JPH05117360A - 熱可塑性ポリウレタン - Google Patents

熱可塑性ポリウレタン

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JPH05117360A
JPH05117360A JP4110414A JP11041492A JPH05117360A JP H05117360 A JPH05117360 A JP H05117360A JP 4110414 A JP4110414 A JP 4110414A JP 11041492 A JP11041492 A JP 11041492A JP H05117360 A JPH05117360 A JP H05117360A
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polyester
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寅之助 斉藤
Hironori Kadomachi
博記 角町
Daishirou Kishimoto
大志郎 岸本
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性および機械的強度に優れ、かつ室温お
よび低温での柔軟性に優れた熱可塑性ポリウレタンを得
る。 【構成】 下記一般式〔I〕で示されるジヒドロキシ化
合物と下記一般式〔II〕で示されるモノヒドロキシ化合
物のうち少なくともいずれか一方と、両末端にヒドロキ
シル基を有するポリエステルと、ジイソシアネートとを
主に含有する。 【化1】 (式中、R1およびR2はアルキレン基を示し、pは3ま
たは4であり、qおよびrは0または1以上の整数を示
す)。 【化2】 (式中、R3はアルキレン基を示し、lは2または3で
あり、mは0または1以上の整数を示す)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性ポリウレタン
に関し、さらに詳しくは、ゴム状弾性を有し、かつ耐熱
性および機械的強度に優れた熱可塑性エラストマーとし
て有用なポリウレタンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、材料がゴム弾性を示すために
は、分子鎖回転の容易な無定型高分子が部分的に架橋し
ていることが必要である。例えば、弾性を有するゴムで
は硫黄分子が分子鎖間を化学結合により架橋して網目構
造を形成している。ゴム以外にも、種々の高分子化合物
と架橋剤とを組み合わせた材料が提案されている。しか
し、これらの材料を成形するためには架橋工程を必要と
し、化学的に架橋された後では、熱可塑性を示さないの
で、架橋された材料を射出成形や押出成形により成形す
ることはできない。
【0003】熱可塑性エラストマーが成形可能な材料と
して従来より注目されている。しかし、熱可塑性エラス
トマーにおいてその物性はそれに含まれるハートセグメ
ント部分の水素結合等の物理的拘束によっているため、
耐熱性はハードセグメントの軟化溶融点に制約を受けて
低い。熱可塑性エラストマーの耐熱性を高めようとすれ
ば、ハードセグメントの含有割合を多くすれば良いが、
その場合には必然的に室温および低温での硬さが増し、
成形体の柔軟性が低下してしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の点を
解決しようとするもので、その目的は、耐熱性および機
械的強度に優れ、かつ室温および低温での柔軟性に優れ
た熱可塑性ポリウレタンを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の熱可塑性
ポリウレタンは、(A)下記一般式〔I〕で表わされる
ジヒドロキシ化合物と下記一般式〔II〕で表されるモノ
ヒドロキシ化合物のうち少なくともいずれか一方と、
(B)脂肪族ジカルボン酸と、脂肪族ジオールと、下記
一般式〔I〕で示されるジヒドロキシ化合物および下記
一般式〔II〕で示されるモノヒドロキシ化合物のうち少
なくともいずれか一方とを主な構成成分とする脂肪族ポ
リエステル、または両末端にヒドロキシル基を有するポ
リエステルと、(C)ジイソシアネートとを主な構成成
分とすることを特徴とし、そのことにより、上記目的が
達成される。
【0006】
【化3】
【0007】(式中、R1およびR2は独立的にアルキレ
ン基を示し、pは3または4であり、qおよびrは独立
的に0または1以上の整数を示す)。
【0008】
【化4】
【0009】(式中、R3はアルキレン基を示し、lは
2または3であり、mは0または1以上の整数を示
す)。
【0010】本発明の第2の熱可塑性ポリウレタンは、
(A)上記に記載のジヒドロキシ化合物と上記に記載の
モノヒドロキシ化合物のうち少なくともいずれか一方
と、(D)両末端にヒドロキシル基を有するポリシロキ
サンと、(C)ジイソシアネートとを主な構成成分とす
ることを特徴とし、そのことにより、上記目的が達成さ
れる。
【0011】さらに、本発明の第3の熱可塑性ポリウレ
タンは、(A)上記に記載のジヒドロキシ化合物と上記
に記載のモノヒドロキシ化合物のうち少なくともいずれ
か一方と、(E)両末端にヒドロキシル基を有するポリ
ラクトンと、(C)ジイソシアネートとを主な構成成分
とすることを特徴とし、そのことにより、上記目的が達
成される。
【0012】次に本発明を詳しく説明する。
【0013】まず本発明の第1の熱可塑性ポリウレタン
について説明する。
【0014】本発明に使用するジヒドロキシ化合物は前
記一般式〔I〕で示されるものであり、ジヒドロキシ化
合物〔I〕は、液晶性を示す低分子化合物であって、ア
ルキレン基R1およびR2はエチレン基またはプロピレン
基が好ましく、qおよびrは0または1が好ましい。上
記ジヒドロキシ化合物としては、例えば、4,4’’−
ジヒドロキシ−p−ターフェニル、4,4’’’−ジヒ
ドロキシ−p−クォーターフェニル、4,4’’’−ジ
(2−ヒドロキシエトキシ)−p−クォーターフェニル
等が好適に使用される。上記ジヒドロキシ化合物はそれ
ぞれ単独で使用してもよく、あるいは併用してもよい。
【0015】液晶性の分子は一般に結晶性が高く、上記
したように4,4’’−ジヒドロキシ−p−ターフェニ
ル、4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェ
ニルおよび4,4’’’−ジ(2−ヒドロキシエトキ
シ)−p−クォーターフェニル等はその融点が高いため
に、これらのジヒドロキシ化合物〔I〕がポリマー鎖中
に組み込まれた場合、そのポリマーは特異な性質を示
す。すなわち、ジヒドロキシ化合物〔I〕が結晶性を示
し、しかもその融点が高いので、ジヒドロキシ化合物
〔I〕の含有量が少量のポリマーでも強固で耐熱性の高
い物理的架橋を形成する。その結果、ソフトセグメント
に由来する柔軟性を損なうことなく耐熱性の高い熱可塑
性エラストマーが得られるものと推察される。
【0016】本発明に使用するモノヒドロキシ化合物
は、前記一般式〔II〕で示される化合物であり、パラフ
ェニレン骨格を有する剛直性の低分子化合物であり、ま
たその特徴ある分子構造を反映してこれらの化合物の融
点は極めて高い。さらにパラフェニレン骨格は低分子液
晶化合物のメソゲンとして有効であることが知られてお
り、これは該骨格が固体状態のみならず高温状態(溶融
状態)においても、強い凝集力を有していることを示す
ものである。従って、上記のモノヒドロキシ化合物〔I
I〕をポリマー末端に組み込んだ場合、非常に強固で耐
熱性の高い物理的架橋をもたらし、耐熱性に優れた熱可
塑性エラストマーが生成する。
【0017】上記モノヒドロキシ化合物〔II〕において
は、R3はエチレン基またはプロピレン基が好ましく、
nは0または1が好ましい。上記モノヒドロキシ化合物
としては、例えば、4−ヒドロキシ−p−ターフェニ
ル、4−ヒドロキシ−p−クォーターフェニル、4−
(2−ヒドロキシエトキシ)−p−ターフェニル、4−
(2−ヒドロキシエトキシ)−p−クォーターフェニル等
があげられる。上記モノヒドロキシ化合物〔II〕は、そ
