JPH1199658A - インクパッケージ - Google Patents

インクパッケージ

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Publication number
JPH1199658A
JPH1199658A JP26143297A JP26143297A JPH1199658A JP H1199658 A JPH1199658 A JP H1199658A JP 26143297 A JP26143297 A JP 26143297A JP 26143297 A JP26143297 A JP 26143297A JP H1199658 A JPH1199658 A JP H1199658A
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JP
Japan
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ink
package
cartridge
print head
printer
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JP26143297A
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English (en)
Inventor
Minoru Sakanobe
稔 坂廼辺
Masaki Takatsugi
正樹 高次
Naohisa Kinoshita
尚久 木下
Takamitsu Kawai
貴光 河合
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク供給圧調整手段を用いることなく、印
字ヘッドへ供給されるインクに負圧を加えることができ
るインクパッケージを提供すること。 【解決手段】 インクパッケージ30をインクカートリ
ッジ40内に収納し、そのインクカートリッジ40を矢
印X方向へスライドさせると、まず、インク抽出部材2
2が通穴42へ挿入され、その後、インク抽出部材22
がインクパッケージ30のインク密封部31内へ刺し込
まれる。これにより、インク供給チューブ23等を介し
て印字ヘッドへインクが供給される。このインクパッケ
ージ30は、ポリエチレン樹脂等で構成されたフィルム
シートを複数積層した積層構造フィルム材で構成され、
しかも、そのインク密封部31の縦方向長さA(横方向
長さB)が略200mm以下に形成されているので、形
状復元性が付与されている。よって、かかるインクパッ
ケージ30から印字ヘッドへ供給されるインクは、その
インク供給圧が負圧に維持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク供給圧調整
手段を用いることなく、印字ヘッドへ供給されるインク
に負圧を加えることができるインクパッケージに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェット方式を用いた印字
装置では、印字ヘッドへ供給されたインクを複数のノズ
ルから吐出して、印字が行われるところ、その印字品質
を保持するためには、印字ヘッドから吐出されるインク
の吐出性を維持する必要がある。このインク吐出性は、
印字ヘッドのノズル内へ供給されたインクの液面が凹面
状のメニスカス(曲面)を形成することにより維持され
る。かかるメニスカス状のインク液面は、印字ヘッドの
ノズル内へ供給されるインクのインク供給圧を所定範囲
内の負圧に調整することにより形成されるのである。
【0003】このインク供給圧の調整は、印字ヘッドと
インクパッケージとの高低差により行われる。例えば、
印字ヘッドの下方周辺にインクパッケージを配設する
と、両者間に高低差が生じ、負圧の水頭差が発生し、こ
れによりインク供給圧が所定範囲内の負圧に調整される
が、通常、印字ヘッドの下方には、印字用紙を搬送する
ための搬送機構等が配設されるので、インクパッケージ
の配設位置や配設スペース等は制限される。よって、こ
のような制限ある位置やスペースにインクパッケージを
配設するためには、インクパッケージの容量を小さくし
なければならず、インクパッケージを頻繁に交換しなけ
ればならないという問題点があった。
【0004】そこで、かかる問題点を解決すべく、印字
ヘッドの下方周辺に小型のサブタンクを配設し、メイン
タンクとして大容量のインクパッケージを所望の位置に
別途配設する方法が提案されている。この方法によれ
ば、インクパッケージ内のインクは、印字ヘッドの下方
周辺に配設されたサブタンクへポンプアップによって供
給され、かかるサブタンクに供給されたインクは、イン
ク供給圧が所定範囲内の負圧に調整されて印字ヘッドへ
供給される。かかる小型のサブタンクは、その容量が小
さいので、印字ヘッドの下方周辺に容易に配設すること
ができる。また、インクパッケージ自体は所望の位置に
別途配設されているので小容量化する必要がない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような、サブタンクを用いてインク供給圧を調整する
方法によれば、インク供給圧を所定範囲内の負圧に調整
するためのサブタンクや、インクパッケージからサブタ
ンクへインクをポンプアップするためのポンプ装置等が
必要となる。よって、印字装置の部品点数が増加すると
ともに、印字装置が大型化してしまい、製造コストが増
加するという問題点があった。また、前記ポンプ装置等
を駆動するための電力が必要となり、印字装置の消費電
力が増加してしまうという問題点があった。
【0006】本発明は上述した問題点を解決するために
なされたものであり、インク供給圧調整手段を用いるこ
となく、印字ヘッドへ供給されるインクに負圧を加える
