JP2005187618A - 液晶組成物、該液晶組成物を用いた高分子液晶の製造方法 - Google Patents

液晶組成物、該液晶組成物を用いた高分子液晶の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐熱性に優れた液晶組成物および高分子液晶の製造方法を提供する。
【解決手段】
この液晶組成物は、メソゲン基と光重合する官能基とを有する化合物(A)、メソゲン基と架橋性官能基(y)と光重合する官能基とを有する化合物(B)、架橋性官能基(y)と光重合する官能基とを有する化合物(C)、第2の架橋性官能基(z)と光重合する官能基とを有する化合物(D)、メソゲン基と第2の架橋性官能基(z)と光重合する官能基とを有する化合物(E)、第2の架橋性官能基(z)を2個以上有する光重合しない化合物(F)から選ばれる2種以上の化合物と、化合物(G)とを含む。化合物(A)〜(F)の2種以上の化合物は、少なくともメソゲン基と架橋性官能基(y)と第2の架橋性官能基(z)とを含む組合せからなり、架橋性官能基(y)と(z)とは光重合では反応せず、加熱によって反応して結合する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、例えば、位相差板や偏光ホログラム等の光学素子に用いられる液晶組成物および該液晶組成物を用いた高分子液晶フィルムの製造方法に関する。
液晶性分子に重合性官能基を付与した重合性液晶化合物は、重合性モノマーとしての性質と、液晶としての性質を併有する。したがって、重合性液晶化合物を配向させた状態で重合することで、分子配向が固定化された重合体、すなわち高分子液晶が得られる。こうして得られる高分子液晶は、液晶性骨格の屈折率異方性に由来する光学的異方性、すなわち複屈折率を示し、液晶配向状態の制御により特殊な特性も付与できるため、位相差板や偏光ホログラム等の光学素子に応用されている。
しかし、上記の重合性液晶化合物を重合して得られた高分子液晶を位相差板や偏光ホログラム素子等の光学素子に応用する場合、高分子液晶の複屈折率の耐熱性が問題となる。
一般に、液晶性化合物の複屈折率は温度に大きく依存し、温度の上昇に伴い低下して、液晶相−等方相相転移温度、いわゆる透明点(T)で消失する。そのため、光学素子の光学性能を所定の使用温度範囲内で維持するためには、光学素子の使用温度範囲の上限よりも高温側にTを示す高分子液晶が必要となる。
このような高いTを示す高分子液晶を得る方法として、例えば、特開2001-89529号公報には、高いTを示す液晶性化合物を重合性液晶モノマーとして用いる方法が開示されている。
また、特開2001-220583号公報には、あらかじめ、光架橋型の重合性モノマーを含有させた重合性液晶組成物を重合硬化させることによって、高分子主鎖を架橋して高分子液晶の高T化を行なうことが開示されている。
更に、特開2000−144133号公報には、あらかじめ溶液中で高分子液晶を合成した後、側鎖にアクリレート基を導入し、この高分子液晶の側鎖に導入したアクリレート部位を、光または熱により反応させて架橋する方法が開示されている。
一方、上記のような位相差板や偏光ホログラム等の光学素子を重合性液晶化合物により製造する場合には、何らかの方法によって、重合性液晶化合物に所望の配向状態を形成させる必要がある。
一般に液晶性分子の配向を制御する手法としては、基板上に塗布されたポリイミド等の高分子薄膜表面をナイロンやポリエステル製の布で擦るラビング法が知られている。上記手法において、液晶性分子は高分子薄膜が擦られた方向に均一に配向することができるため、比較的大きな面積を必要とする液晶ディスプレイ等の表示素子の製造において広く使われている。
しかし、偏光ホログラム等のように屈折率が周期的に異なる光学素子を作製する場合、液晶の配向も周期的に制御しなければならない。これを上記ポリイミド等の配向膜によって達成するには,配向膜を周期的にラビングする必要がある。一般に、偏光ホログラム素子を可視光領域で使用する場合,その屈折率周期は数百ナノメートル〜数マイクロメートルのオーダーとなり、このような範囲でラビングを行なうことは極めて困難である。また、液晶の周期的な配向を膜厚方向に均一に誘起するには,液晶を上記配向膜を表面に塗布したガラスもしくはプラスティックの支持体で狭持するが、その際、数百ナノメートル〜数マイクロメートルの周期でラビングした箇所を合わせる必要があり、これも非常に困難である。
このため、フォトクロミック化合物を用いて液晶性分子の配向制御を行うことが知られている。例えば、以下の非特許文献1、2には、アゾベンゼン誘導体と重合性液晶化合物を、あらかじめ溶液中で共重合化した高分子液晶の溶液をガラス基板上に、スピンコートもしくはキャスト法等の手法で薄膜化させた後、紫外線の直線偏光を照射することで、光照射領域においてのみ直線偏光方向と垂直な方向に高分子液晶の配向を誘起できることが開示されている。また、例えば下記の非特許文献3には、照射光の偏光を非偏光とし、ガラス基板平面に対し所望の角度から照射することで照射光光軸に平行な方向に高分子液晶の配向を付与することが開示されている。
この手法においては、液晶性分子と混合したフォトクロミック化合物の光化学反応により液晶性分子の配向を制御する。一般に、光化学反応は光が照射された領域にしか起こらないため、この方法によれば、同一基板上の任意の箇所にのみ液晶の配向を誘起することが可能となる。また、液晶の配向方向は照射する光の偏光方向および入射方向により決定できるので、同一媒体中に複数の異なる配向状態を容易に形成することができる。
例えば、上記偏光ホログラム素子を作製する場合、ある周期をもつフォトマスクを通して露光する、もしくは干渉光を露光することで極めて容易に液晶に周期配向を付与することができる。また、媒質全体に均一に露光することで,均一な配向状態を形成することも可能であるため、位相差板などの作製も行うことができる。
特開2001-89529号公報 特開2001-220583号公報 特開2000-144133号公報 Tomiki Ikeda et al., Macromolecules, 31, 349, (1998) M.Eich et al., Makromol. Chem. Rapid Commun., 8, 59,(1987) Tomiki Ikeda et al., Macromolecules, 32, 3951, (1999)
上記の従来技術のうち、特開2001-89529号公報のように、高いTを示す液晶性化合物を重合性液晶モノマーとして用いる方法においては、重合性液晶モノマーの粘度が高く、液晶セルなどに封入して使用する場合、セルへの注入が困難で作業性が悪い。
