JP3845999B2 - インクカートリッジ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印字ヘッドへ供給されて印刷に使用されるインクを密閉するインクパッケージを収納したインクカートリッジに関し、特に、バネ部材を使用することなく、インクパッケージの内圧を負圧に維持することができるインクカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット方式を用いたインクジェットプリンタでは、インクの充填されたインクカートリッジから印字ヘッドへインクが供給され、その印字ヘッドから印刷用紙へインクが吐出されて印刷が行われる。かかるインクジェットプリンタよれば、その印刷結果を良品質に保持するため、印字ヘッドから吐出されるインクの吐出性を好ましい状態に維持する必要がある。インク吐出性は、印字ヘッドのノズル内へ供給されたインクの液面に凹面状のメニスカス(曲面)を形成することにより維持され、このメニスカス状のインク液面は、ノズル内へ供給されるインクの供給圧を負圧に調整することにより形成される。
【0003】
このインク供給圧の調整については、従来より種々の提案がなされており、例えば、特開平6−183023号公報に記載されたインクカートリッジが提案されている。このインクカートリッジは、インクを充填したインクパッケージと、そのインクパッケージを収納する容器体とを備えており、インクパッケージの内部には弾性変形可能なバネ部材が被包されている。かかるインクカートリッジによれば、インクパッケージからインクが抽出されインクパッケージの内圧が低下しても、インクパッケージ内に被包されたバネ部材によりインクパッケージの形状変化が抑制されるので、インクパッケージの内圧が負圧に維持され、印字ヘッドへ供給されるインクの供給圧が負圧に調整されるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかるインクパッケージでは、インクの消費に伴うインクパッケージの収縮を抑制するバネ部材が別途必要となるばかりでなく、そのバネ部材をインクパッケージ内に被包しなければならないので、製造工程が煩雑になるとともに製造コストが増加してしまうという問題点があった。また、バネ部材を用いた場合、インクパッケージ内のインクが減れば減るほど、そのバネ部材の変位量が大きくなるので、インクパッケージ内の負圧が急激に大きくなってしまう。よって、インクパッケージ内にインクが残っているにも拘わらず、大き過ぎる負圧によりメニスカスが破壊され、インクを最後まで使い切ることができないという問題点があった。更に、バネ部材の開き具合、即ち、バネ部材の弾性力は、インクパッケージの袋の厚さに応じて調整しなければならないが、インクパッケージの袋の厚みを一定にすることは困難である。よって、バネ部材の開き具合の調整のために、製造工程が煩雑となって、この点においても製造コストが増大してしまうという問題点があった。
【0005】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、バネ部材を使用することなく、インクパッケージの内圧を負圧に維持することができるインクカートリッジを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1に記載のインクカートリッジは、印字ヘッドへ供給されて印刷に使用されるインクを密封すると共にそのインクの減少に伴って収縮し形状変化することで内圧が低下する袋状のインクパッケージと、そのインクパッケージを収納する剛性材料で形成された容器体とを備えると共に前記容器体は前記インクパッケージからインクを抽出する抽出口を有するインク抽出部材が挿入される開口部と、前記容器体インクパッケージの間隙に充填され、その容器体インクパッケージを接合すると共に、そのインクパッケージ内のインクが減少して内圧が低下した場合にそのインクパッケージの接合部分における収縮しようとする形状変化を抑制する充填材を備え、その充填材は前記容器体とインクパッケージとの間隙のうち前記開口部側に充填され、前記開口部と反対側の間隙には前記充填材が存在しない気体層が形成されている。
【0007】
この請求項1に記載のインクカートリッジによれば、剛性材料で形成された容器体に収納されたインクパッケージからインクが抽出され、そのインクが印字ヘッドへ供給されて印刷が行われる。このインクパッケージ容器体は両者の間隙に充填された充填材により接合されており、かかる充填材によりインクパッケージの形状変化が抑制されている。よって、インクパッケージからインクを抽出する場合に、インクパッケージの内圧が低下しても、インクパッケージの収縮による形状変化が抑制され、インクパッケージ内が負圧に維持される。
【0008】
また、インクパッケージに密封されたインクの抽出は、インク抽出部材により行われる。このインク抽出部材は、容器体の開口部から挿入され、容器体インクパッケージの間隙に充填された充填材へ貫入される。更に、そのインク抽出部材を挿入し続けると、インク抽出部材がインクパッケージへ挿入され、インクパッケージに密封されたインクは、インク抽出部材の抽出口から印字ヘッドへ供給され、印字ヘッドによって印刷に使用される。
【0009】
充填材は、容器体インクパッケージの隙間のうち容器体の開口部側の部分に充填されており、インクパッケージの開口部側の形状変化が抑制される。よって、インクの抽出により、インクパッケージのインク抽出部材が挿入される部分が形状変化して潰れることがなく、潰れたインクパッケージによりインク抽出部材の抽出口が塞がれることが防止される。
【0010】
請求項に記載のインクカートリッジは、請求項1に記載のインクカートリッジにおいて、前記インクパッケージはポリエチレン樹脂等で構成されたフィルムシートを複数枚積層した形状復元性を有するフィルム材で形成されている。
【0011】
請求項に記載のインクカートリッジは、請求項1又は2に記載のインクカートリッジにおいて、前記充填材はインクを含浸可能な発泡材で形成されている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例であるインクカートリッジ30が使用される卓上プリンタ1の分解斜視図であり、図中の矢印Xは、インクカートリッジ30の装着方向を示している。図1に示すように、卓上プリンタ1は、略矩形箱状体に形成されたプリンタ本体2と、その上部に着脱可能に形成された略矩形箱状体のプリンタカートリッジ3と、そのプリンタカートリッジ3に装着され印刷に使用されるインクが充填された略矩形箱状体のインクカートリッジ30とを備えている。尚、図1では、プリンタ本体2の本体フレーム4、用紙搬出口16、ヘッド移動溝17およびプリンタカートリッジ3のカートリッジフレーム21を2点鎖線で示している。
