JP2925394B2 - 保管容器 - Google Patents

保管容器

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JP2925394B2
JP2925394B2 JP4050636A JP5063692A JP2925394B2 JP 2925394 B2 JP2925394 B2 JP 2925394B2 JP 4050636 A JP4050636 A JP 4050636A JP 5063692 A JP5063692 A JP 5063692A JP 2925394 B2 JP2925394 B2 JP 2925394B2
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  • Packaging Of Annular Or Rod-Shaped Articles, Wearing Apparel, Cassettes, Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、吐出口からインクを吐
出して所望の記録を行う、記録装置に対して着脱自在と
されるインクジェットカートリッジを非使用時に収納保
管するための保管容器に関する。
【０００２】
【従来の技術】記録ヘッドからインクを吐出して所望の
記録を行うインクジェット記録装置は、大別して記録ヘ
ッドと記録ヘッドから吐出されるインクを収納したイン
クタンク部とを別体として有し、インクタンクをインク
の終了によって交換する形態のものと、記録ヘッドとイ
ンクタンクとを一体的に備え、これらを装置に対して交
換可能に構成したカートリッジ形態のものとがある。
【０００３】カートリッジ形態の記録ヘッドは、たとえ
ば特開平3-101944号公報、特開平3-101945号公報、特開
平3-176156号公報、特開平3-234659号公報に開示される
ように物流時には記録ヘッドの吐出口部分にシールを施
し、さらにキャップによって吐出口部分のシールを押さ
えた形態で、いわゆるブリスタパック収納容器に収納保
管されていた。
【０００４】ところで、このようなインクジェットカー
トリッジが記録のために使用されている途中で、何らか
の事情によりカートリッジを一時的に保管する必要性が
生じた場合に、上述の収納容器を再保存のために利用す
ることは困難であった。すなわち、使用のために一旦開
封されたカートリッジに対しては、キャップを取りつけ
容器に入れ込むことはできるものの吐出口の密閉状態を
構成することができないため吐出口部分からのインクの
蒸発を抑制することができず吐出口の目詰まりなどを引
き起こす虞があった。
【０００５】一方、カートリッジの保管のための専用の
収納容器の構成が特開昭61-93264号公報、特開昭61-932
64号公報などに提案されている。これは容器内を実質的
に密閉空間とするための蓋を設け、容器を構成する材料
に通気性の極めて低いものを使用してインクの蒸発を抑
制しようとしたものである。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、密閉空
間内がインク成分と同様な組成、すなわち平衡状態とな
るまでインクが蒸発する虞があったり、周囲環境の変化
によって吐出口からインクが漏れだしたりする虞がある
とともに、密閉性も十分確保することも難しく、吐出口
の目詰まりを生じる場合があり信頼性が十分とは言えな
かった。
【０００７】本発明は、前述の技術課題を改善し、使用
途中のインクジェットカートリッジを信頼性高く保管す
ることができる保管容器を提供することを目的とする。
【０００８】本発明者等は、前述の目的を達成するため
に鋭意検討を重ねた結果、保管容器に少なくともキャッ
プと吸収体とを備えることで、吐出口のより高い密閉性
を確保してインクの蒸発を抑制するとともに、周囲環境
の変化によって漏れたインクを吸収体に貯留することで
キャップ内を湿潤状態とすることにより、吐出口の目詰
まりが防止でき、信頼性の高い保存状態を達成できると
の知見を得た。
【０００９】加えて、キャップにポンプを接続して吐出
口からのインク排出を行わせる、いわゆる回復機構を備
えることで、目詰まりが生じた吐出口であってもインク
排出動作によって回復することができ、より一層高信頼
性を有する保管容器を提供できるとの知見を得た。
【００１０】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の知見に基
づいてなされたものであって、インクを吐出するための
記録ヘッド部と、該記録ヘッド部に供給されるインクを
貯留したインクタンク部と、を備え、記録装置に対して
交換可能に構成されたインクジェットカートリッジを収
納保管する保管容器であって、該保管容器は、前記記録
ヘッド部のインク吐出口面に当接して該インク吐出口面
を覆うためのキャップ部材と、前記キャップ部材に連通
