以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、プリンタ10が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、開閉カバー151が設けられている面を前面として前後方向8が定義され、プリンタ10を前方から後方に視て左右方向9(幅方向の一例)が定義される。上下方向7、前後方向8、及び左右方向9は互いに直交している。本実施形態では、上下方向7が鉛直方向に相当し、前後方向8及び左右方向9が水平方向に相当する。
[プリンタ10の全体構成]
図1に示されるプリンタ10(インクジェット記録装置の一例)は、インクジェット記録方式で用紙12(シートの一例、図2参照)に画像を記録する機能を有している。
図1に示されるように、プリンタ10は、概ね直方体に形成された筐体14を備えている。筐体14は、前壁141、後壁142、上壁143、下壁144、右壁145、及び左壁146を備えている。筐体14の内部空間13(図2参照)は、前壁141、後壁142、上壁143、下壁144、右壁145、及び左壁146によって構成されている。
上壁143は、傾斜壁148を備えている。傾斜壁148は、左右方向9において少なくとも後述するプラテン42(図2及び図3参照)の左端から右端に亘って設けられている。なお、図3において、用紙12が搬送される搬送路65は、左右方向9において2本の一点鎖線の間の領域を指す。つまり、搬送路65は、左右方向9においてプラテン42の左端と右端の間の領域である。
図1及び図2に示されるように、傾斜壁148は、前方へ向かうにしたがって上方へ向かって傾斜している。図1に示されるように一対の側壁149が、傾斜壁148の右端及び左端から上方へ延びている。上壁143における傾斜壁148以外の部分は、前後方向8及び左右方向9に拡がっている。傾斜壁148の後端は上壁143の他の部分よりも下方に位置しているため、傾斜壁148の後端と上壁143の他の部分との間には、段差がある。この段差に、前方を向いた開口150が形成されている。また、傾斜壁148の後端及び開口150は、後述する記録部24より後方に位置している。つまり、傾斜壁148は、記録部24より後方において、開口150から前方へ向かうにしたがって上方へ向かって傾斜している。
図2に示されるように、上壁143は、筐体14の内部空間13の上端を構成している。上壁143は、後述する記録部24の上方に位置している。本実施形態では、上壁143の全てが記録部24より上方に位置しているが、上壁143の一部(例えば傾斜壁148の下端)が記録部24より下方に位置していてもよい。
図1に示されるように、2つの開閉カバー151、152が、前壁141に設けられている。
開閉カバー151は、左右方向9において少なくともプラテン42(図2及び図3参照)の左端から右端に亘って設けられている。開閉カバー151は、前壁141によって、開閉カバー151の下端部において左右方向9に延びた軸151A(図2参照)周りに回動可能に支持されている。開閉カバー151は、図1に実線で示される閉位置と、図1に破線で示される開位置とに回動可能である。図2に示されるように、搬送路65の第1湾曲路66を構成するガイド部材19が、開閉カバー151に取り付けられている。つまり、ガイド部材19は、開閉カバー151と一体に回動する。開閉カバー151が閉位置のとき、ガイド部材19が第1湾曲路66を構成する。このとき、後述するガイド部材18の湾曲面18Aが外部から閉塞される。開閉カバー151が開位置のとき、第1湾曲路66が筐体14の外部に露出される。このとき、湾曲面18Aが外部に露出される。これにより、ユーザが第1湾曲路66に詰まった用紙12を容易に取り出すことができる。
図1に示されるように、開閉カバー152は、開閉カバー151の右上方、つまり前壁141の右上部に設けられている。開閉カバー152は、前壁141によって、開閉カバー152の下端部において左右方向9に延びた軸周りに回動可能に支持されている。
図3に示されるように、開閉カバー152の後方に、装着部110が配置されている。つまり、装着部110は、筐体14の内部空間13の右前上部に設けられている。装着部110は、前方が開放された箱形状の部材である。装着部110の内部空間110Aに後述するタンク30(貯留体の一例)が配置されている。
開閉カバー152は、図1に実線で示される閉位置と、図1に破線で示される開位置とに回動可能である。開閉カバー152が閉位置のとき、装着部110及びタンク30は開閉カバー152によって外部から閉塞されている。開閉カバー152が開位置のとき、装着部110及びタンク30は外部に露出されている。
図2に示されるように、プリンタ10は、給送トレイ20(トレイの一例)と、給送部15と、第1搬送ローラ対54と、第2搬送ローラ対55と、第3搬送ローラ対56と、記録部24と、プラテン42と、センサ120と、ロータリエンコーダ121と、メンテナンスユニット70と、インク受け部92とを備えている。給送部15、第1搬送ローラ対54、第2搬送ローラ対55、第3搬送ローラ対56、記録部24、プラテン42、センサ120、ロータリエンコーダ121、メンテナンスユニット70、及びインク受け部92は、筐体14の内部空間13に配置されている。
