JP3027472B2 - 双方向空気弁およびそれを用いたインク供給装置 - Google Patents

双方向空気弁およびそれを用いたインク供給装置

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JP3027472B2
JP3027472B2 JP5490192A JP5490192A JP3027472B2 JP 3027472 B2 JP3027472 B2 JP 3027472B2 JP 5490192 A JP5490192 A JP 5490192A JP 5490192 A JP5490192 A JP 5490192A JP 3027472 B2 JP3027472 B2 JP 3027472B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は双方向空気弁およびそ
れを用いたインク供給装置、特に容器内の加減圧を解消
する空気弁及びインクジェットなどの液体インクを用い
た記録装置のインク供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、容器を密封しつつ同時に内部の圧
力が過剰に加圧状態や減圧状態になることを防止するた
めに、その容器に何らかの空気弁を設ける方法について
は数多く提案されている。
【0003】特に容器内外の圧力差がないときに閉塞状
態を維持し、かつ容器内の圧力が外気圧に対して相対的
に加圧や減圧になった場合に所定の圧力の閾値をもって
開放し、また速やかに閉塞状態に戻る空気弁が望まれて
いる。
【0004】さらに開放閾値が製造条件によってばらつ
かず、安定していることが望ましい。
【0005】図1は実公昭55−446号公報(以下
第1従来例という)に開示された空気弁の側断面図、図
は図1の正面図である。
【0006】図1,図1において、容器のキャップ
のゴムなどの部材にスリット16aを設け、内圧が上昇
したときにこのスリット16aを押し開いてガスを逃が
すように構成した空気弁が提案されている。この空気弁
は簡単な構成ではあるが、容器内外の圧力差がないとき
にスリット16aの部分の閉鎖状態は必ずしも保証する
ことはできず、信頼性に課題がある。また、圧力の開放
閾値はスリットの微小な条件で大幅に変動するため用途
が限定される。
【0007】図1は実公昭56−53012号公報
(以下第2従来例という)に開示された空気弁の側断面
図である。
【0008】図1において、容器の通気孔を、撥水性
の良好な100〜10000オングストロームの微細孔
が多数開いた熱接着性合成樹脂シート片18aで閉鎖し
た空気弁が提案されている。しかしながら、この弁は液
体は漏らすことはほぼないが、気体に関しては自由に出
入りが可能なため内容物の蒸散を抑制できず、用途が限
られる。
【0009】図1は特公平2−36464号公報(以
下第3従来例という)に開示された空気弁の側断面図、
16は図1の正面図である。
【0010】図1,図16において、コーヒー豆など
の保存時に二酸化炭素を放出するようなものを収納する
袋の場合であり、通常は密封状態を保ちつつ、加圧時に
は袋の外へガスを放出するために、2枚の可撓性フィル
ムを中心に対して対向する位置で接着し、そのベースと
なる可撓性フィルムの中央部に開けられた穴からフィル
ムの間を通してガスを逃すタイプの空気弁が提案されて
いる。
【0011】これら2枚の可撓性フィルムの間にはシリ
コンオイルなどのシール剤が塗られており、そのシール
剤の表面張力の効果により空気弁の内外に圧力差がない
ときの閉塞性に優れており、さらに開放閾値も安定して
いる。
【0012】しかしながら、この空気弁は内圧が加圧状
態のみに対応する片方向弁であり、内圧が相対的に減圧
状態になった場合には閉塞したままである。これを用い
て双方向空気弁を構成するためには、互いに逆向きにこ
の空気弁を容器に設けなければならず、空気弁のために
大きなスペースを要するとともにコストがかかるという
課題があった。
【0013】図17は実開昭55−29722号公報
(以下第4従来例という)に開示された空気弁の側断面
