JP2961395B2 - インク貯蔵タンク、該インク貯蔵タンクを備えたインクジェットヘッドカートリッジおよび該インクジェットヘッドカートリッジを備えたインクジェット記録装置 - Google Patents
インク貯蔵タンク、該インク貯蔵タンクを備えたインクジェットヘッドカートリッジおよび該インクジェットヘッドカートリッジを備えたインクジェット記録装置Info
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- JP2961395B2 JP2961395B2 JP33861192A JP33861192A JP2961395B2 JP 2961395 B2 JP2961395 B2 JP 2961395B2 JP 33861192 A JP33861192 A JP 33861192A JP 33861192 A JP33861192 A JP 33861192A JP 2961395 B2 JP2961395 B2 JP 2961395B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内部にインクを保持す
るためのインク貯蔵部と、該インク貯蔵部内に保持され
たインクを必要に応じて外部に供給するための供給部と
を有するインク貯蔵タンク、該インク貯蔵タンクを備え
たインクジェットヘッドカートリッジおよび該インクジ
ェットヘッドカートリッジを備えたインクジェット記録
装置に関する。
るためのインク貯蔵部と、該インク貯蔵部内に保持され
たインクを必要に応じて外部に供給するための供給部と
を有するインク貯蔵タンク、該インク貯蔵タンクを備え
たインクジェットヘッドカートリッジおよび該インクジ
ェットヘッドカートリッジを備えたインクジェット記録
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、インクを吐出するための吐出口
を有する記録ヘッド部と、記録ヘッド部に供給されるイ
ンクを保持するためのインク貯蔵タンクとが一体的に設
けられたインクジェットヘッドカートリッジ(以下、
「カートリッジ」という)において、インク貯蔵部に保
持されたインクは、記録ヘッド部内のインク流路での毛
管現象、およびインクの吐出により発生する記録ヘッド
部内の負圧により、インク貯蔵タンクから記録ヘッド部
内に所定量だけ供給される。
を有する記録ヘッド部と、記録ヘッド部に供給されるイ
ンクを保持するためのインク貯蔵タンクとが一体的に設
けられたインクジェットヘッドカートリッジ(以下、
「カートリッジ」という)において、インク貯蔵部に保
持されたインクは、記録ヘッド部内のインク流路での毛
管現象、およびインクの吐出により発生する記録ヘッド
部内の負圧により、インク貯蔵タンクから記録ヘッド部
内に所定量だけ供給される。
【0003】このためインク貯蔵タンクは、記録ヘッド
部にインクを十分供給できることと、インク貯蔵タンク
に保持されたインクが不用意に記録ヘッド部に供給され
て吐出口等から外部に漏れないような、適度のインク保
持力(負圧)があることが必要であり、従来のカートリ
ッジとしては以下に示すものが知られる。
部にインクを十分供給できることと、インク貯蔵タンク
に保持されたインクが不用意に記録ヘッド部に供給され
て吐出口等から外部に漏れないような、適度のインク保
持力(負圧)があることが必要であり、従来のカートリ
ッジとしては以下に示すものが知られる。
【0004】(1)インク貯蔵タンク内に、インクを含
浸させた多孔質体からなる吸収体を圧縮収納させ、吸収
体のインク吸収力によって、インク貯蔵タンク内に負圧
を発生させるもの(例えば、特開昭63−87242号
公報)。
浸させた多孔質体からなる吸収体を圧縮収納させ、吸収
体のインク吸収力によって、インク貯蔵タンク内に負圧
を発生させるもの(例えば、特開昭63−87242号
公報)。
【0005】(2)インク貯蔵タンクに、内部にインク
が保持されたブレダーを備え、ブレダー内のインクの消
費に伴うブレダーのつぶれに対し、ブレダーの復元力を
利用して、インク貯蔵タンク内に負圧を発生させるもの
(例えば、特開昭59−207263号公報)。
が保持されたブレダーを備え、ブレダー内のインクの消
費に伴うブレダーのつぶれに対し、ブレダーの復元力を
利用して、インク貯蔵タンク内に負圧を発生させるもの
(例えば、特開昭59−207263号公報)。
【0006】(3)インク貯蔵タンクに、供給部である
弁体を一体的に設け、弁体には、インク貯蔵タンクに連
通する貫通孔を形成し、さらに、記録ヘッド部の負圧に
より移動して貫通孔を開閉する、弾性部材からなる弁を
設けたもの(例えば、特開昭62−231759号公
報)。
弁体を一体的に設け、弁体には、インク貯蔵タンクに連
通する貫通孔を形成し、さらに、記録ヘッド部の負圧に
より移動して貫通孔を開閉する、弾性部材からなる弁を
設けたもの(例えば、特開昭62−231759号公
報)。
【0007】(4)インク貯蔵タンクに相当するもの
は、インクが貯蔵されるインクバッグと、負圧を発生さ
せるための嚢(ブレダー)とを有し、さらに、インクバ
ッグと嚢とを連通したり(充填モード)、嚢と記録ヘッ
ド部とを連通したり(印字モード)、インクバッグ、
嚢、記録ヘッド部のいずれも非連通状態(閉鎖モード)
に切り換え可能な三路バルブを有する。そして、非記録
時には三路バルブを閉鎖モードにしておき、記録時に
は、三路バルブを印字モードに切り換えて嚢内のインク
を使用する。このとき、嚢の復元力により負圧が発生す
る。嚢内のインクがなくなったら、三路バルブを充填モ
ードに切り換え、インクバッグから嚢にインクを充填す
る(例えば、特開昭63−172654号公報)。
は、インクが貯蔵されるインクバッグと、負圧を発生さ
せるための嚢(ブレダー)とを有し、さらに、インクバ
ッグと嚢とを連通したり(充填モード)、嚢と記録ヘッ
ド部とを連通したり(印字モード)、インクバッグ、
嚢、記録ヘッド部のいずれも非連通状態(閉鎖モード)
に切り換え可能な三路バルブを有する。そして、非記録
時には三路バルブを閉鎖モードにしておき、記録時に
は、三路バルブを印字モードに切り換えて嚢内のインク
を使用する。このとき、嚢の復元力により負圧が発生す
る。嚢内のインクがなくなったら、三路バルブを充填モ
ードに切り換え、インクバッグから嚢にインクを充填す
る(例えば、特開昭63−172654号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各実施例のうち、(1)および(2)のものは、イン
ク貯蔵タンクの構造が簡単になるものの、インク貯蔵タ
ンク内の負圧がある値以下の場合には、吐出口からのイ
ンク漏れを起こし、また、インクの吐出によりインク貯
蔵タンク内のインクが減少すると、インク貯蔵タンク内
の負圧が大きくなり、それがある範囲を越えた場合には
インクが記録ヘッド部に供給されなくなり、インク貯蔵
タンク内にインクが残ってしまう。さらに、特に(1)
のものにおいては、インク貯蔵タンクの容積に占めるイ
ンク量の割合が低くなり、(2)のものにおいては、シ
リアルタイプの記録装置に搭載されるカートリッジの場
合に、カートリッジを搭載するキャリッジの移動により
インク貯蔵タンク内のインクが振動し、ブレダー内が瞬
間的に加圧状態となるので、吐出口からのインク漏れを
招き易かった。
た各実施例のうち、(1)および(2)のものは、イン
ク貯蔵タンクの構造が簡単になるものの、インク貯蔵タ
ンク内の負圧がある値以下の場合には、吐出口からのイ
ンク漏れを起こし、また、インクの吐出によりインク貯
蔵タンク内のインクが減少すると、インク貯蔵タンク内
の負圧が大きくなり、それがある範囲を越えた場合には
インクが記録ヘッド部に供給されなくなり、インク貯蔵
タンク内にインクが残ってしまう。さらに、特に(1)
のものにおいては、インク貯蔵タンクの容積に占めるイ
ンク量の割合が低くなり、(2)のものにおいては、シ
リアルタイプの記録装置に搭載されるカートリッジの場
合に、カートリッジを搭載するキャリッジの移動により
インク貯蔵タンク内のインクが振動し、ブレダー内が瞬
間的に加圧状態となるので、吐出口からのインク漏れを
招き易かった。
【0009】また、(3)および(4)のものは、イン
ク貯蔵タンク内のインクをほとんど記録に使用できるも
のの、構成部品数が多くなり構造が複雑なものとなって
しまう。特に(3)のものにおいては、記録ヘッド部の
負圧のみで弁を安定的に移動させるのは困難であり、
(4)のものにおいては、三路バルブの切換えを制御す
る手段が別途必要となるので、全体のシステムとしては
さらに複雑な構成となってしまう。
ク貯蔵タンク内のインクをほとんど記録に使用できるも
のの、構成部品数が多くなり構造が複雑なものとなって
しまう。特に(3)のものにおいては、記録ヘッド部の
負圧のみで弁を安定的に移動させるのは困難であり、
(4)のものにおいては、三路バルブの切換えを制御す
る手段が別途必要となるので、全体のシステムとしては
さらに複雑な構成となってしまう。
【0010】本発明の目的は、インク貯蔵タンク内のイ
ンクを、必要なときに確実に記録ヘッド部に供給できる
とともに、構造が簡単なインク貯蔵タンク、該インク貯
蔵タンクを備えたインクジェットヘッドカートリッジお
よび該インクジェットヘッドカートリッジを備えたイン
クジェット記録装置を提供することにある。
ンクを、必要なときに確実に記録ヘッド部に供給できる
とともに、構造が簡単なインク貯蔵タンク、該インク貯
蔵タンクを備えたインクジェットヘッドカートリッジお
よび該インクジェットヘッドカートリッジを備えたイン
クジェット記録装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、内部にインクを保持するためのインク貯蔵
部と、該インク貯蔵部内のインクを必要に応じて外部に
供給するための供給部とを有するインク貯蔵タンクにお
いて、前記供給部は、定常状態では閉塞し、かつ前記イ
ンク貯蔵部と前記外部との間に所定の差圧が発生すると
開口するスリットが形成された弾性部材からなる隔壁
と、前記隔壁の周縁部が外嵌される、インク流路が形成
されたベース部材とを有し、前記隔壁の周縁部の内周長
さが前記ベース部材の前記外嵌部の外周長さよりも短い
ことを特徴とする。
の本発明は、内部にインクを保持するためのインク貯蔵
部と、該インク貯蔵部内のインクを必要に応じて外部に
供給するための供給部とを有するインク貯蔵タンクにお
いて、前記供給部は、定常状態では閉塞し、かつ前記イ
ンク貯蔵部と前記外部との間に所定の差圧が発生すると
開口するスリットが形成された弾性部材からなる隔壁
と、前記隔壁の周縁部が外嵌される、インク流路が形成
されたベース部材とを有し、前記隔壁の周縁部の内周長
さが前記ベース部材の前記外嵌部の外周長さよりも短い
