JP7027160B2 - 熱応答性液晶性ポリマー、及び熱応答性液晶性ポリマーの製造方法 - Google Patents

熱応答性液晶性ポリマー、及び熱応答性液晶性ポリマーの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7027160B2
JP7027160B2 JP2017250935A JP2017250935A JP7027160B2 JP 7027160 B2 JP7027160 B2 JP 7027160B2 JP 2017250935 A JP2017250935 A JP 2017250935A JP 2017250935 A JP2017250935 A JP 2017250935A JP 7027160 B2 JP7027160 B2 JP 7027160B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
liquid crystal
heat
crystal polymer
containing compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017250935A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019116549A (ja
Inventor
裕希 日▲高▼
清治 井関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire Corp filed Critical Toyo Tire Corp
Priority to JP2017250935A priority Critical patent/JP7027160B2/ja
Publication of JP2019116549A publication Critical patent/JP2019116549A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7027160B2 publication Critical patent/JP7027160B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Description

本発明は、熱応答性液晶性ポリマー、及び熱応答性液晶性ポリマーの製造方法に関する。
分子構造内にメソゲン基を有する液晶性ポリマーは、液晶(メソゲン基)の配向度の変化に伴って物性が変化する。このような性質に着目し、液晶性ポリマーをエラストマーとして様々な用途で利用する試みがなされている。
例えば、液晶性ポリマーとして、ジイソシアネート成分と、高分子量ポリオール成分と、メソゲンジオールとの反応によって得られる液晶性ポリウレタンエラストマーがある(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1の液晶性ポリウレタンエラストマーは、本出願人が開発したものであり、液晶発現温度領域でゴム弾性を有するものである。この液晶性ポリウレタンエラストマーは、従来の液晶性ポリウレタンと比べて、液晶発現温度を低下させたものである。
特開2014-172967号公報
液晶性ポリマーを得るためには、液晶発現温度領域(液晶相)で液晶性ポリマーの原材料を硬化(架橋)させる必要がある。また、液晶性ポリマーを工業的に利用し易いものとするためには、液晶相を維持しながら様々な形状に加工できることが求められる。そのためには、適度な硬度と伸縮性とを兼ね備えた液晶性ポリマーを開発する必要がある。
この点に関し、特許文献1の液晶性ポリマーは、上述のとおり、液晶発現温度を低下させるように設計されたものであり、そのための手段として、イソシアネート成分として3官能以上のイソシアネートを使用するとともに、高分子量ポリオール成分として水酸基数が3以上の高分子量ポリオール成分を使用している。このように、架橋可能な官能基を多く含む原材料を使用することで、熱成形加工時に液晶相を維持したまま原材料間で架橋反応が進行し、ゴム弾性を備えた液晶性ポリマー(液晶性エラストマー)を得ることができる。
ところが、熱成形加工時に架橋反応を進行させる方法(すなわち、熱硬化法)では、架橋の進行に伴ってポリマーの溶融粘度が増加するため、反応の制御が困難であった。また、成形機の内部で液晶性ポリマーの原材料が早期に硬化してしまう虞もあった。このため、液晶性ポリマーの工業的生産を行うにあたっては、ポリマーの溶融粘度の増加や原材料の早期の硬化によって連続生産が妨げられないような改善策が求められている。
そこで、本発明者らは、従来の熱硬化法による液晶性ポリマーにおいて見られた上記懸念事項を改善すべく、液晶性ポリマーの原材料の観点から種々の検討を行った。上記特許文献1の液晶性ポリマーは、原材料の成形と硬化(架橋)とを成形機の内部で同時に行うものであったが、成形と硬化(架橋)とを分離して実施できれば、成形機の内部でのポリマーの溶融粘度の増加や原材料の硬化の虞がなくなり、工業的な連続生産にも対応できると考えられる。また、液晶性ポリマーを適度な硬度と伸縮性とを兼ね備えたものとするためには、その原材料を工夫する必要がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、適度な硬度と伸縮性とを兼ね備えた工業的に生産可能な液晶性ポリマーを提供することを目的とする。また、そのような新たな液晶性ポリマーの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明にかかる熱応答性液晶性ポリマーの特徴構成は、
活性水素基を有するメソゲン基含有化合物と、イソシアネート化合物と、光増感作用を有する触媒と、光重合性基含有化合物と、光硬化開始剤との反応物を含む熱応答性液晶性ポリマーであって、
前記触媒は、トリエチレンジアミン又はトリエチレンジアミン誘導体であることにある。
本発明者らは、熱硬化法によらずに作製される新たな液晶性ポリマーとして、光架橋性(光硬化性)の液晶性ポリマーについて検討した。熱応答性液晶性ポリマーであれば、原材料の成形と光架橋(硬化)とを別々の工程として実施できるため、成形機の内部でポリマーの溶融粘度が増加したり、原材料が硬化したりすることが防止される。従って、液晶性ポリマーを連続して生産することが可能となり、工業的生産にも対応可能となる。
本構成の熱応答性液晶性ポリマーは、活性水素基を有するメソゲン基含有化合物と、イソシアネート化合物と、光増感作用を有する触媒と、光重合性基含有化合物と、光硬化開始剤とを反応させるものであるため、適用範囲が広い液晶性ポリウレタンとして得られ、常温を含む低温領域でも成形が容易なものとなり、ポリマー全体が均等に硬化したものとなる。しかも、成形後の温度が十分に低下した状態(すなわち、液晶相が発現した状態)で原材料を硬化させることが可能なため、モノドメイン化が容易なものとなり、生成した熱応答性液晶性ポリマーの液晶相の発現温度領域は常温を含む比較的低い温度領域となる。さらに、触媒として用いるトリエチレンジアミン又はトリエチレンジアミン誘導体は、立体障害が少ない分子構造を有しているためメソゲン基含有化合物とイソシアネート化合物とのウレタン化反応を迅速に進行させることができ、さらに原材料中の溶存酸素を補足して光架橋反応(硬化)を促進する光増感剤として機能するため、反応時間(製造日数)を短縮することができる。このようにして得られた低温液晶発現性を有する熱応答性液晶性ポリマーは、例えば、液晶相と等方相との間での相転移を利用した熱応答性材料として好適に利用することができる。
