JPH0512703B2 - - Google Patents

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JPH0512703B2
JPH0512703B2 JP62035657A JP3565787A JPH0512703B2 JP H0512703 B2 JPH0512703 B2 JP H0512703B2 JP 62035657 A JP62035657 A JP 62035657A JP 3565787 A JP3565787 A JP 3565787A JP H0512703 B2 JPH0512703 B2 JP H0512703B2
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Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は、再使用方式の電子写真感光体に関す
る。また、本発明は、画像形成時の入射光に可干
渉光を用いる再使用方式の電子写真感光体に関す
る。 [従来の技術] これまで、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛
などの無機光導電体を感光体成分として利用した
電子写真感光体は公知である。 一方特定の有機化合物が光導電性を示すことが
発見されてから数多くの有機光導電体が開発され
てきた。例えばポリ−N−ビニルカルバゾール、
ポリビニルアントラセンなどの有機光導電性ポリ
マー、カルバゾール類、アントラセン類、ピラゾ
リン類、オキサゾール類、ヒドラゾン類、ポリア
リールアルカン類などの低分子の有機光導電体や
フタロシアニン顔料、アゾ顔料、シアニン染料、
多環キノン顔料、ペリレン系顔料、インジゴ染
料、チオインジゴ染料あるいはスクエアリツク酸
メチン染料などの有機顔料や染料が知られてい
る。 特に光導電性を有する有機顔料や染料は無機材
料に比べて合成が容易で、しかも適当な波長域に
光導電性を示す化合物を選択できるバリエーシヨ
ンが拡大されたことなどから数多くの光導電性有
機顔料や染料が提案されている。例えば、米国特
許第4123270号明細書、同第4247614号明細書、同
第4251613号明細書、同第4251614号明細書、同第
4256821号明細書、同第4260672号明細書、同第
4268596号明細書、同第4278747号明細書、同第
4293628号明細書に開示されたように、電荷発生
層と電荷輸送層に機能分離した感光層における電
荷発生物質として光導電性を示すジスアゾ顔料を
用いた電子写真感光体などが知られている。 一般的にかかる電子写真感光体の開発方向は、
電子写真感光体の本来の性能である高感度、環境
依存性の少ないこと、特性が常に一定であること
などを主に行なわれてきている。しかして、その
簡便性から電子写真感光体を用いた画像形成方式
において、画像形成後残留する現像剤を除去する
ことにより電子写真感光体を再度画像形成に用い
る再使用方式が一般的に用いられている。 かかる方式下の電子写真感光体は、前述の電子
写真感光体の種々の特性の他に、現像剤の除去方
式との一致性が重要な特性ともなつてきている。 現像剤の除去方式との一致性が悪いと感光体表
面への現像剤の固着や現像剤除去の際に感光体表
面に傷を発生することになり再使用の回数を極め
て短いものにすることになる。 また、感光体表面の劣化や帯電プロセスで発生
する低抵抗物質の付着と追跡により表面抵抗が下
り、画像がぼけてくる現象を発生する。 従来、これら全ての要件を実用的に満足させる
ために、現像剤の改良、現像剤の除去方式の改
良、使用プロセスの改良、感光体表面物性の改
良、潤滑剤の関与など枚挙にいとまない状況であ
る。 しかしながら、これらの技術は数種の技術の按
分にゆだねられており、その効果を発揮させるの
が極めて難しく、コストなどの上昇を伴なうこと
が常であつた。 特に有機感光体は機械強度が弱く、複写機、プ
リンターなどに適用した場合には、感光体にピン
ホール、微細な割れ、端部の摩耗、剥がれなどを
生じ、画像欠陥を引き起してしまう。 このため、有機感光体の機械強度を増すため
に、感光層中に粒子を分散させた感光体が検討さ
れているが、粒子が均一に分散されずに、添加し
ない時よりもピンホール、感光体の割れ、剥がれ
などが悪化してしまい画像欠陥を増加させてい
た。 一方、画像形成プロセスにおいて、レーザーに
代表される可干渉光を光源とする電子写真方式プ
リンターの感光体としては、セレン、セレン系合
金、硫化カドミウム樹脂分散系、ポリビニルカル
バゾールとトリニトロフルオレノンとの電荷移動
錯体などが用いられてきた。 また、レーザーとしてはヘルウム−カドミウ
ム、アルゴン、ヘリウム−ネオンなどのガスレー
ザーが用いられてきたが、最近、小型、低コスト
で直接変調が可能な半導体レーザーが用いられる
ようになつた。 しかし半導体レーザーは発光波長が750nm以上
のものが多く、以上のような感光体は、その波長
領域で光感度が低く、使用が困難であつた。 そのため、感光波長領域を比較的自由に選べる
電荷発生層と電荷輸送層との積層型感光体が、半
導体レーザープリンター用感光体として注目され
てきている。 積層型感光体の電荷発生層は、光を吸収して自
由電荷を発生させる役割を持ち、その厚さは発生
したホト.キヤリアの飛程を短くするために、
0.1〜5μmと薄いのが通例である。 このことは、入射光量の大分部が電荷発生層で
吸収されて多くのホト.キヤリアを生成するこ