ことを特徴とする。
【0012】また、隔壁の周縁部の内周長さおよびベー
ス部材の外嵌部の外周長さをそれぞれL1,L2とする
と、L2/L1≦1.3の関係式が満たされているもの
や、隔壁は、少なくとも頂部が半球形状となる中空ドー
ム状であり、前記頂部にスリットが形成されているもの
や、さらには、隔壁の下部はストレート部となってお
り、該ストレート部の高さがベース部材の外嵌部の高さ
以上の高さに設定されているものとすることができる。
ス部材の外嵌部の外周長さをそれぞれL1,L2とする
と、L2/L1≦1.3の関係式が満たされているもの
や、隔壁は、少なくとも頂部が半球形状となる中空ドー
ム状であり、前記頂部にスリットが形成されているもの
や、さらには、隔壁の下部はストレート部となってお
り、該ストレート部の高さがベース部材の外嵌部の高さ
以上の高さに設定されているものとすることができる。
【0013】本発明のインクジェットヘッドカートリッ
ジは、本発明のインク貯蔵タンクと、該インク貯蔵タン
クに接続される、インクを吐出口より吐出させる記録ヘ
ッド部とを有する。
ジは、本発明のインク貯蔵タンクと、該インク貯蔵タン
クに接続される、インクを吐出口より吐出させる記録ヘ
ッド部とを有する。
【0014】また、記録ヘッド部は、被記録媒体の記録
領域の全幅にわたって吐出口が形成されているフルライ
ンタイプのものや、熱エネルギーを利用してインクを吐
出するものであって、前記熱エネルギーを発生させるた
めのエネルギー発生素子として電気熱交換体を備えてい
るものとすることができる。
領域の全幅にわたって吐出口が形成されているフルライ
ンタイプのものや、熱エネルギーを利用してインクを吐
出するものであって、前記熱エネルギーを発生させるた
めのエネルギー発生素子として電気熱交換体を備えてい
るものとすることができる。
【0015】そして、本発明のインクジェット記録装置
は、本発明のインクジェットヘッドカートリッジと、該
インクジェットヘッドカートリッジを載置するための手
段とを有し、記録信号に基づいて前記記録ヘッド部の吐
出口からインクを被記録媒体に向けて吐出することによ
り記録を行うものである。
は、本発明のインクジェットヘッドカートリッジと、該
インクジェットヘッドカートリッジを載置するための手
段とを有し、記録信号に基づいて前記記録ヘッド部の吐
出口からインクを被記録媒体に向けて吐出することによ
り記録を行うものである。
【0016】
【作用】上記のとおり構成された本発明のインクジェッ
トヘッドカートリッジは、初期状態では、インク貯蔵
部、供給部および記録ヘッド部にはインクが満たされて
いるとともに、隔壁のスリットは閉じている。
トヘッドカートリッジは、初期状態では、インク貯蔵
部、供給部および記録ヘッド部にはインクが満たされて
いるとともに、隔壁のスリットは閉じている。
【0017】記録が行われ、記録ヘッド部のインクが消
費されると、隔壁の記録ヘッド部側の圧力が小さくな
り、隔壁は、記録ヘッド部側にへこんで変形する。隔壁
の変形に伴って、隔壁のスリットが徐々に開口し、イン
ク貯蔵部のインクがスリットを介して記録ヘッド部側に
供給される。インク貯蔵部側のインクが記録ヘッド部側
に供給されると、記録ヘッド部側の圧力とインク貯蔵部
側の圧力との差が徐々に小さくなり、隔壁の形状が復元
するとともに、スリットが閉じられる。インクの消費と
ともに、上記動作が繰り返され、記録ヘッド部には必要
なだけインクが供給される。
費されると、隔壁の記録ヘッド部側の圧力が小さくな
り、隔壁は、記録ヘッド部側にへこんで変形する。隔壁
の変形に伴って、隔壁のスリットが徐々に開口し、イン
ク貯蔵部のインクがスリットを介して記録ヘッド部側に
供給される。インク貯蔵部側のインクが記録ヘッド部側
に供給されると、記録ヘッド部側の圧力とインク貯蔵部
側の圧力との差が徐々に小さくなり、隔壁の形状が復元
するとともに、スリットが閉じられる。インクの消費と
ともに、上記動作が繰り返され、記録ヘッド部には必要
なだけインクが供給される。
【0018】また、隔壁は極薄く形成されているため、
隔壁をベース部材に取り付ける際に隔壁を変形させてし
まうことがある。隔壁が変形すると、インクジェットヘ
ッドカートリッジごとの、スリットが開口するときの記
録ヘッド部側の圧力のばらつきが大きくなり、安定した
供給特性が得られなくなる。そこで、隔壁の周縁部をベ
ース部材に外嵌させ、隔壁の周縁部の内周長さを、ベー
ス部材の外嵌部の外周長さより短く設定することで、隔
壁の周縁部は所定の張力を与えられてベース部材に取り
付けられる。このことにより、隔壁の形状はベース部材
により矯正され、ベース部材への取付けによる隔壁ごと
の形状のばらつきが小さくなる。その結果、隔壁のベー
ス部材への取付け方によって隔壁が変形することがなく
なり、個々のインクジェットヘッドカートリッジによら
ず安定した供給特性が得られる。
隔壁をベース部材に取り付ける際に隔壁を変形させてし
まうことがある。隔壁が変形すると、インクジェットヘ
ッドカートリッジごとの、スリットが開口するときの記
録ヘッド部側の圧力のばらつきが大きくなり、安定した
供給特性が得られなくなる。そこで、隔壁の周縁部をベ
ース部材に外嵌させ、隔壁の周縁部の内周長さを、ベー
ス部材の外嵌部の外周長さより短く設定することで、隔
壁の周縁部は所定の張力を与えられてベース部材に取り
付けられる。このことにより、隔壁の形状はベース部材
により矯正され、ベース部材への取付けによる隔壁ごと
の形状のばらつきが小さくなる。その結果、隔壁のベー
ス部材への取付け方によって隔壁が変形することがなく
なり、個々のインクジェットヘッドカートリッジによら
ず安定した供給特性が得られる。
【0019】隔壁の周縁部の内周長さL1とベース部材
の外嵌部の外周長さL2との比を1.3以下に設定する
ことにより、隔壁の不必要な変形ひいてはスリットの開
きっぱなしが発生せず、静負圧を保持できる。
の外嵌部の外周長さL2との比を1.3以下に設定する
ことにより、隔壁の不必要な変形ひいてはスリットの開
きっぱなしが発生せず、静負圧を保持できる。
【0020】また、隔壁のストレート部の高さをベース
部材の外嵌部の高さ以上の高さに設定することにより、
ベース部材が隔壁に与える張力は半球部に及ばないた
め、隔壁をベース部材に取り付ける際の隔壁ごとの形状
のばらつきがさらに小さくなるとともに、スリットが開
きっぱなしにならず、その結果、静負圧を確実に保持で
き、かつ静負圧と動負圧との差も小さくなる。
部材の外嵌部の高さ以上の高さに設定することにより、
ベース部材が隔壁に与える張力は半球部に及ばないた
め、隔壁をベース部材に取り付ける際の隔壁ごとの形状
のばらつきがさらに小さくなるとともに、スリットが開
きっぱなしにならず、その結果、静負圧を確実に保持で
き、かつ静負圧と動負圧との差も小さくなる。
【0021】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
て説明する。
【0022】まず、本発明のインクジェットヘッドカー
トリッジ(以下、「カートリッジ」という)の一実施例
について説明する。図1は本発明のカートリッジの一実
施例の一部を破断した側面図であり、図1に示すよう
に、カートリッジはインク吐出する記録ヘッド部2と、
記録ヘッド部2に供給するインクを保持するインク貯蔵
タンクとしてのインクタンク3とが一体となったもので
ある。
トリッジ(以下、「カートリッジ」という)の一実施例
について説明する。図1は本発明のカートリッジの一実
施例の一部を破断した側面図であり、図1に示すよう
に、カートリッジはインク吐出する記録ヘッド部2と、
記録ヘッド部2に供給するインクを保持するインク貯蔵
タンクとしてのインクタンク3とが一体となったもので
ある。
【0023】図2に示すように、記録ヘッド部2は、被
記録媒体(不図示)と所定の間隔をおいて対面する吐出
口形成面2aに、所定のピッチで複数の吐出口2bが形
成されており、共通液室2cと各吐出口2bとを連通す
る各液路2dの壁面に沿ってインク吐出用のエネルギー
を発生するための電気熱変換体(発熱抵抗体など)2e
が配設されている。共通液室2cは、後述する供給部5
(図1参照)と連通している。供給部5から共通液室2
cに供給されて一時的に貯えられたインクは、毛管現象
により液路2dに侵入し、吐出口2bでメニスカスを形
成して液路2dを満たした状態を保つ。このとき、電極
(不図示)を介して電気熱変換体2eが通電されて発熱
すると、電気熱変換体2e上のインクが急激に加熱され
て液路2d内に気泡が発生し、この気泡の膨張により吐
出口2bからインクが吐出される。
記録媒体(不図示)と所定の間隔をおいて対面する吐出
口形成面2aに、所定のピッチで複数の吐出口2bが形
成されており、共通液室2cと各吐出口2bとを連通す
る各液路2dの壁面に沿ってインク吐出用のエネルギー
を発生するための電気熱変換体(発熱抵抗体など)2e
が配設されている。共通液室2cは、後述する供給部5
(図1参照)と連通している。供給部5から共通液室2
cに供給されて一時的に貯えられたインクは、毛管現象
により液路2dに侵入し、吐出口2bでメニスカスを形
成して液路2dを満たした状態を保つ。このとき、電極
(不図示)を介して電気熱変換体2eが通電されて発熱
すると、電気熱変換体2e上のインクが急激に加熱され
て液路2d内に気泡が発生し、この気泡の膨張により吐
出口2bからインクが吐出される。
【0024】ここでは、エネルギーを発生させるエネル
ギー発生素子として、電気熱変換体2eを示したが、こ
れに限らず、瞬間的に吐出圧力を加える機械的エネルギ
ーを発生する圧電素子を用いてもよい。
ギー発生素子として、電気熱変換体2eを示したが、こ
れに限らず、瞬間的に吐出圧力を加える機械的エネルギ
ーを発生する圧電素子を用いてもよい。
【0025】一方、図1に示したように、インクタンク
3は、内部にインクを保持するインク袋4、およびイン
ク袋4内に保持されたインクを必要に応じて記録ヘッド
部2に供給するための供給部5とを有する。インク袋4
は、ポリエチレンフィルムにポリエチレンテフタレート
が積層された可とう性材料からなり、インク袋4の外側
は、インクタンク3の外壁に形成された大気連通口(不
図示)により大気圧と同じ圧力になっているので、イン
ク袋4内のインクがなくなるにつれて、インク袋4は大
気圧で押しつぶされる構成となっている。
3は、内部にインクを保持するインク袋4、およびイン
ク袋4内に保持されたインクを必要に応じて記録ヘッド
部2に供給するための供給部5とを有する。インク袋4
は、ポリエチレンフィルムにポリエチレンテフタレート
が積層された可とう性材料からなり、インク袋4の外側
は、インクタンク3の外壁に形成された大気連通口(不
図示)により大気圧と同じ圧力になっているので、イン