して前記記録ヘッドからインクを排出させるため圧力を
発生させるポンプ手段と、該キャップ部材に連通して設
けられ前記ポンプ手段により前記記録ヘッド部から排出
されたインクを吸収するための吸収部材と、を備えてい
ることを特徴とする。
【００１１】
【００１２】本発明は、少なくともキャップと吸収体と
を備えているため、吐出口のより高い密閉性を確保する
ことができるため、吐出口からのインクの蒸発を抑制す
ることが可能となる。また、吸収体によって周囲環境の
変化によって漏れたインクを貯留することができるた
め、吐出口形成面とキャップによって構成された空間内
を湿潤状態とすることにより、吐出口の目詰まりを生じ
にくくすることができる。また、回復機構を備えること
で、例え目詰まりが発生した吐出口があったとしても吐
出口からインクを排出させて目詰まりを解消することが
できる。
【００１３】
【実施例】以下、本発明が適用された具体的実施例を図
面を参考にして詳細に説明する。
【００１４】図４は、本発明が適用された実施例にかか
る保管容器の外観を概略的に示す斜視図である。また、
図１は、本発明が適用された実施例にかかる保管容器の
構成を概略的に示す断面図である。
【００１５】図４に示されるように、保管容器は、イン
クカートリッジ１が収納配置される収納部とインクカー
トリッジが出し入れされる開口部とを備えた下筺体２と
開口部を覆いインクカートリッジが出し入れされる際に
開閉される蓋部材としての上筺体３とを備えている。こ
の上筺体３はヒンジピン１２を軸として下筺体２に対し
て開閉され、インクカートリッジ１の出し入れを行う。
【００１６】さらに保管容器は図１に示されるように、
下筺体２の一端側にインクジェットカートリッジ１が容
器内に装着されることでインク吐出口面を覆うキャップ
４が対応する位置に設けられている。このようにインク
吐出口面をキャップ４によって覆うことで密閉空間を構
成し吐出口からの不要なインクの蒸発を抑制することが
できる。なお、インク吐出面とキャップ４とによって形
成される高精度の密閉空間を構成するために後述するバ
ネ部材２Ａによってインクジェットカートリッジは、後
方から押圧されてインク吐出口面をキャップ４に押しつ
けている。
【００１７】また、キャップ４の後方には第１の吸収体
６と第２の吸収体９が備えられている。この吸収体６、
９はキャップ４によって密閉されたインク吐出口から周
囲環境の変化などによって漏れだしたインクを吸収する
ものとして設けられている。とくに第１の吸収体６は、
漏れだしたインクによってキャップ４による密閉空間内
を湿潤状態とすることができ、インク吐出口が目詰まる
ことを良好に防止する効果を有している。
【００１８】前述したように保管容器の下筺体２にはイ
ンクジェットカートリッジ１の吐出口面をキャップ４に
対して押しつけるための押圧力を発生するたバネ部材２
Ａが設けられている。このバネ部材２Ａは、下筺体２と
一体に成形された板バネ部材であり、インクジェットカ
ートリッジ１の容器内への装着をスムーズにするために
その上面は下筺体２の底面に向かって傾斜した斜面とな
っている。
【００１９】一方、保管容器の上筺体３の一部にも上筺
体３と一体成形されたバネ部材３Ａが設けられており、
上筺体３を閉じたときにインクジェットカートリッジ１
を上方から下筺体２の底面に向かって押圧するようにな
っている。これらのバネ部材２Ａ、３Ａは各筺体２、３
と一体に構成されることで部品点数を少なくしコストの
低減と、製造の容易性を図ることができる。
【００２０】また、下筺体２には、その底面及び側面に
カートリッジ１の底面部と側面部に当接するリブ２Ｂ
が、またキャップ４が設けられている側面近傍に記録ヘ
ッド部の前面の一部と当接するリブ２Ｃがそれぞれ設け
られている。このリブ２Ｂ、２Ｃは収納されるインクジ
ェットカートリッジ１の容器内部における収納位置決め
のために設けられたもので、前述のバネ部材２Ａ、３Ａ
によるカートリッジの押圧と共働してカートリッジ１の
位置精度を向上させている。これによって、キャップ４
によるインク吐出口の保護状態の信頼性を向上させてい
る。
【００２１】以上のように保管容器内にキャップ４と吸
収体６、９とを備えた形態による吐出口の保護に加え、
積極的に回復操作を可能とするポンプ手段を備え、吐出
口からインクを排出させることで吐出口の目詰まりを解
消する構成を採用した保管容器を図２に示す。
【００２２】図２より明らかなように、図１の構成に加
えて、インク吐出口からのインク吸引を行うためのポン
プ機構をキャップ４と第２吸収体９との間に設けてい
る。ポンプ機構は、シリンダー５とピストン１０とピス
トン軸７とを主たる構成要素賭して備えるもので、ポン
プ機構はキャップ４と第１吸収体６が備えられた通路を
介して連通され、さらにポンプ機構で吸引したインクは
ポンプ機構と連通した第２吸収体９に回収される。ピス
トン１０を上下させるピストン軸７は保管容器を構成す