と、さらには発生したホト.キヤリアを再結合や
捕獲により失活することなく電荷輸送層に注入す
る必要があることに起因している。 電荷輸送層は、静電荷の受容と自由電荷の輸送
の役割をもち、像形成光をほとんど吸収しないも
のを用い、その厚さは通例5〜30μmである。 このような積層型感光体を用い、レーザープリ
ンターでレーザー光をライン走査して画像を出し
てみると、文字などのライン画像では問題になら
ないが、ベタ画像の場合、干渉縞状の濃度ムラが
現われた。 この原因は、電荷発生層が前述の如く薄層で形
成されているために、この層で吸収される光量が
制限され、そのために電荷発生層を通過した光が
導電性支持体表面で反射し、この反射光と光導電
層表面での反射光との干渉を生じたものによると
考えられる。 積層型電子写真感光体は、従来は、第2図に示
すように導電性支持体1の上に、電荷発生層4と
電荷輸送層5′とが積層された構成からなつてい
る。この積層型感光体に入射レーザー光6(発振
波長は半導体レーザーで約780nm、ヘルウム−ネ
オンレーザーで約630nm)が入射した場合、電荷
輸送層5′に侵入した感光体内部への入射光7と
この入射光7が導電性支持体1の表面で反射され
電荷輸送層5′の表面から出てくる導電性支持体
の表面での反射光9との干渉が生じる。 電荷発生層と電荷輸送層との積層の屈折率を
n、厚さをd、レーザー光の波長をλとすると、
ndがλ/2の整数倍のときは、反射光の強度が
極大、すなわち電荷輸送層の内部へ入つていく光
の強度が極小(エネルギー保存則による)、ndが
λ/4の奇数倍のときは反射光が極小、すなわち
内部へ入つていく光が極大となる。 しかし、dには製造上0.2μm以上の厚みムラは
避けられない。 一方、レーザー光は単色性がよく、コヒーレン
トなため、dの厚みムラに対応して前記の干渉条
件が変化し、電荷発生層でのレーザー光の吸収量
の場所ムラが生じ、それがベタ画像の濃度の干渉
縞状のムラとなつて現れると考えられる。 なお通常の電子写真複写機では、光源が単色光
でないため、波長によつて干渉縞状の濃度ムラの
幅が変り、平均化されて見えなくなる。 従来、レーザー光を用いる電子写真法において
は、例えば支持体の反射面、導電層や感光層の積
層界面における表面状態を粗にし、凹凸を設けて
反射光に位相差を生ぜしめることにより干渉縞状
の濃度ムラの発生を防止していた。 しかしながら、このような粗面化方法は積層型
感光体の場合、凹凸面上に形成される感光層が均
一にならず、従つて画像欠陥や写真特性を著しく
低下させる。 また、感光体表面層中に粗大な不規則形状粒子
の添加、凝集性の大きな不規則形状微粒子の添加
などの方法によつて反射光を乱反射させる方法も
検討されている。しかしながら何れも粒子分散の
コントロールが効かず、前記のような画像欠陥の
原因となつている。 さらに前記のような粒子の添加は、感光層表面
に不規則な粗大欠陥を生じてしまい、画像上に黒
ポチ、カブリなどの問題を引き起こしてしまう。 例えば、平均粒径が2μm以上の粗大な不規則形
状粒子の添加は、電荷輸送層内を有効に乱反射さ
せることができるが、このような粒子は一般に沈
降し易く、分散によつて調合した塗工液の中で均
一な状態を保つことが難しく、安定な生産をする
のが困難となつている。 また平均粒径が0.5μm以下の不規則形状の微粒
子では一般にバインダー溶液中に均一に分散され
た場合、電荷輸送層内を乱反射させる効果を持た
ないが、凝集性の大きな不規則形状微粒子の場合
や粒子とバインダーの親和性が比較的悪い場合に
は、微粒子の凝集により乱反射させることが可能
である。 しかしながら、この場合には凝集度のコントロ
ールが非常に難しくなり、感光層表面に不規則で
大きな欠陥を生じるばかりか、塗工液中にも微粒
子の凝集を生じ、生産安定性を得るのが非常に困
難であり、実用上大きな障害となつている。 これまでに述べたことから明らかなように、電
子写真感光体は、当然のことであるが、適用され
る電子写真プロセスに応じた所定の感度、電気特
性、さらには光学特性を備えていることが要求さ
れる。特に繰返し使用可能な感光体にあつては、
その感光体の表面層には、コロナ帯電、トナー現
像、紙への転写、クリーニング処理などの電気的
機械的外力が直接に加えられるためそれらに対す
る耐久性が要求される。 具体的には、コロナ帯電時に発生するオゾンに
よる劣化のために感度低下や電位低下、残留電位
増加および摺擦による表面の摩耗や傷の発生など
に対する耐久性が要求されている。 一方、感光体の耐湿性も重要な性質である。低
湿において優れた電子写真特性を備えていても、
高湿下で感光体表面電位が著しく低下する感光体
においては、安定した鮮明な画像を得ることが困
難である。 また、転写を行なう電子写真プロセスでは、通
常、感光体は繰返し使用されるため、感光体の帯
電劣化により、さらに耐湿性が低下することが多
い。 このような耐湿性の低下に対しては、感光体を
ヒーターで加温し、除湿を行なうことによつてあ
る程度改善されるが、常にヒーターを作動させな
ければならないためコストアツプの要因となるも
のである。 さらに、紙との接触による紙粉の付着は高湿下
での画像流れの原因の一つとなり、また、トナー
のフイルミングやクリーニング不良による残留ト
ナーは、得られる画像を著しく損ねる。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明の目的は前述の従来技術の欠点を解消し
た電子写真感光体を提供することにある。 すなわち簡便な方法で耐久性に優れた表面層を