ク袋4内のインクがなくなるにつれて、インク袋4は大
気圧で押しつぶされる構成となっている。
【0026】次に、供給部5について詳細に説明する。
図3は図1に示した供給部5の分解斜視図であり、図4
は図1に示した供給部の組立後の断面図である。図3お
よび図4に示すように、円柱状の取付台6は、厚さ1m
mのつば部6aと、該つば部6aより径の小さい円筒状
の取付基部6bを有している。また、取付台6には、取
付台6の一端面側と他端面側とを連通するインク流路6
cが形成されている。取付基部6bの外周面には、弾性
材料からなる中空半球状のスリットブレダー7が嵌め込
まれて固定されている。スリットブレダー7の肉厚は
0.34mmであり、スリットブレダー7の内半径R1
および取付基部6bの外半径R2はそれぞれ5mm,
5.5mmに設定されており、以下の(1)式が満たさ
れている。
図3は図1に示した供給部5の分解斜視図であり、図4
は図1に示した供給部の組立後の断面図である。図3お
よび図4に示すように、円柱状の取付台6は、厚さ1m
mのつば部6aと、該つば部6aより径の小さい円筒状
の取付基部6bを有している。また、取付台6には、取
付台6の一端面側と他端面側とを連通するインク流路6
cが形成されている。取付基部6bの外周面には、弾性
材料からなる中空半球状のスリットブレダー7が嵌め込
まれて固定されている。スリットブレダー7の肉厚は
0.34mmであり、スリットブレダー7の内半径R1
および取付基部6bの外半径R2はそれぞれ5mm,
5.5mmに設定されており、以下の(1)式が満たさ
れている。
【0027】 1<R2/R1=1.1≦1.3 … (1) スリットブレダー7は、その開口端部を径方向に拡げら
れ、張力を与えられた状態で取付台6に固定されてい
る。スリットブレダー7の頂部にはスリット7aが形成
されており、このスリット7aは、通常は閉じている
が、スリットブレダー7が変形することで開くものであ
る。スリットブレダー7の外壁の互いに対向する部位に
は、厚さ1mmのつば部7bからスリットブレダー7の
頂部に延びる2つのリブ7c,7dが形成されている。
リブ7c,7dは、スリット7aの延長線に対して35
°〜90°の範囲で設けることが好ましい。
れ、張力を与えられた状態で取付台6に固定されてい
る。スリットブレダー7の頂部にはスリット7aが形成
されており、このスリット7aは、通常は閉じている
が、スリットブレダー7が変形することで開くものであ
る。スリットブレダー7の外壁の互いに対向する部位に
は、厚さ1mmのつば部7bからスリットブレダー7の
頂部に延びる2つのリブ7c,7dが形成されている。
リブ7c,7dは、スリット7aの延長線に対して35
°〜90°の範囲で設けることが好ましい。
【0028】スリットブレダー7としては、シリコーン
ゴム、SBR、BR、IR、EPM、EPDM、ブチル
ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、
ニトリルゴム、アクリルゴム、多硫化ゴム、エチレンゴ
ム、フロロシリコーンゴム、SEPラバー(シリコーン
変性エチレンプロピレンゴム)等が好適に用いられ、そ
の硬度は、15°〜70°の範囲が好ましく、さらには
25°〜50°の範囲がより好ましい。また、これらの
材料は、インクタンク3(図1参照)内においてインク
と接するために、インクの物性(表面張力や粘度等)を
変化させたり、インク中に溶出するような性質があって
はならない。同時に、インクによりこれらの材料が、物
性変化を起こさないことが必要である。
ゴム、SBR、BR、IR、EPM、EPDM、ブチル
ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、
ニトリルゴム、アクリルゴム、多硫化ゴム、エチレンゴ
ム、フロロシリコーンゴム、SEPラバー(シリコーン
変性エチレンプロピレンゴム)等が好適に用いられ、そ
の硬度は、15°〜70°の範囲が好ましく、さらには
25°〜50°の範囲がより好ましい。また、これらの
材料は、インクタンク3(図1参照)内においてインク
と接するために、インクの物性(表面張力や粘度等)を
変化させたり、インク中に溶出するような性質があって
はならない。同時に、インクによりこれらの材料が、物
性変化を起こさないことが必要である。
【0029】取付台6には、スリットブレダー7を覆う
ブレダーカバー8が、超音波溶着あるいは熱溶着等によ
って外嵌固定され、取付台6とブレダーカバー8との固
定面がシールされている。
ブレダーカバー8が、超音波溶着あるいは熱溶着等によ
って外嵌固定され、取付台6とブレダーカバー8との固
定面がシールされている。
【0030】また、ブレダーカバー8には、インク袋4
(図1参照)の開口と連結されるインク供給路8aが設
けられており、インク袋4のインクは、インク供給路8
aからスリット7aを介してスリットブレダー7に供給
され、記録ヘッド部2(図1参照)に供給される。
(図1参照)の開口と連結されるインク供給路8aが設
けられており、インク袋4のインクは、インク供給路8
aからスリット7aを介してスリットブレダー7に供給
され、記録ヘッド部2(図1参照)に供給される。
【0031】ここで、本発明に用いられるインクについ
て説明する。
て説明する。
【0032】インクに用いられる染料は、カラーインデ
ックス(color index)に記載されている水
溶性の酸性染料、中性染料、塩基性染料および反応性染
料が使用でき、カラーインデックスに記載されていない
染料であっても、水溶性の染料であれば使用できる。ま
た、上記染料の使用量については、特に制限されるもの
ではないが、一般的には、インク全重量の0.1〜20
重量%、好ましくは0.3〜10重量%、より好ましく
は0.5〜6重量%を占める量が好適である。そして、
インクに用いられる溶媒は、水、または水と水溶性有機
溶剤との混合溶媒であり、特に好適なものは前記混合溶
媒であって、水溶性有機溶剤としてインクの乾燥防止効
果を有する多価アルコール類を含有するものである。水
溶性有機溶剤の含有料は、一般にはインクの全重量の2
〜80重量%、好ましくは3〜70重量%、より好まし
くは4〜40重量%の範囲である。水としては、種々の
イオンを含有する一般の水ではなく、脱イオン水を使用
するのが好ましく、その含有料はインク全体の35重量
%以上、好ましくは45重量%以上を占める割合であ
る。その他、インクには必要に応じて、防かび剤、防腐
剤、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤等を包含し
てもよい。
ックス(color index)に記載されている水
溶性の酸性染料、中性染料、塩基性染料および反応性染
料が使用でき、カラーインデックスに記載されていない
染料であっても、水溶性の染料であれば使用できる。ま
た、上記染料の使用量については、特に制限されるもの
ではないが、一般的には、インク全重量の0.1〜20
重量%、好ましくは0.3〜10重量%、より好ましく
は0.5〜6重量%を占める量が好適である。そして、
インクに用いられる溶媒は、水、または水と水溶性有機
溶剤との混合溶媒であり、特に好適なものは前記混合溶
媒であって、水溶性有機溶剤としてインクの乾燥防止効
果を有する多価アルコール類を含有するものである。水
溶性有機溶剤の含有料は、一般にはインクの全重量の2
〜80重量%、好ましくは3〜70重量%、より好まし
くは4〜40重量%の範囲である。水としては、種々の
イオンを含有する一般の水ではなく、脱イオン水を使用
するのが好ましく、その含有料はインク全体の35重量
%以上、好ましくは45重量%以上を占める割合であ
る。その他、インクには必要に応じて、防かび剤、防腐
剤、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤等を包含し
てもよい。
【0033】さらに、インクの粘度は、25℃において
1〜20cP、好ましくは1〜15cPの範囲にあり、
表面張力は、30dyne/cm以上、好ましくは40
dyne/cm以上、そして水素イオン濃度指数(pH)
が、4〜10程度の物性を有するものが好ましい。上述
したインクは、インクタンク3にインク袋4および供給
部5をそれぞれ組込んだ後、取付台6のインク流路6c
からインク袋4内に注入される。
1〜20cP、好ましくは1〜15cPの範囲にあり、
表面張力は、30dyne/cm以上、好ましくは40
dyne/cm以上、そして水素イオン濃度指数(pH)
が、4〜10程度の物性を有するものが好ましい。上述
したインクは、インクタンク3にインク袋4および供給
部5をそれぞれ組込んだ後、取付台6のインク流路6c
からインク袋4内に注入される。
【0034】次に、本実施例の動作について説明する。
【0035】図1および図5に示すように、カートリッ
ジの初期状態においては、スリットブレダー7のスリッ
ト7aは閉じており、このときに記録ヘッド部2の吐出
口2b(図2参照)にかかるインク圧は30mm水頭以
下となっている。このため、この状態では吐出口2bで
のメニスカス保持力とインクタンク3の内圧とのバラン
スが保たれるので、温度変化や気圧変化や振動等によっ
て、インクが容易に吐出口2bから漏れることはない。
この状態から、記録ヘッド部2からインクとを出させて
記録を行うことにより、スリットブレダー7内部のイン
クが消費される。これに伴い、スリットブレダー7内部
のインク圧が次第に減少し、インク袋4内部のインク圧
との差圧が徐々に大きくなり、スリットブレダー7のリ
ブ7c,7dのない部分がつぶれていく。このとき、ス
リットブレダー7は取付台6に張力を与えられた状態で
取り付けられているので、スリットブレダー7と取付台
6との取付け部に多少のばらつきがあっても、スリット
ブレダー7は安定して変形する。
ジの初期状態においては、スリットブレダー7のスリッ
ト7aは閉じており、このときに記録ヘッド部2の吐出
口2b(図2参照)にかかるインク圧は30mm水頭以
下となっている。このため、この状態では吐出口2bで
のメニスカス保持力とインクタンク3の内圧とのバラン
スが保たれるので、温度変化や気圧変化や振動等によっ
て、インクが容易に吐出口2bから漏れることはない。
この状態から、記録ヘッド部2からインクとを出させて
記録を行うことにより、スリットブレダー7内部のイン
クが消費される。これに伴い、スリットブレダー7内部
のインク圧が次第に減少し、インク袋4内部のインク圧
との差圧が徐々に大きくなり、スリットブレダー7のリ
ブ7c,7dのない部分がつぶれていく。このとき、ス
リットブレダー7は取付台6に張力を与えられた状態で
取り付けられているので、スリットブレダー7と取付台
6との取付け部に多少のばらつきがあっても、スリット
ブレダー7は安定して変形する。
