JPH1199659A - インクカートリッジ - Google Patents

インクカートリッジ

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Publication number
JPH1199659A
JPH1199659A JP9261461A JP26146197A JPH1199659A JP H1199659 A JPH1199659 A JP H1199659A JP 9261461 A JP9261461 A JP 9261461A JP 26146197 A JP26146197 A JP 26146197A JP H1199659 A JPH1199659 A JP H1199659A
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JP
Japan
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ink
cartridge
package
print head
container
Prior art date
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Pending
Application number
JP9261461A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Sakanobe
稔 坂廼辺
Masaki Takatsugi
正樹 高次
Naohisa Kinoshita
尚久 木下
Takamitsu Kawai
貴光 河合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク供給圧調整手段を用いることなく、印
字ヘッドへ供給されるインクに負圧を加えることができ
るインクカートリッジを提供すること。 【解決手段】 インクパッケージ33をインクカートリ
ッジ30内に収納し、そのインクカートリッジ30を矢
印X方向へスライドさせると、まず、インク抽出部材2
2がシール部材31bで覆われた通穴31aへ挿入さ
れ、その後、インク抽出部材22がインクパッケージ3
3のインク密封部33a内へ刺し込まれる。これによ
り、インク供給チューブ23等を介して印字ヘッドへイ
ンクが供給される。このインクカートリッジ30のカー
トリッジ本体31およびカートリッジ蓋体32は剛性材
料で構成され、しかも、シール部材31bはポリエチレ
ン樹脂等で構成されたフィルムシートを複数積層した積
層構造フィルム材で構成されているので、印字ヘッドへ
供給されるインクは、そのインク供給圧が負圧に維持さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク供給圧調整
手段を用いることなく、印字ヘッドへ供給されるインク
に負圧を加えることができるインクカートリッジに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式の印字装置では、印
字ヘッドへ供給されたインクが複数のノズルから吐出さ
れることにより印字が行われる。かかる印字装置では、
その印字結果を良品質に保持するため、印字ヘッドから
吐出されるインクの吐出性を好ましい状態に維持する必
要がある。このインク吐出性は、印字ヘッドのノズル内
へ供給されたインクの液面が凹面状のメニスカス(曲
面)を形成することにより維持される。かかるメニスカ
ス状のインク液面は、印字ヘッドのノズル内へ供給され
るインクのインク供給圧を負圧に調整することにより形
成されるのである。
【0003】このインク供給圧の調整は、印字ヘッドと
インクパッケージとの高低差により行われる。例えば、
印字ヘッドの下方周辺にインクパッケージを配設するこ
とにより、両者間に高低差が生じ、負圧の水頭差が発生
して、インク供給圧が負圧に調整されるのである。とこ
ろが、通常、印字ヘッドの下方には、印字用紙を搬送す
るための搬送機構等が配設されているので、インクパッ
ケージの配設位置や配設スペース等は制限されてしま
う。よって、制限ある位置やスペースにインクパッケー
ジを配設するためには、インクパッケージの容量を小容
量化しなければならず、インクパッケージを頻繁に交換
しなければならなかった。
【0004】そこで、印字ヘッドの下方周辺に小型のサ
ブタンクを配設し、メインタンクとして大容量のインク
パッケージを所望の位置に別途配設する方法が提案され
ている。この方法によれば、インクパッケージ内のイン
クは、印字ヘッドの下方周辺に配設されたサブタンクへ
ポンプアップによって供給され、サブタンクに供給され
たインクは、インク供給圧が負圧に調整されて印字ヘッ
ドへ供給される。小型のサブタンクは、その容量が小さ
いので、印字ヘッドの下方周辺に容易に配設することが
できる。しかも、大容量のインクパッケージは所望の位
置に別途配設されているので、インクパッケージの交換
を頻繁に行う必要がない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たサブタンクを用いたインク供給圧の調整によれば、イ
ンク供給圧を負圧に調整するためのサブタンクやインク
パッケージからサブタンクへインクをポンプアップする
ためのポンプ装置等が必要となる。よって、印字装置の
部品点数が増加するとともに、印字装置が大型化してし
まい、かかる印字装置の製造コストが増加するという問
題点があった。また、ポンプ装置等の駆動電力が必要と
なって、印字装置の消費電力が増加してしまうという問
題点があった。
【0006】本発明は上述した問題点を解決するために
なされたものであり、インク供給圧調整手段を用いるこ
となく、印字ヘッドへ供給されるインクに負圧を加える
ことができるインクカートリッジを提供することを目的
としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に請求項1に記載のインクカートリッジは、印字ヘッド