有する電子写真感光体を提供することにある。 また、別の目的は簡便な方法で画像形成光の干
渉性を取り除き、干渉により発生する濃淡ムラの
発生を防止するレーザープリンタ用電子写真感光
体を提供することにある。 また、他の目的は高温高湿下においても画像流
れ、トナー融着による画像汚れが発生しない電子
写真感光体を提供することにある。 また、他の目的は電子写真感光体を生産する際
に凝集が起きない安定な塗工液を提供することに
ある。 [問題点を解決する手段、作用] 本発明は、導電性支持体上に感光層を有する電
子写真感光体において、該感光層の表面層が球状
樹脂微粉末を含有し、該球状樹脂微粉末が硬化型
樹脂であり、かつ0.6〜6μmの平均粒径を有する
ことを特徴とする電子写真感光体である。 本発明に用いられる球状樹脂微粉末は、感光層
の表面層、好ましくは電荷輸送層に含有される。 不規則形状の粒子では均一に分散されずに表面
層中にブツ、ヘコ、凝集などを生じてしまい、部
分的な画像欠陥の原因となる。 また、全体的に微小なブツ(画像上では白ポ
チ、黒ポチとなる)を生じて画質低下を引き起
す。 さらに、不規則形状の粒子は有機バインダーと
溶剤中に分散させた場合に、塗工液の凝集、沈殿
を生じてしまい、安定した生産を行なえないなど
の欠点がある。 さらに、樹脂微粉末であることは、無機の粉末
に比べて有機バインダーとの親和性に優れ、比重
も比較的軽く、従つて分散の均一性、分散液の安
定性、塗膜の均一性を一段と向上させる効果があ
る。従つて比重が0.7〜1.7、好ましくは0.9〜1.5
であることによつて前述の効果はより大きいもの
になる。比重が0.7より小さい場合、1.7より大き
い場合いずれにおいても分散液の均一性、安定性
が十分に得られず、塗工液が不均一になり、画質
を低下させる原因となる。 また、本発明の構成の1例による光の光路を示
す説明図である第1図に示したように、像露光光
源としてレーザー光を用いると電荷輸送層に球状
樹脂微粉末を混入し分散することにより、導電性
支持体1の表面で反射したレーザー光7は、球状
樹脂微粉末を含有する電荷輸送層5中で拡散され
たレーザー光8として干渉されず、画像上で干渉
縞による濃淡ムラがみられなくなる。 本発明において使用する球状樹脂微粉末の粒径
(平均粒径)は、0.6〜6μmであり、好ましくは1
〜4μmである。 前記粒径が0.6μm未満では表面層中に分散させ
た場合、感光体の機械強度が向上しない。また、
塗膜中に微粒子の凝集が起こり、画像欠陥を生じ
てしまう。さらに表面層中でのレーザー光の拡散
効果が落ちるため干渉縞を防ぎきれない。 前記粒径が6μmを越えると感光層表面に凹凸が
でき易くなり、画像欠陥の原因となる。特に表面
層が電荷輸送層の場合には、電荷搬送性が悪くな
り、感度が遅くなる。 前記粒径が1〜4μmの場合には光散乱性に優
れ、可干渉光の干渉防止効果が著しい。 本発明に使用する球状樹脂微粉末は、硬化型樹
脂よりなる微粉末が用いられる。 硬化型樹脂としては、例えばシリコーン樹脂、
メラミン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂、スチレ
ン樹脂などが用いられる。 シリコーン樹脂としては熱加硫型シリコーンゴ
ム、室温硬化型シリコーンゴム、シリコーンレジ
ン、変性シリコーンレジンなどが用いられる。 メラミン樹脂としてはメラミンとシアヌル酸の
縮合体、メラミンとホルムアルデヒドの重縮合体
などが用いられる。 尿素樹脂としてはメチロール尿素の重縮合体な
どが用いられる。 アクリル樹脂としてはメタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、
メタクリル酸フエニル、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチルなどの一官能性モノマーとジビニル
ベンゼン、トリビニルベンゼンなどの多官能性モ
ノマーとの共重合体などが用いられる。 スチレン樹脂としてはスチレン、メチルスチレ
ン、クロロスチレンなどの一官能性モノマーとジ
ビニルベンゼン、トリビニルベンゼンなどの多官
能性モノマーとの共重合体などが用いられる。 本発明に使用する球状樹脂微粉末は、溶剤中で
溶解しないことが前提である。 例えばケトン、エステル系溶剤を用いる場合に
はポリアミド、ポリオレフイン系の樹脂微粉末を
組み合せる必要がある。 本発明に用いられる球状樹脂微粉末は硬化型樹
脂であるので、 また、硬化型樹脂の中でも特に好ましいのはシ
リコーン樹脂である。 シリコーン樹脂は、シリコーン基の無機質的特
性により他の樹脂との相溶性が悪く、硬いが比較
的もろい性質が一般的である。 他の樹脂との相溶性が悪いという点は、現像剤
の固着を極めて良く防止する効果が優れているこ
とになる。しかし、そのもろさ故に単体では傷や
摩耗により耐久性が不十分となつてしまう。 材料設計的には、従来SBCゴムなどにみられ
るようにミクロ相分離を生じさせ、傷、摩耗性の
向上を計ることが公知であり、非相溶性を利用し
他樹脂とのブレンドにより表面層を形成すること
も可能であるが、表面層がミクロ相分離により均
一な膜厚となりえず電子写真感光体としては適当
でない。 その点球状シリコーン樹脂微粉末を含有する表
面層を形成することは、表面層を均一に形成し、
ミクロ相分離と同一の状態を作りだし、耐久性を
増強し得るものであり、電子写真感光体として
は、極めて適切な手段である。 また、ミクロ相分離により部分的にシリコーン
