JP2931511B2 - ヘッドカートリッジおよびプリント装置 - Google Patents

ヘッドカートリッジおよびプリント装置

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JP2931511B2 JP21978793A JP21978793A JP2931511B2 JP 2931511 B2 JP2931511 B2 JP 2931511B2 JP 21978793 A JP21978793 A JP 21978793A JP 21978793 A JP21978793 A JP 21978793A JP 2931511 B2 JP2931511 B2 JP 2931511B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘッドカートリッジお
よびこれらを具備したプリント装置に関し、特にヘッド
カートリッジのインクタンク部の大気連通部の構造に関
するものである。
【0002】ここで、プリントとしては、布、糸、紙、
シート材等の各種のインク付与を受けるインク支持体を
含むもので、各種情報処理装置すべて或はその出力器と
してのプリンタを含むもので、本発明はこれらへの用途
が可能なものである。
【0003】
【背景技術】従来、インクジェット用のヘッドカートリ
ッジは、インクジェットヘッドと一体化され、カートリ
ッジ内のインクがインク吐出できない段階になると、ヘ
ッドと共に廃棄されることが多い。この段階のカートリ
ッジ内に残存するインクの量は、改良を加えても、カー
トリッジ内のほぼ全体に収納されている負圧発生体であ
るスポンジのインク保持能力に支配され、比較的多いも
のとなってしまっていた。
【0004】この種のインク容器としては、特開昭63
−87242号公報記載のものを挙げることができる。
即ち、インク容器内に発泡材が配置され、複数のインク
射出オリフィスを備えたインクジェット記録ヘッド一体
型のカートリッジである。このインク容器においては、
発泡材であるポリウレタンフォームのような多孔質媒体
にインクを貯蔵するためにフォームの毛細管力による負
圧の発生およびインクの保持(インク容器からのインク
漏れ防止)を達成しているが、唯一のインク貯蔵室のほ
ぼ全体に装填されるフォームを必要とすることから、イ
ンクの充填量が制限されるとともに装填され、ほぼ全体
にフォームを必要とすることからインクの充填量が制限
されるとともにフォーム中に使用されずに残るインク量
が多くなり、インクの使用効率が悪いという問題があっ
た。また、インクの残量検知が困難であり、さらにイン
ク消費期間中に負圧が徐々に変化してしまい、ほぼ一定
の負圧を維持することが困難であるという課題があっ
た。
【0005】この構成に対して、ヘッドカートリッジを
実質的にインクのみを保持する構成を採用したカートリ
ッジを開示する公報がある。すなわち、特開平2−52
2号公報には、上方に位置してインクのみを大量に保持
する1次インク貯蔵部と下方に位置したインクジェット
記録ヘッドとの間にわずかな多孔質部材を配置したイン
クジェット記録ヘッド一体型のヘッドカートリッジが開
示されている。上記公報は、多孔質部材をインク貯蔵部
に内蔵せずにインク流路中にのみ配置したことによりイ
ンクの使用効率を向上できるとしている。また、多孔質
部材の側方にインクの保持が可能な空間としての2次イ
ンク貯蔵部を設けることにより、温度上昇(圧力低下)
で1次インク貯蔵部内の空気が膨張することによる1次
インク貯蔵部からの流出インクを溜め、記録時の記録ヘ
ッドへの負圧を実質上一定に維持できるとしている。
【0006】しかしながら、上記公報の発明は、非記録
時においては、上方に位置してインクのみを大量に保持
する1次インク貯蔵部からのインクにより多孔質部材は
インクが充分過ぎるほど含浸せしめられているので、多
孔質部材自体の負圧の発生がほとんど無くなっている。
そのため、わずかな衝撃によりインクジェット記録ヘッ
ドのオリフィスからインクが漏れるという問題があり、
実用に適さない。またインク容器をインク記録ヘッドに
装着する交換型ヘッドカートリッジ形式をこの構成に採
用することは、多孔質部材の状態からインク漏れの状態
となり実用化できないという課題があった。
【0007】これに対して、インクを袋内に封入してそ
の袋の負圧力を一体にするためのバネ構成を負荷したヘ
ッドカートリッジも知られているが、高価なものとなる
だけでなく、そのバネ構成の性能を維持して大量生産を
達成することは困難なものであった。
【0008】いずれにしても、インクジェット用(非接
触プリント型)ヘッドカートリッジとして、インクジェ
ットプリントの分野では、安価で、合理的な技術水準に
あるものは提供されていない。
【0009】本発明者らは、インクジェットプリントの
技術分野に適したインク容器としては、プリント時に記
録ヘッドから吐出されるインク量に見合ったインクを良
好に供給することができ、非プリント時においては吐出
口からのインク漏れなどの不都合がないことの両面性を
それぞれ検討した。その結果、基本構成として、負圧発
生部材を収容すると共に大気との連通を得るための大気
連通部を備えた第1収納室と該第1収納室に対して連通
するが実質的に密閉状態で第1収納室へ供給するための
インクを直接収納するための第2収納室を持つ構成がイ
ンクジェット特性にとって重要な前提であることに至っ
た(以下、この構成を前提構成という)。
【0010】また、本発明者らは、本発明の技術分野と
は異なる接触記録技術を検討することによって、インク
ジェットプリント分野の技術的な特異性について再検討
することにした。一般に、記録媒体に接触して記録を行
う記録計器用ペンは、インク吸収性もあり保持性もある
記録芯に対してインク供給を行なうものであるから、記
録芯自体が大気にさらされていることを前提とし、記録
芯に直接接触する領域にはインクで過飽和状態となって
いるインク含浸体が必須である。つまり、接触記録技術
は、インクジェット分野の技術内容とは根本的に異な
る。
【0011】調査したところ、特開昭57−16385
号公報を見出した。この公報は、記録媒体に接触して記
録を行う記録芯(多孔質型インク吸収性芯)を用いるこ
とを前提とする記録計器用ペンを開示するが、課題とし
ているものは、記録芯自体からのインクあふれのみであ
った。
【0012】この公報が開示する発明は、下方の記録芯
に接触する第1吸液材と上方の大気連通口側にインクを
わずかに吸収しているが第1吸液材に比べてインクを含
みにくい第2吸液材とを備え、記録芯を下方に突出させ
るための中央室と、この中央室の両側にインクを供給す
る密閉型インク収容室とを必須の構成とするものであ
る。この構成によれば、周囲温度の上昇によって密閉型
インク収容室内の空気が膨張して密閉型インク収容室内
のインクが第1吸液材に至り、第1吸液材が保持しきれ
なくなったインクを第2吸液材が吸収することにより、
記録芯からインクがあふれて落下することを防止できる
としている。さらに、この公報は、2つの密閉型インク
収容室の一方が空気だけになった時に、その空気の膨張
を大気連通口側に逃がすための一定幅の溝を、中央室と
密閉型インク収容室との仕切り壁とは異なる側面の最下
端から最上端までにわたって設けることも開示してい
る。
【0013】さらに、本発明者らは、技術的には類似点
の少ない非接触記録のインクジェットヘッドに、このタ
ンク構成のみを適用することに着眼したところ、環境条
件の変化に伴って、大気連通口からのインクあふれとい
う新たな現象を確認した。しかも、上記記録計器用ペン
の記録芯に直接接触する領域にはインクで過飽和状態と
なっているインク含侵体である第1吸液材は、負圧を発
生することを必要としないためにインクジェット技術に
とっての共通性が見られないことも確認できた。この新
規な現象は、記録計器用ペンの分野では認識されてはお
らず、負圧を安定したものにするための技術的示唆もこ
の分野からは得るものがなかった。
【0014】また、上記記録計器用ペンの一定幅の溝
は、空気と共にインクを排出促進する機能もあるため、
大気連通口からのインクあふれを一層促進してしまうこ
とも確認できた。さらに、両側のインク収容室からのイ
ンク消費は、同等ではなく、先に一方のインク収容室の
インクが無くなると、他方に大量のインクが残存してい
るにもかかわらず、インクジェット記録ができなくなっ
てしまった。これは、他方のインク収容室のインクが無
駄になり、根本的にインクジェット技術の目的に反する
結果であった。この原因は、第1吸液材内に空気が大量
に入り込み、結果的にインクの供給ができなくなったた
めであった。
【0015】このような背景問題を解決した画期的なイ
ンクジェット用カートリッジを本出願人は先に出願して
いる(特願平4−198474,特願平4−19868
1)。これは、負圧発生部材を収容すると共に大気との
連通を得るための大気連通部を備えた第1収納室と該第
1収納室に対して連通するが実質的に密閉状態で第1収
納室へ供給するためのインクを直接収納するための第2
収納室を有する前提構成のカートリッジに、インクジェ
ット用として有効に機能できる構成を与える発明であ
る。この構成によれば、ヘッドカートリッジの使用初期
から使用終了までの間の大半を負圧が実質上ほぼ一定に
できるタンク構造体であるために、高速記録にも対応可
能な交換型ヘッドカートリッジおよびインクジェットヘ
ッドとプリンタをも提供できるものである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的