へ供給されて印刷に使用されるインクを密封するととも
に、ポリエチレン樹脂等で構成されたフィルムシートを
複数枚積層した積層構造を有するフィルム材で形成され
たインクパッケージと、そのインクパッケージを被包す
る剛性材料で形成された容器体と、その容器体の一部に
設けられた開口部と、その開口部を覆って前記容器体の
気密性を保持する気密性保持部材とを備えている。
【0008】この請求項1に記載のインクカートリッジ
によれば、インクパッケージ内に密封されたインクの抽
出は、例えば、インク抽出用の針等により行われる。こ
の場合、容器体の一部に設けられた開口部を覆う気密性
保持部材へインク抽出用の針等を刺し込むと、刺し込ま
れたインク抽出用の針等は開口部へ挿入され、容器体内
へ貫入される。更に、そのインク抽出用の針等を刺し込
み続けると、その先端部分がインクパッケージへと刺し
込まれ、インクパッケージ内へ貫入される。これによ
り、インクパッケージ内に密封されたインクは、このイ
ンク抽出用の針等により抽出されて、印字ヘッドへ供給
され、印字ヘッドによって印刷に使用される。
【0009】このインクカートリッジの容器体の開口部
は気密性保持部材により覆われているので、インク抽出
用の針等が挿入されても、容器体の気密性は保持され、
容器体内への空気等の浸入を防止することができる。加
えて、容器体は剛性材料で形成されているので、容器体
の内外圧力差による容器体の形状変化を抑制することが
できる。よって、インクパッケージからインクを抽出す
ることによりインクパッケージの内圧が低下しても、容
器体の形状変形が抑制されているので、容器体内を負圧
に維持することができる。従って、印字ヘッドへ供給さ
れるインクに加わる圧力を負圧に維持するためのインク
供給圧調整手段を用いることなく、容器体に被包された
インクパッケージの内圧を負圧に維持することができ
る。
【0010】更に、インクパッケージは、ポリエチレン
樹脂等で構成されたフィルムシートを複数枚積層した積
層構造を有するフィルム材で形成されているので、イン
ク抽出用の針等がインクパッケージに刺し込まれると、
インクパッケージを形成するフィルム材がインク抽出用
の針等に密着し、インクパッケージからのインク漏れや
インクパッケージへの空気等の浸入を防止することがで
きる。
【0011】請求項2に記載のインクカートリッジは、
請求項1に記載のインクカートリッジにおいて、前記イ
ンクパッケージはインクを密封するインク密封部を備
え、そのインク密封部の外面のうち前記容器体の開口部
に相対向する部分は、略平面状または凹面状に形成され
ている。この請求項2に記載のインクカートリッジによ
れば、請求項1に記載のインクカートリッジと同様に作
用する上、容器体の開口部へ挿入されたインク抽出用の
針等は、インク密封部の略平面状または凹面状に形成さ
れた外面へ刺し込まれ、インク密封部内へ貫入される。
【0012】請求項3に記載のインクカートリッジは、
請求項2に記載のインクカートリッジにおいて、前記イ
ンク密封部の略平面状または凹面状に形成される外面
は、前記フィルム材の両側部分を溶着することにより、
その溶着された両側辺と交差する面に形成されている。
【0013】請求項4に記載のインクカートリッジは、
印字ヘッドへ供給されて印刷に使用されるインクが充填
される剛性材料で形成された容器体と、その容器体の一
部に設けられた開口部と、その開口部を覆って前記容器
体の気密性を保持する気密性保持部材とを備えている。
【0014】この請求項4に記載のインクカートリッジ
によれば、容器体に充填されたインクの抽出は、例え
ば、インク抽出用の針等により行われる。この場合、容
器体の一部に設けられた開口部を覆う気密性保持部材へ
インク抽出用の針等を刺し込むと、刺し込まれたインク
抽出用の針等は開口部へ挿入され、容器体内へ貫入され
る。容器体内に充填されたインクは、このインク抽出用
の針等により抽出されて、印字ヘッドへ供給され、その
印字ヘッドによって印刷に使用される。
【0015】このインクカートリッジの容器体の開口部
は気密性保持部材により覆われているので、インク抽出
用の針等が挿入されても、容器体の気密性は保持され、
容器体内への空気等の浸入を防止することができる。加
えて、容器体は剛性材料で形成されているので、容器体
の内外圧力差による容器体の形状変化を抑制することが
できる。よって、容器体からインクを抽出することによ
り容器体の内圧が低下しても容器体の形状変化が抑制さ
れるので、印字ヘッドへ供給されるインクに加わる圧力
を負圧に維持するためのインク供給圧調整手段を用いる
ことなく、容器体内を負圧に維持することができる。
【0016】請求項5に記載のインクカートリッジは、
請求項1から4のいずれかに記載のインクカートリッジ
において、前記気密性保持部材は、ポリエチレン樹脂等
で構成されたフィルムシートを複数枚積層した積層構造
を有するフィルム材で形成されている。よって、インク
抽出用の針等を容器体の開口部へ挿入する場合に、気密
性保持部材を形成するフィルム材がインク抽出用の針等
に密着するので、容器体の気密性が保持され、容器体内
への空気等の浸入を防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例に
ついて、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明
の一実施例であるインクカートリッジ30を使用する卓
上プリンタ1の分解斜視図であり、図2は、印字ヘッド
21のノズル部21aの部分断面概念図である。この卓
上プリンタ1は、略箱状体に形成されたプリンタ本体2
と、その上部に着脱自在に装着され、印字ヘッド21を
搭載したプリンタカートリッジ3と、インクパッケージ
33の収納されたインクカートリッジ30とを備えてい
る。尚、図1では、プリンタ本体2の本体フレーム1
2、用紙搬出口13、ヘッド移動溝14およびプリンタ
カートリッジ3のカートリッジフレーム26を2点鎖線
で図示している。また、図1中の矢印Xはインクカート