図である。図17において、弁体21aとそれを付勢す
るコイルバネ21bからなる弁を1対、互いに逆向きに
設けた双方向弁が提案されている。
【0014】しかしながら、この弁は部品数が多く複雑
であることに加え、実験によれば開放閾値を1000P
a以下に設定しかつ内外圧差が0のときの閉塞性を保証
することが難しいことが判明した。
【0015】図18は、実開昭55−29723号公報
(以下第5従来例という)に開示された双方向弁の側断
面図である。
【0016】図18において、前記双方向弁の別の態様
としての双方向弁が提案されている。
【0017】しかしながら、この双方向弁についても前
記双方向弁よりも小型化が可能になっているが、前記双
方向弁と同様の課題をもっている。
【0018】図19は実開昭55−61665号公報
(以下第6従来例という)に開示された空気弁の側断面
図である。
【0019】図19において、ゴムなどの弾性部材23
aを用い、ドーム状に形成した部分の頂部にスリットを
設け、この構造を対称に1対設けた双方向弁が提案され
ている。しかしながら、弾性部材にスリットを設ける構
成は、前述の第1従来例と同様に、容器内外の圧力差が
ないときにスリットの部分の閉鎖状態は必ずしも保証す
ることはできず、信頼性に課題がある。また、圧力の開
放閾値はスリットの微小な条件で大幅に変動するため好
ましくない。
【0020】一方、インクジェットなどの液体インクを
用いた記録装置においては、近年小型化が求められてき
ており、プリンタキャリッジ上に記録ヘッド及びインク
タンクを搭載したものや、さらにインク終了時にインク
タンクのみを交換するタイプが提案されている。これは
従前のインクタンクをプリンタ本体内に固定しチューブ
などでインクをキャリッジ状の記録ヘッドに送る機構の
ものに比べ、小型化と機構の簡素化が可能であるためで
ある。
【0021】インクジェットプリンタのインクタンクは
印字を適正に行い、かつ非印字時においても吐出口より
インクが漏れ出さないために適正な負圧を確保する必要
がある。従前のプリンタの場合は、インクタンクの位置
を記録ヘッド位置よりも低い位置におくことによって実
現していたが、キャリッジ上にインクタンクを設けるた
めにはインクタンク自体に負圧を発生させる機構が必要
となる。そのため、キャリッジ上に設けるインクタンク
部分の機構としては、スポンジなどの多孔質体や繊維束
などにインクを吸蔵させるものやゴムなどの弾性部材か
ら構成されたドーム状の容器にインクを収容するものな
どが実用化されている(以下第7従来例という)。
【0022】しかしながら、多孔質体を用いるインクタ
ンクはインクを収容する容積に対し約半分のインクしか
取り出すことができず残りの多くは多孔質体中に残って
しまう。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、前記第
1従来例では容器内外の圧力差がないとき、スリット部
の閉鎖状態は必ずしも保証できず、また圧力の開放閾値
はスリットの微小な条件で大幅に変動し用途が限定され
る課題があった。
【0024】また、前記第2従来例では、気体に関して
は出入が自由にできるため、内容物の蒸散を抑制でき
ず、用途が限られるという課題があった。
【0025】また、前記第3従来例については、空気弁
のために大きなスペースとコストがかかるという課題が
あった。
【0026】また、前記第4従来例は部品数が多く、複
雑で開放閾値1000Pa以下で内外圧差0のとき閉塞
性が保証されないという課題があった。
【0027】また、前記第5従来例は前記第4従来例と
同様の課題があった。
【0028】また、前記第6従来例は前記第1従来例と
同様の課題があった。
【0029】また、前記第7従来例は多孔質体を用いる
ためにインク収容容積の半分のインクしか取り出せない
という課題があった。
【0030】また、前記のように特にゴムのドーム上の
容器にインクを収容するタイプについては、インクが消
費されていきゴムのドームの変形が大きくなるに従い負
圧が大きくなっていくため容器内のインクを完全に使い
切ることはできないという課題があった。
【0031】これら従来のインクタンクのインク使用効
