JP3323831B2 - インクタンクおよび記録装置 - Google Patents

インクタンクおよび記録装置

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JP3323831B2 JP15306299A JP15306299A JP3323831B2 JP 3323831 B2 JP3323831 B2 JP 3323831B2 JP 15306299 A JP15306299 A JP 15306299A JP 15306299 A JP15306299 A JP 15306299A JP 3323831 B2 JP3323831 B2 JP 3323831B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクタンクおよ
び記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、インク等の記録材により記録
を行う記録装置が普及している。とりわけ、シリアルス
キャン方式のインクジェット記録装置として、被記録媒
体上を主走査方向に移動可能なキャリッジ上に記録ヘッ
ドとインクタンクとを搭載し、この主走査のときに記録
ヘッドからインクを吐出して記録を行うものが、近年、
急速に普及している。
【0003】このような記録装置においては、インクタ
ンクのインクを使い果たすと、記録は行えないので、こ
のインクタンクを新しいものに交換する。しかし、例え
ば連続して大量に記録を行う場合や、大サイズの被記録
媒体に記録を行う場合など、インクが大量に消費される
ため、インクタンクの交換が頻繁になり、この交換のた
びに記録動作が途中で中断するため、非常に面倒であ
る。
【0004】そこで、キャリッジに搭載されているイン
クタンクのインクがなくなった場合、自動的に補充する
補充インクタンクが設けられている記録装置もある。補
充インクタンクとキャリッジ上のインクタンクとはチュ
ーブなどで連結されており、キャリッジ上のインクタン
クが一定レベルまで減少すると、この補充インクタンク
からインクが補充される。そして、使用者はこの補充イ
ンクタンクのみを交換すればよい。
【0005】従来の補充インクタンクは、インクを収容
したインク袋とこのインク袋を収容するケースとから構
成されているものが多い。
【0006】インク袋は、略長方形の2枚の薄膜シート
を溶着するなどして接合して形成されている。さらに接
合されている4辺のうち1辺の一部を筒状に突起させ、
この突起部にはプラスチックなどでできた円筒形の取り
出し具が結合されている。そして、この取り出し具をケ
ースのインク取り出し口にはめ込むことにより、インク
袋をケース内部に固定する構造となっている。
【0007】記録装置本体には、この取り出し具に差し
込める程度の太さの中空管が設けられており、補充イン
クタンクが記録装置内の所定の位置に差し込まれると、
この中空管がインク袋の取り出し具にはまり込み、補充
インクタンクと中空管とが結合する。インクはこの中空
管を流れてキャリッジ上のインクタンクに補給される。
【0008】また、インク袋に取り出し具を設けず、そ
のまま筒状に突起させて溶着し、このインク袋の突起部
に、先端が針状の中空管を突き刺して、流路結合すると
いう構成も採られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の補充インクタンクでは次のような問題があった。
【0010】すなわち、上述のようにインク袋の一部に
突起部を設けると、成形が複雑となり、製造上のコスト
が多くなってしまう。
【0011】また、取り出し具と中空管とがしっかりと
結合していなければ、この結合部でインクもれが発生し
てしまう。補充インクタンクの装着時に自動的にこの結
合が行われるためには、中空管の先端の延長線上にきち
んと取り出し具の中心がくるように補充インクタンクが
装着されてこなければならない。しかしながら、補充イ
ンクタンクの度重なる出し入れによって中空管が曲がる
などでこのような構造を常に維持するのは困難な場合が
あった。
【0012】本発明は、上記従来の課題に鑑み、袋状の
インク本体の成形が簡単で、さらに、インクタンク装着
時に、確実にインク本体にインク流路を接続することが
できるインクタンクおよび、記録装置を提供することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のインクタンク
は、軟質のフィルムが用いられて構成されたシートを折
り曲げるとともに、前記折り曲げられた折り曲げ部を除
く外周部分を溶着することで構成される袋状のインク収
納体と、該インク収納体を収容するとともにインクジェ
ットヘッドと連結し前記インク収納体からインクを導出
するための先端が針状にされた中空針が挿入可能な挿入
口を有したインクタンク筐体と、を備え、前記挿入口を
介して中空針を前記インク収納体に挿通されることで内
部の液体を導出可能にするインクタンクにおいて、前記
インク収納体の前記中空針が挿通する部分には、密着性
の高い弾性素材で構成されたシール体が貼着されるとと
もに、前記インクタンク筐体に前記インク収納体を収容
した状態で、前記貼着されたシール体が前記挿入口に面