【0036】そして、図6に示すように、スリットブレ
ダー7内部とインク袋4との差圧がある値以上になる
と、スリットブレダー7は凹部7eで示すようにへこん
で変形し、スリットブレダー7のスリット7aは、スリ
ットブレダー7の変形に伴って少しずつ開口し、インク
供給路8aのインクがスリット7aを通ってスリットブ
レダー7内部に供給される。このようにしてスリットブ
レダー7内部にインクが供給されると、スリットブレダ
ー7内部とインク袋4内部との差圧は徐々に小さくな
る。スリットブレダー7内部とインク袋4内部との差圧
の減少に伴い、スリットブレダー7の変形は徐々に復元
する。スリットブレダー7の変形がある程度復元する
と、開口したスリット7aが閉鎖されて、初期状態かあ
るいは若干変形した状態に保たれる。記録が進行し、イ
ンクが消費されるに伴い、上記動作が繰り返され、良好
なインク供給が達成される。
ダー7内部とインク袋4との差圧がある値以上になる
と、スリットブレダー7は凹部7eで示すようにへこん
で変形し、スリットブレダー7のスリット7aは、スリ
ットブレダー7の変形に伴って少しずつ開口し、インク
供給路8aのインクがスリット7aを通ってスリットブ
レダー7内部に供給される。このようにしてスリットブ
レダー7内部にインクが供給されると、スリットブレダ
ー7内部とインク袋4内部との差圧は徐々に小さくな
る。スリットブレダー7内部とインク袋4内部との差圧
の減少に伴い、スリットブレダー7の変形は徐々に復元
する。スリットブレダー7の変形がある程度復元する
と、開口したスリット7aが閉鎖されて、初期状態かあ
るいは若干変形した状態に保たれる。記録が進行し、イ
ンクが消費されるに伴い、上記動作が繰り返され、良好
なインク供給が達成される。
【0037】ここで、図1乃至図4に示したように、ス
リットブレダー7は極薄く形成されているため、スリッ
トブレダー7を取付台6に取り付ける際にスリットブレ
ダー7を変形させてしまうことがある。そこで、スリッ
トブレダー7を、その周縁部が張力を与えられて取付台
6に取り付けることで、スリットブレダー7の形状は取
付台6により規制され、取付台6への取付けによるスリ
ットブレダー7ごとの形状のばらつきが小さくなる。こ
れにより、スリットブレダー7の取付台6への取付け方
によってスリットブレダー7の変形が不安定になった
り、スリット7aが開きっぱなしになることがなくなる
とともに、静負圧(非記録時に記録ヘッド部2にインク
が引っ張られていない場合の負圧)を保持でき、インク
タンク3内のインクが安定して記録ヘッド部2に供給さ
れる。
リットブレダー7は極薄く形成されているため、スリッ
トブレダー7を取付台6に取り付ける際にスリットブレ
ダー7を変形させてしまうことがある。そこで、スリッ
トブレダー7を、その周縁部が張力を与えられて取付台
6に取り付けることで、スリットブレダー7の形状は取
付台6により規制され、取付台6への取付けによるスリ
ットブレダー7ごとの形状のばらつきが小さくなる。こ
れにより、スリットブレダー7の取付台6への取付け方
によってスリットブレダー7の変形が不安定になった
り、スリット7aが開きっぱなしになることがなくなる
とともに、静負圧(非記録時に記録ヘッド部2にインク
が引っ張られていない場合の負圧)を保持でき、インク
タンク3内のインクが安定して記録ヘッド部2に供給さ
れる。
【0038】すなわち、記録ヘッド部2の負圧を決める
要因として、スリットブレダー7の開口部の内径と取付
台6の取付け基部6bの外径との関係がある。ここで、
開口部の内半径(R1)が5mm、肉厚が0.34mm
のスリットブレダー7を用いたときの、取付基部6bの
外半径(R2)とスリットブレダー7の開口部の内半径
(R1)との比R2/R1と、記録ヘッド部2の負圧と
の関係のグラフを図15に示す。図15において、負圧
としては、記録時に発生する動負圧と、非記録時に発生
する静負圧の2種類について示した。図15より、R2
/R1≦1の場合には、スリットブレダー7と取付台6
との間に隙間が生じ、そこからインクが漏れるため静負
圧が保持できなくなり、また、R2/R1>1.3の場
合には、スリットブレダー7が不必要に変形するためス
リット7aが開きっぱなしになり、スリット7aからイ
ンクが漏れるため静負圧が保持できなくなってしまう。
このことから、上記した(1)式である1<R2/R1
≦1.3の範囲にあることが望ましいのである。
要因として、スリットブレダー7の開口部の内径と取付
台6の取付け基部6bの外径との関係がある。ここで、
開口部の内半径(R1)が5mm、肉厚が0.34mm
のスリットブレダー7を用いたときの、取付基部6bの
外半径(R2)とスリットブレダー7の開口部の内半径
(R1)との比R2/R1と、記録ヘッド部2の負圧と
の関係のグラフを図15に示す。図15において、負圧
としては、記録時に発生する動負圧と、非記録時に発生
する静負圧の2種類について示した。図15より、R2
/R1≦1の場合には、スリットブレダー7と取付台6
との間に隙間が生じ、そこからインクが漏れるため静負
圧が保持できなくなり、また、R2/R1>1.3の場
合には、スリットブレダー7が不必要に変形するためス
リット7aが開きっぱなしになり、スリット7aからイ
ンクが漏れるため静負圧が保持できなくなってしまう。
このことから、上記した(1)式である1<R2/R1
≦1.3の範囲にあることが望ましいのである。
【0039】また、インクの吐出状態を維持、あるいは
改善する目的で、吸引ポンプ等により一時的に吐出口2
bからインクを吸引した場合でも、記録時のインク消費
の場合と同様に、スリットブレダー7内部とインク袋4
内部との差圧が大きくなるため、スリットブレダー7が
変形してスリット7aが開口し(図6参照)、インク袋
4からスリットブレダー7内部にインクが供給される。
そして、スリットブレダー7内部にインクが供給された
後は、スリットブレダー7が復元するのに伴い、スリッ
ト7aが閉じる(図5参照)。よって、スリットブレダ
ー7内部の圧力は、常に吐出に影響を与えない範囲にあ
る。
改善する目的で、吸引ポンプ等により一時的に吐出口2
bからインクを吸引した場合でも、記録時のインク消費
の場合と同様に、スリットブレダー7内部とインク袋4
内部との差圧が大きくなるため、スリットブレダー7が
変形してスリット7aが開口し(図6参照)、インク袋
4からスリットブレダー7内部にインクが供給される。
そして、スリットブレダー7内部にインクが供給された
後は、スリットブレダー7が復元するのに伴い、スリッ
ト7aが閉じる(図5参照)。よって、スリットブレダ
ー7内部の圧力は、常に吐出に影響を与えない範囲にあ
る。
【0040】一方、記録ヘッド部に発生する負圧は、3
0〜200mm水頭の範囲にあることが好ましい。これ
は、負圧が30mm水頭以上では、吐出口からのインク
漏れが発生し易くなり、負圧が200mm水頭以下で
は、インクの吐出体積の減少やインクの不吐出等の不具
合が発生し易くなるためであり、より好ましくは、0〜
150mm水頭の範囲にあることがよい。
0〜200mm水頭の範囲にあることが好ましい。これ
は、負圧が30mm水頭以上では、吐出口からのインク
漏れが発生し易くなり、負圧が200mm水頭以下で
は、インクの吐出体積の減少やインクの不吐出等の不具
合が発生し易くなるためであり、より好ましくは、0〜
150mm水頭の範囲にあることがよい。
【0041】さらに、記録ヘッド部に発生する負圧を決
める要因としては、スリットブレダー7の肉厚、弾性率
(ゴム硬度)、半径がある。図13に、各種のゴム硬度
に対するスリットブレダーの肉厚と記録ヘッド部の負圧
との関係のグラフを示す。図13より、ゴム硬度が小さ
くなるほど、スリットブレダーの肉厚の変化に対する記
録ヘッド部の負圧の変化量が小さくなることが分かる。
すなわち、ゴム硬度が小さい方が、スリットブレダーの
肉厚のばらつきに対する記録ヘッド部の水頭圧の変化が
小さく、良好な負圧が達成される。また、図14に、各
種の半径に対する肉厚と記録ヘッド部の負圧との関係の
グラフを示す。図14より、スリットブレダーの半径が
大きくなるほど、スリットブレダーの肉厚の変化に対す
る記録ヘッド部の負圧の変化量が小さくなることが分か
る。すなわち、スリットブレダーの半径が大きい方が、
スリットブレダーの肉厚のばらつきに対する記録ヘッド
部の水頭圧の変化が小さく、良好な負圧が達成される。
これらのことから、スリットブレダーの材質や形状は、
記録ヘッド部の負圧が上記の範囲にあるように、好適な
ものを選択することが必要である。
める要因としては、スリットブレダー7の肉厚、弾性率
(ゴム硬度)、半径がある。図13に、各種のゴム硬度
に対するスリットブレダーの肉厚と記録ヘッド部の負圧
との関係のグラフを示す。図13より、ゴム硬度が小さ
くなるほど、スリットブレダーの肉厚の変化に対する記
録ヘッド部の負圧の変化量が小さくなることが分かる。
すなわち、ゴム硬度が小さい方が、スリットブレダーの
肉厚のばらつきに対する記録ヘッド部の水頭圧の変化が
小さく、良好な負圧が達成される。また、図14に、各
種の半径に対する肉厚と記録ヘッド部の負圧との関係の
グラフを示す。図14より、スリットブレダーの半径が
大きくなるほど、スリットブレダーの肉厚の変化に対す
る記録ヘッド部の負圧の変化量が小さくなることが分か
る。すなわち、スリットブレダーの半径が大きい方が、
スリットブレダーの肉厚のばらつきに対する記録ヘッド
部の水頭圧の変化が小さく、良好な負圧が達成される。
これらのことから、スリットブレダーの材質や形状は、
記録ヘッド部の負圧が上記の範囲にあるように、好適な
ものを選択することが必要である。
【0042】上述したスリットブレダーを有するカート
リッジを、シリアルタイプのインクジェット記録装置の
キャリッジに搭載した場合、前記スリットブレダーの内
容積は小さいので、キャリッジの移動等によるスリット
ブレダーの振動や衝撃の影響はそれほど大きくないが、
より衝撃を緩和させるためには、スリットブレダーの振
動防止壁としての効果も有するブレダーカバー内のイン
ク容積を極力小さくすることが望ましい。その他、低温
環境下においてスリットブレダー周囲のインクが凍結す
ることにより体積膨張を起こし、その結果、スリットブ
レダーが凍結したインクに押圧され、スリットブレダー
内部のインクが吐出口より漏れるのを防止するために
も、ブレダーカバー内のインク容積が小さいことが必要
となってくる。
リッジを、シリアルタイプのインクジェット記録装置の
キャリッジに搭載した場合、前記スリットブレダーの内
容積は小さいので、キャリッジの移動等によるスリット
ブレダーの振動や衝撃の影響はそれほど大きくないが、
より衝撃を緩和させるためには、スリットブレダーの振
動防止壁としての効果も有するブレダーカバー内のイン