は、上記背景技術に鑑み、上記インクジェット用ヘッド
カートリッジ、従来の負圧発生部材がほぼ全体に収納さ
れているヘッドカートリッジ、さらには上記第1および
第2の収納室をもつインクタンク部とインク吐出部(ヘ
ッド部)との一体型ヘッドカートリッジのいずれにも適
用できる信頼性の高い、生産性の良い大気連通口の構造
を提供するものである。
【0017】本発明の他の目的は、上記第1および2収
納室をもつインクタンク部とインク吐出部とを一体型に
したヘッドカートリッジであって、インクタンク部のイ
ンク収納室内のインクが負圧発生部材に供給されている
段階で形成される気液界面、すなわち負圧発生部材中の
気体である外気とインクとの気液界面を安定化し、イン
ク吐出部に常に安定的にインクを供給し得ることを可能
とした気液交換促進構造、インク供給促進構造、大気連
通口構造を有したインクジェットヘッドカートリッジを
提供することにある。
【0018】本発明の別の目的は、上記一体型ヘッドカ
ートリッジで、物流時の様々な姿勢変化、環境温湿度の
変化における大気連通口部からのインクもれに対し信頼
性の高い製造コストの安価なインクジェットヘッドカー
トリッジを提供することにある。
【0019】本発明のさらに別の目的は、上記一体型ヘ
ッドカートリッジで使用前の初期状態あるいは使用中の
記録状態と、非記録状態において、インクタンク部内部
に負圧を発生せしめ、その変動を最小限に抑えるととも
に、常に安定的にインクを供給できるインクジェットヘ
ッドカートリッジを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、ヘッド部と該ヘッド部にイ
ンクを供給するための連結開口部と、該連結開口部から
離れた大気連通部とを壁部に有し、かつ、内部に前記イ
ンクを含む負圧発生部材を収容するインクタンク部とが
連結されたヘッドカートリッジにおいて、前記大気連通
部は一つの孔を有しており、該孔は前記インクタンク内
部から壁部内面まで延びかつ壁部外面付近において行き
止まる筒部と、該筒部の行き止まり部分から複数に分割
された開口部とを含むことを特徴とする。
【0021】ここで、請求項1記載のヘッドカートリッ
ジにおいて、前記壁部外面上には前記孔の前記開口部か
ら延びる溝が形成されており、かつ、該溝および前記開
口部は前記溝の長さより短い幅のシール材により被覆さ
れてもよい。
【0022】請求項3記載の発明は、ヘッド部と該ヘッ
ド部にインクを供給するための連結開口部と、該連結開
口部から離れた大気連通部とを壁部に有し、かつ、内部
に前記インクを含む負圧発生部材を収容する第1の収納
室と、該第1の収納室に隔壁を介して隣接し、かつ、該
隔壁に形成された微小連通部を通して前記第1の収納室
と連通する第2の収納室とを含むインクタンク部とが連
結されたヘッドカートリッジにおいて、前記微小連通部
の上方に前記負圧発生部材の上部に達する気液交換促進
構造を有し、かつ、該気液交換促進構造の頂部の位置が
前記連結開口部に連結されたインク吐出部上端より2m
m以上5mm以内に設定されていると共に、前記微小連
通部近傍から前記連結開口部までの前記第1の収納室の
底面には、前記第2の収納室の底面より1.5mm低い
インク供給促進構造が設けられていることを特徴とす
る。
【0023】請求項4記載の発明は、ヘッド部と該ヘッ
ド部にインクを供給するための連結開口部と、該連結開
口部から離れた大気連通部とを壁部に有し、かつ、内部
に前記インクを含む負圧発生部材を収容する第1の収納
室と、該第1の収納室に隔壁を介して隣接し、かつ、該
隔壁に形成された微小連通部を通して前記第1の収納室
と連通する第2の収納室とを含むインクタンク部とが連
結されたヘッドカートリッジにおいて、前記第2の収納
室の稜線部は、それぞれ曲率半径Rが0.5mm以上2
mm以下の範囲の曲面形状であることを特徴とする。
【0024】ここで、請求項4記載のヘッドカートリッ
ジにおいて、前記負圧発生部材が当接する前記第1の収
納室の稜線部は、それぞれ曲率半径Rが0.5mm以上
の曲面形状であり、かつ該稜線部の曲面が前記微小連通
部に干渉しないものであってもよい。
【0025】請求項6記載の発明は、ヘッド部と該ヘッ
ド部にインクを供給するための連結開口部と、該連結開
口部から離れた大気連通部とを壁部に有し、かつ、内部
に前記インクを含む負圧発生部材を収容する第1の収納
室と、該第1の収納室に隔壁を介して隣接し、かつ、該
隔壁に形成された微小連通部を通して前記第1の収納室
と連通する第2の収納室とを含むインクタンク部とが連
結されたヘッドカートリッジにおいて、前記第1の収納
室と前記第2の収納室との容積比は1:3〜1:1の範
囲内に設定され、前記第1の収納室内に収容された前記
負圧発生部材に含浸される初期のインクの量は前記負圧
発生部材の収容時の容積の1/2以内に設定され、か
つ、該負圧発生部材中の記録中のインク液位は、前記第
2の収納室内にインクが存在している間は常に前記連結
開口部に連結されたインク吐出部上端より2mm以上5
mm以下の高さの範囲に設定されていることを特徴とす
る。
【0026】ここで、上記請求項3、4または6のいず
れかに記載のヘッドカートリッジにおいて、前記大気連
通部は一つの孔を有しており、該孔は前記インクタンク
部の内部から壁部内面まで延びかつ壁部外面付近におい
て行き止まる筒部と、該筒部の行き止まり部分から複数
に分割された開口部とを含むものであってもよい。
【0027】ここで、上記ヘッドカートリッジにおい
て、前記壁部外面上には前記孔の前記開口部から延びる
溝が形成されており、かつ、該溝および前記開口部は前
記溝の長さより短い幅のシール材により被覆されていて
もよい。また、上記ヘッドカートリッジにおいて、前記
微小連通部近傍の前記第2の収納室の底面上には前記微
小連通部の寸法と同寸法またはそれ以上の寸法を有する
突起が設けられていてもよい。
【0028】請求項10記載の発明は、ヘッド部と該ヘ
ッド部にインクを供給するための連結開口部と、該連結
開口部から離れた大気連通部とを壁部に有し、かつ、内
部に前記インクを含む負圧発生部材を収容する第1収納
室と、該第1収納室に隔壁を介して隣接し、かつ、該隔
壁に形成された微小連通部を通して前記第1の収納室と
連通する後方第2収納室と、該後方第2収納室と前記微
小連通部より大きい連通部を有する仕切壁を介して隣接
する側方第2収納室とを含むインクタンク部とが連結さ
れたヘッドカートリッジにおいて、前記第1収納室と、
前記後方第2収納室および前記側方第2収納室との容積
比は1:1.5に設定され、前記第1収納室内における
前記負圧発生部材は前記第1収納室内の容積の2/3以
下の容積を占め、残りは空気層とされ、前記大気連通部
は前記第1収納室の底面と対向する上面に形成され、該
大気連通部は一つの孔を有し、該孔は前記インクタンク
部の内部から壁部内面まで延びかつ壁部外面付近におい
て行き止まる筒部と、該筒部の行き止まり部分から複数
に分割された開口部とを含むものであり、前記壁部外面
上には前記孔の前記開口部から延びる溝が形成されてお
り、かつ、該溝および前記開口部は前記溝の長さより短
い幅のシール材により被覆され、前記微小連通部の上方
に前記負圧発生部材の上部に達する気液交換促進構造を
有し、かつ、該気液交換促進構造の頂部の位置が前記連
結開口部に連結されたインク吐出部上端より2mm以上
5mm以内に設定されていると共に、前記微小連通部近
傍から前記連結開口部までの前記第1の収納室の底面に
は、前記後方第2収納室および前記側方第2収納室の底
面より1.5mm低いインク供給促進構造が設けられ、
前記第1の収納室内に収容された前記負圧発生部材に含
浸される初期のインクの量は前記負圧発生部材の収容時
の容積の1/2以内に設定され、かつ、該負圧発生部材
中の記録中のインク液位は、前記後方第2収納室および
前記側方第2収納室内にインクが存在している間は常に
前記連結開口部に連結されたインク吐出部上端より5m
m以下の高さの範囲に設定され、前記後方第2収納室お
よび前記側方第2収納室の稜線部は、前記微小連通部を
除いて、それぞれ曲率半径Rが2mmの曲面形状であ
り、前記微小連通部近傍の前記後方第2収納室の底面に
は高さ2mmで幅14mmの突起が設けられていること
を特徴とする。
【0029】ここで、請求項10記載のヘッドカートリ
ッジにおいては、前記大気連通部は一つの孔を有してお
り、該孔は前記インクタンク部の内部から壁部内面まで
延びかつ壁部外面付近において行き止まる筒部と、該筒
部の行き止まり部分から複数に分割された開口部とを含
むものであってもよい。このヘッドカートリッジにおい
て、前記壁部外面上には前記孔の前記開口部から延びる
溝が形成されており、かつ、該溝および前記開口部は前
記溝の長さより短い幅のシール材により被覆されていて
もよい。
【0030】請求項13記載の発明は、プリント装置で
あって、上記いずれかのヘッドカートリッジと、該ヘッ
ドカートリッジを着脱自在に装着する手段とを含むこと
を特徴とする。
【0031】ここで、上記プリント装置において、前記
ヘッド部は、前記インクを吐出するために利用されるエ
ネルギを発生する素子として、前記インクに膜沸騰を生
じさせる熱エネルギを発生する電気熱変換体を有するも
のであってもよい。
【0032】ここで本発明のインクジェットヘッドカー
トリッジに適用される負圧発生部材のように、インク過
飽和状態でない負圧発生部材を用いることを前提とする
インクジェットヘッドカートリッジのインクタンク部は
上述のように知られているが、これに実質的に密閉状態
