JP3204433B2 - 電子写真装置 - Google Patents

電子写真装置

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JP3204433B2
JP3204433B2 JP24597393A JP24597393A JP3204433B2 JP 3204433 B2 JP3204433 B2 JP 3204433B2 JP 24597393 A JP24597393 A JP 24597393A JP 24597393 A JP24597393 A JP 24597393A JP 3204433 B2 JP3204433 B2 JP 3204433B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真装置に関し、詳
しくは特定の表面形状の電子写真用転写材を用いる電子
写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体に用いられる光導
電材料としては、酸化亜鉛、セレン及び硫化カドミウム
等の無機材料が知られていた。有機材料であるポリビニ
ルカルバゾール、フタロシアニン及びアゾ顔料等は、高
生産性や無公害性等の利点が注目され、無機材料に比較
して光導電特性や耐久性等の点では劣る傾向があるもの
の、広く用いられるようになってきた。近年それらの欠
点も改善された新規材料が検討しており、特に光導電特
性は無機系のものをしのぎつつある。
【0003】一方、電子写真感光体は、複写機やレーザ
ービームプリンターの電子写真プロセスにおいて、帯
電、露光、現像、転写、クリーニング及び除電等の作用
を反復して受けるため、様々な化学的及び物理的耐久性
を要求される。特に表面エネルギー等の感光体の表面物
性は、感光体上の現像剤転写性や感光体の汚れ等に関与
し、高品質の画像を得るための重要な要素のひとつであ
る。前記の有機光導電材料は、その多くが単独では成膜
性を有さないため、感光層を形成する際には結着樹脂等
とともに成膜されるのが一般的である。従って表面エネ
ルギー等の表面物性に大きな影響を与える要因として
は、この結着樹脂等の特性が挙げられる。
【0004】従来用いられている結着樹脂としては、ポ
リエステル、ポリウレタン、ポリアリレート、ポリエチ
レン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネー
ト、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリア
ミドイミド、ポリサルホン、ポリアリルエーテル、ポリ
アセタール、ナイロン、フェノール樹脂、アクリル樹
脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリ
ル樹脂、アルキッド樹脂及びブチラール樹脂等が挙げら
れるが、より優れた表面物性を有するものが検討ささて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】電子写真プロセスは、
帯電、露光、現像、転写及び定着等のプロセスを経て画
像形成を行う。転写工程は、現像された現像剤を感光体
上から転写紙等の転写材に移し、最終的な画像を得るプ
ロセスに当たる。従って、感光体の現像剤を忠実に転写
することが、品質の高い画像を得るために要求される。
現像剤を転写する方法は、主に現像剤と反対極性の静電
気力によるが、それだけでは完全な転写は行われない。
その理由としては、現像剤と感光体との間に働く力は、
静電気力ばかりではなく、分子間力等をも含むからであ
る。特に、現像剤が大量に現像された部分では、感光体
側の現像剤にまで十分な静電転写力が及ばないため、極
性基による静電引力やファンデルワールス力等の分子間
力の影響で転写されない現像剤が感光体に残留してしま
う。その結果、転写不良による画像品質の低下や、廃現
像剤の増加等の弊害を生ずる。特に前述した従来の有機
感光体を用いた場合には、画像ベタ部の転写ムラや、文
字部の転写中抜け等の画像欠陥が生じ、さらには大量の
廃現像剤を廃棄しなければならない。
【0006】また、転写材の表面形状も転写に影響を与
える。従来、転写材はパルプ等の繊維を薄くすいたもの
等が用いられるが、完全に平坦な表面に加工するにはコ
スト高等の問題があり、どうしてもある程度の凹凸を有
する表面となる。すると転写の際感光体と転写材の間
に、図7(b)に示すような空気層を含んだ部分が生じ
ざるを得ない。空気層は誘電率が低く、感光層へ向かう
静電電力を弱め、前記転写不良を促進してしまう。特に
感光層が50μm以下と薄い時にはその影響が大きく、
従来の転写材と感光体の組合わせでは、前記転写不良を
完全に解決することはできなかった。
【0007】本発明の目的は、上記の問題点を解決し、
常に優れた画質の画像が得られる電子写真装置を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、電
子写真感光体及び転写手段を有し、JIS規格B06
1で定義される十点平均粗さRzが7.0〜30.0μ
mである表面形状の電子写真用転写材を用いる電子写真
装置において、該電子写真感光体の表面層が結着樹脂
該結着樹脂に相溶していない重量平均粒径が0.01〜
0.35μmであるシリコン原子含有化合物粒子、及び
該結着樹脂に相溶しているシリコン原子含有化合物を含
有し、該結着樹脂に相溶していないシリコン原子含有化
合物粒子の含有量が表面層全重量に対して10〜70重
量%であり、該結着樹脂に相溶しているシリコン原子含
有化合物の含有量が該結着樹脂に相溶していないシリコ
ン原子含有化合物粒子全重量に対して0.1〜50重量
%であり、X線光電子分光測定における該表面層中の炭
素原子とシリコン原子の割合Si/Cが0.01〜1.
