JPH11179932A - 画像形成方法およびその装置 - Google Patents

画像形成方法およびその装置

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JPH11179932A
JPH11179932A JP34970297A JP34970297A JPH11179932A JP H11179932 A JPH11179932 A JP H11179932A JP 34970297 A JP34970297 A JP 34970297A JP 34970297 A JP34970297 A JP 34970297A JP H11179932 A JPH11179932 A JP H11179932A
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JP
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opening
closing
ink
liquid
supply passage
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JP34970297A
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English (en)
Inventor
Yuichi Takahashi
祐一 高橋
Mitsuhiro Mukasa
充浩 武笠
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Canon Aptex Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大気連通路および液体供給通路を閉止状態か
ら開放状態に切り換えると、プリントヘッドの吐出口か
ら液体が押し出されたり、空気が引き込まれたりする。 【解決手段】 プリント媒体に液体15を吐出して画像
を形成するためのプリントヘッド23とこのプリントヘ
ッド23に供給される液体15を貯溜したタンク14と
を連通する液体供給通路27, 28を開閉可能な供給通
路開閉手段29,30と、タンク14と大気とを連通す
る大気連通路21を開閉可能な連通路開閉手段22と、
これら供給通路開閉手段29, 30および連通路開閉手
段22の開閉を行うための開閉手段駆動手段とを有する
画像形成装置であって、開閉手段駆動手段は、供給通路
開閉手段29, 30による液体供給通路27, 28の閉
状態から開状態への切り換えに先立って連通路開閉手段
22による大気連通路21の閉状態から開状態への切り
換えが行われる差動手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成方法およ
びその装置に関し、特にインクジェット方式を用いたフ
ルラインタイプのプリンタに応用して好適なものであ
る。
【0002】
【従来の技術】インクや、このインクのプリント性を調
整するための処理液などの液体をインクジェットヘッド
の吐出口から吐出し、紙や樹脂フィルム、あるいは布帛
や金属などのプリント媒体に所望の画像を形成するイン
クジェットプリンタは、プリントヘッドがこのようなプ
リント媒体に対して非接触であるため、静粛性に優れ、
プリント速度が速く、高密度プリントが可能であってカ
ラー化が容易であり、装置全体を小型化できるなどの利
点を挙げることができる。
【0003】このようなインクジェットプリンタの一つ
として、プリント媒体の画像形成領域の全幅に亙って吐
出口を配列した長尺のいわゆるフルラインタイプのイン
クジェットヘッドを用いたものが知られている。このフ
ルラインタイプのインクジェットヘッドにおいては、プ
リントヘッドがプリント媒体の幅方向に走査するいわゆ
るシリアルタイプのものと比較すると、インクの消費速
度が早いことから、タンクに貯溜された液体を少なくと
も2箇所、例えば吐出口の配列方向に沿った共通液室の
両端側から供給することが一般的となっており、これら
供給通路にはインクジェットヘッドに対する液体の給排
を制御するための開閉弁がそれぞれ介装されている。ま
た、液体を貯溜するタンクには、タンクから液体がイン
クジェットヘッドに供給されるに連れてタンク内が負圧
となり、タンクからインクジェットヘッドへのインクの
供給が阻害されることがないように、大気と連通する大
気連通路が形成されており、この大気連通路にはタンク
から不必要な水分の蒸発を抑制するための連通路開閉弁
が介装されている。
【0004】かかる従来の開閉弁の閉弁状態における概
略構造を図10に示し、その開弁状態における概略構造
を図11に示す。すなわち、バッファタンク101およ
びサブタンク102の上端部には、出口ポート103が
図示しないインクジェットヘッドの共通液室にそれぞれ
連通する一対の供給通路開閉弁104, 105と、出口
ポート106が大気に連通する連通路開閉弁107とが
設けられている。これら3つの開閉弁104, 105,
107の構造はすべて同一であり、弁体108と一体の
プランジャ109が貫通する操作板110を複数(図示
例では2つ)のカム軸111に取り付けられたカム11
2の回転によって昇降させ、通路113の開閉を一括し
て行うようになっている。
【0005】カム軸111は、図示しない1つの駆動源
に連結され、カム112を図10に示す閉弁位置と、図
11に示す開弁位置とにそれぞれ旋回駆動するようにな
っており、装置の電源をオフにした状態における非プリ
ント作業時や、装置の電源をオンにした状態におけるプ
リント作業待機時などに通路113をそれぞれ閉鎖し、
バッファタンク101およびサブタンク102からの液
体の流動を防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図10, 図11に示し
た従来のものでは、図示しない交換可能なカートリッジ
からバッファタンク101およびサブタンク102に所
定量の液体を補充する場合、上述した開閉弁104, 1
05, 107をすべて閉弁状態にして行っているため、
液体の補充を終了してプリント作業に移行する場合、各