また、特開2001-220583号公報のような、あらかじめ、光架橋型の重合性モノマーを含有させた重合性液晶組成物を重合硬化させる方法では、特に高温側の耐熱性向上には有効であるが、一般に光架橋型重合性モノマーと重合性液晶モノマーとの相溶性が悪く、その化学構造や含有量に制約を受けるため、液晶温度範囲の広がりが小さい、もしくは液晶性が発現し難いという問題がある。
また、特開2000-144133号公報の方法では、あらかじめ溶液中で高分子液晶を合成した後、側鎖にアクリレート基を導入しなければならないので工程が複雑である。また、上記高分子液晶から光学素子を作製するには、まず高分子液晶の溶液を調製し、次いで高分子液晶の溶液を配向膜を設けた基板上に塗布し、その後ガラス転移温度以上に加熱することで高分子液晶を配向させ、その後ガラス転移温度以下まで冷却することで配向を凍結し、最後に光照射によりアクリレート基を架橋反応させるという多くの工程を踏まなければならず作業が複雑になるという問題点がある。
更に、上記の非特許文献1〜3のようなフォトクロミック化合物を用いた液晶性分子の配向制御においても、高分子液晶の耐熱性に問題があり、高温においては充分な性能が得られていない。
したがって、本発明の目的は、高分子液晶の耐熱性向上を図ることができ、加えて、ラビング処理による配向工程を不要として単純な工程で高分子液晶の配向制御が可能である、液晶組成物および該液晶組成物を用いた高分子液晶フィルムの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の液晶組成物は、下記化合物(A)〜化合物(F)から選ばれる2種以上の化合物と、化合物(G)とを含む重合性の液晶組成物であり、化合物(A)〜化合物(F)から選ばれる2種以上の化合物の組合せは、メソゲン基(x)と、架橋性官能基(y)と、第2の架橋性官能基(z)とを少なくとも含む組合せからなることを特徴とする。
(ただし、下記架橋性官能基(y)と下記第2の架橋性官能基(z)とは、光重合における光照射の下では両者が実質的に反応せず、加熱によって両者が反応して結合する組合せからなる。)
(1):メソゲン基(x)と光重合する官能基とを有する化合物(A)。
(2):メソゲン基(x)と架橋性官能基(y)と光重合する官能基とを有する化合物(B)。
(3):架橋性官能基(y)と光重合する官能基とを有する化合物(C)。
(4):第2の架橋性官能基(z)と光重合する官能基とを有する化合物(D)。
(5):メソゲン基(x)と第2の架橋性官能基(z)と光重合する官能基とを有する化合物(E)。
(6):第2の架橋性官能基(z)を2個以上有する光重合しない化合物(F)。
(7):紫外光または可視光の照射によって光異性化する化合物(G)
本発明の液晶組成物においては、2種の架橋性官能基が光によって実質的に反応せず、熱によって反応する特性を有していることより、光重合後の重合体同士を加熱することにより架橋が生じる。これにより、光重合前後において配向性を損なうことなく、耐熱性に優れた高分子液晶を得ることができる。また、上記化合物(A)〜化合物(F)相互の相溶性がよいことより、各化合物の選択の自由度が高く、また架橋性官能基を有する化合物の含有量を多くできる。これにより、液晶温度範囲の広がりを大きくすることができ、良好な配向特性を有する高分子液晶を得ることができる。また、高いTを示しつつ液晶組成物の粘度上昇を抑えられるので、組成物のセルへの充填等も容易である。
更に、フォトクロミック化合物である化合物(G)を含有しているので、液晶性分子と混合した後に光化学反応により液晶性分子の配向を制御することができる。これによって、同一基板上の任意の箇所にのみ液晶の配向を誘起することが可能となる。また、液晶の配向方向は照射する光の偏光方向および入射方向により決定できるので、同一媒体中に複数の異なる配向状態も容易に形成することができる。
本発明においては、前記化合物(G)が光重合する官能基を有することが好ましい。この態様によれば、配向度が高くなり、配向の安定度に優れる。
本発明の液晶組成物においては、架橋性官能基(y)と第2の架橋性官能基(z)(以下、単に架橋性官能基(z)ともいう)とが実質的に等当量存在する組合せであることが好ましい。架橋性官能基は一般に不安定であることが多く、最終的な架橋した高分子液晶中には存在しないことが好ましい。2種の架橋性官能基を等当量とすることにより、架橋後の架橋性官能基の残存量を少なくすることができる。
また、両架橋性官能基の組合せは付加反応により結合する組合せであることが好ましい。付加反応により結合する官能基であれば、縮合反応の場合のように副生成物が生じることがなく、架橋反応により高分子液晶の特性が低下するおそれが少なくなる。
付加反応としては、例えば、イソシアネート基と結合し得る活性水素原子を有する官能基(水酸基やアミノ基等)とイソシアネート基との組合せなどがある。本発明における両架橋性官能基の組合せとしてはイソシアネート基と結合し得る活性水素原子含有官能基とイソシアネート基との組合せが好ましい。イソシアネート基は活性の高い官能基で活性水素原子含有官能基と容易に反応することより、本発明における架橋が容易に生じる。即ち、この組合せの場合は架橋が容易であることより、架橋反応における高分子液晶への悪影響を少なくすることができる。
架橋は、一方の架橋性官能基を有する重合体同士を他方の架橋性官能基を2個以上有する低分子化合物で連結することによっても行うことができる。この低分子化合物は前記化合物(F)である。本発明の液晶組成物においてこの化合物(F)は光重合性ではなく、他の化合物の光重合の段階では実質的に反応しない。光重合反応は通常比較的低温の反応条件下で行われ、この際化合物(F)中の架橋性官能基(z)は他の光重合性の化合物中の架橋性官能基(y)とは実質的に反応しないと考えられる。これら2種の架橋性官能基は、光重合反応の反応条件に比較して高温の加熱条件下で反応を起こして、架橋が生成する。
本発明の液晶組成物における各化合物の組合せは、化合物(G)の少なくとも1種、化合物(A)の少なくとも1種、化合物(B)および化合物(C)から選ばれる少なくとも1種、並びに、化合物(D)および化合物(F)から選ばれる少なくとも1種、の組合せからなることが好ましい。化合物(A)は架橋性官能基を有しないが液晶組成物の光重合性液晶の主成分として使用されることが好ましい。架橋性官能基を有する化合物はメソゲン基(x)を有していなくてもよく(化合物(C)、化合物(D))、さらに光重合性でなくともよい(化合物(F))が、これらの化合物は液晶性を有する化合物に比較して組成物中に少量存在し、また光重合性化合物に比較して組成物中に少量存在する。
