JPH05256375A - 双方向空気弁およびそれを用いたインク供給装置 - Google Patents

双方向空気弁およびそれを用いたインク供給装置

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JPH05256375A
JPH05256375A JP4054901A JP5490192A JPH05256375A JP H05256375 A JPH05256375 A JP H05256375A JP 4054901 A JP4054901 A JP 4054901A JP 5490192 A JP5490192 A JP 5490192A JP H05256375 A JPH05256375 A JP H05256375A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 双方向空気弁の複雑さと信頼性の低さを解消
する新規な双方向空気弁を提供し、また、小型インクジ
ェットプリンタのインクタンクの使用効率を改善するた
めに前記双方向空気弁を用いたインクタンクを提供する
こと。 【構成】 開口部2を有する支持部1と、中央部に開口
部2より小さい開口部4を有し、開口部2を被覆する薄
膜3と、開口部2より小さく開口部4を被覆する薄膜5
と、を有し、薄膜3を粘性封止剤を介して支持部1に載
置し、薄膜5を薄膜3の支持部1側の面に活性封止剤を
介して開口部2に収まるように配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は双方向空気弁およびそ
れを用いたインク供給装置、特に容器内の加減圧を解消
する空気弁及びインクジェットなどの液体インクを用い
た記録装置のインク供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、容器を密封しつつ同時に内部の圧
力が過剰に加圧状態や減圧状態になることを防止するた
めに、その容器に何らかの空気弁を設ける方法について
は数多く提案されている。特に容器内外の圧力差がない
ときに閉塞状態を維持し、かつ容器内の圧力が外気圧に
対して相対的に加圧や減圧になった場合に所定の圧力の
閾値をもって開放し、また速やかに閉塞状態に戻る空気
弁が望まれている。さらに開放閾値が製造条件によって
ばらつかず、安定していることが望ましい。
【0003】図16は実公昭55−446号公報(以下
第1従来例という)に開示された空気弁の側断面図、図
17は図16の正面図である。図16,図17におい
て、容器のキャップのゴムなどの部材にスリット16a
を設け、内圧が上昇したときにこのスリット16aを押
し開いてガスを逃がすように構成した空気弁が提案され
ている。この空気弁は簡単な構成ではあるが、容器内外
の圧力差がないときにスリット16aの部分の閉鎖状態
は必ずしも保証することはできず、信頼性に課題があ
る。また、圧力の開放閾値はスリットの微小な条件で大
幅に変動するため用途が限定される。
【0004】図18は実公昭56−53012号公報
(以下第2従来例という)に開示された空気弁の側断面
図である。図18において、容器の通気孔を、撥水性の
良好な100〜10000オングストロームの微細孔が
多数開いた熱接着性合成樹脂シート片18aで閉鎖した
空気弁が提案されている。しかしながら、この弁は液体
は漏らすことはほぼないが、気体に関しては自由に出入
りが可能なため内容物の蒸散を抑制できず、用途が限ら
れる。
【0005】図19は特公平2−36464号公報(以
下第3従来例という)に開示された空気弁の側断面図、
図20は図19の正面図である。図19,図20におい
て、コーヒー豆などの保存時に二酸化炭素を放出するよ
うなものを収納する袋の場合であり、通常は密封状態を
保ちつつ、加圧時には袋の外へガスを放出するために、
2枚の可撓性フィルムを中心に対して対向する位置で接
着し、そのベースとなる可撓性フィルムの中央部に開け
られた穴からフィルムの間を通してガスを逃すタイプの
空気弁が提案されている。
【0006】これら2枚の可撓性フィルムの間にはシリ
コンオイルなどのシール剤が塗られており、そのシール
剤の表面張力の効果により空気弁の内外に圧力差がない
ときの閉塞性に優れており、さらに開放閾値も安定して
いる。
【0007】しかしながら、この空気弁は内圧が加圧状
態のみに対応する片方向弁であり、内圧が相対的に減圧
状態になった場合には閉塞したままである。これを用い
て双方向空気弁を構成するためには、互いに逆向きにこ
の空気弁を容器に設けなければならず、空気弁のために
大きなスペースを要するとともにコストがかかるという
課題があった。
【0008】図21は実開昭55−29722号公報
(以下第4従来例という)に開示された空気弁の側断面
図である。図21において、弁体21aとそれを付勢す
るコイルバネ21bからなる弁を1対、互いに逆向きに
設けた双方向弁が提案されている。しかしながら、この
弁は部品数が多く複雑であることに加え、実験によれば
開放閾値を1000Pa以下に設定しかつ内外圧差が0
のときの閉塞性を保証することが難しいことが判明し
た。
【0009】図22は、実開昭55−29723号公報
(以下第5従来例という)に開示された双方向弁の側断
面図である。図22において、前記双方向弁の別の態様
としての双方向弁が提案されている。しかしながら、こ
の双方向弁についても前記双方向弁よりも小型化が可能
になっているが、前記双方向弁と同様の課題をもってい
る。
【0010】図23は実開昭55−61665号公報
(以下第6従来例という)に開示された空気弁の側断面
図である。図23において、ゴムなどの弾性部材23a
を用い、ドーム状に形成した部分の頂部にスリットを設
け、この構造を対称に1対設けた双方向弁が提案されて
