JP2008049640A - 液体収容体及びこれを備えたインクカートリッジ並びにインクジェットプリンタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インクカートリッジ10は、インク液を貯留する袋体21にインク取り出し口23が設けられたインクパック11〜13と、収容した各インクパック11〜13のインク取り出し口23を取出口位置決め部31b,33cによって所定の位置に位置決め固定すると共に、インク取り出し口23をインク供給用開口33eからケース外部に露出させるカートリッジケース15とを備える。インク取り出し口23の先端部が、インク供給用開口33eよりもケース内方に所定の間隙sだけ離間した位置に位置決め固定されており、インク取り出し口23から漏れたインク液が、カートリッジケース15内に回収される。
【選択図】図9
Description
ここに示したインクカートリッジ101は、下記特許文献1に開示されたものであり、インク液を収容する可撓性の袋体102にインク取り出し口103が設けられたインクパック104と、このインクパック104を収容してプリンタのカートリッジ装着部に装着される略直方体のカートリッジケース105とから構成されている。
袋体102は、例えばアルミ箔の両面をナイロンフィルムとポリエチレンフィルムとで挟み込んだアルミラミネートフィルム同士のポリエチレンフィルム側を内側にして重ねて、周縁部を熱融着等で接着することにより形成されている。
このインク取り出し口103は、筒状体103aの後端部を袋体102のアルミラミネートフィルム同士の重ね合わせ部に挿入して、該筒状体013aをアルミラミネートフィルムに熱融着させることで、袋体102に気密に一体化されている。
このパック位置決め部106bは、図15に示したように、インク取り出し口103の筒状体103aの外周に形成された係止溝103dに嵌合する半円状の切り欠きである。このパック位置決め部106bと係止溝103dとの係合によって、インク取り出し口103の外側端部の先端部が僅かにカートリッジケース105から突出した状態に位置決めされる。
従って、液体収容体を装着部から取り外したときに、液体取り出し口から漏れた液体が液体噴射装置内や液体収容体の外面を汚損することがない。
更には、取り出し口を2等分するように取り出し口を覆うように構成することも望ましく、この場合、液体吸収部材と液体供給部材とが確実に接するので、液体収容体を装着部から外した際の液体供給部材に付着した液体を吸収部材に確実に吸収できるので液体による液体収容体の汚損を防ぐことができる。
また、上記構成の液体収容体において、前記液体供給用開口が形成された外壁の内面に連なる下方位置に、液体吸収部材を伝って流下した液体を貯留する液溜め空間が設けられることが望ましい。
この構成の液体収容体によれば、液体収容体内に液溜め空間を設けたことで、外壁内に流下した液体の回収容量が増大する。
そこで、液体噴射装置の装着部への着脱が繰り返されることで、液体取り出し口からの液体の漏れ量が増える場合でも、漏れた液体を確実に回収することができる。
この構成の液体収容体によれば、液体取り出し口から漏れ、液体吸収部材を流下して液溜め空間に貯留された液体は、例えば、カートリッジケースを横倒しや天地逆転させない限り、液溜め空間よりも上方に収容されている液体パック側には流れず、回収した液体が液体パックに付着することを防止できる。
そのため、液体パックの交換等をする作業者が、液体パックに付着した漏れ液によって手を汚すような不都合の発生を防止でき、液体パックの交換時等における操作性・取り扱い性が向上する。
この構成の液体収容体によれば、液体取り出し口から漏れて、液体吸収部材を流下して液溜め空間に貯留された液体も、液体吸収材に浸透吸収された状態で回収されている為、取り外した液体収容体を横倒しや天地逆転させても、一度回収された液体が逆流してカートリッジケースの液体供給用開口から外部に漏れることがなくなり、漏れた液体を回収する機能の信頼性を向上させることができる。
上記構成のインクカートリッジによれば、カートリッジ装着部から取り外したときに、液体取り出し口から漏れたインク液が、例えばプリンタや周囲の器物、或いは作業者の手などを汚損することがない。
上記構成のインクジェットプリンタによれば、インクカートリッジをカートリッジ装着部から取り外したときに、液体取り出し口から漏れたインク液が、プリンタや周囲の器物、或いは作業者の手などを汚損することがなく、カートリッジ交換時等の操作性・取り扱い性が向上する。