一方、本発明の高分子液晶の製造方法は、上記の液晶組成物を、該液晶組成物のネマチック相−等方相の相転移温度以下の温度で光重合させて重合体を得る光重合工程と、生成した重合体に対して直線偏光または非偏光の光を一定方向から照射して前記重合体を配向させる配向工程と、前記重合体を加熱して架橋させる架橋工程とを含むことを特徴とする。この場合、前記配向工程と前記架橋工程とを同時に行うことが好ましい。
本発明の製造方法によれば、まず、液晶組成物のネマチック相−等方相の相転移温度以下の温度で光重合させる。その後、生成した重合体に対して直線偏光または非偏光の光を一定方向から照射する。これによって、フォトクロミック化合物である化合物(G)が配向するので、周囲の液晶分子の配向が誘起されて、高分子液晶を配向することができる。そして、その後に熱架橋を行うことにより高分子液晶の配向を乱すことを少なくして架橋し、耐熱性の良好な架橋した高分子液晶を得ることができる。
また、前記配向工程と前記架橋工程とを同時に、すなわち重合体に対して、光照射と加熱とを同時に行なうことで、配向と架橋とを同時に進行させることができるので、工程を簡略にすることができる。
本発明の製造方法においては、前記配向工程において、前記重合体の所定の領域に、周期的に前記直線偏光または前記非偏光の光を照射することにより、前記高分子液晶の配向を周期的に形成することが好ましい。
この態様によれば、重合して得られた高分子液晶の配向を光で自在に制御でき、偏光ホログラム等のように屈折率が周期的に異なる光学素子を好適に製造できる。
本発明によれば、液晶組成物を光重合、光配向および加熱処理するだけで、多数の複雑な工程を経ることなく、耐熱性に優れ、周期的な配向制御が可能である、高分子液晶を得ることができる。
本発明において「光重合する官能基」とは、紫外線等の光により重合し得る不飽和二重結合を有する官能基であり、例えば、ビニル基、アリル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、2−ハロアクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、などがあり、特にアクリロイルオキシ基とメタクリロイルオキシ基が好ましい。以下、光重合する官能基を光重合性基ともいう。
本発明において「メソゲン基(x)」とは、メソゲン骨格とも呼ばれる剛直な棒状の2価の有機基であり、パラ位に結合手を有する6員環が連結基(単結合を含む)で連結した、該6員環の数が2〜5個の2価の基をいう。メソゲン基は液晶性を有する分子に必須の基であるが、メソゲン基を有する分子がすべて液晶性を有するとは限らない。メソゲン基中の6員環の2つの結合手がトランス位とシス位に位置しうる場合は2つの結合手はトランス位に位置する。6員環からなる2価の基としては、1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、ピリダジン−3,6−ジイル基、トランス−1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基が好ましい。これらの6員環の結合手以外の位置の炭素原子に結合した水素原子は、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子などで置換されていてもよい。より好ましい6員環からなる2価の基は、無置換の1,4−フェニレン基またはトランス−1,4−シクロヘキシレン基である。
上記6員環を連結する連結基としては、単結合、−CHCH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−CFO−、−OCF−、−CHO−、−OCH−、−CONH−、−NHCO−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−N=N(O)−、−N(O)=N−などが好ましい。単結合以外の連結基は1分子中に0〜2個が好ましく、特に0または1個が好ましい。
本発明において「架橋性官能基(y)」と「第2の架橋性官能基(z)」とは、光重合における光照射の下では実質的に反応せずかつ加熱によって両者が反応する、組合せの官能基をいう。
具体的には、一方の架橋性官能基として、イソシアネート基、エポキシ基など比較的低い温度条件の下で容易に反応し得る活性の高い官能基が好ましい。特に、一方の官能基はイソシアネート基であることが好ましい。他方の官能基はこれらの官能基と反応して結合し得る官能基であり、副反応物が生成しない反応(付加反応)により結合する組合せが好ましい。一方の官能基がイソシアネート基である場合、他方の官能基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの活性水素原子含有官能基があるが、カルボキシル基の場合は二酸化炭素を副生するので好ましくない。好ましい他方の官能基は水酸基とアミノ基であり、特に水酸基が好ましい。一方の官能基がエポキシ基である場合、他方の官能基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの活性水素原子含有官能基があり、水酸基やアミノ基が好ましい。
以下、本発明における架橋性官能基(y)が水酸基であり、架橋性官能基(z)がイソシアネート基である場合を主たる例として本発明を説明する。この組合せは任意であり、架橋性官能基(y)がイソシアネート基であり、架橋性官能基(z)が水酸基であってもよいことはいうまでもない。また、光重合性基としてアクリロイルオキシ基とメタクリロイルオキシ基を主たる例として本発明を説明する。
本発明における、メソゲン基(x)と光重合する官能基とを有する化合物(A)としては、下記式(I)で表される化合物が好ましい。
Figure 2005187618
上記式(I)において、Rは、水素原子またはメチル基であり、水素原子であることが好ましい。
、E、E、Eは、それぞれ独立に、前記メソゲン基(x)における6員環からなる2価の基を示す。Z、Z、Zは、それぞれ独立に、前記メソゲン基(x)における連結基を示す。pおよびqはそれぞれ独立に0または1を示す。上記式(I)における、−(E−Z−E−Z−E−(Z−E−は本発明におけるメソゲン基(x)の1例である。
