JPH0789097A

JPH0789097A - インクジェット記録装置

Info

Publication number: JPH0789097A
Application number: JP23983893A
Authority: JP
Inventors: Akira Kida; 朗木田; Akira Miyagawa; 晃宮川; Hideki Yamaguchi; 秀樹山口; Tsutomu Kawai; 力河合; Hitoshi Nakamura; 仁志中村
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1993-09-27
Filing date: 1993-09-27
Publication date: 1995-04-04

Abstract

(57)【要約】【目的】インクジェット記録装置のインクカートリッ
ジ保管箱内蔵のパージ装置のインク吸引ポンプ機構にお
いて、ケース蓋３を閉める時あるいはレバー６を戻す時
に、キャップ４内や、キャップ４とポンプ間流路内にイ
ンクが残らないようにしてインクの逆流を防止するため
の手段を提供する。【構成】このため、インク吸引ポンプ機構を、インク
カートリッジ１よりインクを吸入している途中で空気が
キャップ室内に入るようにし、吸引後、キャップ室やポ
ンプまでの流路内にインクが残留しないように構成する
と共に、ダッシュポット機能を有する第２のピストン部
７ｃを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、記録手段から被記録材
へインクを吐出させて記録を行うインクジェット記録装
置、特にそのインクカートリッジ保管箱内のインク吸引
ポンプ機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のインクジェット記録装置
におけるインクカートリッジ保管箱のポンプ装置は、図
４にその一例の断面図を示すように、ケース蓋もしくは
レバーにて作動するピストンによるポンプがキャップを
介してカートリッジインク吐出面に連通する構造を有し
ていた。

【０００３】図４において、１はインクカートリッジ
で、図５にその外観斜視図を示す。１ａはそのインク吐
出面、２は、カートリッジ保管箱のケース身、３はケー
ス蓋、４はキャップ、５はシリンダ、５ａはオリフィス
部、６はレバー、７ａはピストン、８は中蓋、９はイン
ク吸収体、１０は逆止弁の弁膜、１２はヒンジピン、１
３は連結ピンであり、Ａはポンプ室を示す。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような従来例にあっては、ケース蓋を閉める時、もしく
はレバーを戻す時に、キャップ内やキャップとポンプ間
流路に残ったインクが逆流し、カートリッジのノズル内
に押込められたり、ごみが逆流インクとともにノズルに
流入し、目詰まりを起すといった問題点があった。また
蓋の開閉やレバーの操作は手作業によるため、操作の仕
方によりインクの吸引量や吸引圧、逆流量や逆流圧等が
大幅に変化するという問題点もあった。

【０００５】本発明は、以上のような従来例の問題点に
かんがみてなされたもので、前記インクカートリッジ保
管箱のケース蓋を閉める時またはレバーを戻す時に、キ
ャップ内やキャップとポンプ間流路にインクが残らない
ようにしてインクの逆流を防止するための手段の提供を
目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、使用途中の単色インクカートリッジを常に使用可
能状態に保存するためのインクカートリッジ保管箱に内
蔵されるパージ装置のインク吸引ポンプ機構において、
（１）ポンプを構成するピストン軸は第２のピストン部
を有し、この第２のピストンは流体移動孔によるダッシ
ュポット構造であって前記ピストン軸は一定の低速度で
動作するよう構成され、（２）インク吸引後、このピス
トンのオーバストロークを利用しキャップ内に空気が流
入する穴吸引構造を有するインク吸引ポンプ機構を備え
るよう構成することにより、前記目的を達成しようとす
るものである。

【０００７】

【作用】以上のような本発明構成によれば、インクカー
トリッジよりインクを吸引している途中で空気がキャッ
プ室内に入るようにし、吸引後キャップ室やポンプまで
の流路内にインクが残らないようにして逆流を防止する
ことができる。また、インク吸引開始後、吸引時間がか
かり、また、エアー吸引に切り替る迄の時間を取るた
め、ダッシュポット等を用いてピストン軸が蓋やレバー
の操作の仕方にかかわらずゆっくり動作するようになっ
た。

【０００８】

【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて説明する；（実施例１）図１に、この発明に係る一実施例の主要断
面図を示す。１はインクカートリッジでそのインク吐出
面１ａは、キャップ４で覆われておりキャップ４は、ピ
ストン軸７とシリンダ５とで構成される吸引ポンプに連
通している。ケース蓋３を開けると、ピストン軸７は、
連結ピン１３でケース蓋３と連結されているため、第１
ピストン部７ａが最下点より上昇する。この時、ポンプ
室は減圧されるため、逆止弁の弁膜１０が弁穴７ｂを閉
じ、Ｏリング１１がオリフィス部５ａを通過するまでポ
ンプ室は減圧し続け、Ｏリング１１がオリフィス部５ａ
を通過した直後、キャップ４側よりインクが流入する。