0であることを特徴とする電子写真装置である。
【0009】本発明において、Si/Cが0.01に満
たないと転写が不十分になり易く、1.0を越えると相
自体の強度や接着性の低下が生じたり、樹脂粒子の光散
乱による画像の劣化が生じることがある。
【0010】Si/Cは用いる材料の種類や量に影響さ
れるのは勿論であるが、その他粒子の分散状態や感光体
の表面状態によっても異なる値を示す。
【0011】本発明に用いられるシリコン原子含有化合
物としては、モノメチルシロキサン三次元架橋物、ジメ
チルシロキサン−モノメチルシロキサン三次元架橋物、
超高分子量ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロ
キサンセグメントを含有するブロックポリマー、グラフ
トポリマー、界面活性剤、マクロモノマー及び末端修飾
ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。
【0012】本発明においては、これらの材料から後述
の結着樹脂と相溶性のない化合物粒子と相溶性のある化
合物とを組み合わせて用いることが好ましい。化合物粒
子の粒径は、重量平均粒径で0.01〜0.35μmで
ある。また、樹脂粒子の分子量は、重量平均分子量で
3,000〜5,000,000であることが好まし
い。更に、化合物粒子の含有量は、化合物粒子が含有さ
れる層全重量に対して10〜70重量%であ、20〜
60重量%であることが好ましい。
【0013】また、結着樹脂に相溶性のある化合物の含
有量は、その化合物が含有される層中の化合物粒子全重
量に対して0.1〜50重量%であ、0.1〜30重
量%であることが好ましい。
【0014】本発明に用いられる電子写真感光体の感光
層は、単層または積層構造を有する。単層構造の場合、
キャリアの生成及び移動は同一層中で行われ、シリコン
原子を含有する化合物は最表面層であるこの層に含有さ
れる。積層構造の場合、キャリアを生成する電荷発生層
と、キャリアが移動する電荷輸送層とが積層される。表
面層を形成するのは、電荷発生層または電荷輸送層のど
ちらでもよいが、いずれにしても、シリコン原子を含有
する化合物は最表面層を形成する層に含有される。
【0015】単層型感光層の膜厚は、5〜100μmで
あることが好ましく、特には10〜60μmであること
が好ましい。キャリアを発生する電荷発生材料やキャリ
アを輸送する電荷輸送材料の含有量は、感光層全重量に
対し20〜80重量%であることが好ましく、特には3
0〜70重量%であることが好ましい。積層型感光層の
場合、電荷発生層の膜厚は0.001〜6μmであるこ
とが好ましく、特には0.01〜2μmであることが好
ましい。電荷発生材料の含有量は、電荷発生層全重量に
対し10〜100重量%であることが好ましく、特には
40〜100重量%であることが好ましい。電荷輸送層
の膜厚は5〜100μmであることが好ましく、特には
10〜60μmであることが好ましい。電荷輸送材料の
含有量は、電荷輸送層全重量に対し、20〜80重量%
であることが好ましく、特には30〜70重量%である
ことが好ましい。
【0016】本発明に用いられる電荷発生材料として
は、フタロシアニン顔料、多環キノン顔料、アゾ顔料、
ペリレン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、アズ
レニウム塩染料、スクアリリウム染料、シアニン染料、
ピリリウム染料、チオピリリウム染料、キサンテン色
素、キノンイミン色素、トリフェニルメタン色素、スチ
リル色素、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリ
コン及び硫化カドミウム等が挙げられる。また、本発明
に用いられる電荷輸送材料としては、ピレン化合物、カ
ルバゾール化合物、ヒドラゾン化合物、N,N−ジアル
キルアニリン化合物、ジフェニルアミン化合物、トリフ
ェニルアミン化合物、トリフェニルメタン化合物、ピラ
ゾリン化合物、スチリル化合物及びスチルベン化合物等
が挙げられる。
【0017】これらの材料は、適当な結着樹脂に分散あ
