JP2019112606A - シリコーン含有液晶性ポリマー、及びシリコーン含有液晶性ポリマーの製造方法 - Google Patents

シリコーン含有液晶性ポリマー、及びシリコーン含有液晶性ポリマーの製造方法 Download PDF

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純平 早見
Jumpei HAYAMI
純平 早見
井関 清治
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Abstract

【課題】相転移温度(Ti)を殆ど変化させることなく、ガラス転移温度(Tg)のみを低下させることが可能な液晶性ポリマーを提供する。【解決手段】活性水素基を有するメソゲン基含有化合物とアルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドとの付加反応物であるメソゲンジオールと、活性水素基を有するシリコーン化合物と、イソシアネート化合物と、架橋成分との重合反応物を含むシリコーン含有液晶性ポリマー。【選択図】なし

Description

本発明は、温度によって状態が変化する液晶性ポリマー、及びその製造方法に関する。
分子構造内にメソゲン基を有する液晶性ポリマーは、液晶(メソゲン基)の配向度の変化に伴って物性が変化する。このような性質に着目し、液晶性ポリマーをエラストマーとして様々な用途で利用する試みがなされている。
例えば、液晶性ポリマーとして、ジイソシアネート成分と、高分子量ポリオール成分と、メソゲンジオールとの反応によって得られる液晶性ポリウレタンエラストマーがある(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1の液晶性ポリウレタンエラストマーは、本出願人が開発したものであり、液晶発現温度領域でゴム弾性を有するものである。この液晶性ポリウレタンエラストマーは、従来の液晶性ポリウレタンと比べて、液晶発現温度を低下させたものである。
特開2014−172967号公報
液晶性ポリマーを得るためには、液晶発現温度領域(液晶相)で液晶性ポリマーの原材料を硬化(架橋)させる必要がある。また、液晶性ポリマーを工業的に利用し易いものとするためには、液晶相を維持しながら様々な形状に加工できることが求められる。
この点に関し、特許文献1の液晶性ポリマーは、上述のとおり、液晶発現温度を低下させるように設計されたものであり、そのための手段として、イソシアネート成分として3官能以上のイソシアネートを使用するとともに、高分子量ポリオール成分として水酸基数が3以上の高分子量ポリオール成分を使用している。このように、架橋可能な官能基を多く含む原材料を使用することで、熱成形加工時に液晶相を維持したまま原材料間で架橋反応が進行し、ゴム弾性を備えた液晶性ポリマー(液晶性エラストマー)を得ることができる。
ところで、特許文献1の液晶性ポリマーを、例えば、衣料製品の繊維材料として利用する場合、繊維が伸縮する温度である液晶性ポリマーの相転移温度(Ti)を体温付近に設定する必要がある。しかしながら、特許文献1の液晶性ポリマーでは、相転移温度(Ti)が低温側にシフトしてしまうため、着心地の優れた実用的な衣料製品を得ることは難しい。液晶性ポリマーを実用化するためには、ガラス転移温度(Tg)と相転移温度(Ti)とが互いに大きく影響されずに個別に調整できる技術が求められる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、相転移温度(Ti)を殆ど変化させることなく、ガラス転移温度(Tg)のみを低下させることが可能な液晶性ポリマーを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明にかかるシリコーン含有液晶性ポリマーの特徴構成は、
活性水素基を有するメソゲン基含有化合物とアルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドとの付加反応物であるメソゲンジオールと、
活性水素基を有するシリコーン化合物と、
イソシアネート化合物と、
架橋成分と、
の重合反応物を含むことにある。
本構成のシリコーン含有液晶性ポリマーによれば、メソゲンジオールと、シリコーン化合物と、イソシアネート化合物と、架橋成分との重合反応物を含むため、メソゲンジオールに由来する高い液晶性と、イソシアネート化合物に由来するポリウレタンの弾性とを兼ね備えた液晶性エラストマーとなる。また、シリコーン化合物を反応させることで、相転移温度(Ti)を過度に低下させず且つTiのピーク強度を維持したまま、ガラス転移温度(Tg)を低下させることができるため、液晶性エラストマーの低温領域での弾性率を低下させて優れた柔軟性を得ることができる。
本発明にかかるシリコーン含有液晶性ポリマーにおいて、
前記活性水素基を有するメソゲン基含有化合物は、下記一般式(1):
Figure 2019112606
(ここで、Xは活性水素基であり、Rは隣接する結合基の一部をなす単結合、−N=N−、−CO−、−CO−O−、又は−CH=N−であり、Rは隣接する結合基の一部をなす単結合、又は−O−であり、Rは隣接する結合基の一部をなす単結合、又は炭素数1〜20のアルキレン基である。ただし、Rが−O−であり、且つRが隣接する結合基の一部をなす単結合であるものを除く。)
で表される化合物であることが好ましい。
本構成のシリコーン含有液晶性ポリマーによれば、活性水素基を有するメソゲン基含有化合物として、上記の適切な構造を有する化合物が使用されるため、低温領域で優れた柔軟性を有するシリコーン含有液晶性ポリマーを得ることができる。
本発明にかかるシリコーン含有液晶性ポリマーにおいて、
前記活性水素基を有するシリコーン化合物は、2つ以上の活性水素基を有することが好ましい。
本構成のシリコーン含有液晶性ポリマーによれば、活性水素基を有するシリコーン化合物は、2つ以上の活性水素基を有するため、シリコーン化合物の1つの活性水素基がポリマーと反応した後も、その他の活性水素基によってポリマーの反応性は維持され、引き続きポリマーの高分子化が可能となる。その結果、シリコーン含有液晶性ポリマーに含まれるメソゲン基のモノドメイン化が促進され、優れた熱応答性を実現することができる。
本発明にかかるシリコーン含有液晶性ポリマーにおいて、
前記活性水素基を有するシリコーン化合物は、重量平均分子量が700〜20000であることが好ましい。
本構成のシリコーン含有液晶性ポリマーによれば、活性水素基を有するシリコーン化合物として、重量平均分子量が700〜20000のものを使用することで、Tiのピーク強度を維持したまま、シリコーン含有液晶性ポリマー(エラストマー)の低温領域での弾性率をより好適な程度まで低下させることができる。
本発明にかかるシリコーン含有液晶性ポリマーにおいて、
前記メソゲンジオールと前記活性水素基を有するシリコーン化合物との配合比率は、重量比で100:5〜100:40であることが好ましい。