リッジ30の装着方向を示している。
【0018】プリンタ本体2の本体フレーム12には、
印字用紙PP(図2参照)を搬送する搬送ローラである
プラテンローラ4が回転可能に軸支されるとともに、そ
のプラテンローラ4に平行な状態でガイドロッド17が
固着されている。このプラテンローラ4の左端部分には
従動ギヤ4aが取着されており、この従動ギヤ4aはL
Fモータ5によって回転される駆動ギヤ5aに歯合され
ている。よって、LFモータ5を回転することにより、
プラテンローラ4を回転させて、印字用紙PPを搬送す
ることができる。また、ガイドロッド17は、キャリッ
ジ6にスライド可能に嵌挿され、キャリッジ6を印字用
紙PPの搬送方向と直交する方向に移動可能に支持して
いる。尚、図1では、ガイドロッド17の一部を省略し
て図示している。
【0019】キャリッジ6は、プリンタカートリッジ3
の印字ヘッド21を搭載するためのものであり、本体フ
レーム12の右端部分に搭載されたキャリッジモータ7
によって回動される駆動プーリ7aと、本体フレーム1
2の左端部分に設けられた従動プーリ7bとの間に掛け
渡されたベルト7cを介して、ガイドロッド17および
プラテンローラ4に対する平行方向、即ち、プリンタ本
体2の長手方向へ往復移動することができる。よって、
キャリッジ6に搭載された印字ヘッド21をプリンタ本
体2の長手方向へ往復移動させて、印字用紙PP上に印
字を行うことができる。尚、ベルト7cは、プラテンロ
ーラ4およびガイドロッド17の理解を容易にするた
め、その一部を省略して図示している。
【0020】プリンタ本体2の左端部分には、印字ヘッ
ド21のノズル部21aにおける複数のノズル口21b
(図2参照)を密閉することができる吸引キャップ8
と、その吸引キャップ8によって密閉されたノズル部2
1aのノズル口21b内のインクを吸引する吸引ポンプ
9とが配設されている。この吸引キャップ8および吸引
ポンプ9によってインクの吐出状態を回復させる処理
(パージ処理)を行う場合には、キャリッジモータ7に
より印字ヘッド21の搭載されたキャリッジ6を卓上プ
リンタ1の左側へ移動させて、印字ヘッド21における
ノズル部21aの各ノズル口21bを吸引キャップ8に
より密閉する。その後、吸引ポンプ9を作動すると、ノ
ズル口21bから気泡や乾燥して固化したインクが吸引
され、ノズル部21aのノズル口21bの吐出状態を回
復することができるのである。尚、このパージ処理は、
ノズル口21b内に充填されたインク液面により形成さ
れた凹面状のメニスカスM(図2参照)が、インク詰ま
り等により破壊された場合に行われる。
【0021】吸引キャップ8の左側位置には、印字ヘッ
ド21のノズル部21aに被せられる保護キャップ10
が配設されている。保護キャップ10は、印字ヘッド2
1により印字が行われない場合、即ち、キャリッジ6が
待機状態にある場合に、ノズル部21aを被い、その内
部のインクの蒸発を防止して各ノズル口21bのインク
が乾燥するのを回避するものである。
【0022】プリンタ本体2の下部には、卓上プリンタ
1の動作内容に関する制御プログラムに従って卓上プリ
ンタ1を制御するCPU11a等が搭載された制御回路
基板11が配設されている。この制御回路基板11に
は、接続コード16を介して、PCカード15が接続さ
れている。このPCカード15は、パーソナルコンピュ
ータ(図示せず)のPCカードスロットに挿入され、パ
ーソナルコンピュータから出力された印字データ等を卓
上プリンタ1へ入力するものである。尚、卓上プリンタ
1は、PCカードスロットに挿入されたPCカード15
および接続コード16を介して、パーソナルコンピュー
タから電力が供給される。
【0023】プリンタ本体2の本体フレーム12の手前
側の側壁には印字済みの印字用紙PPがプリンタ本体2
から搬出される用紙搬出口13が穿設されている。ま
た、本体フレーム12の裏側の側壁、即ち、用紙搬出口
13が穿設された側壁に対向する側壁であって用紙搬出
口13と対向する位置には未使用の印字用紙PPをプリ
ンタ本体2へ挿入するための用紙挿入口(図示せず)が
穿設されている。更に、本体フレーム12の上面には矩
形状のヘッド移動溝14が穿設されているので、プリン
タカートリッジ3をプリンタ本体2に取り付ける場合、
ヘッド移動溝14を介して、印字ヘッド21をキャリッ
ジ6に搭載することができる。
【0024】プリンタカートリッジ3は、プリンタ本体
2に着脱自在に形成されており、印字ヘッド21と、イ
ンク抽出部材22と、インク供給チューブ23と、取付
部材24,25と、かかる印字ヘッド21等を収納する
ため箱状に形成されたカートリッジフレーム26とを備
えている。印字ヘッド21はピエゾ素子(圧電素子)で
構成されたノズル部21aを備えており、図2に示すよ
うに、ノズル部21aには複数のノズル口(インク吐出
口)21bが設けられている。各ノズル口21b内には
インクカートリッジ30から供給されたインクが充填さ
れている。このピエゾ素子で構成されたノズル部21a
に電圧が印加されると、その電圧に比例した歪みがノズ
ル部21aに生じ、各ノズル口21bが収縮する。この
収縮によって、各ノズル口21b内に充填されたインク
が印字用紙PPへ吐出され印字が行われるのである。
【0025】各ノズル口21bは、それぞれ略180d
piの間隔で配列されており、印字ヘッド21の搭載さ
れたキャリッジ6がプリンタ本体2の長手方向へ往動ま
たは復動することにより(図1参照)、180dpiの
解像度の印字を行うことが可能になっている。
【0026】各ノズル口21bの内部下方にあるインク
液面が凹面状のメニスカスMが形成されていると、その
インク吐出性が維持され、鮮明な印字結果を得ることが
できる。この凹面状のメニスカスMは、各ノズル口21
b内に充填されるインクのインク供給圧を負圧に維持す
ることによって、各ノズル口21b内に形成される。例
えば、本実施例で使用される印字ヘッド21では、イン
ク供給圧が大気圧に対して略0mmAq(水柱)以上、
略−300mmAq(水柱)以下の範囲(印字ヘッド動