いる。しかしながら、弾性部材にスリットを設ける構成
は、前述の第1従来例と同様に、容器内外の圧力差がな
いときにスリットの部分の閉鎖状態は必ずしも保証する
ことはできず、信頼性に課題がある。また、圧力の開放
閾値はスリットの微小な条件で大幅に変動するため好ま
しくない。
【0011】一方、インクジェットなどの液体インクを
用いた記録装置においては、近年小型化が求められてき
ており、プリンタキャリッジ上に記録ヘッド及びインク
タンクを搭載したものや、さらにインク終了時にインク
タンクのみを交換するタイプが提案されている。これは
従前のインクタンクをプリンタ本体内に固定しチューブ
などでインクをキャリッジ状の記録ヘッドに送る機構の
ものに比べ、小型化と機構の簡素化が可能であるためで
ある。
【0012】インクジェットプリンタのインクタンクは
印字を適正に行い、かつ非印字時においても吐出口より
インクが漏れ出さないために適正な負圧を確保する必要
がある。従前のプリンタの場合は、インクタンクの位置
を記録ヘッド位置よりも低い位置におくことによって実
現していたが、キャリッジ上にインクタンクを設けるた
めにはインクタンク自体に負圧を発生させる機構が必要
となる。そのため、キャリッジ上に設けるインクタンク
部分の機構としては、スポンジなどの多孔質体や繊維束
などにインクを吸蔵させるものやゴムなどの弾性部材か
ら構成されたドーム状の容器にインクを収容するものな
どが実用化されている(以下第7従来例という)。
【0013】しかしながら、多孔質体を用いるインクタ
ンクはインクを収容する容積に対し約半分のインクしか
取り出すことができず残りの多くは多孔質体中に残って
しまう。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、前記第
1従来例では容器内外の圧力差がないとき、スリット部
の閉鎖状態は必ずしも保証できず、また圧力の開放閾値
はスリットの微小な条件で大幅に変動し用途が限定され
る課題があった。また、前記第2従来例では、気体に関
しては出入が自由にできるため、内容物の蒸散を抑制で
きず、用途が限られるという課題があった。また、前記
第3従来例については、空気弁のために大きなスペース
とコストがかかるという課題があった。また、前記第4
従来例は部品数が多く、複雑で開放閾値1000Pa以
下で内外圧差0のとき閉塞性が保証されないという課題
があった。また、前記第5従来例は前記第4従来例と同
様の課題があった。また、前記第6従来例は前記第1従
来例と同様の課題があった。また、前記第7従来例は多
孔質体を用いるためにインク収容容積の半分のインクし
か取り出せないという課題があった。
【0015】また、前記のように特にゴムのドーム上の
容器にインクを収容するタイプについては、インクが消
費されていきゴムのドームの変形が大きくなるに従い負
圧が大きくなっていくため容器内のインクを完全に使い
切ることはできないという課題があった。これら従来の
インクタンクのインク使用効率の低さは、特にインクタ
ンクの小型化が求められている現在、大きな障害となる
という課題があった。
【0016】本発明は、上記従来例の課題を解決するた
めになされたもので、双方向空気弁の複雑さと信頼性の
低さを解消する新規な双方向空気弁を提供し、また、小
型インクジェットプリンタのインクタンクの使用効率を
改善するために、前記双方向空気弁を用いたインクタン
クを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】このため、この発明の請
求項1においては、第1の開口部を有する支持手段と、
中央部に前記第1の開口部より小さい第2の開口部を有
し、前記第1の開口部を被覆する第1の薄膜と、前記第
1の開口部より小さく前記第2の開口部を被覆する第2
の薄膜と、を有し、かつ前記第1の薄膜を粘性封止手段
を介して前記支持手段に載置し、第2の薄膜を前記第1
の薄膜の前記支持手段側の面に活性封止手段を介して前
記第1の開口部中に収まるように配設して成る双方向空
気弁により、前記課題を解決し、前記目的を達成しよう
とするものである。
【0018】また、この発明の請求項2においては、支
持手段上に配設し、第1の薄膜が支持手段からの位置ず
れを防止する位置ずれ防止手段を有する請求項1記載の
双方向空気弁により、前記課題を解決し、前記目的を達
成しようとするものである。
【0019】また、この発明の請求項3においては、第
1および第2の薄膜のそれぞれの面から離間して配設し
た前記各薄膜を保護する保護手段を有する請求項1記載
の双方向空気弁により、前記課題を解決し、前記目的を
達成しようとするものである。
【0020】また、この発明の請求項4においては、イ
ンクジェットプリンタのインク供給装置の大気連通孔に
請求項1ないし請求項3記載のいずれかの双方向空気弁
を具備して成るインク供給装置により、前記課題を解決
し、前記目的を達成しようとするものである。
【0021】
【作用】この発明の請求項1の双方向空気弁は、容器の
内外圧力差が開放閾値以内のときは第1の薄膜と支持手
段間は粘性封止手段で密着し、第1開口部は閉塞し、同
時に第1の薄膜と第2の薄膜は粘性封止手段で密着し、
第2開口部は閉塞される。容器の内圧上昇時には、第1
開口部の側の圧力が上昇し、第1の薄膜は持ち上がり、
圧力差をなくする。このとき第2の開口部は閉じたまま
である。空気弁は開放後、粘性封止手段の表面張力と薄
膜の弾性により速やかに元通りの閉鎖状態に戻る。
【0022】逆に容器の内圧が減圧状態になったときに
は、第1の薄膜は支持手段に押し付けられるが、第2の
薄膜は第1の薄膜の第2の開口部からの圧力を受けて第
1の薄膜から持ち上がり圧力差を解消する。そして前記
と同様に、粘性封止手段の表面張力と薄膜の弾性により
速やかに元通りの閉塞状態に復帰する。