率の低さは、特にインクタンクの小型化が求められてい
る現在、大きな障害となるという課題があった。
【0032】本発明は、上記従来例の課題を解決するた
めになされたもので、双方向空気弁の複雑さと信頼性の
低さを解消する新規な双方向空気弁を提供し、また、小
型インクジェットプリンタのインクタンクの使用効率を
改善するために、前記双方向空気弁を用いたインクタン
クを提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】このため、この発明の請
求項1においては、第1の開口部を有する支持手段と、
中央部に前記第1の開口部より小さい第2の開口部を有
し、前記第1の開口部を被覆する第1の薄膜と、前記第
1の開口部より小さく前記第2の開口部を被覆する第2
の薄膜と、を有し、かつ前記第1の薄膜を粘性封止手段
を介して前記支持手段に載置し、第2の薄膜を前記第1
の薄膜の前記支持手段側の面に性封止手段を介して前
記第1の開口部中に収まるように配設して成る双方向空
気弁により、前記課題を解決し、前記目的を達成しよう
とするものである。
【0034】また、この発明の請求項2においては、支
持手段上に配設し、第1の薄膜が支持手段からの位置ず
れを防止する位置ずれ防止手段を有する請求項1記載の
双方向空気弁により、前記課題を解決し、前記目的を達
成しようとするものである。
【0035】また、この発明の請求項3においては、第
1および第2の薄膜のそれぞれの面から離間して配設し
た前記各薄膜を保護する保護手段を有する請求項1記載
の双方向空気弁により、前記課題を解決し、前記目的を
達成しようとするものである。
【0036】また、この発明の請求項4においては、イ
ンクジェットプリンタのインク供給装置の大気連通孔に
請求項1ないし請求項3記載のいずれかの双方向空気弁
を具備して成るインク供給装置により、前記課題を解決
し、前記目的を達成しようとするものである。
【0037】
【作用】この発明の請求項1の双方向空気弁は、容器の
内外圧力差が開放閾値以内のときは第1の薄膜と支持手
段間は粘性封止手段の機能により、第1開口部は閉塞し
た状態となり、同時に第1の薄膜と第2の薄膜は粘性封
止手段の機能により、第2開口部は閉塞した状態とされ
る。
【0038】容器の内圧上昇時には、第1開口部の側の
圧力が上昇し、第1の薄膜は持ち上がり、圧力差をなく
する。このとき第2の開口部は閉じたままである。空気
弁は開放後、粘性封止手段の表面張力と薄膜の弾性によ
り速やかに元通りの閉鎖状態に戻る。
【0039】逆に容器の内圧が減圧状態になったときに
は、第1の薄膜は支持手段に押し付けられるが、第2の
薄膜は第1の薄膜の第2の開口部からの圧力を受けて第
1の薄膜から持ち上がり圧力差を解消する。そして前記
と同様に、粘性封止手段の表面張力と薄膜の弾性により
速やかに元通りの閉塞状態に復帰する。
【0040】
【実施例】以下、この発明の7実施例を図面に基づいて
説明する。
【0041】図1はこの発明の第1実施例である双方向
空気弁の側断面図、図2は図1の双方向空気弁を分解し
た状態を示す斜視図、図3は第1実施例において内部が
加圧状態のときの空気抜きを示す側断面図、図4は第1
実施例において内部が減圧状態のときの空気進入を示す
側断面図である。
【0042】図1において、容器の一部を利用して平面
に構成された支持手段である支持部1には円形の第1開
口部である開口部2が設けられ、その上に円形の第1の
薄膜である薄膜3と同じく円形の第2の薄膜である薄膜
5が、前記開口部2と薄膜3と薄膜5の中心がほぼ一致
するように載置されている。
【0043】薄膜3はその中央部に第2の開口部である
開口4が開けられており、その径は薄膜5の径よりも小
さい。また、薄膜5は薄膜3の開口4を覆うように密着
し、かつ前記支持部1の開口部2の径よりも小さくその
開口部2の中に収まるように構成される。これらの支持
部1と薄膜3と薄膜5とは粘性封止手段であるシリコン
オイル等の粘性封止剤を介して密着されている。粘性封
止剤は図2のハッチングの領域に適量塗布され、図2の
薄膜3の対応する面との間で密着力を発生するとともに