れぞれ単独で使用してもよく、あるいはそれらを併用し
てもよい。
【0018】本発明に使用するポリエステル(B)は、
脂肪族カルボン酸と、脂肪族ジオールと、前記一般式
〔I〕で示されるジヒドロキシ化合物および前記一般式
〔II〕で示されるモノヒドロキシ化合物のうち少なくと
もいずれか一方とを主な構成成分とする脂肪族ポリエス
テル、または両末端にヒドロキシル基を有するポリエス
テルである。
【0019】まず上記脂肪族ポリエステルについて説明
する。
【0020】本発明に使用する脂肪族ジカルボン酸とし
ては、炭素数が10以下のジカルボン酸が好ましく、例
えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ア
ジピン酸、スベリン酸およびセバチン酸等が挙げられ
る。
【0021】本発明に使用する脂肪族ジオールとして
は、グリコールおよびポリアルキレンオキシドが挙げら
れる。上記グリコールとしては、例えば、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、トリメチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジ
オール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジ
オール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘ
キサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,3−
ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロ
ヘキサン−1,4−ジメタノール等が挙げられ、これら
は単独で使用されてもよく、二種以上が併用されてもよ
い。
【0022】上記ポリアルキレンオキシドとしては、例
えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシ
ド、ポリテトラメチレンオキシド、ポリヘキサメチレン
オキシド等が挙げられ、これらは単独で使用されてもよ
く、二種以上が併用されてもよい。上記ポリアルキレン
オキシドの数平均分子量は、小さくなると生成する脂肪
族ポリエステルに柔軟性を付与する能力が低下し、大き
くなりすぎると生成する脂肪族ポリエステルの熱安定性
等の物性が低下するので、100〜20000が好まし
く、より好ましくは500〜5000である。
【0023】上記脂肪族ポリエステルに、2個の水酸基
を有するポリシリコーン、ラクトンまたは芳香族ヒドロ
キシカルボン酸を構成成分として含有させてもよい。
【0024】上記ポリシリコーンは2個の水酸基を有す
るものであり、2個の水酸基が分子末端にあるポリシリ
コーンが好ましく、例えば、分子の両末端に2個の水酸
基を有するジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロ
キサン、ジフェニルポリシロキサン等が挙げられる。ポ
リシリコーンの数平均分子量は、大きくなるとポリエス
テルの生成が困難になるので、20000以下が好まし
く、より好ましくは5000以下である。
【0025】上記ラクトンとしては、開環して酸および
水酸基と反応し、脂肪族鎖を付加するものであって、ポ
リエステルに柔軟性を付与するものであり、環の中に4
個以上の炭素原子を有するものが好ましく、より好まし
くは5員環〜8員環であり、例えば、ε−カプロラクト
ン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン等が挙げ
られる。
【0026】上記芳香族ヒドロキシカルボン酸は、ポリ
エステルに剛性や液晶性を付与するものであり、サリチ
ル酸、メタヒドロキシ安息香酸、パラヒドロキシ安息香
酸、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−ブロモ
−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メトキシ−4−ヒドロ
キシ安息香酸、3−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、
3−フェニル−4−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキ
シ−6−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ−4’−カルボキ
シビフェニル等が挙げられ、好ましくは、パラヒドロキ
シ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、4−ヒ
ドロキシ−4’−カルボキシビフェニルである。
【0027】さらに、上記脂肪族ポリエステルに、ポリ
エステルの機械的強度等を向上させるために、上記ジヒ
ドロキシ化合物〔I〕以外の芳香族ジオールや芳香族ジ
カルボン酸を構成成分として含有させても良い。
【0028】上記芳香族ジオールとしては、ヒドロキノ
ン、レゾルシン、クロロヒドロキノン、ブロモヒドロキ
ノン、メチルヒドロキノン、フェニルヒドロキノン、メ
トキシヒドロキノン、フェノキシヒドロキノン、4,
4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルサルファイド、4,4’−ジヒドロキシジフェニル
スルホン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビスフェノ
ールA、1,1−ジ(4-ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、1,2−ビス(4-ヒドロキシフェノキシ)
エタン、1,4−ジヒドロキシナフタリン、2,6−ジ
ヒドロキシナフタリン等が挙げられる。
【0029】上記芳香族ジカルボン酸としては、テレフ
タル酸、イソフタル酸、5−スルホイソフタル酸の金属
塩、4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジ
カルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキ
シジフェニルサルファイド、4,4’−ジカルボキシジ
フェニルスルホン、3,3’−ジカルボキシベンゾフェ
ノン、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、1,2
−ビス(4−カルボキシフェノキシ)エタン、1,4−
ジカルボキシナフタリン、または2,6−ジカルボキシ
ナフタリン等が挙げられる。
【0030】以上のような構成成分からなる上記脂肪族
ポリエステルは、一般に知られている任意の重縮合方法
を用いて製造することができる。例えば、 ジカルボン酸とジオール成分(脂肪族ジオール、ジヒ
ドロキシ化合物、モノヒドロキシ化合物等を含めるもの
とする)とを直接反応させる方法、 ジカルボン酸の低級エステルとジオール成分とをエス
テル交換を利用して反応させる方法、 ジカルボン酸のハロゲン化物とジオール成分をピリジ
ンなどの適当な溶媒中で反応させる方法、 ジオール成分の金属アルコラートをジカルボン酸のハ
ロゲン化物と反応させる方法、 ジオール成分のアセチル化物とジカルボン酸とをエス
テル交換を利用して反応させる方法、等の方法が挙げら
れる。
【0031】さらに、反応時にジオール成分を過剰に加
えることによって、おもに両末端がヒドロキシ基である
ポリマーを得ることができる。このようなポリマーを用
いる方がジイソシアネートと反応してウレタン結合を形
成するには好ましい。
【0032】重縮合する際には、一般にポリエステルを
製造する際に使用されている触媒が使用されてよい。こ
の触媒としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セ
シウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロ
ンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲ
ルマニウム、錫、鉛、アンチモン、ヒ素、セリウム、ホ
ウ素、カドミウム、マンガンなどの金属、その有機金属
化合物、有機酸塩、金属アルコキシド、金属酸化物等が
あげられる。
【0033】特に好ましい触媒は、酢酸カルシウム、ジ
アシル第一錫、テトラアシル第二錫、ジブチル錫オキサ
イド、ジブチル錫ジラウレート、ジメチル錫マレート、
錫ジオクタノエート、錫テトラアセテート、トリイソブ
チルアルミニウム、テトラブチルチタネート、二酸化ゲ
ルマニウム、および三酸化アンチモンである。これらの
触媒は二種以上併用してもよい。
【0034】さらに、重合とともに副生する水や、アル
コール、グリコールなどを効率よく留出させ、高分子量
ポリマーを得るためには、反応系を重合後期に1mmH
g以下に減圧することが好ましい。反応温度は一般に1
50〜350℃である。
【0035】本発明に使用される両末端にヒドロキシル
基を有するポリエステルは、ジカルボン酸およびジオー
ルを主な構成成分とするものである。
【0036】上記ジカルボン酸としては、脂肪族カルボ
ン酸が好適に使用され、例えば、前記の脂肪族ポリエス
テルの構成成分として記載した化合物が挙げられる。こ
れらは単独で使用されても良く、2種以上併用しても良
い。
【0037】上記ジオールとしては、グリコールが好適
に使用され、例えば、前記の脂肪族ポリエステルの構成
成分として記載した化合物が挙げられる。これらは単独
で使用されても良く、2種以上併用しても良い。
【0038】さらに、上記の両末端にヒドロキシル基を
有するポリエステルに、ポリエステルの機械的強度等を
向上させるために、芳香族ジオールや芳香族ジカルボン
酸を構成成分として含有させても良い。これらの芳香族
ジオールや芳香族ジカルボン酸としては、例えば、前記
の脂肪族ポリエステルに含有し得る成分として記載した
化合物が挙げられる。
【0039】上記の両末端にヒドロキシル基を有するポ
リエステルに、2個の水酸基を有するポリシリコーン、
ラクトンまたは芳香族ヒドロキシカルボン酸を構成成分
として含有させてもよい。
【0040】上記ポリシリコーンは2個の水酸基を有す
るものであり、2個の水酸基が分子末端にあるポリシリ
コーンが好ましく、例えば、前記の脂肪族ポリエステル
に含有し得る成分として記載した化合物が挙げられる。
ポリシリコーンの数平均分子量は、大きくなるとポリエ
ステルの生成が困難になるので、20000以下が好ま
しく、より好ましくは5000以下である。
【0041】上記ラクトンとしては、開環して酸および
水酸基と反応し、脂肪族鎖を付加するものであって、ポ
リエステルに柔軟性を付与するものであり、環の中に4
個以上の炭素原子を有するものが好ましく、より好まし
くは5員環〜8員環であり、例えば、前記の脂肪族ポリ
エステルに含有し得る成分として記載した化合物が挙げ
られる。
【0042】上記芳香族ヒドロキシカルボン酸は、ポリ
エステルに剛性や液晶性を付与するものであり、例え
ば、前記脂肪族ポリエステルに含有し得る成分として記
載した化合物が挙げられる。
【0043】上記の両末端にヒドロキシル基を有するポ
リエステルのガラス転移温度は、−150〜40℃が好
ましく、−100〜20℃がより好ましい。ガラス転移
温度が40℃を超えると、生成するポリウレタンに柔軟
性を付与する能力が低下し、一方、ガラス転移温度が−
150℃未満では、柔軟性の点では問題がないが、機械
的強度が十分なポリウレタンを得ることが困難である。
【0044】以上のような構成成分からなる両末端にヒ
ドロキシル基を有するポリエステルは、一般に知られて
いる任意の重縮合方法を用いて製造することができる。
例えば、前記の脂肪族ポリエステルの製造に記載した方
法が挙げられ、反応時にジオール成分を過剰に加えるこ
とによって、両末端がヒドロキシ基であるポリマーを得
ることができる。
【0045】重縮合する際には、一般にポリエステルを
製造する際に使用されている触媒が使用されてよい。こ
の触媒としては、例えば、前記の脂肪族ポリエステルの
製造に使用し得る触媒が挙げられる。
【0046】さらに、重合とともに副生する水や、アル
コール、グリコールなどを効率よく留出させ、高分子量
ポリマーを得るためには、反応系を重合後期に1mmH
g以下に減圧することが好ましい。反応温度は一般に1
50〜350℃である。
【0047】本発明に使用するジイソシアネート(C)
としては、脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシア
ネートおよび脂環族ジイソシアネートのいずれも使用す
ることができる。
【0048】上記脂肪族ジイソシアネートとしては、例
えば、1,2−エチレンジイソシアネート、1,3−プ
ロピレンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシア
ネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等が
挙げられる。脂環族ジイソシアネートとしては、例え
ば、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,2
−シクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。芳
香族ジイソシアネートとしては、例えば、4,4’−ジ
フェニルメタンジイソシネート、トリレンジイソシアネ
ート、ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0049】さらに、これらのジイソシアネートの付加
化合物、例えば、1,6−ヘキサンジイソシアネートと
フェノールとの付加物等もまた用いることができる。
【0050】上記ジヒドロキシ化合物〔I〕と、上記脂
肪族ポリエステルまたは上記の両末端にヒドロキシル基
を有するポリエステルと、ジイソシアネートからなる熱
可塑性ポリウレタンは、ジヒドロキシ化合物〔I〕の含
有量が少なくなると耐熱性が低下し、多くなると弾性率
が高くなって柔軟性が低下し、熱可塑性ポリウレタンと
しての性質に劣る。従って、脂肪族ポリエステルまたは
両末端にヒドロキシ基を有するポリエステルの構成単位
を1モノマーとして数えた場合(例えば、重合度10の
ポリエステルは10モノマーとして数える)、上記ジヒ
ドロキシ化合物〔I〕の含有量は、ポリウレタンを構成
する全モノマー中の0.1〜30モル%が好ましく、よ
り好ましくは0.5〜20モル%であり、特に好ましく
は1.0〜10モル%である。
【0051】上記モノヒドロキシ化合物〔II〕を用いる
場合には、ABA型のトリブロックコポリマーとなる。
また上記ジヒドロキシ化合物〔I〕とモノヒドロキシ化
合物〔II〕を併用する場合には、上記ジヒドロキシ化合
物〔I〕とモノヒドロキシ化合物〔II〕の含有割合は、 0<〔II〕/〔I〕+〔II〕<2/3 を満たす範囲が好ましい。
【0052】さらに、上記熱可塑性ポリウレタンに、鎖
延長剤として上記以外の適当なジヒドロキシ化合物を構
成成分として加えてもよい。このジヒドロキシ化合物と
しては、ヒドロキノン、レゾルシン、クロロヒドロキノ
ン、ブロモヒドロキノン、メチルヒドロキノン、フェニ
ルヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、フェノキシヒ
ドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルサルファイド、4,4’−ジヒド
ロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシベ
ンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタ
ン、ビスフェノールA、1,1−ジ(4-ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン、1,2−ビス(4-ヒドロキ
シフェノキシ)エタン、1,4−ジヒドロキシナフタリ
ン、2,6−ジヒドロキシナフタリン等の芳香族ジヒド