樹脂の非相溶性が完全に発揮され得るので、固着
したトナーがシリコーン樹脂部分を核として離型
されるため、結果として、固着防止に効果的であ
る。 さらに、球状シリコーン樹脂微粉末の特性とし
ては、(1)撥水性が優れている、(2)潤滑性が優れて
いる、(3)無機系微粉末よりも比重が小さい、(4)有
機系微粉末より耐熱性が優れている、(5)有機系の
溶剤に不溶であるなどが挙げられる。 この球状シリコーン樹脂微粉末を感光層の表面
層に混入、分散することにより、表面に撥水性、
潤滑性が付与されるため、環境特性、摩耗性に優
れ、耐久性が著しく向上する。 球状樹脂微粉末は、感光層の表面層、特には電
荷輸送層中に、好ましくは10〜20重量%混入す
る。 その配合方法としては、電荷輸送層に入れる場
合には後述の電荷輸送物質を、また、電荷発生層
に入れる場合には後述の電荷発生物質を成膜性樹
脂に溶解させた後、球状樹脂微粉末を混入させ
て、例えばプロペラ攪拌機あるいはサンドミルな
どで充分に分散させる。 本発明において用いる球状樹脂微粉末の球状と
は、走査型電子顕微鏡による写真において、少な
くともランダムに選んだ20個の粒子を観察したと
き、この粒子の最小の外接円の直径と最大の内接
円の直径の比が、外接円を1としたとき、平均値
が0.5以上、好ましくは0.8以上の球状度のものを
いう。 従つて、真球状、楕円球状が好ましく、不規則
な形状の粒子は不適当である。 また、本発明において用いる球状樹脂微粉末の
平均粒径の測定は、球状樹脂微粉末を走査型電子
顕微鏡で観察し、各粒子の直径を測定し、20点の
平均値を採る。この操作を3回繰り返し、さらに
平均値を以つて平均粒径とする。但し、粉末の粒
径の分布が大きい場合には、予めよく振つて均一
にすることが必要である。 本発明の電子写真感光体の好ましい構成は、導
電性支持体の上に電荷発生層と電荷輸送層からな
る感光層を有している。 本発明の構成の1例における光の光路の説明図
である第1図において、導電性支持体1は、好ま
しくは支持体2の上に導電層3を有する積層構造
から成るものであり、支持体2の導電性、非導電
性は問わない。 また、支持体が導電性の場合、導電性支持体は
導電層を持たない場合がある。 例えば導電性の支持体としては、アルミシリン
ダー、アルミシート、また非導電性の支持体とし
ては、ポリマーフイルム、あるいはポリマーシリ
ンダーもしくは紙、プラスチツク、金属のコンポ
ジツト素材などからなるものである。 導電層は、導電性顔料粉末および必要に応じて
表面凹凸形成用粒子を分散した樹脂層であり、(1)
支持体に対する密着性が強固であること、(2)粉体
の分散性が良好であること、(3)耐溶剤性が十分で
あること、などの条件を満たすものであれば使用
できるが、特に硬化性ゴム、ポリウレタン、エポ
キシ樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル、シリコ
ーン樹脂、アクリル−メラミン樹脂などの硬化型
樹脂が好適である。導電性粉末を分散した樹脂の
体積抵抗率は1013Ωcm以下、好ましくは1012Ωcm
以下が適している。 そのため、塗膜において、導電性粉末は塗膜中
10〜60重量%の割合で含有されていることが好ま
しい。 分散は、ロールミル、振動ボールミル、アトラ
イター、サンドミル、コロイドミルなどの常法に
よる。 塗布は、支持体がシート状である場合にはワイ
ヤーバーコート、ブレードコート、ナイフコー
ト、ロールコート、スクリーンコートなどが適し
ており、支持体が円筒状である場合には浸漬塗布
法が適している。 さらに、本発明において必要に応じて導電層と
感光層の中間に、バリヤー機能と接着機能をもつ
下引層を設けることができる。 下引層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニ
トロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマ
ー、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイ
ロン610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化
ナイロンなど)、ポリウレタン、ゼラチン、酸化
アルミニウムなどによつて形成できる。 下引層の膜厚としては、0.1〜5μm、好ましく
は0.5〜3μmが適当である。 次に電荷発生層4は、スーダンレツド、ダイア
ンブルー、ジエナスグリーンBなどのアゾ顔料、
アルゴールイエロー、ピレンキノン、インダンス
レン、ブリリアントバイオレツトRRPなどのキ
ノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、イ
ンジゴ、チオインジゴなどのインジゴ顔料、イン
ドフアストオレンジトナーなどのビスベンゾイミ
ダゾール顔料、銅フタロシアニン、アルミニウム
クロライド−フタロシアニンなどのフタロシアニ
ン顔料、キナクリドン顔料などの電荷発生物質
を、ポリエステル、ポリスチレン、ポリビニルブ
チラール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロ
ース、ポリアクリル酸エステル類、セルロースエ
ステルなどの結着剤樹脂に分散して形成される。 電荷発生層4の厚さは0.01〜1μm、好ましくは
0.05〜0.5μm程度である。 次に電荷輸送層5は、主鎖または側鎖にアンス
ラセン、ピレン、フエナンスレン、コロネンなど