作圧範囲)内であれば、各ノズル口21b内のインク液
面が凹面状のメニスカスMを形成することが可能であ
る。尚、インク供給圧を負圧に維持する方法について
は、後述するインクカートリッジ30とともに説明す
る。
【0027】図1に示すように、印字ヘッド21の上部
には、印字ヘッド21とインク供給チューブ23の一端
とを継合する取付部材24が配設されており、かかるイ
ンク供給チューブ23の他端は、取付部材25を介して
インク抽出部材22に取り付けられている。このインク
抽出部材22はインクカートリッジ30内に収納された
インクパッケージ33からインクを抽出するためのもの
であり、このインク抽出部材22により抽出されたイン
クは、インク供給チューブ23および取付部材24,2
5を介して、印字ヘッド21へ供給される。尚、インク
供給チューブ23には、印字ヘッド21を駆動するため
の電力を供給するハーネス等(図示せず)が一体形成さ
れている。
【0028】インク抽出部材22は、耐腐食性を有する
ステンレス鋼材等の金属材料やセラミックス材料等で構
成されており、インクパッケージ33のインク密封部3
3aへ貫入され、その内部に密封されたインクを抽出す
るものである。このインク抽出部材22は中空針状体に
形成されており(図4参照)、その先端部分にはインク
密封部33a内のインクを抽出するためのインク抽出口
22aが穿設されている。よって、インク抽出部材22
とシール部材31bで覆われた通穴31a(図4参照)
とを相対向させて、インクパッケージ33の収納された
インクカートリッジ30を矢印X方向へスライドさせる
と、インク抽出部材22の先端部分がシール部材31b
で覆われた通穴31aを貫通してインクカートリッジ3
0内へ貫入される。インクカートリッジ30のスライド
を更に続けると、インク抽出部材22の先端部分がイン
クパッケージ33の凹部33bへ刺し込まれ、インク密
封部33aへ貫入されて、インクカートリッジのプリン
タカートリッジ3への装着が完了する(図1中2点鎖
線)。インクカートリッジ30の装着完了後、インク抽
出口22aから中空状のインク抽出部材22の内部へイ
ンクパッケージ33内のインクが流入するのである。
【0029】このように、インク抽出部材22内へ流入
したインクは、取付部材25を介してインク供給チュー
ブ23へ流入し、更に、取付部材24を介して印字ヘッ
ド21へ供給される。尚、かかるインク抽出部材22の
外径d(図4参照)については、後述するインクカート
リッジ30とともに説明する。
【0030】次に、図4を参照して、インクカートリッ
ジ30について説明する。図4は、インクカートリッジ
30の分解斜視図である。インクカートリッジ30は、
印字ヘッドへ供給されるインクを貯留するためのもので
あり、プリンタカートリッジ3に着脱可能に形成されて
いる(図1参照)。図4に示すように、インクカートリ
ッジ30は、インクが密封されたインクーパッケージ3
3と、そのインクパッケージ33が収納されるカートリ
ッジ本体31と、そのカートリッジ本体31に覆設され
るカートリッジ蓋体32とを備えている。尚、カートリ
ッジ本体31およびカートリッジ蓋体32は剛性を有す
る材料(剛性材料)、例えば、機械的強度に優れたAB
S樹脂等の合成樹脂やステンレス鋼材等の金属材料で構
成されている。
【0031】カートリッジ本体31は略中空箱状体に形
成されており、その上部はインクパッケージ33を収納
するために開放されている。このカートリッジ本体31
にインクパッケージ33が収納されると、カートリッジ
蓋体32がカートリッジ本体31の開放された上部に覆
設される。カートリッジ蓋体32の覆設後、カートリッ
ジ蓋体32がカートリッジ本体31に溶着されて、カー
トリッジ本体31にカートリッジ蓋体32が取り付けら
れる。その結果、インクカートリッジ30内にインクパ
ッケージ33が密封された状態で収納される。尚、カー
トリッジ蓋体32を取り付ける場合、カートリッジ本体
31とカートリッジ蓋体32とを溶着することなく、両
者に取付部材等をそれぞれ配設して、カートリッジ蓋体
32をカートリッジ本体31に取り付けて、カートリッ
ジ本体31とカートリッジ蓋体32との隙間をシリコン
等によって密封しても良い。
【0032】カートリッジ本体31の左側壁にはインク
抽出部材22を貫入させるために通穴31aが穿設され
ており、その側壁面には通穴31aを覆った状態でシー
ル部材31bが溶着により取り付けられている。このシ
ール部材31bは、インクカートリッジ30の気密性を
保持するためのものであり、ポリエチレン樹脂等で構成
されたフィルムシートを複数枚、例えば、略10枚程度
積層した積層構造フィルム材で構成されている。このシ
ール部材31bを構成する積層構造フィルム材は、シー
ル部材31bへインク抽出部材22が刺し込まれた場
合、刺し込まれたインク抽出部材22の外周面に密着す
る性質(密着性)を備えている。よって、インク抽出部
材22の刺し込まれた通穴31aからインクカートリッ
ジ30内への空気等の浸入が防止され、インクカートリ
ッジ30の気密性を保持することができる。尚、カート
リッジ本体31にシール部材31bを取り付ける場合、
シール部材31に接着剤等を塗布して、通穴31aの穿
設されたカートリッジ本体31の側壁面に貼着しても良
い。
【0033】インクパッケージ33は、略矩形状の袋体
に形成されており、シール部材31bと同様な、ポリエ
チレン樹脂等で構成されたフィルムシートを複数枚、例
えば、略10枚程度積層した積層構造フィルム材で構成
されている。よって、インク抽出部材22がインクパッ
ケージ33へ刺し込まれた場合に、インクパッケージ3
3からのインク漏れやインクパッケージ33への空気等
の浸入が防止される。特に、インクパッケージ33への
空気等の浸入が防止されるので、印字ヘッド21へ供給
されるインクへの空気等の混入が防止される。よって、
印字ヘッド21の複数のノズル口21bの内部に充填さ
れたインクのメニスカスMを破壊が防止されるので、印