本発明にかかる熱応答性液晶性ポリマーにおいて、
前記活性水素基を有するメソゲン基含有化合物は、下記一般式(1):
Figure 0007027160000001
(ここで、Xは活性水素基であり、Rは隣接する結合基の一部をなす単結合、-N=N-、-CO-、-CO-O-、又は-CH=N-であり、Rは隣接する結合基の一部をなす単結合、又は-O-であり、Rは隣接する結合基の一部をなす単結合、又は炭素数1~20のアルキレン基である。ただし、Rが-O-であり、且つRが隣接する結合基の一部をなす単結合であるものを除く。)
で表される化合物であることが好ましい。
本構成の熱応答性液晶性ポリマーによれば、活性水素基を有するメソゲン基含有化合物として、上記の適切な構造を有する化合物が使用されるため、常温を含む低温領域で液晶性を有する実用性の高い熱応答性液晶性ポリマーを得ることができる。
本発明にかかる熱応答性液晶性ポリマーにおいて、
前記光重合性基含有化合物は、アクリロイル基含有化合物、メタクリロイル基含有化合物、及びアリル基含有化合物からなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
本構成の熱応答性液晶性ポリマーによれば、光重合性基含有化合物として、上記の適切な化合物が使用されるため、光の照射による光架橋反応が迅速且つ確実に進行し、低温液晶発現性とゴム弾性とを兼ね備えた熱応答性液晶性ポリマーを得ることができる。
本発明にかかる熱応答性液晶性ポリマーにおいて、
前記触媒を0.001~10重量%含有することが好ましい。
本構成の熱応答性液晶性ポリマーによれば、触媒を0.001~10重量%含有することにより、一定の強度を維持しながら伸縮性に優れた熱応答性液晶性ポリマーを得ることができる。
本発明にかかる熱応答性液晶性ポリマーにおいて、
前記光重合性基含有化合物を0.1~10重量%含有することが好ましい。
本構成の熱応答性液晶性ポリマーによれば、光重合性基含有化合物を0.1~10重量%含有することにより、低温液晶発現性とゴム弾性とのバランスに優れた熱応答性液晶性ポリマーを得ることができる。
本発明にかかる熱応答性液晶性ポリマーにおいて、
前記光硬化開始剤を0.001~10重量%含有することが好ましい。
本構成の熱応答性液晶性ポリマーによれば、光硬化開始剤の含有量が0.001~10重量%であっても、触媒としてトリエチレンジアミン又はトリエチレンジアミン誘導体を使用しているため、光重合(光架橋)反応を均一且つ十分に進行させることができる。
上記課題を解決するための本発明にかかる熱応答性液晶性ポリマーの特徴構成は、
トリエチレンジアミン又はトリエチレンジアミン誘導体の存在下で光架橋によって硬化された熱応答性液晶性ポリマーであって、
単位重量の試料において、当該試料中のゲルが占める割合であるゲル分率が80%以上であることにある。
本構成の熱応答性液晶性ポリマーによれば、上記のゲル分率が80%以上であることにより、熱によって伸縮する際の伸縮率が大きい材料を実現することができる。
上記課題を解決するための本発明にかかる熱応答性液晶性ポリマーの特徴構成は、
トリエチレンジアミン又はトリエチレンジアミン誘導体の存在下で光架橋によって硬化された熱応答性液晶性ポリマーであって、
単位体積の試料において、当該試料を、活性水素基を有するメソゲン基含有化合物、イソシアネート化合物、及び光重合性基含有化合物が溶解する溶媒で飽和させたときの前記試料の体積増加率である膨潤度が500%以下であることにある。
本構成の熱応答性液晶性ポリマーによれば、上記の膨潤度が500%以下であることにより、架橋密度の大きい高強度の材料を実現することができる。
上記課題を解決するための本発明にかかる熱応答性液晶性ポリマーの製造方法の特徴構成は、
活性水素基を有するメソゲン基含有化合物と、イソシアネート化合物と、光増感作用を有する触媒であるトリエチレンジアミン又はトリエチレンジアミン誘導体と、光重合性基含有化合物と、光硬化開始剤とを混合する混合工程と、
前記混合工程で得られた混合物に、波長200~600nmの光を照射する照射工程と、
を包含することにある。
本構成の熱応答性液晶性ポリマーの製造方法によれば、常温を含む低温領域でも混合物の成形が容易なものとなり、ポリマー全体を均等に硬化させることができる。しかも、成形後に温度が十分に低下した状態(すなわち、液晶相が発現した状態)で混合物に光を照射して硬化させることが可能なため、モノドメイン化が容易なものとなり、生成した熱応答性液晶性ポリマーの液晶相の発現温度領域は常温を含む比較的低い温度領域となる。さらに、トリエチレンジアミン又はトリエチレンジアミン誘導体は、立体障害が少ない分子構造を有しているためメソゲン基含有化合物とイソシアネート化合物とのウレタン化反応を迅速に進行させることができ、さらに原材料中の溶存酸素を補足して光架橋反応(硬化)を促進する光増感剤として機能するため、反応時間(製造日数)を短縮することができる。
本発明にかかる熱応答性液晶性ポリマーの製造方法において、
前記照射工程の前に、前記混合工程で得られた混合物を延伸する延伸工程を包含することが好ましい。
本構成の熱応答性液晶性ポリマーの製造方法によれば、延伸工程によってメソゲン基含有化合物に含まれるメソゲン基が延伸方向に配向した状態で照射工程が実行されるため、配向性を維持したまま原材料間で光架橋反応が進行し、低温液晶発現性と弾性とを兼ね備えた液晶性ポリマーを得ることができる。また、延伸工程により液晶の配向性が高くなるため、液晶相と等方相との間での相転移が明確なものとなり、熱応答性に優れた材料を製造することができる。
以下、本発明の熱応答性液晶性ポリマーについて説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に記載される構成に限定されることを意図しない。
<熱応答性液晶性ポリマー>
本発明の熱応答性液晶性ポリマーは、活性水素基を有するメソゲン基含有化合物(以下、単に「メソゲン基含有化合物」と称する。)、イソシアネート化合物、光増感作用を有する触媒、光重合性基含有化合物、及び光硬化開始剤を原材料とし、これらの原材料を反応させることによって得られる液晶性ポリウレタンエラストマーである。本発明では、特に触媒としてトリエチレンジアミン又はトリエチレンジアミン誘導体を用いる。トリエチレンジアミン又はトリエチレンジアミン誘導体は、立体障害が少ない分子構造を有しているためメソゲン基含有化合物とイソシアネート化合物とのウレタン化反応を迅速に進行させることができ、さらに原材料中の溶存酸素を補足して光架橋反応(硬化)を促進する光増感剤として機能するため、反応時間(製造日数)を短縮することができる。本発明の熱応答性液晶性ポリマー(液晶性ポリウレタンエラストマー)は、メソゲン基含有化合物から生じる液晶性と、メソゲン基含有化合物とイソシアネート化合物及び光重合性基含有化合物との反応に起因して生じる弾性とを兼ね備えており、液晶の相転移によって物性が変化し、液晶相の発現温度領域は常温を含む比較的低い温度領域となる。このような低温液晶発現性を有する液晶性ポリマーは、液晶の相転移によって物性が変化する特異的な挙動を示すものとなり、例えば、液晶相と等方相との間での相転移を利用した熱応答性材料として好適に利用することができる。