るいは溶解することにより用いられるが、かかる結着樹
脂としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアリレ
ート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、
ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリ
イミド、ポリアミドイミド、ポリサルホン、ポリアリル
エーテル、ポリアセタール、ナイロン、フェノール樹
脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユ
リア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂及びブチラール
樹脂等が好ましい。更に、反応性のエポキシ、(メタ)
アクリルモノマーやオリゴマーを上述の樹脂に混合後硬
化して用いることも好ましい。これらの中でも、ポリア
リレート、ポリカーボネート及びポリアリルエーテルで
あることが特に好ましい。
【0018】本発明においては、電子写真感光体が感光
層の上に保護層を有していることがより好ましい。保護
層の膜厚は0.01〜20μmであることが好ましく、
特には0.1〜10μmであることが好ましい。保護層
には、前述した電荷発生材料または電荷輸送材料を含有
してもよい。またこの際、シリコン原子含有化合物は、
少なくとも最表面層である保護層に含まれる。保護層に
用いることのできる結着樹脂としては、上記の感光層に
用いることのできる樹脂と同様の樹脂が挙げられる。
【0019】本発明に用いられるシリコン原子含有化合
物は上記結着樹脂に分散もしくは溶解することにより用
いられるが、分散手段としてはサンドミル、ボールミ
ル、ロールミル、ホモジナイザー、ナノマイザー、ペイ
ントシェイカー及び超音波等が挙げられる。
【0020】導電性支持体と感光層との間に、下引層を
設けてもよい。下引層は主に樹脂からなるが、前記導電
性材料やアクセプター性物質を含有してもよい。下引層
を形成する樹脂としては、ポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリアリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポ
リブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプ
ロピレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリサルホ
ン、ポリアリルエーテル、ポリアセタール、ナイロン、
フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポ
キシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂及
びブチラール樹脂等が挙げられる。
【0021】これら各種層は、バーコーティング法、ナ
イフコーティング法、ロールコーティング法、スプレー
コーティング法、浸漬コーティング法、静電コーティン
グ法及び粉体コーティング法等により導電性支持体上に
塗布、形成される。
【0022】本発明の電子写真感光体に用いられる導電
性支持体としては、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、
チタン、スズ、アンチモン、インジウム、鉛、亜鉛、金
及び銀等の金属や合金、あるいはそれらの酸化物やグラ
ファト、導電性樹脂更にはこれらの導電性材料を分散し
た樹脂等が挙げられる。形状は円筒形、ベルト状やシー
ト状のいずれでも良いが適用される電子写真装置によっ
て最も適当な形状であることが好ましい。
【0023】本発明における電子写真装置の概略構成図
を図1,2に示す。この電子写真装置は、複写機、プリ
ンター及びファクシミリ等の出力装置として使用可能で
ある。
【0024】画像形成の工程は、帯電、露光、現像、転
写、クリーニング、及び除電の順で行うことを基本とす
る。まず、コロトロンやスコロトロン等の帯電器2にて