【0013】
プリンタ本体2の本体フレーム4は略矩形箱状体に形成されており、その内部には印刷用紙PP(図2参照)を搬送するためのローラ部材であるプラテンローラ5が回転可能に軸支されるとともに、そのプラテンローラ5に平行にガイドロッド6が配設されている。このプラテンローラ5の左端部分には従動ギヤ5aが取着されており、この従動ギヤ5aは、LFモータ7によって回転される駆動ギヤ7aに歯合されている。よって、LFモータ7を駆動することにより、プラテンローラ5が回転され、印刷用紙PPを搬送することができる。また、ガイドロッド6は、プラテンローラ5の軸方向、即ち、印刷用紙PPの搬送方向と直交する方向にキャリッジ8が移動可能となるように、キャリッジ8に貫通されている。尚、図1では、ガイドロッド6の一部を省略して図示している。
【0014】
キャリッジ8は、後述する印字ヘッド22を搭載するためのものであり、矩形枠状体に形成されている。このキャリッジ8は、本体フレーム4の右端部分に搭載されたCRモータ9によって回動される駆動プーリ9aと、本体フレーム4の左端部分に設けられた従動プーリ9bとに掛け渡されたベルト9cを介して、ガイドロッド6およびプラテンローラ5の軸心に平行な方向(軸方向)、即ち、プリンタ本体2の長手方向へ往復移動可能に構成されている。よって、キャリッジ8に搭載される印字ヘッド22をプリンタ本体2の長手方向へ往復移動させて、印刷用紙PP上に印刷を行うことができる。尚、ベルト9cは、プラテンローラ5およびガイドロッド6の理解を容易にするため、その一部を省略して図示している。
【0015】
プリンタ本体2の左端部分には、印字ヘッド22のノズル部22aにおける複数のノズル口22b(図2参照)を密閉可能な吸引キャップ10と、その吸引キャップ10によって密閉された各ノズル口22b内のインクを吸引する吸引ポンプ11とが配設されている。よって、ノズル口21b内に充填されたインク液面により形成される凹面状のメニスカスM(図2参照)が、インク詰まり等の原因によりノズル口21b内に形成できない場合、吸引キャップ10および吸引ポンプ11によってインクの吐出状態を回復させる処理(パージ処理)を行うことができる。
【0016】
尚、パージ処理を行う場合、CRモータ9により印字ヘッド22の搭載されたキャリッジ8を卓上プリンタ1の左側へ移動させて、印字ヘッド22の各ノズル口22bを吸引キャップ10により密閉する。その後、吸引ポンプ11を作動すると、ノズル口22bから気泡や乾燥して固化したインクが吸引され、ノズル部22aのノズル口22bの吐出状態が回復される。
【0017】
吸引キャップ10の左側位置には、印字ヘッド22のノズル部22aに被せられる保護キャップ12が配設されている。保護キャップ12は、印字ヘッド22により印刷が行われない場合、即ち、キャリッジ8が待機状態にある場合に、ノズル部22aを被い、その内部のインクの蒸発を防止して各ノズル口22bのインクが乾燥するのを回避するものである。
【0018】
プリンタ本体2の下部には、卓上プリンタ1の動作内容に関する制御プログラムに従って卓上プリンタ1を制御するCPU13aが搭載された制御回路基板13が配設されており、この制御回路基板13は、接続コード14を介してPCカード15に電気的に接続されている。このPCカード15は、パーソナルコンピュータ(図示せず)のPCカードスロットに挿入され、パーソナルコンピュータから出力された印刷データ等を卓上プリンタ1へ入力するものである。尚、卓上プリンタ1は、PCカードスロットに挿入されたPCカード15および接続コード14を介して、図示しないパーソナルコンピュータから電力が供給される。よって、卓上プリンタ1を使用して印刷する場合に、卓上プリンタ1とAC電源とを接続する必要がなく、例えば、ノート型パーソナルコンピュータや手帳型パーソナルコンピュータとともに卓上プリンタ1を持ち運び、オフィス外等で卓上プリンタ1を使用することができる。
【0019】
プリンタ本体2における本体フレーム4の手前側の側壁には、印刷済みの印刷用紙PPをプリンタ本体2から搬出するための用紙搬出口16が設けられている。また、本体フレーム4の裏側の側壁、即ち、用紙搬出口16が設けられた側壁に対向する側壁における用紙搬出口16と対向する位置には、未使用の印刷用紙PPをプリンタ本体2へ挿入するための用紙挿入口(図示せず)が設けられている。更に、本体フレーム4の上面には矩形状の開口であるヘッド移動溝17が設けられており、プリンタカートリッジ3をプリンタ本体2に取り付ける場合、ヘッド移動溝17を介して、印字ヘッド22をキャリッジ8に搭載することができる。
【0020】
このヘッド移動溝17の後方位置における本体フレーム4の上面部分には印字ヘッド22へ画像データに基づく電気的信号や印字ヘッド22を駆動するための電力を供給するためのコネクタ18が配設されている。このコネクタ18は、本体フレーム4の底部に配設された制御回路基板13に電気的に接続されており(図示せず)、その上面には、複数の接続孔18aが凹設されている。この各接続孔18aは、後述するプリンタカートリッジ3に配設された取付部材25の下面に設けられた複数の接続ピン(図示せず)を挿入可能に形成されている。
【0021】
上記のように構成されたプリンタ本体2によれば、LFモータ7等の重量の大きな部品は、卓上プリンタ1の下部分に配設されるプリンタ本体2に配設されているので、卓上プリンタ1の重心位置をプリンタ本体2側にすることができる。よって、卓上プリンタ1を安定した状態で設置することができるので、キャリッジ8やプラテンローラ5等が駆動する際の卓上プリンタ1の振動が抑制され、かかる振動による卓上プリンタ1の転倒を防止することができる。また、プリンタカートリッジ3を交換する際のプリンタ本体2の転倒も防止される。
【0022】
プリンタカートリッジ3は略矩形箱状に形成されプリンタ本体2の上部に着脱可能に形成されたカートリッジフレーム21を備え、そのカートリッジフレーム21には印字ヘッド22と、インク抽出部材26と、インク供給チューブ24と、取付部材23,25とが収納されている。印字ヘッド22は、インクカートリッジ30から供給されるインクを吐出して印刷を行うものであり、ピエゾ素子(圧電素子)で構成されたノズル部22aを備えている。このように本実施例の卓上プリンタ1は印字ヘッド22のノズル部22aがピエゾ素子で構成されているので、バブルジェット方式を用いたプリンタに比べて印字ヘッド22を駆動する際の消費電力を少なくすることができる。よって、卓上プリンタ1の電力消費が低減されるので、ノート型パーソナルコンピュータや手帳型パーソナルコンピュータの電力容量の小さな電源(小型の乾電池や2次電池等)から卓上プリンタ1へ電力供給を行うことができる。