【0023】
【実施例】以下、この発明の7実施例を図面に基づいて
説明する。図1はこの発明の第1実施例である双方向空
気弁の側断面図、図2は図1の双方向空気弁を分解した
状態を示す斜視図、図3は第1実施例において内部が加
圧状態のときの空気抜きを示す側断面図、図4は第1実
施例において内部が減圧状態のときの空気進入を示す側
断面図である。
【0024】図1において、容器の一部を利用して平面
に構成された支持手段である支持部1には円形の第1開
口部である開口部2が設けられ、その上に円形の第1の
薄膜である薄膜3と同じく円形の第2の薄膜である薄膜
5が、前記開口部2と薄膜3と薄膜5の中心がほぼ一致
するように載置されている。
【0025】薄膜3はその中央部に第2の開口部である
開口4が開けられており、その径は薄膜5の径よりも小
さい。また、薄膜5は薄膜3の開口4を覆うように密着
し、かつ前記支持部1の開口部2の径よりも小さくその
開口部2の中に収まるように構成される。これらの支持
部1と薄膜3と薄膜5とは粘性封止手段であるシリコン
オイル等の粘性封止剤を介して密着されている。粘性封
止剤は図2のハッチングの領域に適量塗布され、図2の
薄膜3の対応する面との間で密着力を発生するとともに
圧力差のほぼない場合の閉塞性を達成する。
【0026】粘性封止剤は、シリコンオイルなどのよう
に揮発性がなく、粘度が1000〜5000cst程度
の液状の物質が好ましく用いることができる。さらに好
ましくは温度変化に対してできるだけ粘度などの物性変
化の小さなものが望ましい。
【0027】次に、第1実施例の動作を図3,図4を用
いて説明する。図3,図4において、容器の内圧が外圧
に対して相対的に上昇すると薄膜3及び5は容器の外へ
向かって押し上げられる。この時薄膜5は薄膜3に押し
付けられる方向であるため、薄膜3の開口4は薄膜5に
よって閉塞されたままである。
【0028】一方、薄膜3は所定の圧力に達すると支持
部1との間の粘性封止剤の一部が開放し、図3に示すよ
うに溢路は閉塞される。
【0029】逆に、内圧が外圧に対して相対的に減圧す
ると、薄膜3は支持部1に押し付けられる方向であるた
め支持部1と薄膜3との密着部は閉塞されたままであ
る。一方、薄膜5は薄膜3の開口部4を通して圧力を受
け、所定の圧力に達すると薄膜3と薄膜5との間の粘性
封止剤の一部が開放し、図4に示すように溢路を形成す
る。そしてこの開放によって内圧の減圧が緩和される
と、薄膜5と薄膜3とのそれぞれの弾性とその間の粘性
封止剤の表面張力の作用によって速やかに閉塞する。
【0030】本発明の双方向空気弁の開放圧力の閾値
は、いくつかの設計要素により容易にそのレベルを制御
することが可能である。例えば、図3のように内圧が高
くなった場合の開放圧力閾値は、支持部1と薄膜3との
密着部の面積と開口部2の面積と薄膜3の弾性粘性封止
剤の粘度及び表面張力によって決定される。これらのパ
ラメータを適宜制御することにより、希望の開放圧力閾
値を設計することが可能である。
【0031】一方、図4に示すように内圧が減圧状態に
なったときの開放圧力閾値は、薄膜3と薄膜5との密着
面積と薄膜3の中央部の開口4の面積と薄膜5の弾性薄
膜3の弾性と薄膜3と薄膜5の密着部の粘性封止剤の粘
度及び表面張力とによって決定される。これらのパラメ
ータを適宜制御することにより、希望の開放圧力閾値を
設計することが可能である。
【0032】次に第1実施例の双方向空気弁を有する容
器の具体的な製作を図1および図2を用いて説明する。
図1および図2において、容器はポリプロピレン製で、
寸法は空気弁が設けられる面が20mm×20mm、この面
と直交する方向の長さが40mm、全周に渡って壁厚が1
mmとした。空気弁を設けられた面には、直径が9mmの開
口部2が開けられている。この容器に、厚さが25μ
m、直径が14mmで、その中央部に同心で直径2mmの開
口があるポリエチレンテレフタレート(PET)フィル
ム(ユニチカ製:商品名エンブレット)と、これと同材
質で直径が8mmのフィルムを、シリコンオイル(信越化
学製:TSF−3000)を用いて図2のように組み立
てた。
【0033】この容器にポンプを接続し、容器内部に圧
力センサーを設置し、空気を吸引/注入しながら圧力変
化を計測した。その結果、空気を注入した場合には、内
圧が約300Pa程度外圧より高くなったときに開放
し、そして速やかに閉じ、注入を続けるとこれを繰り返
した。一方、容器内部の空気を吸引したときには、内圧
が外圧より約600Pa低くなったときに開放し、そし
て速やかに閉じ、吸引を続けるとこれを繰り返した。
【0034】次にこの発明の第2実施例である双方向空
気弁を図5を用いて説明する。図5はこの発明の第2実
施例である双方向空気弁の分解斜視図である。図5にお
いて、実施例2は前記実施例1の構成に加えて、薄膜3
の載置された支持部1の周囲に円形のズレ防止部6を設
けたものである。容器の外形寸法,材質及び薄膜の寸
法,材質は実施例1と同じものを用いた。このズレ防止
部6の直径は15mmで、直径が14mmの薄膜3がその段
差の中に収容される。ズレ防止部6を設けることにより
薄膜3の位置がずれてしまうことが防止でき空気弁の信
頼性が向上する。さらに、空気弁を組み立てる際に薄膜
3を組み付ける位置を容易に確定することができ、作業
性も向上する。
【0035】次にこの発明の第3実施例である双方向空
気弁を図6を用いて説明する。図6はこの発明の第3実
施例である双方向空気弁の分解斜視図である。図6にお
いて、容器に設けた空気弁の外側及び内側の薄膜に接し
ない位置に保護部材7,蓋8を設けた。図7は図6の組
立後の側断面図である。図7において、支持部1の開口
部2には保護部材7が渡されており、空気は保護部材7
と開口部2の隙間から出入りする。また、支持部1の周