のインク収容室を隣接させた構成は知られていない。そ
のため、まず、本発明のインクジェットヘッドカートリ
ッジのインクタンク部の構成について以下に説明する。
【0033】保存状態や使用状態に関わらず、従来の技
術水準を一掃する技術観点として、上記前提構成に加え
て、負圧発生部材の大気連通部近傍領域をインクを保持
していない領域とすることで、環境条件の変動に対し
て、インクタンク部内のインクが大気連通部から漏れる
ことを防止できる利点がある。
【0034】また、使用状態にあっては、この領域は、
タンク部内に必要に応じた量の大気を効率よく供給で
き、インクジェットヘッドカートリッジ内の負圧変化を
抑制する効果もある。この大気連通部近傍領域は、全く
インクによる濡れがないものであると、インク自体の浸
透速度をより減速させることができるので好ましいが、
インクにより予め濡らした後にそのインクを除去した領
域としても良い。
【0035】さらに好ましくは、該負圧発生部材が収納
される第1収納室の大気連通口近傍を負圧発生部材が収
納されない空気層とし、該空気層内に大気連通の管を配
設すると、物流姿勢や、環境温湿度あるいは、その双方
が重複した条件下においても、インクタンク部のインク
が大気連通部から漏れることを防止できる。
【0036】また本発明は、上記前提構成に加えて、イ
ンクタンク部の底面に、インク吐出部へインクを供給す
る連結開口部と、上記底面の一部に上記微小連通部とを
配し、インク吐出部のインク供給口による負圧発生部材
の圧縮(または、圧縮可能)領域を存在させる構成とす
ることで、第2収納室のインクが負圧発生体内に安定し
た実質的なインク供給路を確保でき、これをより安定さ
せる構成として、インクの下面に関して上記インク供給
用開口を上記微小連通部よりも上方に位置させることを
挙げることができる。なお、本発明で云う「供給管」
は、インクジェット特有の挿入管はもとより、カートリ
ッジに付設され負圧発生体を圧縮変形せしめている弁構
造や連結部材をも含むものである。この配置関係の作用
は、実質的なインク移動方向を一定化でき、第2収納室
のインクがすべて消費でき、この消費後も、第2収納室
内の空気が減圧下にあることを解消する方向に大気が仕
切り壁側から、対向する開口側に移動するように介在す
ることで、結果的に、負圧発生体内のインクを消費可能
にして、残存インクを減少できることにある。
【0037】特に、上記前提構成に加えて、上記微小連
通部を形成する仕切り壁から開口側に向かって、負圧発
生体の供給管によって圧縮されない領域、負圧発生体の
供給管によって圧縮される領域を、この順に有すること
で、圧縮されない領域には前述した1方向のインク供給
路を形成でき同様の効果が得られ、さらに圧縮領域のイ
ンク確保能力によって一層インク残量を減少できる。
【0038】従って、本発明では、より好ましくは、上
記列挙の3構成をすべて満足するものとすることができ
るが、無論上記構成の単独もしくは任意の2構成の複合
は当然優れた効果が得られることが理解できよう。
【0039】一方、本発明のインクジェットヘッドカー
トリッジは、操作者の手指に触れることになるが、通常
は不都合は発生しにくいが、強力に圧力を加えたりする
とインクのみを収納する収納室は大きさにもよるが変形
しやすい。従って、この外圧による課題を解決する構成
として、微小連通部を構成する仕切り壁よりも間隙を大
きく開ける仕切り板をインクのみの収容室に設けること
は好ましいものである。
【0040】本発明のインクジェットプリンタ装置とし
て、上記本発明のインクジェットヘッドカートリッジを
装着したことに対応して、自動的あるいは手動的にタン
ク部内からのインク排出をインク吐出部を介して吸引手
段による吸引或は吐出によって実行することは、負圧発
生体内のインク状態をプリント前に修正できるので、ヘ
ッド部の放置状態に左右されずに、記録ヘッド本来の上
記機能を利用することができる。 なお、上記前提構成
における微小連通部の仕切り壁までの高さは、負圧発生
部材の平均孔径(好ましくは微小連通部近傍の平均孔
径)より大きく(実用上は0.1mm以上)、5mm以
下が適している。より安定化を期待するのであれば、3
mm以下が好ましい。また、負圧発生部材を挿入した収
納室の容積とインクのみの収容室の容積の比を1:1以
上1:3以下の範囲内とすることが実用上の最適範囲と
して挙げることができる。
【0041】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0042】図1〜図3は、本発明のヘッド部とインク
タンク部とが連結されたヘッドカートリッジの一実施例
を示すものであって、図1は、本実施例の外観斜視図で
あり、図2は、図1に示したヘッドの構成を示す一部を
断面視した模式的斜視図であり、図3は、図2に示した
ヘッドを裏側からみた概略断面図である。
【0043】図2に示すように、本実施例におけるイン
クタンク部1000は、ヘッド部としてのインク吐出部
2000へインクを供給する連結開口部1101をタン
ク部1000の底面に有し、かつ負圧発生部材1102
を収容し大気連通部1150を第1収納室1100と、
この第1収納室1100の底面に微小連通部1300で
連通し第1収納室1100にインクを供給するためのイ
ンクを収納する後方第2収納室1200と、この後方第
2収納室1200とは上記微小連通部1300より大き
い連通部を有する仕切壁1251aおよび1251bで
連通する側方第2収納室1250とから概略構成されて
いる。
【0044】ここで第1収納室1100には、第1収納
室の底面側から2/3の領域に負圧発生部材1102が
収納される。
【0045】このとき、負圧発生部材1102が収納さ
れない部分の容積分が確実に確保されるように、第1収
納室1100の天井には、負圧発生部材ストッパーリブ
1103a,1103bおよび1103cが3ヶ所配設
され、これにより負圧発生部材1102の過度の挿入を
抑えている。
【0046】上記三つのストッパーリブにより、その間
に形成される第1収納室内の領域は空気層1104とさ
れ、この空気層中に、大気連通部1150が配されるよ
うになっている。ここで、大気連通部の第1収納室側開
口部1152は、負圧発生部材1102から一定の間隔
を常に確保した位置にあることが重要であり、本発明者
らの検討の結果、負圧発生部材1102の挿入時のバラ
ツキや、ストッパーリブ1103のめり込み、または温
度上昇によるストッパーリブ1103の軟化変形を考慮
して、上記間隔は3mm以上5mm以下であることが好
ましいという結果を得た。ここで、上限を規制する理由
は、第1収納室天井から、前記第1収納室側開口部11
52までの距離を充分に確保することが、逆さ姿勢時の
インクもれに対して安全率を得る上で重要であるからで
ある(後に詳述する)。なお、図2中の矢印A方向は本
実施例に係るヘッドの走査方向を示し、矢印B方向はヘ
ッドからのインク吐出方向を示している。
【0047】図4は、本実施例における大気連通部周辺
の構成を説明した拡大断面斜視図であり、図5は、図4
に示した大気連通口開口部1151を上面から見た図で
ある。大気連通部1150は、図4に示すように、第1
収納室1100内部からその壁部まで延びかつ壁部外面
近傍において行き止まる筒部1150aと、この筒部1
150aの行き止まり部分から複数(本実施例では3
個)に分割された開口部(大気連通口開口部1151)
とから概略構成されている。なお、上記筒部1150a
の大気連通口開口部1151とは反対の端部は上記第1
収納室側開口部1152に相当する。そして、この大気
連通部1150は、インクタンク部1000の内部をプ
リント時中に外部と同じ気圧を得るための穴であるが、
インクの蒸発の観点からすれば、細く長いものが好まし
い。しかしこのような形状は、インクタンク部1000
の製造工程において容器をプラスチックのインジェクシ
ョンモールドで成形する場合、金型の加工保守、成形サ
イクルの面で機能と相反していた。その結果、インクの
蒸発をある程度割り切るか、大気連通部周辺の部品を複
数にして、目標を達するかのいずれかであった。前者
は、特にカラー記録ヘッドにおいては、使用初期と終了
近くで色味が変わるという問題を有しており、また後者
では、製造工程の複雑化のため加工工数の増加を招き、
結果として高価な記録ヘッドとなっていた。
【0048】本発明者らは、以上の問題に対し細く長い
大気連通口をインジェクションモールドで成形する際
に、金型の細いピンを成形時に振れぬよう保持するとと
もに複雑な形状の部品の一部品化、また製品の表面に配
設された大気連通部の開口部からのタンク容器内部への
異物のストレートの侵入を防止する構造を提案した。
【0049】図4において、大気連通口開口部1151
側は、金型の固定側CAVに設けられた3つの爪でスラ
イド側のピンを受けることにより細く長いピンを精度良
く位置決めし、成形できる。本実施例では、内径φ1.
0mmの長さ10mmの大気連通口が一般的成形サイク
ルの約20秒で加工できる。本実施例では、大気連通口
開口部1151を3つに分割したが、3ヶ所に限るもの
ではなく、2ヶ所あるいは4ヶ所であってもよい(図6
(a)および(b)参照のこと)。また、ゲートの位置
と大気連通部の位置関係から、樹脂の流れの圧力による
スライドピンのたおれを保持する側に1ヶ所の爪を設け
てクランク状の貫通穴を成形しても良い(図6(c)参
照のこと)。また、本実施例のタンク部に限らず、図1
に示す第2収納室を有するインクカートリッジでも良く