するように位置決め構成を備えていることを特徴とす
る。
【0014】本発明の記録装置は、本発明のインクタン
クを装着可能なタンク装着部を具えた記録装置であっ
て、前記タンク装着部は、前記インクタンクの挿入口及
びシール体が貼着された折り曲げ部を貫通可能な中空管
を有し、該中空管を経由してインクジェット記録ヘッド
に対してインクを供給することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0016】(第1の実施形態)図1および図2は、本
発明に係るインクジェット記録装置全体の説明図であ
る。本例のインクジェット記録装置は、記録ヘッドが主
走査方向に移動するシリアルスキャン方式としての適用
例である。
【0017】図1において、記録装置本体は、被記録媒
体Sを給送する給送装置部1と、記録動作をする記録装
置部2と、インクを補充するインク補充装置部3と、キ
ャップ装置部30(図6参照)などから構成されてい
る。以下、それらの装置部1,2,3の構成を分けて説
明する。
【0018】A[給送装置部1の構成] 給送装置部1において、4は、装置本体の外側に備えら
れたカバー、5は、複数の被記録媒体Sを積載する設置
台である。被記録媒体Sは、カバー4に設けられた挿入
口4aから挿入されて、排出口4bから排出される。カ
バー4内に設けられた側板6の内側には、搭載台8、給
送ローラ9、およびガイド部材11が備えられている。
搭載台8は、被記録媒体Sを搭載する手段を構成すもの
であり、ばね7によって上方の給送ローラ9方向に付勢
されている。給送ローラ9は、給送手段を構成するもの
であり、搭載台8上における複数の被記録媒体Sの最上
位のものと当接する。ガイド部材11は、分離手段10
によって分離された一枚の被記録媒体Sを、記録装置部
2の方向に誘導する。
【0019】B[記録装置部2の構成] 記録装置部2において、12は、ガイド部材11の下流
側を通過する被記録媒体Sを検出するためのフォトセン
サーである。13は、給送された被記録媒体Sを一定速
度で搬送する搬送ローラ対、14は、画像記録後の非記
録媒体Sを搬出する搬出ローラ対である。19はキャリ
ッジであり、ガイド部材15,16によって図2中の矢
印28,35の主走査方向(被記録媒体Sの幅方向)に
移動自在にガイドされている。キャリッジ19は、プー
リー17,17の間に掛け渡されたベルト18を介し
て、キャリッジモータ70から伝達される駆動力によっ
て、主走査方向に移動される。20は、キャリッジ19
に交換可能に搭載される貯留インクタンクである。20
aは、画像形成手段としての記録ヘッドであり、貯留イ
ンクタンク20内のインクを画像情報に基づいて吐出す
る。本例の場合、貯留インクタンク20と記録ヘッド2
0aは、一体的に結合したインクジェットカートリッジ
を構成している。これらインクタンク20と記録ヘッド
20aは、個別に構成して着脱可能に結合させるように
してもよく、またキャリッジ19に対して個別に装着可
能としてもよい。
【0020】本例の貯留インクタンク20は、図2のよ
うに、収容するインクの色毎に、イエローインク用のイ
ンクタンク20Y、マゼンタインク用のインクタンク2
0M、シアンインク用のインクタンク20C、およびブ
ラックインク用のインクタンク20Bに分かれている。
それぞれのインクタンク20Y,20M,20C,20
Bには、インクを取入れるためのインク取入れ口20b
が設けられている。インク取入れ口20bは、ゴム等の
柔軟な弁部材によって形成されている。
【0021】インクタンク20Y,20M,20C,2
0Bのぞれぞれには、その内部のインクは通さずに、気
体は透過させる気体透過部材としての気体透過膜48が
備えられている。この気体透過部材48は、例えば、四
弗化エチレン樹脂、またはそれに類する樹脂多孔質材料
によって形成された薄いシート状のものである。インク
タンク20Y,20M,20C,20B内の空気の排出
経路は、図6および図7のように、それぞれの気体透過
部材48および通気路49を経て、共通の通気路50,
51,52から総合吸引口53に通じている。インクタ
ンク20Y,20M,20C,20B内の空気は、後述
するように、総合吸引口53が開口する面53aに密接
するキャップ部材54から、通気管57を通して、吸引
ポンプ31によって吸い出される。
【0022】記録ヘッド20aは、インク色毎に独立し
た複数のヘッド部分からなり、それぞれのヘッド部分に
は、対応するインクタンク20Y,20M,20C,2
0Bの流路41に連通する液室部43と、複数のインク
吐出ノズル44が設けられている。ノズル44は、イン
ク吐出口に連通する連通路を形成しており、そのインク
吐出口からインクを吐出するためのエネルギーを発生す
る吐出エネルギー発生手段が備えられている。
【0023】C[インク補充装置部3の構成] インク補充装置部3において、21は、チューブ21a
および中空管である補充管21fを介して補充インクタ
ンク22に連通されているインク供給手段である。この
インク供給手段21は、貯留インクタンク20のインク
取入れ口20bと密接に接続されることによって、補充
インクタンク22内のインクを貯留インクタンク20内
に補充する。