る上筺体３に係合されており、上筺体３の開閉動作によ
ってポンプ動作がなされる構成となっている。
【００２３】ポンプ動作は次のようにして行われる。す
なわち、上筺体３を解放させる動作によって、シリンダ
ー５内の下死点に位置するピストン１０がピストン軸７
によって（ピストン軸７の上面がピストン１０の底面と
密着状態となって）上方に移動し、シリンダー５とピス
トン軸７の底面との間で構成されるポンプ室Ａが減圧さ
れながら拡大する。ピストン１０がポンプ機構とキャッ
プ４とを連通する第１吸収体が備えられた通路を通過し
上死点に位置するとインクジェットカートリッジのイン
ク吐出口部分が減圧状態下となるために吐出口からイン
クが強制的に吸引排出される。そして排出されたインク
は通路を通過しポンプ室Ａに流れ込む。次に、上死点と
なっているピストン１０を上筺体３を閉じる動作によっ
て下方に移動させることで、密着状態にあったピストン
軸７の上面とピストン１０の底面とが離れ、そこからポ
ンプ室Ａのインクがピストン軸７に形成された溝を通過
してピストン１０の上方に移動し、図中の矢印に沿って
ポンプ機構と連通した第２吸収体９に吸収されて貯留さ
れる。
【００２４】なお、キャップ４とポンプ機構との連通路
に設けられた第１吸収体６は、一端吸引したインクがピ
ストン１０の移動によって再び吐出口と密接しているキ
ャップ４に逆戻りすることを防止する効果を有してい
る。
【００２５】図３にポンプ機構の他の構成例を搭載した
保管容器の概略図を示す。このポンプ機構はシリンダ５
の底部に開口を備え、該開口部をピストン軸７の移動に
同調して開閉する逆止弁１０を備えたものである。ピス
トン軸７にはＯリングを備えシリンダ５との気密性を確
保している。前記逆止弁１０は本例ではゴムなどの材料
を用いて構成されている。図３の構成のポンプ機構は、
保管容器の上筺体３を解放させる動作によって、上筺体
３に取りつけられたシリンダー５内の下死点に位置する
ピストン軸７が上方に移動する。これによって、シリン
ダー５の底面の逆止弁１０がシリンダー開口部を閉鎖
し、ピストン軸７の底面とシリンダー５との間で構成さ
れるポンプ室Ａは減圧されながら拡大する。ピストン軸
７がポンプ機構とキャップ４とを連通する第１吸収体が
備えられた通路を通過し上死点に位置するとインクジェ
ットカートリッジのインク吐出口部分が減圧状態下とな
るために吐出口からインクが強制的に吸引排出される。
そして排出されたインクは通路を通過しポンプ室Ａに流
れ込む。次に、上死点となっているピストン軸７を上筺
体３を閉じる動作によって下方に移動させることで、シ
リンダー５の底面開口部に対して密着状態にあった逆止
弁１０がシリンダー５の底面から離れ、そこからポンプ
室Ａのインクが流れ出し、図中の矢印に沿ってポンプ機
構と連通した第２吸収体９に吸収されて貯留される。
【００２６】前述の第２吸収体９は、インクジェットカ
ートリッジに収納されているインクの全量を吸収可能な
容積を有している。本例では、２５cc程度のインクを回
収できるような量の吸収体９を含んでいる。もっとも環
境変化で一端吸収したインクが外部に漏れることを防止
するために実質効率７０％として計算した結果の数値で
あり、吸収体９の排出インクの最大収納可能量は３５cc
程度である。
【００２７】ところで、前述のように保管容器のポンプ
機構は上筺体３に取りつけられたピストン軸７を上筺体
３の開閉動作を利用して作用させる構成では、上筺体３
の開閉範囲を規制する必要がある。すなわち、なんら規
制がない場合にはポンプのストロークの上死点で上筺体
３の解放状態を規制していることになるのでポンプにか
かる負荷が大きく、必要以上に上筺体３を解放する力が
働くとポンプ機構を破壊してしまうことになる。
【００２８】そこで、本例では図４に示すように、保管
容器の上筺体３と下筺体２との間にまたがって規制部材
１３を設けている。この規制部材１３は、上筺体３の開
閉動作の軌跡に沿った形状の開口部を備えた板部材と、
この開口部に係合する下筺体２側に設けられたピンとか
ら構成されている。そして、板部材は一方を上筺体３側
に固定し、開口部をピンと係合させて取りつけられてい
る。上筺体３の解放位置の規制は、板部材の開口部の一
端とピンとが係合してそれ以上の解放動作が規制される
ことでなされるようになっている。このように上筺体３
の解放位置を専用の規制部材１３を設けて規制すること
で、必要以上の上筺体３の解放のための力が加わった場
合でも確実に規制することができるのでポンプ機構を破
壊することがなく、ポンプ機構を確実に駆動させること
ができる。
【００２９】なお、規制部材１３はかならずしも図４の
ような構成とすることなく、たとえば、図２で示される
ように上筺体３が取りつけられ開閉動作の中心となるヒ
ンジ１２より先端がわに斜面３ａを設け、下筺体２側の
対向位置の壁面８ａと共働させて上筺体３の解放角度を
規制するように構成することも可能である。しかし、信