ク容積を極力小さくすることが望ましい。その他、低温
環境下においてスリットブレダー周囲のインクが凍結す
ることにより体積膨張を起こし、その結果、スリットブ
レダーが凍結したインクに押圧され、スリットブレダー
内部のインクが吐出口より漏れるのを防止するために
も、ブレダーカバー内のインク容積が小さいことが必要
となってくる。
【0043】次に、本発明のカートリッジの他の実施例
について説明する。
について説明する。
【0044】図7は本発明のカートリッジの他の実施例
の一部を破断した側面図である。図7に示すように、本
実施例のカートリッジは、記録ヘッド部12と供給部1
5とが一体となったカートリッジ本体11に、インクタ
ンク13が着脱可能な構成であり、インクタンク13の
インクがなくなった場合には、インクタンク13を交換
できるようになっている。
の一部を破断した側面図である。図7に示すように、本
実施例のカートリッジは、記録ヘッド部12と供給部1
5とが一体となったカートリッジ本体11に、インクタ
ンク13が着脱可能な構成であり、インクタンク13の
インクがなくなった場合には、インクタンク13を交換
できるようになっている。
【0045】カートリッジ本体11の供給部15の内部
はサブタンク20となっており、サブタンク20内に
は、図1に示したカートリッジの一実施例と同様に、取
付台16の取付基部に外嵌されたスリットブレダー17
を有し、さらにスリットブレダー17の外方を覆うドー
ム状のブレダーカバー18が取付台16に固定されてい
る。ブレダーカバー18の頂部には貫通口が形成されて
おり、スリットブレダー17のスリット17aが開いて
いるとき、サブタンク20内のインクは、スリットブレ
ダー17内部を経由して、記録ヘッド部12に供給され
る。記録ヘッド部12は、図1に示したものと同様のも
のでよいので、その説明は省略する。
はサブタンク20となっており、サブタンク20内に
は、図1に示したカートリッジの一実施例と同様に、取
付台16の取付基部に外嵌されたスリットブレダー17
を有し、さらにスリットブレダー17の外方を覆うドー
ム状のブレダーカバー18が取付台16に固定されてい
る。ブレダーカバー18の頂部には貫通口が形成されて
おり、スリットブレダー17のスリット17aが開いて
いるとき、サブタンク20内のインクは、スリットブレ
ダー17内部を経由して、記録ヘッド部12に供給され
る。記録ヘッド部12は、図1に示したものと同様のも
のでよいので、その説明は省略する。
【0046】サブタンク20の側壁には、筒状のカート
リッジ本体側接続部21が一体的に突設されており、カ
ートリッジ本体側接続部21の先端には、カートリッジ
本体側接続部21の軸心部に向かって径方向に延びるス
トッパ21aが、カートリッジ本体側接続部21の全周
にわたって形成されている。
リッジ本体側接続部21が一体的に突設されており、カ
ートリッジ本体側接続部21の先端には、カートリッジ
本体側接続部21の軸心部に向かって径方向に延びるス
トッパ21aが、カートリッジ本体側接続部21の全周
にわたって形成されている。
【0047】カートリッジ本体側接続部21の中空部に
は、該中空部の横断面と同一形状の弾性部材22が、前
記中空部の軸線方向に移動自在に設けられているととも
に、弾性部材22をストッパ21aの方向に付勢するた
めの圧縮ばね23が設けられており、弾性部材22は前
記中空部をシールしている。また、カートリッジ本体側
接続部21の中空部は、サブタンク20の側壁に形成さ
れた連通孔24を介してサブタンク20と連通してい
る。このため、カートリッジ本体側接続部21の中空部
にも、サブタンク20内のインクが満たされているが、
上述したように、カートリッジ本体側接続部21の中空
部は弾性部材22によってシールされているので、サブ
タンク20内のインクがカートリッジ本体側接続部21
から漏れることはない。さらに、カートリッジ本体側接
続部21の中空部には、カートリッジ本体側接続部21
の軸線方向に延び、先端が弾性部材22側に向けられた
中空針状の連接管25が、サブタンク20の側壁を貫通
して設けられている。
は、該中空部の横断面と同一形状の弾性部材22が、前
記中空部の軸線方向に移動自在に設けられているととも
に、弾性部材22をストッパ21aの方向に付勢するた
めの圧縮ばね23が設けられており、弾性部材22は前
記中空部をシールしている。また、カートリッジ本体側
接続部21の中空部は、サブタンク20の側壁に形成さ
れた連通孔24を介してサブタンク20と連通してい
る。このため、カートリッジ本体側接続部21の中空部
にも、サブタンク20内のインクが満たされているが、
上述したように、カートリッジ本体側接続部21の中空
部は弾性部材22によってシールされているので、サブ
タンク20内のインクがカートリッジ本体側接続部21
から漏れることはない。さらに、カートリッジ本体側接
続部21の中空部には、カートリッジ本体側接続部21
の軸線方向に延び、先端が弾性部材22側に向けられた
中空針状の連接管25が、サブタンク20の側壁を貫通
して設けられている。
【0048】一方、インクタンク13は、カートリッジ
本体11に設けられたカートリッジ本体側ガイド部26
に嵌合するインクタンク側ガイド部27を有し、インク
タンク側ガイド部27をカートリッジ本体側ガイド部2
6に嵌合させてカートリッジ本体11にインクタンク1
3を装着したとき、インクタンク13の、カートリッジ
本体側接続部21に対向する部位には、カートリッジ本
体側接続部21が挿入可能な凹部であるインクタンク側
接続部28が設けられている。インクタンク側接続部2
8の底部には、インクタンク13の内部に連通する開口
が形成され、該開口は、弾性部材22と同様の材質から
なる蓋部材29によって閉塞されている。この蓋部材2
9の横断面は、カートリッジ本体側接続部21の、スト
ッパ21aで囲まれた開口の横断面と同一形状であり、
インクタンク13をカートリッジ本体11に装着したと
き、蓋部材29は、弾性部材22を圧縮バネ23のばね
力に抗して図示左方に摺動させる。またこのとき、連接
管25は、弾性部材22および蓋部材29を順次貫通
し、連接管25の先端がインクタンク13の内部に達す
る構成となっている。
本体11に設けられたカートリッジ本体側ガイド部26
に嵌合するインクタンク側ガイド部27を有し、インク
タンク側ガイド部27をカートリッジ本体側ガイド部2
6に嵌合させてカートリッジ本体11にインクタンク1
3を装着したとき、インクタンク13の、カートリッジ
本体側接続部21に対向する部位には、カートリッジ本
体側接続部21が挿入可能な凹部であるインクタンク側
接続部28が設けられている。インクタンク側接続部2
8の底部には、インクタンク13の内部に連通する開口
が形成され、該開口は、弾性部材22と同様の材質から
なる蓋部材29によって閉塞されている。この蓋部材2
9の横断面は、カートリッジ本体側接続部21の、スト
ッパ21aで囲まれた開口の横断面と同一形状であり、
インクタンク13をカートリッジ本体11に装着したと
き、蓋部材29は、弾性部材22を圧縮バネ23のばね
力に抗して図示左方に摺動させる。またこのとき、連接
管25は、弾性部材22および蓋部材29を順次貫通
し、連接管25の先端がインクタンク13の内部に達す
る構成となっている。
【0049】さらに、インクタンク13の内部には、可
とう性材料からなるインクタンク内袋30が設けられて
おり、インクタンク内袋30の一端は、大気連通口31
を介して外部と連通している。インクタンク内袋30
は、初期の状態(インクタンク13内にインクが満たさ
れている状態)ではインクタンク13内に圧縮されて収
納され、記録ヘッド部12からのインクの吐出によるイ
ンクタンク13内のインクの消費により、大気連通口3
1を介してインクタンク内袋30に空気が入って徐々に
膨らみ、インクタンク13内の圧力は、ほぼ一定に保た
れる。
とう性材料からなるインクタンク内袋30が設けられて
おり、インクタンク内袋30の一端は、大気連通口31
を介して外部と連通している。インクタンク内袋30
は、初期の状態(インクタンク13内にインクが満たさ
れている状態)ではインクタンク13内に圧縮されて収
納され、記録ヘッド部12からのインクの吐出によるイ
ンクタンク13内のインクの消費により、大気連通口3
1を介してインクタンク内袋30に空気が入って徐々に
膨らみ、インクタンク13内の圧力は、ほぼ一定に保た
れる。
【0050】次に、本実施例の動作について説明する。
【0051】まず、インクタンク側ガイド部27をカー
トリッジ本体側ガイド部26に嵌合させ、カートリッジ
本体側ガイド部26に沿ってインクタンク13を差し込
んでいくと、インクタンク側接続部28にカートリッジ
本体側接続部21が嵌合し、弾性部材22と蓋部材29
とが当接する。さらにインクタンク13を差し込んでい
くと、蓋部材29は、圧縮ばね23のばね力に抗して弾
性部材22を押し込み、連接管25が弾性部材22およ
び蓋部材29を順次貫通する。インクタンク13がカー
トリッジ本体11に完全に装着された状態では、連接管
25の先端はインクタンク13の内部に達し、連接管2
5を介してインクタンク13の内部とサブタンク20の
内部とが連通する。カートリッジ本体側接続部21の内
部にはインクが満たされており、かつ、連接管25が弾
性部材22および蓋部材29を貫通してサブタンク20
とインクタンク13とを連通させることで、連接管25
は、インクタンク13の非装着時においても装着時にお
いても空気に接することはなくなり、連接管25内のイ
ンクの乾燥等による、目詰まりは発生しない。
トリッジ本体側ガイド部26に嵌合させ、カートリッジ
本体側ガイド部26に沿ってインクタンク13を差し込
んでいくと、インクタンク側接続部28にカートリッジ
本体側接続部21が嵌合し、弾性部材22と蓋部材29
とが当接する。さらにインクタンク13を差し込んでい
くと、蓋部材29は、圧縮ばね23のばね力に抗して弾
性部材22を押し込み、連接管25が弾性部材22およ
び蓋部材29を順次貫通する。インクタンク13がカー
トリッジ本体11に完全に装着された状態では、連接管
25の先端はインクタンク13の内部に達し、連接管2
5を介してインクタンク13の内部とサブタンク20の
内部とが連通する。カートリッジ本体側接続部21の内
部にはインクが満たされており、かつ、連接管25が弾
性部材22および蓋部材29を貫通してサブタンク20
とインクタンク13とを連通させることで、連接管25
は、インクタンク13の非装着時においても装着時にお
いても空気に接することはなくなり、連接管25内のイ
ンクの乾燥等による、目詰まりは発生しない。
【0052】カートリッジ本体11にインクタンク13
が完全に装着されたら記録が可能になる。記録時の動作