感光体の表面に電荷を与えた後、光源4から光像が感光
体上に照射される。この光像は感光体中に電荷のキャリ
アを発生させ、感光体の表面電価を消去することにより
静電潜像を形成する。感光体1上に形成された静電潜像
は、現像機5にて現像される。
【0025】現像剤により現像された像は、転写工程で
転写紙等の転写材に転写される。転写は主には現像剤と
反対極性の静電気力により行われ、コロトロン、スコロ
トロン、導電ブラシ及び導電ローラー7等が用いられ
る。同時に、加圧による転写効果を付与するために、加
圧部材が併用されることもある。
【0026】転写後の残現像剤は、クリーニングにより
除かれる。クリーニング方式としては、装置の省スペー
ス化にともない、より簡略な装置構成を実現するために
も、ブレードクリーニングを採用するのが望ましい。ブ
レードクリーニングは、板状のポリウレタン等の弾性部
材を感光体上母線方向に突き当てただけの簡単な構成を
とる。ブレードクリーニングのつき当て方向は、感光体
の回転方向にブレード先端が向いた順方向、感光体の回
転方向と逆方向にブレード先端が向いたカウンター方
向、及び感光体とブレードとが垂直な場合等がある。ま
た、ブレードは単独ばかりではなく、複数を併用するこ
ともできる。また、補助的にクリーニングブラシ、ウェ
ブあるいは磁気ブラシ等を併用してもよい。
【0027】以下、実施例により本発明を更に詳細に説
明する。
【0028】
【実施例】
[実施例1]酸化スズで被覆された導電性酸化チタン
(重量平均粒径0.4μm)10 部(重量部、以下同
様)、フェノール樹脂前駆体(レゾール型)10部をメ
タノール10部及びブタノール10部の混合溶剤に溶解
した溶液にサンドミルを用いて分散した分散液を、外径
80mm、長さ360mmのアルミニウムシリンダー上
に浸漬塗布法により塗工し、140℃で硬化することに
よって体積抵抗5×109 Ωcm、厚さ20μmの導電
層を形成した。
【0029】次に、下記式で示されるメトキシメチル化
ナイロン(重量平均分子量30,000、メトキシメチ
ル化度約30%)10部
【0030】
【化1】 をイソプロパノール150部に溶解した溶液を、前記導
電層上に浸漬塗布法により塗工し、乾燥することによっ
て厚さ1μmの下引層を形成した。
【0031】次に、下記式で示されるアゾ顔料10部、
【0032】
【化2】 及び下記式で示されるポリカーボネート樹脂(重量平均
分子量30,000)5部を
【0033】
【化3】 シクロヘキサノン700部に溶解した溶液にサンドミル
を用いて分散した分散液を、前記下引層上に浸漬塗布法
により塗工し、乾燥することによって、厚さ0.05μ
mの電荷発生層を形成した。
【0034】次に、下記式で示されるトリフェニルアミ
ン10部、
【0035】
【化4】 及び下記式で示されるポリカーボネート樹脂(重量平均
分子量20,000)10部を、
【0036】
【化5】 モノクロロベンゼン50部及びジクロロメタン15部の
混合溶剤に溶解した溶液を、前記電荷発生層上に浸漬塗
布法により塗工し、熱風乾燥することによって、厚さ2
0μmの電荷輸送層を形成した。
【0037】次に、真球状三次元架橋ポリシロキサン微
粒子(重量平均粒径0.29μm、東芝シリコーン社
製)2部、及び下記式で示されるポリカーボネート樹脂
(重量平均分子量80,000)6部、
【0038】
【化6】 及び下記式で示されるポリジメチルシロキサンメタクリ
レート−メチルメタクリレートブロック共重合体(シリ
コン含有量22重量%、重量平均分子量50,000)
0.1部を、
【0039】
【化7】 (nは4〜16の整数を示し、i及びjは共重合比を示
す。)モノクロロベンゼン120部及びジクロロメタン
80部の混合溶剤に分散及び溶解した溶液に、下記式で
示されるトリフェニルアミン3部
【0040】
【化8】 を溶解した溶液を、前記電荷輸送層上にスプレー塗布法
により塗工し、乾燥することによって、厚さ3μmの保
護層を形成した。
【0041】得られた電子写真感光体を下記の方法で評
価した。
【0042】[Si/C]感光体表面を4cm×4cm
の大きさに切りとり、このサンプルについて、VG社製