ロキシ化合物やエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ブチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−
ジメタノール等の脂肪族、脂環族ジヒドロキシ化合物等
がある。
【0053】このような構成成分からなる熱可塑性ポリ
ウレタンは、一般的に以下のような方法で製造すること
ができる。
【0054】(1)2段階反応 1当量の脂肪族ポリエステルと2当量のジイソシアネ
ートとを反応させて両末端がジイソシアネート基を有す
るプレポリマーを合成する。
【0055】で合成したプレポリマーと相当するヒ
ドロキシ化合物との反応により熱可塑性ポリウレタンを
得る。
【0056】(2)1段階反応 全ての反応成分を実質的に同時に仕込み、重合反応を行
う。
【0057】上記(1)の反応を用いた場合には、ハード
セグメント、ソフトセグメントの配列が規則的になるの
に対し、(2)の方法ではその配列がランダムになる。従
って、柔軟性と耐熱性を有するエラストマーを得るため
には分子の配列が制御された(1)の方法が望ましい。
【0058】ヒドロキシ化合物として上記ジヒドロキシ
化合物〔I〕のみを使用する場合には、上記反応(1)の
において、プレポリマーとほぼ同モル数のジヒドロキシ
化合物〔I〕が必要であり、このジヒドロキシ化合物
〔I〕は鎖延長剤として機能する。
【0059】一方、モノヒドロキシ化合物〔II〕のみを
使用する場合には、プレポリマーの約2倍モルのモノヒ
ドロキシ化合物が必要であり、このモノヒドロキシ化合
物〔II〕は末端封止剤として機能する。この際に生成す
るポリマーはABA型トリブロックコポリマーである。
さらに上記ジヒドロキシ化合物〔I〕に置き換えて、そ
の物性を低下させない範囲で鎖延長剤として前述の他の
ジヒドロキシ化合物を加えてもよい。
【0060】上記ジヒドロキシ化合物〔I〕とモノヒド
ロキシ化合物〔II〕とを併用する場合には、はじめにジ
ヒドロキシ化合物〔I〕を反応系に添加してジイソシア
ネートと反応させた後に、モノヒドロキシ化合物〔II〕
を反応させる。そうでないと十分な分子量を有する熱可
塑性ポリウレタンを得ることができない。
【0061】重合においては、一般的にポリウレタンを
合成するのに使用されている触媒が用いられてもよい。
例えば、ジ−n−ブチルスズジラウリレート、スタナス
オクトエート、トリエチレンジアミン、ジエチレンジア
ミン、トリエチルアミン、ナフテン酸金属塩、オクチル
酸金属塩等のポリウレタン用触媒である。
【0062】本発明の熱可塑性ポリウレタンは、モノマ
ーに対する溶解力が大きく、かつ反応に不活性な溶媒中
で重合を行うことにより製造し得る。例えば、テトラヒ
ドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、
ジフェニルスルホン、N,N’−ジメチルイミダゾリジ
ノン等が好適に用いられる。重合反応温度は、通常、約
100℃以下であり、また反応時間は、上記(1)−が
1〜10時間、(1)−が1〜10時間、(2)が1〜15
時間が好適である。
【0063】本発明の熱可塑性ポリウレタンは、溶媒を
用いずに製造することもできる。例えば攪拌羽根、原料
投入口、窒素口または減圧口を備えた、内壁がガラスま
たはステンレスなどの金属からなり、室温〜300℃の
温度範囲で温度制御可能な反応釜、あるいはニーダーな
どの混練機および押出機中で製造し得る。この場合、上
記(A)〜(C)の3成分を一括して反応を行ってもよ
く、あるいは(C)の成分と(A)または(B)の成分
を反応させた後、残りの成分を反応させてもよい。前者
の場合は操作が簡便であり、後者の場合では反応の制御
および生成するポリマーの構造の制御が容易である。さ
らに(A)および(B)を溶融させ均一な状態にさせた
後、(C)の成分を加える方法では、反応温度を低下さ
せエネルギー効率を高めることができる。
【0064】上記に製造において、反応温度は60〜3
00℃が好ましく、より好ましくは100〜280℃で
あり、特に好ましくは200〜260℃である。反応温
度が60℃未満の場合には(A)の成分と他成分との溶
解が不十分であり、反応が進まない恐れがある。反応温
度が300℃を越える場合には生成物が分解するので、
充分な強度のポリマーを得ることができない恐れがあ
る。さらに上記反応は、生成物の分解を抑制するため、
窒素、アルゴンおよびキセノン等の不活性気体中で行う
のが好ましい。
【0065】本発明の熱可塑性ポリウレタンには、その
実用性を失わない範囲で、さらに以下の添加剤が添加さ
れてもよい。
【0066】(i)無機繊維:ガラス繊維、炭素繊維、ボ
ロン繊維、炭化けい素繊維、アルミナ繊維、アモロファ
ス繊維、シリコン・チタン・炭素系繊維等。
【0067】(ii)有機繊維:アラミド繊維等。
【0068】(iii)無機充填剤:炭酸カルシウム、酸化
チタン、マイカ、タルク等。
【0069】(iv)熱安定剤:トリフェニルホスファイ
ト、トリラウリルホスファイト、トリスノニルフェニル
ホスファイト、2−tert−ブチル−α−(3−te
rt−ブチル−4−ヒドロキシフェニルビス(p−ノニ
ルフェニル)等。
【0070】(v)難燃剤:ヘキサブロモシクロドデカ
ン、トリス−(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェー
ト、ペンタブロモフェニルアリルエーテル等。
【0071】(vi)紫外線吸収剤:p−tert−ブチル
フェニルサリシレート、2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’
−カルボキシベンゾフェノン、2,4,5−トリヒドロ
キシブチロフェノン等。
【0072】(vii)酸化防止剤:ブチルヒドロキシアニ
ソール、ブチルヒドロキシトルエン、ジステアリルチオ
ジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、
ヒンダードフェノール系酸化防止剤等。
【0073】(viii)帯電防止剤:N,N−ビス(ヒドロ
キシエチル)アルキルアミン、アルキルアリルスルホネ
ート、アルキルスルファネート等。
【0074】(ix)結晶化促進剤;高結晶化したポリエチ
レンテレフタレート、ポリトランス−シクロヘキサンジ
メタノールテレフタレート等。
【0075】(x)無機物:硫酸バリウム、アルミナ、酸
化珪素等。
【0076】(xi)高級脂肪酸塩:ステアリン酸ナトリウ
ム、ステアリン酸バリウム、パルミチン酸ナトリウム
等。
【0077】(xii)その他の有機化合物:ベンジルアル
コール、ベンゾフェノン等。
【0078】次に本発明の第2の熱可塑性ポリウレタン
について説明する。
【0079】本発明に使用するジヒドロキシ化合物は前
記一般式〔I〕で示されるものであり、ジヒドロキシ化
合物〔I〕は、液晶性を示す低分子化合物であって、ア
ルキレン基R1およびR2はエチレン基又はプロピレン基
が好ましく、qおよびrは0または1が好ましい。上記
ジヒドロキシ化合物としては、例えば、第1の発明で記
載した化合物が好適に使用される。ジヒドロキシ化合物
はそれぞれ単独で使用しても良く、あるいは併用しても
良い。
【0080】液晶性の分子は一般に結晶性が高く、その
融点が高いために、これらのジヒドロキシ化合物〔I〕
がポリマー鎖中に組み込まれた場合、そのポリマーは特
異な性質を示す。すなわち、ジヒドロキシ化合物〔I〕
が結晶性を示し、しかもその融点が高いので、ジヒドロ
キシ化合物〔I〕の含有量が少量のポリマーでも強固で
耐熱性の高い物理的架橋を形成する。その結果、ソフト
セグメントに由来する柔軟性を損なうことなく耐熱性の
高い熱可塑性エラストマーが得られるものと推察され
る。
【0081】本発明に使用するモノヒドロキシ化合物
は、前記一般式〔II〕で示されるものであり、パラフェ
ニレン骨格を有する剛直性の低分子化合物であり、その
特徴ある分子構造を反映してこれらの化合物の融点は極
めて高い。さらにパラフェニレン骨格は低分子液晶化合
物のメソゲンとして有効であることが知られており、こ
れは該骨格が固体状態のみならず高温状態(溶融状態)