またタンク部のほとんど全て負圧発生部材が収容された
一体型または交換型タンク容器においても有効であるこ
とは言うまでもない。
【0050】次に、本実施例の大気連通口開口部115
1表面は、タンク容器表面より0.2mm以上低いラベ
ル貼り逃げ面1105よりさらに1mmくぼませた溝1
153の中に開口し、この溝1153を粘着層を有する
プラスチックフィルム(例えばラベル)(不図示)で覆
い、フィルムより長く延長された溝で大気と連通され
る。
【0051】溝1153は、フィルムの両サイドにフィ
ルム幅より長く形成されており、フィルムを正位置に貼
った場合、フィルム両サイドに2ヶ所の大気との開口部
を有し、フィルムをどちらか片側にずらして貼り付けた
場合でも必ず1ヶ所は大気との開口部を確保することを
可能としている。大気連通口開口部1151をフィルム
で被覆する狙いは、外観的な要因が最も大きいが、他の
狙いは大気連通口の総延長を長く確保し蒸発を抑制させ
ることにもある。プラスチックフィルムには、合成紙ユ
ポとポリプロピレンフィルムをラミネートしたものや、
前者2層間に印刷層を入れたフィルムに粘着層を施した
ものを用いることができる。
【0052】次に、図7を参照してインクタンク部にお
ける負圧発生について述べる。
【0053】第1収納室1100の負圧の状態は図6に
示されたように負圧発生部材1102の負圧発生力とイ
ンク吐出部連結面から上部にある負圧発生部材1102
内のインクの保持量によって決定される。また第1収納
室1100内の負圧は、ヘッド吐出口からのインクもれ
を考慮してインク吐出部連結面とヘッド吐出口面との間
の距離をDmmとすると、−DmmAq以上でなければ
ならない。
【0054】また、上限の負圧値は、インク供給におけ
るインク切れや、不十分な供給のための印字の濃度の低
下や、画像の乱れを考慮して決定されなければならな
い。本実施例においては、D=20mmであり、負圧発
生部材1102内の負圧は、−20mmAqから−40
mmAqの範囲に設定される。
【0055】第1収納室1100の負圧の制御の一手段
としては、上記第1収納室1100と第2収納室120
0とを仕切る隔壁1100aの第1収納室1100側の
壁面であって微小連通部1300の上側部分が薄肉に形
成された構造、または隔壁1100aの壁面に設けられ
た溝を含む構造を有する気液交換促進構造1110の高
さhを調整する方法を挙げることができる。この構造を
利用すれば、溝等を通して第1収納室1100から密閉
状態の後方第2収納室1200へ空気が移動すると同時
に、逆に第2収納室1200から第1収納室1100内
の負圧発生部材1102にインクが供給され、気液交換
促進構造1110の頂部以下にインクの液位を維持する
ことができる。従って、この気液交換促進構造1110
の頂部を変化させることによって、第1収納室1100
内の気液境界面を任意の位置に設定できる。
【0056】本実施例においては、インク吐出部連結面
から気液交換促進構造頂部までの高さhを5mmとす
る。これにより記録時および非記録時(待機中も含む)
の気液交換時のインク液位をインク吐出部連結面から2
mm〜5mmの範囲を常に維持し、後方第2収納室12
00および側方第2収納室1250内のインクを全て使
い切るまで、安定した状態を作ることが可能である。
【0057】本実施例において、第1収納室1100の
底面には、その底面より若干低い部分を有するインク供
給促進構造1120が設けられている。このインク供給
促進構造1120の構成は詳述するが、この構造は微小
連通部1300からインク吐出部連結面へインクの途切
れをなくす目的で配設されたものであって、上述した気
液交換促進構造1110の高さ調整だけでは、適正負圧
を得られない場合に、極めて有効な手段となる。例え
ば、インク吐出部2000との連結開口部1101がイ
ンクタンク部1100の底面にある場合や、微小連通部
1300から、連結開口部1101までの距離が長い場
合、あるいは図2に示す本実施例の如く、両者を共に備
えている場合に有効である。
【0058】本実施例のタンク部構造の場合、適正負圧
を得るための気液交換促進構造1110の頂部高さhは
5mmであったが、この高さではインクは連続して安定
供給しつづけず、途中でインクが切れてしまう。逆に、
インクが安定供給する高さhを確保するため、h=15
mmとすると、適正負圧が得られず、インク吐出部連結
面上のインク量が増え、インク吐出口面に正圧がかかっ
てしまい、インクもれが生じる。
【0059】このような問題を解決するために採られた
手段が前記インク供給促進構造であって、適正負圧の維
持と、インクの安定供給の双方を同時に満足する画期的
手法である。
【0060】本実施例においては、インク供給促進構造
1120の深さを、後方第2収納室1200および側方
第2収納室1250の底面や微小連通部1300底面よ
り1.5mm低くすることで、前述の問題を全て解決し
ている。
【0061】また、本実施例におけるインク供給促進構
造1120は、一様に低い底面としたが、同様の深さの
スリットを数本配してもよい。また、連結開口部110
1が、微小連通部1300を有する隔壁1100aと相
対した構造のインクタンク部においては、突起状のリブ
を配しても同様の効果が得られることが確認された。次
に、図8〜図10を用い、本構成のインクタンク部の大
気連通口からのインクもれについて述べる。
【0062】本実施例の構成のインクジェットヘッドカ
ートリッジにおいては、物流中は、蒸発を防止するとと
もに前記ヘッドに外傷が加えられないように、また機能
が損なわれないように、パッケージされた状態におかれ
る。
【0063】その間、ヘッドの特性を最も左右する吐出
口面が保護用シールテープで覆われるが、インクジェッ
トヘッドカートリッジの内部に通ずる大気連通部の開口
部はシールしない。交換型インクカートリッジの場合
は、ヘッド部との連結開口部と大気連通口のみのため、
これら2つの開口部をシールテープで密封することがあ
る。
【0064】しかし一体型ヘッドの場合、インクもれを
防ぐために全ての開口部をふさぐと、環境変化による内
部圧力の増加により、開口部のほか吐出部とタンク部の
連結部などから、インクがもれることがある。
【0065】また、インク吐出口はシールテープで完全
に密封することは構造上できない。このような観点か
ら、一体型インクジェットヘッドカートリッジは物流パ
ッケージ内で、大気連通口は開放された状態になってい
る。
【0066】このため第1および第2の収納室を有する
構成のインクタンク部では、ヘッドカートリッジを装置
姿勢の状態で物流されれば大気連通口は、上方に位置す
るのでインクもれは発生しないが、その他の姿勢の場
合、特に逆さ姿勢においては、第2収納室のインクが空
気層1104に流入し、大気連通口よりもれ、パッケー
ジ内に飛散することがあった。
【0067】本実施例では、上述したあらゆる物流姿
勢、環境温湿度あるいはその双方が重複した条件下にお
いてもインクタンク部のインクが大気連通部から漏れる
ことを防止する手段として、第1収納室1100の負圧
発生部材1102が当接する4ヶ所の鉛直稜線部111
5a,b,cおよびdに、曲率半径Rが2mmの曲面形
状を付し、負圧発生部材1102が、コーナー部でめく
れや、捻れて隙間が生じることがなく、インクの流入や
集中が発生しないように四隅で吸収体を均一に圧接する
ようになっている。
【0068】一方、後方第2収納室1200および側方
第2収納室1250の微小連通部1300を除いた鉛直
稜線部1215a,b,c,dおよびeの5ヶ所につい
ても、曲率半径Rが2mmの曲面形状を付すとともに、
後方第2収納室1200底面の微小連通部1300近傍
に高さ2mm,幅14mmからなる突起1201を配設
する。上述した2つの第2収納室の各稜線部の曲面付与
ならびに底面突起の必要性は、本発明者らによって成さ
れた以下の実験結果から基づくものである。
【0069】図10の(a)〜(c)は、2つの第2収
納室1200および1250の鉛直稜線部1215a〜
eおよび底面突起1201が無い状態のヘッドカートリ
ッジの断面図である。ヘッドカートリッジを吐出口面を
上にした逆さ状態とし、かつ高温(60〜80℃)とし
た物流環境下におくと、第2収納室内に充填させたイン
クが熱膨張するとともに微小連通部1300を通して負
圧発生部材1102中に浸透する。このとき、内圧は大
気連通口から解放される。次に、大気連通口より微小連
通部1300を通って、気液交換が進み、第2収納室1
250に空気が満たされる(図10(a)参照のこ
と)。
【0070】さらに、第2収納室1250内のインクと
第1収納室1200内の空気との気液交換は、インク液
位が隔壁1100aの微小連通部1300の高さより低
くなっても行なわれる。これは、第2収納室1250内
の底面(この図の場合上面)と直交する5ヶ所の鉛直稜
線のエッジ部が毛管力によってインクを引き上げるとと
もに、第2収納室1250内の空気の膨張がそれを助長
させることによるためである(図10(b)参照のこ
と)。
【0071】さらに、第2収納室1250内の空気層
は、インク中の水分の蒸発分も含んでおり、第2収納室
底面(この図では上面)で過飽和状態の水蒸気が結露す
る現象が発生する。特に、温度変化を与えるとこの状態
はさらに顕著に発生する。その結果、結露した水滴が徐
々に集まり、大きな水滴となって一部はインク中に滴
下、一部は、微小連通部を通って負圧発生部材1102
に吸い込まれる。これと、上述した稜線部のインクの毛
管力による引き上げによって、第1収納室内に移動した