頼性の観点からは規制部材１３を設けることが一層好ま
しい。
【００３０】ところで、保管容器内に収納されるインク
ジェットカートリッジは、内部に液体インクを収納して
いることから保持形態に注意を必要とする。すなわち、
カートリッジの記録ヘッド部が重力方向に関して上側に
保管されていると記録ヘッド部からインクがタンク側に
戻ってしまう虞がある。このように記録ヘッド部からイ
ンクがなくなってしまうと、次に使用しようとしたとき
に回復動作を所定以上に行う必要があり保管の信頼性が
維持できなくなってしまう。
【００３１】そこで、本例は、記録ヘッド部が重力方向
に関して上向きに保管することが困難となるように保管
容器のカートリッジ収納口側を曲面形状としたものであ
る。これによって、記録ヘッド部を重力方向に関して上
向きに配置して保管することが困難となり、前述の問題
を回避することができる。すなわち、記録ヘッドが保管
される際に配置されたくない位置と反対側の容器側面に
斜面などを設け保管容器をその側面を下にして置くこと
ができないようにすれば良い。
【００３２】前述した保管容器は、使用途中で別のイン
クジェットカートリッジを使用する場合などに一時保管
容器として好適に使用されるものである。
【００３３】このような記録形態としては、たとえば１
インクジェットカートリッジが搭載可能とされた１つの
キャリッジを備えた装置において、カラー記録を行う形
態とした場合に好適に利用できる。すなわち、通常ブラ
ックインクを収納したインクジェットカートリッジで記
録を行っている装置に対して、赤インクによって強調画
像を形成したい場合、赤インクカートリッジとブラック
インクカートリッジとを相互に交換しながら記録を行う
ことになる。そして、その記録が終了した場合など使用
途中の赤インクカートリッジは前述した保管容器に収納
されて保管されることで信頼性高く保管が可能である。
【００３４】また、さらに多くの色インクを用いて相互
に交換しながら記録を行う場合使用カートリッジに見合
う数の複数の保管容器が必要となる。（通常ブラックイ
ンクカートリッジがもっとも試用品度が高いと考えられ
ることからこのカートリッジは装置に装着された状態で
記録を終了するとすると残りの色インクカートリッジに
相当する数の保管容器が必要となる。）このように複数
の保管容器が必要となる場合、個々の保管容器がばらば
らに存在するより、まとまった状態で存在することが好
ましい。そこで、図４に示すように保管容器の側面部に
レール部材２ａとレール部材受け部材２ｂとを備え、こ
れらを連結することで複数の保管容器を好適にまとて存
在させることができる。本例のレール部材２ａとレール
部材受け部材２ｂとは図５に示されるように、互いに嵌
合可能なように、いわゆるダボテール形状をなしてお
り、相互にかみ合いながらスライドさせて一体化あるい
は離別化を行う構成となっている。
【００３５】このような保管容器は、前述のように使用
頻度の低いカラーインクかとりっじの保管お雨季として
使用されることが好適である。したがって、カラーのイ
ンクジェットカートリッジと該カートリッジ用の保管容
器とを１パッケージに納めて販売される形態とすること
が好適である。そして、カートリッジのインクが終了し
た時点で保管容器に収納した状態で回収する形態とすれ
ばカートリッジ内にわずかに残存したインクが回収中に
漏れて周囲環境をよごすことも解消できる。
【００３６】（その他）なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
（例えば電気熱変換体やレーザ光等）を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化、高精細化が
達成できるからである。
【００３７】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第４７２３１２９号明細書、同第４７４０
７９６号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体（インク）
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越え
る急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を
印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを
発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、結
果的にこの駆動信号に一対一対応し液体（インク）内の
気泡を形成出来るので有効である。この気泡の成長，収
縮により吐出用開口を介して液体（インク）を吐出させ
て、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパ
ルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわ
れるので、特に応答性に優れた液体（インク）の吐出が
達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号と
しては、米国特許第４４６３３５９号明細書、同第４３
４５２６２号明細書に記載されているようなものが適し
ている。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の
米国特許第４３１３１２４号明細書に記載されている条
件を採用すると、更に優れた記録を行なうことができ
る。
【００３８】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成（直線状液流路又は直角液流路）の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第４５５８３３３号明細書、米国特許第４
４５９６００号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭５９年第１２３６７０号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応せる構成を開
示する特開昭５９年第１３８４６１号公報に基づいた構
成としても本発明は有効である。
【００３９】更に、記録装置が記録できる最大記録媒体
の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘ
ッドとしては、上述した明細書に開示されているような
複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さを満た
す構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドとしての
構成のいずれでも良いが、本発明は、上述した効果を一
層有効に発揮することができる。
【００４０】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【００４１】又、本発明の記録装置の構成として設けら
れる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手
段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、キャピング手段、クリーニング手
段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の
加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備加熱手段、
記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行なうこと
も安定した記録を行なうために有効である。
【００４２】更に、記録装置の記録モードとしては黒色
等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッド
を一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも
よいが、異なる色の複色カラー又は、混色によるフルカ
ラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて
有効である。
【００４３】以上説明した本発明実施例においては、液
体インクを用いて説明しているが、本発明では室温で固
体状であるインクであっても、室温で軟化状態となるイ
ンクであっても用いることができる。上述のインクジエ
ツト装置ではインク自体を３０℃以上７０℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものであれば良い。
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固
形状態から液体状態への態変化のエネルギーとして使用
せしめることで防止するか又は、インクの蒸発防止を目
的として放置状態で固化するインクを用いるかして、い
ずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によ
ってインクが液化してインク液状として吐出するものや
記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等
のような、熱エネルギーによって初めて液化する性質の
インク使用も本発明には適用可能である。このような場
合インクは、特開昭５４−５６８４７号公報あるいは特
開昭６０−７１２６０号公報に記載されるような、多孔
質シート凹部又は貫通孔に液状又は固形物として保持さ
れた状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態