開閉弁104, 105, 107を開弁状態に切り換える
と、バッファタンク101内およびサブタンク102内
の圧力が出口ポート103, 106側の圧力、つまりイ
ンクジェットヘッドの共通液室内の圧力や大気圧に対し
て差圧が発生する場合がある。
【0007】このような差圧は、大気圧や気温などの変
動の他に、カートリッジに貯溜された液体の温度とイン
クジェットヘッドの共通液室内に充填された液体の温度
とに差がある場合にも発生する。
【0008】同様に、開閉弁104, 105, 107を
閉弁状態に保持する非プリント作業状態から電源を投入
した場合や、開閉弁104, 105, 107を閉弁状態
に保持しているプリント作業待機状態からプリント作業
状態に移行する場合にも、開閉弁104, 105, 10
7が開弁状態に切り換えられるため、同様な差圧が発生
することがある。
【0009】バッファタンク101内およびサブタンク
102内の圧力が開閉弁104, 105, 107の出口
ポート103, 106側の圧力と相違すると、インクジ
ェットヘッドの吐出口から液体が押し出され、これが吐
出口面に付着してプリント媒体を汚したり、あるいはイ
ンクジェットヘッドの吐出口からインクジェットヘッド
内に空気が引き込まれてしまい、吐出口から液体を正常
に吐出できなくなり、何れの場合もプリント品質の低下
を招来する。
【0010】
【発明の目的】本発明の目的は、プリントヘッドの吐出
口から液体が押し出されたり、プリントヘッドの吐出口
から空気が引き込まれたりすることがない画像形成方法
およびその装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の形態
は、大気と連通する大気連通路が設けられたタンクから
液体供給通路を介して供給される液体を吐出口から吐出
するプリントヘッドを用いてプリント媒体に画像を形成
する方法であって、前記大気連通路および前記液体供給
通路を共に閉鎖するステップと、この状態から前記大気
連通路を最初に開放するステップと、前記大気連通路を
開放した後に前記液体供給通路を開放するステップとを
具えたことを特徴とする画像形成方法にある。
【0012】また、本発明による第2の形態は、プリン
ト媒体に液体を吐出して画像を形成するためのプリント
ヘッドとこのプリントヘッドに供給される液体を貯溜し
たタンクとを連通する液体供給通路を開閉可能な供給通
路開閉手段と、前記タンクと大気とを連通する大気連通
路を開閉可能な連通路開閉手段と、これら供給通路開閉
手段および連通路開閉手段の開閉を行うための開閉手段
駆動手段とを有する画像形成装置であって、前記開閉手
段駆動手段は、前記供給通路開閉手段による前記液体供
給通路の閉状態から開状態への切り換えに先立って前記
連通路開閉手段による前記大気連通路の閉状態から開状
態への切り換えが行われる差動手段を有することを特徴
とする画像形成装置にある。
【0013】本発明によると、開閉手段駆動手段により
供給通路開閉手段および連通路開閉手段を操作して液体
供給通路および大気連通路を共に閉鎖した状態から、再
び開閉手段駆動手段により供給通路開閉手段および連通
路開閉手段を逆に操作すると、差動手段によってまず連
通路開閉手段による大気連通路の閉状態から開状態への
切り換えが行われ、タンク内が大気連通状態となった状
態で供給通路開閉手段による液体供給通路の閉状態から
開状態への切り換えが行われる。
【0014】さらに、本発明による第3の形態は、プリ
ント媒体に液体を吐出して画像を形成するためのプリン
トヘッドとこのプリントヘッドに供給される液体を貯溜
したタンクとを連通する液体供給通路を開閉可能な供給
通路開閉手段と、この供給通路開閉手段の開閉を行うた
めの第1の開閉手段駆動手段と、前記タンクと大気とを
連通する大気連通路を開閉可能な連通路開閉手段と、こ
の連通路開閉手段の開閉を行うための第2の開閉手段駆
動手段とを有する画像形成装置であって、前記供給通路
開閉手段による前記液体供給通路の閉状態から開状態へ
の切り換えに先立って前記連通路開閉手段による前記大
気連通路の閉状態から開状態への切り換えが行われるよ
うに前記第1および第2の開閉手段駆動手段の作動を制
御する制御手段をさらに具えたことを特徴とする画像形
成装置にある。
【0015】本発明によると、第1および第2の開閉手
段駆動手段により供給通路開閉手段および連通路開閉手
段を操作して液体供給通路および大気連通路を共に閉鎖
した状態から、制御装置によって再び第1および第2の
開閉手段駆動手段により供給通路開閉手段および連通路
開閉手段を操作すると、まず連通路開閉手段による大気
連通路の閉状態から開状態への切り換えが行われ、タン
ク内が大気連通状態となった状態で供給通路開閉手段に
よる液体供給通路の閉状態から開状態への切り換えが行
われる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の第1の形態による画像形
成方法において、大気連通路および液体供給通路を共に
閉鎖するステップは、プリント媒体に画像が形成されな
い待機時および電源オフ時に実行されるものであっても
良い。また、液体は、インクまたはプリント媒体に対す
るインクのプリント性を調整するための処理液であって
も良い。
【0017】本発明の第2の形態による画像形成装置に
おいて、差動手段は、カムを利用したものであっても良
い。
【0018】本発明の第2および第3の形態による画像
形成装置において、プリントヘッドは、吐出口から液体
を吐出するための吐出エネルギー発生部を有するもので
あっても良く、この場合、吐出エネルギー発生部は、熱
エネルギーを発生する電気熱変換体を有するものであっ
ても良い。また、プリントヘッドの吐出口は、プリント
媒体のプリント領域の全幅に亙って配列しているもので
あっても良い。
【0019】本発明の第3の形態による画像形成装置に
おいて、連通路開閉手段および第1の開閉手段駆動手段
がチューブポンプであっても良い。
【0020】
【実施例】本発明による画像形成装置をフルラインタイ
プのインクジェットプリンタに応用した実施例につい
て、図1〜図9を参照しながら詳細に説明するが、本発
明はこのような実施例に限らず、これらをさらに組み合
わせたり、同様な課題を内包する他の分野の技術にも応