【0023】
この印字ヘッド22の上部には印字ヘッド22とインク供給チューブ24の一端とを継合する取付部材23が配設されており、かかるインク供給チューブ24の他端は取付部材23を介してインク抽出部材26に取り付けられている。このインク抽出部材26は、インクカートリッジ30内に収納された後述するインクパッケージ31からインクを抽出するためのものであり、このインク抽出部材26により抽出されたインクは、インク供給チューブ24および取付部材23,25を介して、印字ヘッド22へ供給することができる。
【0024】
インク供給チューブ24は、取付部材23付近箇所で大きく湾曲しており、その他の部分は略直線状になるように配設されている。よって、インク供給チューブ24は、複数箇所で屈曲されていた従来のインク供給用のチューブ等に比べて、その長さが短く形成されている。従って、印字ヘッド22へ供給されるインクの流れるインク供給チューブ24内部の流路抵抗を低減させることができるとともに、パージ処理により吸引されるインクのインク量を低減することができる。また、従来のインク供給用のチューブ等に比べてインク供給チューブ24の長さが短く形成されているので、従来のプリンタより製造コストを低減することができる。
【0025】
また、インク供給チューブ24には、印字ヘッド22を駆動するための電力や画像データに基づく電気的信号を供給するハーネス等(図示せず)が一体に形成されており、このハーネス等により印字ヘッド22と取付部材25とが電気的に接続されている。このハーネス等が一体に形成されたインク供給チューブ24の継合された取付部材25の下面には、コネクタ18の上面に凹設された複数の接続孔18aに挿入可能に形成された複数の接続ピン(図示せず)突設されている。この取付部材25の各接続ピンは、プリンタカートリッジ3をプリンタ本体2に装着することにより、コネクタ18の各接続孔18aへ挿入することができる。よって、印字ヘッド22と制御回路基板13とは、取付部材23、ハーネス等が一体に形成されたインク供給チューブ24、取付部材25、コネクタ18を介して電気的に接続されるので、制御回路基板13から印字ヘッド22へ画像データに基づく電気的信号や印字ヘッド22を駆動するための電力を供給することができる。
【0026】
これらの印字ヘッド22、インク抽出部材26、インク供給チューブ24および取付部材23,25(以下、印字ヘッド22等という。)は、溶着や接着剤等による接着によって、それぞれ継合や取り付けがなされている。即ち、プリンタカートリッジ3には、Oリング等の着脱自在なシール部材が使用されていない。よって、プリンタカートリッジ3のいずれかの箇所に故障等の不具合が生じた場合には、かかる欠陥を有するプリンタカートリッジ3を廃棄し、同種類の新しいプリンタカートリッジ3をプリンタ本体2に別途装着することにより、故障等の不具合を解消することができるのである。このため、プリンタカートリッジ3の各部品を個別に交換する必要がないので、この部品交換の際に手をインクで汚すことが防止され、卓上プリンタ1の保守を容易に行うことができる。
【0027】
また、印字ヘッド22等の継合部分や取付部分は、溶着や接着剤等による接着によって継合や取り付けされ、その気密性が保持されている。よって、印字ヘッド22等の内部への空気等の浸入や、印字ヘッド22等の内部からのインク漏れ等を防止することができる。
【0028】
インク抽出部材26は、耐腐食性を有するステンレス鋼材等の金属材料やセラミックス材料等で構成されており、後述するインクパッケージ31のインク密封部31aへ刺し込まれ、その内部に密封されたインクを抽出するものである。このインク抽出部材26は中空針状体に形成されており(図3参照)、その先端には、インク密封部31a内のインクを抽出するためのインク抽出口26aが穿設され、このインク抽出口26aはインク供給チューブ24に連通して形成されている。
【0029】
このように構成されたプリンタカートリッジ3は、ガイドロッド6、LFモータ7およびCRモータ9等の重量の大きな部品が搭載されたプリンタ本体2に対して、印字ヘッド22やインク供給チューブ24等の比較的軽量な部品を備えている。即ち、プリンタカートリッジ3の軽量化が図られているので、プリンタカートリッジ3の交換作業を行う場合、かかる交換作業を容易に行うことができ、プリンタカートリッジ3を誤って落下させても怪我をする危険性がない。
【0030】
上記のように構成された卓上プリンタ1によれば、キャリッジ8は印字ヘッド22のみを搭載可能に形成されており、インクカートリッジ30はカートリッジフレーム21の左端部分に装着可能に形成されている。よって、キャリッジ8にインクカートリッジ30を搭載する必要がなく、キャリッジ8を駆動させる際に加わる荷重負荷を低減することができる。従って、卓上プリンタ1では、従来のインクカートリッジを搭載したキャリッジを駆動するための動力に比べて、キャリッジ8を駆動するための動力を低減することができる。よって、CRモータ9に加わる立ち上がりトルク等の負荷が低下されるとともに、CRモータ9への起電時間(スルーアップ時間)が短縮されるので、CRモータ9の消費電力を減少することができると共に、かかるCRモータ9によりキャリッジ8を高速かつ安定した状態で移動させることができる。
【0031】
また、キャリッジ8に加わる荷重負荷を低減することができるので、CRモータ9に低トルクの小型モータを使用することができ、卓上プリンタ1のプリンタ本体2を小型化することができる。よって、卓上プリンタ1の携帯性を向上することができ、卓上プリンタ1をノート型パーソナルコンピュータや手帳型パーソナルコンピュータとともに携帯して容易に持ち運びすることができる。
【0032】
更に、本実施例の卓上プリンタ1によれば、インクカートリッジ30は、プリンタカートリッジ3の所定位置に配設されているので、インクカートリッジを搭載して移動する従来のキャリッジのように、インク消費に伴いキャリッジ8に加わる荷重負荷が変化することがない。よって、インク消費によるキャリッジ8の移動速度の変動が防止されるので、キャリッジ8の移動速度の変動を制御する制御手段が不要となる。
【0033】