以下の実施形態では、本発明の熱応答性液晶性ポリマー(液晶性ポリウレタンエラストマー)、並びにその原材料であるメソゲン基含有化合物、イソシアネート化合物、触媒、光重合性基含有化合物、及び光硬化開始剤について説明する。
〔メソゲン基含有化合物〕
メソゲン基含有化合物は、例えば、下記の一般式(1)で表される化合物が使用される。
Figure 0007027160000002
一般式(1)において、Xは活性水素基であり、Rは隣接する結合基の一部をなす単結合、-N=N-、-CO-、-CO-O-、又は-CH=N-であり、Rは隣接する結合基の一部をなす単結合、又は-O-であり、Rは隣接する結合基の一部をなす単結合、又は炭素数1~20のアルキレン基である。ただし、Rが-O-であり、且つRが隣接する結合基の一部をなす単結合であるものを除く。なお、「隣接する結合基の一部をなす単結合」とは、当該単結合が隣接する結合基の一部と共有されている状態を意味する。例えば、上記一般式(1)において、Rが隣接する結合基の一部をなす単結合である場合、単結合であるRは両側のベンゼン環と共有された状態となり、当該両側のベンゼン環とともにビフェニル構造を形成する。Xとしては、例えば、OH、SH、NH、COOH、二級アミン等が挙げられる。メソゲン基含有化合物の配合量は、熱応答性液晶性ポリマーの原材料全体の中で、30~80重量%、好ましくは40~70重量%となるように調整される。メソゲン基含有化合物の配合量が30重量%未満の場合、生成したポリマーに液晶性が発現し難くなる。メソゲン基含有化合物の配合量が80重量%を超える場合、液晶相-等方相間の相転移温度(Ti)が高くなり、常温を含む低温領域でポリマーを成形することが困難となる。
メソゲン基含有化合物には、アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドを併用することが好ましい。アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドは、熱応答性液晶性ポリマーにおける液晶性発現温度を低下させるように機能するため、メソゲン基含有化合物にアルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドを併用して生成した熱応答性液晶性ポリマーは、常温での実用性に優れた製品となり得る。アルキレンオキシドは、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、又はブチレンオキシドを使用することができる。上掲のアルキレンオキシドは、単独で使用してもよいし、複数種を混合して使用してもよい。スチレンオキシドについては、ベンゼン環にアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン等の置換基を有するものでもよい。アルキレンオキシドは、上掲のアルキレンオキシドと、上掲のスチレンオキシドとを混合したものを使用することも可能である。アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドの配合量は、メソゲン基含有化合物1モルに対して、アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドが1~10モル、好ましくは2~6モル付加されるように調整される。アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドの付加モル数が1モル未満の場合、熱応答性液晶性ポリマーの液晶性が発現する温度範囲を十分に低下させることが困難となり、そのため、無溶媒で且つ液晶性が発現した状態で液晶性ポリマー(液晶性ポリウレタン)を連続成形することが困難となる。アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドの付加モル数が10モルを超える場合、熱応答性液晶性ポリマーの液晶性が発現し難くなる虞がある。
〔イソシアネート化合物〕
イソシアネート化合物は、例えば、ジイソシアネート化合物、又は3官能以上のイソシアネート化合物を使用することができる。ジイソシアネート化合物を例示すると、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-キシリレンジイソシアネート、及びm-キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート、及び1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、並びに1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、及びノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。上掲のジイソシアネート化合物は、単独で使用してもよいし、複数種を混合して使用してもよい。3官能以上のイソシアネート化合物を例示すると、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、リジンエステルトリイソシアネート、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、1,8-ジイソシアネート-4-イソシアネートメチルオクタン、ビシクロヘプタントリイソシアネート等のトリイソシアネート、及びテトライソシアネートシラン等のテトライソシアネートが挙げられる。上掲の3官能以上のイソシアネート化合物は、単独で使用してもよいし、複数種を混合して使用してもよい。イソシアネート化合物は、上掲のジイソシアネート化合物と、上掲の3官能以上のイソシアネート化合物とを混合したものを使用することも可能である。イソシアネート化合物の配合量は、熱応答性液晶性ポリマーの原材料全体の中で、10~40重量%、好ましくは15~30重量%となるように調整される。イソシアネート化合物の配合量が10重量%未満の場合、ウレタン反応による高分子化が不十分となるため、液晶性ポリマー(液晶性ポリウレタン)を連続成形することが困難となる。イソシアネート化合物の配合量が40重量%を超える場合、熱応答性液晶性ポリマーの原材料全体に占めるメソゲン基含有化合物の配合量が相対的に少なくなるため、液晶性ポリマー(液晶性ポリウレタン)の液晶性が低下する。
〔触媒〕
触媒は、トリエチレンジアミン又はトリエチレンジアミン誘導体が使用される。トリエチレンジアミンは、下記の一般式(2)で表されるものである。
Figure 0007027160000003
トリエチレンジアミンは、複素環式アミンの一種であり、二つの窒素原子の間に三つのエチレン架橋構造を有している。この構造により、トリエチレンジアミンの三つのエチレン架橋構造は二つの窒素原子間での分子運動が制約され、その結果、窒素原子上の非共有電子対まわりの立体障害が小さくなり、求核性が高くなる。このような性質のため、トリエチレンジアミンは、メソゲン基含有化合物とイソシアネート化合物とのウレタン化反応を進行させる触媒として機能するとともに、原材料中の溶存酸素を補足して光架橋反応(硬化)を促進する光増感剤として機能する。