用することができる。
【0021】第1の実施例におけるインク供給系を表す
図1に示すように、交換可能に搭載されるインクカート
リッジ11は、開閉弁12が途中に組み込まれたインク
戻し管13を介してサブタンク14と連通し、また、こ
のインクカートリッジ11側へのインク15の逆流を防
止する逆止め弁16が途中に介装されたインク供給管1
7を介してバッファタンク18に連通している。このバ
ッファタンク18とサブタンク14とは、正逆転可能な
第1のチューブポンプ19を途中に組み込んだインク給
排管20を介して連通しており、この第1のチューブポ
ンプ19の正転動作によってバッファタンク18内のイ
ンク15がサブタンク14側に圧送されるようになって
いる。
【0022】上述した開閉弁12は、インクカートリッ
ジ11の着脱操作に連動してインク戻し管13を自動的
に開閉するものである。つまり、インクカートリッジ1
1がインクジェットプリンタから取り外されている状態
では、開閉弁12が閉じてインク戻し管13を閉止して
おり、逆にインクカートリッジ11がインクジェットプ
リンタに取り付けられている状態では、開閉弁12が開
いてインクカートリッジ11とサブタンク14とがイン
ク戻し管13を介して連通するようになっている。
【0023】サブタンク14の上端部には、空気給排管
21を介してサブタンク14内を大気連通可能な開閉弁
22を有する。この開閉弁22は、インクカートリッジ
11からサブタンク14にインク15を圧送する時およ
びこのインクジェットプリンタの不使用時、つまり保管
時にはサブタンク14内を塞ぎ、サブタンク14からイ
ンク15中の水分の蒸発を防止するようにしている。
【0024】図示しないプリント媒体のプリント領域の
全幅に亙って多数の吐出口24が配列する本実施例のイ
ンクジェットヘッド23は、いわゆるフルラインタイプ
のものであり、このインクジェットヘッド23の吐出口
24と所定間隔を隔てて対向するように配置されるプリ
ント媒体が図1の紙面に対して垂直な方向に搬送される
間に、各吐出口24からインク15が吐出され、所望の
画像がプリント媒体に形成されるようになっている。一
端がそれぞれ吐出口24となったインク路25の他端
は、このインクジェットヘッド23内に形成された共通
インク室26に連通した状態となっており、この共通イ
ンク室26の一端側には、第1のインク循環供給管27
を介してバッファタンク18が連通しており、この共通
インク室26の他端側には、第2のインク循環供給管2
8を介してサブタンク14が連通している。また、これ
ら第1および第2のインク循環供給管27, 28の途中
には、サブタンク14およびバッファタンク18と共通
インク室26との連通状態を遮断する開閉弁29, 30
が介装されている。
【0025】上述した開閉弁22, 29, 30の構造は
全く同一であり、サブタンク14およびバッファタンク
18の上端部を抽出拡大した図2および開閉弁22の部
分を抽出拡大した図3に示すように、本実施例における
開閉弁22は、バッファタンク18の筺体と一体に形成
されて直角に折れ曲がる空気給排管21を構成する弁シ
ート部材31と、空気給排管21を開閉し得るベローズ
状をなすゴム製の弁体32と、弁シート部材31に接合
されて弁体32の外周縁部を弁シート部材31とで挟持
するカバー部材33と、このカバー部材33を貫通し、
基端に形成した係止フランジ部34が弁体32に一体的
に連結されるプランジャ35と、このプランジャ35の
基端側に摺動自在に差し込まれたストッパリング36
と、このストッパリング36とカバー部材33との間に
介装され、当該ストッパリング36を介してプランジャ
35を弁体32と共に空気給排管21を塞ぐように付勢
する第1の圧縮コイルばね37と、プランジャ35が摺
動自在に貫通する操作板38と、この操作板38と対向
するようにプランジャ35の先端側の小径部39に摺動
自在に差し込まれた受けスリーブ40と、この受けスリ
ーブ40とプランジャ35の先端に形成したフランジ4
1との間に介装されて受けスリーブ40を基端側との段
部42に付勢する第2の圧縮コイルばね43とを有す
る。第1の圧縮コイルばね37のばね力は、第2の圧縮
コイルばね43のばね力よりも小さく設定されている。
【0026】ここで、操作板38を駆動して図3中、上
方に変位させると、まず、操作板38の上面が受けスリ
ーブ40に当接し、次いでばね力が第2の圧縮コイルば
ね43よりも小さな第1の圧縮コイルばね37が圧縮さ
れ、弁体32が空気給排管21を開くが、この第1の圧
縮コイルばね37の圧縮は、ストッパリング36がカバ
ー部材33に当接するまで続き、ストッパリング36が
カバー部材33に当接して弁体32が最大開度となった
後、今度は第2の圧縮コイルばね43の圧縮が始まり、
受けスリーブ40が段部42から離れてフランジ41側
に押し上げられるが、この場合、弁体32の開度に変化
は生じない。
【0027】操作板38は、プランジャ35の軸線に沿
って平行移動可能となっており、カバー部材33側に向
けて付勢された状態となっている。また、この操作板3
8の裏面には、図示しない弁駆動モータによって半回転
ずつ間欠的に旋回するカム軸44と一体の板カム45が
当接しているが、図2からも明らかなように、開閉弁2
2の開弁状態が他の2つの開閉弁29, 30の開弁状態
よりも常に長く続くように、他の2つの開閉弁29, 3
0に対応する板カム46とは形状が相違している。
【0028】つまり、図2に示す閉弁状態から弁駆動モ
ータによってカム軸44と共に板カム45, 46を回転
させ始めると、図4に示すようにまず開閉弁22の板カ
ム45が操作板38を押し上げ、開閉弁22が開弁状態
に移行する。次いで、図5に示すように残り2つの開閉
弁29, 30の板カム46が操作板38を押し上げ、こ
れら2つの開閉弁29, 30が開弁状態に移行する。逆
に、図5に示す開弁状態から閉弁状態に移行する場合に
は、図4に示すように最初に2つの開閉弁29, 30が
閉状態に移行し、次いで図3に示すように残りの開閉弁
22が閉弁状態に移行するようになっている。
【0029】ただし、板カム46のカムプロフィールを
変更することで、最初に開閉弁22を開弁状態から閉弁