[給送トレイ20]
図1に示される給送トレイ20は、筐体14の前壁141における開閉カバー151の下方に形成された開口を通じて、後方へ挿入されて筐体14へ装着され、前方へ引き出されて筐体14から脱抜される。
図2に示されるように、給送トレイ20は、上方が開放された箱形状であり、底面21に積層された複数の用紙12を支持する。
給送トレイ20は、筐体14に装着された状態における底面21の前部から前方斜め上方へ延びた傾斜壁22を備える。傾斜壁22の後面22Aの左右方向9の中央部に、分離部34が設けられている。分離部34は、当接した複数の用紙12のうちの最上位置の用紙12を他の用紙12から分離する機能を有する。分離部34は、当該機能の実現のために、後面22Aに沿っており且つ左右方向9に直交する傾斜方向6に沿って並んだ複数の歯を備えている。なお、分離部34は、当該機能を実現できることを条件として、複数の歯を備えた構成以外の構成であってもよい。例えば、分離部34は、複数の歯の代わりにコルクを備えていてもよい。
[給送部15]
図2に示されるように、給送部15は、給送ローラ25と、給送アーム26と、軸27とを備えている。
給送ローラ25は、給送アーム26の先端部261に回転可能に支持されている。給送ローラ25は、給送トレイ20に用紙12が支持されている場合には用紙12に、給送トレイ20に用紙12が支持されていない場合には給送トレイ20の用紙12の底面21に、上方から当接する。
給送アーム26は、その基端部262を、プリンタ10のフレーム45によって、軸27周りに回動可能に支持されている。基端部262は、先端部261より後方且つ上方に位置している。
給送ローラ25は、モータ(不図示)から駆動力を伝達されることによって回転する。これにより、給送ローラ25は、給送トレイ20に支持された用紙12を、前方へ搬送して、搬送路65の第1湾曲路66へ向けて給送する。
給送ローラ25によって給送された一または複数の用紙12の先端が、分離部34の複数の歯に当接する。分離部34は、複数の用紙12の先端が複数の歯に当接した場合に、複数の用紙12のうち給送ローラ25と当接している最上位置の用紙12を、他の用紙12から分離する。これにより、最上位置の用紙12のみが、第1湾曲路66へ給送される。
搬送路65へ給送された用紙12は、搬送路65に沿って搬送向き16に搬送される。搬送向き16は、搬送路65に沿った方向で、図2に一点鎖線の矢印で示されている。給送トレイ20によって搬送向き16に搬送される用紙12は、搬送路65に位置する第1搬送ローラ対54へ向かう。
[搬送路65]
図2に示されるように、筐体14の内部空間13には、用紙12が通過する搬送路65が形成されている。搬送路65は、所定間隔を隔てて対向するガイド部材18、19によって形成される空間、記録部24とプラテン42とによって形成される空間、及び所定間隔を隔てて対向するガイド部材28、29によって形成される空間を指す。
搬送路65は、湾曲された第1湾曲路66と、直線的に延びる延出路67と、湾曲された第2湾曲路68とで構成されている。
第1湾曲路66は、筐体14の内部空間13の前部に形成されている。第1湾曲路66は、給送トレイ20の前端部から第1搬送ローラ対54へ至る経路である。第1湾曲路66は、所定間隔を隔てて対向するガイド部材18(ガイド部材の一例)とガイド部材19、38とによって形成されている。
ガイド部材18は、記録部24より前方に配置されている。ガイド部材18は、前方へ向けて凸となるように湾曲された湾曲面18A(湾曲面の一例)を有する。ガイド部材19は、ガイド部材18の前方に位置している。ガイド部材19は、前方へ向けて凹むように湾曲された湾曲面19Aを有する。ガイド部材38は、ガイド部材18の上方であってガイド部材19と記録部24との間に位置している。ガイド部材38は、後方へ向かうにしたがって下方へ向かって延びた湾曲面38Aを有する。
湾曲面18Aは、給送トレイ20から第1搬送ローラ対54へ向かう用紙12の第1面12Aをガイドする。湾曲面19A、38Aは、給送トレイ20から第1搬送ローラ対54へ向かう用紙12の第2面12Bをガイドする。用紙12の第1面12Aは、用紙12が給送トレイ20に支持されているときに上を向く面であり、用紙12が記録部24とプラテン42の間に位置しているときにプラテン42と対面してプラテン42に支持される面である。用紙12の第2面12Bは、用紙12が給送トレイ20に支持されているときに下を向く面であり、用紙12が記録部24とプラテン42の間に位置しているときに記録部24と対面してインク滴が吐出される面である。