の多環芳香族化合物またはインドール、カルバゾ
ール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾ
ール、イミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾ
ール、ピラゾリン、チアジアゾール、トリアゾー
ルなどの含窒素環式化合物を有する化合物、ヒド
ラゾン化合物などの電荷輸送物質を成膜性のある
樹脂に溶解または分散させた塗工液を塗布、乾燥
させることにより形成される。 成膜性のある樹脂としてはアクリル樹脂、ポリ
アリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、
ビスフエノールA、ビスフエノールZ、ポリスチ
レン、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、
アクリロニトリル−ブタジエンコポリマー、ポリ
ビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリ
スルホン、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポ
リ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアント
ラセンあるいはポリビニルピレンなどを挙げるこ
とができる。 上記電荷輸送層の膜厚は3〜30μm、好ましく
は5〜20μmである。 [実施例] 以下の実施例においては、本発明の電子写真感
光体の電荷輸送層の機械強度の測定をテーバー試
験器によつて行なつた。 試験方法としては、複写用紙を巻きつけた摩耗
輪を用い、荷重500g、60rpmで回転総数5000回の
時の摩耗量[mm3]を値として表わす。 実施例 1 共重合体ナイロン樹脂(商品名アミラン
CM8000、東レ(株)製)2部(重量部、以下同様)、
共重合体ナイロン樹脂(商品名トレジンEF−
30T、帝国化学(株)製)8部をメタノール60部、ブ
タノール40部の混合液に溶解して、80φ×360mm
アルミニウムシリンダー上に浸漬塗布して1μm厚
の下引層を設けた。 次に下記構造式のジスアゾ顔料を10部、 酢酸酪酸セルロース樹脂(商品名CAB−381、イ
ーストマン化学(株)製)6部およびシクロヘキサノ
ン60部を1φガラスビーズを用いたサンドミル装
置で20時間分散した。この分散液にメチルエチル
ケトン100部を加えて、上記下引層上に浸漬塗布
し、100℃で10分間の加熱乾燥をして、0.1g/m2
の塗布量の電荷発生層を設けた。 次いで、下記構造式のヒドラゾン化合物を10
部、 およびポリメチルメタクリレート(商品名BR−
50、三菱レーヨン(株)製)15部をジクロルメタン80
部に溶解した。 この液に、球状シリコーン樹脂微粉末(ポリメ
チルシルセスキオキサン、比重1.3、平均粒径
1.2μm)2部を加え、サンドミルにより2時間に
わたり分散した。この分散液を上記電荷輸送層上
に塗布して100℃で1時間の熱風乾燥を行ない、
20μm厚の電荷輸送層を形成し、電子写真感光体
を作成した。これを感光体No.1とする。 また、マイラーシート上に同様に電荷輸送層を
形成し、テーバー試験を行なつた。 この感光体No.1を複写機(NP−3525、キヤノ
ン(株)製)に取り付け、画像出しを行なつた。 初期および5万枚画像耐久後の画質と感光体の
削れ量を後記する。 また、この感光体の暗所電位と露光電位を初期
および5万枚画像耐久後に測定した。電位の安定
性を後記する。なお、露光量は3ルツクス・秒で
ある。 実施例 2 実施例1の電荷輸送層において、球状シリコー
ン樹脂微粉末の平均粒径を3.6μmとした他は実施
例1と全く同一の方法で電子写真感光体を作成
し、これを感光体No.3とする。 感光体の評価を実施例1と同様に行なつた。 結果を後記する。 比較例 1 実施例1の電荷輸送層において、球状シリコー
ン樹脂微粉末を除いた他は実施例1と全く同一の
方法で電子写真感光体を作成し、感光体No.3とす
る。 感光体の評価を実施例1と同様に行なつた。 結果を後記する。 比較例 2 実施例1の電荷輸送層において、球状シリコー
ン樹脂微粉末を平均粒径0.4μmとした他は実施例
1と全く同一の方法で電子写真感光体を作成し、
感光体No.4とする。 感光体の評価を実施例1と同様に行なつた。 結果を後記する。 比較例 3 実施例1の電荷輸送層において、球状シリコー
ン樹脂微粉末を平均粒径7μmとした他は実施例1
と全く同一の方法で電子写真感光体を作成し、感
光体No.5とする。 感光体の評価を実施例1と同様に行なつた。 結果を後記する。 比較例 4 実施例1の電荷輸送層において、球状シリコー
ン樹脂微粉末に代え酸化亜鉛微粉末(酸化亜鉛、
比重5.6、不規則な針状結晶、平均粒径3.8μm)と
した他は実施例1と全く同一の方法で電子写真感
光体を作成し、これを感光体No.6とする。 感光体の評価を実施例1と同様に行なつた。 結果を後記する。
【表】
【表】 白ポチ多い 白ポチ増加
【表】 ピンホール発生
比較例4(No.6) 12.2 650 170

ピンホール発生
【表】 不均一となる
【表】 本実験の結果から、平均粒径1.2μm(実施例
1)、3.6μm(実施例2)の球状樹脂微粉末を配合
した電荷輸送層を有する電子写真感光体は、高画
質、画像欠陥(白ポチ、黒ポチ、カブリなど)の
無い、またテーバー摩耗試験による機械強度が強
く、耐久性に優れ、また塗工液の凝集、沈降など