させ、次いで2つの開閉弁29, 30を閉弁状態に移行
させることも可能である。
【0030】インクジェットヘッド23の吐出口24が
形成される吐出口面47と対向するインク受容部材48
と前記サブタンク14とは、インク回収管49を介して
連通しており、このインク回収管49の途中には、イン
ク受容部材48内のインク15をサブタンク14側へ送
る第2のチューブポンプ50と、インク受容部材48側
へのインク15や空気の逆流を防止するための逆止め弁
51と、サブタンク14に回収されるインク15中の異
物を捕捉するためのフィルタ52とが設けられている。
インク受容部材48によるインクジェットヘッド23の
キャッピング状態においては、インク受容部材48がイ
ンクジェットヘッド23の吐出口24(インク路25)
を囲むように、その先端部の弾性変形を伴って吐出口面
47に押し当たり、インクジェットヘッド23の吐出口
24が密封状態に保持される。予備吐出などによって吐
出口24から吐出されるインク滴や、結露などによって
吐出口面47に付着した大粒のインク滴は、インク受容
部材48内に収容され、第2のチューブポンプ50の作
動によってインク回収管49からサブタンク14内に戻
される。
【0031】本実施例におけるインク受容部材48は、
図示しない受容部材移動装置によって、上述したキャッ
ピング位置と、このキャッピング位置から水平方向に退
避した退避位置との間を往復動可能である。
【0032】前記第1および第2のチューブポンプ1
9, 50は、図示しない1台の駆動モータの作動によっ
て同期回転するロータ53と、これらロータ53の外周
にそれぞれ回転自在に保持された複数個(図示例ではそ
れぞれ3個)のローラ54と、インク給排管20, イン
ク回収管49を挟んで各ロータ53を囲む半円弧状の可
動チューブ受け55, 56と、これら可動チューブ受け
55, 56をロータ53の半径方向にそれぞれ個別に移
動させる図示しない受け駆動手段とを有する。各可動チ
ューブ受け55, 56は、受け駆動手段によってロータ
53側に前進してインク給排管20, インク回収管49
がローラ54によりそれぞれ押しつぶされる操作位置
と、可動チューブ受け55, 56がインク給排管20,
インク回収管49から離れ、これらインク給排管20,
インク回収管49がそれぞれ開放状態となる退避位置と
に個別に切り換え可能である。
【0033】本実施例におけるインクジェットプリンタ
には、インク供給モードと、インク循環モードと、予備
吐出モードと、プリントモードと、待機モードと、搬送
モードとが設定されており、次に、これら各操作モード
について順に説明する。
【0034】インク供給モードは、このインクジェット
プリンタの初期状態、あるいはプリント動作やインクジ
ェットヘッド23の回復動作のため、サブタンク14内
に貯蔵されたインク15がプリント可能な下限レベル以
下まで消費された場合、インクカートリッジ11からサ
ブタンク14内にインク15を供給したり、あるいはサ
ブタンク14内のインク14とインクカートリッジ11
内のインク15とを一定量入れ替えてインク15の成分
劣化を平均化するためものである。
【0035】具体的には、まず第1のチューブポンプ1
9の可動チューブ受け55を操作位置に切り換え、イン
ク給排管20をローラ54によって押しつぶした後、開
閉弁22, 29, 30を図2に示す閉弁状態に切り換え
る。
【0036】この状態からロータ53を図1中、左回り
に駆動回転し、バッファタンク18内のインク15をイ
ンク戻し管13を介してインクカートリッジ11内に戻
すと、インクカートリッジ11およびサブタンク14内
は正圧、バッファタンク18内は負圧となるため、イン
クカートリッジ11内のインク15がインク供給管17
からバッファタンク18内に供給され、インクカートリ
ッジ11−インク供給管17−バッファタンク18−イ
ンク給排管20−サブタンク14−インク戻し管13−
インクカートリッジ11とつながるインクジェットヘッ
ド23とは独立した密閉循環経路が形成され、インク1
5はサブタンク14内に上限レベル以上まで蓄積され
る。
【0037】このインク供給モードの終了後、第1のチ
ューブポンプ19の可動チューブ受け55を退避位置に
下降させ、インク給排管20を介してサブタンク14お
よびバッファタンク18の内圧を等しくし、さらに開閉
弁22, 29, 30を図5に示す開弁状態に切り換え
る。この場合、最初に空気給排管21が開いてサブタン
ク14内が大気連通状態となり、これに伴ってバッファ
タンク18の内圧もサブタンク14と等しくなるため、
これに続いて開閉弁29, 30が開いても、インクジェ
ットヘッド23の吐出口24からインク15が押し出さ
れたり、逆にこれら吐出口24からインク路25内に空
気を吸い込むような不具合を未然に防止することができ
る。
【0038】インク循環モードは、第1のチューブポン
プ19によりインク15をインクジェットヘッド23の
共通インク室26に供給し、これをサブタンク14に戻
すことにより、インクジェットヘッド23内のインク路
25や共通インク室26などの汚損を取り除くためのも
のである。
【0039】具体的には、まず第1および第2のチュー
ブポンプ19, 50の可動チューブ受け55, 56を操
作位置に上昇させ、インク給排管20, インク回収管4
9をローラ54によってそれぞれ押しつぶした後、開閉
弁22, 29, 30を図5に示す開弁状態に保持する。
この場合、これら開閉弁22, 29, 30が閉弁状態の
場合には、先に説明したように、開閉弁22が最初に開
弁状態となり、続いて残りの開閉弁29, 30が開弁状
態に移行するため、インクジェットヘッド23の吐出口
24からインク15が押し出されたり、逆にこれら吐出
口24からインク路25内に空気を吸い込むような不具
合を未然に防止することができる。
【0040】次に、ロータ53を図1中、右回りに回転
駆動し、第1のチューブポンプ19によりサブタンク1
4内のインク15をバッファタンク18に圧送し、これ
によってバッファタンク18内のインク15を第1のイ
ンク循環供給管27からインクジェットヘッド23の共
通インク室26内に供給することにより、その一部がイ