第1湾曲路66は、第1経路66Aと第2経路66Bとを備えている。第1経路66Aは、給送トレイ20の前端部から前方へ延び、上方へ向かいつつ前方から後方へUターンする経路である。第1経路66Aは、ガイド部材18、19によって形成されている。第1経路66Aの一端は、給送トレイ20の前端部と連続している。これにより、給送トレイ20の底面21に支持された用紙12は、給送ローラ25によって第1経路66Aへ給送される。第1経路66Aの他端は、第2経路66Bと連続している。第2経路66Bは、第1経路66Aの他端から後方へ向かうに従って下方へ向かって延びる経路である。第2経路66Bは、ガイド部材18、38によって形成されている。第2経路66Bの一端は、第1経路66Aの他端と連続している。第1経路66Aと第2経路66Bとの境界は、第1湾曲路66の上端66Cである。第2経路66Bの他端は、延出路67の前端と連続している。
延出路67は、筐体14の内部空間13の中央部に形成されている。延出路67は、給送トレイ20より上方に位置している。延出路67は、上下方向7において筐体14の上壁143の下面143Aと対向している。延出路67は、記録部24とプラテン42とによって形成されている。延出路67は、第1湾曲路66の他端から後方へ延びており、第1搬送ローラ対54から記録部24を経て第2搬送ローラ対55に至る経路である。延出路67の前端は、上述したように第1湾曲路66の他端と連続している。延出路67の後端は、第2湾曲路68と連続している。
第2湾曲路68は、筐体14の内部空間13の後部に形成されている。第2湾曲路68は、延出路67の後端から後方へ延び、上方へ向かいつつ後方から前方へUターンして、開口150へ至る経路である。第2湾曲路68の一端は、上述したように延出路67の後端と連続している。第2湾曲路68の他端は、開口150と連続している。第2湾曲路68は、所定間隔を隔てて対向するガイド部材28とガイド部材29とによって形成されている。
ガイド部材28は、記録部24より後方に配置されている。ガイド部材28は、後方へ向けて凸となるように湾曲された湾曲面28Aを有する。ガイド部材29は、ガイド部材28の後方に位置している。ガイド部材29は、後方へ向けて凹むように湾曲された湾曲面29Aを有する。
湾曲面28Aは、プラテン42から開口150へ向かう用紙12の第2面12Bをガイドする。湾曲面29Aは、プラテン42から開口150へ向かう用紙12の第1面12Aをガイドする。
[第1搬送ローラ対54、第2搬送ローラ対55、第3搬送ローラ対56]
図2に示されるように、第1搬送ローラ対54は、搬送路65の延出路67における記録部24の前方に位置している。第1搬送ローラ対54は、互いに対向する第1搬送ローラ60(第1ローラの一例)及びピンチローラ61を備える。第1搬送ローラ60は、モータ(不図示)から駆動力を伝達されることによって駆動される。ピンチローラ61は、第1搬送ローラ60の回転に伴って連れ回る。
第2搬送ローラ対55は、延出路67における記録部24の後方(第1搬送ローラ対54よりも搬送向き16の下流)に位置している。第2搬送ローラ対55は、互いに対向する第2搬送ローラ62(第2ローラの一例)及び拍車63を備える。第2搬送ローラ62は、モータ(不図示)から駆動力を伝達されることによって駆動される。拍車63は、第2搬送ローラ62の回転に伴って連れ回る。
第3搬送ローラ対56は、第2湾曲路68における開口150の近傍に位置している。第3搬送ローラ対56は、互いに対向する第3搬送ローラ57及び拍車58を備える。第3搬送ローラ57は、モータ(不図示)から駆動力を伝達されることによって駆動される。拍車58は、第3搬送ローラ57の回転に伴って連れ回る。
なお、第1搬送ローラ60、第2搬送ローラ62、第3搬送ローラ57、及び上述した給送ローラ25は、共通のモータから駆動力を伝達されてもよいし、異なるモータから駆動力を伝達されてもよい。
第1搬送ローラ対54、第2搬送ローラ対55、及び第3搬送ローラ対56は、用紙12を挟持(ニップ)して搬送向き16に搬送する。つまり、第1搬送ローラ対54は、プラテン42へ向けて用紙12を搬送し、第2搬送ローラ対55は、第3搬送ローラ対56へ向けて用紙12を搬送し、第3搬送ローラ対56は、開口150から用紙12を排出する。
給送トレイ20に支持された用紙12は、給送ローラ25によって第1湾曲路66へ給送され、第1湾曲路66に沿って第1搬送ローラ対54へ向けて搬送される。用紙12の先端(搬送向き16の下流端)が第1搬送ローラ対54へ到達すると、第1搬送ローラ対54は、用紙12をニップして、延出路67に沿って搬送向き16(後方)に搬送する。用紙12の先端が第2搬送ローラ対55へ到達すると、第2搬送ローラ対55は、用紙12をニップして、第2湾曲路68に沿って搬送向き16に搬送する。用紙12の先端が第3搬送ローラ対56へ到達すると、第3搬送ローラ対56は、用紙12をニップして搬送向き16(前方)に搬送する。第3搬送ローラ対56に搬送された用紙12は、開口150から筐体14の上壁143の傾斜壁148へ排出される。つまり、開口150は、第3搬送ローラ対56に搬送された用紙12を後方から前方へ向けて排出する。用紙12が傾斜壁148上にある状態で後続の用紙12が傾斜壁148へ排出された場合、当該後続の用紙12は、既に傾斜壁148上にある用紙12に積載される。