においても、強い凝集力を有していることを示すもので
ある。従って、上記のモノヒドロキシ化合物〔II〕をポ
リマー末端に組み込んだ場合、非常に強固で耐熱性の高
い物理的架橋をもたらし、耐熱性に優れた熱可塑性エラ
ストマーが生成する。
【0082】上記モノヒドロキシ化合物〔II〕において
は、R3はエチレン基またはプロピレン基が好ましく、
nは0または1が好ましい。上記モノヒドロキシ化合物
としては、例えば、第1の発明で記載した化合物があげ
られる。モノヒドロキシ化合物〔II〕はそれぞれ単独で
使用しても良く、あるいはそれらを併用しても良い。
【0083】本発明に使用する両末端にヒドロキシル基
を有するポリシロキサン(D)としては、例えば、分子
の両末端に2個以上のヒドロキシル基を有するジメチル
ポリシロキサン、ジエチルシロキサン、ジフェニルポリ
シロキサン等が挙げられる。これらのポリシロキサン
は、ジメチルシロキサン、ジエチルシロキサン、ジフェ
ニルシロキサン等の開環重合によって合成することがで
きる。あるいは、これら種々のシロキサンの共重合体を
使用してもよい。ポリシロキサンの数平均分子量は、小
さくなると生成するポリウレタンに柔軟性を付与する能
力が低下し、一方、大きくなるとポリウレタンの生成が
困難になるので、100〜20000が好ましく、より
好ましくは500〜5000である。これらは単独で使
用されてもよく、2種以上併用されてもよい。
【0084】本発明に使用するジイソシアネート(C)
としては、脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシア
ネートおよび脂環族ジイソシアネートのいずれも使用す
ることができ、例えば、第1の発明に記載されている化
合物が挙げられる。あるいは、これらのジイソシアネー
トの付加化合物を用いることもできる。
【0085】上記ジヒドロキシ化合物〔I〕と、上記脂
肪族ポリエステルまたは上記の両末端にヒドロキシル基
を有するポリシロキサンと、ジイソシアネートからなる
熱可塑性ポリウレタンは、ジヒドロキシ化合物〔I〕の
含有量が少なくなると耐熱性が低下し、多くなると弾性
率が高くなって柔軟性が低下し、熱可塑性ポリウレタン
としての性質に劣る。従って、脂肪族ポリエステルまた
は両末端にヒドロキシ基を有するポリエステルの構成単
位を1モノマーとして数えた場合(例えば、重合度10
のポリエステルは10モノマーとして数える)、上記ジ
ヒドロキシ化合物〔I〕の含有量は、ポリウレタンを構
成する全モノマー中の0.1〜30モル%が好ましく、
より好ましくは0.5〜20モル%であり、特に好まし
くは1.0〜10モル%である。上記モノヒドロキシ化
合物〔II〕を用いる場合には、ABA型のトリブロック
コポリマーとなる。また上記ジヒドロキシ化合物〔I〕
とモノヒドロキシ化合物〔II〕を併用する場合には、上
記ジヒドロキシ化合物〔I〕とモノヒドロキシ化合物〔I
I〕の含有割合は、 0<〔II〕/〔I〕+〔II〕<2/3 を満たす範囲が好ましい。
【0086】さらに、上記熱可塑性ポリウレタンに、鎖
延長剤として上記以外の適当なジヒドロキシ化合物を構
成成分として加えてもよい。このジヒドロキシ化合物と
しては、例えば、第1の発明に記載した化合物が挙げら
れる。
【0087】このような構成成分からなる熱可塑性ポリ
ウレタンは、第1の発明で記載した(1)−、(1)−、
(2)の 方法で製造することができる。
【0088】上記(1)の反応を用いた場合には、ハード
セグメント、ソフトセグメントの配列が規則的になるの
に対し、(2)の方法ではその配列がランダムになる。従
って、柔軟性と耐熱性を有するエラストマーを得るため
には分子の配列が制御された(1)の方法が望ましい。
【0089】ヒドロキシ化合物として上記ジヒドロキシ
化合物〔I〕のみを使用する場合には、上記反応(1)の
において、プレポリマーとほぼ同モル数のジヒドロキシ
化合物〔I〕が必要であり、このジヒドロキシ化合物
〔I〕は鎖延長剤として機能する。
【0090】一方、モノヒドロキシ化合物〔II〕のみを
使用する場合には、プレポリマーの約2倍モルのモノヒ
ドロキシ化合物が必要であり、このモノヒドロキシ化合
物〔II〕は末端封止剤として機能する。この際に生成す
るポリマーはABA型トリブロックコポリマーである。
さらに、上記ジヒドロキシ化合物〔I〕に置き換えて、
その物性を低下させない範囲で鎖延長剤として前述の他
のジヒドロキシ化合物を加えてもよい。
【0091】上記ジヒドロキシ化合物〔I〕とモノヒド
ロキシ化合物〔II〕とを併用する場合には、はじめにジ
ヒドロキシ化合物〔I〕を反応系に添加してジイソシア
ネートと反応させた後に、モノヒドロキシ化合物〔II〕
を反応させる必要がある。そうでないと十分な分子量を
有する熱可塑性ポリウレタンを得ることができない。
【0092】重合においては一般的にポリウレタンを合
成するのに使用されている触媒が用いられてもよい。例
えば、第1の発明で記載した触媒が挙げられる。
【0093】本発明の熱可塑性ポリウレタンは、モノマ
ーに対する溶解力が大きく、かつ反応に不活性な溶媒中
における重合によって製造することができ、例えば、第
1の発明で記載した溶媒が好適に使用される。重合反応
温度は、通常、約100℃以下であり、また反応時間
は、上記(1)−が1〜10時間、(1)−が1〜10時
間、(2)が1〜15時間が好適である。
【0094】さらに、本発明の熱可塑性ポリウレタン
は、溶媒なしでも製造することができ、この場合、第1
の発明で記載した方法で行い得る。
【0095】本発明の熱可塑性ポリウレタンにはその実
用性を失わない範囲で、さらに添加剤が添加されてもよ
く、例えば第1の発明で記載された添加剤が挙げられ
る。
【0096】次に本発明の第3の熱可塑性ポリウレタン
について説明する。
【0097】本発明に使用するジヒドロキシ化合物は前
記一般式〔I〕で示されるものあり、ジヒドロキシ化合
物〔I〕は、液晶性を示す低分子化合物であって、アル
キレン基R1およびR2はエチレン基又はプロピレン基が好
ましく、qおよびrは0又は1が好ましい。上記ジヒドロ
キシ化合物としては、例えば、第1の発明で記載した化
合物が好適に使用される。ジヒドロキシ化合物はそれぞ
れ単独で使用しても良く、あるいは併用しても良い。
【0098】液晶性の分子は一般に結晶性が高く、その
融点が高いために、これらのジヒドロキシ化合物〔I〕
がポリマー鎖中に組み込まれた場合、そのポリマーは特
異な性質を示す。すなわち、ジヒドロキシ化合物〔I〕
が結晶性を示し、しかもその融点が高いので、ジヒドロ
キシ化合物〔I〕の含有量が少量のポリマーでも強固で
耐熱性の高い物理的架橋を形成する。その結果、ソフト
セグメントに由来する柔軟性を損なうことなく耐熱性の
高い熱可塑性エラストマーが得られるものと推察され
る。
【0099】本発明に使用するモノヒドロキシ化合物
は、前記一般式〔II〕で示されるものであり、パラフェ
ニレン骨格を有する剛直性の低分子化合物であり、その
特徴ある分子構造を反映してこれらの化合物の融点は極
めて高い。さらにパラフェニレン骨格は低分子液晶化合
物のメソゲンとして有効であることが知られており、こ
れは該骨格が固体状態のみならず高温状態(溶融状態)
においても、強い凝集力を有していることを示すもので
ある。従って、上記のモノヒドロキシ化合物〔II〕をポ
リマー末端に組み込んだ場合、非常に強固で耐熱性の高
い物理的架橋をもたらし、耐熱性に優れた熱可塑性エラ
ストマーが生成する。
【0100】上記モノヒドロキシ化合物〔II〕において
は、R3はエチレン基またはプロピレン基が好ましく、
nは0または1が好ましい。上記モノヒドロキシ化合物
としては、例えば、第1の発明で記載した化合物があげ
られる。モノヒドロキシ化合物〔II〕はそれぞれ単独で
使用しても良く、あるいはそれらを併用しても良い。
【0101】本発明に使用する両末端にヒドロキシル基
を有するポリラクトン(E)としては、例えば、ポリカ
プロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリブチロラクト
ン等が挙げられ、これらのポリラクトンは、ε−カプロ
ラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン等
の開環重合によって合成することができる。あるいは、
これら種々のラクトンの共重合体を使用してもよい。ポ
リラクトンの数平均分子量は、小さくなると生成するポ
リウレタンに柔軟性を付与する能力が低下し、一方、大
きくなるとポリウレタンの生成が困難になるので、10
0〜20000が好ましく、より好ましくは500〜5
000である。これらは単独で使用されてもよく、2種
以上併用されてもよい。
【0102】本発明に使用するジイソシアネート(C)
としては、脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシア
ネートおよび脂環族ジイソシアネートにいずれも使用す
ることができ、例えば、第1の発明に記載されている化
合物が挙げられる。あるいはこれらのジイソシアネート
の付加化合物もまた、用いることができる。
【0103】上記ジヒドロキシ化合物〔I〕と、上記脂
肪族ポリエステルまたは上記の両末端にヒドロキシル基
を有するポリエステルと、ジイソシアネートからなる熱
可塑性ポリウレタンは、ジヒドロキシ化合物〔I〕の含
有量が少なくなると耐熱性が低下し、多くなると弾性率
が高くなって柔軟性が低下し、熱可塑性ポリウレタンと
しての性質に劣る。従って、脂肪族ポリエステルまたは
両末端にヒドロキシ基を有するポリエステルの構成単位
を1モノマーとして数えた場合(例えば、重合度10の
ポリエステルは10モノマーとして数える)、上記ジヒ
ドロキシ化合物〔I〕の含有量は、ポリウレタンを構成
する全モノマー中の0.1〜30モル%が好ましく、よ
り好ましくは0.5〜20モル%であり、特に好ましく
は1.0〜10モル%である。
【0104】上記モノヒドロキシ化合物〔II〕を用いる
場合には、ABA型のトリブロックコポリマーとなり、
また上記ジヒドロキシ化合物〔I〕とモノヒドロキシ化
合物〔II〕を併用する場合には、上記ジヒドロキシ化合
物〔I〕とモノヒドロキシ化合物〔II〕の含有割合は、 0<〔II〕/〔I〕+〔II〕<2/3 を満たす範囲が好ましい。
【0105】さらに、上記熱可塑性ポリウレタンに、鎖
延長剤として上記以外の適当なジヒドロキシ化合物を構
成成分として加えてもよい。このジヒドロキシ化合物と
しては、例えば、第1の発明に記載した化合物が挙げら
れる。
【0106】このような構成成分からなる熱可塑性ポリ
ウレタンは、第1の発明で記載した(1)−、(1)−、
(2)の 方法で製造することができる。
【0107】上記(1)の反応を用いた場合には、ハード
セグメント、ソフトセグメントの配列が規則的になるの
に対し、(2)の方法ではその配列がランダムになる。従
って、柔軟性と耐熱性を有するエラストマーを得るため
には分子の配列が制御された(1)の方法が望ましい。
【0108】ヒドロキシ化合物として上記ジヒドロキシ
化合物〔I〕のみを使用する場合には、上記反応(1)の
において、プレポリマーとほぼ同モル数のジヒドロキシ
化合物〔I〕が必要であり、このジヒドロキシ化合物
〔I〕は鎖延長剤として機能する。
【0109】一方、モノヒドロキシ化合物〔II〕のみを
使用する場合には、プレポリマーの約2倍モルのモノヒ
ドロキシ化合物が必要であり、このモノヒドロキシ化合
物〔II〕は末端封止剤として機能する。この際に生成す
るポリマーはABA型トリブロックコポリマーである。
さらに、上記ジヒドロキシ化合物〔I〕に置き換えて、
その物性を低下させない範囲で鎖延長剤として前述の他
のジヒドロキシ化合物を加えてもよい。
【0110】上記ジヒドロキシ化合物〔I〕とモノヒド
ロキシ化合物〔II〕とを併用する場合には、はじめにジ
ヒドロキシ化合物〔I〕を反応系に添加してジイソシア
ネートと反応させた後に、モノヒドロキシ化合物〔II〕
を反応させる必要がある。そうでないと十分な分子量を
有する熱可塑性ポリウレタンを得ることができない。
【0111】重合においては一般的にポリウレタンを合
成するのに使用されている触媒が用いられてもよい。例
えば、第1の発明で記載した触媒が挙げられる。
【0112】本発明の熱可塑性ポリウレタンは、モノマ
ーに対する溶解力が大きく、かつ反応に不活性な溶媒中
における重合によって製造することができ、例えば、第
1の発明で記載した溶媒が好適に使用される。重合反応
温度は、通常、約100℃以下であり、また反応時間
は、上記(1)−が1〜10時間、(1)−が1〜10時
間、(2)が1〜15時間が好適である。
【0113】さらに、本発明の熱可塑性ポリウレタン
は、溶媒なしでも製造することができ、この場合、第1
の発明に記載の方法で行い得る。
【0114】本発明の熱可塑性ポリウレタンにはその実
用性を失わない範囲で、さらに添加剤が添加されてもよ
く、例えば第1の発明で記載された添加剤が挙げられ
る。
【0115】本発明で得られる第1、第2および第3の
熱可塑性ポリウレタンは、水素結合によりなされている
物理的な架橋に加えて、結晶性が高く、融点の高いジヒ
ドロキシ化合物やモノヒドロキシ化合物に基づくハード
セグメントをウレタン結合により、さらに強い物理的架
橋をポリマー鎖に導入しているので、耐熱性、柔軟性お
よび機械的強度の優れたものとなる。従って、本発明の
熱可塑性ポリウレタンは、プレス成形、押出成形、射出
成形、ブロー成形等の溶融成形方法により成形品とされ
る。成形品の物性は、その構成成分およびびその配合割
合等によって任意に変化させることができ、自動車部
品、ホース、ベルト、パッキンなどの柔軟性と耐熱性が
要求される成形品、および塗料、接着剤等に好適に用い
ることができる。
【0116】
【実施例】以下に、本発明を実施例および比較例を挙げ
て説明する。なお、下記の実施例および比較例で得られ
たポリウレタンは以下の方法に基づいて評価を行った。
【0117】<破断強度および破断伸び>得られたポリ
ウレタンをプレス成形して厚さ3mmのシートとし、該
シートをダンベル3号形試験片に打ち抜いた後、JIS
K 6301に準じて引っ張り試験を行い、破断強度お
よび破断伸びを測定した。
【0118】<ビカット軟化点>得られたポリウレタン
をプレス成形により厚さ5mm、10mm×10mmの
成形体に作成し、この成形体に1kg荷重付加してその
成形体の軟化点を測定した。
【0119】実施例1 (A)脂肪族ポリエステルの合成 エチレングリコール620g(10mol)、ジメチル
アジペート871g(5mol)、4,4’−ジヒドロ
キシ−p−クォーターフェニル84.6g(0.25m
ol)に、触媒として三酸化アンチモン0.2g、酢酸
カルシウム0.4gを加え、200℃で副生するメタノ
ールを留出させながら4時間反応させた。その後、反応
系を300℃に昇温し、エチレングリコールを留出させ
ながら30分間反応させた後、3mmHgに減圧した状
態で1時間反応させた。放冷した後、生成を取り出し
た。生成した脂肪族ポリエステルの数平均分子量は50
00であった。
【0120】(B)ポリウレタンの合成 上記(A)で得られた数平均分子量5000の脂肪族ポリ
エステル500g(0.1mol)とそれに対して2倍
モルに相当する量のジフェニルメタンジイソシアネート
52.6g(0.21mol)とを3000mlの乾燥
ジメチルホルムアミドに溶解した。系内を窒素で置換し
た後、触媒としてジ−n−ブチルスズジラウリレートを
0.2g加えて90℃で4時間反応させた。
【0121】4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォー
ターフェニル33.8g(0.1mol)を上記の溶液
に加え、4時間110℃で攪拌を続けた。反応終了後、
溶液を室温に戻し、1リットルのメタノールに析出させ
てから、よく乾燥して評価用サンプルとした。得られた
ポリウレタンのビカット軟化温度は220℃であり、室
温で柔軟性を有するものであった。
【0122】比較例1 4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニル
の代わりに鎖延長剤として1,4−ブタンジオール9.