、E、E、Eは、それぞれ独立に、1,4−フェニレン基(以下、化学式ではPhで表す)とトランス−1,4−シクロヘキシレン基(以下、化学式ではCyで表す)から選ばれる2価の基であることが好ましい。Z、Z、Zは、それぞれ独立に、単結合、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−および−CHCH−から選ばれる連結基であることが好ましく、特にZがこれらの連結基から選ばれる基でありかつZおよびZがいずれも単結合であることが好ましい。pとqは、いずれも0であるかまたは一方が1で他方が0であることが好ましい。
上記式(I)において、Qはメソゲン基(x)と光重合する官能基とを連結するスペーサーを表す。スペーサーはメソゲン基(x)よりも嵩の低い2価の基からなり重合後においてもメソゲン基(x)の配向を阻害しないように緩衝の役割をする基である。スペーサーはなし、即ち単結合、であってもよい。単結合以外のスペーサーとしては、−(CH−、−(R−O−)−などの2価の有機基が好ましい。Rは炭素数2〜12のアルキレン基、mは1〜12の整数、nは1〜8の整数を表す。スペーサーの長さが短すぎると上記緩衝の役割を十分果たせず、スペーサーが長すぎると高分子液晶における屈折率異方性の温度依存性が大きくなるため、適切な長さであることが好ましい。したがって、Rは、nが1の場合炭素数2〜10のポリメチレン基が好ましく、nが2以上の場合ジメチレン基、テトラメチレン基およびプロピレン基が好ましい。mは2〜10が好ましく、nは1〜4が好ましい。
本発明における化合物(A)は、メソゲン基(x)と光重合する官能基とを有する化合物であり、架橋性官能基を有しない。化合物(A)としては、Rが架橋性官能基を有しない基である、式(I)で表される化合物が好ましい。また、光重合する官能基は1個であることが好ましい。この化合物(A)におけるRとしては、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、架橋性官能基を有しない有機基などがある。この架橋性官能基を有しない有機基とは、前記架橋性有機基(y)、第2の架橋性有機基(z)以外にさらに光重合性基を有しない1価の有機基をいう。架橋性官能基を有しない有機基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、ハロアシル基、ハロアシルオキシ基などでかつ炭素数12以下の有機基が好ましい。有機基としては短い分岐を有していてもよいが、直鎖状有機基であることが好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素原子と塩素原子が好ましく、特にフッ素原子が好ましい。特に好ましいRとしては、シアノ基、炭素数6以下のアルキル基、炭素数6以下のアルコキシ基、炭素数6以下のアルコキシカルボニル基および炭素数6以下のアルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。
以下に化合物(A)の具体例を示すが、本発明における化合物(A)はこれらに限定されるものではない。ただし、aは2〜10の整数、R10は炭素数6以下のアルキル基を表す。


































Figure 2005187618
場合によっては、本発明における化合物(A)は、メソゲン基(x)と2個の光重合する官能基とを有する化合物であってもよい。この場合、Rが−Y−OCOCHR=CHで表される基(Y、Rは前記に同じ)であることが好ましい。この光重合性基を2個有する化合物(A)は光重合性基を1個有する化合物(A)と併用される必要があり、単独では組成物の他の成分との相溶性が十分ではない。この化合物(A)は実質的に使用されないことが好ましいが、光重合性基を1個有する化合物(A)と併用される場合は両者の合計に対する光重合性基を2個有する化合物(A)の割合は10モル%以下が好ましい。化合物(A)は、1個のメソゲン基と1個の光重合性基を有する、式(I)で表される化合物が好ましい。
本発明における化合物(B)はメソゲン基(x)と架橋性官能基(y)と光重合する官能基とを有する化合物であり、化合物(E)はメソゲン基(x)と架橋性官能基(z)と光重合する官能基とを有する化合物である。これらの化合物としては、Rが架橋性官能基であるかまたは架橋性官能基を有する基である、式(I)で表される化合物が好ましい。これらの化合物はまた、1個の光重合性基、1個のメソゲン基(x)および1個の架橋性官能基を有する化合物が好ましい。
架橋性官能基としては前記のようにイソシアネート基、エポキシ基、水酸基、アミノ基などがあり、架橋性官能基を有する基としてはこれらの基を有する有機基がある。有機基部分の炭素数は12以下が好ましく、特に6以下が好ましい。また、有機基部分は直鎖状であることが好ましい。イソシアネート基含有有機基としてはアルキル基の炭素数6以下のイソシアネートアルキル基が好ましく、水酸基含有有機基としては炭素数6以下のヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルコキシ基、ヒドロキシアシル基などが好ましい。エポキシ基含有有機基としては炭素数8以下のエポキシアルキル基(グリシジル基など)、グリシジルオキシアルキル基、グリシジルオキシアルコキシ基、グリシジルオキシカルボニル基、グリシジルオキシカルボニルアルキル基などが好ましく、特にグリシジル基や炭素数6以下のグリシジルオキシアルキル基が好ましい。アミノ基含有有機基としては、炭素数6以下のアミノアルキル基やアミノアルコキシ基が好ましい。
化合物(B)としては、Rが水酸基、炭素数6以下のヒドロキシアルキル基、または炭素数6以下のヒドロキシアルコキシ基である、式(I)で表される化合物が好ましい。化合物(E)としては、Rがイソシアネート基または炭素数4以下のイソシアネートアルキル基である、式(I)で表される化合物が好ましい。
以下に化合物(B)と化合物(E)の具体例を示すが、本発明における化合物(B)、化合物(E)はこれらに限定されるものではない。ただし、aは2〜10の整数、R11は炭素数2〜6のアルキレン基を表す。化合物(B)としては以下の具体例が挙げられる。



















Figure 2005187618
化合物(E)としては以下の具体例が挙げられる。
Figure 2005187618