[記録部24]
図2に示されるように、記録部24は、給送トレイ20の上方に位置しており、搬送路65の延出路67の上方に延出路67と対向して位置している。本実施形態において、記録部24は、延出路67における第1搬送ローラ対54及び第2搬送ローラ対55の間に位置している。
記録部24は、プラテン42の上方にプラテン42に対向して設けられている。プラテン42は、延出路67の下方に位置している。つまり、プラテン42は、上下方向7において記録部24と給送トレイ20との間に配置されている。プラテン42は、用紙12の第1面12Aを下方から支持する。
記録部24は、キャリッジ23と、ヘッド39とを備えている。
図3に示されるように、キャリッジ23からは、インクチューブ32(チューブの一例)が延出されている。インクチューブ32は、タンク30に貯留されているインクをヘッド39に供給する。
キャリッジ23は、プリンタ10のフレームの一部を構成しているガイドレール43、44によって移動可能に支持されている。ガイドレール43、44は、前後方向8に離間して配置されている。ガイドレール43は、ヘッド39より前方に位置している。ガイドレール44は、ヘッド39より後方に位置している。ガイドレール43、44は、左右方向9へ延設されている。キャリッジ23は、ガイドレール43またはガイドレール44に設けられた公知のベルト機構(不図示)に連結されている。ベルト機構は、キャリッジ駆動用モータ(不図示)から駆動力を伝達されることによって周運動する。ベルト機構が周運動することによって、キャリッジ23は、左右方向9に沿って移動する。
キャリッジ23は、左右方向9において、延出路67上のみならず、延出路67の外側まで移動可能である。換言すると、キャリッジ23は、延出路67より右方の右外位置(図3に破線で示される位置)から、延出路67より左方の左外位置(図3に実線で示される位置)に亘って移動可能である。
図2に示されるように、ヘッド39は、キャリッジ23に搭載されている。ヘッド39は、サブタンク(不図示)と、複数のノズル40と、インク流路(不図示)と、圧電素子(不図示)とを備えている。
サブタンクには、タンク30からインクチューブ32を介してインクが供給される。複数のノズル40は、ヘッド39の下面に開口されている。インク流路は、サブタンクと複数のノズル40とを繋ぐ。圧電素子は、インク流路の一部を変形させることでノズル40からインク滴を吐出させる。圧電素子は、プリンタ10の動作を制御するコントローラ(不図示)により給電されることで動作する。圧電素子の動作によってノズル40からインク滴が吐出される。キャリッジ23が移動する過程において、プラテン42に支持されている用紙12に対してヘッド39がインク滴を吐出する。これにより、用紙12に画像が記録される。
[センサ120]
図2に示されるように、センサ120は、搬送路65の第1湾曲路66に位置する。センサ120は、センサ120の配置位置に用紙12が存在することを検知するためのセンサであり、公知のものが採用可能である。給送ローラ25によって搬送された用紙12は、センサ120の配置位置を通過して第1搬送ローラ対54に到達する。センサ120は、用紙12が配置位置に存在していることに応じて、ハイレベル信号またはローレベル信号の一方(本実施形態ではローレベル信号)をコントローラに出力する。一方、センサ120は、用紙12が配置位置に存在していないことに応じて、ハイレベル信号またはローレベル信号の他方(本実施形態ではハイレベル信号)をコントローラへ出力する。
[ロータリエンコーダ121]
図2に示されるように、プリンタ10は、第1搬送ローラ60の回転量に応じたパルス信号を発生させる公知のロータリエンコーダ121を備える。ロータリエンコーダ121は、エンコーダディスク123と、光学センサ124とを備える。エンコーダディスク123は、第1搬送ローラ60に取り付けられており、第1搬送ローラ60の回転と共に回転する。光学センサ124は、回転するエンコーダディスク123を読み取ってパルス信号を生成し、生成したパルス信号をコントローラへ出力する。コントローラは、受け取ったパルス信号によって第1搬送ローラ60の回転量を判断する。つまり、ロータリエンコーダ121は、第1搬送ローラ60の回転を計測するための部材である。また、コントローラは、センサ120から受け取った信号と、ロータリエンコーダ121から受け取ったパルス信号とに基づいて、搬送路65における用紙12の位置を判断する。
図3に示されるように、エンコーダディスク123は、第1搬送ローラ60の右端部に取り付けられている。第1搬送ローラ60の右端部は、プラテン42より右方に位置する。つまり、エンコーダディスク123は、プラテン42の右端より右方に配置されている。なお、エンコーダディスク123は、プラテン42の左端より左方に配置されていてもよい。
[タンク30]