字ヘッド21のインク吐出性を維持することができる。
【0034】インクパッケージ33の略中央部分にはイ
ンク密封部33aが形成され、その内部には印刷に使用
されるインクが密封されている。このインク密封部33
aの左縁部分には凹部33bが形成されており、他の縁
部分には溶着部33c,33d,33eが形成されてい
る。この凹部33bは、インク抽出部材22が刺し込ま
れる部分であり、その両端部は溶着部33c,33dに
より支持されているので、上面視略凹面状に形成され
る。よって、インク抽出部材22をこの凹部33bへ刺
し込むことにより、インクパッケージ33のインク密封
部33a内へインク抽出部材22を容易に貫入させるこ
とができる。また、かかる凹部33bとカートリッジ本
体31の通穴31aが穿設された側壁とは相対向してい
るので、シール部材31bで覆われた通穴31aを貫通
したインク抽出部材22の先端部分を、凹部33bへ容
易に刺し込むことができる。
【0035】尚、このインクカートリッジ30にインク
パッケージ33を収納する場合、インクパッケージ33
の溶着部33c,33d,33eを折り曲げて収納して
も良く、また、インクパッケージ33の溶着部33c,
33d,33eを切断してカートリッジ本体31内へ収
納しても良い。
【0036】インクパッケージ33の製造方法は、ま
ず、矩形状の積層構造フィルム材を二つ折の状態に重ね
合わせ、その重ね合わされた縁部分のうち、二つ折りに
された縁部分に相対向する一辺を溶着して溶着部33e
を形成し、中空筒状体を形成する。この中空筒状体はそ
の相対向する両縁部分が開放されているので、そのいず
れか一方を溶着して溶着部33cを形成し、溶着部33
dが形成される縁部分が開放された袋体を成形する。か
かる袋体成形後、その開放部分から袋体内へインクを注
入する。インク注入後、溶着部33cに対向する部分が
溶着され、溶着部33dが形成されると、凹部33bが
インク密封部33aの縁部分に形成されるとともに、イ
ンク密封部33a内にインクが密封されたインクパッケ
ージ33が上述した袋体の一端に形成される。インクパ
ッケージ33形成後、溶着部33dを切断して、袋体か
らインクパッケージ33を切り離すことにより、インク
パッケージ33の製造が完了する。尚、インクを注入す
る際に、インク密封部33aの内圧Pを正圧に維持する
ことにより、未使用のインクパッケージ33のインク密
封部33a内への空気等の浸入を防止することができ
る。
【0037】次に、印字ヘッド21へ供給されるインク
のインク供給圧を負圧に維持する方法について説明す
る。インクカートリッジ30のカートリッジ本体31お
よびカートリッジ蓋体32は、それぞれ機械的強度に優
れた剛性材料で構成されているので、その形状変化が抑
制されている。よって、インク抽出部材22によりイン
クパッケージ33のインク密封部33aからインクが抽
出され、インクカートリッジ30内の内圧が低下する場
合に、インクカートリッジ30が大気等に押し潰される
ことがなく、インクカートリッジ30の内圧を負圧に維
持するすることができる。従って、かかる内圧が負圧に
維持されたインクカートリッジ30内に密封状態で収納
されたインクパッケージ33のインク密封部33aの内
圧も負圧に維持されるので、インク抽出部材22により
抽出されたインクを印字ヘッド21へ供給する場合に、
インク供給圧を負圧に維持することができる。
【0038】また、カートリッジ本体31の通穴31a
を覆うシール部材31bは、上述した積層構造フィルム
材で構成されているので、インク抽出部材22が刺し込
まれた場合、刺し込まれたインク抽出部材22の外周面
に密着する性質(密着性)を備えている。よって、イン
クカートリッジ30の気密性が保持され、インク抽出部
材22の外周面とシール部材31bを形成するフィルム
材との隙間からインクカートリッジ30内への空気等の
浸入が防止することができる。特に、インク抽出部材2
2によりインクの抽出(インク消費)が行われる場合
に、インクカートリッジ30内への空気等の浸入が防止
されるので、インクカートリッジ30内に収納されたイ
ンクパッケージ33のインク密封部31a内のインク消
費量に相当する容積が空気等により置換されることがな
い。従って、インクカートリッジ30内が負圧に維持さ
れ、インクパッケージ30のインク密封部33aの内圧
を負圧に維持することができる。
【0039】次に、図3を参照して、インクパッケージ
33とインク抽出部材22との密着性と、インク抽出部
材22の外径dとの関係について説明する。図3は、イ
ンク抽出部材22の外径dとインクパッケージ33に負
荷される押圧力Fとの関係を示した図である。尚、この
押圧力Fとは、外径dの異なるインク抽出部材22をイ
ンクパッケージ33へ刺し込んだ後、かかるインクパッ
ケージ33をその厚さ方向に押圧した場合に、そのイン
ク抽出部材22がインクパッケージ33から抜け出る押
圧力のことである。また、インクパッケージ33は、積
層構造フィルム材の厚さwが略100μmのものを使用
している。
【0040】この図3に示すように、インク抽出部材2
2の外径dが増加するとともに、インク抽出部材22が
インクパッケージ33から抜け出る押圧力Fが低下して
いる。この結果に基づいて、インクパッケージ33へ刺
し込まれたインク抽出部材22の外周面と、インクパッ
ケージ33の積層構造フィルム材との密着性を維持する
ために、インク抽出部材22の外径dを略5mm以下に
形成している。
【0041】このよう形成されたインクカートリッジ3
0およびインク抽出部材22を用いて、印字ヘッド21
へインクを供給することによって、インク供給圧は負圧
に維持される。よって、印字ヘッド21の下方周辺にイ
ンク供給圧を負圧にするためのサブタンクやインク供給
用のポンプ装置等(インク供給圧調整手段)が不要とな
り、卓上プリンタ1の部品点数が減少され、かかる製造
コストを低減させることができる。また、かかるインク
供給用のポンプ等が不要となるので、卓上プリンタ1の
消費電力をも低減させることができる。
