の気体だけを逆止弁から排出させるような流体搬送力を生じさせる流体搬送手段を実現できる。よって、流体搬送手段を実現するための専用構成が必要なくなるので、部品点数を削減して低コスト化を図ることができる。
(態様D)
前記態様Cにおいて、前記液体収容空間内の圧力を検知する可撓性フィルム72、フィラー70、フィラーセンサ110等の圧力検知手段を有し、前記流体搬送手段は、所定の排気動作タイミングに前記送液手段の送液動作を開始させ、前記圧力検知手段が検知する圧力が所定の閾値を超えたら該送液手段の送液動作を停止させることにより、前記流体搬送力を発生させることを特徴とする。
これによれば、前記液体収容空間内が過剰に昇圧する前に送液手段の送液動作を停止させて液体収容空間内の過剰な昇圧を安定して抑制できる。これにより、液体収容空間内の液体が流体通路を通じて逆止弁まで移動する事態や、液体吐出ヘッドからインクが漏れ出る事態など、液体収容空間内の昇圧による不具合を安定して抑制することができる。
(態様E)
前記態様B〜Dのいずれかの態様において、前記送液手段として、前記一時貯留部と前記液体収容器との間を接続する供給チューブ22等のチューブと、該チューブを押し潰すように接触して回転するローラ107等の回転体とから構成されるチュービングポンプを用い、前記回転体は、前記チューブ内に所定の隙間dが生じるように該チューブに接触することを特徴とする。
これによれば、前記液体収容空間内が過剰に昇圧する前に、チューブ内の隙間dを通じてインクを一時貯留部から液体収容器に向けて逆流させることが可能となる。これにより、液体収容空間内の過剰な昇圧を安定して抑制することができる。よって、液体収容空間内の液体が流体通路を通じて逆止弁まで移動する事態や、液体吐出ヘッドからインクが漏れ出る事態など、液体収容空間内の昇圧による不具合を安定して抑制することができる。
(態様F)
前記態様A〜Eのいずれかの態様において、前記一時貯留部には、前記流体通路と接続する開口とは別のストッパ90の開口等の第2開口が設けられ、前記液体収容空間の圧力が規定圧力以下であるときには閉弁状態を維持し、該規定圧力を超えたら開弁状態となるリリーフバルブ95等の弁部材が前記第2開口に設けられており、前記弁部材が開弁状態になることで前記液体収容空間内の流体が流入して容積が増大するバルブ室内部側の空間等の可変容積空間を備えたバルブ室88等の容積可変部材を有する。
これによれば、液体収容空間内が過剰に昇圧したときに弁部材が開弁して液体収容空間内の流体を可変容積空間へ逃がし、液体収容空間内の過剰な昇圧を抑制することができる。これにより、液体収容空間内の液体が流体通路を通じて逆止弁まで移動する事態や、液体吐出ヘッドからインクが漏れ出る事態など、液体収容空間内の昇圧による不具合を抑制することができる。
(態様G)
前記態様Fにおいて、前記容積可変部材の可変容積空間の圧力又は該可変容積空間の容積を検知する可撓性フィルム89、フィラー97、フィラーセンサ110等の検知手段を有し、前記流体搬送手段は、前記検知手段が検知する圧力又は容積が規定値を超えたら、前記送液手段の送液動作を停止させることを特徴とする。
これによれば、前記液体収容空間内が過剰に昇圧する前に送液手段の送液動作を停止させて液体収容空間内の過剰な昇圧を安定して抑制できる。これにより、液体収容空間内の液体が流体通路を通じて逆止弁まで移動する事態や、液体吐出ヘッドからインクが漏れ出る事態など、液体収容空間内の昇圧による不具合を安定して抑制することができる。
(態様H)
前記態様A〜Gのいずれかの態様において、前記流体通路の外壁面に前記液体を吸収可能な吸収体93を設け、前記流体通路に、該流体通路の内部と前記吸収体との間を連通させる微細孔104を設けたことを特徴とする。
これによれば、流体通路内に流入した液体を毛細管力によって微細孔104から吸収体93に移動させることができる。これにより、液体が流体通路内に残留しにくくなり、流体通路内で液体が乾燥して固着し、これにより液体流路が詰まるような事態を抑制できる。
(態様I)
前記態様A〜Hのいずれかの態様において、前記流体通路における少なくとも前記一端側の流体通路部分(細管部分73a等)は、前記一時貯留部に向かって下方に傾斜している又は鉛直方向下側に向かっていることを特徴とする。
これによれば、流体通路内に流入した液体を重力の作用により一時貯留部へ戻すことができる。これにより、液体が流体通路内に残留しにくくなり、流体通路内で液体が乾燥して固着し、これにより液体流路が詰まるような事態を抑制できる。特に、流体通路の内壁面が液体に対する撥液性を有していれば、流体通路内に流入した液体を一時貯留部へ戻す効果はより高まる。
(態様J)
前記態様A〜Iのいずれかの態様において、前記流体通路は、前記液体収容空間内の気体については前記流体搬送力で前記逆止弁から排出できる大きさの圧力損失を生じさせ、該液体収容空間内の液体については該流体搬送力では該逆止弁から排出できない大きさの圧力損失を生じさせるように、該流体通路内を流れる流体の流れ方向に対して直交する断面積が設定されていることを特徴とする。
これによれば、流体搬送手段によって、液体収容空間内の気体については流体通路を通過して逆止弁から排出され、かつ、液体収容空間内の液体については流体通路を通過できずに逆止弁から排出されない大きさの流体搬送力を安定して発生させることができる。
1 記録ヘッド
4 キャリッジ
5 サブタンク
19 用紙
22 供給チューブ
23 インクカートリッジ
25 送液ポンプ
60 逆止弁
70 フィラー
72 可撓性フィルム
73 連通路
73a 細管部分
77 インク吐出面
78 気泡
79 傾斜面
88 バルブ室
89 可撓性フィルム
90 ストッパ
92 パッキン
93 吸収体
95 リリーフバルブ
97 フィラー
104 微細孔
107 ローラ
501 装置本体
502 印字機構部
特開平11−320901号公報