【0024】C−1[補充インクタンク] 本例の補充インクタンク22は、図2のように、収容す
るインクの色毎に、イエローインク用のインクタンク2
2Y、マゼンタインク用のインクタンク22M、シアン
インク用のインクタンク22C、およびブラックインク
用のインクタンク22Bに分かれている。それぞれのイ
ンクタンク22Y,22M,22C,22Bは、対応す
るチューブ21aを介して、インクの色毎に対応するイ
ンク供給手段21Y,21M,21C,21Bに接続さ
れている。
【0025】次に補充インクタンクの構造を説明する。
【0026】図9は、補充インクタンク22を示す。
【0027】補充インクタンク22は、インクを充填し
ているインク袋22aと、タンクケース22bとから構
成されている。
【0028】インク袋22aは、軟質フィルムなどでで
きたシートが一方に折り曲げられ、この折り曲げ部以外
の3辺(図中の斜線部分)がコ字状に溶着された袋であ
る。この袋の折り曲げ部、すなわち、輪になっている部
分には、ゴムなどの弾性部材でできたシール22a1が
貼着されている。一方、折り曲げ部と対向する辺の両端
の溶着部分には位置決め用の穴22a2が開けられてい
る。
【0029】タンクケース22bは、第1ケース22c
と第2ケース22dとから成り、その外形は、平面長方
形の薄形の直方体である。
【0030】第1ケース22cは、内部が図中の上方に
大きく開放された平面長方形である。その底面におい
て、一方の長辺部分寄りの両側には、垂直上方向に突出
する凸部22c1が設けられている。凸部22c1の周
囲の下側には、位置決め用凸部22jが設けられてい
る。他方の長辺部分には、半円状に切り取られた溝部が
2個所設けられている。これら溝部のうち一方が針挿入
口22eを形成し、もう一方が排インク口22fを形成
する。
【0031】第2ケース22dも、第1ケース22cと
同様、内部が図中の上方に大きく開放された平面長方形
である。その底面において、一方の長辺部分寄りの両端
には垂直上方向に突出する円筒状部によって凹部22d
1が形成されている。他方の長辺部分には、半円状に切
り取られた溝部が2個所設けられている。これら溝部の
うち一方が針挿入口22eを形成し、もう一方が排イン
ク口22fを形成する。
【0032】タンクケース22bは、第1ケース22c
の凸部22c1を第2ケース22dの凹部22d1に嵌
合することにより結合する。そして、第1ケースと第2
ケースとが結合することにより、針挿入口22eと排イ
ンク口22fが円形の開口部として形成される。第1ケ
ース22c、第2ケース22dは、それらと一体的、ま
たは別部材によって形成されたヒンジ22kによって開
閉自在に接続されている。第1ケース22c側のロック
爪22lが第2ケース22d側のロック穴22mに係合
することによって、図10のように、それらのケース2
2c、22dが閉じ状態にロックされる。
【0033】針挿入口22eには、その開口部から外方
向に延出する部分によって針通路22gがさらに形成さ
れている。
【0034】タンクケース22b内には、インク袋22
aの他に、フェルトなど液体を吸収し保持しやすい素材
でできた排インクシート22hが内蔵されている。排イ
ンクシート22hはケース内部で漏れ出したインクを吸
収し、ケースより外へ漏れ出るのを防ぐ。なお、この排
インクシート22hで吸収しきれないインクは排インク
口22fから外に排出される。
【0035】インク袋22aと排インクシート22hと
は、次のようにして内蔵されている。
【0036】まず、タンクケース22bを記録装置本体
に装着したときに、底になる第1ケース22c側に、排
インクシート22hが敷き込まれ、その上にインク袋2
2aが配置される。インク袋22aの穴22a2がそれ
ぞれ凸部22c1に係合されることにより、インク袋2
2aはタンクケース22bに位置決めされる。さらに、
第2ケース22dと第1ケース22cとを閉じて、それ
らを結合すると、第1ケース22cの位置決め用凸部2
2jと第2ケース22dの内面との間でインク袋22a
の縁部を挟持して、このタンクケース内でインク袋22
aがずれることを防ぐ。このようにして、タンクケース
22b内に、排インクシート22hと共にインク袋22
aが位置決めされて収容される。
【0037】インク袋22aの折り曲げ部には、予め、
シール22a1が貼着されており、インク袋の収容時
に、シール22a1が、針挿入口22eに当接された状
態となる。
【0038】図10は、タンクケース22bにインク袋
22aが装着された状態のインクタンクの斜視図であ
る。
【0039】このような構成の補充インクタンク22
は、記録装置本体の補充インクタンク取り出し口22i
(図1参照)から着脱される。
【0040】C−2[インク供給手段]インク供給手段
21は、貯留インクタンク20と補充インクタンク22
とをチューブ21aおよび補充管21fとを介して連通
させている。
【0041】インク供給手段21は補充インクタンク2
2とは次のようにして接続している。
【0042】図1に示すように、インク供給手段21の
補充管21fは、先端が針状になった中空管であり、そ
の基端がチューブ21aと接合している。針状になって
いる先端は、インクタンク取り出し口22iと対峙する