【0042】次に、図1、図2および図4を参照して、
卓上プリンタ1の組立方法について説明する。まず、図
4に示すように、インクパッケージ33の溶着部33c
〜33eを折り曲げるか、または、切断するかしてイン
クパッケージ33をカートリッジ本体31内に収納す
る。インクパッケージ33の収納後、カートリッジ本体
31の上部にカートリッジ蓋体32を覆設して、カート
リッジ本体31とカートリッジ蓋体32とを溶着し、イ
ンクパッケージ33をインクカートリッジ30内に密封
しつつ収納される。
【0043】このインクカートリッジ30の通穴31a
とインク抽出部材22とを対向させつつ、インクカート
リッジ30を矢印X方向へスライドさせると、通穴31
aを覆うシール部材31bへインク抽出部材22の先端
部分が刺し込まれ、インク抽出部材22の先端部分が通
穴31aへ挿入される。インク抽出部材22の挿入後、
インク抽出部材22は、インクカートリッジ30に収納
されたインクパッケージ33の凹部33bから容易にイ
ンク密封部33a内へ刺し込まれる。また、このインク
パッケージ33の凹部33bは、その両端部分が溶着部
33c,33dによって支持されているので、インク抽
出部材22の刺し込みに伴う負荷によるインク密封部3
3aの変形を抑制することができる。
【0044】更に、インクカートリッジ30を矢印X方
向へスライドさせ続けると、インクカートリッジ30は
プリンタカートリッジ3の左端部分の2点鎖線の位置
(図1中左側)へ到達して、インクカートリッジ30の
プリンタカートリッジ3への装着が完了する。この際、
シール部材31bを形成する積層構造フィルム材および
インクパッケージ33を形成する積層構造フィルム材と
インク抽出部材22の外周面とが密着するので、インク
カートリッジ30への空気等の浸入が防止されるととも
に、インクパッケージ33からのインク漏れやインクパ
ッケージ33への空気等の浸入が防止される。
【0045】インクパッケージ33のインク密封部33
aへ刺し込まれたインク抽出部材22は、その内部へイ
ンク抽出口22aを介してインクを抽出し、取付部材2
5を介してインク供給チューブ23へインクを流入させ
る。インク供給チューブ23へ流入したインクは、取付
部材24を介して印字ヘッド21へ供給される。インク
カートリッジ30は剛性材料で構成されているので、そ
の形状変化が抑制されている。よって、インクパッケー
ジ33のインク密封部33aからインク抽出部材22を
用いてインクが抽出され、インクカートリッジ30の内
圧が低下しても、インクカートリッジ30が大気圧等に
押し潰されることがなく、インクカートリッジ30の内
圧は負圧に維持される。
【0046】このため、インクカートリッジ30内に密
封されたインクパッケージ33のインク密封部33aの
内圧も負圧に維持されるので、インク抽出部材22によ
り抽出されたインクを印字ヘッド21へ供給する場合
に、インクのインク供給圧を負圧に維持することができ
る。よって、各ノズル口21b内にメニスカスMを形成
することができるので、印字ヘッド21のインク吐出性
が維持され、鮮明な印字結果を得ることができる。
【0047】次に、図1に示すように、プリンタカート
リッジ3の印字ヘッド21をプリンタ本体2のキャリッ
ジ6に搭載させつつ、プリンタカートリッジ3をプリン
タ本体2に装着する。プリンタカートリッジ3の装着
後、卓上プリンタ1のPCカード15がパーソナルコン
ピュータのPCスロットに挿入されると、卓上プリンタ
1は、パーソナルコンピュータと印字データ等の送受信
が可能となるとともに、パーソナルコンピュータからの
電力供給を受けて、動作可能な状態となる。
【0048】かかる卓上プリンタ1は、パーソナルコン
ピュータから印字データの送信を受けると、印字用紙P
Pに印字を行う。この場合、まず、未使用の印字用紙P
Pが用紙挿入口(図示せず)へ挿入されると、印字用紙
PPは、プラテンローラ4によって、印字ヘッド21の
下方の搬送経路を搬送される。搬送された印字用紙PP
は、印字ヘッド21の下方の搬送経路を通過する際に、
印字ヘッド21の各ノズル口21bから吐出されるイン
クによって印字され(図2参照)、この印字された印字
用紙PPは用紙搬出口13から搬出される。
【0049】次に、図5を参照して、第2実施例の卓上
プリンタ100について説明する。第2実施例の卓上プ
リンタ100は、上述した第1実施例の卓上プリンタ1
のプリンタカートリッジ3を変更したものである。以
下、第1実施例と同一の部分には、同一の番号を付し
て、その説明は省略し異なる部分のみを説明する。尚、
図5はインクパッケージ33を使用する卓上プリンタ1
00の分解斜視図である。
【0050】卓上プリンタ100のプリンタカートリッ
ジ103は、印字ヘッド21に隣接配置された印字ヘッ
ド21と同一種類の印字ヘッド121を備えている。印
字ヘッド121は、印字ヘッド21と同様に、その下部
にノズル部21aと、そのノズル部21aの下面に設け
れたれた複数のノズル口21bとを備えている。また、
印字ヘッド121の各ノズル口21bは、印字ヘッド2
1の各ノズル口21bに対して、その前後方向(プリン
タカートリッジ3の長手方向と直交する方向)に略36
0dpiの間隔ズレて設けられている。よって、印字ヘ
ッド21,121の双方を使用して印字する場合、印字
ヘッド21,121の搭載されたキャリッジ6がプリン
タ本体2の長手方向へ往動または復動することにより、
360dpiの解像度の印字を行うことができる。よっ
て、第1実施例の卓上プリンタ1と比較して、高解像度
の印字を短時間で行うことができる。
【0051】尚、卓上プリンタ100は、プリンタ本体
2が第1実施例の卓上プリンタ1と共通化されているの
で、プリンタカートリッジ103を第1実施例のプリン
タカートリッジ3と交換することにより、卓上プリンタ
1として使用することができる。
【0052】次に、図6を参照して、第3実施例の卓上
プリンタ200について説明する。第3実施例の卓上プ
リンタ200は、上述した第1実施例の卓上プリンタ1