ンク路25を介して吐出口24からインク受容部材48
に排出され、残りが第2のインク循環供給管28からサ
ブタンク14内に戻される。インク受容部材48に排出
されたインク15は、第2のチューブポンプ50により
インク回収管49からサブタンク14内に回収される
が、その途中でフィルタ52によって異物が除去され
る。
【0041】予備吐出モードは、吐出口24に付着した
増粘インクや固化インクによる吐出不良を防止するた
め、シーケンス制御により、例えば後述するプリントモ
ードに先立って、インクジェットヘッド23のすべての
吐出口24からインクをインク受容部材48内に吐出
し、これをサブタンク14内に回収するものである。
【0042】具体的には、まず第2のチューブポンプ5
0の可動チューブ受け56を操作位置に上昇させ、イン
ク回収管49をローラ54によってそれぞれ押しつぶし
た後、開閉弁22, 29, 30を図5に示す開弁状態に
保持する。この場合、これら開閉弁22, 29, 30が
閉弁状態の場合には、先に説明したように、開閉弁22
が最初に開弁状態となり、続いて残りの開閉弁29, 3
0が開弁状態に移行するため、インクジェットヘッド2
3の吐出口24からインク15が押し出されたり、逆に
これら吐出口24からインク路25内に空気を吸い込む
ような不具合を未然に防止することができる。
【0043】この状態から、インクジェットヘッド23
のすべての吐出口24からインク15を吐出すると共に
ロータ53を図1中、右回りに回転駆動する。この吐出
動作に伴って、バッファタンク18内のインク15が第
1のインク循環供給管27を介して共通インク室26内
に吸引され、同時にサブタンク14内のインクが第2の
インク循環供給管28を介して共通インク室26内に吸
引される。吐出口24から吐出されたインク15は、キ
ャッピング位置にあるインク受容部材48に受容され、
第2のチューブポンプ50によってインク回収管49か
らサブタンク14内に回収されるが、その途中でフィル
タ52により異物が除去される。
【0044】プリントモードは、プリント媒体に対して
インクを吐出し、所望の画像を形成するためものであ
り、第1および第2のチューブポンプ19, 50の可動
チューブ受け55, 56をロータ53から離れる退避位
置にそれぞれ下降させ、開閉弁22, 29, 30を図5
に示す開弁状態に保持する。この場合、これら開閉弁2
2, 29, 30が閉弁状態の場合には、先に説明したよ
うに、開閉弁22が最初に開弁状態となり、続いて残り
の開閉弁29, 30が開弁状態に移行するため、インク
ジェットヘッド23の吐出口24からインク15が押し
出されたり、逆にこれら吐出口24からインク路25内
に空気を吸い込むような不具合を未然に防止することが
できる。
【0045】図示しないプリント媒体を図1の紙面に対
して垂直な方向に搬送しつつ、個々の吐出口24から選
択的にインクを吐出することにより、プリント媒体の表
面に所望の画像が形成される。これに伴って消費される
インクの量に応じ、バッファタンク18およびサブタン
ク14内のインク15が第1および第2のインク循環供
給管27, 28を介してインクジェットヘッド23に吸
引される。
【0046】待機モードは、インクジェットプリンタの
電源が切られるなど、ジョブが行われない場合のモード
であり、インク15の蒸発をできるだけ防止するため、
第1および第2のチューブポンプ19, 50の可動チュ
ーブ受け55, 56をロータ53から離れる退避位置に
それぞれ下降させ、開閉弁22, 29, 30を図2に示
す閉弁状態に保持する。これにより、サブタンク14内
は密閉状態となり、インク15中の水分の蒸発を未然に
防ぐ。
【0047】なお、この待機モード状態にて外気温や気
圧に変動があると、サブタンク14やバッファタンク1
8内のインク15や内圧が変化するが、開閉弁29, 3
0が閉弁状態にあるため、その影響がインクジェットヘ
ッド23側へは及ばない。
【0048】輸送モードは、基本的には待機モードと同
じ操作状態であるが、インクカートリッジ11がインク
ジェットプリンタから取り外されているため、開閉弁1
2は閉弁状態となっている。
【0049】上述した実施例では、板カム45, 46の
カムプロフィールを変えることで、開閉弁22と開閉弁
29, 30との開閉タイミングを変えるようにしたが、
すべて同一の板カム46を使用しても、開閉弁22と開
閉弁29, 30との開閉タイミングを変えることが可能
である。
【0050】このような本発明の第2の実施例の概略構
造を図6〜図8に示すが、上述した実施例と同一機能の
部材には、これと同一符号を記すに止め、重複する説明
は省略するものとする。すなわち、すべての開閉弁2
2, 29, 30が閉弁状態を表す図6に示すように、開
閉弁22の段部42と操作板38の表面との間隔は、他
の開閉弁29, 30の段部42と操作板38の表面との
間隔よりも短く設定されており、操作板38が上昇を始
めると最初に開閉弁22の受けスリーブ40が操作板3
8に当接し、操作板38のさらなる上昇によって図7に
示すように、その第1の圧縮コイルばね37が圧縮され
て開閉弁22が開弁状態に移行し、これと並行して開閉
弁29, 30の受けスリーブ40が操作板38に当接
し、操作板38のさらなる上昇によって図8に示すよう
に、これらの第1の圧縮コイルばね37が圧縮されて開
閉弁29, 30も開弁状態に移行する。
【0051】逆に、図8に示す開弁状態から操作板38
が下降を始めると、図7に示すようにまず開閉弁29,
30が閉弁状態となり、次いで図6に示すように開閉弁
22が閉弁状態となる。
【0052】このように、本実施例では1枚の操作板3
8をすべての開閉弁22, 29, 30に対して共用する
ことができる上、これを複数の板カム46で同時に支持
することができるため、先の実施例よりも操作板38の
支持機構や昇降機構などを簡略化することができる。ま
た、本実施例では、閉弁状態における開閉弁22の段部
42と操作板38との隙間を他の開閉弁29, 30のそ
れよりも小さく設定することによって、開閉弁22と開
閉弁29, 30との開閉タイミングを変えるようにした
が、第1の実施例における開閉弁29, 30の第1の圧