0g(0.1mol)を用いた以外は実施例1と同様に
反応を行い、ポリウレタンを得た。得られたポリウレタ
ンは室温で柔軟性を有するものであったが、ビカット軟
化点は128℃であった。
【0123】実施例2 (C)ポリエステルの合成 エチレングリコール620g(10mol)、ジメチル
アジペート697g(4mol)、ジメチルテレフタレ
ート194g(1mol)に、触媒として酸化アンチモ
ン0.2g、酢酸カルシウム0.4gを加え、200℃
で副生するメタノールを留出させながら4時間反応させ
た。その後、反応系を260℃に昇温し、エチレングリ
コールを留出させながら30分間反応させた後、20m
mHgに減圧した状態で30分間反応させた。放冷後、
生成を取り出した。生成したポリエステルの数平均分子
量は1000、TgはDSCによると−14℃であっ
た。 (D)ポリウレタンの合成 上記(C)で得られた数平均分子量1000のポリエステ
ル100g(0.1mol)とそれに対して2倍モルに
相当する量のヘキサメチレンジイソシアネート33.7
g(0.2mol)とを500mlの乾燥N−メチルピ
ロリドンに溶解した。系内を窒素で置換した後、触媒と
してジ−n−ブチルスズラウリレートを0.2g加えて
75℃で5時間反応させた。
【0124】4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォー
ターフェニル40.6g(0.12mol)を上記の溶
液に加え、8時間70℃で攪拌を続けた。反応終了後、
溶液を室温に戻し、1リットルのメタノールに析出させ
てから、よく乾燥して評価用サンプルとした。得られた
ポリウレタンのビカット軟化点は192℃であり、室温
で柔軟性を有するものであった。
【0125】比較例2 4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニル
の代わりに鎖延長剤として1,4−ブタンジオール9.
0g(0.1mol)を用いた以外は実施例2と同様に
反応を行い、ポリウレタンを得た。得られたポリウレタ
ンは室温で柔軟性を有するものであったが、ビカット軟
化点は92℃であった。
【0126】実施例3 ジメチルシロキサン(信越シリコン製KF−6001)
180gとそれに対して2倍モルに相当する量のトリレ
ンジイソシアネート34.9g(0.2mol)とを5
00mlの乾燥ジメチルホルムアミドに溶解した。系内
を窒素で置換した後、触媒としてジ−n−ブチルスズラ
ウリレートを0.2g加えて100℃で2時間反応させ
た。
【0127】4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォー
ターフェニル33.8g(0.1mol)を上記の溶液
に加え、8時間100℃で攪拌を続けた。反応終了後、
溶液を室温に戻し、1リットルのメタノールに析出させ
てからよく乾燥して評価用サンプルとした。得られたポ
リウレタンのビカット軟化点は58℃であり、室温で柔
軟性を有するものであった。
【0128】比較例3 4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニル
の代わりに鎖延長剤として1,4−ブタンジオール9.
0g(0.1mol)を用い、反応終了後3リットルの
メタノールに析出させた以外は実施例3と同様に反応を
行い、ポリウレタンを得た。得られたポリウレタンは室
温で柔軟性を有するものであったが、室温で粘調なオイ
ル状であり、シート状に加工することが不可能であっ
た。
【0129】実施例4 ジメチルシロキサン(信越シリコン製KF−6001)
180gとそれに対して2倍モルに相当する量のトリレ
ンジイソシアネート34.9g(0.2mol)とを5
00mlの乾燥N−メチルピロリドンに溶解した。系内
を窒素で置換した後、触媒としてジ−n−ブチルスズラ
ウリレートを0.2g加えて100℃で2時間反応させ
た。
【0130】4−(2−ヒドロキシエトキシ)−p−ク
ォーターフェニル76.4g(0.22mol)を上記
の溶液に加え、12時間100℃で攪拌を続けた。反応
終了後、溶液を室温に戻し、1リットルのメタノールに
析出させてから、よく乾燥して評価用サンプルとした。
得られたポリウレタンのビカット軟化点は30℃であ
り、室温で柔軟性を有するものであった。
【0131】実施例5 数平均分子量3000のポリ(ε−カプロラクトン)3
00g(0.1mol)とそれに対して2倍モルに相当
する量のジフェニルエタンジイソシアネート50.1g
(0.2mol)とを500mlの乾燥ジメチルスルホ
キシドに溶解した。系内を窒素で置換した後、触媒とし
てジ−n−ブチルスズラウリレートを0.2g加えて1
00℃で4時間反応させた。
【0132】4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォー
ターフェニル40.6g(0.12mol)を上記の溶
液に加え、6時間100℃で攪拌を続けた。反応終了
後、溶液を室温に戻し、1リットルのメタノールに析出
させてから、よく乾燥して評価用サンプルとした。得ら
れたポリウレタンのビカット軟化点は129℃であり、
室温で柔軟性を有するものであった。
【0133】比較例4 4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニル
の代わりに鎖延長剤として1,4−ブタンジオール9.
0g(0.1mol)を用いた以外は実施例5と同様に
反応を行い、ポリウレタンを得た。得られたポリウレタ
ンは室温で柔軟性を有するものであったが、ビカット軟
化点は81℃であった。
【0134】上記実施例1〜5および比較例1〜4で得
られたポリウレタンの評価結果を表1に示す。
【0135】
【表1】
【0136】実施例6 (E)脂肪族ポリエステルの合成 ブチレングリコール901g(10mol)およびジメ
チルセバセート1152g(5mol)に触媒としてテ
トラブチルチタネート0.2gを加え、200℃で副成
するメタノールを留出させながら1時間反応させた。そ
の後、反応系を260℃に昇温し、エチレングリコール
を留出させながら1時間反応させた後、10mmHgに
減圧した状態で30分間反応させた。放冷後、生成物を
取り出した。生成したポリエステルの数平均分子量は1
300、TgはDSCによると−42℃であった。
【0137】(F)ポリウレタンの合成 上記(E)で得られた数平均分子量1300のポリエステ
ル130g(0.1mol)およびトリレンジイソシア
ネート34.8g(0.2mol)に触媒としてジ−n
−ブチルスズジラウリレート0.2gを加え、反応器内
で80℃、2時間反応させた。その後、この反応物に
4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニル
10g(0.03mol)およびビスフェノールA1
6.0g(0.07mol)を加え、250℃で20分
間反応させた。反応の進行とともに粘調な乳白色の流動
体が得られた。得られたポリウレタンのビカット軟化点
は111℃であり、室温で柔軟性を有した。
【0138】比較例5 ビスフェノールA22.8g(0.1mol)、実施例
6で得られたポリエステル130gおよびトリレンジイ
ソシアネート34.8g(0.2mol)を一括して反
応器に加え、バルク状、窒素雰囲気下、200℃におい
て20分間反応させた。その後、260℃に昇温し、2
0分間反応を続けた。反応の進行とともに系内は粘調に
なった。生成したポリマーのビカット軟化点は38℃で
あり、室温で硬く、もろかった。
【0139】実施例7 4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニル
33.8g(0.1mol)、ポリラクトン(UCC
社;TONE0240)200gおよびジフェニルメタ
ンジイソシアネート50.1g(0.2mol)を一括
して反応器に加え、バルク状、窒素雰囲気下、200℃
において20分間反応させた。その後、280℃に昇温
し、20分間反応を続けた。反応の進行とともに系内は
粘調になった。得られたポリウレタンのビカット軟化点
は148℃であり、室温で柔軟性を有した。
【0140】実施例8 4,4’’’−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−p−ク
ォーターフェニル20.4g(0.059mol)およ
びポリラクトン(UCC社;TONE0240)200
gを反応器に加え、バルク状、窒素雰囲気下、240℃
において10分間反応させた。その後、260℃に昇温
すると、1時間で系内は透明になった。ここにトリレン
ジイソシアネート27.6g(0.159mol)を加