インクが、空気層1104に貯留され、インク液位が大
気連通部の高さを越えたところで大気連通口より外部へ
インクがもれ始める(図10(c)参照のこと)。
【0072】これに対し、図9の(a)および(b)は
第2収納室の5つの底面と直交する鉛直稜線部に曲面形
状を付与し、さらに微小連通部1300の近傍に突起1
201を配設したヘッドカートリッジを吐出口面を上に
して置いた本実施例に係る場合の断面図である。
【0073】図9においても、初期は高温環境下にさら
されると、インクの体積が膨張し、負圧発生部材110
2中にインクが浸透する。これと気液変換が行なわれ、
微小連通部1300の高さ分に相当する体積のインクが
第2収納室1200から第1収納室1100へ移動する
(図9(a)参照のこと)。
【0074】しかし、第2収納室1200の鉛直稜線に
は曲面形状が施してあるため、インクに毛管力が働か
ず、初期状態のままインクの移動はそれ以上は行なわれ
ない。また、第2収納室1200の底面(この図では上
面)に結露した水滴は、微小連通部1300近傍に設け
た突起1201に阻止され、負圧発生部材1102には
吸われず、第2収納室1200内のインクに滴下してし
まう。従って、一定量以上のインクは移動せず、結果と
して、大気連通口からのインクもれを防ぐことが可能と
なるものである(図9(b)参照のこと)。
【0075】ここでさらに、大気連通口の連通部高さH
(図7参照のこと)は、万が一空気層1104内にイン
クが流入したとき大気連通口の第1収納室側開口部11
52にインクが流れない高さとする必要がある。本実施
例では、吐出口を上にした逆さ状態で第2収納室120
0のインクが最大流入し得る量に対するインク液位に対
し、2倍の安全率を乗じて、H=10mmとした。
【0076】次に、図11〜図12の(a)〜(d)を
参照して本実施例におけるインクタンク部の製造工程に
ついて述べる。
【0077】図11で1600はインクタンク容器、1
102は負圧発生部材、1400は容器フタである。1
202aおよびbは、インク残量検知用の電極ピンであ
り、1203および1204は、各々電極ピンから、イ
ンク吐出部に配設された電極までを継ぐコンタクト部材
である。1206はインク注入口、1205はインク注
入口栓である。インクタンク容器1600は、樹脂の一
体成形により形成される。インクタンク容器1600の
第1収納室1100内には負圧発生部材1102が収納
されるが、図11の矢印方向に両側より圧縮された後、
挿入される。負圧発生部材1102の体積は、収納に際
して1/3〜1/4に圧縮される。
【0078】その後、容器フタ1400をタンク容器1
600に接合するが、この接合に際しては、接合部の気
密性重視と、生産性の観点から溶着により行なわれる。
なかでも、超音波溶着は、その信頼性・生産性の双方か
ら好ましい手段である。しかる後、電極ピン1202a
およびbをコンタクト部材1203および1204を介
して、タンク容器1600の側方第2収納室1250の
底面近傍に圧入溶着される。
【0079】このようにして組み立てられたインクタン
ク部1000に容器フタ1400に開口されているイン
ク注入口よりインクを注入する。注入工程を図12の
(a)〜(d)に示す。インクの注入に際しては、微小
連通部を最上部にした逆さ姿勢で加圧定量注入を行な
い、図12の(a)に示すように、インク供給口内径φ
1.5mm、注入速度約4cc/秒で注入を行なうと、
泡立ちのない良好な注入状態が得られる。第2収納室が
インクで満たされ微小連通部から、負圧発生部材に流れ
込んだ時点で注入を止め、供給口先端を抜くとほぼ同時
に栓を行なう(以上一次注入)(図12の(b)および
(c))。しかる後、インク吐出部の開口部より、該位
置を最上部となる姿勢に変え定量加圧注入を行ない、注
入が完了する(以上二次注入)。
【0080】この二次注入では、供給口が負圧発生部材
1102と触れる程度の挿入状態で一次注入と同様に、
φ1.5mmのノズルから約4cc/秒の注入速度で注
入を行なうことにより、均一にインクが分散する。
【0081】最後に、タンク外面にラベルを貼ってイン
クタンク部は完成する。
【0082】次に、インク吐出部の構成およびその組立
方法について説明する。
【0083】図13は、本実施例におけるインク吐出部
2000の構成を示す分解斜視図である。ここで210
0は、インク吐出用エネルギーたる熱エネルギーを発生
する素子(ヒーター)を配列した基板(ヒーターボー
ド)であり、2400は、各素子に対応した液流路を形
成するための溝(図示略)が設けられるとともに各液流
路に対応したインク吐出口を形成した部材を有してなる
天板(溝付天板)である。2200は、ヒーターボード
2100に電力を供給する回路基板、2300はインク
吐出部の実装の基準となるベースプレート、2500は
天板2400とヒーターボード2100とを密着させる
ことによって吐出部を構成するため吐出口近傍に均一圧
(線圧)を与える押えバネである。
【0084】2600はホルダーであり、インクタンク
部からインク吐出部へインクを供給する流路を内部に備
えており、ホルダーのインクタンクとの連結面には、異
物の侵入を防ぐフィルター2700が溶着されている。
【0085】図13において、支持体2300の表面上
には前端面2300aに近接した所定領域2405に所
定の厚さで接着剤が塗布されており、この塗布面上にヒ
ーターボード2100がその前端面2100aと支持体
2300の前端面2300aとが面一になるように接着
固定されている。このヒーターボード2100の上に
は、天板2400が図14に示すようにオリフィスプレ
ート2400aをヒーターボード2100および支持体
2300の両前端面2100aおよび2300aより前
方に配設させるように仮接合の状態で配設されている。
ここで図14において2105はヒーターボード210
0上の所定の位置に設けられた電気熱変換体としての吐
出ヒーターである。また、2411および2412は天
板2400に形成されたインク流路用溝であり、242
1および2422は天板2400のオリフィスプレート
2400aにエキシマレーザーによって穴形成された吐
出口である。
【0086】このようにヒーターボード2400上に仮
接合された天板2400および支持体2300上に図1
5に示すようにヒーターボード2100および天板24
00、さらに、配線基板2200を保護するように覆い
かぶさるホルダー2600が配設されている。
【0087】以下に本発明のインクジェットヘッドカー
トリッジの組み立て方法を説明する。
【0088】支持体2300上にヒーターボード210
0を接着剤(シリコーン系接着剤SE4400:東レ
製)厚さ10〜30μmにより貼り合わせた後、配線基
板2200との接続をアルミワイヤーによるワイヤーボ
ンディングで接続する。天板2400のインク吐出口と
ヒーターボードの吐出ヒーター2105とを位置合わせ
し、ついで天板2400の両端部に付与した紫外線硬化
型接着剤(TB3006B:スリーボンド製)を介して
仮止めを行なう。次いで、天板2400とヒーターボー
ド2100の接合のため、吐出口ないし液流路近傍を集
中的に押圧するバネ2500を組み付ける。バネ250
0には、バネ足2500a,2500bが両サイドにあ
り、これが、ヒーターボード2100と係合することに
よって固定される。ついで天板2400およびヒーター
ボード2100,2200、支持体2300を覆いかぶ
せる。ホルダー2600には脚部2600eが天板24
00の両側に一対に配され、支持体2300の一対の穴
2300bに挿通させ脚部2600eの先端部を支持体
2300の裏面側ヘ突出させる。
【0089】最後に、ホルダー上部よりホルダー260
0と天板2400,ベースプレート2300とのすき
ま、天板2400とヒーターボード2100とのすき
ま、オリフィスプレート2400aとヒーターボード端
部2100a,ベースプレート端部2300aとの隙
間、ワイヤーボンディング部の保護のためシリコーン封
止剤(TSE399BC 東芝シリコーン)を注入して
完成する。
【0090】インク吐出部2000とインクタンク部1
000との取付けについて説明する。図11および図1
3で、1610および2600fは、各々、インクタン
ク容器1600,ホルダー2600に取付けた突起およ
びバネ性を有するラッチであり、両者の係合によってイ
ンク吐出部の脱落は防止される。
【0091】一方、インクタンク部1000のインク吐
出部の連結開口部1101にはインク吐出部のインクタ
ンク連結部2600hとの間にO−リング1500を介
してジョイントされ、インクの漏れを防止している。
【0092】以上のようにして、インクジェットヘッド
カートリッジは完成する。
【0093】次に、このインクジェットヘッドカートリ
ッジの梱包について述べる。図16は、梱包に際し、物
流中における吐出口の乾燥固着や外傷から保護する保護
テープ3100及び保護キャップ3200の組み付け状
態を示す。保護キャップ3200には、保護テープ31
00を介して吐出口面と接触する部分にスポンジ322
0が付いており、このスポンジの押圧力500〜200
0gで保護テープ3100を吐出口面に密着させてい
る。
【0094】保護キャップ3200はホルダー2600
に係合する突起3210を有しており、一方ホルダー2
600には、前記突起が引っかかるくぼみ2610をそ
れぞれ両サイドに配設して両者の係合で脱落を防止して
いる。
【0095】図17はインクジェットヘッドカートリッ
ジを物流環境の変化や、落下などから保護するためのパ