縮コイルばね37および第2の圧縮コイルばね43のば
ね力の関係をそれぞれ逆に設定し、第1の圧縮コイルば
ね37のばね力を第2の圧縮コイルばね43のばね力よ
りも大きくすることによっても、開閉弁22と開閉弁2
9, 30との開閉タイミングを変えることが可能であ
る。
【0053】すなわち、開閉弁29, 30では操作板3
8の上昇に伴ってまず第2の圧縮コイルばね43が押し
縮められ、受けスリーブ40のみが上昇してフランジ4
1に当接し、次いで第1の圧縮コイルばね37の圧縮が
始まり、プランジャ35が弁体32と共に上昇して開閉
弁29, 30が開弁状態に移行するのに対し、開閉弁2
2では最初に第1の圧縮コイルばね37の圧縮されるた
め、上述したように直ちに開閉弁22が開弁状態に移行
するようになっている。逆に、これらの開弁状態から閉
弁状態への移行の際には、最初に開閉弁29, 30が閉
弁状態に移行した後、開閉弁22が閉弁状態に移行す
る。この実施例の場合、開閉弁29, 30のストッパリ
ング36を省略することも可能である。
【0054】図1〜図5に示した第1の実施例に対し、
開閉弁29, 30を省略した第3の実施例について、そ
のインク供給系を表す図9を参照しながら説明するが、
先の実施例と同一機能の部材にはこれと同一符号を記す
に止め、重複する説明は省略するものとする。
【0055】すなわち、本実施例では第2のインク循環
供給管28の途中に可動チューブ受け57を有する第3
のチューブポンプ58を設けており、この第3のチュー
ブポンプ58の吐出能力は、第1のチューブポンプ19
の吐出能力よりも小さく設定されている。この第3のチ
ューブポンプ58は、第1および第2のチューブポンプ
19, 50と共に、それぞれ独立した駆動源によって個
々に駆動可能となっている。また、第2のチューブポン
プ50の可動チューブ受けを図示しない固定チューブ受
けとし、第2チューブポンプ50に常時ポンプ機能を持
たせるようにしている。さらに、第1のインク循環供給
管27の途中には、先の実施例の開閉弁に代えてインク
ジェットヘッド23側からバッファタンク18へのイン
ク15の逆流を阻止する逆止め弁60を介装している。
【0056】本実施例のインク供給モードにおいては、
開閉弁22を閉弁状態にして第1のチューブポンプ19
を駆動することにより、インクカートリッジ11内のイ
ンクをバッファタンク18からサブタンク14内に供給
する。この時、第3のチューブポンプ58の可動チュー
ブ受け57を操作位置に上昇させ、この可動チューブ受
け57とローラ54とで第2インク循環供給管28を押
しつぶし、この第2インク循環供給管28を閉止したま
まししておき、そのロータ59は駆動させない。
【0057】このインク供給モードが終了したなら
ば、、開閉弁22を開弁状態に切り換えてサブタンク1
4内を大気開放した後、第1および第3のチューブポン
プ19,58のチューブ受け55, 57を共に退避位置
に下降させることにより、インク給排管20を介してバ
ッファタンク18およびサブタンク14の内圧を等しく
し、さらにインクジェットヘッド23の共通インク室2
6とサブタンク14内とが第2のインク循環供給管28
を介して連通するため、インクジェットヘッド23の吐
出口24からインクが溢れ出たり、空気がインク路25
内に吸い込まれるような不具合が発生しない。
【0058】なお、チューブポンプ58によってインク
循環供給管28を長時間押しつぶし続けることにより、
インク順端供給管28が塑性変形してしまうおそれがあ
る場合には、インク供給モードを実行する際に第3のチ
ューブポンプ58の可動チューブ受け57を操作位置に
移動させず、退避位置に保持しておき、サブタンク14
内の圧力変化をインクジェットヘッド23側に伝播さ
せ、予備吐出モードやインク循環モードでその悪影響を
補償するようにしても良い。
【0059】なお、この第3の実施例では開閉弁29,
30を共に廃止した場合について説明したが、何れか一
方のみを廃止し、第1の実施例1や第2の実施例2に説
明した方法とこの第3の実施例による方法とを組み合わ
せることで、サブタンク14内の大気開放操作と他のイ
ンク流路の閉止部分の開放操作とに時間差を設けて対処
することも可能である。
【0060】なお、本発明は、特にインクジェット方式
の中でも、液体の吐出を行わせるために利用されるエネ
ルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば、電
気熱変換体やレーザ光など)を具え、前記熱エネルギー
により液体の状態変化を生起させる方式のインクジェッ
トプリンタにおいて優れた効果をもたらすものである。
かかる方式によれば、プリントの高密度化および高精細
化が達成できるからである。
【0061】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書や、同第474
0796号明細書に開示されている基本的な原理を用い
て行うものが好ましい。この方式は、いわゆるオンデマ
ンド型およびコンティニュアス型の何れにも適用可能で
あるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体が保持
されているシートや流路に対応して配置される電気熱変
換体に、プリント情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生
させ、インクジェットヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じ
させ、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体内
の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長お
よび収縮により、吐出口を介して液体を吐出させ、少な
くとも1つの液滴を形成する。この駆動信号をパルス形
状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるの
で、特に応答性に優れた液体の吐出が達成でき、より好
ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許