方向に配置されている。
【0043】補充インクタンク22は、針挿入口22e
を補充管21fに対峙させるようにして、インクタンク
取り出し口22iから記録装置内部に装着される。補充
インクタンク22が図1中の右方に押し込まれると、補
充管21fが針挿入口22eから補充インクタンク22
内部に入り、先端の針状部がシール22a1を突き破る
ことにより、補充インクタンク22と補充管21fは接
続することになる。なお、シール22a1はゴムやシリ
コンなど密着性の高い弾性素材でできているため、針で
穴が開けられると、その穴を塞ぐ方向に作用する。した
がって、補充管21fはシール22a1に密着した状態
となるため、インク袋22a内部のインクがこの穴から
外へ漏れ出すことはない。
【0044】なお、補充管21fがインク袋22aを突
き破る位置を、インク袋22aにおける図1中の上下の
面ではなく折り曲げ部としたことは、インク袋22a内
への補充管21fの充分な准入量を確保する上で有利だ
からである。すなわち、インク袋22aの図1中左右方
向の長さが、インク袋22aの図1中上下方向の長さよ
りも長いためである。そのため、補充管21fが折り曲
げ部を突き破った後も、さらに力が加えられ、補充管2
1fが多少移動したとしても、その先端が誤って袋を破
ってしまうという心配がない。したがって、確実に流路
連結させるためには、インク袋22aの折り曲げ部に補
充管21fを突き刺すのが有効である。
【0045】なお、タンクケースの形状、およびインク
袋の形状は上述の実施形態には限定せず、補充管21f
とインク袋22aとが確実に接合でき、流路連結する形
状であればいかなる形状であってもよい。
【0046】また、本例のように、インク袋22aに密
着性の高い弾性素材のシール22a1を貼着し、このシ
ール22a1部分にインクを抽出する穴を針で開けると
いう構成にすることにより、インク袋22aの形状を単
純化させることができ、製造コストを抑えることができ
る。
【0047】なお、この補充インクタンク22から貯留
インクタンク20へのインクの補給動作についての詳細
は[インクの補給動作]の項目で説明する。
【0048】インク供給手段21は、図2のように、移
動台27に備えられている。移動台27は、ガイド部材
25,26にガイドされて、図2中の左右方向に移動可
能である。キャリッジ19が矢印28方向に移動して、
貯留インクタンク20Bの側面20B−1が移動台27
の腕部27aに突き当たることによって、移動台27
は、ばね29の力に抗して、キャリッジ19と一体とな
って矢印28方向に移動する。
【0049】また、キャリッジ19は、矢印28方向に
移動することによって、図5のようにガイド部材16を
回転軸として矢印37方向に回動する。このキャリッジ
19の回動によって、インク供給手段21と貯留インク
タンク20のインク取入れ口20bとが接続されるよう
になっている。すなわち、キャリッジ19には、図3の
ように、ガイド部材15に対してキャリッジ19を支え
るためのガイドローラ対19bが取り付けられている。
キャリッジ19の矢印28方向の移動により、貯留イン
クタンク20Bの側面20B−1が移動台27の腕部2
7aに突き当たって、移動台27がキャリッジ19と共
に矢印28方向への移動を開始してから、ガイドローラ
対19bがガイド部材15の傾斜部15aから水平部1
5bに移動する。これにより、図5のように、キャリッ
ジ19がガイド部材13を回転軸として矢印37方向に
回動し、インク供給手段21と貯留インクタンク20の
インク取入れ口20bとが接続状態となる。
【0050】インク供給手段21には、図4および図5
のように、先端が閉じられた中空針21cが備えられて
おり、その中空針21cの先端には、図5中の左右方向
に貫通する細孔21bが形成されている。中空針21c
の外周部には、その中空針21cを軸として図5中の上
下方向に移動可能なピストン状栓部材21eが備えられ
ている。栓部材21eは、ゴム等の柔軟材料によって形
成されており、ばね21bによって下方に付勢されてい
る。
【0051】図4のように、インク供給手段21が貯留
インクタンク20のインク取入れ口20bに接続される
前は、中空針21cの細孔21bが栓部材21eによっ
て覆われて閉塞されている。したがって、このときは、
中空針21cからインクは漏れ出ない状態となってい
る。このとき、ゴム等の柔軟な弁部材によって形成され
ているインクタンク20のインク取入れ口20bは、図
4のように、その弁部材の復元力によって閉じられた状
態となっている。
【0052】一方、図5のように、インク供給手段21
が貯留インクタンク20のインク取入れ口20bに接続
されたときは、インク取入れ口20bの上面と栓部材2
1cの下面とが密接する。さらに、栓部材21eがばね
21bの力に抗して上方に退避し、中空針21cの細孔
21bがインク取入れ口20bの内部20cにて開孔さ
れる。これにより、細孔21bから流出したインクは、
流路38,39,40を経て、貯留インクタンク20内
のスポンジ状のインク吸収体41に吸収される。
【0053】D[キャップ装置部30の構成] キャップ装置部30は、記録ヘッド20aに密接して、
液室部43やノズル44内に溜まった空気や増粘イン