従って、液体収容体を装着部から取り外したときに、液体取り出し口から漏れた液体が液体噴射装置内や液体収容体の外面を汚損することがなく、液体噴射装置内や装置周囲の器物、或いは作業者の手などを汚損することを防止でき、液体収容体交換時等の操作性・取り扱い性を向上させることができる。
図1は本発明に係る液体収容体であるインクカートリッジが装填されたインクジェットプリンタの全体構成を示す外観斜視図であり、図2乃至図5は図1に示したインクカートリッジの全体斜視図、分解斜視図及び断面図であり、図6は図2に示したインクカートリッジから上ケースを取り外した状態の平面図であり、図7は図2に示したインクカートリッジから上ケースと液体パックであるインクパックとを取り外した状態の平面図であり、図8は図7に示したインクカートリッジの斜視図であり、図9は図4のC部の拡大図である。
本実施形態のインクジェットプリンタ1の場合は、プリンタカバー4を開く動作に連動して、カートリッジ装着部9の前方にインクカートリッジ10が所定距離だけ引き出される構成になっている。
3個のインクパック11〜13は、カラー印刷用にそれぞれ異なるカラーインク(液体)を充填したものである。それぞれのインクパック11〜13は、同様の構造のもので、インクを収容する可撓性の袋体21と、この袋体21の前端部に接合されたインク取り出し口23とから構成されている。
そして、インク取り出し口23は、筒状体23aの基端部を袋体21のアルミニウムラミネートフィルムに熱融着等により固定することで、筒状体23aに一体化されている。
この弁機構23bは、カートリッジ装着部9に装備されたインク供給針41が口部材24aに挿通され、該インク供給針41により弁体24cが押し込まれて口部材24aから押し離されることで、袋体21内のインク液がインク供給針41側に供給可能になる。
上ケース31と下ケース33は適宜プラスチック材料による成形品であり、中間容器壁35はプラスチックフィルムで形成されている。
また、上ケース31の両側面の容器壁である側壁31cの下端で、かつ後端寄りの位置には、下ケース33側の係合部33aに係合することで上下ケース相互を連結する係止突起31dが設けられている。
このインク供給用開口33eは、インクジェットプリンタ1のカートリッジ装着部9に装備されたインク供給針41を挿通させるための開口であり、3個の取出口位置決め部33cのそれぞれに中心を一致させて3個形成されている。
具体的には、図4及び図9に示すように、カートリッジ装着部9に装備されたインク供給針41がインク取り出し口23の口部材24aを貫通して弁機構23bを開状態にする。これにより、各インクパック11〜13の袋体21内のインク液がインク供給針41を介してプリンタ側に供給可能になる。インク供給針41には、プリンタの印字ヘッドにインク液を誘導するための供給チューブ42が接続されている。
また、図8及び図9に示すように、カバー部33dの内面に隣接する角部34は、付着したインク液が毛管引力によりカートリッジケース15外にでることがない十分な大きさの半径を有するR断面を備えている。
このインク吸収材80は、図3及び図9に示すように、前面容器壁33bから延出するカバー部33dの内面に沿って前記間隙sを埋めるように装備される平板部81と、この平板部81の下端に垂設されて筒状体23aの先端下方の空きスペースpに収容される座板部82とを有した断面略L字状であり、座板部82が前面容器壁33bとカバー部33dとの間の段差に載って位置決めされている。
このインク吸収材80の具体的な材料としては、例えば、スポンジや不織布等の多孔質材料の他に、液体吸収性のある高分子ポリマーを採用することができる。
廃インク導入部37は、図3に示すように、先端に向かって内径が広がるテーパ管状のゴム製口部材37aと、このゴム製口部材37aの先端に貼着されるシールフィルム37bと、ゴム製口部材37aの後端に当接されることでゴム製口部材37aの開口を塞ぐ弁体37cと、弁体37cをゴム製口部材37aに当接させて密着する方向に押圧付勢する圧縮コイルばね部材37dとから構成されている。
廃インク導入針47には、インクジェットプリンタ1がインク充填動作やヘッドクリーニング動作の際に発生した廃インクを廃インク導入針47に誘導する廃インク誘導チューブ49が接続されている。
このICモジュール53は、インクカートリッジ10をインクジェットプリンタ1のカートリッジ装着部9に装着すると、カートリッジ装着部9に装備された接続端子に電気的に接続される。そして、プリンタ側の制御回路、又はプリンタが接続されたコンピュータから諸情報の読み書きが可能になる。