トリエチレンジアミン誘導体は、上記の一般式(2)で表されるトリエチレンジアミンにおいて、炭素原子に結合している水素原子の少なくとも一つが、立体障害が発生し難い比較的小さな分子構造を有する官能基又は金属で置換されたものである。官能基としては、ハロゲノ基、C1-3アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホ基等が挙げられる。金属としては、Zn、Al、Na、K、Mg、Ca、Sn等の典型元素が挙げられる。このようなトリエチレンジアミン誘導体であっても、トリエチレンジアミンと同等のウレタン化反応促進触媒、及び光増感剤としての効果が得られる。
トリエチレンジアミン又はトリエチレンジアミン誘導体の配合量は、熱応答性液晶性ポリマーの原材料全体の中で、0.001~10重量%、好ましくは0.005~5重量%となるように調整される。トリエチレンジアミン又はトリエチレンジアミン誘導体の配合量が0.001重量%未満の場合、触媒及び光増感剤としての機能が十分に得られない虞がある。一方、トリエチレンジアミン又はトリエチレンジアミン誘導体の配合量が10重量%を超えても、それ以上の効果は期待できず不経済となる。
なお、ウレタンの合成においては、一般には有機スズ化合物等の金属触媒が使用されるが、このような金属触媒を本発明で使用する光増感作用を有する触媒と併用することも勿論可能である。
〔光重合性基含有化合物〕
光重合性基含有化合物は、例えば、アクリロイル基含有化合物、メタクリロイル基含有化合物、アリル基含有化合物を使用することができる。アクリロイル基含有化合物を例示すると、プロピレングリコールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、エチレングリコールジグリシジルエーテルメタクリル酸付加物、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、グリセリンジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ビスフェノールA PO2mol付加物ジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、2-アクリロイルオキシエチルサクシネート、β-カルボキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、2-アクリロイロキシエチル-コハク酸、2-アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-アクリロイロキシエチル-フタル酸、2-アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチル-フタル酸、2-アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等が挙げられる。メタクリロイル基含有化合物を例示すると、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシブチルメタクリレート、2-メタクリロイロキシエチルコハク酸、2-メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-メタクロイロキシエチルアシッドホスフェート、グリセリンジメタクリレート、ビスフェノールA PO2mol付加物ジグリシジルエーテルメタクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルメタクリル酸付加物、2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクリレート、2-メタクリロイルオキシエチルサクシネート等が挙げられる。アリル基含有化合物を例示すると、グリセリンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等が挙げられる。光重合性基含有化合物の配合量は、熱応答性液晶性ポリマーの原材料全体の中で、0.1~10重量%、好ましくは0.3~7重量%となるように調整される。光重合性基含有化合物の配合量が0.1重量%未満の場合、原材料に光照射を行っても十分に硬化しないため、生成したポリマーは熱応答性を発現し難くなる。光重合性基含有化合物の配合量が10重量%を超える場合、光照射後のポリマー中の架橋密度が高くなり過ぎるため、この場合も生成したポリマーは熱応答性を発現し難くなる。
〔光硬化開始剤〕
光硬化開始剤は、例えば、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフォンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン/ベンゾフェノン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]-フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、オキシ-フェニル-アセチックアシッド2-[2-オキソ-2-フェニル-アセトキシ-エトキシ]-エチルエステル/オキシ-フェニル-アセチックアシッド2-[2-ヒドロキシ-エトキシ]-エチルエステル、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチル-ベンジル)-1-(4-モリフォリン-4-イル-フェニル)-ブタン-1-オン、ビス(η-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタニウム、1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)フェニル-,2-(O-ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)、ヨードニウム,(4-メチルフェニル)[4-(2-メチルプロピル)フェニル]-ヘキサフルオロフォスフェート(1-)/プロピレンカーボネート、トリアリールスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェート、トリアリールスルフォニウムテトラキス-(ペンタフルオロフェニル)ボレート、オキシムスルホネート系光酸発生剤を使用することができる。光硬化開始剤の配合量は、熱応答性液晶性ポリマーの原材料全体の中で、0.001~10重量%、好ましくは0.001~8重量%となるように調整される。光硬化開始剤の配合量が0.001重量%未満の場合、光照射時に均一に重合反応が進行しないため、あるいは硬化が不十分となるため、生成したポリマーは熱応答性を発現し難くなる。光硬化開始剤の配合量が10重量%を超える場合、生成したポリマー中のメソゲン基の含有量が減少するため、液晶性が発現し難くなる。光硬化開始剤は、200~600nmに吸収波長を有するものが好ましい。光硬化開始剤が上記範囲の吸収波長を有していれば、熱応答性液晶性ポリマー又はその原材料の透明度(可視光の透過率)が低いものであっても、光硬化開始剤が光を吸収し、確実に光架橋反応を進行させることができる。
〔その他の原材料〕