ことができるインクパッケージを提供することを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に請求項1に記載のインクパッケージは、印字ヘッドへ
供給されて印刷に使用されるインクを密封するインク密
封部を有しており、ポリエチレン樹脂等で構成されたフ
ィルムシートを複数枚積層した積層構造を有するフィル
ム材によって形成され、かつ、前記インク密封部におけ
る縦方向または横方向長さのうちの一方が略200mm
以下に形成されている。よって、インクパッケージを形
成するフィルム材に形状復元性が付与されるので、イン
クパッケージの内外圧力差によるインクパッケージの形
状変化を抑制することができる。従って、インクパッケ
ージからインクを抽出することにより、インクパッケー
ジの内圧が低下しても、インクパッケージの形状変化が
抑制され、インクパッケージ内を負圧に維持することが
できる。その結果、印字ヘッドへ供給されるインクに加
わる圧力を負圧に維持するためのインク供給圧調整手段
が不要となる。
【0008】また、インクパッケージは、ポリエチレン
樹脂等で構成されたフィルムシートを複数枚積層した積
層構造を有するフィルム材で形成されている。よって、
インクパッケージからインクを抽出する場合、例えば、
インクパッケージに刺し込まれたインク抽出用の針等に
よりインクの抽出がなされる場合に、インクパッケージ
がインク抽出用の針等に密着するので、インクパッケー
ジからのインク漏れやインクパッケージへの空気等の浸
入を防止することができる。
【0009】請求項2に記載のインクパッケージは、請
求項1に記載のインクパッケージにおいて、前記インク
密封部の外面の一部分は、略平面状または凹面状に形成
されている。
【0010】請求項3に記載のインクパッケージは、請
求項2に記載のインクパッケージにおいて、前記インク
密封部の略平面状または凹面状に形成される外面は、前
記フィルム材の両側部分を溶着することにより、その溶
着された両側辺と交差する面に形成される。
【0011】請求項4に記載のインクパッケージは、請
求項1から3のいずれかに記載のインクパッケージにお
いて、前記フィルム材は、略30μm以上かつ略300
μm以下の厚さに形成されている。
【0012】請求項5に記載のインクパッケージは、請
求項1から4のいずれかに記載のインクパッケージにお
いて、前記インク密封部は、その縦方向長さが横方向長
さの略10倍以下に形成されている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例に
ついて、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明
の一実施例であるインクパッケージ30を使用する卓上
プリンタ1の分解斜視図であり、図2は、印字ヘッド2
1のノズル部21aの部分断面概念図である。この卓上
プリンタ1は、略箱状体に形成されたプリンタ本体2
と、その上部に着脱自在に装着され、印字ヘッド21を
搭載したプリンタカートリッジ3と、そのプリンタカー
トリッジ3に装着されインクパッケージ30を収納した
インクカートリッジ40とを備えている。尚、図1で
は、プリンタ本体2の本体フレーム12、用紙搬出口1
3、ヘッド移動溝14およびプリンタカートリッジ3の
カートリッジフレーム26を2点鎖線で図示している。
また、図1中の矢印Xはインクカートリッジ40の装着
方向を示している。
【0014】プリンタ本体2の本体フレーム12には、
印字用紙PPを搬送するためのローラ部材であるプラテ
ンローラ4が回転可能に軸支されるとともに、そのプラ
テンローラ4に平行にガイドロッド17が配設されてい
る。このプラテンローラ4の左端部分には従動ギヤ4a
が取着されており、この従動ギヤ4aは、LFモータ5
によって回転される駆動ギヤ5aに歯合されている。よ
って、LFモータ5を回転することにより、プラテンロ
ーラ4が回転され、印字用紙PPが搬送される。また、
ガイドロッド17は、キャリッジ6がガイドロッド17
に沿って印字用紙PPの搬送方向と直交する方向に移動
可能となるように、キャリッジ6を貫通している。尚、
図1では、ガイドロッド17の一部を省略して図示して
いる。
【0015】キャリッジ6は、プリンタカートリッジ3
の印字ヘッド21を搭載するためのものであり、本体フ
レーム12の右端部分に搭載されたキャリッジモータ7
によって回動される駆動プーリ7aと、本体フレーム1
2の左端部分に設けられた従動プーリ7bとの間に掛け
渡されたベルト7cを介して、ガイドロッド17および
プラテンローラ4の軸心に平行な方向、即ち、プリンタ
本体2の長手方向へ往復移動することができる。よっ
て、キャリッジ6に搭載された印字ヘッド21をプリン
タ本体2の長手方向へ往復移動させて、印字用紙PP上
に印字を行うことができる。尚、ベルト7cは、プラテ
ンローラ4およびガイドロッド17の理解を容易にする
ため、その一部を省略して図示している。
【0016】プリンタ本体2の左端部分には、印字ヘッ
ド21のノズル部21aにおける複数のノズル口21b
(図2参照)を密閉することができる吸引キャップ8
と、その吸引キャップ8によって密閉されたノズル部2
1aのノズル口21b内のインクを吸引する吸引ポンプ
9とが配設されている。この吸引キャップ8および吸引
ポンプ9によってインクの吐出状態を回復させる処理
(パージ処理)を行う場合には、キャリッジモータ7に
より印字ヘッド21の搭載されたキャリッジ6を卓上プ
リンタ1の左側へ移動させて、印字ヘッド21における
ノズル部21aの各ノズル口21bを吸引キャップ8に
より密閉する。その後、吸引ポンプ9を作動すると、ノ
ズル口21bから気泡や乾燥して固化したインクが吸引
され、ノズル部21aのノズル口21bの吐出状態を回
復することができるのである。尚、このパージ処理は、
ノズル口21b内に充填されたインク液面により形成さ
れる凹面状のメニスカスM(図2参照)が、インク詰ま