Claims (10)

  1. 液体を収容する液体収容器と、
    前記液体収容器から供給される液体を被吐出対象へ吐出する液体吐出ヘッドと、
    前記液体収容器と前記液体吐出ヘッドとの間の液体供給路に設けられ、前記液体収容器から供給される液体を液体収容空間内に一時的に貯留する一時貯留部とを備えた画像形成装置において、
    前記一時貯留部の前記液体収容空間に一端側が接続され、前記液体供給路よりも流体抵抗の大きい流体通路と、
    前記流体通路の他端側に設けられ、該流体通路から流体を排出する方向のみ流体が通過可能な逆止弁と、
    前記液体収容空間内の気体については前記流体通路を通過して前記逆止弁から排出され、かつ、該液体収容空間内の液体については該流体通路を通過できずに該逆止弁から排出されない大きさの流体搬送力を発生させる流体搬送手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 液体を収容する液体収容器と、
    前記液体収容器から供給される液体を被吐出対象へ吐出する液体吐出ヘッドと、
    前記液体収容器と前記液体吐出ヘッドとの間の液体供給路に設けられ、前記液体収容器から供給される液体を液体収容空間内に一時的に貯留する一時貯留部とを備えた画像形成装置において、
    前記一時貯留部に設けられて、前記一時貯留部の前記液体収容空間に一端側が接続され、前記液体供給路よりも流体抵抗の大きい流体通路と、
    前記流体通路の他端側に設けられ、該流体通路から流体を排出する方向のみ流体が通過可能な逆止弁と、
    前記液体収容器から前記液体供給路を介して前記一時貯留部へ液体を送り込む送液動作を行う送液手段と、
    前記液体収容空間内の圧力を検知する圧力検知手段と、
    前記送液手段により前記一時貯留部へ液体を送り込んで前記液体収容空間の圧力を上昇させ、前記圧力検知手段が検知する圧力が所定の閾値を超えたら該送液手段の送液動作を停止させることにより、前記液体収容空間内の気体については前記流体通路を通過して前記逆止弁から排出され、かつ、該液体収容空間内の液体については該流体通路を通過できずに該逆止弁から排出されない大きさの流体搬送力を発生させる流体搬送手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1の画像形成装置において、
    前記液体収容器から前記液体供給路を介して前記一時貯留部へ液体を送り込む送液動作を行う送液手段を有し、
    前記流体搬送手段は、前記送液手段により前記一時貯留部へ液体を送り込むことにより前記液体収容空間の圧力を上昇させて、前記流体搬送力を発生させるものであることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3の画像形成装置において、
    前記液体収容空間内の圧力を検知する圧力検知手段を有し、
    前記流体搬送手段は、所定の排気動作タイミングに前記送液手段の送液動作を開始させ、前記圧力検知手段が検知する圧力が所定の閾値を超えたら該送液手段の送液動作を停止させることにより、前記流体搬送力を発生させることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記送液手段として、前記一時貯留部と前記液体収容器との間を接続するチューブと、該チューブを押し潰すように接触して回転する回転体とから構成されるチュービングポンプを用い、
    前記回転体は、前記チューブ内に所定の隙間が生じるように該チューブに接触することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記一時貯留部には、前記流体通路と接続する開口とは別の第2開口が設けられ、
    前記液体収容空間の圧力が規定圧力以下であるときには閉弁状態を維持し、該規定圧力を超えたら開弁状態となる弁部材が前記第2開口に設けられており、
    前記弁部材が開弁状態になることで前記液体収容空間内の流体が流入して容積が増大する可変容積空間を備えた容積可変部材を有することを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項6の画像形成装置において、
    前記容積可変部材の可変容積空間の圧力又は該可変容積空間の容積を検知する検知手段を有し、
    前記流体搬送手段は、前記検知手段が検知する圧力又は容積が規定値を超えたら、前記送液手段の送液動作を停止させることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記流体通路の外壁面に前記液体を吸収可能な吸収体を設け、
    前記流体通路に、該流体通路の内部と前記吸収体との間を連通させる微細孔を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記流体通路における少なくとも前記一端側の流体通路部分は、前記一時貯留部に向かって下方に傾斜している又は鉛直方向下側に向かっていることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記流体通路は、前記液体収容空間内の気体については前記流体搬送力で前記逆止弁から排出できる大きさの圧力損失を生じさせ、該液体収容空間内の液体については該流体搬送力では該逆止弁から排出できない大きさの圧力損失を生じさせるように、該流体通路内を流れる流体の流れ方向に対して直交する断面積が設定されていることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP7435139B2 (ja) 2020-03-26 2024-02-21 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録装置

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