図1に破線で示されるタンク30は、インクが貯留される容器である。タンク30は、直方体形状であって内部空間を有する。当該内部空間にインクが貯留される。なお、タンク30の形状は、直方体に限らない。
本実施形態において、装着部110には、1つのタンク30が据え付けられており、当該1つのタンク30に貯留されているインクの色は、ブラックである。なお、タンク30に貯留されているインクの色は、ブラック以外の色であってもよい。
図1及び図3に示されるように、タンク30は、装着部110に配置されている。装着部110は、ガイドレール43より上方に位置している。つまり、装着部110及びタンク30は、ガイド部材18、19、38より上方に位置している。
図3に示されるように、装着部110は、プラテン42より右方に位置する。つまり、装着部110は、プラテン42の右端より右方に配置されている。すなわち、タンク30及びエンコーダディスク123は、双方ともに、プラテン42より右方に位置する。換言すると、タンク30及びエンコーダディスク123は、左右方向9におけるプラテン42よりも両外側の2つの空間のうち、同じ側の空間(本実施形態ではプラテン42より右方の空間)に位置している。つまり、タンク30及びエンコーダディスク123は、左右方向9におけるプラテン42の一端側に位置している。なお、装着部110は、プラテン42より左方に配置されていてもよい。
また、装着部110及びタンク30は、左右方向9においてプラテン42とエンコーダディスク123との間に位置している。本実施形態では、装着部110及びタンク30は、エンコーダディスク123よりも左方に位置している。なお、装着部110及びエンコーダディスク123が、プラテン42より左方に位置する場合、装着部110及びタンク30は、エンコーダディスク123よりも右方に位置している。
タンク30の前壁31の上部は、上方へ向かうに従って後方へ向かって傾斜した傾斜壁31Aとなっている。この傾斜壁31Aに、供給口33が形成されている。供給口33は、第1搬送ローラ60より前方に位置している。供給口33は、タンク30の内部空間と外部とを連通させる貫通孔である。開閉カバー152が開位置に位置するときに、供給口33は外部に露出される。この状態において、インクが貯留されたボトルが供給口33に挿入されることによって、ボトルからタンク30の内部空間へインクが供給される。
なお、供給口33が形成されるのは、傾斜壁31Aに限らない。例えば、供給口33は、タンク30の上壁に形成されていてもよい。この場合、ボトルは供給口33へ上方からアクセスされる。そのため、筐体14の上壁143における供給口33に真上部分に、開閉カバーが設けられる。
タンク30の左側壁35の左面35A、つまり左右方向9の内側を向く面の下部に、排出口36が形成されている。排出口36は、タンク30の内部空間と外部とを連通させる貫通孔である。排出口36は、ガイドレール43より前方に位置している。
装着部110の左側壁111には、流通管112(接続部の一例)が設けられている。流通管112は、エンコーダディスク123よりも前方に位置している。
流通管112は、左側壁111を貫通している。流通管112の一端(装着部110の内部側の端)は、タンク30の排出口36に接続されている。つまり、流通管112は、タンク30の左側壁35の左面35A(タンク30の左右方向9の内側を向く面)に設けられている。流通管112の他端(装着部110の外部側の端)は、インクチューブ32に接続されている。これにより、タンク30の内部空間とインクチューブ32とが、流通管112を介して連通されている。
なお、本実施形態では、流通管112が接続部の一例であったが、接続部は、流通管112に限らず、タンク30とインクチューブ32とを接続する機能を有するものであればよい。
[インクチューブ32]
図3に示されるように、インクチューブ32の一端32Aは、流通管112を介してタンク30と接続されている。インクチューブ32の他端32Bは、記録部24と接続されている。詳細には、インクチューブ32の他端32Bは、ヘッド39のサブタンク及びインク流路を介してノズル40と接続されている。
キャリッジ23の上面には、上方へ突出した中空の筒体41が設けられている。筒体41は、キャリッジ23によって上下方向7に延びた軸周りに回転可能に支持されている。筒体41の内部空間は、ヘッド39のサブタンクと連通している。筒体41は、その側面に開口を有しており、当該開口にインクチューブ32の他端32Bが接続される。筒体41が回転することによって、キャリッジ23が左右方向9のいずれの位置にある場合であっても、筒体41の開口は固定部47を向いた状態を維持可能である。なお、記録部24とインクチューブ32とが接続される構成は、上記の筒体41を用いた構成に限らない。例えば、単に、インクチューブ32の他端32Bが、キャリッジ23の上面に形成された開口に接続されてもよい。