本構成のシリコーン含有液晶性ポリマーによれば、メソゲンジオールとシリコーン化合物との配合比率が適切な範囲に設定されているため、メソゲンジオールに由来する高い液晶性と、シリコーン化合物に由来する高いTiピーク強度及び低温領域における柔軟性とのバランスが良好なシリコーン含有液晶性ポリマー(エラストマー)となり得る。
本発明にかかるシリコーン含有液晶性ポリマーにおいて、
前記架橋成分は、重合性基含有化合物及び硬化開始剤を含むことが好ましい。
本構成のシリコーン含有液晶性ポリマーによれば、架橋成分として重合性基含有化合物及び硬化開始剤を使用することで、光重合によりシリコーン含有液晶性ポリマーを適度に硬化させることができる。
本発明にかかるシリコーン含有液晶性ポリマーにおいて、
前記メソゲンジオールに由来するメソゲン基が配向状態にあるとともに、分子間に前記重合性基含有化合物及び硬化開始剤に由来する架橋構造が形成されていることが好ましい。
本構成のシリコーン含有液晶性ポリマーによれば、メソゲンジオールに由来するメソゲン基が配向状態にあることで、メソゲン基に由来する液晶性がポリマーに発現し、液晶相と等方相との相転移温度(Ti)を境界として状態が可逆的に変化する熱応答性が付与される。また、重合性基含有化合物及び硬化開始剤に由来する架橋構造は、紫外光照射等による光重合によって容易に形成することができる。
本発明にかかるシリコーン含有液晶性ポリマーにおいて、
前記架橋成分は、3官能以上のポリオール化合物及び/又は3官能以上のイソシアネート化合物を含むことが好ましい。
本構成のシリコーン含有液晶性ポリマーによれば、架橋成分として3官能以上のポリオール化合物及び/又は3官能以上のイソシアネート化合物を使用することで、熱重合によりシリコーン含有液晶性ポリマーを適度に硬化させることができる。
本発明にかかるシリコーン含有液晶性ポリマーにおいて、
前記メソゲンジオールに由来するメソゲン基が配向状態にあるとともに、分子間に前記3官能以上のポリオール化合物及び/又は3官能以上のイソシアネート化合物に由来する架橋構造が形成されていることが好ましい。
本構成のシリコーン含有液晶性ポリマーによれば、メソゲンジオールに由来するメソゲン基が配向状態にあることで、メソゲン基に由来する液晶性がポリマーに発現し、液晶相と等方相との相転移温度(Ti)を境界として状態が可逆的に変化する熱応答性が付与される。また、3官能以上のポリオール化合物及び/又は3官能以上のイソシアネート化合物に由来する架橋構造は、原材料の押出時の加熱等による熱重合によって容易に形成することができる。
上記課題を解決するための本発明にかかるシリコーン含有液晶性ポリマーの製造方法の特徴構成は、
活性水素基を有するメソゲン基含有化合物とアルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドとの付加反応物であるメソゲンジオールと、活性水素基を有するシリコーン化合物と、イソシアネート化合物と、架橋成分とを混合する混合工程と、
前記混合工程で得られた混合物を、前記メソゲン基含有化合物に由来する液晶性が発現した状態で延伸しながら硬化させる硬化工程と、
を包含することにある。
本構成のシリコーン含有液晶性ポリマーの製造方法によれば、原材料として、メソゲンジオールと、活性水素基を有するシリコーン化合物と、イソシアネート化合物と、架橋成分との混合物を使用し、この混合物を、メソゲン基含有化合物に由来する液晶性が発現した状態で延伸しながら硬化させているため、メソゲンジオールに由来する高い液晶性と、イソシアネート化合物に由来するポリウレタンの弾性とを兼ね備えた液晶性エラストマーを得ることができる。また、原材料の一つとして使用する活性水素基を有するシリコーン化合物は、相転移温度(Ti)を過度に低下させ且つTiのピーク強度を維持したまま、ガラス転移温度(Tg)を低下させるように機能するため、得られた液晶性エラストマーは、低温領域での弾性率が低下し、優れた柔軟性を有するものとなる。
以下、本発明のシリコーン含有液晶性ポリマーについて説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に記載される構成に限定されることを意図しない。
〔シリコーン含有液晶性ポリマー〕
シリコーン含有液晶性ポリマーは、分子構造中にメソゲン基(ハードセグメント)とシリコーン鎖(ソフトセグメント)とを有しており、メソゲン基が配列することで液晶性を示し、配列が崩れることで等方性を示す。液晶性を示す液晶相と、等方性を示す等方相とは、相転移温度(Ti)を境界として可逆的に転移することができる。
シリコーン含有液晶性ポリマーは、活性水素基を有するメソゲン基含有化合物(以下、単に「メソゲン基含有化合物」と称する。)、アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシド、シリコーン化合物、イソシアネート化合物、並びに架橋成分を原材料とするものであり、これらを重合反応させることによって得られる。シリコーン含有液晶性ポリマーの製造方法としては、後述する光重合法又は熱重合法が挙げられる。シリコーン含有液晶性ポリマーは、メソゲン基含有化合物から生じる液晶性と、メソゲン基含有化合物とイソシアネート化合物との反応に起因して生じる弾性とを兼ね備えており、液晶の相転移によって物性が変化し、液晶相の発現温度領域は常温を含む比較的低い温度領域(例えば、10〜40℃)となる。また、シリコーン化合物の使用により、シリコーン含有液晶性ポリマーは、相転移温度(Ti)が過度に低下することなく且つTiのピーク強度を維持したまま、ガラス転移温度(Tg)が低下するため、低温領域において優れた柔軟性を示すものとなる。
<メソゲン基含有化合物>
メソゲン基含有化合物は、例えば、下記の一般式(1)で表される化合物が使用される。
Figure 2019112606
一般式(1)において、Xは活性水素基であり、Rは隣接する結合基の一部をなす単結合、−N=N−、−CO−、−CO−O−、又は−CH=N−であり、Rは隣接する結合基の一部をなす単結合、又は−O−であり、Rは隣接する結合基の一部をなす単結合、又は炭素数1〜20のアルキレン基である。ただし、Rが−O−であり、且つRが隣接する結合基の一部をなす単結合であるものを除く。なお、「隣接する結合基の一部をなす単結合」とは、当該単結合が隣接する結合基の一部と共有されている状態を意味する。例えば、上記一般式(1)において、Rが隣接する結合基の一部をなす単結合である場合、単結合であるRは両側のベンゼン環と共有された状態となり、当該両側のベンゼン環とともにビフェニル構造を形成する。Xとしては、例えば、OH、SH、NH、COOH、二級アミン等が挙げられる。メソゲン基含有化合物の配合量は、液晶性ポリマーの原材料全体の中で、30〜80重量%、好ましくは40〜70重量%となるように調整される。メソゲン基含有化合物の配合量が30重量%未満の場合、生成したポリマーに液晶性が発現し難くなる。メソゲン基含有化合物の配合量が80重量%を超える場合、液晶相−等方相間の相転移温度(Ti)が高くなり、常温を含む低温領域でポリマーを成形することが困難となる。
<アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシド>
メソゲン基含有化合物には、アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドが併用される。アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドは、シリコーン含有液晶性ポリマーにおける液晶性発現温度を低下させるように機能するため、メソゲン基含有化合物にアルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドを併用して生成したシリコーン含有液晶性ポリマーは、常温での実用性に優れた製品となり得る。アルキレンオキシドは、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、又はブチレンオキシドを使用することができる。上掲のアルキレンオキシドは、単独で使用してもよいし、複数種を混合して使用してもよい。スチレンオキシドについては、ベンゼン環にアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン等の置換基を有するものでもよい。アルキレンオキシドは、上掲のアルキレンオキシドと、上掲のスチレンオキシドとを混合したものを使用することも可能である。アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドの配合量は、メソゲン基含有化合物1モルに対して、アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドが1〜10モル、好ましくは2〜6モル付加されるように調整される。アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドの付加モル数が1モル未満の場合、シリコーン含有液晶性ポリマーの液晶性が発現する温度範囲を十分に低下させることが困難となり、そのため、無溶媒で且つ液晶性が発現した状態でシリコーン含有液晶性ポリマー(シリコーン含有液晶性ポリウレタン)を連続成形することが困難となる。アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドの付加モル数が10モルを超える場合、シリコーン含有液晶性ポリマーの液晶性が発現し難くなる虞がある。
<シリコーン化合物>
シリコーン化合物は、ポリシロキサンを骨格とし、両方の末端に活性水素基を有するシリコーン化合物(主鎖型シリコーン化合物)、又は片方の末端に活性水素基を有するシリコーン化合物(側鎖型シリコーン化合物)が用いられる。活性水素基としては、OHが代表的であるが、SH、NH、COOH、二級アミン等であってもよい。なお、シリコーン化合物は、2つ以上の活性水素基を有するものが好ましい。これは、ポリマー鎖末端がシリコーン化合物によってキャップされて、ポリマーの反応性が喪失することを防ぐためである。2つ以上の活性水素基を有するシリコーン化合物を使用すれば、シリコーン化合物の1つの活性水素基がポリマーと反応した後も、その他の活性水素基によってポリマーの反応性は維持され、引き続きポリマーの高分子化が可能となる。その結果、シリコーン含有液晶性ポリマーに含まれるメソゲン基のモノドメイン化が促進され、優れた熱応答性を実現することができる。本発明において好適に使用可能なシリコーン化合物としては、例えば、JNC株式会社より市販されている両末端反応性シリコーン(製品名:両末端サイラプレーン)、片末端反応性シリコーン(製品名:片末端サイラプレーン)等が挙げられる。シリコーン化合物の重量平均分子量は、700〜20000であることが好ましい。これにより、生成した液晶性ポリマーは、Tiのピーク強度を維持したまま、Tiが過度に低下することなくTgが適度に低下するため、低温領域での弾性率を適切に設定することができる。シリコーン化合物の重量平均分子量が700未満の場合、生成したシリコーン含有液晶性ポリマーのTgが十分に低下しないため低温領域での弾性率が高くなり、適度な柔軟性を得ることが困難となる。シリコーン化合物の重量平均分子量が20000を超える場合、流動性が殆ど無くなるため取り扱いが困難なものとなる。
<イソシアネート化合物>
イソシアネート化合物は、例えば、ジイソシアネート化合物、又は3官能以上のイソシアネート化合物を使用することができる。ジイソシアネート化合物を例示すると、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、及びm−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、及び1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、並びに1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、及びノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。上掲のジイソシアネート化合物は、単独で使用してもよいし、複数種を混合して使用してもよい。3官能以上のイソシアネート化合物を例示すると、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、リジンエステルトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、ビシクロヘプタントリイソシアネート等のトリイソシアネート、及びテトライソシアネートシラン等のテトライソシアネートが挙げられる。上掲の3官能以上のイソシアネート化合物は、単独で使用してもよいし、複数種を混合して使用してもよい。イソシアネート化合物は、上掲のジイソシアネート化合物と、上掲の3官能以上のイソシアネート化合物とを混合したものを使用することも可能である。イソシアネート化合物の配合量は、シリコーン含有液晶性ポリマーの原材料全体の中で、10〜40重量%、好ましくは15〜30重量%となるように調整される。イソシアネート化合物の配合量が10重量%未満の場合、ウレタン反応による高分子化が不十分となるため、シリコーン含有液晶性ポリマー(液晶性ポリウレタン)を連続成形することが困難となる。イソシアネート化合物の配合量が40重量%を超える場合、シリコーン含有液晶性ポリマーの原材料全体に占めるメソゲン基含有化合物の配合量が相対的に少なくなるため、シリコーン含有液晶性ポリマー(シリコーン含有液晶性ポリウレタン)の液晶性が低下する。
<架橋成分>