本発明の熱応答性液晶性ポリマーの原材料として、上記の原材料の他に、活性水素基含有化合物を使用することも可能である。活性水素基含有化合物は、例えば、ポリオール化合物、アミン化合物が挙げられる。ポリオール化合物としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、meso-エリトリトール、ペンタエリスリトール、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、スクロース、2,2,6,6-テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、ジエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン等が挙げられる。アミン化合物としては、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジエチレントリアミン、モノエタノールアミン、2-(2-アミノエチルアミノ)エタノール、及びモノプロパノールアミン等が挙げられる。上掲の各活性水素基含有化合物は、単独で使用してもよいし、複数種を混合して使用してもよい。
<熱応答性液晶性ポリマーの製造方法>
熱応答性液晶性ポリマーは、メソゲン基含有化合物、イソシアネート化合物、触媒(トリエチレンジアミン又はトリエチレンジアミン誘導体)、光重合性基含有化合物、及び光硬化開始剤を含む原材料に光を照射して行う光重合法により製造される。具体的には、上記の原材料を混合し、この混合物を流動可能な状態に加熱しながら押出成形機を用いて延伸し、所定の形状に成形する。このとき、メソゲン基含有化合物に由来するメソゲン基が配向して混合物の液晶性が高まり、この状態で光を照射すると、光硬化開始剤が分解してラジカルが発生し、このラジカルによって混合物に含まれる光重合性基どうしが反応(光架橋)し、ポリマーの分子間に架橋構造が形成されて硬化が進行する。照射光は、波長が200~600nmである紫外光ないし可視光が好ましい。このような光架橋による硬化法であれば、原材料を混合及び加熱し、次いで延伸して成形を行った後、冷却により温度が十分に低下した状態で硬化させることができる。すなわち、成形と光架橋(硬化)とを別々の工程として行うことができる。従って、低温領域において液晶相が確実に発現する熱応答性液晶性ポリマーを得ることができる。
本発明の熱応答性液晶性ポリマーは、常温を含む低温領域でもポリマーの成形が容易なものとなり、ポリマー全体を均等に硬化させることができる。しかも、成形後に温度が十分に低下した状態(すなわち、液晶相が発現した状態)で原材料を硬化させることが可能なため、モノドメイン化が容易なものとなり、生成した熱応答性液晶性ポリマーの液晶相の発現温度領域は常温を含む比較的低い温度領域となる。
熱応答性液晶性ポリマーの原材料の混練及び加熱は、押出成形機の中で成形と同時に行うことができる。初めに、押出成形機に原材料を投入して十分に混練及び加熱する。次いで、混練溶融物を液晶性が発現する温度領域(すなわち、ガラス転移温度(Tg)以上かつ相転移温度(Ti)以下)で延伸しながら押出成形する。このとき、メソゲン基含有化合物に含まれるメソゲン基が延伸方向に沿うように動くため、高度な配向性が得られる。そして、延伸した混練溶融物を適切な形状に成形して冷却し、延伸状態を保ったまま波長200~600nm光を照射すると、配向性を維持したまま原材料間で架橋反応が進行し、低温液晶発現性と弾性とを兼ね備えた熱応答性液晶性ポリマーが完成する。これは、連続式による製造方法である。一方、熱応答性液晶性ポリマーの原材料を予め混練及び加熱してペレット状に成形しておき、ペレット化した原材料を押出成形機を用いて所定の形状に成形した後、液晶性が発現する温度領域(すなわち、ガラス転移温度(Tg)以上かつ相転移温度(Ti)以下)で延伸し、延伸状態を保ったまま波長200~600nm光を照射して熱応答性液晶性ポリマーを製造することも可能である。これは、バッチ式による製造方法である。このようにして製造された熱応答性液晶性ポリマーは、低温領域ではメソゲン基が延伸方向に配向しているが、加熱して相転移温度(Ti)を上回るとメソゲン基の配向が崩れて(不規則となって)延伸方向に収縮し、冷却して相転移温度(Ti)を下回るとメソゲン基の配向が復活して延伸方向に伸張するという特異的な熱応答性挙動を示す。
ちなみに、熱応答性液晶性ポリマーの配向性は、メソゲン基の配向度によって評価することができる。配向度の値が大きいものは、メソゲン基が一軸方向に高度に配向している。配向度は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)を用いた1回全反射測定法(ATR)により、芳香族エーテルの逆対称伸縮振動の吸光度(0°、90°)、及びメチル基の対称変角振動の吸光度(0°、90°)を測定し、これらの吸光度をパラメータとする以下の計算式に基づいて算出される。
配向度=(A-B)/(A+2B)
A:0°で測定したときの芳香族エーテルの逆対称伸縮振動の吸光度/0°で測定したときのメチル基の対称変角振動の吸光度
B:90°で測定したときの芳香族エーテルの逆対称伸縮振動の吸光度/90°で測定したときのメチル基の対称変角振動の吸光度
熱応答性液晶性ポリマーが有意な伸縮性を発現するためには、メソゲン基の配向度が0.05以上であることが好ましく、0.1以上であることがより好ましい。
本発明の熱応答性液晶性ポリマー(液晶性ポリウレタンエラストマー)を調製し、その特性について確認した。熱応答性液晶性ポリマーの原材料の配合を後述の表1に示す。なお、以下の実施例及び比較例では、各原材料の配合量の単位を「g」としているが、本発明は、任意の倍率でスケールアップが可能である。すなわち、各原材料の配合量の単位については、「重量部」と読み替えることができる。
〔実施例1〕
反応容器に、活性水素基を有するメソゲン基含有化合物として式(1)のRが単結合であるBH6(500g)、水酸化カリウム(19g)、及び溶媒としてN,N-ジメチルホルムアミド(3000ml)を入れて混合し、さらに、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドを2モルのBH6に対して5当量添加し、これらの混合物を、加圧条件下、120℃で2時間反応させた(付加反応)。次いで、反応容器にシュウ酸(15g)を添加して付加反応を停止させ、反応液中の不溶な塩を吸引ろ過によって除去し、さらに、反応液中のN,N-ジメチルホルムアミドを減圧蒸留法により除去することにより、メソゲンジオールAを得た。メソゲンジオールAの合成スキームを式(3)に示す。なお、式(3)中に示したメソゲンジオールAは代表的なものであり、種々の構造異性体を含み得る。
Figure 0007027160000004