を生じない優れた製造安定性を有していることが
判つた。 一方で、比較例4に示すように(無機粒子の酸
化亜鉛粒子を用いた場合)、一般に無機粒子は非
球状の場合が多くバインダー溶液との親和性(分
散性)が不充分なうえ、非球状の形をしているの
で塗工面が不均一にざらつき、画質においても解
像度が低い、白ポチ、カブリが有るなどの問題が
認められた。さらに塗工液は1日間で粒子の沈降
を生じ、著しく生産安定性が悪いことが判つた。 また、球状樹脂微粉末であつても平均粒径が
0.4μm(比較例2)の場合、塗工液の安定性が悪
く、2〜3週間で塗工液に凝集が起こり、また耐
久においても白ポチ、黒ポチを生じた。 なお、平均粒径が0.3μmの場合、1週間で塗工
液に凝集が生じた。 平均粒径が7μm(比較例3)の場合、初期から
解像度、画像欠陥(白ポチ)に難点があり5万枚
の耐久テストにおいて画像欠陥(白ポチ、黒ポ
チ)が増加し、ピンホールの発生も認められた。 実施例 3 ポリエステル樹脂(商品名バイロン200、東洋
紡(株)製)10部をメチルエチルケトン200部に溶解
し、アルミニウムシリンダー上に浸漬塗布して
0.3μm厚の中間層を設けた。 次に、実施例1の電荷発生層において酢酸酪酸
セルロース樹脂に代えブチラール樹脂(商品名エ
スレツクBL−S、積水化学(株)製)を使用して、
電荷発生層を形成した。 実施例1の電荷輸送層において球状シリコーン
樹脂微粉末に代え球状メラミン樹脂微粉末(メラ
ミン−ホルムアルデヒド重縮合体、比重1.4、平
均粒径3.0μm)を使用して、電荷輸送層を形成し
た。 作成した電子写真感光体を感光体No.7とする。 感光体の評価は実施例1と同様に行なつた。 結果を後記する。 実施例 4 実施例3の電荷輸送層において球状メラミン樹
脂微粉末に代え球状スチレン樹脂部粉末(スチレ
ン−ジビニルベンゼン共重合体、比重1.0、平均
粒径1.2μm)を使用した他は実施例3と同様にし
て電子写真感光体を作成し、これを感光体No.8と
する。感光体の評価は実施例1と同様に行なつ
た。結果を後記する。 比較例 5 実施例3の電荷輸送層において球状メラミン樹
脂部粉末を除いた他は実施例3と全く同様にして
電子写真感光体を作成し、これを感光体No.9とす
る。感光体の評価は実施例1と同様に行なつた。
結果を後記する。
【表】
【表】 黒ポチ白ポチなし 白スジ発生
カブリなし
【表】
【表】
【表】 実施例 5 導電性酸化チタン粉末(チタン(株)製)100部、
酸化チタン粉末(堺工業(株)製)100部、フエノー
ル樹脂(商品名プライオーフエン、大日本インキ
(株)製)125部をメタノール50部、メチルセロソル
ブ50部の溶剤に混合し、次いでボールミルにより
6時間にわたり分散した。 この分散液を、60φ×260mmのアルミニウムシ
リンダー上に浸漬法で塗布し、150℃、30分間に
亘つて熱硬化し、膜厚20μmの導電層を設けた。
導電層上の表面粗さは1.5μmであつた。 次に、共重合ナイロン樹脂(商品名アミラン
CM8000、東レ(株)製)10部をメタノール60部、ブ
タノール40部の混合液に溶解し、上記導電層上に
浸漬塗布して、1μm厚のポリアミド層を設けた。 次にε型銅フタロシアニン(東洋インキ(株)製)
100部、ブチラール樹脂(積水化学(株)製)50部お
よびシクロヘキサン1350部を1φガラスビーズを
用いたサンドミルで20時間分散した。この分散液
にメチルエチルケトン2700部を加え、上記ポリア
ミド層上に浸漬塗布し、50℃で10分加熱乾燥し
て、0.15g/m2の塗布量の電荷発生層を設けた。 次いで、下記構造式のヒドラゾン化合物を10
部、 およびスチレン−メタクリル酸メチル共重合樹脂
(商品名MS200、製鉄化学(株)製)15部をトルエン
80部に溶解した。 この液に球状シリコーン樹脂微粉末(東芝シリ
コーン(株)製、XC99−501、平均粒径2μm)を5部
加えてサンドミルにて1時間分散した。 この液を上記電荷発生層上に塗布して100℃で
1時間の熱風乾燥をして16μm厚の電荷輸送層を
形成した。 この積層型感光ドラム(感光体No.10とする)を
ガリウム−アルミ−ヒ素半導体レーザー(発光波
長780nm、出力5mW)を有し、コロナ帯電器
(帯電は負極性)、現像器、転写帯電器、クリーナ
ーを備えたレーザープリンター実験機につけて画
像出しを行なつた結果、ベタ画像部の画像濃度が
均一で、ライン画像部もシヤープな画像が得られ
た。また、この感光ドラムを用いて、温度23℃、
湿度60%ならびに温度35℃、湿度80%の環境条件
で、連続画像出し耐久試験を5000枚(A4)連続
で行なつたところ、どちらの環境においても画像
流れ、トナー融着による画像汚染が発生せず、初
期となんら変わりのない良質な画像が得られた。 さらに、温度23℃、湿度60%の環境下、5万枚
画像耐久後の画質と削れ量を後記する。 また、この感光体の暗所電位と露光電位を初期
および5万枚画像耐久後に測定した。電位の安定
性を後記する。なお、露光量は9ルツクス、秒で
ある。 次にマイラーシート上に電荷輸送層を形成し、
テーバー試験を行なつた。 比較例 6 実施例5と全く同じ方法で、アルミニウムシリ
ンダー上に導電層、下引層、電荷発生層を塗布し
た後、電荷輸送層は、球状シリコーン樹脂微粉末
を除き塗布形成して、比較用感光ドラム(感光体
No.11とする)を作成した。 この比較用感光体ドラムを前記と同一のレーザ
ープリンター実験機につけて画像を出したとこ
ろ、ライン画像部は問題ないが、ベタ画像部に干
渉による濃度ムラを発生した。 また濃度ムラが発生したにもかかわらず、実施