架橋成分は、シリコーン含有液晶性ポリマーの重合方法に応じて適切なものが選択される。光重合法でシリコーン含有液晶性ポリマーを合成する場合、ラジカル反応を促進させるために、架橋成分として、重合性基含有化合物及び硬化開始剤を使用することが好ましい。熱重合法でシリコーン含有液晶性ポリマーを合成する場合、ウレタン化反応を促進させるために、架橋成分として、3官能以上のポリオール化合物及び/又は3官能以上のイソシアネート化合物を使用することが好ましい。これらの架橋成分は、シリコーン含有液晶性ポリマーの分子間に架橋構造を形成するように機能する。
[重合性基含有化合物]
重合性基含有化合物は、例えば、アクリロイル基含有化合物、メタクリロイル基含有化合物、アリル基含有化合物を使用することができる。これらの重合性基含有化合物は、ラジカルによって反応する。アクリロイル基含有化合物を例示すると、プロピレングリコールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、エチレングリコールジグリシジルエーテルメタクリル酸付加物、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、グリセリンジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ビスフェノールA PO2mol付加物ジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート、β−カルボキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチル−コハク酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−フタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、2−アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等が挙げられる。メタクリロイル基含有化合物を例示すると、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクロイロキシエチルアシッドホスフェート、グリセリンジメタクリレート、ビスフェノールA PO2mol付加物ジグリシジルエーテルメタクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルメタクリル酸付加物、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルサクシネート等が挙げられる。アリル基含有化合物を例示すると、グリセリンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等が挙げられる。重合性基含有化合物の配合量は、シリコーン含有液晶性ポリマーの原材料全体の中で、0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜7重量%となるように調整される。重合性基含有化合物の配合量が0.1重量%未満の場合、十分に硬化(架橋)しないため、生成したポリマーは熱応答性を発現し難くなる。重合性基含有化合物の配合量が10重量%を超える場合、ポリマー中の架橋密度が高くなり過ぎるため、この場合も生成したポリマーは熱応答性を発現し難くなる。
[硬化開始剤]
硬化開始剤は、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフォンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン/ベンゾフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル/オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステル、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モリフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、ヨードニウム,(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]−ヘキサフルオロフォスフェート(1−)/プロピレンカーボネート、トリアリールスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェート、トリアリールスルフォニウムテトラキス−(ペンタフルオロフェニル)ボレート、オキシムスルホネート系光酸発生剤を使用することができる。これらの硬化開始剤は、光照射又は加熱により分解し、ラジカルを発生する。硬化開始剤の配合量は、シリコーン含有液晶性ポリマーの原材料全体の中で、0.5〜10重量%、好ましくは1〜8重量%となるように調整される。硬化開始剤の配合量が0.5重量%未満の場合、均一に反応が進行しないため、あるいは硬化(架橋)が不十分となるため、生成したポリマーは熱応答性を発現し難くなる。硬化開始剤の配合量が10重量%を超える場合、生成したポリマー中のメソゲン基の含有量が減少するため、液晶性が発現し難くなる。硬化開始剤として光硬化開始剤を用いる場合、200〜600nmに吸収波長を有するものが好ましい。光硬化開始剤が上記範囲の吸収波長を有していれば、シリコーン含有液晶性ポリマー又はその原材料の透明度(可視光の透過率)が低いものであっても、光硬化開始剤が光を吸収し、確実に光重合(光架橋)反応を進行させることができる。
[3官能以上のポリオール化合物、3官能以上のイソシアネート化合物]
3官能以上のポリオール化合物は、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びポリエステルポリカーボネートポリオール等の3つ以上の水酸基を有する高分子量ポリオール(分子量400以上)、並びにトリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、meso−エリトリトール、ペンタエリスリトール、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、スクロース、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、及びトリエタノールアミン等の低分子量ポリオールが挙げられる。3官能以上のイソシアネート化合物は、上述の「イソシアネート化合物」の項目中に例示した3官能以上のイソシアネート化合物を使用することができる。上掲の3官能以上のポリオール化合物、及び3官能以上のイソシアネート化合物は、単独で使用してもよいし、複数種を混合して使用してもよい。3官能以上のポリオール化合物及び/又は3官能以上のイソシアネート化合物の配合量は、シリコーン含有液晶性ポリマーの原材料全体の中で、0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜18重量%となるように調整される。このような範囲であれば、シリコーン含有液晶性ポリマー中のメソゲン基は適度に動くことが可能であり、熱応答性と液晶性とをバランスよく発現させることができる。3官能以上のポリオール化合物及び/又は3官能以上のイソシアネート化合物の配合量が0.1重量%未満の場合、シリコーン含有液晶性ポリマーが十分に硬化しないため、シリコーン含有液晶性ポリマー自体が流動して熱応答性が得られなくなる虞がある。3官能以上のポリオール化合物及び/又は3官能以上のイソシアネート化合物の配合量が20重量%を超える場合、シリコーン含有液晶性ポリマーの架橋密度が高くなり過ぎるため、メソゲン基の配向が阻害されて液晶性が発現し難くなり、熱応答性が得られなくなる虞がある。