り等の原因により各ノズル口21b内に形成できない場
合に行われる。
【0017】吸引キャップ8の左側位置には、印字ヘッ
ド21のノズル部21aに被せられる保護キャップ10
が配設されている。保護キャップ10は、印字ヘッド2
1により印字が行われない場合、即ち、キャリッジ6が
待機状態にある場合に、ノズル部21aを被い、その内
部のインクの蒸発を防止して各ノズル口21bのインク
が乾燥するのを回避するものである。
【0018】プリンタ本体2の下部には、卓上プリンタ
1の動作内容に関する制御プログラムに従って卓上プリ
ンタ1を制御するCPU11a等が搭載された制御回路
基板11が配設されている。この制御回路基板11に
は、接続コード16を介して、PCカード15が接続さ
れている。このPCカード15は、パーソナルコンピュ
ータ(図示せず)のPCカードスロットに挿入され、パ
ーソナルコンピュータから出力された印字データ等を卓
上プリンタ1へ入力するものである。尚、卓上プリンタ
1は、PCカードスロットに挿入されたPCカード15
および接続コード16を介して、図示しないパーソナル
コンピュータから電力が供給される。
【0019】プリンタ本体2における本体フレーム12
の手前側の側壁には、印字済みの印字用紙PPをプリン
タ本体2から搬出するための用紙搬出口13が設けられ
ている。また、本体フレーム12の裏側の側壁、即ち、
用紙搬出口13が設けられた側壁に対向する側壁におけ
る用紙搬出口13と対向する位置には、未使用の印字用
紙PPをプリンタ本体2へ挿入するための用紙挿入口
(図示せず)が設けられている。更に、本体フレーム1
2の上面には矩形状のヘッド移動溝14が設けらされて
いるので、プリンタカートリッジ3をプリンタ本体2に
取り付ける場合、ヘッド移動溝14を介して、印字ヘッ
ド21をキャリッジ6に搭載することができる。
【0020】プリンタカートリッジ3は、プリンタ本体
2に着脱自在に構成されており、印字ヘッド21と、イ
ンク抽出部材22と、インク供給チューブ23と、取付
部材24,25と、かかる印字ヘッド21等を収納する
ため箱状に形成されたカートリッジフレーム26とを備
えている。印字ヘッド21は、ピエゾ素子(圧電素子)
で構成されたノズル部21aを備えており、図2に示す
ように、ノズル部21aには複数のノズル口(インク吐
出口)21bが設けられている。各ノズル口21b内に
はインクパッケージ30から供給されたインクが充填さ
れている。このピエゾ素子で構成されたノズル部21a
に電圧が印加されると、その電圧に比例した歪みがノズ
ル部21aに生じ、各ノズル口21bが収縮する。この
収縮によって、各ノズル口21b内に充填されたインク
が印字用紙PPへ吐出され印字が行われるのである。
【0021】各ノズル口21bは、略180dpiに相
当するピッチ(間隔)で設けられており、印字ヘッド2
1の搭載されたキャリッジ6がプリンタ本体2の長手方
向へ往動または復動することにより(図1参照)、18
0dpiの解像度の印字を行うことが可能になってい
る。
【0022】ここで、各ノズル口21bの内部下方にあ
るインク液面が凹面状のメニスカスMに形成されている
と、そのインク吐出性が維持され、鮮明な印字結果を得
ることができる。この凹面状のメニスカスMは、各ノズ
ル口21b内に充填されるインクのインク供給圧を負圧
に維持することによって、各ノズル口21b内に形成さ
れる。例えば、本実施例で使用される印字ヘッド21で
は、インク供給圧が大気圧に対して略0mmAq(水
柱)以上、略−300mmAq(水柱)以下の範囲(印
字ヘッド動作圧範囲)内であれば、各ノズル口21b内
のインク液面が凹面状のメニスカスMを形成することが
可能である。尚、インク供給圧を負圧に維持する方法に
ついては、後述するインクパッケージ30とともに説明
する。
【0023】図1に示すように、印字ヘッド21の上部
には、印字ヘッド21とインク供給チューブ23の一端
とを継合する取付部材24が配設されており、かかるイ
ンク供給チューブ23の他端は、取付部材25を介して
インク抽出部材22に取り付けられている。このインク
抽出部材22は、インクカートリッジ40内に収納され
たインクパッケージ30からインクを抽出するためのも
のであり、このインク抽出部材22により抽出されたイ
ンクは、インク供給チューブ23および取付部材24,
25を介して、印字ヘッド21へ供給される。尚、イン
ク供給チューブ23には、印字ヘッド21を駆動するた
めの電力や画像信号を供給するハーネス等(図示せず)
が一体形成されている。
【0024】インク抽出部材22は、耐腐食性を有する
ステンレス鋼材等の金属材料やセラミックス材料等で構
成されており、インクパッケージ30のインク密封部3
1へ刺し込まれ、その内部に密封されたインクを抽出す
るものである。このインク抽出部材22は中空針状体に
形成されており(図3参照)、その先端には、インク密
封部31内のインクを抽出するためのインク抽出口22
aが穿設されている。よって、インクパッケージ30の
収納されたインクカートリッジ40が矢印X方向へスラ
イドされプリンタカートリッジ3に装着されると(図1
中2点鎖線)、インク抽出部材22がインクカートリッ
ジ40の通穴42(図3参照)を介してインク密封部3
1へ刺し込まれ、インク抽出口22aから中空状のイン
ク抽出部材22の内部へインクパッケージ30内のイン
クが流入するのである。
【0025】このように、インク抽出部材22内へ流入
したインクは、取付部材25を介してインク供給チュー
ブ23へ流入し、更に、取付部材24を介して印字ヘッ
ド21へ供給される。尚、かかるインク抽出部材22の
外径d(図3参照)については、後述するインクパッケ
ージ30とともに説明する。
【0026】次に、図3から図6を参照して、インクパ
ッケージ30と、それを収納するインクカートリッジ4
0とについて説明する。図3は、インクカートリッジ4
0の分解斜視図である。図3に示すように、インクカー