メソゲン基(x)を有する化合物である化合物(A)、化合物(B)および化合物(E)は、それぞれ液晶性を有する化合物であることを必須としないが、少なくともそれらのいずれかを含む本発明の液晶組成物は液晶性を有することが必要である。したがって、本発明の液晶組成物中のこれらの化合物のいずれかは液晶性を有する必要があり、通常化合物(A)が液晶性を有する。化合物(B)、化合物(E)は必ずしも液晶性を有していなくてもよいが、これらが化合物(A)と併用されない場合は液晶性を有する必要がある。また、化合物(A)が2種以上併用される場合は、そのうちの一部の化合物(A)は液晶性を有していなくてもよい。これらの化合物のうち液晶性を有しない化合物は、メソゲン基(x)を有することより、液晶性を有するメソゲン基(x)含有化合物に親和性を有し、液晶組成物の特性改良に有効である。本発明においては、液晶性を有しない化合物(B)や化合物(E)は、液晶性を有する化合物と親和性を有し、しかも架橋性官能基を有することより、本発明液晶組成物の液晶としての特性を阻害することなく組成物に架橋性官能基を存在させる成分として有用である。勿論、これらの化合物(A)、化合物(B)、化合物(E)はすべて液晶性を有する化合物であることが好ましい。
本発明における化合物(C)は、架橋性官能基(y)と光重合する官能基とを有する化合物であり、化合物(D)は架橋性官能基(z)と光重合する官能基とを有する化合物である。これらの化合物はメソゲン基(x)を有しない化合物であるが、前記のような6員環などを含む環含有化合物であってもよい。またこれらの化合物は1個の架橋性官能基と1個の光重合性基を有する化合物が好ましい。これらの化合物としては、下記式(II)で表される化合物が好ましい。
Figure 2005187618
式(II)において、Rは水素原子またはメチル基を示し、Kは単結合または2価の有機基を示し、Rは架橋性官能基であるかまたは架橋性官能基を有する基を示す。架橋性官能基を有する基としては、Rが架橋性官能基を有する基である場合の前記のような有機基が好ましい。Kは、−(CH−、−(R−O−)−R−などの2価の有機基が好ましい。ここにおいて、R、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキレン基を、mは1〜12の整数を、nは1〜8の整数を、示す。nが1の場合R、Rは、それぞれ独立に、炭素数2〜10のポリメチレン基が好ましい。nが2以上の場合Rはジメチレン基、テトラメチレン基およびプロピレン基が、Rは炭素数2〜10のポリメチレン基が好ましい。mは2〜10が好ましく、nは1〜4が好ましい。架橋性官能基であるかまたは架橋性官能基を有する基であるRは、前記Rが架橋性官能基または架橋性官能基を有する基である場合のそれらの基であることが好ましい。−K−Rとしては、架橋性官能基を除く炭素数が2〜12の架橋性官能基含有有機基であることが好ましい。
以下に化合物(C)と化合物(D)の具体例を示すが、本発明における化合物(C)、化合物(D)はこれらに限定されるものではない。ただし、aは2〜10の整数、bは2〜4の整数を表す。化合物(C)としては以下の具体例が挙げられる。
Figure 2005187618
化合物(D)としては以下の具体例が挙げられる。
Figure 2005187618
本発明における化合物(F)は、架橋性官能基(z)を2個以上有する光重合しない化合物である。化合物(F)は光重合で形成された架橋性官能基(y)を有する高分子液晶の分子同士を結合させて架橋する化合物である。化合物(F)中の架橋性官能基(z)の数は2個以上であれば架橋可能であるが、その数が多すぎると高分子液晶の配向を乱すおそれがあり、1分子中の架橋性官能基(z)の数は2〜3個が好ましく、特に2個が好ましい。また、化合物(F)は、前記6員環などの環を有する化合物であってもよいが、通常メソゲン基(x)を有しない化合物である。化合物(F)としては、下記式(III)で表される架橋性官能基(z)を2個有する化合物が好ましい。
Figure 2005187618
上記式(III)において、Zは架橋性官能基(z)を、Wは2価の有機基を示す。Wとしては、例えば、炭素数2〜12のアルキレン基、シクロアルキレン基を1〜2個有する炭素数6〜16のシクロアルキレン基含有炭化水素基などがあり、特に炭素数4〜8のポリメチレン基が好ましい。Zがイソシアネート基の場合、具体的な化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートなどがある。Zがイソシアネート基の場合、特に好ましい化合物(F)は、テトラメチレンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートである。
本発明における化合物(G)は、紫外光または可視光の照射によって光異性化する化合物である。化合物(G)としては、上記の液晶組成物、もしくはそれらの重合体を重合して得られた重合体を光で配向を付与するためにフォトクロミック特性を示し,且つ直線偏光もしくは非偏光の照射により、その化合物自身の配向が特定の方向に揃う性質を備えていれば特に限定はされない。
このような化合物としては、アゾベンゼン、スチルベン、シンナモイル、クマリン、ベンジリデンフタルイミジン、ベンジリデンアセトフェノン、ジフェニルアセチレン、スチルバゾール、インジゴ、アゾメチン等が挙げられる。
なかでも、吸収異方性を示し,且つ照射する光の波長により分子形状が可逆的に変化する点から、アゾベンゼン及びその誘導体が好適に用いられる。具体的には化合物(G)としては、下記式(IV)で表されるアゾベンゼン及びその誘導体が好ましい。


Figure 2005187618
式(IV)中、R12は水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を表し、Xは、−COO−、−O−または単結合を表し、Yは、−CH−または−CHCHO−を表し、mは1〜12の整数を表し、Zは−O−または単結合を表し、R13は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基,ニトロ基または置換されていてもよいアルキル基を表す。
本発明の液晶組成物において、化合物(A)〜化合物(G)はそれぞれ2種以上使用できる。特に化合物(A)は、液晶組成物の物性を目的に応じて種々調整するために2種以上併用することが好ましい。
本発明における化合物(A)〜化合物(F)から選ばれる2種以上の化合物の組合せは、メソゲン基(x)と架橋性官能基(y)と架橋性官能基(z)とが含まれる組合せからなる。架橋性官能基(y)を有する化合物と架橋性官能基(z)を有する化合物は別の化合物であることより、本発明の液晶組成物は化合物(B)〜化合物(F)から選ばれるこれらの基を有する少なくとも1種づつを含む。しかも、本発明の液晶組成物は液晶性を有することより、化合物(A)、化合物(B)および化合物(E)から選ばれるメソゲン基(x)を有する化合物を少なくとも1種含む。また、化合物(A)〜化合物(E)から選ばれる光重合性基を有する化合物を少なくとも1種含むことより、本発明の液晶組成物は光重合性を有する。