圧力差のほぼない場合の閉塞性を達成する。
【0044】粘性封止剤は、シリコンオイルなどのよう
に揮発性がなく、粘度が1000〜5000cst程度
の液状の物質が好ましく用いることができる。さらに好
ましくは温度変化に対してできるだけ粘度などの物性変
化の小さなものが望ましい。
【0045】次に、第1実施例の動作を図3,図4を用
いて説明する。図3,図4において、容器の内圧が外圧
に対して相対的に上昇すると薄膜3及び5は容器の外へ
向かって押し上げられる。この時薄膜5は薄膜3に押し
付けられる方向であるため、薄膜3の開口4は薄膜5に
よって閉塞されたままである。
【0046】一方、薄膜3は所定の圧力に達すると支持
部1との間の粘性封止剤の一部が開放し、図3に示すよ
うに溢路が開放形成される。
【0047】逆に、内圧が外圧に対して相対的に減圧す
ると、薄膜3は支持部1に押し付けられる方向であるた
め支持部1と薄膜3との密着部は閉塞されたままであ
る。一方、薄膜5は薄膜3の開口部4を通して圧力を受
け、所定の圧力に達すると薄膜3と薄膜5との間の粘性
封止剤の一部が開放し、図4に示すように溢路が開放
される。そしてこの開放によって内圧の減圧が緩和さ
れると、薄膜5と薄膜3とのそれぞれの弾性とその間の
粘性封止剤の表面張力の作用によって速やかに閉塞す
る。
【0048】本発明の双方向空気弁の開放圧力の閾値
は、いくつかの設計要素により容易にそのレベルを制御
することが可能である。例えば、図3のように内圧が高
くなった場合の開放圧力閾値は、支持部1と薄膜3との
密着部の面積と開口部2の面積と薄膜3の弾性粘性封止
剤の粘度及び表面張力によって決定される。これらのパ
ラメータを適宜制御することにより、希望の開放圧力閾
値を設計することが可能である。
【0049】一方、図4に示すように内圧が減圧状態に
なったときの開放圧力閾値は、薄膜3と薄膜5との密着
面積と薄膜3の中央部の開口4の面積と薄膜5の弾性薄
膜3の弾性と薄膜3と薄膜5の密着部の粘性封止剤の粘
度及び表面張力とによって決定される。これらのパラメ
ータを適宜制御することにより、希望の開放圧力閾値を
設計することが可能である。
【0050】次に第1実施例の双方向空気弁を有する容
器の具体的な製作を図1および図2を用いて説明する。
【0051】図1および図2において、容器はポリプロ
ピレン製で、寸法は空気弁が設けられる面が20mm×
20mm、この面と直交する方向の長さが40mm、全
周に渡って壁厚が1mmとした。空気弁を設けられた面
には、直径が9mmの開口部2が開けられている。この
容器に、厚さが25μm、直径が14mmで、その中央
部に同心で直径2mmの開口があるポリエチレンテレフ
タレート(PET)フィルム(ユニチカ製:商品名エン
ブレット)と、これと同材質で直径が8mmのフィルム
を、シリコンオイル(信越化学製:TSF−3000)
を用いて図2のように組み立てた。
【0052】この容器にポンプを接続し、容器内部に圧
力センサーを設置し、空気を吸引/注入しながら圧力変
化を計測した。その結果、空気を注入した場合には、内
圧が約300Pa程度外圧より高くなったときに開放
し、そして速やかに閉じ、注入を続けるとこれを繰り返
した。一方、容器内部の空気を吸引したときには、内圧
が外圧より約600Pa低くなったときに開放し、そし
て速やかに閉じ、吸引を続けるとこれを繰り返した。
【0053】次にこの発明の第2実施例である双方向空
気弁を図5を用いて説明する。
【0054】図5はこの発明の第2実施例である双方向
空気弁の分解斜視図である。
【0055】図5において、実施例2は前記実施例1の
構成に加えて、薄膜3の載置された支持部1の周囲に円
形のズレ防止部6を設けたものである。容器の外形寸
法,材質及び薄膜の寸法,材質は実施例1と同じものを
用いた。このズレ防止部6の直径は15mmで、直径が
14mmの薄膜3がその段差の中に収容される。
【0056】ズレ防止部6を設けることにより薄膜3の
位置がずれてしまうことが防止でき空気弁の信頼性が向
上する。さらに、空気弁を組み立てる際に薄膜3を組み
付ける位置を容易に確定することができ、作業性も向上
する。