え、20分間反応を続けた。反応の進行とともに粘調な
乳白色の流動体が得られた。得られたポリウレタンのビ
カット軟化点は129℃であり、室温で柔軟性を有し
た。 実施例9 4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニル
16.9g(0.05mol)、ビスフェノールA1
1.4g(0.05mol)、ポリラクトン(UCC
社;TONE0240)200gおよびジフェニルメタ
ンジイソシアネート50.1g(0.2mol)を一括
して反応器に加え、バルク状、窒素雰囲気下、220℃
において20分間反応させた。その後、280℃に昇温
し、20分間反応を続けた。反応の進行とともに系内は
粘調になった。得られたポリウレタンのビカット軟化点
は108℃であり、室温で柔軟性を有するものであっ
た。
【0141】比較例6 ビスフェノールA22.8g(0.1mol)、ポリラ
クトン(UCC社;TONE0240)200gおよび
ジフェニルメタンジイソシアネート50.1g(0.2
mol)を一括して反応器に加え、バルク状、窒素雰囲
気下、200℃において20分間反応させた。その後、
260℃に昇温し、20分間反応を続けた。反応の進行
とともに系内は粘調になった。生成したポリマーのビカ
ット軟化点は40℃であり、室温で硬く、もろかった。
【0142】実施例10 ポリジメチルシロキサン(信越シリコーン社;KF−6
001)180g、ジフェニルメタンジイソシアネート
100.2g(0.4mol)を反応容器に加え、バル
ク状、窒素雰囲気下、100℃において2時間反応させ
た。反応系を減圧にし、未反応のジフェニルメタンジイ
ソシアネートを留出させた後、4,4’’’−ジヒドロ
キシ−p−クォーターフェニル67.6g(0.2mo
l)を加え250℃に昇温し、20分間反応を続けた。
反応の進行とともに系内は粘調になった。得られたポリ
ウレタンのビカット軟化点は88℃であり、室温で柔軟
性を有した。
【0143】実施例11 4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニル
33.8g(0.1mol)、ポリジメチルシロキサン
(信越シリコーン社;KF−6001)180gおよび
ジフェニルメタンジイソシアネート50.1g(0.2
mol)を一括して反応器に加え、バルク状、窒素雰囲
気下、180℃において2時間反応させた。その後、2
50℃に昇温し、20分間反応を続けた。反応の進行と
ともに系内は粘調になった。得られたポリウレタンのビ
カット軟化点は56℃であり、室温で柔軟性を有した。
【0144】実施例12 4,4’’’−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−p−ク
ォーターフェニル20.4g(0.059mol)、ポ
リジメチルシロキサン(信越シリコーン社;KF−60
01)36gおよびポリラクトン(UCC社;TONE
0221)80gを反応器に加え、バルク状、窒素雰囲
気下、240℃において10分間反応させた。その後、
260℃に昇温し、1時間反応を続けた。ここにトリレ
ンジイソシアネート27.6g(0.159mol)を
加え、20分間反応を続けた。反応の進行とともに粘調
な乳白色の流動体が得られた。得られたポリウレタンの
ビカット軟化点は158℃であり、室温で柔軟性を有し
た。
【0145】実施例13 4,4’’’−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−p−ク
ォーターフェニル20.4g(0.059mol)、ポ
リジメチルシロキサン(信越シリコーン社;KF−60
01)36gおよびポリラクトン(UCC社;TONE
0240)160gを反応器に加え、バルク状、窒素雰
囲気下、240℃において10分間反応させた。その
後、260℃に昇温し、1時間反応を続けた。ここにト
リレンジイソシアネート27.6g(0.159mo
l)を加え、20分間反応を続けた。反応の進行ととも
に粘調な乳白色の流動体が得られた。得られたポリウレ
タンのビカット軟化点は122℃であり、室温で柔軟性
を有した。
【0146】実施例14 4,4’’’−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−p−ク
ォーターフェニル20.4g(0.059mol)、ポ
リジメチルシロキサン(信越シリコーン社;KF−60
02)16gおよびポリラクトン(UCC社;TONE
0240)190gを反応器に加え、バルク状、窒素雰
囲気下、240℃において10分間反応させた。その
後、260℃に昇温し、1時間反応を続けた。ここにト
リレンジイソシアネート27.6g(0.159mo
l)を加え、20分間反応を続けた。反応の進行ととも
に粘調な乳白色の流動体が得られた。得られたポリウレ
タンのビカット軟化点は117℃であり、室温で柔軟性
を有した。
【0147】比較例7 ビスフェノールA22.8g(0.1mol)、ポリジ
メチルシロキサン(信越シリコーン社;KF−600
1)180gおよびジフェニルメタンジイソシアネート
50.1g(0.2mol)を一括して反応器に加え、
バルク状、窒素雰囲気下、200℃において20分間反
応させた。その後、260℃に昇温し、20分間反応を
続けた。生成したポリマーは室温で粘着剤状の流動体で
あり、シートに加工することは不可能であった。
【0148】上記実施例6〜14および比較例5〜7で
得られたポリウレタンの評価結果を表2に示す。
【0149】
【表2】
【0150】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
熱可塑性ポリウレタンによれば、本発明によれば、耐熱
性および機械的強度に優れ、かつ室温および低温での柔
軟性に優れた熱可塑性ポリウレタンを得ることができる
ので、優れた熱可塑性エラストマーとして各種部材に好
適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸本 大志郎 大阪府茨木市三島丘2丁目11番20号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記一般式〔I〕で示されるジヒド
    ロキシ化合物と下記一般式〔II〕で示されるモノヒドロ
    キシ化合物のうち少なくともいずれか一方と、 (B)
    脂肪族ジカルボン酸と、脂肪族ジオールと、下記一般式
    〔I〕で示されるジヒドロキシ化合物および下記一般式
    〔II〕で示されるモノヒドロキシ化合物のうち少なくと
    もいずれか一方とを主な構成成分とする脂肪族ポリエス
    テル、または両末端にヒドロキシル基を有するポリエス
    テルと、 (C)ジイソシアネート とを主な構成成分とすることを特徴とする熱可塑性ポリ
    ウレタン。 【化1】 (式中、R1およびR2は独立的にアルキレン基を示し、
    pは3または4であり、qおよびrは独立的に0または
    1以上の整数を示す)。 【化2】 (式中、R3はアルキレン基を示し、lは2または3で
    あり、mは0または1以上の整数を示す)。
  2. 【請求項2】(A)請求項1に記載のジヒドロキシ化合
    物と請求項1に記載のモノヒドロキシ化合物のうち少な
    くともいずれか一方と、 (D)両末端にヒドロキシル基を有するポリシロキサン
    と、 (C)ジイソシアネート とを主な構成成分とすることを特徴とする熱可塑性ポリ
    ウレタン。
  3. 【請求項3】(A)請求項1に記載のジヒドロキシ化合
    物と請求項1に記載のモノヒドロキシ化合物のうち少な
    くともいずれか一方と、 (E)両末端にヒドロキシル基を有するポリラクトン
    と、 (C)ジイソシアネート とを主な構成成分とすることを特徴とする熱可塑性ポリ
    ウレタン。
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JP2019112605A (ja) * 2017-12-22 2019-07-11 Toyo Tire株式会社 液晶性ポリマー、及び液晶性ポリマーの製造方法

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JP2019112606A (ja) * 2017-12-22 2019-07-11 Toyo Tire株式会社 シリコーン含有液晶性ポリマー、及びシリコーン含有液晶性ポリマーの製造方法
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