本発明の液晶組成物における化合物の具体的な組合せとしては、化合物(B)/化合物(D)/化合物(G)、化合物(B)/化合物(E)/化合物(G)、化合物(B)/化合物(F)/化合物(G)、化合物(C)/化合物(E)/化合物(G)、化合物(A)/化合物(C)/化合物(D)/化合物(G)、化合物(A)/化合物(C)/化合物(F)/化合物(G)、化合物(A)/化合物(B)/化合物(D)/化合物(G)、化合物(A)/化合物(B)/化合物(E)/化合物(G)、化合物(A)/化合物(B)/化合物(F)/化合物(G)、化合物(A)/化合物(C)/化合物(E)/化合物(G)、化合物(A)/化合物(B)/化合物(C)/化合物(F)/化合物(G)、化合物(A)/化合物(B)/化合物(C)/化合物(D)/化合物(G)などがある。
本発明における化合物(A)〜化合物(F)から選ばれる2種以上の化合物の組合せは、化合物(A)の少なくとも1種、化合物(B)および化合物(C)から選ばれる少なくとも1種、並びに、化合物(D)および化合物(F)から選ばれる少なくとも1種、の組合せからなることが好ましい。具体的な組合せとして特に好ましい組合せは、化合物(A)/化合物(C)/化合物(F)の組合せ、および、化合物(A)/化合物(B)/化合物(D)の組合せである。これらの組合せにおいて、化合物(A)は2種以上含まれていることが前記のように好ましい。化合物(A)は、液晶としての特性の異なる2〜5種の組合せが好ましい。
本発明の液晶組成物における各化合物中の架橋性官能基(y)と架橋性官能基(z)との割合は所望の架橋度が得られる限り特に限定されない。しかし、架橋反応後の架橋性官能基(y)と架橋性官能基(z)のうち、活性の高いほうの架橋性官能基は架橋後に実質的に残存しないことが、架橋後の高分子液晶の安定性が高いことや変質が少ないことなどの理由で好ましい。活性の高いほうの架橋性官能基はイソシアネート基またはエポキシ基である。例えば、架橋性官能基(z)はイソシアネート基である場合、本発明の液晶組成物におけるイソシアネート基の数は架橋性官能基(y)の数と等しいかそれより少ないことが好ましい。この場合、生成する架橋の数はイソシアネート基の数となる。さらに架橋後に残存する架橋性官能基(y)もまた少ない方が好ましい。したがって、液晶組成物中の架橋性官能基(y)と架橋性官能基(z)との数の割合は、架橋性官能基(y)/架橋性官能基(z)で表して、2/1〜1/1であることが好ましく、実質的に1/1であること(即ち、両者が等当量であること)がより好ましい。
さらに、後述のように、本発明の液晶組成物を光重合しその後熱架橋して得られる架橋高分子液晶において、配向した側鎖の長さLと架橋点間長さLは、1.5L>L>L(特に、1.2L>L>L)の関係を有することが好ましことより、これらの好ましい長さの関係を達成すべく化合物(A)〜化合物(F)のそれぞれが選択されることが好ましい。
架橋高分子液晶における配向した側鎖の長さLは、主鎖の炭素原子に結合したメソゲン基(x)を含む1価の基の分子長をいう。例えば、化合物(A)の重合単位や架橋反応しなかった化合物(B)、化合物(E)の重合単位におけるメソゲン基(x)を含む側鎖部分の分子長である。この側鎖部分は、化合物(A)、化合物(B)、化合物(E)における光重合性の二重結合の一方の炭素原子に結合したメソゲン基(x)を含む1価の基に相当する。例えば、化合物(A)の一例である下記の化合物(A−1)においては、炭素原子Cからシアノ基の窒素原子までの長さをいう。
Figure 2005187618
架橋高分子液晶における架橋点間長さLは、架橋性官能基(y)と架橋性官能基(z)が結合した架橋部分の分子長、即ち一方の主鎖の炭素原子から他方の主鎖の炭素原子までの架橋部分の分子長をいう。一方の主鎖の炭素原子に結合した架橋性官能基(y)を有する有機基(架橋性官能基(y)のみの場合も含む)と他方の主鎖の炭素原子に結合した架橋性官能基(z)を有する有機基(架橋性官能基(z)のみの場合も含む)とが連結した場合はそれらの有機基の合計の長さ(架橋性官能基同士の結合部分を含む)となり、一方の主鎖の炭素原子に結合した架橋性官能基(y)を有する有機基(架橋性官能基(y)のみの場合も含む)と他方の主鎖の炭素原子に結合した同じ架橋性官能基(y)を有する有機基(架橋性官能基(y)のみの場合も含む)とが架橋性官能基(z)を2個有する光重合しない化合物(F)を介して連結した場合はそれら3者の合計の長さ(架橋性官能基同士の結合部分を含む)となる。例えば、後者の3者の結合の例である下記架橋体(v)における架橋部分では、一方の主鎖の炭素原子Cから他方の主鎖の炭素原子Cまでの分子長をいう。
Figure 2005187618
なお、配向した側鎖の長さLと架橋点間長さLは上記のように主鎖の炭素原子を基点とする分子長を意味し、最適化した分子構造において最も距離の長い原子同士の原子間距離で定義する。このLとLは、ソフトウェア”Chem 3D”(Cambridge Scientific Computing Inc. 社製)を用いた分子構造から求めることができる。具体的には例えば、上記化合物(A−1)におけるLは17.7Åであり、上記架橋体(v)におけるLは28.5Åである。
本発明の液晶組成物を重合し架橋して得られる架橋高分子液晶における前記LとLとの関係は、高分子液晶の秩序性維持のために重要な要件である。例えば、LがLより短い場合、架橋によって主鎖間隔が配向した側鎖の分子長よりも短くなることより液晶配向性が乱される。即ち、配向した液晶組成物の重合により配向した未架橋の高分子液晶が生じるが、次の架橋により配向した液晶部分の長さよりも短い架橋が生じることによって配向性が低下する。一方、LがLの1.5以上である場合、架橋によって配向した液晶部分の運動性が規制されず、架橋が目的とする高分子液晶の耐熱性向上の効果が低減する。したがって、1.5L>L>Lであれば、架橋高分子液晶の秩序性は未架橋高分子液晶のそれに近く光学的特性が維持されるとともに、架橋によって高温時の秩序性の乱れが少なくなり高分子液晶としての耐熱性が向上する。
本発明の液晶組成物において、液晶組成物中に存在する化合物(A)〜(F)の合計モル数に対するメソゲン基(x)を有する化合物の割合は、10モル%以上が適当であり、特に30モル%以上が好ましい。メソゲン基(x)を有する化合物の割合が少ない場合は組成物の液晶性が十分ではなく、液晶性を有する組成物となりにくい。より好ましいメソゲン基(x)を有する化合物の割合は55モル%以上である。