第4463359号明細書や、同第4345262号明
細書に記載されているようなものが適している。なお、
上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4
313124号明細書に記載されている条件を採用する
と、さらに優れたプリントを行うことができる。
【0062】また、プリントヘッドの構成としては、上
述の各明細書に開示されているような吐出口と流路と電
気熱変換体との組合せ構成(直線状液流路または直角液
流路)の他に、熱作用部が屈曲する領域に配置されてい
る構成を開示する米国特許第4558333号明細書
や、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も
本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変
換体に対し、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部
とする構成を開示する特開昭59−123670号公報
や、熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対
応させる構成を開示した特開昭59−138461号公
報に基いた構成としても、本発明の効果は有効である。
すなわち、プリントヘッドの形態がどのようなものであ
っても、本発明によればプリントを確実に効率良く行う
ことができるようになるからである。
【0063】さらに、上述のようなフルラインタイプの
インクジェットヘッドとしては、複数のインクジェット
ヘッドの組合せによってその長さを満たす構成や、一体
的に形成された1個のインクジェットヘッドとしての構
成の何れでもよい。加えて、シリアルタイプのインクジ
ェットヘッドが搭載されるインクジェットプリンタの場
合でも、本発明は有効である。
【0064】また、搭載されるインクジェットヘッドの
種類や個数についても、例えば単色のインクに対応して
1個のみが設けられたものの他、プリント色や濃度を異
にする複数のインクに対応して複数個数設けられるもの
であってもよい。すなわち、例えばインクジェットプリ
ンタのプリントモードとしては黒色などの主流色のみの
プリントモードだけではなく、インクジェットヘッドを
一体的に構成するか、複数個の組み合わせによるか何れ
でもよいが、異なる色の複色カラーまたは混色によるフ
ルカラーの各プリントモードの少なくとも一つを備えた
装置にも本発明は極めて有効である。この場合、プリン
ト媒体に応じてインクのプリント性を調整するための処
理液(プリント性向上液)をインクジェットヘッドから
プリント媒体に吐出することも有効である。
【0065】さらに加えて、以上説明した本発明の実施
例においては、室温やそれ以下で固化し、室温で軟化も
しくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジ
ェット方式では液体自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行って液体の粘性を安定吐出範囲にある
ように温度制御するものが一般的であるから、使用プリ
ント信号付与時に液状をなすものを用いてもよい。加え
て、熱エネルギーによる昇温を、固形状態から液体状態
への状態変化のエネルギーとして使用させることで積極
的に防止するため、または液体の蒸発を防止するため、
放置状態で固化し加熱によって液化するものを用いても
よい。何れにしても熱エネルギーのプリント信号に応じ
た付与によって液化し、液体が吐出されるものや、プリ
ント媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるものな
どのような、熱エネルギーの付与によって初めて液化す
る性質のものを使用する場合も本発明は適用可能であ
る。このような場合の液体は、特開昭54−56847
号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載さ
れるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状又は
固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して
対向するような形態としてもよい。本発明においては、
上述した各液体に対して最も有効なものは、上述した膜
沸騰方式を実行するものである。
【0066】さらに加えて、本発明にかかる画像形成装
置の形態としては、コンピュータなどの情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダなどと
組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファク
シミリ装置や捺染装置の形態を採るものなどであっても
良い。
【0067】
【発明の効果】本発明によると、大気と連通する大気連
通路が設けられたタンクから液体供給通路を介して供給
される液体を吐出口から吐出するプリントヘッドを用い
てプリント媒体に画像を形成するに際し、大気連通路お
よび液体供給通路が共に閉鎖された状態から、大気連通
路を最初に開放した後に液体供給通路を開放するように
したので、まずタンク内が大気開放状態となり、続いて
このタンク内とプリントヘッドとを液体供給通路を介し
て連通させることができる。この結果、大気連通路およ
び液体供給通路が共に閉鎖された状態におけるタンク側
とプリントヘッド側との内圧の相違を大幅に緩和するこ
とが可能であり、プリントヘッドの吐出口から液体が溢
れ出たり、逆にこの吐出口からプリントヘッド内に空気
が吸い込まれるなどの不具合を未然に防止することが可
能となり、特別な処理を行わずともプリント品質を良好
に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像形成装置をインクジェットプ
リンタに応用した一実施例におけるインク供給系を表す
概念図である。
【図2】図1に示した実施例の主要部を抽出拡大した断
面図であり、閉弁状態を表す。
【図3】図1および図2に示した実施例における開閉弁