ッケージ4000の構成を示すものである。図17にお
いて4100はケース体、4200はケース蓋、430
0はケース内でヘッドカートリッジが振動することを防
ぐ緩衝体である。
【0096】ケース体4100は、衝撃耐久性、インク
ジェットヘッドカートリッジからのインク蒸発を防止す
るガスバリア性、コストの観点からポリプロピレン製の
成形品から成り、また、ケース蓋4200に対してもガ
スバリア性の良好な、多層フィルム、例えば最外層すな
わち外側からポリエチレンテレフタレート層12μm,
アルミ蒸着層0.05μm,ナイロン層15μm,ポリ
エチレン層25μm,イージーピール層25μmを積層
したものや、同様に最外層より、ナイロン15μm,ア
ルミ箔9μm,イージーピール層75μmを積層したも
のなどを用いる。
【0097】パッケージ手順は以下の通りである。
【0098】インクジェットヘッドカートリッジをケー
ス体4100内に挿入した後、緩衝体4300を入れ、
ケース体4100のフランジ部4110に配設した溶着
リブ4120と、ケース蓋4200のイージーピール層
とを熱溶着させることでパッケージ4000を得ること
ができる。
【0099】さらにこのパッケージ4000を装飾印刷
を施したピロー袋5100に収納して、インクジェット
記録ヘッドの梱包体5000が完成する(図18参照の
こと)。上記従来例では、インクタンク部とヘッド部を
一体化したヘッドカートリッジについて説明したが、ヘ
ッド部と分離したインクタンク部を独立して製品化する
ことも可能である。
【0100】図19は上記ヘッドカートリッジを用いた
インクジェットプリント装置の概略斜視図を示す。この
装置はキャリッジに対して着脱可能なインクタンク一体
型のヘッドカートリッジを黒(Bk) ,シアン(C),
マゼンタ(M),イエロー(Y) 4色のインクに対応し
て備えたフルカラーシリアルタイプのプリンタである。
本プリンタに使用したヘッドカートリッジのヘッド部
は、解像度400dpi,駆動周波数4KHzで、12
8個の吐出口を有している。
【0101】図19において、IJCはY,M,C,B
kの各インクに対応した4個のヘッドカートリッジであ
り、記録ヘッドとこれにインクを供給するインクを貯留
したインクタンクとが一体に形成されている。各ヘッド
カートリッジIJCはキャリッジに対して不図示の構成
によって着脱自在に装着される。キャリッジ82は、ガ
イド軸811に沿って摺動可能に係合し、また、不図示
の主走査モータによって移動する駆動ベルト852の一
部と接続する。これにより、ヘッドカートリッジIJC
はガイド軸811に沿った走査のための移動が可能とな
る。815,816および817,818はヘッドカー
トリッジIJCの走査によるプリント領域の図中奥側お
よび手前側においてガイド軸811とほぼ平行に延在す
る搬送ローラである。搬送ローラ815,816および
817,818は不図示の副走査モータによって駆動さ
れプリント媒体Pを搬送する。この搬送されるプリント
媒体PはヘッドカートリッジIJCの吐出口面が配設さ
れた面に対向しプリント面を構成する。
【0102】ヘッドカートリッジIJCによるプリント
領域に隣接するカートリッジIJCの移動可能な領域に
臨んで回復系ユニットが設けられる。回復系ユニットに
おいて、8300はヘッド部を有する複数のカートリッ
ジIJCにそれぞれ対応して設けたキャップユニットで
あり、キャリッジ82の移動に伴なって図中左右方向に
スライド可能であるとともに、上下方向に昇降可能であ
る。そしてキャリッジ82がホームポジションにあると
きには、ヘッド部と接合してこれをキャッピングする。
また、回復系ユニットにおいて、8401は、ワイピン
グ部材としてのブレードである。
【0103】さらに、8500はキャップユニット83
00を介してヘッド部の吐出口およびその近傍からイン
ク等を吸収するためのポンプユニットである。
【0104】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェットプリント方式の中でも、インク吐出を行わせるた
めに利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手
段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱
エネルギによりインクの状態変化を生起させる方式のプ
リントヘッド、プリント装置において優れた効果をもた
らすものである。かかる方式によればプリントの高密度
化,高精細化が達成できるからである。
【0105】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、プリント情報に対応していて核沸騰を越え
る急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を
印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発
生せしめ、プリントヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長,収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状
の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細
書,同第4345262号明細書に記載されているよう
なものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率
に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記
載されている条件を採用すると、さらに優れたプリント
を行うことができる。
【0106】プリントヘッドの構成としては、上述の各
明細書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変
換体の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書,米国特許第
4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれ
るものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、
共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を
開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギ
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基いた構成と
しても本発明の効果は有効である。すなわち、プリント
ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によ
ればプリントを確実に効率よく行うことができるように
なるからである。
【0107】さらに、プリント装置がプリントできるプ
リント媒体の最大幅に対応した長さを有するフルライン
タイプのプリントヘッドに対しても本発明は有効に適用
できる。そのようなプリントヘッドとしては、複数プリ
ントヘッドの組合せによってその長さを満たす構成や、
一体的に形成された1個のプリントヘッドとしての構成
のいずれでもよい。
【0108】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定されたプリントヘッド、あるい
は装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接
続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在
のチップタイプのプリントヘッド、あるいはプリントヘ
ッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリ
ッジタイプのプリントヘッドを用いた場合にも本発明は
有効である。
【0109】また、本発明のプリント装置の構成とし
て、プリントヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段
等を付加することは本発明の効果を一層安定できるの
で、好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
プリントヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニ
ング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれと
は別の加熱素子或はこれらの組み合わせを用いて加熱を
行う予備加熱手段、プリントとは別の吐出を行なう予備
吐出手段を挙げることができる。
【0110】また、搭載されるプリントヘッドの種類な
いし個数についても、例えば単色のインクに対応して1
個のみが設けられたものの他、プリント色や濃度を異に
する複数のインクに対応して複数個数設けられるもので
あってもよい。すなわち、例えばプリント装置のプリン
トモードとしては黒色等の主流色のみのプリントモード
だけではなく、プリントヘッドを一体的に構成するか複
数個の組み合わせによるかいずれでもよいが、異なる色
の複色カラー、または混色によるフルカラーの各プリン
トモードの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極