【０００９】さらにピストン軸７が上昇すると、連結ピ
ン１３に連結されたレバー６がキャップ４側に移動し、
その突起部がキャップ４のアーム部４ｂを屈曲させる。
インク吐出面１ａをシールしているキャップ４のフェン
ス部４ａがアーム部４ｂにつれ動きリークすることでポ
ンプ室側にエアーがキャップ室や流路のインクをつれ去
る形で流入する。ピストン軸７を押し下げる時Ｏリング
１１がオリフィス部５ａを通過するまで、逆止弁の弁膜
１０を押し開く程度にやや正圧になるが、キャップ室や
流路には残インクがないため逆流は生じない。

【００１０】ピストン軸７の上昇時、Ｏリング１１がオ
リフィス部５ａを通過し、レバー６がアーム部４ｂを屈
曲させるまでがインクのポンプ室への流入時間である
が、この時間を長くとるため、ピストン軸７は第２ピス
トン７ｃによるダッシュポット部としての小孔７ｄが設
けてある。第２ピストン７ｃには小孔７ｄがあり、シリ
ンダ５と第２ピストン７ｃとにより構成されるポンプ室
は流体が封入してあり、ピストン軸７の移動時、この流
体が小孔７ｄを通過する時の流路抵抗を利用したダッシ
ュポットにより、ピストン軸７の上昇／下降速度を制限
し、前記目的を達する。

【００１１】（実施例２）図２に他の実施例の主要部断
面図を示す。この実施例は、前記実施例１において、ダ
ッシュポット効果がインク吸引開始以降に作用するよう
にしたもので、第２ピストン１４が、吸引ポンプの減圧
ストローク分、ピストン軸７上を移動するように構成し
たものである。

【００１２】すなわち、ピストン軸７が最下点より上昇
するとＯリング１１がオリフィス部５ａに達するまで、
第２ピストン１４は移動せず、Ｏリング１１がオリフィ
ス部５ａを通過後、第２ピストン１４はピストン軸７に
より引き上げられ、流体が小孔１４ａを通りダッシュポ
ット効果でピストン軸７が減圧され、インク吸引時間を
長くするように構成したものである。

【００１３】（実施例３）さらに他の実施態様の主要断
面図を図３に示す。前記実施例１におけるキャップ４を
リークする方法を弁に置替えたものである。すなわち、
第１ピストン７ａが上死点まで上昇すると、凸部７ｅが
プラグ１５を作動させ、エアーパスパイプ部４ｃ及び８
ａを介して大気にキャップ室を開放させてエアー吸引を
行うよう構成したものである。

【００１４】なお、この発明は、特にインクジェット記
録装置の中でも、インクの吐出を行わせるために利用さ
れるエネルギとして熱エネルギを発生する手段を備え、
前記熱エネルギによりインクの状態変化を生起させる方
式の記録ヘッド、記録装置において、優れた効果をもた
らすものである。かかる方式によれば記録の高密度化，
高精度化が達成できるからである。

【００１５】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第４７２３１２９号明細書，同第４７４０
７９６号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型，
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体（インク）が保持
されているシートや流路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、結果的に
この駆動信号に一対一対応し液体（インク）内の気泡を
形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮によ
り吐出用開口を介して液体（インク）を吐出させて、少
なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形
状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるの
で、特に応答性に優れた液体（インク）の吐出が達成で
き、より好ましい。このパルス形状の駆動信号として
は、米国特許第４４６３３５９号明細書，同第４３４５
２６２号明細書に記載されているようなものが適してい
る。なお、前述熱作用面の温度上昇率に関する発明の米
国特許第４３１３２４４号明細書に記載されている条件
を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。

【００１６】記録ヘッドの構成としては、前述の各明細
書に開示されているような吐出口，液路，電気熱変換体
の組み合わせ構成（直線状液流路または直角液流路）の
ほかに熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を
開示する米国特許第４５５８３３３号明細書，米国特許
第４４５９６００号明細書を用いた構成も本発明に有効
である。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通す
るスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示す
る特開昭５９−１２３６７０号公報や熱エネルギの圧力
波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する
特開昭５９−１３８４６１号公報に基づいた構成として
も本発明は有効である。