囲には容器の外形に倣った形で壁9が設けられ、その上
に保護部材としての蓋8が設けられて、接着剤などの手
段で接着されている。
【0036】第3実施例は前記第1実施例と同じ寸法で
空気弁を構成し、保護部材7と薄膜5との隙間を0.5
mm、薄膜3と蓋8との隙間を0.8mmに設定した。この
バルブを第1実施例と同様に評価したところ、前記第1
実施例と概ね同じ結果が得られた。
【0037】この第3実施例の構成は、容器外部から空
気弁の薄膜に不用意に触れることがなく、また容器の内
容物が空気弁に触れて動作に支障をきたすことも防止す
ることが可能であり、実用的である。第3実施例におけ
る保護部材7の構造は必ずしも例示した構造である必要
はなく、空気の流通が確保され、かつ薄膜5の動作に障
害が起こらないような構成、即ち薄膜5の径よりも大き
く動作に支障のない深さの凹部があれば他のどのような
構造でもよい。また、蓋8の構造も同様に空気の流通が
確保され、かつ薄膜3の動作に支障がない程度の間隙が
確保可能であればどのような構造でもよい。
【0038】次にこの発明の第4実施例である双方向空
気弁を図8を用いて説明する。図8はこの発明の第4実
施例の双方向空気弁の分解図である。図8において、支
持体1上の開口部2は方形の開口部であり、その開口部
2の一辺の近傍には円筒形の突起20が設けられ、その
突起20の基部周辺は支持部1の面よりも図のように僅
かな凹み21が設けられている。支持体1の開口部2に
収まる大きさで前記突起20に対応した穴を持つ薄膜5
と、支持体1の開口部2を覆う大きさでほぼ中央部に開
口4を持ち前記突起20に対応した穴を持つ薄膜3と
が、それぞれの穴が前記突起にはまり込むように載置さ
れ、それぞれの密着面にはシリコンオイルが塗布されて
いる。
【0039】このとき、薄膜3の開口部4は薄膜5によ
って完全に閉塞され、また薄膜13は支持体11の開口
部12及び前記凹み21をも覆うように構成される。ま
た、実施例3と同様に外部からの障害物による動作不良
を防止するために蓋18を設けている。
【0040】本実施例の構成は、薄膜13及び薄膜15
の両方がそれぞれずれることが防止できるものである。
【0041】次にこの発明の第5実施例を図9を用いて
説明する。図9は前記第3実施例をインクジェットプリ
ンタのインクタンクに用いた状態を示す側断面図であ
る。図9において、インクタンク容器31の上部には前
述の双方向空気弁30が設けられており、容器中にはイ
ンク33を収容している。インク33はインクタンク容
器31のインク取り出し口36から記録ヘッド34へ供
給チューブ35を通じて供給され、記録ヘッド部34よ
り吐出手段(図示せず)によって信号伝達手段(図示せ
ず)から与えられる画像信号に応じて吐出する。この記
録ヘッド部34はプリンタのキャリッジ上に搭載され、
インクタンク31はプリンタ本体の適当な部位に設置さ
れ、従来よく知られたシリアルプリンタの印字手順によ
り記録紙上に印字を行うものである(詳細後述)。
【0042】次に第5実施例の動作を図9を用いて説明
する。インクジェットの記録ヘッドに対して安定した若
干の負圧状態でインクを供給することが望ましい。これ
はインク吐出を安定化するのみでなく、万が一記録ヘッ
ドの吐出口が濡れてしまった場合に加圧状態でインクが
供給されているとインクタンク内のインクが全て洩れ出
してしまうからである。そのため従来このタイプのプリ
ンタでは、インクタンクのインク水面が記録ヘッドより
も低い位置になるように配置せざるを得なかった。この
実施例のインクタンクによれば、この発明の双方向空気
弁をその大気連通孔に用いているため、インクタンクの
位置をプリンタ内のどこに設けても、安定した印字とイ
ンク洩れの防止が可能となった。
【0043】記録ヘッドの印字に伴いインク容器31中
のインク33は減少していくが、この時インクタンク容
器31内の気圧は徐々に低下していく。そして所定の圧
力まで低下したところで双方向空気弁30が開きそれ以
上のタンク内の圧力の低下を防ぐ。この機能により記録
ヘッド34から吐出する液滴の大きさを好ましい範囲に
押えることができる。
【0044】さらには、このインクタンクが例えば高温
にさらされたり、例えば減圧環境におかれた場合、イン
クタンク容器31内の空気は容易に双方向空気弁30を
押し開いて外部へ逃げ、インク33が記録ヘッド34か
ら溢れ出すことを防止する。
【0045】加えて、通常の放置時においては、双方向
空気弁30は閉塞しているためインクタンク内からのイ
ンクの蒸散も抑制することが可能である。
【0046】次にこの発明の第6実施例を図10を用い
て説明する。図10は、前記第3実施例で示した双方向
空気弁をインクジェットプリンタのインクタンクに用い
た状態を示す図である。図10において、インクタンク
容器41の一端には前述の双方向空気弁40が設けられ
ており、容器中にはインク43を収容するインク袋42
が収容されている。インク袋42中のインク43はイン
クタンク容器41のインク取り出し口46から記録ヘッ
ド44へ供給され、吐出口45より図示しない吐出手段
によって図示しない信号伝達手段から与えられる画像信
号に応じて吐出する。このインクタンクと記録ヘッドは
プリンタのキャリッジ上に搭載され、従来よく知られた
シリアルプリンタの印字手順により記録紙上に印字を行
うものである(後述)。
【0047】記録ヘッドの印字に伴いインク袋42中の
インク43は減少していくが、この時インクタンク容器
41内の気圧は徐々に低下していく。そして所定の圧力
まで低下したところで双方向空気弁40が開きそれ以上
のタンク内の圧力の低下を防ぐ。この機能により吐出口
45から吐出する液滴の大きさを好ましい範囲に押える
ことができる。
【0048】また、このインクタンクは吐出口45側が
下になるように置かれた場合、吐出口45にはインクの