めて有効である。
【0111】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用プ
リント信号付与時にインクが液状をなすものを用いても
よい。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形
状態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せ
しめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸
発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化
するインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギ
のプリント信号に応じた付与によってインクが液化し、
液状インクが吐出されるものや、プリント媒体に到達す
る時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エネ
ルギの付与によって初めて液化する性質のインクを使用
する場合も本発明は適用可能である。このような場合の
インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開
昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質
シート凹部または貫通孔に液状又は固形物として保持さ
れた状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態
としてもよい。本発明においては、上述した各インクに
対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行す
るものである。
【0112】さらに加えて、本発明インクジェットプリ
ント装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機
器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等
と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファ
クシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0113】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
大気連通口形状を1つの孔から2つ以上の穴に分割開口
することにより、従来、部品の複数化や、成形性の不具
合を改良し、負圧発生部材を用いたインク収納容器に
は、分割型または一体型を問わず適用できる生産性の良
い信頼性の高い大気連通口構造を得ることができた。
【0114】また、第1および第2の収納室をもつイン
クタンク部とインク吐出部を一体にした記録ヘッドによ
りインクタンク部のインク室内のインクが負圧発生部材
に供給される際の気液界面の安定化と、インクの安定供
給ができるという効果も得られた。
【0115】また、第1収納室および第2収納室の鉛直
稜線を曲面形状にすることと、微小連通部近傍の第2収
納室底面上に突起を設けることにより、物流時の様々な
姿勢や環境温湿度の変化から、大気連通口からのインク
もれを防止できるという効果も得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヘッドカートリッジの一実施例を示す
外観斜視図である。
【図2】図1に示したヘッドカートリッジの構成を示す
一部を断面視した模式的斜視図である。
【図3】図2に示したヘッドカートリッジを裏側からみ
た概略断面図である。
【図4】図1〜図3に示したヘッドカートリッジのイン
クタンク部における大気連通部周辺の構成を示す一部を
断面視した拡大斜視図である。
【図5】図4に示した大気連通部の開口面の構成を示す
平面図である。
【図6】(a)〜(c)はそれぞれ本発明に係る他の大
気連通部の開口形状を示す平面図であり、(d)は
(c)の大気連通部の内部構造を示す断面図である。
【図7】図1〜図5に示したヘッドカートリッジにおけ
るインクタンク部の第1収納室等の内部構造を示す断面
図である。
【図8】図7に示したインクタンク部を底面側からみた
断面図である。
【図9】(a)および(b)は、それぞれ図8に示した
インクタンク部内におけるインク移動を説明するための
断面図である。
【図10】(a)〜(c)は従来のインクタンク部内の
インク移動のメカニズムを説明するための断面図であ
る。
【図11】図1〜図5に示したヘッドカートリッジ、特
にインクタンク部の構成を示す分解斜視図である。
【図12】図1〜図5に示したヘッドカートリッジのイ
ンクタンク部に対するインク注入工程を順次説明する断
面図である。
【図13】図1〜図5に示したヘッドカートリッジ、特
にヘッド部としてのインク吐出部の構成を示す分解斜視
図である。
【図14】図13に示したインク吐出部のインク吐出口
周辺を拡大して説明するための模式的斜視図である。
【図15】図13に示したインク吐出部の先端を拡大し
て説明するための側方断面図である。
【図16】図1〜図5に示したヘッドカートリッジのイ
ンク吐出部先端の保護を説明するための斜視図である。
【図17】図1〜図5に示したヘッドカートリッジに適
用できるパッケージの構成を示す分解斜視図である。
【図18】図17に示したパッケージ内に収容されたヘ
ッドカートリッジの最終梱包体を示す斜視図である。
【図19】本発明のヘッドカートリッジを装着しうるプ
リント装置の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1000 インクタンク部 1100 第1収納室 1100a 隔壁 1101 連結開口部 1102 負圧発生部材 1103 負圧発生部材ストッパーリブ 1104 空気層 1105 ラベル貼付用逃げ面 1110 気液交換促進構造 1120 インク供給促進構造 1115 第1収納室稜線R部 1150 大気連通部 1150a 筒部 1151 大気連通口開口部(開口部) 1152 大気連通口第1収納室側開口部(筒部の端
部) 1153 溝 1200 後方第2収納室 1201 突起 1202 インク残量検知電極ピン 1203,1204 コンタクト 1205 インク注入口栓 1206 インク注入口 1215 第2収納室稜線R部 1250 側方第2収納室 1251 仕切壁 1300 微小連通部 1400 タンクフタ 1500 O−リング 1600 タンク容器 1610 ラッチ 2000 インク吐出部 2100 ヒーターボード 2200 配線基板 2300 ベースプレート 2400 天板 2500 押圧バネ 2600 ホルダー 2700 フィルター 3100 保護テープ 3200 保護キャップ 4000 パッケージ 4100 ケース体 4200 ケース蓋 4300 緩衝体 5000 梱包体 9000 インク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−40043(JP,A) 特開 平5−131642(JP,A) 特開 平4−156339(JP,A) 特開 平4−133748(JP,A) 特開 平4−144755(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/175

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘッド部と該ヘッド部にインクを供給す
    るための連結開口部と、該連結開口部から離れた大気連
    通部とを壁部に有し、かつ、内部に前記インクを含む負
    圧発生部材を収容するインクタンク部とが連結されたヘ
    ッドカートリッジにおいて、 前記大気連通部は一つの孔を有しており、該孔は前記イ
    ンクタンク内部から壁部内面まで延びかつ壁部外面付近
    において行き止まる筒部と、該筒部の行き止まり部分か
    ら複数に分割された開口部とを含むことを特徴とするヘ
    ッドカートリッジ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のヘッドカートリッジにお
    いて、前記壁部外面上には前記孔の前記開口部から延び
    る溝が形成されており、かつ、該溝および前記開口部は
    前記溝の長さより短い幅のシール材により被覆されてい
    ることを特徴とするヘッドカートリッジ。
  3. 【請求項3】 ヘッド部と該ヘッド部にインクを供給す
    るための連結開口部と、該連結開口部から離れた大気連
    通部とを壁部に有し、かつ、内部に前記インクを含む負
    圧発生部材を収容する第1の収納室と、該第1の収納室
    に隔壁を介して隣接し、かつ、該隔壁に形成された微小
    連通部を通して前記第1の収納室と連通する第2の収納
    室とを含むインクタンク部とが連結されたヘッドカート
    リッジにおいて、 前記微小連通部の上方に前記負圧発生部材の上部に達す
    る気液交換促進構造を有し、かつ、該気液交換促進構造
    の頂部の位置が前記連結開口部に連結されたインク吐出
    部上端より2mm以上5mm以内に設定されていると共
    に、 前記微小連通部近傍から前記連結開口部までの前記第1
    の収納室の底面には、前記第2の収納室の底面より1.