のプリンタカートリッジ3およびインクカートリッジ3
0を変更したものである。以下、第1実施例と同一の部
分には、同一の番号を付して、その説明は省略し異なる
部分のみを説明する。尚、図6は、インクパッケージ3
3を使用する卓上プリンタ200の分解斜視図である。
【0053】卓上プリンタ200のプリンタカートリッ
ジ203には、4個のインクカートリッジ30が装着さ
れており、各インクカートリッジ30には、図6の上か
ら順に、ブラック、イエロー、シアン、マゼンダの4色
のインクが密封されたインクパッケージ33がそれぞれ
収納されている。これらの4色のインクは、印字ヘッド
221,222にそれぞれ設けられた複数個のノズル口
(図示せず)から吐出され、印字用紙PPにフルカラー
印字が行われる。
【0054】尚、卓上プリンタ200は、プリンタ本体
2が第1および第2実施例の卓上プリンタ1,100と
共通化されているので、プリンタカートリッジ203を
第1実施例のプリンタカートリッジ3または第2実施例
のプリンタカートリッジ103と交換することにより、
卓上プリンタ1または卓上プリンタ100として使用す
ることができる。
【0055】また、各インク抽出部材22の各取付部材
25における取付位置は、図6の前後方向の異なる位置
にそれぞれ取り付けられており、各インクカートリッジ
30の通穴31aは、各インク抽出部材22の位置に対
応して穿設されている。よって、プリンタカートリッジ
203にインクカートリッジ30を装着する場合、常
に、図6の上からブラック、イエロー、シアン、マゼン
ダの順に各インクカートリッジ30を装着しなければ、
各インク抽出部材22を各通穴31aへ挿入することが
できない。従って、間違ったインクカートリッジ30の
装着によるインクの混色を防止することができる。
【0056】以上、実施例に基づき本発明を説明した
が、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものでは
なく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変
更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0057】例えば、本実施例では、カートリッジ本体
31の一側壁に通穴31aを穿設し、その通穴31aを
シール部材31bで覆った。しかし、かかるインクカー
トリッジは、必ずしもこれに限られるものではなく、イ
ンクカートリッジのカートリッジ本体の一側壁の全面を
開放し、その開放された側壁の全面に上述した積層構造
フィルム材を溶着しても良い。
【0058】また、本実施例では、インクを密封したイ
ンクパッケージ33をインクカートリッジ30内に収納
した。しかし、かかるインクカートリッジは、必ずしも
これに限られるものではなく、インクパッケージを使用
せずに、インクカートリッジの内部にインクを直接密封
しても良い。この場合、インクカートリッジの一部分を
弾性シート材等で形成することにより、インクカートリ
ッジの内圧の過剰な低下を防止することができる。よっ
て、印字ヘッドへ供給されるインクのインク供給圧を印
字ヘッド動作圧範囲内に維持することができる。また、
かかる弾性シート材等を上述した積層構造フィルム材で
構成することにより、インク抽出部材22の刺し込まれ
るシール部材を別途設けることが不要となり、インクカ
ートリッジの製造コストを低減することができる。尚、
インクカートリッジの内部にインクを直接密封する場
合、インクカートリッジは、印刷に使用されるインクと
の相性の良い材質、例えば、ポリオキシメチレン(PO
M)系樹脂等で形成すると良い。
【0059】また、本実施例では、シール部材31bに
上述した積層構造フィルム材を使用した。しかし、かか
るシール部材は、必ずしもこれに限られるものではな
く、例えば、NBR(アクリロニトリルジブタエンゴ
ム)等で構成されたパッキン等で代替しても良い。ま
た、かかるパッキン等と上述した積層構造フィルム材で
構成されたシール部材31bとを併用しても良い。この
ように、かかるパッキン等を通穴31aに取着すること
により、一旦装着されたインクカートリッジ30をプリ
ンタカートリッジ3から取り外された場合に、インクカ
ートリッジ30からのインク漏れやインクカートリッジ
30への空気等の浸入が防止されるのである。
【0060】
【発明の効果】請求項1に記載のインクカートリッジに
よれば、容器体の開口部は気密性保持部材により覆われ
ているので、例えば、インク抽出用の針等が挿入されて
も、容器体の気密性が保持され、容器体への空気等の浸
入を防止することができる。また、この容器体は剛性材
料で形成されているので、容器体の内外圧力差による容
器体の形状変化を抑制することができる。よって、イン
クの抽出によりインクパッケージ内の圧力が低下して
も、容器体は外圧に押し潰されず、その内部に被包され
るインクパッケージ内の負圧を維持することができる。
従って、インクに負圧を加えるためのインク供給圧調整
手段を別途設けることなく、印字ヘッドへ供給されるイ
ンクに負圧を加えることができる。その結果、かかるイ
ンクカートリッジが使用される印字装置の部品点数を減
少し、その製造コストを低減することができるという効
果がある。
【0061】また、インクパッケージを形成するフィル
ム材はポリエチレン樹脂等で構成されたフィルムシート
を複数枚積層した積層構造を有しているので、インクパ
ッケージへ刺し込まれたインク抽出用の針等によりイン
クの抽出がなされる場合、インクパッケージを形成する
フィルム材がインク抽出用の針等に密着する。よって、
インク抽出用の針等とフィルム材との隙間からのインク
漏れや空気等の浸入を防止することができるという効果
がある。また、インクパッケージへの空気等の浸入が防
止されるので、印字ヘッドへ供給されるインクへの空気
等の混入が防止され、印字ヘッドのインク吐出性を維持
することができるという効果がある。
【0062】請求項2に記載のインクカートリッジによ