高さに相当する分の水頭圧がかかるが、通常は吐出口4
5の部分のインクのメニスカス力で溢れ出すことはな
い。しかし、吐出口45が濡れてメニスカス力が働かな
くなってしまった場合、もしも双方向空気弁40が設け
られておらず単なる大気連通孔のみであれば、インク袋
42中のインク43は吐出口45から溢れでてしまう。
しかし、図10のように双方向空気バルブ40を設け、
さらにその容器内減圧時の開放圧力閾値がインク43の
水頭圧を上回るように構成することで、インクが溢れ出
してしまうという恐れもなくなる。
【0049】さらには、このインクタンクが例えば高温
にさらされたり、例えば減圧環境におかれた場合、イン
クタンク容器41内の空気は容易に双方向空気弁40を
押し開いて外部へ逃げ、インク43が吐出口45から溢
れ出すことを防止する。
【0050】加えて、通常の放置時においては、双方向
空気弁40は閉塞しているためインクタンク内からのイ
ンクの蒸散も抑制することが可能である。
【0051】次にこの発明の第7実施例を図11を用い
て説明する。図11はこの発明の第7実施例の双方向空
気弁をインクタンクに用いた状態を示す図である。図1
1は前記第5実施例と同様なインクタンクであるが、第
5実施例のようにインク53は袋ではなく、可動壁52
によって空気57と隔てられている。このインクタンク
は記録ヘッドのインクの消費に伴い可動壁52が移動す
る。
【0052】このインクタンクにおいても第6実施例と
同様に、安定な吐出が可能であり、また吐出口が濡れて
もインクが連続的に洩れ出すことはなかった。一方温度
が上昇したときにも容器51内の空気は速やかに外部へ
放散し、インクが押し出されて洩れ出すことはなかっ
た。
【0053】次にこの発明の双方向空気弁が適用される
インクジェット記録装置について図12を用いて説明す
る。図12はこの発明が適用されるインクジェット記録
装置(IJRA)の外観斜視図である。図12におい
て、駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝
達ギア5011,5009を介して回転するリードスク
リュー5005のら線溝5004に対して係合するキャ
リッジHCはピン(不図示)を有し、矢印a,b方向に
往復移動される。5002は紙押え板であり、キャリッ
ジ移動方向にわたって紙をプラテン5000に対して押
圧する。5007,5008はフォトカプラでキャリッ
ジのレバー5006のこの域での存在を確認してモータ
5013の回転方向切換等を行うためのホームポジショ
ン検知手段である。5016は記録ヘッドの前面をキャ
ップするキャップ部材5022を支持する部材で、50
15はこのキャップ内を吸引する吸引手段でキャップ内
開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。5
017はクリーニングブレードで、5019はこのブレ
ードを前後方向に移動可能にする部材であり、本体支持
板5018にこれらは支持されている。ブレードは、こ
の形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用
できることはいうまでもない。又、5021は、吸引回
復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジと係合
するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モータか
らの駆動力がクラッチ切換等の公知の伝達手段で移動制
御される。
【0054】これらのキャッピング,クリーニング,吸
引回復は、キャリッジがホームポジション側領域にきた
ときにリードスクリュー5005の作用によってそれら
の対応位置で所望の処理が行えるように構成されている
が、周知のタイミングで所望の作動を行うようにすれ
ば、本例には何れも適用できる。上述における各構成は
単独でも複合的に見ても優れた発明であり、本発明にと
って好ましい構成例を示している。
【0055】次に本実施例に関する記録装置を組み込ん
だ情報処理装置に関して、その構成と電気回路について
説明する。図13は本発明に関する記録装置を組み込ん
だ情報処理装置604の外観を表わす模式的斜視図であ
る。同図において、601は上述のプリンタ部、602
は文字や数字およびその他のキャラクタを入力するため
キーや、各種指令を与えるためのキーなどを備えたキー
ボード部、603は表示器を備える表示部である。図1
4は本実施例に関する情報処理装置の電気回路構成を表
わすブロック図である。
【0056】図14において、501は主制御をなすコ
ントローラであり、502はある手順を実行する例えば
マイクロコンピュータ形態のCPU、503はテキスト
データや画像データを展開したりする領域や作業用など
を設けたRAM、504は前記手順に対応したプログラ
ムやその他フォントデータなどの固定データを格納した
ROM、505はCPU502の実行サイクルを作り出
したりプリンタ部601による記録動作の際必要なタイ
ミングを作り出したりするタイマ、506はCPU50
2からの信号と周辺装置を結ぶインターフェイス部であ
る。
【0057】また、507はプリンタ部601のコント
ローラであり、508はヘッドカートリッジ101に記
録信号や電力などを送出するヘッドドライバ、509
a,bはそれぞれキャリアモータ402a、搬送モータ
402bを駆動するのに必要な信号や電力などを送出す
るモータドライバ、510はキャリア102の位置を検
出し例えばホームポジションにキャリア102があるか
どうか判断するためのキャリアセンサ、511は記録媒
体6が未挿入であったりページ終端まで記録が終了して
しまったときに記録媒体6以外のところに記録を行わせ