    5mm低いインク供給促進構造が設けられていることを
    特徴とするヘッドカートリッジ。
  4. 【請求項4】 ヘッド部と該ヘッド部にインクを供給す
    るための連結開口部と、該連結開口部から離れた大気連
    通部とを壁部に有し、かつ、内部に前記インクを含む負
    圧発生部材を収容する第1の収納室と、該第1の収納室
    に隔壁を介して隣接し、かつ、該隔壁に形成された微小
    連通部を通して前記第1の収納室と連通する第2の収納
    室とを含むインクタンク部とが連結されたヘッドカート
    リッジにおいて、 前記第2の収納室の稜線部は、それぞれ曲率半径Rが
    0.5mm以上2mm以下のの曲面形状であることを特
    徴とするヘッドカートリッジ。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のヘッドカートリッジにお
    いて、前記負圧発生部材が当接する前記第1の収納室の
    稜線部は、それぞれ曲率半径Rが0.5mm以上の曲面
    形状であり、かつ該稜線部の曲面が前記微小連通部に干
    渉しないことを特徴とするヘッドカートリッジ。
  6. 【請求項6】 ヘッド部と該ヘッド部にインクを供給す
    るための連結開口部と、該連結開口部から離れた大気連
    通部とを壁部に有し、かつ、内部に前記インクを含む負
    圧発生部材を収容する第1の収納室と、該第1の収納室
    に隔壁を介して隣接し、かつ、該隔壁に形成された微小
    連通部を通して前記第1の収納室と連通する第2の収納
    室とを含むインクタンク部とが連結されたヘッドカート
    リッジにおいて、 前記第1の収納室と前記第2の収納室との容積比は1:
    3〜1:1の範囲内に設定され、前記第1の収納室内に
    収容された前記負圧発生部材に含浸される初期のインク
    の量は前記負圧発生部材の収容時の容積の1/2以内に
    設定され、かつ、該負圧発生部材中の記録中のインク液
    位は、前記第2の収納室内にインクが存在している間は
    常に前記連結開口部に連結されたインク吐出部上端より
    2mm以上5mm以下の高さの範囲に設定されているこ
    とを特徴とするヘッドカートリッジ。
  7. 【請求項7】 請求項3、4または6のいずれかに記載
    のヘッドカートリッジにおいて、前記大気連通部は一つ
    の孔を有しており、該孔は前記インクタンク内部から壁
    部内面まで延びかつ壁部外面付近において行き止まる筒
    部と、該筒部の行き止まり部分から複数に分割された開
    口部とを含むことを特徴とするヘッドカートリッジ。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のヘッドカートリッジにお
    いて、前記壁部外面上には前記孔の前記開口部から延び
    る溝が形成されており、かつ、該溝および前記開口部は
    前記溝の長さより短い幅のシール材により被覆されてい
    ることを特徴とするヘッドカートリッジ。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のヘッドカートリッジにお
    いて、前記微小連通部近傍の前記第2の収納室の底面上
    には前記微小連通部の寸法と同寸法またはそれ以上の寸
    法を有する突起が設けられていることを特徴とするヘッ
    ドカートリッジ。
  10. 【請求項10】 ヘッド部と該ヘッド部にインクを供給
    するための連結開口部と、該連結開口部から離れた大気
    連通部とを壁部に有し、かつ、内部に前記インクを含む
    負圧発生部材を収容する第1収納室と、該第1収納室に
    隔壁を介して隣接し、かつ、該隔壁に形成された微小連
    通部を通して前記第1の収納室と連通する後方第2収納
    室と、該後方第2収納室と前記微小連通部より大きい連
    通部を有する仕切壁を介して隣接する側方第2収納室と
    を含むインクタンク部とが連結されたヘッドカートリッ
    ジにおいて、 前記第1収納室と、前記後方第2収納室および前記側方
    第2収納室との容積比は1:1.5に設定され、前記第
    1収納室内における前記負圧発生部材は前記第1収納室
    内の容積の2/3以下の容積を占め、残りは空気層とさ
    れ、 前記大気連通部は前記第1収納室の底面と対向する上面
    に形成され、該大気連通部は一つの孔を有し、該孔は前
    記インクタンク部の内部から壁部内面まで延びかつ壁部
    外面付近において行き止まる筒部と、該筒部の行き止ま
    り部分から複数に分割された開口部とを含むものであ
    り、 前記壁部外面上には前記孔の前記開口部から延びる溝が
    形成されており、かつ、該溝および前記開口部は前記溝
    の長さより短い幅のシール材により被覆され、 前記微小連通部の上方に前記負圧発生部材の上部に達す
    る気液交換促進構造を有し、かつ、該気液交換促進構造
    の頂部の位置が前記連結開口部に連結されたインク吐出
    部上端より2mm以上5mm以内に設定されていると共
    に、 前記微小連通部近傍から前記連結開口部までの前記第1
    の収納室の底面には、前記後方第2収納室および前記側
    方第2収納室の底面より1.5mm低いインク供給促進
    構造が設けられ、 前記第1の収納室内に収容された前記負圧発生部材に含
    浸される初期のインクの量は前記負圧発生部材の収容時
    の容積の1/2以内に設定され、かつ、該負圧発生部材
    中の記録中のインク液位は、前記後方第2収納室および
    前記側方第2収納室内にインクが存在している間は常に
    前記連結開口部に連結されたインク吐出部上端より5m
    m以下の高さの範囲に設定され、 前記後方第2収納室および前記側方第2収納室の稜線部
    は、前記微小連通部を除いて、それぞれ曲率半径Rが2
    mmの曲面形状であり、 前記微小連通部近傍の前記後方第2収納室の底面には高
    さ2mmで幅14mmの突起が設けられていることを特
    徴とするヘッドカートリッジ。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のヘッドカートリッジ
    において、前記大気連通部は一つの孔を有しており、該
    孔は前記インクタンク部の内部から壁部内面まで延びか
    つ壁部外面付近において行き止まる筒部と、該筒部の行
    き止まり部分から複数に分割された開口部とを含むこと
    を特徴とするヘッドカートリッジ。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のヘッドカートリッジ
    において、前記壁部外面上には前記孔の前記開口部から
    延びる溝が形成されており、かつ、該溝および前記開口
    部は前記溝の長さより短い幅のシール材により被覆され
    ていることを特徴とするヘッドカートリッジ。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載のヘ
    ッドカートリッジと、該ヘッドカートリッジを着脱自在
    に装着する手段とを含むことを特徴とするプリント装
    置。
  14. 【請求項14】 請求項13記載のプリント装置におい
    て、前記ヘッド部は、前記インクを吐出するために利用
    されるエネルギを発生する素子として、前記インクに膜
    沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する電気熱変換体を
    有することを特徴とするプリント装置。
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