トリッジ40は、プリンタカートリッジ3に着脱可能に
構成されており(図1参照)、略中空箱状体に形成され
ている。このインクカートリッジ40のカートリッジ本
体41は、その上部がインクパッケージ30を収納する
ために開放されており、その内部にインクパッケージ3
0が収納された後に天蓋体43が覆設される。この天蓋
体43の覆設後、天蓋体43がカートリッジ本体41に
溶着されて、カートリッジ本体41に天蓋体43が取り
付けられる。尚、天蓋体43を取り付ける場合、カート
リッジ本体41と天蓋体43とを溶着することなく、両
者に取付部材等をそれぞれ配設して、天蓋体43をカー
トリッジ本体41に取り付けても良い。
【0027】カートリッジ本体41の左側面には通穴4
2が穿設されている。この通穴42は、インク抽出部材
22をインクカートリッジ40へ挿入するための穴であ
り、かかる通穴42へインク抽出部材22を挿入するこ
とにより、インクカートリッジ40に収納されたインク
パッケージ30の凹部32へインク抽出部材22を刺し
込むことができる。また、この通穴42に、NBR等で
構成されたパッキン等のシール部材を取着することによ
り、一旦装着されたインクカートリッジ40をプリンタ
カートリッジ3から取り外す場合に、インクカートリッ
ジ40内からのインク漏れを防止することができる。
尚、このインクカートリッジ40にインクパッケージ3
0を収納する場合、インクパッケージ30の溶着部3
3,34,35を折り曲げて収納しても良く、また、イ
ンクパッケージ30の溶着部33,34,35を切断し
てカートリッジ本体41内へ収納しても良い。
【0028】また、図3に示すように、インクパッケー
ジ30は、略矩形状の袋体に形成されており、ポリエチ
レン樹脂等で構成されたフィルムシートを複数枚、例え
ば、略10枚程度積層した積層構造フィルム材で構成さ
れている。インクパッケージ30の略中央部分にはイン
ク密封部31が形成され、その内部には印刷に使用され
るインクが密封されている。このインク密封部31の左
縁部分には凹部32が形成され、他の縁部分には溶着部
33,34,35が形成されている。この凹部32はイ
ンク抽出部材22が刺し込まれる部分であり、その両端
部が溶着部33,34により支持されているので、上面
視略凹面状に形成される。よって、インク抽出部材22
をこの凹部32へ刺し込むことにより、インクパッケー
ジ30のインク密封部31内へインク抽出部材22を容
易に貫入させることができる。
【0029】インクパッケージ30の製造方法は、ま
ず、矩形状の積層構造フィルム材を二つ折の状態に重ね
合わせ、その重ね合わされた縁部分のうち、二つ折りに
された縁部分に相対向する一辺を溶着して溶着部35を
形成し、中空筒状体を形成する。この中空筒状体はその
相対向する両縁部分が開放されているので、そのいずれ
か一方を溶着して溶着部33を形成し、溶着部34が形
成される縁部分が開放された袋体を成形する。かかる袋
体成形後、その開放部分から袋体内へインクを注入す
る。インク注入後、溶着部33に対向する部分が溶着さ
れ、溶着部34が形成されると、凹部32がインク密封
部31の縁部分に形成されるとともに、インク密封部3
1内にインクが密封されたインクパッケージ30が上述
した袋体の一端に形成される。インクパッケージ30形
成後、溶着部34を切断して、袋体からインクパッケー
ジ30を切り離すことにより、インクパッケージ30の
製造が完了する。尚、インクを注入する際に、インク密
封部31の内圧Pを正圧に維持することにより、未使用
のインクパッケージ30のインク密封部31内への空気
等の浸入を防止することができる。
【0030】次に、印字ヘッド21へ供給されるインク
のインク供給圧を維持する方法について説明する。イン
クパッケージ30は、上述した積層構造フィルム材で形
成されているので、インク抽出部材22が刺し込まれる
と、刺し込まれたインク抽出部材22の外周面に密着す
る性質(密着性)を備えている。よって、インク密封部
31からのインク漏れやインク密封部31への空気等の
浸入を防止することができる。特に、インク抽出部材2
2によってインクの抽出(インク消費)が行われる場合
に、インク密封部31への空気等の浸入が防止されるの
で、インク密封部31内のインク消費量に相当する容積
が空気等により置換されることがない。従って、インク
密封部31の内圧Pを負圧に維持することができる。
【0031】また、インクパッケージ30を形成する積
層構造フィルム材の剛性を強化させることにより、かか
る積層構造フィルム材に形状復元性が付与されるととも
に、インクパッケージ30のインク密封部31の形状変
化が抑制される。よって、インク抽出部材22によりイ
ンク密封部31からインクが抽出される場合に、インク
密封部31が大気圧等に押し潰されることがなく、イン
ク密封部31の内圧Pを負圧に維持することができる。
その結果、インク抽出部材22により抽出されたインク
を印字ヘッド21へ供給する場合に、インクのインク供
給圧を負圧に維持することができる。
【0032】以下、図4から図6を参照して、積層構造
フィルム材の剛性を強化させる具体的な方法について説
明する。図4から図6は、いずれもインク消費量Vとイ
ンク密封部31の内圧Pとの関係を示したグラフであ
る。
【0033】図4は、積層構造フィルム材の厚さwが異
なるインクパッケージ30について比較したグラフであ
り、図5は、インク密封部31における縦方向長さAと
横方向長さBとの比率(縦横比)hが異なるインクパッ
ケージ30について比較したグラフであり、図6は、イ
ンク密封部31の縦方向長さA又は横方向長さBのうち
一方の長さが異なるインクパッケージ30について比較
したグラフである。尚、図4から図6は、横軸51,6
1,71がインク密封部31に密封されたインクのイン
ク消費量Vを示しており、縦軸52,62,72がイン