<その他の原材料>
その他の原材料として、ジカルボン酸又はジカルボン酸誘導体を併用することも可能である。シリコーン含有液晶性ポリマーが熱可塑性樹脂である場合、高温で溶融して液状になる。そこで、シリコーン含有液晶性ポリマーの重合反応を行う際にジカルボン酸又はジカルボン酸誘導体を添加しておくと、シリコーン含有液晶性ポリマーの架橋密度が増大し、高分子化するため、高温でも溶融することなく固相状態を維持することができる。ジカルボン酸を例示すると、アジピン酸、グルタル酸、テレフタル酸等が挙げられる。ジカルボン酸誘導体を例示すると、アジピン酸ジクロライド、グルタル酸ジクロライド、テレフタル酸ジクロライド等が挙げられる。ジカルボン酸又はジカルボン酸誘導体の配合量は、シリコーン含有液晶性ポリマーの原材料全体の中で、0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜7重量%となるように調整される。ジカルボン酸又はジカルボン酸誘導体の配合量が0.1重量%未満の場合、原材料を加熱しても十分に硬化しないため、生成したポリマーは液晶性を発現し難くなる。ジカルボン酸又はジカルボン酸誘導体の配合量が10重量%を超える場合、加熱後のポリマー中の架橋密度が高くなり過ぎるため、柔軟性が不足する。
〔シリコーン含有液晶性ポリマーの製造方法〕
本発明のシリコーン含有液晶性ポリマーは、メソゲン基含有化合物、アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシド、シリコーン化合物、イソシアネート化合物、並びに架橋成分を含む原材料を重合反応させることにより製造される。代表的な製造方法としては、光重合法と熱重合法とがある。
<光重合法>
光重合法では、初めに、活性水素基を有するメソゲン基含有化合物とアルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドとの付加反応物であるメソゲンジオールと、シリコーン化合物と、イソシアネート化合物と、架橋成分(重合性基含有化合物及び硬化開始剤)とを混合する。次いで、この混合物を流動可能な状態に加熱しながら押出成形機を用いて延伸し、所定の形状に成形する。このとき、メソゲン基含有化合物に由来するメソゲン基が配向して混合物の液晶性が高まり、この状態で光を照射すると、架橋成分に含まれる硬化開始剤が分解してラジカルが発生し、このラジカルによって混合物に含まれる重合性基どうしが反応(光架橋)し、ポリマーの分子間に架橋構造が形成されて硬化が進行する。このような光架橋による硬化法であれば、原材料を混合及び加熱し、次いで延伸して成形を行った後、冷却により温度が十分に低下した状態で硬化させることができる。すなわち、成形と光架橋(硬化)とを別々の工程として行うことができる。従って、低温領域において液晶相が確実に発現する熱応答性を有するシリコーン含有液晶性ポリマーを得ることができる。
光重合法により得られたシリコーン含有液晶性ポリマーは、常温を含む低温領域でもポリマーの成形が容易なものとなり、ポリマー全体を均等に硬化させることができる。しかも、成形後に温度が十分に低下した状態(すなわち、液晶相が発現した状態)で原材料を硬化させることが可能なため、モノドメイン化が容易なものとなる。従って、光重合法により得られたシリコーン含有液晶性ポリマーは、液晶相の発現温度領域は常温を含む比較的低い温度領域となり、使い勝手のよい実用的な材料となり得る。
シリコーン含有液晶性ポリマーの原材料の混合及び加熱は、押出成形機の中で成形と同時に行うことができる。初めに、押出成形機に原材料を投入して十分に混合及び加熱して溶融させる。次いで、溶融物を液晶性が発現する温度領域(すなわち、ガラス転移温度(Tg)以上かつ相転移温度(Ti)以下)で延伸しながら押出成形する。このとき、メソゲン基含有化合物に含まれるメソゲン基が延伸方向に沿うように動くため、高度な配向性が得られる。この時点(光架橋前の状態)において、溶融物(プレポリマー)の分子量は、重量平均分子量として20000〜170000であることが好ましく、50000〜150000であることがより好ましい。そして、延伸した溶融物を適切な形状に成形して冷却し、延伸状態を保ったまま波長200〜600nmの紫外光ないし可視光を照射すると、配向性を維持したまま分子間で架橋反応が進行し、低温液晶発現性と弾性とを兼ね備えた熱応答性を有するシリコーン含有液晶性ポリマーが完成する。これは、連続式による製造方法である。一方、シリコーン含有液晶性ポリマーの原材料を予め混合及び加熱してペレット状に成形しておき、ペレット化した原材料を押出成形機を用いて所定の形状に成形した後、液晶性が発現する温度領域(すなわち、ガラス転移温度(Tg)以上かつ相転移温度(Ti)以下)で延伸し、延伸状態を保ったまま光を照射して熱応答性を有するシリコーン含有液晶性ポリマーを製造することも可能である。これは、バッチ式による製造方法である。このようにして製造されたシリコーン含有液晶性ポリマーは、低温領域ではメソゲン基が延伸方向に配向しているが、加熱して相転移温度(Ti)を上回るとメソゲン基の配向が崩れて(不規則となって)延伸方向に収縮し、冷却して相転移温度(Ti)を下回るとメソゲン基の配向が復活して延伸方向に伸張するという特異的な熱応答性挙動を示す。
ちなみに、シリコーン含有液晶性ポリマーの配向性は、メソゲン基の配向度によって評価することができる。配向度の値が大きいものは、メソゲン基が一軸方向に高度に配向している。配向度は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いた1回全反射測定法(ATR)により、芳香族エーテルの逆対称伸縮振動の吸光度(0°、90°)、及びメチル基の対称変角振動の吸光度(0°、90°)を測定し、これらの吸光度をパラメータとする以下の計算式に基づいて算出される。
配向度=(A−B)/(A+2B)
A:0°で測定したときの芳香族エーテルの逆対称伸縮振動の吸光度/0°で測定したときのメチル基の対称変角振動の吸光度
B:90°で測定したときの芳香族エーテルの逆対称伸縮振動の吸光度/90°で測定したときのメチル基の対称変角振動の吸光度
シリコーン含有液晶性ポリマーが有意な伸縮性を発現するためには、メソゲン基の配向度が0.05以上であることが好ましく、0.1以上であることがより好ましい。
<熱重合法>