図2は、印字ヘッド22のノズル部22aの部分断面概念図である。図2に示すように、上述した印字ヘッド22のノズル部22aには、複数のノズル口(インク吐出口)22bが設けられている。各ノズル口22b内にはインクパッケージ31から供給されたインクが充填されている。上記のように、このピエゾ素子で構成されたノズル部22aは、電圧を印加することによりその電圧に比例した歪みが生じるものであり、このノズル部22aの歪みにより各ノズル口22bを収縮することができる。よって、各ノズル口22b内に充填されたインクを印刷用紙PPへ吐出して印刷を行うことができるのである。また、各ノズル口22bは、略180dpiに相当するピッチ(間隔)で設けられている。よって、印字ヘッド22の搭載されたキャリッジ8がプリンタ本体2の長手方向へ往動または復動することにより(図1参照)、180dpiの解像度のモノクロ印刷を行うことができる。
【0034】
また、各ノズル口22bの内部下方にあるインク液面には凹面状のメニスカスMに形成されており、このメニスカスMが各ノズル口22b内に形成されることにより印字ヘッド22のインク吐出性が維持され、鮮明な印刷結果を得ることができる。この凹面状のメニスカスMは、各ノズル口22b内に充填されるインクのインク供給圧を負圧に維持することによって、各ノズル口22b内に形成することができる。例えば、本実施例の印字ヘッド22では、インク供給圧が大気圧に対して略0mmAq(水柱)以上かつ略−300mmAq(水柱)以下の範囲(動作圧範囲)内であれば、各ノズル口22b内のインク液面に凹面状のメニスカスMを形成することができる。
【0035】
尚、本実施例の卓上プリンタ1で印刷を行う際における印字ヘッド22の最適な動作圧範囲(最適動作圧範囲)は、大気圧に対して略−30mmAq(水柱)以下かつ略−100mmAq(水柱)以上の圧力値である。
【0036】
図3は、インクカートリッジ30の拡大斜視図であり、図中の矢印Xはインクカートリッジ30の装着方向を示し、インクパッケージ31を透視してインクカートリッジ30を図示している。図3に示すように、インクカートリッジ30は矩形箱状体に形成されており、プリンタカートリッジ3の着脱可能に形成されている。このインクカートリッジ30は、その内部に収納されたインクパッケージ31と、そのインクパッケージ31を被包するケース体32と、インクパッケージ31とケース体32と接合する充填部材33とを備えている。
【0037】
インクパッケージ31は略矩形状の袋体に形成されており、ポリエチレン樹脂等で構成されたフィルムシートを複数枚(例えば、略10枚程度)積層して構成された積層構造フィルム材(形状復元性を有するフィルム材)で形成されている。このインクパッケージ31の略中央部分にはインク密封部31aが形成され、その内部には印刷に使用されるインクが密封されている。このインク密封部31aの左縁部分には凹部31bが形成されており、他の縁部分には溶着部31c,31d,31eが形成されている。この凹部31bはインク抽出部材26が刺し込まれる部分であり、その両端部に溶着部31c,31dを形成して支持することにより上面視略凹面状に形成されている。よって、この凹部31bへインク抽出部材26を刺し込むことにより、インクパッケージ31のインク密封部31a内へインク抽出部材26を容易に貫入することができる。
【0038】
また、インクパッケージ31は上述した積層構造フィルム材で形成されているので、インク抽出部材26が刺し込まれた場合に、刺し込まれたインク抽出部材26の外周面に密着する性質(密着性)を備えている。よって、インク密封部31aからのインク漏れやインク密封部31aへの空気等の浸入を防止することができる。特に、インク抽出部材26によってインク抽出(インク消費)が行われる場合に、インク密封部31aへの空気等の浸入が防止されるので、インク密封部31a内のインク消費量に相当する容積が空気等により置換されることがない。従って、インク密封部31aの内圧を負圧に維持することができる。
【0039】
更に、インクパッケージ31を形成する積層構造フィルム材の剛性を強化することにより、かかる積層構造フィルム材に形状復元性が付与することができ、インクパッケージ31のインク密封部31aの形状変化が抑制することができる。よって、インク抽出部材26によりインク密封部31aからインクが抽出される場合に、インク密封部31aが大気圧等に押し潰されることがなく、インク密封部31aの内圧を負圧に維持することができる。その結果、インク抽出部材26により抽出されたインクを印字ヘッド22へ供給する場合に、インクのインク供給圧を負圧に維持することができるのである。
【0040】
このインクパッケージ31を被包するケース体32は、ABS樹脂等の合成樹脂で中空箱状体に形成されており、インクパッケージ31を収納可能に形成されている。このケース体32の左側壁には挿入穴32aが穿設されており、この挿入穴32aはインク抽出部材26を挿入可能に形成されている。よって、かかる挿入穴32aへインク抽出部材26を挿入することにより、インクカートリッジ30に収納されたインクパッケージ31の凹部31bへインク抽出部材26を刺し込むことができる。尚、ケース体32はステンレス鋼材等の金属材料で構成しても良い。
【0041】
このケース体32の内部であって、インクパッケージ31とケース体32との間隙には充填部材33が充填されている(図9参照)。この充填部材33としてはウレタンフォーム(発泡材)を用いることができ、充填されたウレタンフォームはインクパッケージ31の外周面とケース体32の内壁面とにそれぞれ接合されている。よって、インク抽出によりインクパッケージ31のインク密封部31aの内圧が低下しても、充填部材33によってインクパッケージ31の形状変化が抑制されるので、インクパッケージ31が形状変化して収縮することなく、インク密封部31aの内圧を負圧に維持することができる。この充填部材33は、ケース体32の挿入穴32aの穿設された側壁側、即ち、ケース体32の左側略半分に充填されている。一方、ケース体32の右側略半分には充填部材33が充填されず、空気等(気体)により気体層34が形成されている。尚、図9では、充填部材33はケース体32の図中下側略半分に充填され、気体層34はケース体32の図中上側略半分に構成されている。
【0042】