インクチューブ32は、ガイドレール43の上面に支持されつつ、流通管112から左方且つ後方(左斜め後方)へ配管される。インクチューブ32は、エンコーダディスク123よりも後方を通過して、ヘッド39と接続されている。インクチューブ32は、ガイドレール43の上面の左右方向9の中央部に設けられた固定部47によって、ガイドレール43上に固定される。本実施形態において、固定部47は、クリップである。なお、固定部47は、公知の種々の構成、例えばインクチューブ32をガイドレール43との間に挟み込んで固定するような部材を用いた構成が採用可能である。
図2に示されるように、固定部47は、ガイドレール43の上方に取り付けられているため、ガイドレール43より上方に位置する。つまり、固定部47は、ガイドレール43より下方のヘッド39及びガイド部材18、19、38より上方に位置している。また、固定部47は、前後方向8において、第1搬送ローラ対54と第2搬送ローラ対55の間に位置している。
インクチューブ32は、固定部47から記録部24までの部分を、他の部材に固定されることなく、固定部47から左方へ延びてから右方へ反転する略U字形状をなすように配管されている。これにより、インクチューブ32は、固定部47から記録部24までの部分が筐体14内の他の部材に固定されずに自由に撓むことができ、この部分がキャリッジ23の左右方向9への移動に追従して姿勢変化する。
キャリッジ23は、右外位置及び左外位置の間を移動可能であり、タンク30は、筐体14の右部に配置されている。そのため、キャリッジ23が左外位置に位置しているとき、キャリッジ23とタンク30とは、左右方向9において最も離れている。このとき、図3に示されるように、インクチューブ32の一端32Aと他端32Bとは、上下方向7から見て直線状に延びている。つまり、インクチューブ32の一端32A及び他端32Bと、インクチューブ32を固定している固定部47とは、上下方向7に見て一直線上に位置している。なお、インクチューブ32の一端32A、インクチューブ32の他端32B、及び固定部47は、上記のように一直線上に位置していなくてもよい。
[メンテナンスユニット70]
図3に示されるように、プリンタ10は、メンテナンスユニット70を備える。メンテナンスユニット70は、ヘッド39のメンテナンスを行うものである。より詳細には、メンテナンスユニット70は、ノズル40内のインクや空気、及びノズル40が開口された面(ヘッド39の下面)に付着した異物を吸引するパージ動作を実行する。なお、ノズル40内のインクや空気、及びノズル面に付着した異物のことを、以下ではインク等と表記する。メンテナンスユニット70によって吸引除去されたインク等は、廃液タンク74に保持される。
メンテナンスユニット70は、キャリッジ23の移動経路の下方であって、左右方向9におけるプラテン42及びガイド部材18の外側に配置される。本実施形態では、メンテナンスユニット70は、プラテン42及びガイド部材18の右端より右方に配置されているが、プラテン42及びガイド部材18の左端より左方に配置されてもよい。また、メンテナンスユニット70は、第1搬送ローラ60より後方に位置している。
図4に示されるように、メンテナンスユニット70は、キャップ71と、チューブ72と、ポンプ73とを備えている。
キャップ71は、ゴムにより構成されている。キャップ71は、キャリッジ23が右外位置に位置するときに、ヘッド39に対面する位置に配置されている(図3参照)。チューブ72は、キャップ71からポンプ73を経由して廃液タンク74に至る。ポンプ73は、例えば、ロータリ式のチューブポンプである。ポンプ73は、モータ(不図示)に駆動されることによって、ノズル40内のインク等をキャップ71及びチューブ72を通じて吸引し、チューブ72を通じて廃液タンク74に排出する。つまり、キャップ71は、ヘッド39から排出されたインクを受けて、受けた液体を廃液タンク74へ排出するものである。
キャップ71は、例えば、上下方向7に離間した被覆位置及び離間位置の間を移動可能に構成されている。被覆位置のキャップ71は、右外位置のキャリッジ23のヘッド39に当接してヘッド39の下面を覆う。つまり、被覆位置のキャップ71は、下方からノズル40を覆う。これにより、ヘッド39の下面に開口されたノズル40が保護される。一方、離間位置のキャップ71は、ヘッド39の下面から離間する。図4には、離間位置のキャップ71が記されている。キャップ71は、モータ(不図示)によって駆動される不図示の昇降機構によって、被覆位置と離間位置との間を移動する。
図3に示されるように、廃液タンク74は、メンテナンスユニット70の後方に配置されている。つまり、廃液タンク74は、プラテン42及びガイド部材18の右端より右方に配置されている。なお、廃液タンク74は、プラテン42及びガイド部材18の左端より左方に配置されてもよい。
[インク受け部92]
図3に示されるように、プリンタ10は、インク受け部92を備える。インク受け部92は、キャリッジ23の移動経路の下方であって、左右方向9におけるプラテン42及びガイド部材18の外側に配置される。本実施形態では、インク受け部92は、プラテン42及びガイド部材18の左端より左方に配置されているが、プラテン42及びガイド部材18から右方に外れた位置に配置されてもよい。