【0057】次にこの発明の第3実施例である双方向空
気弁を図6を用いて説明する。
【0058】図6はこの発明の第3実施例である双方向
空気弁の分解斜視図である。
【0059】図6において、容器に設けた空気弁の外側
及び内側の薄膜に接しない位置に保護部材7,蓋8を設
けた。図7は図6の組立後の側断面図である。図7にお
いて、支持部1の開口部2には中央部に開口が設けられ
保護部材7が渡されている。また、支持部1の周囲に
は容器の外形に倣った形で壁9が設けられ、その上に保
護部材として中央に開口が設けられた蓋8が設けられ
て、接着剤などの手段で接着されている。
【0060】第3実施例は前記第1実施例と同じ寸法で
空気弁を構成し、保護部材7と薄膜5との隙間を0.5
mm、薄膜3と蓋8との隙間を0.8mmに設定した。
このバルブを第1実施例と同様に評価したところ、前記
第1実施例と概ね同じ結果が得られた。
【0061】この第3実施例の構成は、容器外部から空
気弁の薄膜に不用意に触れることがなく、また容器の内
容物が空気弁に触れて動作に支障をきたすことも防止す
ることが可能であり、実用的である。第3実施例におけ
る保護部材7の構造は必ずしも例示した構造である必要
はなく、空気の流通が確保され、かつ薄膜5の動作に障
害が起こらないような構成、即ち薄膜5の径よりも大き
く動作に支障のない深さの凹部があれば他のどのような
構造でもよい。また、蓋8の構造も同様に空気の流通が
確保され、かつ薄膜3の動作に支障がない程度の間隙が
確保可能であればどのような構造でもよい。
【0062】次にこの発明の第4実施例である双方向空
気弁を図8を用いて説明する。
【0063】図8はこの発明の第4実施例の双方向空気
弁の分解図である。
【0064】図8において、支持体1上の開口部
は方形の開口部であり、その開口部2の一辺の近傍に
は円筒形の突起20が設けられ、その突起20の基部周
辺は支持部1の面よりも図のように僅かな凹み21が
設けられている。支持体1の開口部2に収まる大き
さで前記突起20に対応した穴を持つ薄膜5と、支持
1の開口部2を覆う大きさでほぼ中央部に開口
4を持ち前記突起20に対応した穴を持つ薄膜3と
が、それぞれの穴が前記突起20にはまり込むように載
置され、それぞれの密着面にはシリコンオイルが塗布さ
れている。
【0065】このとき、薄膜3の開口部4は薄膜
5によって完全に閉塞され、また薄膜13は支持体11
の開口部12及び前記凹み21をも覆うように構成され
る。また、実施例3と同様に外部からの障害物による動
作不良を防止するために蓋18を設けている。
【0066】本実施例の構成は、薄膜13及び薄膜15
の両方がそれぞれずれることが防止できるものである。
【0067】次にこの発明の第5実施例を図9を用いて
説明する。
【0068】図9は前記第3実施例をインクジェットプ
リンタのインクタンクに用いた状態を示す側断面図であ
る。
【0069】図9において、インクタンク容器31の上
部には前述の双方向空気弁30が設けられており、容器
中にはインク33を収容している。インク33はインク
タンク容器31のインク取り出し口36から記録ヘッド
34へ供給チューブ35を通じて供給され、記録ヘッド
部34より吐出手段(図示せず)によって信号伝達手段
(図示せず)から与えられる画像信号に応じて吐出す
る。この記録ヘッド部34はプリンタのキャリッジ上に
搭載され、インクタンク31はプリンタ本体の適当な部
位に設置され、従来よく知られたシリアルプリンタの印
字手順により記録紙上に印字を行うものである(詳細後
述)。
【0070】次に第5実施例の動作を図9を用いて説明
する。
【0071】インクジェットの記録ヘッドに対して安定
した若干の負圧状態でインクを供給することが望まし
い。これはインク吐出を安定化するのみでなく、万が一
記録ヘッドの吐出口が濡れてしまった場合に加圧状態で
インクが供給されているとインクタンク内のインクが全
て洩れ出してしまうからである。そのため従来このタイ
プのプリンタでは、インクタンクのインク水面が記録ヘ
ッドよりも低い位置になるように配置せざるを得なかっ
た。この実施例のインクタンクによれば、この発明の双