ク、つまりインクの吐出不良の原因となる異物を吸い出
すものである。図5において、30aは、記録ヘッド2
0aのインク吐出口が形成されている面(インク吐出口
形成面)を覆うキャップ部材である。54は、総合吸引
口53が開口する面53aに密接するキャップ部材であ
る。これらのキャップ部材30a,54は、枠体45に
保持されている。枠体45は、4つのリンク腕部材46
によって上下動可能に支持されている。47は、枠体4
5を上方に付勢するばねである。キャップ部材30a,
54のそれぞれには、導管30b、55が接続されてい
る。導管30b、55には、ポンプ吸引路の切換え機構
56に接続されている。
【0054】D−1[ポンプ吸引路の切換え機構56] 枠体45の一端には、キャリッジ19の定位置に設けら
れた土手部19aの移動軌跡上に位置する突起部45a
が設けられている。キャリッジ19の移動位置におい
て、土手部19aが突起部45aに当たるときは、図3
のように、枠体45がばね47に抗して枠体45が押し
下げられて、記録ヘッド20aのインク吐出口形成面と
総合吸引口53の形成面53aは、キャップ部材38
a、45に接触することなく、それらの上方を通過す
る。一方、土手部19aが突起部45aから離れたとき
は、図6のように、枠体45がばね47によって上昇
し、キャップ部材38aがインク吐出口形成面に密着す
ると共に、キャップ部材54が総合吸引口53の形成面
53a密着する。
【0055】導管30b、55が接続される切換え機構
56は、図6のようになゴム等からなる回転弁59を備
えている。回転弁59は、90度づつの回動位置に応じ
て、その導通路59aを介して、導管30b,55を選
択的に吸引ポンプ31のポンプ吸引口31aに接続す
る。回転弁59は、図3の回転軸56aに固定されてい
る。回転軸56aには、鋸歯ギヤ56bが固定されてい
ると共に、腕部材56cの基端が回転自在に軸支されて
いる。腕部材56cには、鋸歯ギヤ56bに対して一方
向においてのみ噛み合うラチェット歯56dが回転可能
に軸支れている。56eは、腕部材56cを図3中の時
計回りに付勢するばね、56fは、鋸歯ギヤ56bに1
80度の角度差をもって設けられた2つの位置指示部材
である。57,58は、位置指示部材56fを検出する
ための位置検出器であり、90度の角度差をもって定位
置に備えられている。位置検出器57,58としては、
マイクロスイッチやフォトセンサなどが用いられる。
【0056】腕部材56cの先端は、連結軸36を介し
て、切換えレバー34(図2)の孔部34bに連結され
ている。切換えレバー34の基端は、軸34aを中心と
して回転可能に軸支されている。キャリッジ19が矢印
35方向に移動して切換えレバー34の先端に当接して
から、さらにキャリッジ19が矢印35方向に移動した
ときは、切換えレバー34が図2中の2点鎖線のように
矢印35方向に回動する。この切換えレバー34の矢印
35方向の回動に連動して、腕部材46cがばね56e
に抗して図3中の反時計回りに90度回転する。このと
きは、ラチェット歯56dが鋸歯ギヤ56dに噛み合う
ため、鋸歯ギヤ56dは、回転軸56aおよび回転弁5
9と共に反時計回りに90度回転される。その後、キャ
リッジ19が切換えレバー34の先端から矢印28方向
に離れたときは、ばね56eの力によって、切換えレバ
ー34および腕部材46cは、時計回りに回動して元の
位置に復帰する。このときは、ラチェット歯56dが鋸
歯ギヤ56dに噛み合わないため、鋸歯ギヤ56dは回
転されない。
【0057】このように、キャリッジ19によって切換
えレバー34が矢印35方向に回動する毎に、回転弁5
9が反時計回りに90度ずつ回動して、ポンプ吸引路が
切換えられる。ポンプ吸引路の切換え状態は、位置検出
器57,58によって検出される。図6は、位置検出器
57が位置指示部材56fを検出したときの切換え状態
であり、このとき、総合吸引口53は、キャップ部材5
4、導管55、導通路59a、およびポンプ吸引口31
aを通してポンプ31に連通される。図8は、位置検出
器58が位置指示部材56fを検出したときの切換え状
態であり、このとき、記録ヘッド20aのインク吐出口
は、キャップ部材38a、導管30b、導通路59a、
およびポンプ吸引口31aを通してポンプ31に連通さ
れる。後述する制御手段25(図1参照)は、位置検出
器57,58の検出信号の検出信号からポンプ吸引路の
切換え状態を検出し、これから実行しようとする動作に
対して、そのポンプ吸引路の切換え状態が合わないとき
は、キャリッジ19を矢印35方向に移動させて、切換
えレバー34を矢印34方向に回動させる。これによ
り、動作目的に合うようにポンプ吸引路が切換えられ
る。
【0058】図1において、24は、カバー4の内側に
配置された電気基板であり、カバー4の穴から上方に突
出する複数のスイッチボタン23が備えられている。2
5は制御手段であり、カバー4の内側に配置された制御
用電気基板に、マイクロコンピュータやメモリなどが搭
載されることによって構成されている。この制御手段2
5は、ホストコンピュータと通信をしながら本記録装置
を制御する。
【0059】D−2[吸引ポンプ31] 吸引ポンプ31は、図6のように、吸引口31aと排出