例5と同様に画像出し耐久試験を行なつた結果、
5000枚(A4)で電荷輸送層の削れにより感度が
低下し、そのため、画像濃度が低下してしまつ
た。 感光体の評価は実施例5と同様の行なつた。 結果を後記する。 実施例 6 実施例5と同じ方法で、導電層、下引層、電荷
発生層をアルミニウムシリンダー上に塗布形成
し、その上に、実施例5と同じ電荷輸送層組成物
中に球状シリコーン樹脂微粉末(東芝シリコーン
(株)製、XC99−301、平均粒径4μm)を3部加えた
ものを実施例5と同様な方法で分散し、この液を
塗布して電荷輸送層を形成し、電子写真感光体と
した。これを感光体No.12とする。 この感光ドラムを使用して、実施例5と同様な
方法で画像出しを行なつた結果、ベタ画像部の画
像濃度が均一であつた。ライン画像部は、実施例
5に比べ、やや落ちるが、シヤープな画像が得ら
れた。また、この感光ドラムを用いて、実施例5
と同様な環境下で、連続画像出し耐久を5000枚
(A4)連続で行なつたところ、実施例5と同様
に、画像流れ、トナー融着による画像汚染が発生
せず、初期となんら変わりのない良質な画像が得
られた。 感光体の評価は実施例5と同様に行なつた。 結果を後記する。 比較例 7 実施例5と全く同じ方法で、アルミニウムシリ
ンダー上に導電層、下引層、電荷発生層を塗布し
た後、電荷輸送層組成物中に、酸化亜鉛粉末が4
部添加したものを実施例5と同様な方法で分散
し、この液を塗布して、電荷輸送層を形成し、比
較用感光ドラムを作成した。感光体No.13とする。 この比較用感光ドラムを実施例5と同様な方法
で画像出しを行なつた結果、ベタ画像部において
は、干渉による濃度ムラは見られないが、電荷輸
送層中に酸化亜鉛を混入したことにより、電荷が
酸化亜鉛にトラツプされるため、感度低下が生じ
て、画像が薄くなつてしまつた。 感光体の評価は実施例5と同様に行なつた。 結果を後記する。
【表】 大
【表】 カブリなし
干渉縞なし
【表】 比較例7 黒ポチ多い 黒スジ発生
(No.13)
白ポチ有り カブリ発生
【表】
【表】 不均一
【表】 実施例 7 導電性酸化チタン粉末(チタン(株)製)100部、
酸化チタン粉末(堺工業(株)製)100部、フエノー
ル樹脂(商品名プライオーフエン、大日本インキ
(株)製)125部、シリコン系界面活性剤(東レシリ
コーン(株)製)0.02部をメタノール50部、メチルセ
ロソルブ50部の溶剤に混合し、次いでボールミル
により6時間にわたり分散した。 この分散液を、60φ×260mmのアルミニウムシ
リンダー上に浸漬法で塗布し、150℃、30分間に
わたつて熱硬化し、膜厚20μmの導電層を設けた。 次に共重合ナイロン樹脂(商品名アミラン
CM8000、東レ(株)製)2部と共重合ナイロン樹脂
(商品名トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)8部
をメタノール60部、ブタノール40部の混合液に溶
解し、上記導電層上に浸漬塗布して、1μm厚の下
引層を設けた。 次に下記構造式のジスアゾ顔料を10部、 アクリル樹脂(商品名ダイヤナールBR−80、三
菱レーヨン(株)製)6部およびシクロヘキサノン60
部を1φガラスビーズを用いたサンドミルで20時
間分散した。この分散液にメチルエチルケトン
2700部を加え、上記下引層上に浸漬塗布して50℃
で10分間加熱乾燥して、0.15g/m2の塗布量の電
荷発生層を設けた。 次いで下記構造式のヒドラゾン化合物を10部 およびポリカーボネート(商品名パンライトL−
1250、帝人化成(株)製)15部をジクロルメタン80部
に溶解した。 この液に球状シリコーン樹脂微粉末(ポリメチ
ルシルセスキオキサン、比重1.3、平均粒径
1.8μm)2部を加え、サンドミルにより2時間に
わたり分散した。 この分散液を上記電荷発生層上に塗布して100
℃で1時間の熱風乾燥を行ない、20μmの電荷輸
送層を形成した。作成した電子写真感光体を感光
体No.14とする。 またマイラーシート上に同様に電荷輸送層を形
成し、テーバー試験を行なつた。 この感光体No.14をレーザープリンター(LBP
−8、キヤノン(株)製)に取り付けて画像出しを行
なつた。 初期および5万枚画像耐久後の画質について検
討した。 初期画像はレーザービームプリンターに特有の
干渉縞も認められず、解像度も良く、画像欠陥も
殆ど無く、良好な結果を得た。 さらに5万枚の画像耐久テストにおいても異常
が認められなかつた。 また、この感光体の暗所電位と露光電位を初期
および5万枚画像耐久後に測定した。電位の安定
性を後記する。なお、露光量は3μJ/cm2である。 実施例 8 実施例7の電荷輸送層において、球状シリコー
ン樹脂微粉末の平均粒径を4.0μmとした他は実施
例7と全く同様の方法で電子写真感光体を作成し
た。これを感光体No.15とする。 感光体の評価は実施例7と同様に行なつた。 結果を後記する。 比較例 8 実施例7の電荷輸送層において球状シリコーン
樹脂微粉末を除いた他は実施例7と全く同一の方
法で電子写真感光体(感光体No.16)を作成した。 感光体の評価を実施例7と同様に行なつた。 初期画像にはレーザー光の干渉縞が発生し、画
像の均一性が著しく劣つている。 また耐久テストにおいては感光層のヒビ割れ、
剥れに基ずく画像欠陥を生じた。 比較例 9 実施例7の電荷輸送層において球状シリコーン
樹脂微粉末の平均粒径を0.4μmとした他は実施例
7と全く同一の方法で電子写真感光体(感光体No.