れば、請求項1に記載のインクカートリッジの奏する効
果に加え、インクパッケージのインク密封部の外面のう
ち容器体の開口部に相対向する部分は、略平面状または
凹面状に形成されているので、インク抽出用の針等をイ
ンクパッケージのインク密封部へ容易に刺し込むことが
できるという効果がある。
【0063】請求項3に記載のインクカートリッジによ
れば、請求項2に記載のインクカートリッジの奏する効
果に加え、インクパッケージのインク密封部における略
平面状または凹面状に形成される外面は、フィルム材の
両側部分を溶着することにより形成することができる。
よって、インクパッケージの外面を略平面状または凹面
状に形成するための部材を、別途、インクパッケージに
取り付けることが不要となるので、インクカートリッジ
の製造工程を簡素化することができるという効果があ
る。
【0064】請求項4に記載のインクカートリッジによ
れば、容器体の開口部は気密性保持部材により覆われて
いるので、例えば、インク抽出用の針等が挿入されて
も、容器体の気密性は保持され、容器体内への空気等の
浸入を防止することができる。また、この容器体は剛性
材料で形成されているので、容器体の内外圧力差による
容器体の形状変化を抑制することができる。よって、イ
ンクの抽出により容器体内の圧力が低下しても、容器体
は外圧に押し潰されず、容器体内の負圧を維持すること
ができる。従って、インクに負圧を加えるためのインク
供給圧調整手段を別途設けることなく、印字ヘッドへ供
給されるインクに負圧を加えることができる。その結
果、かかるインクカートリッジが使用される印字装置の
部品点数を減少し、その製造コストを低減することがで
きるという効果がある。
【0065】請求項5に記載のインクカートリッジによ
れば、請求項1から4のいずれかに記載のインクカート
リッジの奏する効果に加え、気密性保持部材はポリエチ
レン樹脂等で構成されたフィルムシートを複数枚積層し
た積層構造を有するフィルム材で形成されているので、
インク抽出用の針等を容器体の開口部へ挿入する場合
に、気密性保持部材とインク抽出用の針等とが密着す
る。よって、容器体の気密性が保持されるので、インク
抽出用の針等とフィルム材との隙間からのインク漏れや
空気等の浸入を防止することができるという効果があ
る。また、容器体内への空気等の浸入が防止されるの
で、容器体内に加わる負圧を維持することができるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例であるインクカートリッジ
を使用する卓上プリンタの分解斜視図である。
【図2】 印字ヘッドのノズル部の部分断面概念図であ
る。
【図3】 インク抽出部材の外径とインクパッケージに
負荷される押圧力との関係を示した図である。
【図4】 インクカートリッジの分解斜視図である。
【図5】 第2実施例における卓上プリンタの分解斜視
図である。
【図6】 第3実施例における卓上プリンタの分解斜視
図である。
【符号の説明】
1 卓上プリンタ 2 プリンタ本体 3 プリンタカートリッ
ジ 4 プラテンローラ 5 LFモータ 6 キャリッジ 7 キャリッジモータ 15 PCカード 17 ガイドロッド 21,121,221,222 印字ヘッド 21a ノズル部 21b ノズル口 22 インク抽出部材 22a インク抽出口 23 インク供給チューブ 30 インクカートリッジ 31 カートリッジ本体
(容器体の一部) 31a 通穴(開口部) 31b シール部材(気密性
保持部材) 32 カートリッジ蓋体
(容器体の一部) 33 インクパッケージ 33a インク密封部 33b 凹部(インク密封部
の外面) 33c,33d 溶着部(溶着された
両側辺) 33e 溶着部 d 外径 M メニスカス PP 印字用紙 w 厚さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河合 貴光 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー 工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印字ヘッドへ供給されて印刷に使用され
    るインクを密封するとともに、ポリエチレン樹脂等で構
    成されたフィルムシートを複数枚積層した積層構造を有
    するフィルム材で形成されたインクパッケージと、 そのインクパッケージを被包する剛性材料で形成された
    容器体と、 その容器体の一部に設けられた開口部と、 その開口部を覆って前記容器体の気密性を保持する気密
    性保持部材とを備えていることを特徴とするインクカー
    トリッジ。
  2. 【請求項2】 前記インクパッケージはインクを密封す
    るインク密封部を備え、そのインク密封部の外面のうち
    前記容器体の開口部に相対向する部分は、略平面状また
    は凹面状に形成されていることを特徴とする請求項1に
    記載のインクカートリッジ。
  3. 【請求項3】 前記インク密封部の略平面状または凹面
    状に形成される外面は、前記フィルム材の両側部分を溶
    着することにより、その溶着された両側辺と交差する面
    に形成されることを特徴とする請求項2に記載のインク
    カートリッジ。
  4. 【請求項4】 印字ヘッドへ供給されて印刷に使用され
    るインクが充填される剛性材料で形成された容器体と、 その容器体の一部に設けられた開口部と、 その開口部を覆って前記容器体の気密性を保持する気密
    性保持部材とを備えていることを特徴とするインクカー
    トリッジ。
  5. 【請求項5】 前記気密性保持部材は、ポリエチレン樹
    脂等で構成されたフィルムシートを複数枚積層した積層
    構造を有するフィルム材で形成されていることを特徴と
    する請求項1から4のいずれかに記載のインクカートリ
    ッジ。
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