口31bが形成されたシリンダー部材31c内に、シー
ル部材31dを介してピストン部材31eが往復動可能
に備えられている。ピストン部材31eに設けられた細
孔31fには、流体の流れを図6中左方の一方向のみに
制限するリード弁31gが備えられている。31hは、
ピストン部材31eを駆動するピストン軸、31iは、
ピストン部材31eを図6中の右方に付勢するばね部材
である。このような吸引ポンプ31によって吸引された
インクや空気は、排出口31bから排出管31jを通っ
て、廃液容器33内のスポンジ状のインク吸収体33a
に向かって排出される。
【0060】ピストン軸31hは、後述するカム歯車3
2のカム部32aの回動に従動して、図6中の左右方向
に往復移動する。このピストン軸31hと共にピストン
部材31eが左右に往復移動することによって、吸引口
31aからインクや空気を吸引し、それを排出口31b
から排出する。
【0061】搬送ローラ13の軸13aには、図4のよ
うに、一方向クラッチ13bを介してギヤ56が取り付
けられており、そのギヤ56は駆動モータ60に回転さ
れる。駆動モータ60が反時計方向に回転することによ
って、搬送ローラ13の軸13aが回転され、駆動モー
タ60の時計方向の回転によって、カム歯車32が回転
される。カム歯車32のカム部32aには、ばね31i
の力によってピストン軸31hが当接されており、カム
歯車32の回動に応じてピストン軸31hとの当接位置
を変化させるカム部32aによって、ピストン軸31h
が左右に移動される。ピストン部材31eは、このピス
トン軸31hと共に左右に往復移動する。ピストン部材
31eが左方に移動したときは、左方の圧力室31k内
に発生する圧力によって弁31gが閉じられて、その圧
力室31k内のインクや空気が排出口31bから廃液容
器33内に排出される。また、このときは、右方の圧力
室31mの容積が増大して、その圧力室31m内に負圧
が発生する。その負圧によって、吸引口31aからイン
クや空気が吸引される。一方、ピストン部材31eが右
方に移動したときは、右方の圧力室31m内のインクや
空気が、細孔31fを通って左方の圧力室31k内に移
動する。
【0062】次に、動作について説明する。
【0063】[記録動作]記録動作に際しては、まず、
ホストコンピュータが記録装置部2に送る画像データを
展開する。制御手段25は、画像データに基づいて、キ
ャリッジ19の主走査方向の移動、搬送ローラ対13,
14による被記録媒体Sの副走査方向の搬送、および記
録ヘッド20aを制御する。記録ヘッド20aは、画像
の階調処理(色ドットの重ね方)に基づいて制御される
ノズル44から、各色のインク滴を吐出して、被記録媒
体S上にカラー画像を記録する。
【0064】フォトセンサー12が被記録媒体Sの後端
を検出されたときは、その後端に対する記録が終了した
後に、排出ローラ対14が記録済みの被記録媒体Sを排
出口4bから排出する。
【0065】[回復動作]記録装置の電源投入時、およ
び電源投入後に所定時間以上記録動作が中断されたとき
に、制御手段25は、記録ヘッド20aのノズル内に生
じた増粘インクや気泡を除去するための回復動作を自動
的に開始させる。また、記録された画像に色むらや色の
かすれなどが出現したときは、操作ボタン(図1参照)
を押して操作されることによって、制御手段25は同様
に回復動作を開始させる。
【0066】回復動作に際して、制御手段25は、ま
ず、吸引路切換え機構56における位置検出器58が位
置指示部材56aを検出している状態にあるか否かを確
認する。位置指示部材56aが位置検出器57によって
検出されているときは、キャリッジ19を左方の矢印3
5方向に移動させて、切換えレバー34を矢印35方向
に回動させる。これにより、位置検出器58が位置指示
部材56aを検出する状態、つまり図8のような吸引路
切換え状態となる。制御手段25は、位置検出器58が
位置指示部材56aを検出している状態にあることを確
認した後、図5,図7,および図8のように、記録ヘッ
ド20aとキャップ部材38aとが当接し、かつ総合吸
引口54とキャップ部材54とが当接するように、キャ
リッジ19を移動させる。その後、制御手段25は、モ
ータ60(図4参照)を時計方向に回転させることによ
って、ギヤ59を介してカム歯車32を回転させる。こ
れにより、吸引ポンプ31が記録ヘッド20aのノズル
44内の増粘インクや空気を吸引して、それらを廃液容
器33内に排出する。
【0067】吸引ポンプ31のピストン部材31eは、
カム歯車32が1回転することによって、吸引と排出の
1サイクルの動作を行う。カム歯車32の回転数は、記
録ヘッド20aの吐出不良の回復に必要な負圧の大きさ
に応じて決定される。
【0068】[インクの補給動作]上述のように、貯留
インクタンク20内のインクは記録動作が行われる毎に
消費されていくので、ある一定のレベルまで減少した
ら、補充インクタンク22からインクを補給してこなけ
ればならない。以下にこのインクの補給動作を説明す
る。
【0069】制御手段25は、記録ヘッド20aから吐
出されたインク滴の数を各インク色毎にカウントする。
その各インク色毎のカウント値の少なくとも1つが所定