方向空気弁をその大気連通孔に用いているため、インク
タンクの位置をプリンタ内のどこに設けても、安定した
印字とインク洩れの防止が可能となった。
【0072】記録ヘッドの印字に伴いインク容器31中
のインク33は減少していくが、この時インクタンク容
器31内の気圧は徐々に低下していく。そして所定の圧
力まで低下したところで双方向空気弁30が開きそれ以
上のタンク内の圧力の低下を防ぐ。この機能により記録
ヘッド34から吐出する液滴の大きさを好ましい範囲に
押えることができる。
【0073】さらには、このインクタンクが例えば高温
にさらされたり、例えば減圧環境におかれた場合、イン
クタンク容器31内の空気は容易に双方向空気弁30を
押し開いて外部へ逃げ、インク33が記録ヘッド34か
ら溢れ出すことを防止する。
【0074】加えて、通常の放置時においては、双方向
空気弁30は閉塞しているためインクタンク内からのイ
ンクの蒸散も抑制することが可能である。
【0075】次にこの発明の第6実施例を図10を用い
て説明する。
【0076】図10は、前記第3実施例で示した双方向
空気弁をインクジェットプリンタのインクタンクに用い
た状態を示す図である。
【0077】図10において、インクタンク容器1の
一端には前述の双方向空気弁0が設けられており、容
器中にはインク3を収容するインク袋42が収容され
ている。インク袋42中のインク3はインクタンク容
1のインク取り出し口6から記録ヘッド4へ供
給され、吐出口5より図示しない吐出手段によって図
示しない信号伝達手段から与えられる画像信号に応じて
吐出する。このインクタンクと記録ヘッドはプリンタの
キャリッジ上に搭載され、従来よく知られたシリアルプ
リンタの印字手順により記録紙上に印字を行うものであ
る(後述)。
【0078】記録ヘッドの印字に伴いインク袋42中の
インク3は減少していくが、この時インクタンク容器
1内の気圧は徐々に低下していく。そして所定の圧力
まで低下したところで双方向空気弁0が開きそれ以上
のタンク内の圧力の低下を防ぐ。この機能により吐出口
5から吐出する液滴の大きさを好ましい範囲に押える
ことができる。
【0079】また、このインクタンクは吐出口5側が
下になるように置かれた場合、吐出口5にはインクの
高さに相当する分の水頭圧がかかるが、通常は吐出口
5の部分のインクのメニスカス力で溢れ出すことはな
い。しかし、吐出口5が濡れてメニスカス力が働かな
くなってしまった場合、もしも双方向空気弁0が設け
られておらず単なる大気連通孔のみであれば、インク袋
42中のインク3は吐出口5から溢れでてしまう。
しかし、図10のように双方向空気バルブ0を設け、
さらにその容器内減圧時の開放圧力閾値がインク3の
水頭圧を上回るように構成することで、インクが溢れ出
してしまうという恐れもなくなる。
【0080】さらには、このインクタンクが例えば高温
にさらされたり、例えば減圧環境におかれた場合、イン
クタンク容器1内の空気は容易に双方向空気弁0を
押し開いて外部へ逃げ、インク3が吐出口5から溢
れ出すことを防止する。
【0081】加えて、通常の放置時においては、双方向
空気弁0は閉塞しているためインクタンク内からのイ
ンクの蒸散も抑制することが可能である。
【0082】次にこの発明の第7実施例を図11を用い
て説明する。
【0083】図11はこの発明の第実施例の双方向空
気弁をインクタンクに用いた状態を示す図である。双方
向空気弁30の構成及び機能は第3実施例と同様であ
り、こ こでの説明は省略する。
【0084】図11は前記第5実施例と同様なインクタ
ンクであるが、第5実施例のようにインク53は袋では
なく、可動壁52によって空気57と隔てられている。
このインクタンクは記録ヘッドのインクの消費に伴い可
動壁52が移動する。
【0085】このインクタンクにおいても第6実施例と
同様に、安定な吐出が可能であり、また吐出口が濡れて
もインクが連続的に洩れ出すことはなかった。一方温度
が上昇したときにも容器1内の空気は速やかに外部へ
放散し、インクが押し出されて洩れ出すことはなかっ
た。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の双方向空