この中間容器壁35が下ケース33の上端開口を覆うように下ケース33に固定されることで、図4に示すように、下ケース33の底壁33iと中間容器壁35との間には、廃インク貯留構造17を構成する貯留空間51が区画形成される。また、上ケース31の天井壁31eと中間容器壁35との間には、3個のインクパック11〜13を図3に示すように立てた状態に収容するインクパック収容空間55が区画形成される。
図4に示すように、導入口44の後端(図4で左端)は、貯留空間51に連通しており、廃インク導入部37に挿入された廃インク導入針47から導入される廃インクは、導入口44の後端から貯留空間51内に流入する。
インク吸収材63は、廃インク導入部37及び導入口44を経て貯留空間51内に導入された廃インクが廃インク導入部37側に逆流して外部に漏れることの無いように、導入された廃インクを浸透吸収する。
このインク吸収材63は、液体吸収性のある材料を貯留空間51内に収容可能な直方体状に成形したもので、具体的な材料としては、スポンジや不織布等の多孔質素材の他に、液体吸収性のある高分子ポリマーを採用することができる。
なお、本実施形態の場合、通気孔61を備えた中間容器壁35に使用するプラスチックフィルムには、廃インク導入部37からの廃インクの導入圧によって膨張可能な程度の可撓性を有したプラスチックフィルムを選定している。
略円柱状の支柱である弁用構造部材67は、通気孔61を貫通する位置決め用突起67aが先端部に突設されており、通気孔61と対峙する下ケース33の底壁33iに一体形成されている。そこで、貯留空間51に装填される2枚のインク吸収材63には、弁用構造部材67を挿通させる孔63aが貫通形成されている。
そして、廃インクの導入に伴って貯留空間51内の圧力が上昇すると、この開閉弁65は、中間容器壁35が変形して上方へ膨張動作する。すると、通気孔61の周縁が弁用構造部材67の先端面から離間するので、開閉弁65は通気孔61を介して貯留空間51を大気開放する。
そこで、インクカートリッジ10をインクジェットプリンタ1のカートリッジ装着部9から取り外した時、インク供給針41が抜去されたインク取り出し口23からインク液の漏れが発生しても、漏れたインク液はカートリッジケース15内に流下して回収され、カートリッジケース15外に流出することがない。
そのため、取り外したカートリッジケース15のインク供給用開口33eを下に向けたりしても、一度回収されたインク液が逆流してインク供給用開口33eから外部に漏れることがなく、漏れたインク液を回収する機能の信頼性を向上させることができる。
そこで、インクジェットプリンタ1のカートリッジ装着部9への着脱が繰り返されることで、インク取り出し口23からのインク液の漏れ量が増える場合でも、漏れたインク液を確実に回収することができる。
そのため、インクパック11〜13の交換等をする作業者が、インクパック11〜13に付着した漏れインク液によって手を汚すような不都合の発生を防止でき、インクパック11〜13の交換時等における操作性・取り扱い性が向上する。
図10は第2の実施形態のインクカートリッジの全体斜視図であり、図11は図10に示したインクカートリッジの分解斜視図、図12は断面図の拡大図、図13インク吸収部材の拡大斜視図である。第2の実施形態の形態は、図10乃至図13に示すように、カバー部33dの内面とインク取り出し口23の先端部との間の隙間に、インク液を浸透吸収するインク吸収材(液体吸収材)800を設けている。
このインク吸収材800は、図11及び図13に示すように、前面容器壁33bから延出するカバー部33dの内面に沿って前記間隙sを埋めるように装備される平板部810と、この平板部810の下端に垂設されて筒状体23aの先端下方の空きスペースpに収容される座板部820とを有した断面略L字状であり、座板部820が前面容器壁33bとカバー部33dとの間の段差に載って位置決めされている。
平板部810には、インク供給用開口33eやインク取り出し口23中心と略同一の中心とし上側のみが開口している半円状の開口810aが貫通形成されている。
その開口810aは、インク供給用開口33eよりも径よりも大きな半円に形成されている。すなわち、インク供給用開口33eから露出されるインク取り出し口23は第1の実施の形態ではインク供給用開口33eの面積分露出していたが、第2の実施の形態ではインク供給用開口33eの下半分はインク吸収材800で覆われるので、インク供給用開口33eの上半分のみが露出される。