次に、メソゲンジオールA(100g)、イソシアネート化合物として1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(38g)(東京化成工業株式会社製)、光重合性基含有化合物として2-ヒドロキシエチルアクリレート(1.5g)(共栄社化学株式会社製)及びプロピレングリコールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物(6g)(共栄社化学株式会社製)、光硬化開始剤として2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド(3g)(IGM resins社製)、並びに触媒としてトリエチレンジアミン(0.1375g)(東京化成工業株式会社製)を混合し、熱応答性液晶性ポリマーの原材料を調製した。この原材料を撹拌しながら80℃で加熱溶融し、冷却後、樹脂をプラスチック粉砕機(品名:ZI-420、株式会社ホーライ製)で粉砕してペレット化した。次いで、樹脂ペレットを80~120℃に設定した単軸押出機(品名:SZW25GT-24MG-STD、株式会社テクノベル製)に投入し、厚み1.0mmの樹脂シートに成形した。この樹脂シートを15℃に設定した冷却ロールに通してガラス転移温度(Tg)以上且つ相転移温度(Ti)以下に冷却し、引取りロールで巻き取った。このとき、冷却ロールと引取りロールとの間に回転差を付けることにより、樹脂シートを1.5~10倍に延伸した。さらに、冷却ロールと引取りロールとの間に卓上型UV硬化装置(品名:アイminiグランテージ(ESC-1511U)、アイグラフィックス株式会社製)を設置し、延伸された樹脂シートに波長200~600nmの光を照射し、光架橋(硬化)された実施例1の熱応答性液晶性ポリマーを得た。
〔実施例2〕
熱応答性液晶性ポリマーの原材料を調製するに際し、触媒としてトリエチレンジアミン(7.6g)(東京化成工業株式会社製)を配合した。その他の原材料及び配合量、並びに製造条件については実施例1と同様とし、実施例2の熱応答性液晶性ポリマーを得た。
〔実施例3〕
反応容器に、活性水素基を有するメソゲン基含有化合物として式(1)のRが-CH=N-であるBHBA6(500g)、水酸化カリウム(19g)、及び溶媒としてN,N-ジメチルホルムアミド(3000ml)を入れて混合し、さらに、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドを2モルのBHBA6に対して5当量添加し、これらの混合物を、加圧条件下、120℃で2時間反応させた(付加反応)。次いで、反応容器にシュウ酸(15g)を添加して付加反応を停止させ、反応液中の不溶な塩を吸引ろ過によって除去し、さらに、反応液中のN,N-ジメチルホルムアミドを減圧蒸留法により除去することにより、メソゲンジオールBを得た。メソゲンジオールBの合成スキームを式(4)に示す。なお、式(4)中に示したメソゲンジオールBは代表的なものであり、種々の構造異性体を含み得る。
Figure 0007027160000005
次に、メソゲンジオールB(100g)、イソシアネート化合物として1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(29g)(東京化成工業株式会社製)、光重合性基含有化合物として2-ヒドロキシエチルアクリレート(1g)(共栄社化学株式会社製)及びプロピレングリコールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物(3g)(共栄社化学株式会社製)、光硬化開始剤として2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド(3g)(IGM resins社製)、並びに触媒としてトリエチレンジアミン(0.01g)(東京化成工業株式会社製)を混合し、熱応答性液晶性ポリマーの原材料を調製した。その後の操作及び製造条件は実施例1と同様とし、光架橋(硬化)された実施例3の熱応答性液晶性ポリマーを得た。
〔実施例4〕
熱応答性液晶性ポリマーの原材料を調製するに際し、実施例3で使用したメソゲンジオールB(100g)、イソシアネート化合物として1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(32g)(東京化成工業株式会社製)、光重合性基含有化合物としてプロピレングリコールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物(3g)(共栄社化学株式会社製)及び2-ヒドロキシエチルメタクリレート(1.3g)(共栄社化学株式会社製)、光硬化開始剤として2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド(3g)(IGM resins社製)、並びに触媒としてトリエチレンジアミン(1.8g)(東京化成工業株式会社製)を混合し、熱応答性液晶性ポリマーの原材料を調製した。その後の操作及び製造条件は実施例1と同様とし、光架橋(硬化)された実施例4の熱応答性液晶性ポリマーを得た。
〔比較例1〕
熱応答性液晶性ポリマーの原材料を調製するに際し、トリエチレンジアミンを配合せず、その他の原材料及び配合量、並びに製造条件については実施例1と同様とし、比較例1の液晶性ポリマーを得た。
〔比較例2〕
熱応答性液晶性ポリマーの原材料を調製するに際し、触媒としてトリエチレンジアミンの代わりにトリエチレンアミン(0.26g)(東京化成工業株式会社製)を配合した。その他の原材料及び配合量、並びに製造条件については実施例1と同様とし、比較例2の液晶性ポリマーを得た。
Figure 0007027160000006
〔特性評価〕
実施例1~4の熱応答性液晶性ポリマー、及び比較例1~2の液晶性ポリマーについて、光照射前のポリマーの押出成形性、並びに光照射後のポリマーの硬化状態、伸縮性、及び熱応答性の評価を行った。各測定項目の測定方法及び測定条件を以下に説明する。
<押出成形性>
各ポリマー試料の押出成形性の評価を目視により行い、押出成形機から樹脂がスムーズに押し出されたものを「良好(○)」と判断した。
<硬化状態>
各ポリマー試料(厚み0.5mm)を10mm×10mmに切り出し、卓上型UV硬化装置(品名:アイminiグランテージ(ESC-1511U)、アイグラフィックス株式会社製)にセットして、照射エネルギーが500mJとなるように紫外光照射を行った。次いで、紫外光照射から1日経過後の試料を、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)50mLに2日間浸漬して非ゲル化物をDMF中に溶出し、DMFから溶出後の試料を取り出した後、温度120℃、圧力-0.1Mpaで1日間乾燥した。ここで、DMFは、活性水素基を有するメソゲン基含有化合物(BH6、BHBA6)、イソシアネート化合物(1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート)、光重合性基含有化合物(2-ヒドロキシエチルアクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、2-ヒドロキシエチルメタクリレート)が溶解する溶媒である。その後、試料の硬化状態を、(a)単位重量の試料において、当該試料中のゲルが占める割合であるゲル分率、(b)単位体積の試料において、当該試料をDMFで飽和させたときの前記試料の体積増加率である膨潤度、及び(c)光照射後からゲル分率が90%に到達するまでの日数から評価した。ゲル分率、及び膨潤度は、夫々以下の式(5)、及び式(6)から求められる。なお、式(6)における数値「0.944」は、DMFの比重である。
ゲル分率(%) = G/G × 100 (5)