このため、充填部材33によって、インク密封部31aの充填部材33側は、インク密封部31aの気体層34側より形状復元性が大きく形成され、かつ、インク密封部31aの気体層34側より形状変化し難く形成されている。よって、インク抽出によりインクパッケージ31のインク密封部31aの内圧が低下する場合に、インク密封部31aの気体層34側が形状変化して収縮するので、インク密封部31aのインク抽出部材26の挿入部分、即ち、インク密封部31aの充填部材33側が形状変化して潰れることを防止することができる。従って、インク密封部31aの充填部材33側が潰れることによりインク抽出部材26のインク抽出口26aが塞がれることが防止されるので、インク抽出部材26による印字ヘッド22へのインクの供給を維持することができる。
【0043】
また、この充填部材33を構成する固化したウレタンフォームはインクを含浸可能なものである。よって、インク抽出部材26がインクパッケージ31のインク密封部31aから引き抜かれた場合に、インク密封部31aから漏れ出したインクを充填部材33内部に含浸させることができ、ケース体32の外部へのインク漏れを防止することができる。
【0044】
挿入穴32aが穿設された側壁に対向するケース体32の側壁、即ち、ケース体32の右側端部には、インクパッケージ31をケース体32へ収納するための矩形状の開口である収納口32bが穿設されており、その収納口32bには蓋体32cが覆設されている。この蓋体32cはケース体32と同様にABS樹脂等の合成樹脂で略矩形板状に形成されており、収納口32bを覆いつつケース体32の左側端部に溶着されている。この蓋体32cの略中央部分には、注入穴32c1および吸引穴32c2がそれぞれ穿設されている。この注入穴32c1は、充填部材33を構成するため固化前の液状のウレタンフォームを注入するための穴であり、吸引穴32c2は、かかる液状のウレタンフォームを注入する際にケース体32の内圧を負圧に調節する真空ポンプを継合可能に形成されている。また、注入穴32c1および吸引穴32c2には弾性ゴム等で構成されたゴム栓Rがそれぞれ嵌合され、注入穴32c1および吸引口32c2が塞がれている。尚、蓋体32cはケース体32に接着剤等により接着しても良い。
【0045】
図4は、インク密封部31aのインク消費量Vとインク密封部31aの内圧Pとの関係により充填部材33の性能を示した図であり、図中の横軸41はインク密封部31aに密封されたインクのインク消費量Vを示しており、縦軸42はインク密封部31aの内圧Pを示している。尚、図4では、内圧Pを大気圧に対する相対圧力(ゲージ圧)で示している。即ち、インク密封部31aの内圧Pが0mmAqであると、その内圧Pは大気圧と略等しい圧力である。
【0046】
図4に示すように、曲線43(2点差線)はバネ定数の大きな従来のバネ部材により形状変化が抑制されたインクパッケージ31と同種類のインクパッケージのインク消費量Vの増加に伴うその内圧Pの変化を示している。この曲線43によれば、インクパッケージの内圧Pは、インク消費量Vが0ccである場合に略−100mmAqであり、インク消費量Vの増加に伴い急激に減少している。このように、バネ定数の大きな従来のバネ部材により形状変化が抑制されたインクパッケージでは、その内圧Pがインク消費量Vの増加に伴って急激に減少するので、インクパッケージの内圧Pを上述した動作圧範囲内に維持することができない。よって、インク消費量Vの増加に伴って印字ヘッド22の各ノズル口22bからのインク吐出が困難となるので、良質の印刷結果を得ることができない。
【0047】
曲線44(1点差線)はバネ定数の小さな従来のバネ部材により形状変化が抑制されたインクパッケージ31と同種類のインクパッケージのインク消費量Vの増加に伴うその内圧Pの変化を示している。この曲線44によれば、インクパッケージの内圧Pは、インク消費量Vの増加に伴い減少し続け、上述した最適動作圧範囲の下限である−100mmAqを越えて減少している。このように、従来のバネ部材によりインクパッケージの形状変化を抑制する場合、インク消費量Vの増加に伴う内圧Pの減少が急激であるので、インクパッケージの内圧Pを最適動作圧範囲(略−30mmAq〜略−100mmAq)内に維持することができず、良質の印刷結果を得ることができない。
【0048】
曲線45(実線)は、本実施例のインクカートリッジ30、即ち、充填部材33により形状変化が抑制されたインクパッケージ31のインク消費量Vの増加に伴うインク密封部31aの内圧Pの変化を示している。この曲線45によれば、インク密封部31aの内圧Pは、インク消費量Vの増加に伴い徐々に減少するが、上述した最適動作圧範囲の下限である−100mmAq以上の負圧を維持し続けることができるのである。よって、インク消費量Vの増加しても、印字ヘッド22の各ノズル口22bからのインク吐出性を維持することができ、良質の印刷結果を得ることができるのである。
【0049】
尚、曲線46(点線)は、充填部材33を使用していないインクパッケージ31のインク消費量Vの増加に伴うインク密封部31aの内圧Pの変化を示している。この曲線46によれば、インク消費量Vが少ない場合に、インク密封部31aの内圧Pが0mmAq以上となるため、インク供給圧を負圧に維持することができない。即ち、インク密封部31aの内圧Pを上述した動作圧範囲の上限である0mmAq以下にすることができず、印字ヘッド22により印刷を行うことができない。
【0050】
図5は、積層構造フィルム材の厚さwが異なるインクパッケージ31について比較した図であり、図中の横軸51はインク密封部31aに密封されたインクのインク消費量Vを示しており、縦軸52はインク密封部31aの内圧Pを示している。図5に示される各インクパッケージ31における積層構造フィルム材の厚さwは、曲線53(2点鎖線)が160μmであり、曲線54(実線)が100μmであり、曲線55(点線)が80μmである。図5の各曲線53〜55を比較すると、インク消費量Vの増加に対して、内圧Pは、曲線53,54,55の順に急激に減少している。即ち、積層構造フィルム材の厚さwが大きいほど、インク密封部31aを形成する積層構造フィルム材の剛性が大きくなるので、積層構造フィルム材の形状復元性が顕著となり、インク密封部31aの形状変化が抑制されるからである。よって、本実施例では、かかる図5の結果に基づき、インク供給圧、即ち、インク密封部31aの内圧Pを略0mmAq以上かつ略−300mmAq以下の動作圧範囲内にするために、積層構造フィルム材の厚さwを略30μm以上かつ略300μm以下に形成している。
【0051】
また、本実施例では、積層構造フィルム材の厚さwを略30μm以上かつ略300μm以下に形成しているので、インクパッケージ31の溶着部31c,31d,31eを形成するための加熱(溶着)工程において、加熱時間の過剰な増加や加熱温度の過剰な上昇が防止される。よって、インクパッケージ31の製造コストを低減することもできる。また、積層構造フィルム材の厚さを上述した範囲内で形成することにより、インク抽出部材26をインクパッケージ31へ刺し込む際の抵抗力を低減することができる。