また、本発明の液晶組成物において、液晶組成物中に存在する化合物(A)〜(F)の合計モル数に対する活性が低いほうの架橋性官能基(仮に架橋性官能基(y)とする)を有する化合物の割合は1〜90モル%が適当であり、5〜70モル%が好ましい。架橋性官能基(y)を有する化合物がメソゲン基(x)を含んでいない場合には1〜50モル%が適当であり、5〜30モル%が好ましい。さらに、架橋後に未反応の架橋性官能基が実質的に残存しないように架橋性官能基含有化合物を使用する場合は、架橋性官能基(y)を有する化合物の割合は2〜35モル%であることが好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。架橋後に未反応の架橋性官能基が実質的に残存してもよい場合の架橋性官能基は、他方の架橋性官能基と比較して活性の低い架橋性官能基であり、例えば水酸基やアミノ基である。
活性が高いほうの架橋性官能基(仮に架橋性官能基(z)とする)を有する化合物は架橋性官能基(y)と等当量かそれ以下であることが好ましい。例えば、液晶組成物中に架橋性官能基含有化合物として架橋性官能基(y)1個を有する化合物(C)と架橋性官能基(z)1個を有する化合物(D)のみが含まれている場合、化合物(D)の割合は化合物(C)に対して等モル以下であり、架橋性官能基(y)1個を有する化合物(C)と架橋性官能基(z)2個を有する化合物(F)のみが含まれている場合、化合物(F)の割合は化合物(C)に対して1/2モル以下であることが好ましい。最も好ましくはいずれの架橋性官能基とも架橋高分子液晶中に実質的に残存しないことであり、そのために液晶組成物中の両架橋性官能基の割合は実質的に等当量であることが最も好ましい。活性の高い架橋性官能基(z)を有する化合物の液晶組成物中の割合は、架橋性官能基(y)を有する化合物に対して等当量以下で、かつ、液晶組成物中に存在する化合物(A)〜(F)の合計モル数に対して1モル%以上、特に3モル%以上が好ましい。より好ましい割合は、5〜25モル%である。
化合物(G)の液晶組成物への導入率は、液晶組成物に溶解可能な量であれば特に制限されるものではない。しかし、導入率が大き過ぎると光の透過率が低下し、光重合反応の効率を低下させる、もしくは光配向時に膜厚方向に均一な配向を誘起出来ないという問題が生じる。逆に、導入率が小さ過ぎると光照射による化合物(G)の配向変化が周囲の液晶の配向に影響を及ぼさず、均一な配向状態を形成できないという問題がある。
そのため、化合物(G)の導入率は、化合物(A)〜(F)の合計モル数に対して0.1〜50モル%の範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜20モル%であり、さらに好ましくは5〜15モル%である。
本発明の液晶組成物は、また、化合物(A)〜(G)のいずれでもない成分が配合されていてもよい。特に、光重合反応を行うためには通常光重合開始剤の配合が必須である。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ベンゾイン類、ベンジル類、ミヒラーケトン類、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンジルジメチルケタール類、チオキサントン類などがある。また必要に応じ2種以上の光重合開始剤を併用してもよい。光重合開始剤の使用量は、液晶組成物に対し0.1〜10質量%が好ましく、特に0.2〜2質量%が好ましい。
また、本発明の液晶組成物には、液晶組成物の相の安定化、粘度の調整、複屈折などの所望の特性を改善する目的で、非光重合性の液晶化合物、非光重合性の非液晶化合物、色素などを配合してもよい。非光重合性の液晶化合物としては、例えば、低温で液晶性を示す化合物、低温用の低粘度化合物、屈折率異方性を向上させる化合物、誘電率異方性を向上させる化合物、コレステリック性を付与する化合物などがある。
本発明の架橋した高分子液晶は、上記本発明の液晶組成物を、該液晶組成物のネマチック相−等方相の相転移温度以下の温度で光重合させて重合体を得る光重合工程と、生成した重合体に対して直線偏光または非偏光の光を一定方向から照射して前記重合体を配向させる配向工程と、前記重合体を加熱して架橋させる架橋工程とによって製造される。
光重合工程は、例えば、2枚の支持体で構成されたセル内に液晶組成物を充填して行う。上記支持体はガラスやプラスチック等の材料からなる支持体が好ましい。また、2枚の支持体間で光重合を行うためには、少なくとも一方の支持体は光重合を行うために照射する光に対して透明な支持体であることが好ましい。2枚の支持体は周囲が封止された構造体、即ちセルであることが好ましい。2枚の支持体間の距離は、封止材によって調整でき、また、液晶組成物に添加した所定の直径のビーズ等によって調整できる。
ここで、本発明においては別途配向工程を行うので、セル内の表面へのラビング等の配向処理は不要である。
次いで、光重合工程において、この未配向状態の液晶組成物に光を照射して光重合を行い、高分子液晶を形成する。このとき、液晶組成物を液晶状態に保つために、光重合時の雰囲気温度を、組成物が液体状態であって、かつ、ネマチック相−等方相の相移転温度(以下、Tともいう)以下の温度に保持する。
に近い温度では屈折率異方性が小さくなるため、この雰囲気温度は(T−10)℃以下とすることが好ましい。また、この光重合時の雰囲気温度は架橋反応が実質的に起こらない温度であり、架橋反応が光重合に先行して液晶組成物の配向が乱されないようにすることが必要である。通常は60℃以下、特に40℃以下で光重合を行うことが好ましい。この光重合を行うための光としては紫外線や可視光線を使用でき、特に紫外線が好ましい。
次に、光配向工程で、化合物(G)の吸収波長の紫外線または可視光線を照射する。これによって、化合物(G)が配向し、これに高分子液晶が誘起されて光照射された部分のみ配向する。
図1は、照射光の偏光によるセル内の高分子液晶の配向状態であって、(a)直線偏光の場合、(b)非偏光の場合を示す模式図である。すなわち、図1(a)に示すように、直線偏光で一定方向から光照射した場合には、セル10内の化合物(G)の光異性化によって、セル10の面内方向で、直線偏光方向と垂直な方向に高分子液晶20の配向を誘起することができる。また、図1(b)に示すように非偏光で一定方向から光照射した場合には、セル10内の化合物(G)の光異性化によって、セル10の面内に垂直な方向に高分子液晶20の配向を誘起することができる。