の構造を表す拡大断面図である。
【図4】閉弁状態と開弁状態との間の移行過程での図2
に対応した断面図であり、連通路開閉弁のみ開弁状態で
あることを表す。
【図5】閉弁状態における図2に対応した断面図であ
る。
【図6】本発明の他の実施例における図2に対応した断
面図であり、閉弁状態を表す。
【図7】閉弁状態と開弁状態との間の移行過程での図6
に対応した断面図であり、連通路開閉弁のみ開弁状態で
あることを表す。
【図8】閉弁状態における図6に対応した断面図であ
る。
【図9】本発明による別な実施例におけるインク供給系
を表す概念図である。
【図10】従来の開閉弁の構造の一例を示す断面図であ
り、閉弁状態を表す。
【図11】閉弁状態における図10に対応した断面図で
ある。
【符号の説明】
11 インクカートリッジ 12 開閉弁 13 インク戻し管 14 サブタンク 15 インク 16 逆止め弁 17 インク供給管 18 バッファタンク 19 第1のチューブポンプ 20 インク給排管 21 空気給排管 22 開閉弁 23 インクジェットヘッド 24 吐出口 25 インク路 26 共通インク室 27 第1のインク循環供給管 28 第2のインク循環供給管 29, 30 開閉弁 31 弁シート部材 32 弁体 33 カバー部材 34 係止フランジ部 35 プランジャ 36 ストッパリング 37 第1の圧縮コイルばね 38 操作板 39 小径部 40 受けスリーブ 41 フランジ 42 段部 43 第2の圧縮コイルばね 44 カム軸 45, 46 板カム 47 吐出口面 48 インク受容部材 49 インク回収管 50 第2のチューブポンプ 51 逆止め弁 52 フィルタ 53 ロータ 54 ローラ 55〜57 可動チューブ受け 58 第3のチューブポンプ 59 ロータ 60 逆止め弁

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気と連通する大気連通路が設けられた
    タンクから液体供給通路を介して供給される液体を吐出
    口から吐出するプリントヘッドを用いてプリント媒体に
    画像を形成する方法であって、 前記大気連通路および前記液体供給通路を共に閉鎖する
    ステップと、 この状態から前記大気連通路を最初に開放するステップ
    と、 前記大気連通路を開放した後に前記液体供給通路を開放
    するステップとを具えたことを特徴とする画像形成方
    法。
  2. 【請求項2】 前記大気連通路および前記液体供給通路
    を共に閉鎖するステップは、前記プリント媒体に画像が
    形成されない待機時および電源オフ時に実行されること
    を特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記液体は、インクまたは前記プリント
    媒体に対するインクのプリント性を調整するための処理
    液であることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 プリント媒体に液体を吐出して画像を形
    成するためのプリントヘッドとこのプリントヘッドに供
    給される液体を貯溜したタンクとを連通する液体供給通
    路を開閉可能な供給通路開閉手段と、前記タンクと大気
    とを連通する大気連通路を開閉可能な連通路開閉手段
    と、これら供給通路開閉手段および連通路開閉手段の開
    閉を行うための開閉手段駆動手段とを有する画像形成装
    置であって、 前記開閉手段駆動手段は、前記供給通路開閉手段による
    前記液体供給通路の閉状態から開状態への切り換えに先
    立って前記連通路開閉手段による前記大気連通路の閉状
    態から開状態への切り換えが行われる差動手段を有する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記差動手段は、カムを利用したもので
    あることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 プリント媒体に液体を吐出して画像を形
    成するためのプリントヘッドとこのプリントヘッドに供
    給される液体を貯溜したタンクとを連通する液体供給通
    路を開閉可能な供給通路開閉手段と、この供給通路開閉
    手段の開閉を行うための第1の開閉手段駆動手段と、前
    記タンクと大気とを連通する大気連通路を開閉可能な連
    通路開閉手段と、この連通路開閉手段の開閉を行うため
    の第2の開閉手段駆動手段とを有する画像形成装置であ
    って、 前記供給通路開閉手段による前記液体供給通路の閉状態
    から開状態への切り換えに先立って前記連通路開閉手段
    による前記大気連通路の閉状態から開状態への切り換え
    が行われるように前記第1および第2の開閉手段駆動手
    段の作動を制御する制御手段をさらに具えたことを特徴
    とする画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記連通路開閉手段および前記第1の開
    閉手段駆動手段がチューブポンプであることを特徴とす
    る請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記プリントヘッドは、前記吐出口から
    液体を吐出するための吐出エネルギー発生部を有するこ
    とを特徴とする請求項4から請求項7の何れかに記載の
    画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記吐出エネルギー発生部は、熱エネル
    ギーを発生する電気熱変換体を有することを特徴とする
    請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記プリントヘッドの前記吐出口は、
    前記プリント媒体のプリント領域の全幅に亙って配列し
    ていることを特徴とする請求項4から請求項9の何れか
    に記載の画像形成装置。
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