【0052】
図6は、インク密封部31aにおける縦方向長さAと横方向長さBとの比率(縦横比)hが異なるインクパッケージ31について比較した図であり、図中の横軸61はインク密封部31aに密封されたインクのインク消費量Vを示しており、縦軸62はインク密封部31aの内圧Pを示している。図6に示される各インクパッケージ31におけるインク密封部31aの縦横比hは、曲線63(2点鎖線)が「1」であり、曲線64(実線)が「1.5」であり、曲線65(点線)が「2」である。図5の各曲線63〜65を比較すると、インク消費量Vの増加に対して、内圧Pは、曲線63,64,65の順に急激に減少している。即ち、インク密封部31aの縦横比hが小さいほど、インク密封部31aを形成する積層構造フィルム材の剛性が大きくなるので、積層構造フィルム材の形状復元性が顕著となり、インク密封部31aの形状変化が抑制されるからである。よって、本実施例では、かかる図6の結果に基づき、インク供給圧、即ち、インク密封部31aの内圧Pを略0mmAq以上かつ略−300mmAq以下の動作圧範囲内にするために、インク密封部31aの縦横比hを略「10」以下、即ち、インク密封部31aの縦方向長さA(横方向長さB)を横方向長さB(縦方向長さA)の略10倍以下に形成している。
【0053】
図7は、インク密封部31aの縦方向長さA又は横方向長さBのうち一方の長さが異なるインクパッケージ30について比較した図であり、図中の横軸71はインク密封部31aに密封されたインクのインク消費量Vを示しており、縦軸72はインク密封部31aの内圧Pを示している。図7に示される各インクパッケージ31におけるインク密封部31aの縦方向長さA(横方向長さB)は、曲線73(2点鎖線)が50mmであり、曲線74(実線)が70mmであり、曲線75(点線)が100mmである。図7の各曲線73〜75を比較すると、インク消費量Vの増加に対して、内圧Pは、曲線73,74,75の順に急激に減少している。即ち、インク密封部31aの縦方向長さA(横方向長さB)が小さいほど、インク密封部31aの剛性が大きくなるので、積層構造フィルム材の形状復元性が顕著となり、インク密封部31aの形状変化が抑制されるからである。よって、本実施例では、かかる図7の結果に基づき、インク供給圧、即ち、インク密封部31aの内圧Pを略0mmAq以上かつ略−300mmAq以下の動作圧範囲内にするために、インク密封部31aの縦方向長さA(横方向長さB)を略200mm以下に形成している。
【0054】
図8は、インク抽出部材26の外径dとインクパッケージ31に負荷される押圧力Fとの関係を示した図である。尚、この押圧力Fとは、外径dの異なるインク抽出部材26をインクパッケージ31へ刺し込んだ後、かかるインクパッケージ31をその厚さ方向に押圧した場合に、そのインク抽出部材26がインクパッケージ31から抜け出る押圧力のことである。また、インクパッケージ31は、積層構造フィルム材の厚さwが略100μmのものを使用している。
【0055】
この図8に示すように、インク抽出部材26の外径dが増加するとともに、インク抽出部材26がインクパッケージ31から抜け出る押圧力Fが低下している。この結果に基づいて、インクパッケージ31へ刺し込まれたインク抽出部材26の外周面と、インクパッケージ31の積層構造フィルム材との密着性を維持するために、インク抽出部材26の外径dを略5mm以下に形成している。
【0056】
このよう形成されたインクパッケージ31およびインク抽出部材26を用いて、印字ヘッド22へインクを供給することによって、インク供給圧は負圧に調整され維持される。よって、印字ヘッド22の下方周辺にインク供給圧を負圧にするためのサブタンクやインク供給用のポンプ装置等(インク供給圧調整手段)が不要となり、卓上プリンタ1の部品点数が減少され、かかる製造コストを低減させることができる。また、かかるインク供給用のポンプ等が不要となるので、卓上プリンタ1の消費電力を低減させることができる。
【0057】
次にインクパッケージ31の製造方法について説明する。インクパッケージ31の製造方法は、まず、矩形状の積層構造フィルム材を二つ折の状態に重ね合わせ、その重ね合わされた縁部分のうち、二つ折りにされた縁部分に相対向する一辺を溶着して溶着部31eを形成し、中空筒状体を形成する。この中空筒状体はその相対向する両縁部分が開放されているので、そのいずれか一方を溶着して溶着部31cを形成し、溶着部31dが形成される縁部分が開放された袋体を成形する。かかる袋体成形後、その開放部分から袋体内へインクを注入する。インク注入後、溶着部31cに対向する部分が溶着され、溶着部31dが形成されると、凹部31bがインク密封部31aの縁部分に形成されるとともに、インク密封部31a内にインクを密封したインクパッケージ31が上述した袋体の一端に形成される。インクパッケージ31形成後、溶着部31dを切断して、袋体からインクパッケージ31を切り離すことにより、インクパッケージ31の製造が完了する。尚、インクを注入する際に、インク密封部31aの内圧Pを正圧に維持することにより、未使用のインクパッケージ31のインク密封部31a内への空気等の浸入を防止することができる。
【0058】
図9は、インクカートリッジ30の製造方法を示す概略図であり、図中の矢印Yはウレタンフォーム供給装置(図示せず)によりケース体32へ注入される液体状のウレタンフォームの流れを示し、矢印Zは真空ポンプ(図示せず)によりケース体32内から吸引される空気等の流れを示している。図9に示すように、まず、ケース体32の挿入穴32aをゴム栓等を用いて塞いだ後、その挿入穴32aの穿設された壁面を下方へ向けてケース体32が配置される。ケース体32の配置後、インクパッケージ31の凹部31bとケース体32の挿入穴32aとを対向させつつ、インクパッケージ31がケース体32の収納口32bから挿入されケース体32内に収納される。インクパッケージ31の収納後、ケース体32の収納口32bに蓋体32cが覆設されケース体32の上端(図9上側)に溶着される。蓋体32cの溶着後、蓋体32cに穿設された注入穴32c1に液体状のウレタンフォームを注入するウレタンフォーム供給装置(図示せず)を継合すると共に、蓋体32cに穿設された吸引口32cにケース体32の内圧を負圧に調整する真空ポンプ(図示せず)に継合する。
【0059】