については、図1に示したカートリッジの場合と同様で
あるので、その説明は省略する。
が完全に装着されたら記録が可能になる。記録時の動作
については、図1に示したカートリッジの場合と同様で
あるので、その説明は省略する。
【0053】本実施例のカートリッジは、供給部15と
インクタンク13との間で分離するものの例を示した
が、分離される部分はこれに限らず、記録ヘッド部12
と供給部15との間で分離可能な構成としてもよい。
インクタンク13との間で分離するものの例を示した
が、分離される部分はこれに限らず、記録ヘッド部12
と供給部15との間で分離可能な構成としてもよい。
【0054】次に、図8,図9,図10および図11を
参照し、本発明のインク貯蔵タンクの別な実施例を説明
する。
参照し、本発明のインク貯蔵タンクの別な実施例を説明
する。
【0055】図8は、このインク貯蔵タンクの供給部の
分解斜視図、図9は図8に示した供給部の組立後の断面
図、図10は図9に示した供給部の、ブレダーカバーを
除いた斜視図、図11は図10に示した供給部の、スリ
ットが開いた状態を示す斜視図である。
分解斜視図、図9は図8に示した供給部の組立後の断面
図、図10は図9に示した供給部の、ブレダーカバーを
除いた斜視図、図11は図10に示した供給部の、スリ
ットが開いた状態を示す斜視図である。
【0056】各図に示すように、スリットブレダー57
は、その頂部が半球状部57fになっており、該半球状
部57fの下方にストレート状に延びる円筒状部57g
を備えた中空ドーム形状を有し、半球状部57fおよび
円筒状部57gの内半径R1はいずれも5mmになって
いる。また、スリットブレダー57の前記円筒部の高さ
H1および取付台56の取付基部56bの高さH2はそ
れぞれ3.6mm,3.0mmになっており、以下の
(2)式が満たされている。
は、その頂部が半球状部57fになっており、該半球状
部57fの下方にストレート状に延びる円筒状部57g
を備えた中空ドーム形状を有し、半球状部57fおよび
円筒状部57gの内半径R1はいずれも5mmになって
いる。また、スリットブレダー57の前記円筒部の高さ
H1および取付台56の取付基部56bの高さH2はそ
れぞれ3.6mm,3.0mmになっており、以下の
(2)式が満たされている。
【0057】H1≧H2 … (2) 記録ヘッド部の負圧を決める要因として、スリットブレ
ダーの円筒状部の高さと取付基部の高さとの関係があ
る。ここで、スリットブレダーの内半径が5mm,円筒
状部の高さH1が3.6mmの複数のスリットブレダー
を用いたときの、円筒状部の高さH1と取付基部の高さ
H2との比と、記録ヘッド部の負圧との関係を図16に
示す。図16において、負圧としては記録時に発生する
動負圧と、非記録時に発生する静負圧の2種類について
示した。本実施例では、上述した(2)式を満足するた
め、取付台56がスリットブレダー57に与える張力は
前記半球状部57fに及ばないため、スリットブレダー
57を取付台56に取り付ける際のスリットブレダー5
7ごとの形状のばらつきが、図3〜図6に示したものよ
りもさらに小さくなるとともに、スリット57aが開き
っぱなしにならず、その結果、静負圧を確実に保持で
き、かつ静負圧と動負圧との差も小さくなる。その他の
構成や動作は、図3〜図6に示したものと同様である。
ダーの円筒状部の高さと取付基部の高さとの関係があ
る。ここで、スリットブレダーの内半径が5mm,円筒
状部の高さH1が3.6mmの複数のスリットブレダー
を用いたときの、円筒状部の高さH1と取付基部の高さ
H2との比と、記録ヘッド部の負圧との関係を図16に
示す。図16において、負圧としては記録時に発生する
動負圧と、非記録時に発生する静負圧の2種類について
示した。本実施例では、上述した(2)式を満足するた
め、取付台56がスリットブレダー57に与える張力は
前記半球状部57fに及ばないため、スリットブレダー
57を取付台56に取り付ける際のスリットブレダー5
7ごとの形状のばらつきが、図3〜図6に示したものよ
りもさらに小さくなるとともに、スリット57aが開き
っぱなしにならず、その結果、静負圧を確実に保持で
き、かつ静負圧と動負圧との差も小さくなる。その他の
構成や動作は、図3〜図6に示したものと同様である。
【0058】スリットブレダーの形状は中空ドーム状や
中空半球状に限られず、中空立方体状でもよい。
中空半球状に限られず、中空立方体状でもよい。
【0059】次に、インクジェット記録装置の一実施例
について説明する。
について説明する。
【0060】図12に示すように、所定の記録信号に基
づいてインクを吐出し、所望の画像を記録する記録ヘッ
ド部が一体的に設けられたカートリッジ101は、前述
したカートリッジの実施例に示したものと同様の構成の
ものである。
づいてインクを吐出し、所望の画像を記録する記録ヘッ
ド部が一体的に設けられたカートリッジ101は、前述
したカートリッジの実施例に示したものと同様の構成の
ものである。
【0061】カートリッジ101を搭載したキャリッジ
102は、2本のガイド軸103、104に矢印B方向
に摺動自在に嵌合され、キャリッジモータ105の出力
軸に固着されたプーリ107と回転自在に軸支されたプ
ーリ106とにかけまわされたタイミングベルト108
の一部位に結合されている。カートリッジ101は、キ
ャリッジモータ105の駆動力によりプーリ107が正
転、逆転することによりタイミングベルト108が正
転、逆転し、矢印B方向に往復移動する構成となってい
る。
102は、2本のガイド軸103、104に矢印B方向
に摺動自在に嵌合され、キャリッジモータ105の出力
軸に固着されたプーリ107と回転自在に軸支されたプ
ーリ106とにかけまわされたタイミングベルト108
の一部位に結合されている。カートリッジ101は、キ
ャリッジモータ105の駆動力によりプーリ107が正
転、逆転することによりタイミングベルト108が正
転、逆転し、矢印B方向に往復移動する構成となってい
る。
【0062】被記録部材である記録紙109は、ペーパ
ーパン110によってガイドされ、ピンチローラで圧接
させられている図示しない紙送りローラによって搬送さ
れる。この搬送は、紙送りモータ116を駆動源として
行われる。搬送された記録紙109は、排紙ローラ11
3と拍車114とによりテンションを加えられていて、
弾性部材で形成される紙押え板112によってヒータ1
11に圧接させられているため、ヒータ111に密着さ
せられながら搬送される。カートリッジ101の記録ヘ
ッド部により吐出されたインクが付着した記録紙109
は、ヒータ111によって温められ、付着したインクは
その水分が蒸発して記録紙109に定着する。
ーパン110によってガイドされ、ピンチローラで圧接
させられている図示しない紙送りローラによって搬送さ
れる。この搬送は、紙送りモータ116を駆動源として
行われる。搬送された記録紙109は、排紙ローラ11
3と拍車114とによりテンションを加えられていて、
弾性部材で形成される紙押え板112によってヒータ1
11に圧接させられているため、ヒータ111に密着さ
せられながら搬送される。カートリッジ101の記録ヘ
ッド部により吐出されたインクが付着した記録紙109
は、ヒータ111によって温められ、付着したインクは
その水分が蒸発して記録紙109に定着する。
【0063】回復ユニット115は、記録ヘッド部の吐
出口(不図示)に付着した異物や粘度の高くなったイン
クを除去することにより、吐出特性を正規の状態に維持
するためのものである。
出口(不図示)に付着した異物や粘度の高くなったイン
クを除去することにより、吐出特性を正規の状態に維持
するためのものである。
【0064】前記回復ユニット115にはキャップ11
8aが設けられており、記録ヘッド部の吐出口をキャッ
ピングして、目詰まりの発生を防止するためのものであ
る。
8aが設けられており、記録ヘッド部の吐出口をキャッ
ピングして、目詰まりの発生を防止するためのものであ
る。
【0065】キャップ118aの内部にはインク吸収体
118が配設されている。
118が配設されている。
【0066】また、前記回復ユニット115の記録領域
側には、記録ヘッド部の吐出口が形成された面と当接
し、前記吐出口が形成された面に付着した異物やインク
滴をクリーニングするためのクリーニングブレード11
7が設けられている。
側には、記録ヘッド部の吐出口が形成された面と当接
し、前記吐出口が形成された面に付着した異物やインク
滴をクリーニングするためのクリーニングブレード11
7が設けられている。
【0067】以上説明した各実施例において、カートリ
ッジおよびインクジェット記録装置は、シリアルタイプ
のものの例を示したが、本発明は、フルラインタイプの
ものも適用できる。
ッジおよびインクジェット記録装置は、シリアルタイプ
のものの例を示したが、本発明は、フルラインタイプの
ものも適用できる。
【0068】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも、インクと吐出するために利用されるエネルギー
として熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換
体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりイン
クの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、インクジ
ェット記録装置において、優れた効果をもたらすもので
ある。
中でも、インクと吐出するために利用されるエネルギー
として熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換
体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりイン
クの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、インクジ
ェット記録装置において、優れた効果をもたらすもので
ある。
【0069】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
に印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、
結果的に個の駆動信号に一対一対応し液体(インク)内
の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、
収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出さ
せて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号を