ないために記録媒体6の有無を検出するペーパーセンサ
である。
【0058】さらに、605は例えばFDD,HDD,
RAMカードなどの外部記憶装置、512は例えば他の
情報処理装置と通信を行ったり、内部のバスに直接接続
して周辺機器を制御したりするための外部インターフェ
イスである。
【0059】なお、図14のブロック図には含まれてい
ないが、他に上記の電気回路に電力を供給するための電
源部であり、これには例えば充電式のバッテリーや、使
い捨ての乾電池、あるいは情報処理装置本体を固定して
使用する場合のAC電源用変換器などがある。
【0060】上述の電気回路構成により記録装置部で記
録媒体6に記録を行う訳であるが、以下に記録動作制御
シーケンスの概略を図15のフローチャートを用いて説
明する。プリンタ本体の表示操作部による記録指令キー
による記録開始指示や、あるいは外部インターフェイス
による外部からの記録開始指示により以下の一連の手順
がスタートする。初めにステップS1で表示操作部がオ
ンライン状態になっているかどうかを判断する。これは
主に通信などによって外部から記録動作開始指示が送ら
れてきたときに、プリンタ側の準備ができていないまま
記録動作を開始しないための処置であり、ここで表示操
作部がオンライン状態と判断されると次にステップS2
に進む。
【0061】ステップS2では記録媒体6がプリンタ部
にセットされているかどうかをペーパーセンサ511な
どの信号により判断する。これは、特にインクジェット
プリンタ等の記録装置においては記録媒体なしで印字開
始した場合にプリンタ部内にインクが飛散し装置自身を
汚染してしまったり、あるいは記録媒体であるインクな
どを無駄に消費してしまったりすることを防ぐためであ
る。
【0062】さらにこのステップS2において記録媒体
の有無だけで無くピンチローラ202と搬送ローラ20
1のリリースがされているか否かの判断をしても良い。
これは記録媒体210がセットされていてもピンチロー
ラ202がリリースされている場合には正常な記録媒体
の搬送が行われないのでこれを防止するためである。ピ
ンチローラ202のリリースの判断には例えばリリース
レバーにメカニカルなスイッチを設けるなどの手段によ
ることができる。ここで記録媒体が正常にセットされて
いないと判断されると次にステップS3に進む。
【0063】ステップS3では操作者の注意を喚起し記
録媒体をセットさせるようにするためにメッセージを発
する。メッセージの発生方法は例えば表示操作部にライ
トをつけてメッセージを表示したり、あるいはブザーを
鳴らすような方法で表示するようにしても良い。
【0064】またステップS3で記録媒体6がセットさ
れていると判断されたならば次にステップS4に進む。
ステップS4では記録動作を開始する。CPU502か
らの指示によりヘッドドライバ508がヘッドカートリ
ッジ101を駆動し、またこれに同期してモータドライ
バ509a,bがそれぞれキャリアモータ402a、搬
送モータ402bを駆動して、キャリア102の主走査
方向移動、記録媒体の副走査方向移動およびヘッド記録
ヘッド1のクリーニングなどを行いながら記録を行う。
【0065】最後にステップS5では例えばCPU50
2からの信号により記録動作終了が指示されたり、ある
いは1ページ内の所定の副走査方向の記録ライン数に達
しこれ以上記録媒体上に記録ができないと判断された場
合や、ペーパーセンサ511により記録媒体6の記録化
の領域が終了したことが検知された場合などに、記録動
作終了と判定し記録動作手順を終了と判断する。
【0066】ステップS6の記録動作終了の手順として
まずキャリア102をホームポジションに復帰させる。
これは記録動作終了後に電源を切る場合に備え、記録ヘ
ッド1のインク吐出面を保護するためにキャップをして
おくためである。次に例えば搬送モータ402bを所定
量駆動するか、あるいはペーパーセンサ510により記
録媒体6が排出されたことが確認されるようになるまで
搬送モータ402bを駆動することにより記録媒体を排
出する。そして、記録終了をCPU502が表示操作部
に表示したり、外部インターフェイスを通して周辺装置
に通知したりして記録動作完了となる。
【0067】以上、本実施例のように記録ヘッドとイン
クタンクが分離可能であり、その分離あるいは一体化作
業をキャリアに乗せたままの状態か、あるいはキャリア
から取り外した状態で行えるようにインクジェット記録
装置を構成することにより、以下のような効果が得られ
る。
【0068】すなわち、キャリア上にインクタンクを搭
載するのでインク供給のためのチューブなどが不要にな
り装置を小型化できる。また、インクがなくなった場合
には、ヘッドと一体になったカートリッジではなく、イ
ンクタンクのみを交換すれば良いので、ランニングコス
トを低減できる。
【0069】また、記録ヘッドあるいはインクタンクの
どちらか一方に交換が必要となった場合、交換が必要な
ほうだけ交換すればよいので、経済性が向上する。ま
た、キャリア上でレバー等によって記録ヘッドとインク
タンクを分離する際には、引き抜き速度をコントロール
することができ、インク被供給孔10やインク供給孔1
1からのインクの飛散を防止することができる。また、
キャリア上で記録ヘッドとインクタンクを分離する際に
は、記録ヘッドを直接手で持つ必要がないので記録ヘッ
ド1のインク吐出ノズル付近を手で触ることがなく、印
字に悪影響を及ぼす無用な汚染を防ぐことができる。
【0070】また、キャリア上で記録ヘッドとインクタ
ンクを分離する際には、インクタンクの力のかかる部分
が特定されるため、その部分だけ力に耐える構造にすれ
ば良いので、他の部分は薄肉にでき軽量化、内容積の増
加をすることができる。また、インク色の交換が必要な
場合には、記録ヘッドとインクタンクを一体としたまま