ウレタンフォーム供給装置および真空ポンプの継合後、まず、真空ポンプを作動させることによりケース体32の空気等が吸引され、ケース体32の内圧が大気圧に対して負圧に維持される。ケース体32の内圧が負圧に維持されると、ケース体32の内圧とインクパッケージ31の内圧との均衡が維持されるので、インクパッケージ31のインク密封部31aの内圧Pが負圧に維持される。この真空ポンプによりケース体32の内圧を負圧に維持しつつ、ウレタンフォーム供給装置を作動して、注入穴32c1からケース体32内へ液体状のウレタンフォームを注入して、インクパッケージ31とケース体32との間隙へ液体状のウレタンフォームを充填させる。この液体状のウレタンフォームは接着性を有しているので、インクパッケージ31とケース体32とが接合される。ウレタンフォーム供給装置により液体状のウレタンフォームの注入を更に続け、液体状のウレタンフォームがケース体32の下側略半分まで注入された後、液体状のウレタンフォームの注入を中止する。
【0060】
ウレタンフォームの注入中止後、真空ポンプによる空気等の吸引が停止され、ウレタンフォーム供給装置および真空ポンプの継合が解除されて、ゴム栓Rにより注入穴32c1および吸引穴32c2が塞がれる。その後、ケース体32内に注入された液体状のウレタンフォームが固化した後、ケース体32の挿入穴32aからゴム栓等を抜き取られてインクカートリッジ30が完成する。
【0061】
このように、インクカートリッジ30を製造する場合、液体状のウレタンフォームはケース体32の内圧が負圧に維持された状態で注入されるので、インクパッケージ31のインク密封部31aの内圧を負圧に維持した状態で、充填部材33によりインクパッケージ31とケース体32とを接合することができる。よって、かかる未使用のインクカートリッジ30はインクパッケージ31のインク密封部31aの内圧が負圧にされており、その使用を開始する際に印字ヘッド22へ供給されるインクのインク供給圧を上述した動作圧範囲の上限値(0mmAq)以下にすることができるのである。
【0062】
尚、ケース体32内に注入される液体状のウレタンフォームは必ずしも接着性を有する必要はなく、例えば、ケース体32の内壁面およびインクパッケージ31の外周面に接着剤等を塗布した後、上述したように、接着性を有しない液体状のウレタンフォームを注入しても良い。即ち、インクパッケージ31およびケース体32の間隙にウレタンフォームで充填部材33を形成し、その充填部材33を介してインクパッケージ31およびケース体32が接合され、インクパッケージ31の形状変化が抑制されれば良いのである。
【0063】
次に、図1から図3を参照して、卓上プリンタ1の組立方法について説明する。まず、インクカートリッジ30の挿入穴32aとインク抽出部材26とを対向させつつ、インクカートリッジ30を矢印X方向へスライドさせると、インクカートリッジ30の挿入穴32aにインク抽出部材26が挿入される。インク抽出部材26の挿入後、インク抽出部材26は、インクパッケージ31およびケース体32の間隙に形成された充填部材33へ刺し込まれ、インクパッケージ31の凹部31bから容易にインク密封部31a内へ貫入される。また、このインクパッケージ31の凹部31bは、その両端部分が溶着部31c,31dによって支持されているので、インク抽出部材26の刺し込みに伴う負荷によるインク密封部31aの変形を抑制することができる。
【0064】
更に、インクカートリッジ30を矢印X方向へスライドさせ続けると、インクカートリッジ30は図1のプリンタカートリッジ3の2点鎖線の位置(図1中左側)へ到達して、インクカートリッジ30のプリンタカートリッジ3への装着が完了する。インクカートリッジ30の装着完了後、インクカートリッジ30は、取付部材25の配設側(図1中左側)へと下降傾斜した状態、即ち、図1に示すインクカートリッジ30の左端部分からインクカートリッジ30の左端部分へと下降傾斜した状態でプリンタカートリッジ3に装着されている。よって、例えば、インクパッケージ31の製造時にインクパッケージ31内に空気等が混入した場合、かかる空気等は図1に示すインクカートリッジ30の左端部分の上方に集められるので、インク抽出部材26内への空気等の混入を防止することができる。また、インクパッケージ31を形成する積層構造フィルム材とインク抽出部材26の外周面とが密着するので、インクパッケージ31内からのインク漏れやインクパッケージ31内への空気等の浸入が防止される。尚、プリンタカートリッジ3に装着されたインクカートリッジ30の傾斜角度は略0°から略10°であれば良く、最も好適には略0°から略3°にすることが望ましい。
【0065】
インクパッケージ31のインク密封部31aへ刺し込まれたインク抽出部材26は、その内部へインク抽出口26aを介してインクを抽出し、取付部材25を介してインク供給チューブ24へインクを流入させる。インク供給チューブ24へ流入したインクは、取付部材23を介して印字ヘッド22へ供給される。このインクカートリッジ30のインクパッケージ31およびケース体32は充填部材33により接合されており、かかる充填部材33によりインクパッケージ31の形状変化が抑制されている。このことに加え、インクパッケージ31を形成する積層構造フィルム材には形状復元性が付与されており、インクパッケージ31のインク密封部31aの形状変化が抑制される。よって、インク密封部31aからインク抽出部材26を用いてインクが抽出される場合に、インク密封部31aの内圧が低下しても、インク密封部31aが大気圧等に押し潰されることがなく、インク密封部31aの内圧は負圧に維持される。従って、インク抽出部材26により抽出されたインクを印字ヘッド22へ供給する場合に、インクのインク供給圧が負圧に維持される。その結果、各ノズル口22b内にメニスカスMを形成することができるので、印字ヘッド22のインク吐出性が維持され、鮮明な印刷結果を得ることができる。
【0066】
次に、プリンタカートリッジ3に配設された印字ヘッド22をプリンタ本体2に配設されたキャリッジ8に搭載させつつ、プリンタカートリッジ3をプリンタ本体2に装着する。プリンタカートリッジ3の装着後、卓上プリンタ1のPCカード15がパーソナルコンピュータのPCスロットに挿入されると、卓上プリンタ1は、パーソナルコンピュータと印刷データ等の送受信が可能となるとともに、パーソナルコンピュータからの電力供給を受けて、動作可能な状態となる。
【0067】