ク密封部31の内圧Pを示している。また、図3中の矢
印Xはインクカートリッジ40の装着方向を示してい
る。
【0034】図4に示される各インクパッケージ30に
おける積層構造フィルム材の厚さwは、曲線53(2点
鎖線)が160μmであり、曲線54(実線)が100
μmであり、曲線55(点線)が80μmである。図4
の各曲線53〜55を比較すると、インク消費量Vの増
加に対して、内圧Pは、曲線53,54,55の順に急
激に減少している。即ち、積層構造フィルム材の厚さw
が大きいほど、インク密封部31を形成する積層構造フ
ィルム材の剛性が大きくなるので、積層構造フィルム材
の形状復元性が顕著となり、インク密封部31の形状変
化が抑制されるからである。よって、本実施例では、か
かる図4の結果に基づき、インク供給圧、即ち、インク
密封部31の内圧Pを略0mmAq以上かつ略−300
mmAq以下の印字ヘッド動作圧範囲内にするために、
積層構造フィルム材の厚さwを略30μm以上かつ略3
00μm以下に形成している。
【0035】このように、本実施例では、積層構造フィ
ルム材の厚さwを略30μm以上かつ略300μm以下
に形成しているので、インクパッケージ30の溶着部3
3,34,35を形成するための加熱(溶着)工程にお
いて、加熱時間の過剰な増加や加熱温度の過剰な上昇が
防止される。よって、インクパッケージ30の製造コス
トを低減することもできる。また、積層構造フィルム材
の厚さを上述した範囲内で形成することにより、インク
抽出部材22をインクパッケージ30へ刺し込む際の抵
抗力を低減することができる。
【0036】図5に示される各インクパッケージ30に
おけるインク密封部31の縦横比hは、曲線63(2点
鎖線)が「1」であり、曲線64(実線)が「1.5」
であり、曲線65(点線)が「2」である。図5の各曲
線63〜65を比較すると、インク消費量Vの増加に対
して、内圧Pは、曲線63,64,65の順に急激に減
少している。即ち、インク密封部31の縦横比hが小さ
いほど、インク密封部31を形成する積層構造フィルム
材の剛性が大きくなるので、積層構造フィルム材の形状
復元性が顕著となり、インク密封部31の形状変化が抑
制されるからである。よって、本実施例では、かかる図
5の結果に基づき、インク供給圧、即ち、インク密封部
31の内圧Pを略0mmAq以上かつ略−300mmA
q以下の印字ヘッド動作圧範囲内にするために、インク
密封部31の縦横比hを略「10」以下、即ち、インク
密封部31の縦方向長さA(横方向長さB)を横方向長
さB(縦方向長さA)の略10倍以下に形成している。
【0037】図6に示される各インクパッケージ30に
おけるインク密封部31の縦方向長さA(横方向長さ
B)は、曲線73(2点鎖線)が50mmであり、曲線
74(実線)が70mmであり、曲線75(点線)が1
00mmである。図6の各曲線73〜75を比較する
と、インク消費量Vの増加に対して、内圧Pは、曲線7
3,74,75の順に急激に減少している。即ち、イン
ク密封部31の縦方向長さA(横方向長さB)が小さい
ほど、インク密封部31の剛性が大きくなるので、積層
構造フィルム材の形状復元性が顕著となり、インク密封
部31の形状変化が抑制されるからである。よって、本
実施例では、かかる図6の結果に基づき、インク供給
圧、即ち、インク密封部31の内圧Pを略0mmAq以
上かつ略−300mmAq以下の印字ヘッド動作圧範囲
内にするために、インク密封部31の縦方向長さA(横
方向長さB)を略200mm以下に形成している。
【0038】次に、図7を参照して、インクパッケージ
30とインク抽出部材22との密着性と、インク抽出部
材22の外径dとの関係について説明する。図7は、イ
ンク抽出部材22の外径dとインクパッケージ30に負
荷される押圧力Fとの関係を示した図である。尚、この
押圧力Fとは、外径dの異なるインク抽出部材22をイ
ンクパッケージ30へ刺し込んだ後、かかるインクパッ
ケージ30をその厚さ方向に押圧した場合に、そのイン
ク抽出部材22がインクパッケージ30から抜け出る押
圧力のことである。また、インクパッケージ30は、積
層構造フィルム材の厚さwが略100μmのものを使用
している。
【0039】この図7に示すように、インク抽出部材2
2の外径dが増加するとともに、インク抽出部材22が
インクパッケージ30から抜け出る押圧力Fが低下して
いる。この結果に基づいて、インクパッケージ30へ刺
し込まれたインク抽出部材22の外周面と、インクパッ
ケージ30の積層構造フィルム材との密着性を維持する
ために、インク抽出部材22の外径dを略5mm以下に
形成している。
【0040】このよう形成されたインクパッケージ30
およびインク抽出部材22を用いて、印字ヘッド21へ
インクを供給することによって、インク供給圧は負圧に
調整され維持される。よって、印字ヘッド21の下方周
辺にインク供給圧を負圧にするためのサブタンクやイン
ク供給用のポンプ装置等(インク供給圧調整手段)が不
要となり、卓上プリンタ1の部品点数が減少され、かか
る製造コストを低減させることができる。また、かかる
インク供給用のポンプ等が不要となるので、卓上プリン
タ1の消費電力をも低減させることができる。
【0041】次に、図1から図3を参照して、卓上プリ
ンタ1の組立方法について説明する。まず、図3に示す
ように、インクパッケージ30の溶着部33〜35を折
り曲げるか、または、切断するかしてインクパッケージ
30をカートリッジ本体41内に収納する。インクパッ
ケージ30の収納後、カートリッジ本体41の上部に天
蓋体43を覆設して、カートリッジ本体41と天蓋体4
3とを溶着し、インクパッケージ30をインクカートリ
ッジ40内に密封しつつ収納される。
【0042】このインクカートリッジ40の通穴42と
インク抽出部材22とを対向させつつ、インクカートリ
ッジ40を矢印X方向へスライドさせると、インクカー
トリッジ40の通穴42にインク抽出部材22が挿入さ