熱重合法では、初めに、活性水素基を有するメソゲン基含有化合物とアルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドとの付加反応物であるメソゲンジオールと、シリコーン化合物と、イソシアネート化合物と、架橋成分(3官能以上のポリオール化合物及び/又は3官能以上のイソシアネート化合物)とを混合し、加熱する。そうすると、ウレタン化反応によって分子間に架橋構造が形成され、半硬化状態の液晶性化合物(プレポリマー)が得られる。このとき、メソゲンジオールとイソシアネート化合物との配合比率は、重量比で100:5〜100:40が好ましく、100:10〜100:30がより好ましい。この半硬化状態の液晶性化合物を延伸すると、メソゲン基含有化合物に由来するメソゲン基が配向して液晶性化合物の液晶性が高まり、この状態のまま適切な条件下で養生すると、液晶性化合物が高分子化しながらさらに硬化し、熱応答性を有するシリコーン含有液晶性ポリマーが得られる。
熱重合法により得られたシリコーン含有液晶性ポリマーは、光重合法で得られたシリコーン含有液晶性ポリマーと同様に、液晶相の発現温度領域は常温を含む比較的低い温度領域となり、使い勝手のよい実用的な材料となり得る。
本発明のシリコーン含有液晶性ポリマーの特性を確認するため、熱分析及び物性評価を行った。シリコーン含有液晶性ポリマーの原材料の配合を後述の表1に示す。なお、以下の説明及び表1では、シリコーン含有液晶性ポリマーの各原材料の配合量の単位を「g」としているが、本発明は、任意の倍率でスケールアップが可能である。すなわち、各原材料の配合量の単位については、「重量部」と読み替えることができる。
〔実施例1〕
反応容器に、活性水素基を有するメソゲン基含有化合物としてBH6(500g)、水酸化カリウム(19g)、及び溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミド(3000ml)を入れて混合し、さらに、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドを1モルのBH6に対して4当量添加し、これらの混合物を、加圧条件下、120℃で2時間反応させた(付加反応)。次いで、反応容器にシュウ酸(15g)を添加して付加反応を停止させ、反応液中の不溶な塩を吸引ろ過によって除去し、さらに、反応液中のN,N−ジメチルホルムアミドを減圧蒸留法により除去することにより、メソゲンジオールAを得た。メソゲンジオールAの水酸基価は183である。メソゲンジオールAの合成スキームを式(2)に示す。なお、式(2)中に示したメソゲンジオールAは代表的なものであり、種々の構造異性体を含み得る。
Figure 2019112606
次に、反応容器に、メソゲンジオールA(100g)、イソシアネート化合物として1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(33g)(東京化成工業株式会社製)、重合性基含有化合物として2−ヒドロキシエチルアクリレート(1.68g)(共栄社化学株式会社製)、硬化開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(3.6g)(IGM resins社製)、並びにシリコーン化合物として重量平均分子量(Mw)が1000の主鎖型シリコーン化合物(20g)(商品名:両末端サイラプレーン FM−4411、JNC株式会社)を入れて混合し、シリコーン含有液晶性ポリマーの原材料を調製した。この原材料を撹拌しながら80℃で加熱溶融し、冷却後、樹脂をプラスチック粉砕機(品名:ZI−420、株式会社ホーライ製)で粉砕してペレット化した。次いで、樹脂ペレットを80〜120℃に設定した単軸押出機(品名:SZW25GT−24MG−STD、株式会社テクノベル製)に投入し、直径2.0mmのフィラメントに成形した。このフィラメントを15℃に設定した冷水中に通してガラス転移温度(Tg)以上且つ相転移温度(Ti)以下に冷却し、ゴデットロール及び引取りロールで巻き取った。このとき、ゴデットロールと引取りロールとの間に回転差を付けることにより、フィラメントを1.5〜10倍に延伸した。さらに、ゴデットロールと引取りロールとの間に卓上型UV硬化装置(品名:アイminiグランテージ(ESC−1511U)、アイグラフィックス株式会社製)を設置し、延伸されたフィラメントに波長200〜600nmの光を照射し、光架橋(硬化)された実施例1のシリコーン含有液晶性ポリマーを得た。
〔実施例2〕
反応容器に、実施例1で使用したメソゲンジオールA(100g)、イソシアネート化合物として1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(30g)(東京化成工業株式会社製)、重合性基含有化合物として2−ヒドロキシエチルアクリレート(1.54g)(共栄社化学株式会社製)、硬化開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(3.3g)(IGM resins社製)、並びにシリコーン化合物として重量平均分子量(Mw)が5000の主鎖型シリコーン化合物(10g)(商品名:両末端サイラプレーン FM−4421、JNC株式会社)を入れて混合し、シリコーン含有液晶性ポリマーの原材料を調製した。この原材料を実施例1と同様の工程でフィラメントに加工し、さらに同様の条件で光架橋(硬化)させることにより、実施例2のシリコーン含有液晶性ポリマーを得た。
〔実施例3〕
反応容器に、実施例1で使用したメソゲンジオールA(100g)、イソシアネート化合物として1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(31g)(東京化成工業株式会社製)、重合性基含有化合物として2−ヒドロキシエチルアクリレート(1.68g)(共栄社化学株式会社製)、硬化開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(3.6g)(IGM resins社製)、並びにシリコーン化合物として重量平均分子量(Mw)が5000の主鎖型シリコーン化合物(20g)(商品名:両末端サイラプレーン FM−4421、JNC株式会社)を入れて混合し、シリコーン含有液晶性ポリマーの原材料を調製した。この原材料を実施例1と同様の工程でフィラメントに加工し、さらに同様の条件で光架橋(硬化)させることにより、実施例3のシリコーン含有液晶性ポリマーを得た。
〔実施例4〕
反応容器に、実施例1で使用したメソゲンジオールA(100g)、イソシアネート化合物として1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(31g)(東京化成工業株式会社製)、重合性基含有化合物として2−ヒドロキシエチルアクリレート(1.82g)(共栄社化学株式会社製)、硬化開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(3.9g)(IGM resins社製)、並びにシリコーン化合物として重量平均分子量(Mw)が5000の主鎖型シリコーン化合物(30g)(商品名:両末端サイラプレーン FM−4421、JNC株式会社)を入れて混合し、シリコーン含有液晶性ポリマーの原材料を調製した。この原材料を実施例1と同様の工程でフィラメントに加工し、さらに同様の条件で光架橋(硬化)させることにより、実施例4のシリコーン含有液晶性ポリマーを得た。