としても良い。本発明においては、上述した各インクに
対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行す
るものである。
【００４４】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、少なく
ともキャップと吸収体とを備えているため、吐出口のよ
り高い密閉性を確保することができ、吐出口からのイン
クの蒸発を抑制することが可能となる。また、吸収体に
よって周囲環境の変化によって漏れたインクを貯留する
ことができるため、吐出口形成面とキャップによって構
成された空間内を湿潤状態とすることにより、吐出口の
目詰まりを生じにくくすることができる。加えて、回復
機構を備えることで、例え目詰まりが発生した吐出口が
あったとしても吐出口からインクを排出させて目詰まり
を解消することができる。
【００４５】したがって、使用途中のインクジェットカ
ートリッジを信頼性高く保管することができる保管容器
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明が適用されたキャップと吸収体とを備え
た実施例にかかる保管容器の構成を概略的に示す断面図
である。
【図２】本発明が適用されたキャップと吸収体とポンプ
機構とを備えた実施例にかかる保管容器の構成を概略的
に示す断面図である。
【図３】他のポンプ機構が搭載された保管容器を概略的
に示す断面図である。
【図４】本発明が適用された実施例にかかる保管容器の
外観を概略的に示す斜視図である。
【図５】本発明が適用された保管容器の連結状態の１構
成例を部分的に概略的に示す図である。
【符号の説明】
１ インクジェットカートリッジ ２ 下筺体 ２Ａ バネ部材 ２ａ レール部材 ２ｂ レール部材受け部材 ３ 上筺体 ３Ａ バネ部材 ４ キャップ ５ シリンダ ６ 第１吸収体 ７ ピストン軸 ９ 第２吸収体 １３ 規制部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 仁志 東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 森岡 久始 東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平３−205154（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) B65D 85/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 インクを吐出するための記録ヘッド部
    と、該記録ヘッド部に供給されるインクを貯留したイン
    クタンク部と、を備え、記録装置に対して交換可能に構
    成されたインクジェットカートリッジを収納保管する保
    管容器であって、 該保管容器は、 前記記録ヘッド部のインク吐出口面に当接して該インク
    吐出口面を覆うためのキャップ部材と、前記キャップ部材に連通して前記記録ヘッドからインク
    を排出させるため圧力を発生させるポンプ手段と、 該キャップ部材に連通して設けられ前記ポンプ手段によ
    り前記記録ヘッド部から排出されたインクを吸収するた
    めの吸収部材と、を備えていることを特徴とする保管容
    器。
  2. 【請求項２】 前記保管容器は、前記記録ヘッドを出し
    入れする開口部と収納するための収納部を有した収納箱
    と、該収納箱の前記開口部を覆う蓋部材とを備えて構成
    されており、前記収納箱には収納された前記記録ヘッド
    を押圧し前記インク吐出口面が前記キャップ部材に対し
    て圧接した状態を構成するためのバネ部材を備えている
    ことを特徴とする請求項１に記載の保管容器。
  3. 【請求項３】 前記保管容器の蓋部材には、収納された
    前記インクジェットカートリッジを前記収納箱の底部に
    押さえ込むためのバネ部材を備えていることを特徴とす
    る請求項２に記載の保管容器。
  4. 【請求項４】 前記保管容器の蓋部材には前記ポンプ部
    材を構成するピストン軸が係合しており、前記蓋部材の
    開閉動作に応じて前記ポンプ部材を駆動させて前記記録
    ヘッド部からインクを排出させることを特徴とする請求
    項２に記載の保管容器。
  5. 【請求項５】 前記キャップと前記ポンプ部材との連結
    路の一部には吸収体が収納されていることを特徴とする
    請求項１に記載の保管容器。
  6. 【請求項６】 前記保管容器には少なくとも前記蓋部材
    の最大開放状態を規制するための規制部材が備えられて
    いることを特徴とする請求項２に記載の保管容器。
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