【００１７】さらに、実施例ではシリアルタイプのイン
クジェット記録装置を示したが、記録可能な最大幅に対
応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドに対
しても本発明は有効に適用できる。フルラインタイプの
記録ヘッドとしては、前述した明細書に開示されている
ような複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さ
を満たす構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドと
しての構成のいずれでもよいが、本発明は前述した効果
を一層有効に発揮することができる。

【００１８】また、本発明のインクジェット記録装置の
構成として設けられる、記録ヘッドに対しての回復手
段、予備的な補助手段を付加することは本発明の効果を
一層安定できるので好ましいものである。これらを具体
的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、キャッピング手
段，クリーニング手段，加圧あるいは吸引手段，電気熱
変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの
組み合わせによる予備加熱手段，記録とは別の吐出を行
う予備吐出モードを行うことも安定した記録を行うため
に有効である。

【００１９】また、搭載される記録ヘッド，インクの種
類ないし個数についても、例えば単色のインクおよび１
個の記録ヘッドが設けられたもののほか、記録色や濃度
を異にする複数のインクに対応して複数のヘッドが設け
られるものであってもよく、任意の組み合わせにおいて
も有効である。記録装置の記録モードとしては黒色等の
記録モードだけでなく、異なる色の服飾カラー、または
混色によるフルカラーの各記録モードにおいても本発明
は有効である。

【００２０】以上、説明した本発明の実施例において
は、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以
下で凝固するインクであって、室温で軟化もしくは融解
するものや、あるいは、前述のインクジェットではイン
ク自体を３０℃以上７０℃以下の範囲で温度調整を行っ
てインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御す
るものが一般的であるから、使用記録信号付与時にイン
クが液状をなすものであればよい。加えて、熱エネルギ
による昇温を防止するため、積極的にインクの固体状態
から液体状態への相変化のエネルギとして使用せしめる
か、または、インクの蒸発防止を目的として放置状態で
固化するインクを用いるかして、いずれにしても熱エネ
ルギの記録信号に応じた付与によってインクが液化して
インク液状として吐出するものや記録媒体に到達する時
点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギ
によって初めて液化する性質のインク使用も本発明には
適用可能である。本発明においては、前述した各インク
に対して最も有効なものは、前述した膜沸騰方式を実行
するものである。

【００２１】また、本発明は電気を力に変換させてイン
クを吐出させるピエゾジェット方式等、記録媒体と非接
触に記録ヘッドを配設させ、インクを噴射させて記録す
る記録方式等のインクジェット方式において有効であ
る。

【００２２】更に加えて、本発明の記録装置の形態とし
ては、前述のようなワードプロセッサやコンピュータ等
の情報処理機器の出力端末として一体あるいは別体に設
けられるもののほかスキャナー等と組み合わせた複写装
置、さらには送信受信機能を有するファクシミリ装置の
形態をとるものであってもよい。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
この種のインクジェット記録装置において、インクを充
分吸引した後エアー吸引によりキャップ内や流路の残イ
ンクを除去できるように構成したため、従来のようにピ
ストン戻し時インクがカートリッジ側に逆流するという
問題点を解消することができた。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１の主要部断面図

【図２】実施例２の主要部断面図

【図３】実施例３の主要部断面図

【図４】従来例のインクカートリッジ保管箱の断面図

【図５】図４のインクカートリッジの外観図

【符号の説明】

１インクカートリッジ３ケース蓋４キャップ５シリンダ６レバー７ピストン軸７ａ第１ピストン７ｃ第２ピストン７ｄ小孔（ダッシュポット）８中蓋９インク吸収体１０弁膜（逆止弁）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者河合力東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤノン株式会社内 (72)発明者中村仁志東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤノン株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】使用途中の単色インクカートリッジを常
に使用可能状態に保存するためのインクカートリッジ保
管箱に内蔵されるパージ装置のインク吸引ポンプ機構に
おいて、（１）ポンプを構成するピストン軸は第２のピ
ストン部を有し、この第２のピストンは流体移動孔によ
るダッシュポット構造であって前記ピストン軸は一定の
低速度で動作するよう構成され、（２）インク吸引後、
このピストンのオーバストロークを利用しキャップ内に
空気が流入する穴吸引構造を有するインク吸引ポンプ機
構を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項２】前記インクカートリッジの記録ヘッド
は、インクを吐出する複数の吐出部と、対応する吐出部
毎に設けられ、インクに熱による状態変化を生起させこ
の状態変化に基づいてインクを前記吐出部から吐出させ
て飛翔的液滴を形成する熱エネルギー発生手段とを有し
たことを特徴とする請求項１記載のインクジェット記録
装置。