ESCALAB200−X型X線光電子分光装置にて表
面元素の定量を行った。X線源としてMgCa(300
W)を用い、2mm×3mmの領域について数オングス
トロームの深さで測定した。得られたチャートを図3に
示す。その結果、シリコン原子が12.3%、炭素原子
が59.0%でありSi/Cは0.208であった。
【0043】[接触角]滴下式の接触角計(協和界面科
学製)により、前記感光体ドラム表面の純水に対する接
触角を測定した。その結果、実施例1の感光体の接触角
は109度と十分低い表面エネルギーであった。
【0044】[転写効率]図1に示した電子写真装置に
感光体を装着し、初期の転写効率を測定した。帯電はマ
イナス極性のスコロトロンを用い、露光はハロゲンラン
プを用いた。現像剤は二成分のポジ極性現像剤を用いマ
イナス極性のコロトロンにて行った。転写効率の測定
は、ハーフトーンベタパターンを単色で出力した際に、
転写材に転写された現像剤濃度と、感光体上に残留した
現像剤濃度を反射式マクベス濃度計で測定した後算出し
た。ハーフトーンベタパターンの画像濃度は、転写材上
の反射式マクベス濃度測定で0.80とした。その結
果、転写効率は94%と高かった。
【0045】[転写ムラ]図1に示した電子写真装置に
感光体を装着し、ハーフトーンベタ画像を出力した。転
写材はRz0.56μmのポリエチレンテレフタレート
フィルム(PET)、Rz10.2μmの転写紙1、及
びRz15.3μmの転写紙2を用いた。尚、計算式は
転写された現像剤濃度/(転写された現像剤濃度+残留
した現像剤濃度)とした。また、ハーフトーンベタパタ
ーン画像の画像濃度は、反射式マクベス濃度計で平均
1.20とした。その結果、いずれの転写材でも均一な
画像が得られた。
【0046】[比較例1]保護層を設けない以外は実施
例1と同様にして電子写真感光体を作成し、評価した。
【0047】結果を以下に示す。
【0048】[Si/C]図4からシリコン原子は0%
であり、Si/Cは0であった。
【0049】[接触角]接触角は82度であった。
【0050】[転写効率]転写効率は86%であった。 [転写ムラ]PETでは均一画像を得たものの、転写紙
1及び2では画像各所が転写不良により抜けてしまう転
写ムラを生じた。
【0051】[実施例2]実施例1と同様にして、アル
ミニウムシリンダー上に導電層、下引層、電荷発生層及
び電荷輸送層を形成した。
【0052】次に、真球状三次元架橋ポリシロキサン微
粒子(重量平均粒径0.29μm、東芝シリコーン社
製)3部、下記式で示されるポリカーボネート樹脂(重
量平均分子量100,000)4部、
【0053】
【化9】 及び下記式で示されるポリジメチルシロキサンメタクリ
レート−スチレンブロック共重合体(シリコン含有量2
4重量%、重量平均分子量60,000)0.3部を、
【0054】
【化10】 (nは正の整数を示し、i及びjは共重合比を示す。) モノクロロベンゼン110部及びジクロロメタン80部
の混合溶剤に分散及び溶解した溶液に、下記式で示され
るトリフェニルアミン2.5部
【0055】
【化11】 を溶解した溶液を、前記電荷輸送層上にスプレー塗布法
により塗工し、乾燥することによって、厚さ4.5μm
の保護層を形成した。
【0056】得られた電子写真感光体を実施例1と同様
にして評価した。その結果、シリコン原子は15.6%
で炭素原子が56.3%であり、Si/Cは0.277
であり、接触角は110度であった。また、転写効率は
94%で、転写ムラがない非常に優れた画像を得ること
ができた。
【0057】〔実施例3〕実施例1と同様にして、アル
ミニウムシリンダー上に導電層、下引層及び電荷発生層
を形成した。
【0058】次に、実施例1で用いたトリフェニルアミ
ン10部の代りに下記式で示されるトリフェニルアミン
3部
【0059】
【化12】 及び下記式で示される前記トリフェニルアミン7部
【0060】
【化13】 を用いる以外は実施例1と同様にして電荷輸送層を形成
した。
【0061】次に、真球状三次元架橋ポリシロキサン微
粒子(重量平均粒径0.29μm、東芝シリコーン社
製)3部、下記式で示されるポリカーボネート樹脂(重