〔実施例5〕
反応容器に、実施例1で使用したメソゲンジオールA(100g)、イソシアネート化合物として1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(30g)(東京化成工業株式会社製)、重合性基含有化合物として2−ヒドロキシエチルアクリレート(1.68g)(共栄社化学株式会社製)、硬化開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(3.6g)(IGM resins社製)、並びにシリコーン化合物として重量平均分子量(Mw)が10000の主鎖型シリコーン化合物(20g)(商品名:両末端サイラプレーン FM−4425、JNC株式会社)を入れて混合し、シリコーン含有液晶性ポリマーの原材料を調製した。この原材料を実施例1と同様の工程でフィラメントに加工し、さらに同様の条件で光架橋(硬化)させることにより、実施例5のシリコーン含有液晶性ポリマーを得た。
〔実施例6〕
反応容器に、実施例1で使用したメソゲンジオールA(100g)、イソシアネート化合物として1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(33g)(東京化成工業株式会社製)、重合性基含有化合物として2−ヒドロキシエチルアクリレート(1.68g)(共栄社化学株式会社製)、硬化開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(3.6g)(IGM resins社製)、並びにシリコーン化合物として重量平均分子量(Mw)が1000の側鎖型シリコーン化合物(20g)(商品名:片末端サイラプレーン FM−DA11、JNC株式会社)を入れて混合し、シリコーン含有液晶性ポリマーの原材料を調製した。この原材料を実施例1と同様の工程でフィラメントに加工し、さらに同様の条件で光架橋(硬化)させることにより、実施例6のシリコーン含有液晶性ポリマーを得た。
〔実施例7〕
反応容器に、実施例1で使用したメソゲンジオールA(100g)、イソシアネート化合物として1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(31g)(東京化成工業株式会社製)、重合性基含有化合物として2−ヒドロキシエチルアクリレート(1.68g)(共栄社化学株式会社製)、硬化開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(3.6g)(IGM resins社製)、並びにシリコーン化合物として重量平均分子量(Mw)が5000の側鎖型シリコーン化合物(20g)(商品名:片末端サイラプレーン FM−DA21、JNC株式会社)を入れて混合し、シリコーン含有液晶性ポリマーの原材料を調製した。この原材料を実施例1と同様の工程でフィラメントに加工し、さらに同様の条件で光架橋(硬化)させることにより、実施例7のシリコーン含有液晶性ポリマーを得た。
〔実施例8〕
反応容器に、実施例1で使用したメソゲンジオールA(100g)、イソシアネート化合物として1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(30g)(東京化成工業株式会社製)、重合性基含有化合物として2−ヒドロキシエチルアクリレート(1.68g)(共栄社化学株式会社製)、硬化開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(3.6g)(IGM resins社製)、並びにシリコーン化合物として重量平均分子量(Mw)が15000の側鎖型シリコーン化合物(20g)(商品名:片末端サイラプレーン FM−DA26、JNC株式会社)を入れて混合し、シリコーン含有液晶性ポリマーの原材料を調製した。この原材料を実施例1と同様の工程でフィラメントに加工し、さらに同様の条件で光架橋(硬化)させることにより、実施例8のシリコーン含有液晶性ポリマーを得た。
〔比較例1〕
反応容器に、実施例1で使用したメソゲンジオールA(100g)、イソシアネート化合物として1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(34g)(東京化成工業株式会社製)、重合性基含有化合物として2−ヒドロキシエチルアクリレート(1.68g)(共栄社化学株式会社製)、硬化開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(3.6g)(IGM resins社製)、並びにグリコール化合物として重量平均分子量(Mw)が1000のポリテトラメチレングリコール(20g)(三井化学株式会社)を入れて混合し、液晶性ポリマーの原材料を調製した。すなわち、比較例1は、シリコーン化合物の代わりにグリコール化合物を原料に用いたものである。この原材料を実施例1と同様の工程でフィラメントに加工し、さらに同様の条件で光架橋(硬化)させることにより、比較例1のグリコール含有液晶性ポリマーを得た。
〔比較例2〕
反応容器に、実施例1で使用したメソゲンジオールA(100g)、イソシアネート化合物として1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(32g)(東京化成工業株式会社製)、重合性基含有化合物として2−ヒドロキシエチルアクリレート(1.68g)(共栄社化学株式会社製)、硬化開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(3.6g)(IGM resins社製)、並びにグリコール化合物として重量平均分子量(Mw)が2000のポリテトラメチレングリコール(20g)(三井化学株式会社)を入れて混合し、液晶性ポリマーの原材料を調製した。すなわち、比較例2は、シリコーン化合物の代わりにグリコール化合物を原料に用いたものである。この原材料を実施例1と同様の工程でフィラメントに加工し、さらに同様の条件で光架橋(硬化)させることにより、比較例2のグリコール含有液晶性ポリマーを得た。
〔比較例3〕
反応容器に、実施例1で使用したメソゲンジオールA(100g)、イソシアネート化合物として1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(31g)(東京化成工業株式会社製)、重合性基含有化合物として2−ヒドロキシエチルアクリレート(1.68g)(共栄社化学株式会社製)、硬化開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(3.6g)(IGM resins社製)、並びにグリコール化合物として重量平均分子量(Mw)が3000のポリテトラメチレングリコール(20g)(三井化学株式会社)を入れて混合し、液晶性ポリマーの原材料を調製した。すなわち、比較例3は、シリコーン化合物の代わりにグリコール化合物を原料に用いたものである。この原材料を実施例1と同様の工程でフィラメントに加工し、さらに同様の条件で光架橋(硬化)させることにより、比較例3のグリコール含有液晶性ポリマーを得た。