数に達したときは、記録動作中の被記録媒体Sに対する
記録が完了して、その記録済みの被記録媒体Sが排出さ
れた時点にて、制御手段25が補充インクタンク22
(図1参照)から貯留インクタンク20へのインクの補
給動作を開始させる。
【0070】インクの補給動作に際して、制御手段25
は、まず、吸引路切換え機構56における位置検出器5
7が位置指示部材56aを検出している状態にあるか否
かを確認する。位置指示部材56aが位置検出器58に
よって検出されているときは、キャリッジ19を左方の
矢印35方向に移動させて、切換えレバー34を矢印3
5方向に回動させる。これにより、位置検出器57が位
置指示部材56aを検出する状態、つまり図6のような
吸引路切換え状態となる。制御手段25は、位置検出器
57が位置指示部材56aを検出している状態にあるこ
とを確認した後、図5,図6,および図7のように、記
録ヘッド20aとキャップ部材38aとが当接し、かつ
総合吸引口54とキャップ部材54とが当接するよう
に、キャリッジ19を移動させる。その後、制御手段2
5は、モータ60(図4参照)を時計方向に回転させる
ことによって、ギヤ59を介してカム歯車32を回転さ
せる。これにより、吸引ポンプ31は、貯留インクタン
ク20内の空気を気体透過部材48を通して吸引し、そ
の空気を廃液容器33内に排出する。
【0071】吸引ポンプ31による貯留インクタンク2
0内の空気の吸引によって、その貯留インクタンク20
内は負圧となる。このとき、供給手段21は、図7のよ
うに、貯留インクタンク20に補充インクタンク22
(図1参照)を接続している。そのため、貯留インクタ
ンク20内の負圧によって、補充インクタンク22内の
インクが補充管21b、チューブ21aを経由して、貯
留インクタンク20の内部41に吸引される。貯留イン
クタンク20の内部41に流入したインクは、連通する
小さなセルの固まりからなるインク吸収体41aに浸透
し、その浸透が進むにつれてインクの液面41bは上昇
する。インクの液面41bの上昇速度は,吸引ポンプ3
1の吸引力に依存するため、カム歯車32の回転量に応
じて適正な速度に設定される。インクの液面41bが気
体透過部材48に達したときは、その気体透過部材48
がインク等の液体を通さないため、インクの補給は自動
的に停止する。
【0072】各インク毎の貯留インクタンク20(20
Y,20M,20C,20B)は、対応する補充インク
タンク22(22Y,22M,22C,22B)内から
同時にインクが補給される。そして、インクの液面41
bが気体透過部材48に達した貯留インクタンク20
(20Y,20M,20C,20B)の順に、インクの
補給が自動的に順次停止する。
【0073】(他の実施形態)なお、本実施形態では、
インクの補給を停止する要素として、気体通過部材48
を用いているが、本発明はこれに限定するものではな
く、液位センサやその他の方法によってインクの補給を
停止するという形態であってもよい。
【0074】また、本実施形態では、インク袋22aの
一部に弾性部材でできたシール22a1を貼るように
し、この部分に補充管21fが差し込まれるようにした
が、本発明はこの形態に限定せず、インク袋22a全体
を弾性部材で形成してもよい。
【0075】また、本実施形態では、インク袋22aを
タンクケース22bに収容するようにしたが、本発明は
この形態に限定せず、インク袋22aをそのまま記録装
置本体に装着する形態であってもよい。
【0076】また、インク袋22bを廃インクタンクと
して用いることもできる。さらに、針挿入口22eから
タンクケース22b内に硬化性接着ゴムなどの弾性接着
材を充填して、インク袋22eの折り曲げ部をタンクケ
ース22b内に接着固定することにより、インク袋22
aに対して補充管21fをより確実に差し込むことがで
きる。
【0077】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0078】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0079】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0080】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0081】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0082】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0083】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0084】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0085】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0086】
【発明の効果】本発明は、軟質のフィルムが用いられて
構成されたシートを折り曲げて形成された袋状のインク
収納体の折り曲げ部に密着性の高い弾性素材で構成され
シール体を貼着し、該シール体が貼着された折り曲げ