で交換できるので、インク色が混色することがなく、容
易な交換ができる、などの効果がある。
【0071】本発明は、特にインクジェット記録装置の
中でも、インクの吐出を行わせるために利用されるエネ
ルギーとして熱エネルギーを発生する手段を備え、前記
熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式
の記録ヘッド、記録装置において、優れた効果をもたら
すものである。かかる方式によれば記録の高密度化、高
精細化が達成できるからである。
【0072】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや流路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少くとも一つの駆動信号を
印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを
発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、結
果的にこの駆動信号に一対一対応し液体(インク)内の
気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収
縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させ
て、少くとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパル
ス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われる
ので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成
でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号として
は、米国特許第4463359号明細書、同第4345
262号明細書に記載されているようなものが適してい
る。なお、前述熱作用面の温度上昇率に関する発明の米
国特許第4313244号明細書に記載されている条件
を採用すると、更に優れた記録を行うことができる。
【0073】記録ヘッドの構成としては、前述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
ほかに熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を
開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書を用いた構成も本発明に有効
である。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通す
るスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示す
る特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基づいた構成とし
ても本発明は有効である。
【0074】更に、実施例ではシリアルタイプのインク
ジェット記録装置を示したが、記録可能な最大幅に対応
した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドに対し
ても本発明は有効に適用できる。フルラインタイプの記
録ヘッドとしては、前述した明細書に開示されているよ
うな複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さを
満たす構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドとし
ての構成のいずれでもよいが、本発明は、前述した効果
を一層有効に発揮することができる。
【0075】また、本発明のインクジェット記録装置の
構成として設けられる、記録ヘッドに対しての回復手
段、予備的な補助手段を付加することは本発明の効果を
一層安定できるので好ましいものである。これらを具体
的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、キャッピング手
段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱
変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの
組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行
う予備吐出モードを行うことも安定した記録を行うため
に有効である。
【0076】また、搭載される記録ヘッド、インクの種
類ないし個数についても、例えば単色のインクおよび1
個の記録ヘッドが設けられたもののほか、記録色や濃度
を異にする複数のインクに対応して複数のヘッドが設け
られるものであってもよく、任意の組み合わせにおいて
も有効である。記録装置の記録モードとしては黒色など
の記録モードだけでなく、異なる色の複色カラー、また
は混色によるフルカラーの各記録モードにおいても本発
明は有効である。
【0077】以上、説明した本発明の実施例において
は、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以
下で凝固するインクであって、室温で軟化もしくは融解
するものや、あるいは、前述のインクジェットではイン
ク自体を30℃以上70℃以下の範囲で温度調整を行っ
てインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御す
るものが一般的であるから、使用記録信号付与時にイン
クが液状をなすものであればよい。加えて、熱エネルギ