れる。インク抽出部材22の挿入後、インク抽出部材2
2は、インクカートリッジ40に収納されたインクパッ
ケージ30の凹部32から容易にインク密封部31内へ
刺し込まれる。また、このインクパッケージ30の凹部
32は、その両端部分が溶着部33,34によって支持
されているので、インク抽出部材22の刺し込みに伴う
負荷によるインク密封部31の変形を抑制することがで
きる。
【0043】更に、インクカートリッジ40を矢印X方
向へスライドさせ続けると、インクカートリッジ40は
プリンタカートリッジ3の左端部分の2点鎖線の位置
(図1中左側)へ到達して、インクカートリッジ40の
プリンタカートリッジ3への装着が完了する。インクカ
ートリッジ40の装着完了後、インクカートリッジ40
は、取付部材25の配設側(図1中左側)へと下降傾斜
した状態、即ち、図1に示すインクカートリッジ40の
左端部分からインクカートリッジ40の左端部分へと下
降傾斜した状態でプリンタカートリッジ3に装着されて
いる。よって、例えば、インクパッケージ30の製造時
にインクパッケージ30内に空気等が混入した場合、か
かる空気等は図1に示すインクカートリッジ40の左端
部分の上方に集められるので、インク抽出部材22内へ
の空気等の混入を防止することができる。また、インク
インクパッケージ30を形成する積層構造フィルム材と
インク抽出部材22の外周面とが密着するので、インク
パッケージ30内からのインク漏れやインクパッケージ
30内への空気等の浸入が防止される。尚、プリンタカ
ートリッジ3に装着されたインクカートリッジ40の傾
斜角度は略0°から略10°であれば良く、最も好適に
は略0°から略3°にすることが望ましい。
【0044】インクパッケージ30のインク密封部31
へ刺し込まれたインク抽出部材22は、その内部へイン
ク抽出口22aを介してインクを抽出し、取付部材25
を介してインク供給チューブ23へインクを流入させ
る。インク供給チューブ23へ流入したインクは、取付
部材24を介して印字ヘッド21へ供給される。ここ
で、インクパッケージ30を形成する積層構造フィルム
材の剛性を強化させることにより、かかる積層構造フィ
ルム材に形状復元性が付与されるとともに、インクパッ
ケージ30のインク密封部31の形状変化が抑制され
る。よって、インク密封部31からインク抽出部材22
を用いてインクが抽出される場合に、インク密封部31
が大気圧等に押し潰されることがなく、インク密封部3
1の内圧Pは負圧に維持される。従って、インク抽出部
材22により抽出されたインクを印字ヘッド21へ供給
する場合に、インクのインク供給圧が負圧に維持され
る。その結果、各ノズル口21b内にメニスカスMを形
成することができるので、印字ヘッド21のインク吐出
性が維持され、鮮明な印字結果を得ることができる。
【0045】次に、プリンタカートリッジ3の印字ヘッ
ド21をプリンタ本体2のキャリッジ6に搭載させつ
つ、プリンタカートリッジ3をプリンタ本体2に装着す
る。プリンタカートリッジ3の装着後、卓上プリンタ1
のPCカード15がパーソナルコンピュータのPCスロ
ットに挿入されると、卓上プリンタ1は、パーソナルコ
ンピュータと印字データ等の送受信が可能となるととも
に、パーソナルコンピュータからの電力供給を受けて、
動作可能な状態となる。
【0046】かかる卓上プリンタ1は、パーソナルコン
ピュータから印字データの送信を受けると、印字用紙P
Pに印字を行う。この場合、まず、未使用の印字用紙P
Pが用紙挿入口(図示せず)へ挿入されると、印字用紙
PPは、プラテンローラ4によって、印字ヘッド21の
下方の搬送経路を搬送される。搬送された印字用紙PP
は、印字ヘッド21の下方の搬送経路を通過する際に、
印字ヘッド21の各ノズル口21bから吐出されるイン
クによって印字され、この印字された印字用紙PPは用
紙搬出口13から搬出される。
【0047】次に、図8を参照して、第2実施例の卓上
プリンタ100について説明する。第2実施例の卓上プ
リンタ100は、上述した第1実施例の卓上プリンタ1
のプリンタカートリッジ3を変更したものである。以
下、第1実施例と同一の部分には、同一の番号を付し
て、その説明は省略する。尚、図8は、インクパッケー
ジ30を使用する卓上プリンタ100の分解斜視図であ
る。
【0048】卓上プリンタ100のプリンタカートリッ
ジ103は、印字ヘッド21に隣接配置された印字ヘッ
ド21と同一種類の印字ヘッド121を備えている。印
字ヘッド121は、印字ヘッド21と同様に、その下部
にノズル部21aと、そのノズル部21aの下面に略1
80dpiに相当するピッチで設けられた複数のノズル
口21bとを備えている。また、印字ヘッド121は、
その各ノズル口21bの配列が印字ヘッド21における
各ノズル口21bの配列に対して、半ピッチ分(略36
0dpiに相当する間隔)ずれるように設けられてい
る。よって、印字ヘッド21,121の双方を使用して
印字する場合、印字ヘッド21,121の搭載されたキ
ャリッジ6がプリンタ本体2の長手方向へ往動または復
動することにより、360dpiの解像度の印字を行う
ことができる。よって、第1実施例の卓上プリンタ1と
比較して、高解像度の印字を短時間で行うことができ
る。
【0049】尚、卓上プリンタ100は、プリンタ本体
2が第1実施例の卓上プリンタ1と共通化されているの
で、プリンタカートリッジ103を第1実施例のプリン
タカートリッジ3と交換することにより、卓上プリンタ
1として使用することができる。
【0050】次に、図9を参照して、第3実施例の卓上
プリンタ200について説明する。第3実施例の卓上プ
リンタ200は、上述した第1実施例の卓上プリンタ1
のプリンタカートリッジ3およびインクカートリッジ4
0を変更したものである。以下、第1実施例と同一の部
分には、同一の番号を付して、その説明は省略する。
尚、図9は、インクパッケージ30を使用する卓上プリ