部に中空管を貫通させることによって、中空管を介し
て、インクタンク内部を外部に連通させるため、インク
収納体は単純な袋状の形状で十分であり、その成形は簡
単なので、インクタンク製造のコストを抑えることがで
きる。さらに、折り曲げ部に密着性の高い弾性素材で構
成されたシール体を貼着することにより、中空管が挿入
されても、インク漏れの発生が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における記録装置の断
面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図2の貯留インクタンク部分の拡大正面図であ
る。
【図4】図3の貯留インクタンクの断面図である。
【図5】図3の貯留インクタンクの傾動時における断面
図である。
【図6】図3の貯留インクタンクのインク補給時におけ
る空気吸引系の断面図である。
【図7】図3の貯留インクタンクのインク供給時におけ
る断面図である。
【図8】図3の記録ヘッドの吸引回復時における空気吸
引系の一部切り欠きの断面図である。
【図9】本発明のインクタンクを示す分解斜視図であ
る。
【図10】タンクケース22bにインク袋22aが装着
された状態の本発明のインクタンクの斜視図である。
【符号の説明】
22 補充インクタンク(インクタンク) 22a インク袋 22a1 シール部 22a2 穴 22b タンクケース 22c 第1ケース 22c1 凸部 22d 第2ケース 22d1 凹部 22e 針挿入口(開口部) 22g 針通路 22f 排インク口 22h 排インクシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒 洋治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 平野 弘文 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 倉田 哲治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 植月 雅哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 根津 祐志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 朝木 則泰 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 林 弘毅 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−250105(JP,A) 特開 平11−58763(JP,A) 特開 昭60−32671(JP,A) 特開 平2−77443(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟質のフィルムが用いられて構成された
    シートを折り曲げるとともに、前記折り曲げられた折り
    曲げ部を除く外周部分を溶着することで構成される袋状
    のインク収納体と、該インク収納体を収容するとともに
    インクジェットヘッドと連結し前記インク収納体からイ
    ンクを導出するための先端が針状にされた中空針が挿入
    可能な挿入口を有したインクタンク筐体とを備え、前記
    挿入口を介して中空針を前記インク収納体に挿通される
    ことで内部の液体を導出可能にするインクタンクにおい
    て、 前記インク収納体の前記中空針が挿通する部分には、密
    着性の高い弾性素材で構成された シール体が貼着される
    とともに、前記インクタンク筐体に前記インク収納体を
    収容した状態で、前記貼着されたシール体が前記挿入口
    に面するように位置決め構成を備えていることを特徴と
    するインクタンク。
  2. 【請求項2】 前記インク収納体は、前記シートが溶着
    された外周部分に、前記インクタンク筐体に対して位置
    決めする位置決め穴を有し、 前記インクタンク筐体は、該位置決め穴に対応した個所
    に位置決め部を有していることを特徴とする請求項1に
    記載のインクタンク。
  3. 【請求項3】 前記インクタンク内には更にインク吸収
    シートが収容されていることを特徴とする請求項1に記
    載のインクタンク。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載のインクタンクを装着可能なタンク装着部を具えた記
    録装置であって、 前記タンク装着部は、前記インクタンクの挿入口及びシ
    ール体が貼着された部分を貫通可能な中空管を有し、該
    中空管を経由してインクジェット記録ヘッドに対してイ
    ンクを供給することを特徴とする記録装置。
  5. 【請求項5】 前記インクジェット記録ヘッドは、イン
    クの吐出エネルギーとして熱エネルギーを発生する電気
    熱変換体を有することを特徴とする請求項4に記載の記
    録装置。
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