17)を作成した。 感光体の評価を実施例7と同様に行なつた。 結果を後記する。 比較例 10 実施例7の電荷輸送層において球状シリコーン
樹脂微粉末の平均粒径を8.0μmとした他は実施例
7と全く同一の方法で電子写真感光体(感光体No.
18)を作成した。 感光体の評価を実施例7と同様に行なつた。 結果を後記する。 比較例 11 実施例7の電荷輸送層において球状シリコーン
樹脂微粉末に代え酸化亜鉛微粉末(酸化亜鉛、比
重5.6、平均粒径4.0μm)を使用した他は実施例7
と全く同一の方法で電子写真感光体(感光体No.
19)を作成した。 感光体の評価を実施例7と同様に行なつた。 結果を後記する。
【表】 有り
【表】 カブリなし
干渉縞なし
【表】 黒ポチ多い カブリ悪化
カブリ有り
【表】
【表】
【表】 実施例 9 導電性カーボン塗料(商品名ドータイト、藤倉
化成(株)製)100部、メラミン樹脂(商品名スーパ
ーベツガン、大日本インキ(株)製)50部、酸化アル
ミナ粉末(平均粒径5μm)5部をトルエン100部
の溶剤に混合し、次いでボールミルにより6時間
にわたり分散した。 この分散液をアルミニウムシリンダー上に浸漬
塗布し、150℃で30分間にわたつて熱硬化し、膜
厚20μmの導電層を設けた。 次にポリウレタンとして、商品名ニツポラン
800、日本ポリウレタン(株)製を5部と商品名コロ
ネート2507、日本ポリウレタン(株)製を5部と硬化
剤としてジブチルスズラウレート0.01部をメチル
エチルケトン150部に溶解し、上記導電層上に浸
漬塗布し、150℃で30分間加熱乾燥し下引層を形
成した。 次に実施例7の電荷発生層においてポリエステ
ルに代え酢酸酪酸セルロース樹脂(商品名
CAB381、イーストマン化学(株)製)6部を使用
し、電荷発生層を形成した。 次に、実施例7の電荷輸送層において、球状シ
リコーン樹脂微粉末に代え球状メラミン樹脂微粉
末(メラミン−イソシアナート共重縮合体、比重
1.5、平均粒径4μm)を使用し、電荷輸送層を形
成した。 作成した電子写真感光体を感光体No.20とする。 感光体の評価は実施例7と同様に行なつた。 結果を後記する。 実施例 10 実施例9において、電荷輸送層に使用した球状
メラミン樹脂微粉末に代え球状アクリル樹脂微粉
末(メチルメタクリレート−ジビニルベンゼン共
重合体、比重1.1、平均粒径1.5μm)を使用して電
荷輸送層を形成する他は実施例9と同様の方法で
電子写真感光体(感光体No.21とする)を作成し
た。 感光体の評価は実施例7と同様に行なつた。 結果を後記する。 比較例 12 実施例9において球状メラミン樹脂微粉末を使
用しない他は実施例9と同様にして電子写真感光
体(感光体No.22とする)を作成した。 感光体の評価は実施例7と同様に行なつた。 結果を後記する。 比較例 13 実施例9において使用した球状メラミン樹脂微
粉末に代え、不規則形状の樹脂粒子として粒径20
〜30μmのポリエチレンをコロイドミルで粉砕し、
平均粒径を5.5μmとしたものを使用した他は実施
例9と同様にして電子写真感光体(感光体No.23と
する)を作成した。感光体の評価は実施例7と同
様に行なつた。 結果を後記する。
【表】 有り
【表】 白ポチ有り
干渉縞なし
【表】
【表】
【表】 [発明の効果] 本発明の電子写真感光体は、(1)感光体の機械強
度が向上する、(2)レーザー光の干渉縞を防止す
る、(3)感光体として高感度、高耐久である、(4)画
質においても高解像度で画像欠陥のない高品質の
画像が得られる、(5)塗工液は従来の場合と異な
り、液安定性が優れているので、生産の安定化、
特性の安定化が得られるなどの顕著な効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の構成の1例による光の光路
を示す説明図、第2図は、従来の電子写真感光体
に入射する光の光路を示す説明図である。 符号1は導電性支持体、2は支持体、3は導電
層、4は電荷発生層、5は球状樹脂微粉末入り電
荷輸送層、5′は電荷輸送層、6は入射レーザー
光、7は感光体内部への入射光、8は球状樹脂微
粉末入り電荷輸送層で拡散されたレーザー光、9
は導電性支持体の表面の反射光を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感
    光体において、該感光層の表面層が球状樹脂微粉
    末を含有し、該球状樹脂微粉末が硬化型樹脂であ
    り、かつ0.6〜6μmの平均粒径を有することを特
    徴とする電子写真感光体。 2 前記感光層が電荷発生層と電荷輸送層の積層
    構造からなり、前記表面層が電荷輸送層である特
    許請求の範囲第1項記載の電子写真感光体。 3 前記球状樹脂微粉末が球状シリコーン樹脂微
    粉末である特許請求の範囲第1項記載の電子写真
    感光体。 4 像露光光源としてレーザー光を用いる電子写
    真法に適用される特許請求の範囲第1項または2
    項記載の電子写真感光体。
JP62035657A 1986-02-20 1987-02-20 電子写真感光体 Granted JPS632072A (ja)

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