また、インク吸収材800には、半円状の開口810aの中心から下方に延びるスリット820aを設け、インク供給用開口33eを覆う当接部830が変位し易いように構成されている。
第2実施の形態の場合では、インクジェットプリンタ1のカートリッジ装着部9のインク供給針410は、インクが導入される導入孔410aを円周部の上部に設けている。
このように構成されたインクカートリッジ100をインクジェットプリンタ1のカートリッジ装着部9に装着すると、カートリッジ装着部9に装備されたインク供給針410が当接部830に当接し、更にインク供給針410の外周の下部側が当接部830をスリット820aから離間させるように変位させながら各インクパック11〜13のインク取り出し口23に差込接続され、各インクパック11〜13内のインク液がプリンタ側に供給可能になる。
このように、インク供給針410の導入孔410aの無い方がインク吸収材800と摺接し、導入孔410aは開口810aによりインク吸収材800と摺接しない。したがって、導入孔410aに異物やインク吸収部材の破片が入ることがない。また、インク吸収材800の当接部830のスリット820aがあることから、インク供給針410がインクカートリッジ100内に挿入する場合、平板部810にインク供給針410が刺さることがない。
次に、インクカートリッジ100をカートリッジ装着部9から取り外す際を説明する。インク供給針410の外周にはインクが付着し易いが、インク供給針410の外周とインク吸収材800の当接部830とは摺接するので、インク供給針410の外周に付着したインクは当接部830に浸透する。よって、インクカートリッジ100やインクジェットプリンタ1外面を汚損することを防ぐことができる。更には、インク吸収材800の当接部830は、インク取り出し口23側に変位するのでインク取り出し口23から漏れたインクを早く吸収するので、汚損する機会を少なくする効果もある。
第2の実施形態では、インク吸収材800の開口を半円状としたが、U字状であっても構わなく、あるいはインク供給針の導入孔が先端側にある場合は、外周と接する小さな孔を設け放射状のスリットを設けても構わないもので、インク供給針の外周と接する、あるいは接し易ければよいが、半円状の場合には製造し易い効果がある。
なお、本発明に係る液体収容体の用途は、インクジェットプリンタに搭載されるインクカートリッジに限らない。インクジェットプリンタ等の各種の液体噴射装置において、そのカートリッジ装着部に装着されると、液体噴射装置側の液体供給部材がカートリッジケース内の液体パックの液体取り出し口に差込接続されて、液体パック内の液体が装置側に供給可能になる各種の液体収容体として応用可能である。
Claims (8)
- 液体を貯留する収容部と、
前記収容部から前記液体を取り出すための液体取り出し口と、
前記液体取り出し口を外部に露出させる液体供給用開口を備え、前記液体取り出し口の外側端部とは所定間隔をもって前記液体取り出し口の周囲を覆う外壁と、
該外壁と前記外側端部との前記所定間隔に配置され、前記液体を浸透吸収可能な液体吸収部材とを有することを特徴とする液体収容体。 - 前記液体吸収部材は、前記外壁の前記液体供給用開口からの露出部分が少なくなるように前記取り出し口を覆っていることを特徴とする請求項1に記載の液体収容体。
- 前記液体吸収部材は、前記取り出し口を2等分するように前記取り出し口を覆っていることを特徴とする請求項2に記載の液体収容体。
- 前記液体供給用開口が形成された前記外壁の内面に連なる下方位置に、前記外壁の内面を伝って流下した液体を貯留する液溜め空間が設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液体収容体。
- 前記収容部は液体パックであり、
前記液溜め空間が、前記液体パックを収容する位置よりも下方に設定されていることを特徴とする請求項4に記載の液体収容体。 - 前記液溜め空間には、液体を浸透吸収する液体吸収材が設けられることを特徴とする請求項5に記載の液体収容体。
- 上記請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の液体収容体に収容される液体がインク液であることを特徴とするインクカートリッジ。
- 上記請求項7に記載のインクカートリッジを備えたことを特徴とするインクジェットプリンタ。
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