パルス形状とすると、即時適切な気泡の成長収縮が行な
われるので、特に応答性の優れた液体(インク)の吐出
が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号
としては、米国特許第4463359号明細書、同第4
345262号明細書に記載されているようなものが適
している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発
明の米国特許第4313124号明細書に記載されてい
る条件を採用すると、さらに優れた記録を行なうことが
できる。
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
に印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、
結果的に個の駆動信号に一対一対応し液体(インク)内
の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、
収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出さ
せて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号を
パルス形状とすると、即時適切な気泡の成長収縮が行な
われるので、特に応答性の優れた液体(インク)の吐出
が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号
としては、米国特許第4463359号明細書、同第4
345262号明細書に記載されているようなものが適
している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発
明の米国特許第4313124号明細書に記載されてい
る条件を採用すると、さらに優れた記録を行なうことが
できる。
【0070】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。
【0071】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成としても本発明は有効である。
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成としても本発明は有効である。
【0072】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さを満
たす構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドとして
の構成のいずれかでもよいが、本発明は、上述した効果
を一層有効に発揮することができる。
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さを満
たす構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドとして
の構成のいずれかでもよいが、本発明は、上述した効果
を一層有効に発揮することができる。
【0073】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自在に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自在に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0074】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対しての加圧手段、電気熱変換体あるいは
これとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによ
る予備加熱手段等を行なうことも安定した記録を行なう
ために有効である。
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対しての加圧手段、電気熱変換体あるいは
これとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによ
る予備加熱手段等を行なうことも安定した記録を行なう
ために有効である。
【0075】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
もよいが、異なる色の複色カラー又は、混色によるフル
カラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極め
て有効である。
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
もよいが、異なる色の複色カラー又は、混色によるフル
カラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極め
て有効である。
【0076】以上説明した本発明実施例においては、イ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化もしくは液体あるい
は、上述のインクジェットではインク自体を30℃以上
70℃以下の範囲内で温度調節を行なってインクの粘性
を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的
であるから、使用記録信号付与時にインクを液状をなす
ものであればよい。加えて、積極的に熱エネルギーによ
る昇温をインクの固形状態から液体状態への態変化のエ
ネルギーとして使用せしめることで防止するか又は、イ
ンクの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインク
を用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信
号に応じた付与によってインクが液化してインク液状と
して吐出するものや記録媒体に到達する時点ではすでに
固化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって初
めて液化する性質のインク使用も本発明には適用可能で
ある。このような場合インクは、特開昭54−5684
7号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載
されるような、多孔質シート凹部又は貫通孔に液状又は
固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して
対向するような形態としてもよい。本発明においては、
上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した
膜沸騰方式を実行するものである。
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化もしくは液体あるい
は、上述のインクジェットではインク自体を30℃以上
70℃以下の範囲内で温度調節を行なってインクの粘性
を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的
であるから、使用記録信号付与時にインクを液状をなす
ものであればよい。加えて、積極的に熱エネルギーによ
る昇温をインクの固形状態から液体状態への態変化のエ
ネルギーとして使用せしめることで防止するか又は、イ
ンクの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインク
を用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信
号に応じた付与によってインクが液化してインク液状と
して吐出するものや記録媒体に到達する時点ではすでに
固化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって初
めて液化する性質のインク使用も本発明には適用可能で
ある。このような場合インクは、特開昭54−5684
7号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載
されるような、多孔質シート凹部又は貫通孔に液状又は
固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して
対向するような形態としてもよい。本発明においては、
上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した
膜沸騰方式を実行するものである。
【0077】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたもののほか、記録色や濃度を異にする複
数のインクに対応して複数個設けられるものであっても
よい。
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたもののほか、記録色や濃度を異にする複
数のインクに対応して複数個設けられるものであっても
よい。
【0078】さらに加えて、本発明のインクジェット記
録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器
の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等の
組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するフ
ァクシミリ装置の形態をとるものであってもよい。
録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器
の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等の
組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するフ
ァクシミリ装置の形態をとるものであってもよい。
【0079】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおり構成され
ているので、以下に記載するような効果を奏する。
ているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0080】供給部に、スリットが形成された隔壁を設
けることで、インク貯蔵部と外部との間に所定の差圧が
発生した場合にのみスリットが開口するので、簡単な構
造で、インク貯蔵部内のインクを必要なときに確実に外
部(記録ヘッド部)に供給することができる。隔壁の周
縁部の内周長さをベース部材の外周長さよりも小さく設
定することにより、隔壁ごとの形状のばらつきが小さく