量平均分子量80,000)4部、
【0062】
【化14】 及び下記式で示されるシリコン系グラフトポリマー(重
量平均分子量35,000)0.35部を、
【0063】
【化15】 (m及びnは正の整数を示し、i,j及びkは共重合比
を示す。) モノクロロベンゼン100部及びジクロロメタン80部
の混合溶剤に分散及び溶解した溶液に、下記式で示され
るトリフェニルアミン2部
【0064】
【化16】 を溶解した溶液を、前記電荷輸送層上にスプレー塗布法
により塗工し、乾燥することによって、厚さ3μmの保
護層を形成した。
【0065】得られた電子写真感光体を実施例1と同様
にして評価した。その結果、シリコン原子は17.7%
で炭素原子が57.4%であり、Si/Cは0.308
であり、接触角は109度であった。また、転写効率は
95%で、転写ムラがない非常に優れた画像を得ること
ができた。
【0066】〔実施例4〕実施例1と同様にして、アル
ミニウムシリンダー上に導電層、下引層及び電荷発生層
を形成した。
【0067】次に、下記式で示されるトリフェニルアミ
ン3部、
【0068】
【化17】 下記式で示されるトリフェニルアミン7部、
【0069】
【化18】 及び下記式で示されるポリカーボネート樹脂(重量平均
分子量25,000)10部を、
【0070】
【化19】 モノクロロベンゼン50部及びジクロロメタン15部の
混合溶剤に溶解した溶液を、前記電荷発生層上に浸漬塗
布法により塗工し、熱風乾燥することによって、厚さ2
0μmの電荷輸送層を形成した。
【0071】次に、真球状三次元架橋ポリシロキサン微
粒子(重量平均粒径0.29μm、東芝シリコーン社
製)3部、下記式で示されるポリカーボネート樹脂(重
量平均分子量80,000)4部、
【0072】
【化20】 及び下記式で示されるシリコン系グラフトポリマー(重
量平均分子量35,000)0.3部を、
【0073】
【化21】 (m及びnは正の整数を示し、i,j及びkは共重合比
を示す。) モノクロロベンゼン110部及びジクロロメタン70部
の混合溶剤に分散及び溶解した溶液に、下記式で示され
るトリフェニルアミン2.5部
【0074】
【化22】 を溶解した溶液を、前記電荷輸送層上にスプレー塗布法
により塗工し、乾燥することによって、厚さ4μmの保
護層を形成した。
【0075】得られた電子写真感光体を実施例1と同様
にして評価した。その結果、シリコン原子は17.8%
で炭素原子が56.9%であり、Si/Cは0.312
であり、接触角は110度であった。また、転写効率は
95%で、転写ムラがない非常に優れた画像を得ること
ができた。
【0076】〔比較例2〕実施例1と同様にして、アル
ミニウムシリンダー上に導電層、下引層及び電荷発生層
を形成した。
【0077】次に、下記式で示されるトリフェニルアミ
ン10部、
【0078】
【化23】 及び下記式で示されるポリカーボネート樹脂(重量平均
分子量25,000)10部を、
【0079】
【化24】 モノクロロベンゼン50部及びジクロロメタン15部の
混合溶剤に溶解した溶液を、前記電荷発生層上に浸漬塗
布法により塗工し、熱風乾燥することによって、厚さ2
0μmの電荷輸送層を形成した。
【0080】次に、真球状三次元架橋ポリシロキサン微
粒子(重量平均粒径0.29μm、東芝シリコーン社
製)0.5部、及び下記式で示されるポリカーボネート
樹脂(重量平均分子量80,000)4部を、
【0081】
【化25】 モノクロロベンゼン120部及びジクロロメタン80部
の混合溶剤に分散及び溶解した溶液に、下記式で示され
るトリフェニルアミン2.5部
【0082】
【化26】 を溶解した溶液を、前記電荷輸送層上にスプレー塗布法
により塗工し、乾燥することによって、厚さ3μmの保
護層を形成した。
【0083】得られた電子写真感光体を実施例1と同様
にして評価した。その結果、シリコン原子は0.53%
で炭素原子が83.3%であり、Si/Cは0.006
4であり、接触角は84度であった。転写効率は87%
と低かった。また、PETでは均一画像を得たものの、
転写紙1及び2では画像各所が転写不良により抜けてし
まう転写ムラを生じた。