:乾燥後の試料の重量(mg)
:DMF浸漬前の試料の重量(mg)
膨潤度(%) = {(G-G)/D}/(G/0.944) (6)
:膨潤時の試料の重量(mg)
:乾燥後の試料の密度(mg/cc)
<伸縮率・熱応答性>
各ポリマー試料の液晶相(Ti-20 ℃)及び等方相(Ti+20 ℃)における配向方向のサイズをスケールで測定し、伸縮率を下記の式(7)によって算出した。液晶相から等方相への相転移に伴って長さに減少(収縮)が認められたものを「熱応答性あり(○)」と判断した。
伸縮率(%) = (L-L)/L × 100 (7)
:液晶相における試料の配向方向の長さ(mm)
:等方相における試料の配向方向の長さ(mm)
実施例1~4、及び比較例1~2における測定結果を以下の表2にまとめる。
Figure 0007027160000007
押出成形性に関し、実施例1~4の熱応答性液晶性ポリマーは何れも押出成形機から樹脂がスムーズに押し出され、良好な状態であった。そして、押出成形後に樹脂に光照射を行うことにより樹脂全体を均等に硬化させることが可能であった。このようにして製造された熱応答性液晶性ポリマーは、常温(約20~30℃)を挟んでガラス転移温度(Tg)と相転移温度(Ti)とが存在するものとなり、使い勝手に優れた材料となった。一方、触媒を使用しなかった比較例1の液晶性ポリマーについては特に問題はなかったが、触媒としてトリエチレンジアミンを使用した比較例2の液晶性ポリマーについては、押出成形機から樹脂を押し出すと形状が崩れ、押出成形性が良好であるとは言えなかった。
硬化状態に関し、実施例1~4の熱応答性液晶性ポリマーは何れも紫外光照射から1日でゲル分率が80%を超えており、十分に硬化したものとなった。また、紫外光照射から2~3日でゲル分率が90%に到達しており、早期に硬化が進行することが確認された。また、膨潤度については、実施例1~4の熱応答性液晶性ポリマーは何れも500%以下となり、膨潤が抑えられているため、ポリマー分子間に十分な架橋が形成されているものと推測される。一方、触媒を使用しなかった比較例1の液晶性ポリマーについては、紫外光照射から1日後のゲル分率が80%に到達せず、ゲル分率が90%に到達する日数も8日と長期間を要することから、硬化速度が遅く、工業的に生産可能な材料であるとは言えなかった。膨潤度についても、比較例1の液晶性ポリマーは500%を超えており、架橋密度の不足から膨潤し易いものとなっていた。触媒としてトリエチレンジアミンを使用した比較例2の液晶性ポリマーについては、紫外光照射を行っても樹脂が硬化せず、ゲル分率及び膨潤度の測定ができなかった。
伸縮率及び熱応答性に関し、実施例1~4の熱応答性液晶性ポリマーは何れも優れた伸縮性及び熱応答性が確認され、相転移温度(Ti)の前後で伸縮する熱応答性材料として有用であることが示唆された。触媒としてトリエチレンジアミンを使用した比較例2の液晶性ポリマーについては、前述のように硬化しなかったため、熱応答性及び伸縮率を測定することができなかった。
本発明の熱応答性液晶性ポリマーは、成形と硬化(架橋)とを分離して実施できるものであるため、工業的な連続生産に対応可能である。また、このようにして製造された熱応答性液晶性ポリマーは、十分な硬度を有するものでありながら相転移に伴う伸縮が大きいため、実用性の高い材料となり得る。
本発明の熱応答性液晶性ポリマーは、衣料製品(繊維)、アクチュエータ、フィルター等の分野において利用できる可能性がある。

Claims (10)

  1. 活性水素基を有するメソゲン基含有化合物と、イソシアネート化合物と、光増感作用を有する触媒と、光重合性基含有化合物と、光硬化開始剤との反応物を含む熱応答性液晶性ポリマーであって、
    前記触媒は、トリエチレンジアミン又はトリエチレンジアミン誘導体であり、
    前記トリエチレンジアミン誘導体は、前記トリエチレンジアミンにおいて、炭素原子に結合している水素原子の少なくとも一つが、ハロゲノ基、C 1-3 アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、及びスルホ基からなる群から選択される官能基、あるいは、Zn、Al、Na、K、Mg、Ca、及びSnからなる群から選択される金属で置換されたものである熱応答性液晶性ポリマー。
  2. 前記活性水素基を有するメソゲン基含有化合物は、下記一般式(1):
    Figure 0007027160000008
    (ここで、Xは活性水素基であり、Rは隣接する結合基の一部をなす単結合、-N=N-、-CO-、-CO-O-、又は-CH=N-であり、Rは隣接する結合基の一部をなす単結合、又は-O-であり、Rは隣接する結合基の一部をなす単結合、又は炭素数1~20のアルキレン基である。ただし、Rが-O-であり、且つRが隣接する結合基の一部をなす単結合であるものを除く。)
    で表される化合物である請求項1に記載の熱応答性液晶性ポリマー。
  3. 前記光重合性基含有化合物は、アクリロイル基含有化合物、メタクリロイル基含有化合物、及びアリル基含有化合物からなる群から選択される少なくとも一種である請求項1又は2に記載の熱応答性液晶性ポリマー。
  4. 前記触媒を0.001~10重量%含有する請求項1~3の何れか一項に記載の熱応答性液晶性ポリマー。
  5. 前記光重合性基含有化合物を0.1~10重量%含有する請求項1~4の何れか一項に記載の熱応答性液晶性ポリマー。
  6. 前記光硬化開始剤を0.001~10重量%含有する請求項1~5の何れか一項に記載の熱応答性液晶性ポリマー。
  7. 位重量の試料において、当該試料中のゲルが占める割合であるゲル分率が80%以上である請求項1~6の何れか一項に記載の熱応答性液晶性ポリマー。
  8. トリエチレンジアミン又はトリエチレンジアミン誘導体の存在下で光架橋によって硬化された熱応答性液晶性ポリマーであって、
    前記トリエチレンジアミン誘導体は、前記トリエチレンジアミンにおいて、炭素原子に結合している水素原子の少なくとも一つが、ハロゲノ基、C 1-3 アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、及びスルホ基からなる群から選択される官能基、あるいは、Zn、Al、Na、K、Mg、Ca、及びSnからなる群から選択される金属で置換されたものであり、
    単位体積の試料において、当該試料を、活性水素基を有するメソゲン基含有化合物、イソシアネート化合物、及び光重合性基含有化合物が溶解する溶媒で飽和させたときの前記試料の体積増加率である膨潤度が500%以下である熱応答性液晶性ポリマー。
  9. 活性水素基を有するメソゲン基含有化合物と、イソシアネート化合物と、光増感作用を有する触媒であるトリエチレンジアミン又はトリエチレンジアミン誘導体と、光重合性基含有化合物と、光硬化開始剤とを混合する混合工程であって、前記トリエチレンジアミン誘導体は、前記トリエチレンジアミンにおいて、炭素原子に結合している水素原子の少なくとも一つが、ハロゲノ基、C 1-3 アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、及びスルホ基からなる群から選択される官能基、あるいは、Zn、Al、Na、K、Mg、Ca、及びSnからなる群から選択される金属で置換されたものである、工程と、