ンタ200の分解斜視図である。
【0051】卓上プリンタ200のプリンタカートリッ
ジ203には、4個のインクカートリッジ40が装着さ
れており、各インクカートリッジ40には、図9の上か
ら順に、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの4色
のインクが密封されたインクパッケージ30がそれぞれ
収納されている。これらの4色のインクは、印字ヘッド
221,222にそれぞれ設けられた複数個のノズル口
(図示せず)から吐出され、印字用紙PPにフルカラー
印字が行われる。
【0052】全インクカートリッジ40のうち、最もイ
ンク消費量が多く、かつ、その交換頻度の高いブラック
のインクが密封されたインクパッケージ30の収納され
たインクカートリッジ40は、他のインクカートリッジ
40より上方に装着される。よって、ブラックのインク
を有するインクカートリッジ40の交換作業が容易に行
われ、かかるインクカートリッジ40の装着箇所を間違
えることなく交換作業を行うことができる。
【0053】尚、卓上プリンタ200は、プリンタ本体
2が第1および第2実施例の卓上プリンタ1,100と
共通化されているので、プリンタカートリッジ203を
第1実施例のプリンタカートリッジ3または第2実施例
のプリンタカートリッジ103と交換することにより、
卓上プリンタ1または卓上プリンタ100として使用す
ることができる。
【0054】また、各インク抽出部材22の各取付部材
25における取付位置は、図9の前後方向の異なる位置
にそれぞれ取り付けられており、各インクカートリッジ
40の通穴42は、各インク抽出部材22の位置に対応
して穿設されている。よって、プリンタカートリッジ2
03にインクカートリッジ40を装着する場合、常に、
図9の上からブラック、イエロー、シアン、マゼンタの
順に各インクカートリッジ40を装着しなければ、各イ
ンク抽出部材22を各通穴42へ挿入することができな
い。従って、間違ったインクカートリッジ40の装着に
よるインクの混色が防止される。尚、各インクカートリ
ッジ40は一体成形しても良い。
【0055】以上、実施例に基づき本発明を説明した
が、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものでは
なく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変
更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0056】例えば、本実施例では、インクパッケージ
30の全体を積層構造フィルム材で形成し、その凹部3
2へインク抽出部材22を刺し込んでインクを抽出し
た。しかし、かかるインク抽出方法は、必ずしもこれに
限られるものではなく、インクパッケージを使用せず
に、インクカートリッジの内部にインクを直接密封して
も良い。この場合、インクカートリッジの一部に積層構
造フィルム材を溶着することにより、インク抽出部材を
刺し込む部分を形成し、その積層構造フィルム材にイン
ク抽出部材を刺し込んで、インクカートリッジ内のイン
クを抽出しても良い。尚、この場合、インクカートリッ
ジは、印刷に使用されるインクとの相性の良い材質、例
えば、ポリオキシメチレン(POM)系樹脂等で形成す
ると良い。
【0057】また、第3実施例では、各取付部材25に
おける各インク抽出部材22の取付位置は図9の前後方
向の異なる位置にそれぞれ取り付けられ、各インクカー
トリッジ40の通穴42は各インク抽出部材22に対応
してそれぞれ穿設されていた。しかし、かかる各取付部
材25における各インク抽出部材22の取付位置や各イ
ンクカートリッジ40の通穴42の穿設位置は、必ずし
もこれに限られるものではない。例えば、各インク抽出
部材は、図9の前後方向の略同一位置、即ち、図9の垂
直方向に一列になるように各取付部材へ取り付けても良
い。この場合、各インクカートリッジに穿設される通穴
はそれぞれ略同一位置となり、各インクカートリッジの
カートリッジ本体を共通化することができるので、プリ
ンタカートリッジ203全体として部品の種類を減少す
ることができる。
【0058】また、例えば、第3実施例では、複数個の
インクカートリッジ40を使用したが、かかるインクカ
ートリッジは、必ずしもこれに限られるものではなく、
複数のインクカートリッジを一体成形しても良い。この
場合、インクカートリッジ内に収納されたインクパッケ
ージのうち隣接するインクパッケージ同士間に仕切り部
材を設けることにより、インクパッケ同士の接触が防止
される。よって、隣接するインクパッケージ同士の接触
による各インク密封部における内圧変動が防止すること
ができるのである。
【0059】
【発明の効果】請求項1に記載のインクパッケージによ
れば、インク密封部における縦方向または横方向長さの
うち一方を略200mm以下に形成することにより、イ
ンクパッケージを形成するフィルム材に形状復元性が付
与されるので、インクパッケージの内外圧力差によるイ
ンクパッケージの形状変化が抑制される。よって、イン
クの抽出によるインク密封部内の圧力が低下しても、イ
ンク密封部は外圧に押し潰されず、インク密封部内の負
圧を維持することができる。従って、印字ヘッドへ供給
されるインクには負圧が加えられるので、インクに負圧
をかけるためのインク供給圧調整手段を別途設けること
が不要となる。その結果、かかるインクパッケージが使
用される印字装置の部品点数を減少させることができる
とともに、かかる製造コストを低減することができると
いう効果がある。
【0060】また、インクパッケージを形成するフィル
ム材はポリエチレン樹脂等で構成されたフィルムシート
を複数枚積層した積層構造を有しているので、インクパ
ッケージのインク密封部に刺し込まれたインク抽出用の
針等によりインクの抽出がなされる場合、インク密封部