【0084】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、転写が良
好で、常に優れた画像が得られる電子写真装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に用いた電子写真装置の構成の概略を
示す図である。
【図2】本発明に用いることのできる電子写真装置の構
成の概略を示す図である。
【図3】実施例1で作成した電子写真感光体をX線光電
子分光測定することにより得られたチャートを示す図で
ある。
【図4】比較例1で作成した電子写真感光体をX線光電
子分光測定することにより得られたチャートを示す図で
ある。
【図5】転写中抜けが生じた画像の例を示す図である。
【図6】感光体構成を示す模式図である。
【図7】転写材の表面凹凸を示す模式図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 2 帯電器 3 読み取り装置、情報処理装置、記憶装置、通信装
置等 4 光源 5 現像器 6 原稿 7 転写帯電 8 クリーニング装置 9 除電 10 定着 11 給紙 21 導電性支持体 22 導電層 23 下引層 24 電荷発生層 25 電荷輸送層 26 保護層 27 単層感光層 28 シリコン化合物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 雨宮 昇司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 山上 雅昭 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−189559(JP,A) 特開 平2−156246(JP,A) 特開 昭63−61255(JP,A) 特開 昭63−2072(JP,A) 特開 昭59−37573(JP,A) 特開 平4−9066(JP,A) 特開 平4−170570(JP,A) 特開 平3−161760(JP,A) 特開 平4−24665(JP,A) 特開 平4−20920(JP,A) 特開 平3−259168(JP,A) 特開 平3−216617(JP,A) 特開 平3−210579(JP,A) 特開 昭62−174770(JP,A) 特開 平1−191857(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/147,5/05

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真感光体及び転写手段を有し、J
    IS規格B061で定義される十点平均粗さRzが
    7.0〜30.0μmである表面形状の電子写真用転写
    材を用いる電子写真装置において、該電子写真感光体の
    表面層が結着樹脂、該結着樹脂に相溶していない重量平
    均粒径が0.01〜0.35μmであるシリコン原子含
    有化合物粒子、及び該結着樹脂に相溶しているシリコン
    原子含有化合物を含有し、該結着樹脂に相溶していない
    シリコン原子含有化合物粒子の含有量が表面層全重量に
    対して10〜70重量%であり、該結着樹脂に相溶して
    いるシリコン原子含有化合物の含有量が該結着樹脂に相
    溶していないシリコン原子含有化合物粒子全重量に対し
    て0.1〜50重量%であり、X線光電子分光測定にお
    ける該表面層中の炭素原子とシリコン原子の割合Si/
    Cが0.01〜1.0であることを特徴とする電子写真
    装置。
  2. 【請求項2】 電子写真感光体が導電性支持体上に感光
    層を有し、該感光層が表面層である請求項1記載の電子
    写真装置。
  3. 【請求項3】 電子写真感光体が導電性支持体上に感光
    及び保護層を有し、該保護層が表面層である請求項1
    記載の電子写真装置。
  4. 【請求項4】 感光層の厚さが50μm以下である請求
    記載の電子写真装置。
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