    前記混合工程で得られた混合物に、波長200~600nmの光を照射する照射工程と、
    を包含する熱応答性液晶性ポリマーの製造方法。
  10. 前記照射工程の前に、前記混合工程で得られた混合物を延伸する延伸工程を包含する請求項9に記載の熱応答性液晶性ポリマーの製造方法。
JP2017250935A 2017-12-27 2017-12-27 熱応答性液晶性ポリマー、及び熱応答性液晶性ポリマーの製造方法 Active JP7027160B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017250935A JP7027160B2 (ja) 2017-12-27 2017-12-27 熱応答性液晶性ポリマー、及び熱応答性液晶性ポリマーの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017250935A JP7027160B2 (ja) 2017-12-27 2017-12-27 熱応答性液晶性ポリマー、及び熱応答性液晶性ポリマーの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019116549A JP2019116549A (ja) 2019-07-18
JP7027160B2 true JP7027160B2 (ja) 2022-03-01

Family

ID=67304097

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017250935A Active JP7027160B2 (ja) 2017-12-27 2017-12-27 熱応答性液晶性ポリマー、及び熱応答性液晶性ポリマーの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7027160B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102613630B1 (ko) * 2021-03-11 2023-12-15 한국과학기술원 자극감응성 복합섬유와 이의 제조방법 및 이를 포함하는 광열 엑추에이터 시스템

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000327950A (ja) 1999-05-17 2000-11-28 Daicel Chem Ind Ltd コーティング組成物
JP2005187618A (ja) 2003-12-25 2005-07-14 Asahi Glass Co Ltd 液晶組成物、該液晶組成物を用いた高分子液晶の製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000327950A (ja) 1999-05-17 2000-11-28 Daicel Chem Ind Ltd コーティング組成物
JP2005187618A (ja) 2003-12-25 2005-07-14 Asahi Glass Co Ltd 液晶組成物、該液晶組成物を用いた高分子液晶の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019116549A (ja) 2019-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2018096724A1 (ja) 光架橋性液晶性ポリマー、及び光架橋性液晶性ポリマーの製造方法
Fortman et al. Mechanically activated, catalyst-free polyhydroxyurethane vitrimers
EP3290995B1 (en) Plastic lens
JP6629991B2 (ja) 液晶性エラストマー原材料組成物
JP6408583B2 (ja) ポリウレタン尿素含有組成物および光学物品ならびにそれらの調製方法
JP5126455B1 (ja) ラジカル硬化性ホットメルトウレタン樹脂組成物、及び光学用成形体
EP1987074B1 (en) High impact poly (urethane urea) polysulfides
CN106750140A (zh) 一种胺改性聚氨酯丙烯酸酯光固化树脂及其制备方法
JP5832400B2 (ja) 硬質熱可塑性ポリウレタン樹脂、その製造方法および成形品
JPWO2017179575A1 (ja) キシリレンジイソシアネート組成物、樹脂および重合性組成物
JP7112332B2 (ja) 光架橋性液晶性ポリマー、及び光架橋液晶性ポリマーの製造方法
US10040754B2 (en) Cellulose acylate film, novel compound, polarizing plate and liquid crystal display device
TW200904845A (en) Low haze thermoplastic polyurethane using mixture of chain extenders including 1,3-and 1,4-cyclohexanedimethanol
JP2016056113A (ja) 液晶性化合物、熱応答性材料及びその製造方法
JP2022037003A (ja) チオウレタンポリマー、その合成方法及び付加製造技術における使用
JP7027160B2 (ja) 熱応答性液晶性ポリマー、及び熱応答性液晶性ポリマーの製造方法
JP6746711B2 (ja) 光架橋性液晶性ポリマー
KR20160098325A (ko) 폴리우레탄 우레아-함유 조성물 및 광학 물품 및 이의 제조 방법
de Pariza et al. Polythiourethanes: Synthesis, Applications, and Opportunities
JP7189739B2 (ja) 熱可塑性液晶ポリマー組成物および熱可塑性液晶ポリマーの製造方法
JP7425595B2 (ja) 光架橋性液晶ポリマー組成物、架橋型液晶ポリマーおよびその製造方法
JP2019112605A (ja) 液晶性ポリマー、及び液晶性ポリマーの製造方法
JP2021178920A (ja) 液晶ポリマー用組成物および液晶ポリマー用組成物の製造方法
JP2023093924A (ja) 光架橋性液晶ポリマーおよび熱応答性液晶ポリマー
JP2023093910A (ja) 液晶性ポリウレタンを含有するペレットおよびその製造方法、ならびに液晶ポリウレタンエラストマー

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201021

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211020

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220216

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7027160

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150