インク受け部92は、上方が開放された箱形状の部材である。インク受け部92には、インク吸収体93が収容されている。インク受け部92は、インク吸収体93がインクを吸収することによって、ノズル40から吸引されたインクを収容可能である。
インク受け部92は、キャリッジ23が左外位置に位置するときに、ヘッド39に対面する位置に配置されている。キャリッジ23が左外位置に位置するときに、インク吸収体93は、フラッシングと呼ばれるノズル40からのインク滴の空吐出を上方から受ける。ヘッド39から空吐出されたインク滴は、インク吸収体93に吸収されてインク受け部92によって保持される。
[本実施形態の効果]
本実施形態によれば、インクチューブ32は、ヘッド39より上方に位置する固定部47によって固定されるため、インクチューブ32の引き回しがヘッド39によって阻害されることを低減できる。
また、固定部47が前後方向8において第1搬送ローラ60と第2搬送ローラ62の間に位置しているため、インクチューブ32の引き回し範囲が前後方向8に拡がることを抑制できる。
また、本実施形態では、記録部24の前方に位置するガイド部材18の上方には、空きスペースができる。本実施形態によれば、この空きスペースにタンク30が配置されるため、タンク30の配置によるプリンタ10の大型化を抑制することができる。
また、記録部24がタンク30から左右方向9に離れた位置にある場合、タンク30から記録部24へ引き回されたインクチューブ32は、左右方向9へ延びた状態となる。仮に、タンク30が左右方向9におけるプラテン42の右端側に位置する一方で、エンコーダディスク123が左右方向9におけるプラテン42の左端側に位置する場合、当該状態において、左右方向9へ延びたインクチューブ32がエンコーダディスク123に干渉するおそれがある。しかし、本実施形態では、タンク30及びエンコーダディスク123が、左右方向9におけるプラテン42の右端側に位置するため、上記のような干渉の可能性を低くすることができる。
また、本実施形態では、タンク30は、左右方向9においてプラテン42とエンコーダディスク123との間に位置している。そのため、タンク30が左右方向9においてエンコーダディスク123に対してプラテン42の反対側にある構成に比べて、タンク30とヘッド39との間の左右方向の距離を短くすることができる。そのため、インクチューブ32が長くなることを抑制することができる。
また、本実施形態では、インクチューブ32がエンコーダディスク123よりも後方を通過してヘッド39に接続されている。そのため、インクチューブ32を記録部24に対して前後方向8に近づけることができる。これにより、インクチューブ32が長くなることを抑制することができる。
また、本実施形態では、流通管112がタンク30の左面35Aに設けられているため、流通管112を記録部24に対して左右方向9に近づけることができる。これにより、インクチューブ32が長くなることを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、キャリッジ23がタンク30から左右方向9において最も離れた位置にある状態において、インクチューブ32の一端とインクチューブ32の他端と固定部47とは上下方向7から見て同一直線上に位置するため、インクチューブ32が長くなることを抑制することができる。
[変形例]
上記実施形態では、エンコーダディスク123及びタンク30は、共にプラテン42の右端より右方、つまりプラテン42に対して左右方向9において同じ側に配置されていた。しかし、エンコーダディスク123及びタンク30は、プラテン42に対して左右方向9において異なる側に配置されていてもよい。例えば、図5に示されるように、タンク30がプラテン42の右端より右方に配置される一方で、エンコーダディスク123がプラテン42の左端より左方に配置されてもよい。
上記実施形態では、メンテナンスユニット70及びタンク30は、共にプラテン42の右端より右方、つまりプラテン42に対して左右方向9において同じ側に配置されていた。しかし、メンテナンスユニット70及びタンク30は、プラテン42に対して左右方向9において異なる側に配置されていてもよい。例えば、例えば、図5に示されるように、タンク30がプラテン42の右端より右方に配置される一方で、メンテナンスユニット70がプラテン42の左端より左方に配置されてもよい。なお、この場合、廃液タンク74は、メンテナンスユニット70と同様に、プラテン42の左端より左方に配置されることが好ましい。また、この場合、インク受け部92は、メンテナンスユニット70とは左右方向9の反対側、つまりプラテン42の右端より右方に配置されることが好ましい。
上記実施形態では、タンク30は、エンコーダディスク123よりも左方、つまりエンコーダディスク123よりも左右方向9の内側に位置していた。しかし、タンク30の左右方向9の位置は、エンコーダディスク123よりも左右方向9の外側であってもよいし、エンコーダディスク123と左右方向9に同位置であってもよい。