〔参考例1〕
反応容器に、実施例1で使用したメソゲンジオールA(100g)、イソシアネート化合物として1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(30g)(東京化成工業株式会社製)、重合性基含有化合物として2−ヒドロキシエチルアクリレート(1.40g)(共栄社化学株式会社製)、並びに硬化開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(3.0g)(IGM resins社製)を入れて混合し、液晶性ポリマーの原材料を調製した。すなわち、参考例1は、原料にシリコーン化合物を含まないものである。この原材料を実施例1と同様の工程でフィラメントに加工し、さらに同様の条件で光架橋(硬化)させることにより、参考例1の液晶性ポリマーを得た。
Figure 2019112606
〔シリコーン含有液晶性ポリマーの特性評価〕
実施例1〜8のシリコーン含有液晶性ポリマーの特性を評価するため、示差走査熱量分析(DSC)、引張試験、及び伸縮率測定を実施した。比較例1及び2のグリコール含有液晶性ポリマー、並びに参考例1の液晶性ポリマーについても、同様の分析及び測定を実施した。測定結果を表2に示す。
<示差走査熱量分析>
分析には示差走査熱量分析計(製品名:X−DSC 7000、株式会社日立ハイテクサイエンス製)を使用した。−100〜−50℃程度にまで冷却した液晶相にある各液晶性ポリマーを昇温速度20℃/分で昇温し、ガラス転移温度(Tg)、液晶相から等方相に転移する相転移温度(Ti)、及び相転移に要する熱量である液晶融解エンタルピー(ΔH)を測定した。
<引張試験>
JIS L 1013に準拠して引張試験を実施した。UV照射後のフィラメントを供試体とし、精密万能試験機(製品名:オートグラフ AG−X 5kN、株式会社上島製作所製)による測定結果からヤング率を算出した。
<伸縮率>
各液晶性ポリマーについて、液晶相(Ti−20 ℃)及び等方相(Ti+20 ℃)における配向方向のサイズをスケールで測定し、伸縮率を下記の式によって算出した。
伸縮率(%) = (L−L)/L × 100
:液晶相におけるサンプルの配向方向の長さ(mm)
:等方相におけるサンプルの配向方向の長さ(mm)
Figure 2019112606
原材料にシリコーン化合物を含む実施例1〜8のシリコーン含有液晶性ポリマーは、原材料にシリコーン化合物の代わりにグリコール化合物を使用した比較例1〜3のグリコール含有液晶性ポリマーと比較すると、相転移温度(Ti)は略同等でありながら、ガラス転移温度(Tg)が大幅に低下したものとなった。また、液晶融解エンタルピー(ΔH)については、比較例1〜3のグリコール含有液晶性ポリマーよりも大きくなり、Tiのピーク強度が増加していることが確認された。参考例1の液晶性ポリマーとの比較では、相転移温度(Ti)は略同等を維持しており、液晶融解エンタルピー(ΔH)についても大きく低下していないことから、Tgの低下によって低温での特性を向上させながら、常温を含む高温での特性の落ち込みを抑制できるものであることが判明した。
ヤング率及び伸縮率については、実施例1〜8のシリコーン含有液晶性ポリマーは、比較例1〜3のグリコール含有液晶性ポリマーと比べて、大きくなる傾向がみられた。
本発明のシリコーン含有液晶性ポリマーは、例えば、溶融紡糸して繊維化することにより、衣料製品の素材として利用することができる。

Claims (10)

  1. 活性水素基を有するメソゲン基含有化合物とアルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドとの付加反応物であるメソゲンジオールと、
    活性水素基を有するシリコーン化合物と、
    イソシアネート化合物と、
    架橋成分と、
    の重合反応物を含むシリコーン含有液晶性ポリマー。
  2. 前記活性水素基を有するメソゲン基含有化合物は、下記一般式(1):
    Figure 2019112606
    (ここで、Xは活性水素基であり、Rは隣接する結合基の一部をなす単結合、−N=N−、−CO−、−CO−O−、又は−CH=N−であり、Rは隣接する結合基の一部をなす単結合、又は−O−であり、Rは隣接する結合基の一部をなす単結合、又は炭素数1〜20のアルキレン基である。ただし、Rが−O−であり、且つRが隣接する結合基の一部をなす単結合であるものを除く。)
    で表される化合物である請求項1に記載のシリコーン含有液晶性ポリマー。
  3. 前記活性水素基を有するシリコーン化合物は、2つ以上の活性水素基を有する請求項1又は2に記載のシリコーン含有液晶性ポリマー。
  4. 前記活性水素基を有するシリコーン化合物は、重量平均分子量が700〜20000である請求項1〜3の何れか一項に記載のシリコーン含有液晶性ポリマー。
  5. 前記メソゲンジオールと前記活性水素基を有するシリコーン化合物との配合比率は、重量比で100:5〜100:40である請求項1〜4の何れか一項に記載のシリコーン含有液晶性ポリマー。
  6. 前記架橋成分は、重合性基含有化合物及び硬化開始剤を含む請求項1〜5の何れか一項に記載のシリコーン含有液晶性ポリマー。
  7. 前記メソゲンジオールに由来するメソゲン基が配向状態にあるとともに、分子間に前記重合性基含有化合物及び硬化開始剤に由来する架橋構造が形成されている請求項6に記載のシリコーン含有液晶性ポリマー。
  8. 前記架橋成分は、3官能以上のポリオール化合物及び/又は3官能以上のイソシアネート化合物を含む請求項1〜5の何れか一項に記載のシリコーン含有液晶性ポリマー。
  9. 前記メソゲンジオールに由来するメソゲン基が配向状態にあるとともに、分子間に前記3官能以上のポリオール化合物及び/又は3官能以上のイソシアネート化合物に由来する架橋構造が形成されている請求項8に記載のシリコーン含有液晶性ポリマー。
  10. 活性水素基を有するメソゲン基含有化合物とアルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドとの付加反応物であるメソゲンジオールと、活性水素基を有するシリコーン化合物と、イソシアネート化合物と、架橋成分とを混合する混合工程と、
    前記混合工程で得られた混合物を、前記メソゲン基含有化合物に由来する液晶性が発現した状態で延伸しながら硬化させる硬化工程と、
    を包含するシリコーン含有液晶性ポリマーの製造方法。
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