かかる卓上プリンタ1は、パーソナルコンピュータから印刷データの送信を受けると、印刷用紙PPに印刷を行う。この場合、まず、未使用の印刷用紙PPが用紙挿入口(図示せず)へ挿入されると、印刷用紙PPは、プラテンローラ5によって、キャリッジ8に搭載された印字ヘッド22の下方の搬送経路を搬送される。搬送された印刷用紙PPは、印字ヘッド22の下方の搬送経路を通過する際に、印字ヘッド22の各ノズル口22bから吐出されるインクによって印刷され、この印刷された印刷用紙PPは用紙搬出口16から搬出される。
【0068】
このように本実施例のインクカートリッジ30によれば、インクパッケージ31は、充填部材33によりケース体32と接合されるので、その形状変化が抑制されている。よって、インクパッケージ31からインクを抽出する際にインクパッケージ31のインク密封部31aの内圧が低下しても、インクパッケージ31の収縮による形状変化を抑制することができ、インクパッケージ31のインク密封部31aの内圧を負圧に維持することができる。従って、インクパッケージ31の形状変化を抑制するバネ部材を別途取り付ける必要がなく、インクカートリッジ30の製造作業を簡素化できるとともに、インクカートリッジ30全体として製造コストを低減することができる。
【0069】
また、インクカートリッジ30によれば、充填部材33はインクを含浸可能な固化したウレタンフォームで形成されている。よって、インク抽出部材26がインクパッケージ31のインク密封部31aから引き抜かれた場合に、インク密封部31aから漏れ出したインクを充填部材33内部に含浸させることができ、ケース体32の外部へのインク漏れを防止することができる。
【0070】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0071】
【発明の効果】
請求項1に記載のインクカートリッジによれば、インクパッケージは、充填材により剛性材料で形成された容器体と接合されるので、その形状変化が抑制されている。よって、インクパッケージからインクを抽出する際にインクパッケージの内圧が低下しても、インクパッケージの収縮による形状変化を抑制することができ、インクパッケージ内を適正な負圧に維持することができるという効果がある。従って、インクパッケージの形状変化を抑制するバネ部材を別途取り付ける必要がなく、インクカートリッジの製造作業を簡素化できるとともに、インクカートリッジ全体として製造コストを低減することができるという効果がある。
【0072】
また、充填材は、容器体インクパッケージの隙間のうち容器体の開口部側に充填され、インクパッケージの開口部側の形状変化を抑制している。よって、インクの抽出により、インクパッケージのインク抽出部材の挿入部分が形状変化して潰れることを防止することができ、潰れたインクパッケージによりインク抽出部材の抽出口が塞がれることを防止できる。従って、インク抽出部材による印字ヘッドへのインクの供給を維持することができるという効果がある。
【0073】
請求項に記載のインクカートリッジによれば、請求項1に記載のインクカートリッジの奏する効果に加え、インクパッケージは、ポリエチレン樹脂等で構成されたフィルムシートを複数枚積層した形状復元性を有するフィルム材で形成されているので、インク抽出部材がインクパッケージに挿入されると、インクパッケージを形成するフィルム材がインク抽出部材に密着し、インクパッケージからのインク漏れやインクパッケージへの空気等の浸入を防止することができるという効果がある。
【0074】
請求項に記載のインクカートリッジによれば、請求項1又は2に記載のインクカートリッジの奏する効果に加え、充填材は、インクを含浸可能な発泡材で形成されている。よって、インク抽出部材がインクパッケージから引き抜かれた場合に、インクパッケージから漏れ出したインクを発砲材内部に含浸させることができ、容器体の外部へのインク漏れを防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例であるインクカートリッジが使用される卓上プリンタの分解斜視図である。
【図2】 印字ヘッドのノズル部の部分断面概念図である。
【図3】 インクカートリッジの拡大斜視図である。
【図4】 インク密封部のインク消費量とインク密封部の内圧との関係により充填部材の性能を示した図である。
【図5】 積層構造フィルム材の厚さが異なるインクパッケージについて比較した図である。
【図6】 インク密封部における縦方向長さと横方向長さとの比率が異なるインクパッケージについて比較した図である。
【図7】 インク密封部の縦方向長さ又は横方向長さのうち一方の長さが異なるインクパッケージについて比較した図である。
【図8】 インク抽出部材の外径とインクパッケージに負荷される押圧力との関係を示した図である。
【図9】 インクカートリッジの製造方法を示す概略図である。
【符号の説明】
1 卓上プリンタ
2 プリンタ本体
3 プリンタカートリッジ
22 印字ヘッド
26 インク抽出部材
26a インク抽出口(抽出口)
30 インクカートリッジ
31 インクパッケージ
32 ケース体(容器体)
32a 挿入穴(開口部)
33 充填部材(充填材)
PP 印刷用紙

Claims (3)

  1. 印字ヘッドへ供給されて印刷に使用されるインクを密封すると共にそのインクの減少に伴って収縮し形状変化することで内圧が低下する袋状のインクパッケージと、そのインクパッケージを収納する剛性材料で形成された容器体とを備えたインクカートリッジにおいて、
    前記容器体は前記インクパッケージからインクを抽出する抽出口を有するインク抽出部材が挿入される開口部と、
    前記容器体インクパッケージの間隙に充填され、その容器体インクパッケージを接合すると共に、そのインクパッケージ内のインクが減少して内圧が低下した場合にそのインクパッケージの接合部分における収縮しようとする形状変化を抑制する充填材を備え
    その充填材は前記容器体とインクパッケージとの間隙のうち前記開口部側に充填され、前記開口部と反対側の間隙には前記充填材が存在しない気体層が形成されていることを特徴とするインクカートリッジ。
  2. 前記インクパッケージはポリエチレン樹脂等で構成されたフィルムシートを複数枚積層した形状復元性を有するフィルム材で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクカートリッジ。
  3. 前記充填材はインクを含浸可能な発泡材で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクカートリッジ。
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