なり、安定したインクの供給特性が得られる。
けることで、インク貯蔵部と外部との間に所定の差圧が
発生した場合にのみスリットが開口するので、簡単な構
造で、インク貯蔵部内のインクを必要なときに確実に外
部(記録ヘッド部)に供給することができる。隔壁の周
縁部の内周長さをベース部材の外周長さよりも小さく設
定することにより、隔壁ごとの形状のばらつきが小さく
なり、安定したインクの供給特性が得られる。
【0081】また、隔壁の周縁部の内周長さとベース部
材の外嵌部の外周長さとの比を1.3以下に設定するこ
とにより、隔壁の不必要な変形ひいてはスリットの開き
っぱなしが発生せず、静負圧を保持できる。
材の外嵌部の外周長さとの比を1.3以下に設定するこ
とにより、隔壁の不必要な変形ひいてはスリットの開き
っぱなしが発生せず、静負圧を保持できる。
【0082】さらに、隔壁のストレート部の高さをベー
ス部材の外嵌部の高さ以上の高さに設定することによ
り、ベース部材が隔壁に与える張力は半球部に及ばない
ため、隔壁をベース部材に取り付ける際の隔壁ごとの形
状のばらつきがさらに小さくなるとともに、スリットが
開きっぱなしにならず、その結果、静負圧を確実に保持
でき、静負圧と動負圧との差も小さくなる。
ス部材の外嵌部の高さ以上の高さに設定することによ
り、ベース部材が隔壁に与える張力は半球部に及ばない
ため、隔壁をベース部材に取り付ける際の隔壁ごとの形
状のばらつきがさらに小さくなるとともに、スリットが
開きっぱなしにならず、その結果、静負圧を確実に保持
でき、静負圧と動負圧との差も小さくなる。
【図1】本発明のインクジェットカートリッジの一実施
例の一部を破断した側面図である。
例の一部を破断した側面図である。
【図2】図1に示した記録ヘッド部の要部斜視図であ
る。
る。
【図3】図1に示した供給部の分解斜視図である。
【図4】図3に示した供給部の組立後の断面図である。
【図5】図4に示した供給部の、ブレダーカバーを除い
た斜視図である。
た斜視図である。
【図6】図5に示した供給部の、スリットが開いた状態
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
【図7】本発明のインクジェットカートリッジの他の実
施例の一部を破断した側面図である。
施例の一部を破断した側面図である。
【図8】本発明のインク貯蔵タンクの別な実施例の供給
部の分解斜視図である。
部の分解斜視図である。
【図9】図8に示した供給部の組立後の断面図である。
【図10】図9に示した供給部の、ブレダーカバーを除
いた斜視図である。
いた斜視図である。
【図11】図10に示した供給部の、スリットが開いた
状態を示す斜視図である。
状態を示す斜視図である。
【図12】本発明のインクジェット記録装置の一実施例
の概略斜視図である。
の概略斜視図である。
【図13】スリットブレダーの各種のゴム硬度に対す
る、スリットブレダーの肉厚と記録ヘッド部の負圧との
関係を示すグラフである。
る、スリットブレダーの肉厚と記録ヘッド部の負圧との
関係を示すグラフである。
【図14】スリットブレダーの各種の開口端の半径に対
する、スリットブレダーの肉厚と記録ヘッド部の負圧と
の関係を示すグラフである。
する、スリットブレダーの肉厚と記録ヘッド部の負圧と
の関係を示すグラフである。
【図15】取付け基部の外半径とスリットブレダーの開
口部の内半径との比と、記録ヘッド部の負圧との関係を
示すグラフである。
口部の内半径との比と、記録ヘッド部の負圧との関係を
示すグラフである。
【図16】図8乃至図11に示したスリットブレダーの
円筒状部の高さと取付台の取付基部の高さとの比と、記
録ヘッド部の負圧との関係を示すグラフである。
円筒状部の高さと取付台の取付基部の高さとの比と、記
録ヘッド部の負圧との関係を示すグラフである。
2,12 記録ヘッド部 2a 吐出口形成面 2b 吐出口 2c 共通液室 2d 液路 2e 電気熱変換体 3,13 インクタンク 4 インク袋 5,15 供給部 6,16,56 取付台 6a,56a つば部 6b,56b 取付基部 6c,56c インク流路 7,17,57 スリットブレダー 7a,17a,57a スリット 7b,57b つば部 7c,7d,57c,57d リブ 7e,57e 凹部 8,18,58 ブレダーカバー 8a,58a インク供給路 11 カートリッジ本体 20 サブタンク 21 カートリッジ本体側接続部 21a ストッパ 22 弾性部材 23 圧縮ばね 24 連通孔 25 連接管 26 カートリッジ本体側ガイド部 27 インクタンク側ガイド部 28 インクタンク側接続部 29 蓋部材 30 インクタンク内袋 31 大気連通口 57f 半球状部 57g 円筒状部 101 カートリッジ 102 キャリッジ 103,104 ガイド軸 105 キャリッジモータ 106,107 プーリ 108 タイミングベルト 109 記録紙(被記録媒体) 110 ペーパーパン 111 ヒータ 112 紙押え板 113 排紙ローラ 114 拍車 115 回復ユニット 116 紙送りモータ 117 クリーニングブレード 118 インク吸収体 118a キャップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小島 政己 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/175
Claims (8)
- 【請求項1】 内部にインクを保持するためのインク貯
蔵部と、該インク貯蔵部内のインクを必要に応じて外部
に供給するための供給部とを有するインク貯蔵タンクに
おいて、 前記供給部は、定常状態では閉塞し、かつ前記インク貯
蔵部と前記外部との間に所定の差圧が発生すると開口す
るスリットが形成された弾性部材からなる隔壁と、 前記隔壁の周縁部が外嵌される、インク流路が形成され
たベース部材とを有し、 前記隔壁の周縁部の内周長さが前記ベース部材の前記外
嵌部の外周長さよりも短いことを特徴とするインク貯蔵
タンク。 - 【請求項2】 隔壁の周縁部の内周長さおよびベース部
材の外嵌部の外周長さをそれぞれL1,L2とすると、
L2/L1≦1.3の関係式が満たされている請求項1
に記載のインク貯蔵タンク。 - 【請求項3】 隔壁は、少なくとも頂部が半球形状とな
る中空ドーム状であり、前記頂部にスリットが形成され
ている請求項1または2に記載のインク貯蔵タンク。 - 【請求項4】 隔壁の下部はストレート部となってお
り、該ストレート部の高さがベース部材の外嵌部の高さ
以上の高さに設定されている請求項1,2または3に記
載のインク貯蔵タンク。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
インク貯蔵タンクと、該インク貯蔵タンクに接続され
る、インクを吐出口より吐出させる記録ヘッド部とを有
するインクジェットヘッドカートリッジ。 - 【請求項6】 記録ヘッド部は、被記録媒体の記録領域
の全幅にわたって吐出口が形成されているフルラインタ
イプのものである請求項5に記載のインクジェットヘッ
ドカートリッジ。 - 【請求項7】 記録ヘッド部は、熱エネルギーを利用し
てインクを吐出するものであって、前記熱エネルギーを
発生させるためのエネルギー発生素子として電気熱交換
体を備えている請求項5または6に記載のインクジェッ
トヘッドカートリッジ。 - 【請求項8】 請求項5乃至7のいずれか1項に記載の
インクジェットヘッドカートリッジと、該インクジェッ
トヘッドカートリッジを載置するための手段とを有し、
記録信号に基づいて前記記録ヘッド部の吐出口からイン
クを被記録媒体に向けて吐出することにより記録を行う
インクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33861192A JP2961395B2 (ja) | 1992-12-18 | 1992-12-18 | インク貯蔵タンク、該インク貯蔵タンクを備えたインクジェットヘッドカートリッジおよび該インクジェットヘッドカートリッジを備えたインクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33861192A JP2961395B2 (ja) | 1992-12-18 | 1992-12-18 | インク貯蔵タンク、該インク貯蔵タンクを備えたインクジェットヘッドカートリッジおよび該インクジェットヘッドカートリッジを備えたインクジェット記録装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06183018A JPH06183018A (ja) | 1994-07-05 |
JP2961395B2 true JP2961395B2 (ja) | 1999-10-12 |
Family
ID=18319811
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33861192A Expired - Fee Related JP2961395B2 (ja) | 1992-12-18 | 1992-12-18 | インク貯蔵タンク、該インク貯蔵タンクを備えたインクジェットヘッドカートリッジおよび該インクジェットヘッドカートリッジを備えたインクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2961395B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20050219281A1 (en) | 2004-03-24 | 2005-10-06 | Takeo Seino | Attachment and liquid supplying |
US7841706B2 (en) | 2004-06-01 | 2010-11-30 | Canon Finetech, Inc. | Ink supply apparatus and method for controlling the ink pressure in a print head |
US20170282544A1 (en) * | 2016-03-31 | 2017-10-05 | Xerox Corporation | Single jet recirculation in an inkjet print head |
-
1992
- 1992-12-18 JP JP33861192A patent/JP2961395B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH06183018A (ja) | 1994-07-05 |
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