気弁によれば、簡単な構成で、通常時は閉状態を維持し
つつ、その両側に圧力差が生じた場合にはどちらであっ
ても所定の圧力閾値で開放しまた速やかに閉じることが
可能である。さらにはその圧力閾値は各方向について独
立に設定することが容易である。
【0087】この双方向空気弁によって、従来片方向空
気弁を2つ相補的に組み合わせて使用せざるを得なかっ
た用途に対して、小型で簡素で高信頼性の空気弁を提供
できる。
【0088】さらに、この双方向空気弁をインクジェッ
トプリンタのインクタンクの空気の出入口に用いること
によって、印字の吐出液滴の適正化を図ることができる
とともに、吐出口付近が濡れてしまった場合にインクが
連続的に洩れ出すことを防止することが可能である。ま
た、インクタンクが高温にさらされたり、減圧状態にさ
らされたりした場合には速やかに外部へ容器内の空気を
逃がすことができるため、加圧によるインクの洩れ出し
を防止することが可能である。
【0089】さらには、インクタンクに空気弁を適用す
る場合に、その開放圧力閾値レベルの設定が重要である
が、本発明の双方向空気弁はその設計自由度が高く、ま
た安定したものが容易に実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施例である双方向空気弁の
側断面図
【図2】 図1の双方向空気弁を分解した状態を示す斜
視図
【図3】 第1実施例において内部が加圧状態のときの
空気抜きを示す側断面図
【図4】 第1実施例において内部が減圧状態のときの
空気の進入を示す側断面図
【図5】 この発明の第2実施例である双方向空気弁の
分解斜視図
【図6】 この発明の第3実施例である双方向空気弁の
分解斜視図
【図7】 図6の組立後の側断面図
【図8】 この発明の第4実施例の双方向空気弁の分解
【図9】 第3実施例をインクジェットプリンタのイン
クタンクに用いた状態を示す図
【図10】 第3実施例の双方向空気弁をインクジェッ
トプリンタのインクタンクに用いた状態を示す図
【図11】 この発明の第実施例の双方向空気弁をイ
ンクタンクに用いた状態を示す図
【図12】 第1従来例の空気弁の側断面図
【図13】 図12の空気弁の正面図
【図14】 第2従来例の空気弁の側断面図
【図15】 第3従来例の空気弁の側断面図
【図16】 図1の空気弁の正面図
【図17】 第4従来例の空気弁の側断面図
【図18】 第5従来例の双方向弁の側断面図
【図19】 第6従来例の空気弁の側断面図
【符号の説明】 1 支持部 2,4 開口部 3,5 薄膜 7 保護部材 30 双方向空気弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16K 17/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の開口部を有する支持手段と、 中央部に前記第1の開口部より小さい第2の開口部を有
    し、前記第1の開口部を被覆する第1の薄膜と、 前記第1の開口部より小さく前記第2の開口部を被覆す
    る第2の薄膜と、 を有し、かつ前記第1の薄膜を粘性封止手段を介して前
    記支持手段に載置し、第2の薄膜を前記第1の薄膜の前
    記支持手段側の面に性封止手段を介して前記第1の開
    口部中に収まるように配設して成ることを特徴とする双
    方向空気弁。
  2. 【請求項2】 支持手段上に配設し、第1の薄膜が支持
    手段からの位置ずれを防止する位置ずれ防止手段を有す
    ることを特徴とする請求項1記載の双方向空気弁。
  3. 【請求項3】 第1および第2の薄膜のそれぞれの面か
    ら離間して配設した前記各薄膜を保護する保護手段を有
    することを特徴とする請求項1記載の双方向空気弁。
  4. 【請求項4】 インクジェットプリンタのインク供給装
    置の大気連通孔に請求項1ないし請求項3記載のいずれ
    かの双方向空気弁を具備して成ることを特徴とするイン
    ク供給装置。
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