上記実施形態では、流通管112は、エンコーダディスク123よりも前方に位置していたが、流通管112の位置は、エンコーダディスク123よりも前方に限らない。例えば、図6に示されるように、流通管112は、エンコーダディスク123より後方であってもよい。
図6に示される構成によれば、インクチューブ32を記録部24に対して前後方向8に近づけることができる。これにより、インクチューブ32が長くなることを抑制することができる。
上記実施形態では、タンク30はガイドレール43より上方に位置していたが、タンク30の位置はこれに限らない。
例えば、図7に示されるように、タンク30は、ガイドレール43より下方に位置していてもよい。
この場合、タンク30の後部は、左右方向9から見てエンコーダディスク123と重なる位置にある。なお、左右方向9から見てエンコーダディスク123と重なる位置にあるのは、タンク30の後部に限らず、例えばタンク30の前部であってもよいし、タンク30の全部であってもよい。つまり、タンク30の少なくとも一部が、左右方向9から見てエンコーダディスク123と重なる位置にある。
また、この場合、インクチューブ32は、流通管112から上方へ配管され、ガイドレール43より上方の位置において後方へ向きを変えて配管される。インクチューブ32は、ガイドレール43の上面より上方を後方から左斜め後方へ向きを変えて配管される。インクチューブ32は、ガイドレール43の上面の左右方向9の中央部に設けられた固定部47によって、ガイドレール43上に固定される。
図7に示される構成によれば、タンク30の少なくとも一部が、左右方向9から見てエンコーダディスク123と重なる位置にあるため、プリンタ10が前後方向8及び上下方向7に大型化することを抑制できる。
上記実施形態では、タンク30の排出口36がタンク30の左側壁35に形成されていたが、排出口36は左側壁35以外、例えば後壁37の後面37Aに形成されていてもよい。
上記実施形態では、開閉カバー152は、開閉カバー151の右方、つまり前壁141の右部に設けられていた。また、装着部110は、筐体14の内部空間13の右前部に設けられていた。しかし、開閉カバー152は、開閉カバー151の右方以外に設けられていてもよい。例えば、開閉カバー152は、開閉カバー151の左方、つまり前壁141の左部に設けられていてもよい。この場合、装着部110は、筐体14の内部空間13の左前部に設けられる。また、例えば、開閉カバー152は、筐体14の前壁141以外、例えば筐体14の右壁145に設けられていてもよい。この場合、装着部110は、筐体14の内部空間13の右部に設けられる。
上記実施形態では、装着部110には、1つのタンク30が配置されていた。つまり、プリンタ10は、1つのタンク30を備えていた。しかし、プリンタ10は、複数のタンク30を備えていてもよい。
例えば、図8に示されるように、プリンタ10は、複数のタンク30を備えていてもよい。この場合、装着部110は、複数のタンク30を装着可能に構成される。図8では、装着部110は4つのタンク30を装着しているが、装着部110が装着するタンク30の数は4つに限らない。また、図8では、4つのタンク30には、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローの色のインクが貯留されているが、貯留されるインクの色は前記に限らない。
また、例えば、プリンタ10は、複数の装着部110を備えており、装着部110の各々が少なくとも1つのタンク30を装着可能に構成されていてもよい。この場合、図9に示されるように、開閉カバー152は、開閉カバー151の右方及び左方に1つずつ設けられている。そして、装着部110は、2つの開閉カバー151の後方にそれぞれ設けられる。右方の開閉カバー152の後方に位置する装着部110は、ブラックのインクが貯留された1つのタンク30を装着可能に構成されており、左方の開閉カバー152の後方に位置する装着部110は、それぞれシアン、マゼンタ、及びイエローの色のインクが貯留された3つのタンク30を装着可能に構成されている。しかし、開閉カバー152の数、装着部110の数、及び各装着部110に装着されるタンク30の数や貯留されるインクの色は、前記の数や色に限らない。
上記実施形態では、タンク30が貯留体に相当していた。タンク30は、装着部110に据え付けられており、内部のインク残量が少なくなった場合に、供給口33を通じてインクが供給されるものであった。しかし、貯留体はタンク30に限らない。例えば、貯留体は、内部にインクが貯留されるインクカートリッジであってもよい。インクカートリッジは、装着部110に対して挿抜可能である。また、インクカートリッジの内部のインク残量が少なくなった場合、当該インクカートリッジが装着部110から脱抜され、内部のインク残量が多い新たなインクカートリッジが装着部110に挿入されて装着される。