ーによる昇温を防止するため、積極的にインクの固体状
態から液体状態への相変化のエネルギーとして使用せし
めるか、または、インクの蒸発防止を目的として放置状
態で固化するインクを用いるかして、いずれにしても熱
エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液
化してインク液状として吐出するものや記録媒体に到達
する時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エ
ネルギーによって初めて液化する性質のインク使用も本
発明には適用可能である。本発明においては、前述した
各インクに対して最も有効なものは、前述した膜沸騰方
式を実行するものである。
【0078】また、本発明は電気を力に変換させてイン
クを吐出させるピエゾジェット方式等、記録媒体と被接
触に記録ヘッドを配設させ、インクを噴射させて記録す
る記録方式等のインクジェット方式において有効であ
る。
【0079】更に加えて、本発明の記録装置の形態とし
ては、前述のようなワードプロセッサやコンピュータ等
の情報処理機器の出力端末として一体あるいは別体に設
けられるもののほかスキャナー等と組み合わせた複写装
置、さらには送信受信機能を有するファクシミリ装置の
形態をとるものであってもよい。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の双方向空
気弁によれば、簡単な構成で、通常時は閉状態を維持し
つつ、その両側に圧力差が生じた場合にはどちらであっ
ても所定の圧力閾値で開放しまた速やかに閉じることが
可能である。さらにはその圧力閾値は各方向について独
立に設定することが容易である。
【0081】この双方向空気弁によって、従来片方向空
気弁を2つ相補的に組み合わせて使用せざるを得なかっ
た用途に対して、小型で簡素で高信頼性の空気弁を提供
できる。
【0082】さらに、この双方向空気弁をインクジェッ
トプリンタのインクタンクの空気の出入口に用いること
によって、印字の吐出液滴の適正化を図ることができる
とともに、吐出口付近が濡れてしまった場合にインクが
連続的に洩れ出すことを防止することが可能である。ま
た、インクタンクが高温にさらされたり、減圧状態にさ
らされたりした場合には速やかに外部へ容器内の空気を
逃がすことができるため、加圧によるインクの洩れ出し
を防止することが可能である。
【0083】さらには、インクタンクに空気弁を適用す
る場合に、その開放圧力閾値レベルの設定が重要である
が、本発明の双方向空気弁はその設計自由度が高く、ま
た安定したものが容易に実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施例である双方向空気弁の
側断面図
【図2】 図1の双方向空気弁を分解した状態を示す斜
視図
【図3】 第1実施例において内部が加圧状態のときの
空気抜きを示す側断面図
【図4】 第1実施例において内部が減圧状態のときの
空気の進入を示す側断面図
【図5】 この発明の第2実施例である双方向空気弁の
分解斜視図
【図6】 この発明の第3実施例である双方向空気弁の
分解斜視図
【図7】 図6の組立後の側断面図
【図8】 この発明の第4実施例の双方向空気弁の分解
【図9】 第3実施例をインクジェットプリンタのイン
クタンクに用いた状態を示す図
【図10】 第3実施例の双方向空気弁をインクジェッ
トプリンタのインクタンクに用いた状態を示す図
【図11】 この発明の第7実施例の双方向空気弁をイ
ンクタンクに用いた状態を示す図
【図12】 この発明が適用されるインクジェット記録
装置の概略斜視図
【図13】 この発明に関する記録装置を組み込んだ情
報処理装置の模式的斜視図
【図14】 本実施例に関する情報処理装置の電気回路
構成を表わすブロック図
【図15】 本実施例の記録動作シーケンスを示すフロ
ーチャート
【図16】 第1従来例の空気弁の側断面図
【図17】 図12の空気弁の正面図
【図18】 第2従来例の空気弁の側断面図
【図19】 第3従来例の空気弁の側断面図
【図20】 図19の空気弁の正面図
【図21】 第4従来例の空気弁の側断面図
【図22】 第5従来例の双方向弁の側断面図
【図23】 第6従来例の空気弁の側断面図
【符号の説明】
1 支持部 2,4 開口部 3,5 薄膜 7 保護部材 30 双方向空気弁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の開口部を有する支持手段と、中央
    部に前記第1の開口部より小さい第2の開口部を有し、
    前記第1の開口部を被覆する第1の薄膜と、前記第1の
    開口部より小さく前記第2の開口部を被覆する第2の薄
    膜と、を有し、かつ前記第1の薄膜を粘性封止手段を介
    して前記支持手段に載置し、第2の薄膜を前記第1の薄
    膜の前記支持手段側の面に活性封止手段を介して前記第
    1の開口部中に収まるように配設して成ることを特徴と
    する双方向空気弁。
  2. 【請求項2】 支持手段上に配設し、第1の薄膜が支持
    手段からの位置ずれを防止する位置ずれ防止手段を有す
    ることを特徴とする請求項1記載の双方向空気弁。
  3. 【請求項3】 第1および第2の薄膜のそれぞれの面か
    ら離間して配設した前記各薄膜を保護する保護手段を有
    することを特徴とする請求項1記載の双方向空気弁。
  4. 【請求項4】 インクジェットプリンタのインク供給装
    置の大気連通孔に請求項1ないし請求項3記載のいずれ
    かの双方向空気弁を具備して成ることを特徴とするイン
    ク供給装置。
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