を形成するフィルム材がインク抽出用の針等に密着す
る。よって、インク抽出用の針等とフィルム材との隙間
からのインク漏れや空気等の浸入を防止することができ
るという効果がある。また、インク密封部への空気等の
浸入が防止されるので、インク密封部内に加わる負圧を
維持することができるという効果がある。
【0061】請求項2に記載のインクパッケージによれ
ば、請求項1に記載のインクパッケージの奏する効果に
加え、インク密封部の外面の一部分は、略平面状または
凹面状に形成されているので、インク抽出用の針等をイ
ンクパッケージのインク密封部へ容易に刺し込むことが
できるという効果がある。
【0062】請求項3に記載のインクパッケージによれ
ば、請求項2に記載のインクパッケージの奏する効果に
加え、インク密封部の略平面状または凹面状に形成され
る外面は、フィルム材の両側部分を溶着することにより
形成することができる。よって、インクパッケージの外
面を略平面状または凹面状に形成するための部材を、別
途、インクパッケージに取り付けることが不要となるの
で、インクパッケージの製造工程を簡素化することがで
きるという効果がある。
【0063】請求項4に記載のインクパッケージによれ
ば、請求項1から3のいずれかに記載のインクパッケー
ジの奏する効果に加え、フィルム材は、略30μm以上
かつ略300μm以下の厚さに形成されているので、そ
の形状復元性を向上させることができるという効果があ
る。また、フィルム材を略300μm以下の厚さに形成
することにより、インクパッケージ内に加わる負圧の過
剰な増加が抑制されるので、印字ヘッドに供給されるイ
ンクに加わる負圧を印字ヘッドの動作可能範囲内に維持
することができるという効果がある。更に、フィルム材
は略300μm以下の厚さに形成されているので、イン
ク抽出用の針等をインクパッケージのインク密封部へ容
易に刺し込むことができるという効果がある。
【0064】請求項5に記載のインクパッケージによれ
ば、請求項1から4のいずれかに記載のインクパッケー
ジの奏する効果に加え、インク密封部は、その縦方向長
さが横方向長さの略10倍以下に形成されているので、
フィルム材の形状復元性を向上させることができるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例であるインクパッケージを
使用する卓上プリンタの分解斜視図である。
【図2】 印字ヘッドのノズル部の部分断面概念図であ
る。
【図3】 インクカートリッジの分解斜視図である。
【図4】 積層構造フィルム材の厚さが異なるインクパ
ッケージについて比較したグラフである。
【図5】 インク密封部における縦方向長さと横方向長
さとの比率(縦横比)が異なるインクパッケージについ
て比較したグラフである。
【図6】 インク密封部の縦方向長さ又は横方向長さの
うち一方の長さが異なるインクパッケージについて比較
したグラフである。
【図7】 インク抽出部材の外径とインクパッケージに
負荷される押圧力との関係を示した図である。
【図8】 第2実施例における卓上プリンタの分解斜視
図である。
【図9】 第3実施例における卓上プリンタの分解斜視
図である。
【符号の説明】
1 卓上プリンタ 2 プリンタ本体 3 プリンタカートリッ
ジ 4 プラテンローラ 5 LFモータ 6 キャリッジ 7 キャリッジモータ 15 PCカード 17 ガイドロッド 21,121,221,222 印字ヘッド 21a ノズル部 21b ノズル口 22 インク抽出部材 22a インク抽出口 23 インク供給チューブ 30 インクパッケージ 31 インク密封部 32 凹部(インク密封部
の外面の一部) 33,34 溶着部(溶着された
両側辺) 35 溶着部 40 インクカートリッジ 41 カートリッジ本体 42 通穴 43 天蓋体 A 縦方向長さ(インク
密封部の縦方向長さ) B 横方向長さ(インク
密封部の横方向長さ) d 外径(インク抽出部
材の外径) h 縦横比 M メニスカス PP 印字用紙 w 厚さ(フィルム材の
厚さ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河合 貴光 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー 工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印字ヘッドへ供給されて印刷に使用され
    るインクを密封するインク密封部を有するインクパッケ
    ージであって、 ポリエチレン樹脂等で構成されたフィルムシートを複数
    枚積層した積層構造を有するフィルム材によって形成さ
    れ、かつ、前記インク密封部における縦方向または横方
    向長さのうちの一方が略200mm以下に形成されてい
    ることを特徴とするインクパッケージ。
  2. 【請求項2】 前記インク密封部の外面の一部分は、略
    平面状または凹面状に形成されていることを特徴とする
    請求項1に記載のインクパッケージ。
  3. 【請求項3】 前記インク密封部の略平面状または凹面
    状に形成される外面は、前記フィルム材の両側部分を溶
    着することにより、その溶着された両側辺と交差する面
    に形成されることを特徴とする請求項2記載のインクパ
    ッケージ。
  4. 【請求項4】 前記フィルム材は、略30μm以上かつ
    略300μm以下の厚さに形成されていることを特徴と
    する請求項1から3のいずれかに記載のインクパッケー
    ジ。
  5. 【請求項5】 前記インク密封部は、その縦方向長さが
    横方向長さの略10倍以下に形成されていることを特徴
    とする請求項1から4のいずれかに記載のインクパッケ
    ージ。
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