光配向時の照射光波長は化合物(G)の構造によって最適値を選択でき特に限定させないが、その主な波長領域は200〜650nmが好ましく、より好ましくは300〜500nmである。
光配向工程における温度の上限は、光配向させる高分子液晶が液晶性を発現する温度であればよく特に制限されないが、架橋に与る部位の反応が熱により完了しない温度であることが好ましい。具体的には、光配向工程の温度は50〜150℃が好ましく、より好ましくは60〜100℃である。また、照射時間は光配向が完了する時間を適宜選択することができる。
ここで、本発明においては、前記重合体の所定の領域に、周期的に前記直線偏光または前記非偏光の光を照射することにより、前記高分子液晶の配向を周期的に形成してもよい。
図2は、セル内の高分子液晶の配向状態であって、(a)均一配向の場合、(b)周期配向の場合を示す模式図である。ここで、図2においてDはセル10の厚さ方向である。また、図2(b)はセル10の平面図である。
ここで、図2(a)に示すように、均一配向の場合(a)〜(a)には、セル10の全面に一定方向から光照射することにより、セル10内の矢印の方向に沿って高分子液晶20が全面配向する。
一方、周期配向の場合、例えば(b)の場合にはセル10の平面方向に沿って周期的に高分子液晶21、22、21、22と配向を周期的に変えることができる。また(b)のようにセル10の厚さD方向に沿って周期的に高分子液晶21、22と配向を変えることもできる。また(b)のようにセル10の平面方向において、領域毎に矢印で示される配向方向を変えることもできる。
最後に、架橋工程により、光重合により生成した高分子液晶を加熱により架橋させる。配向工程によって生成した高分子液晶は配向しており、加熱架橋の際にはこの配向をできるだけ乱さないようにすることが望ましい。そのため、架橋時の加熱温度は高分子液晶のT(前記液晶組成物のTと比較して高い温度である)以下であることが好ましい。この架橋時の温度は上記光重合時の温度より高くかつ高分子液晶のTよりも低い温度で行われることが好ましく、通常は50〜150℃、特に60〜120℃の温度で行われることが好ましい。
この架橋工程は、支持体から分離された高分子液晶に対して行ってもよい。例えば、支持体上や支持体間で光重合によりフィルム状の未架橋高分子液晶を製造し、次いで得られた未架橋高分子液晶を支持体から剥離等により分離して未架橋高分子液晶のフィルムを取り出し、このフィルムを加熱架橋して架橋高分子液晶フィルムを得ることができる。
なお、本発明においては、上記の配向工程と架橋工程とを同時に進行させてもよい。これによって工程を更に短縮できる。この場合、処理時の温度は50〜100℃が好ましい。また、処理時間は、配向反応と架橋反応が完了するのに要する時間を考慮し選択することができるが、通常2〜8時間で完了することができる。
目的とする架橋された高分子液晶は、支持体から剥離して種々の用途に使用でき、また支持体と一体化させたまま種々の用途に使用できる。
本発明により得られる架橋された高分子液晶は光学素子用の材料として好適である。本発明における架橋高分子液晶を材料とする光学素子としては、位相差フィルムや偏光ホログラムなどがある。例えば、偏光ホログラムにおいては、光利用効率が高く、また回折効率の温度依存性が小さいことにより、これを用いて優れた光ヘッド装置を作成できる。また、上記のように周期的な配向を形成したものは、特に偏光ホログラム等に好適に用いることができる。
以下、実施例および比較例により本発明を詳細に説明する。
なお、以下に使用した化合物a〜eの入手、合成方法は、化合物bは昭和電工社製、化合物aはMacromol. Chem. Phys., 197, 1919, (1996)に記載の方法で、化合物cは特開平11-100575号公報に記載の方法で,化合物eはEur. Polym. J., 18, 651, (1982)に記載の方法で合成した。また、化合物dは以下のルートで合成した。
Figure 2005187618
実施例1
下記化合物a〜eをカッコ内のモル比で含む液晶性組成物Aを調整した。この液晶組成物Aは過冷却液晶性を示し,Tcは59℃であった。
化合物a(0.30)
化合物b(0.30)
化合物c(0.24)
化合物d(0.06)
化合物e(0.10)
Figure 2005187618


Figure 2005187618
Figure 2005187618
Figure 2005187618
Figure 2005187618
液晶組成物Aに光重合開始剤「イルガキュアー819(チバガイギー社製)」を2重量%添加したものを、配向処理が施されていないセルギャップ10μmの液晶セルに80℃で注入した。
次に室温で110mW/cmの強度の紫外線を5分間照射し、光重合を行ない高分子液晶フィルムA−1を得た。この高分子液晶はT=110℃であり、強い散乱状態を示した。
次に、26mW/cmの強度をもつ直線偏光(波長:365nm)を80℃で4時間照射することで、光配向処理および架橋処理を同時に行ない高分子液晶フィルムA−2を得た。
この高分子液晶フィルムA−2を直交した偏光板の間に置き、面内に試料を回転させたところ45°おきに明暗が現れたことから基板平面内に一軸配向が誘起されていることを確認した。また,高分子液晶フィルムAのTは180℃以上であった。
比較例1
実施例1と同じ化合物a〜eをカッコ内のモル比で含む液晶性組成物Bを調整した。組成物Bは過冷却液晶性を示し、Tcは37℃であった。
化合物a(0.43)
化合物c(0.35)
化合物d(0.09)
化合物e(0.14)
実施例1と同様の操作により光重合を行ない高分子液晶フィルムB−1を得た。この高分子液晶のTcは90℃であった。
さらに実施例1と同様の操作を行なうことで光配向処理を施し、高分子液晶フィルムB−2を得た。高分子液晶フィルムBを直交した偏光板の間に置き、面内に試料を回転させたところ45°おきに明暗が現れたことから基板平面内に一軸配向が誘起されていることを確認した。
試験例1
実施例1および比較例1の高分子液晶フィルムA−2、B−2の30℃と80℃での波長633nmにおける複屈折率(Δn)、下記の数式で定義されるΔnの変化率(R)を測定した。
R=((Δn(80℃)/Δn(30℃))−1)×100
なお,Δnは二枚の直交した偏光板の間に試料をその配向方向が偏光方向に対し45°となるように置き,これらを透過するプローブ光(He−Neレーザー,波長:633nm)の透過率を求め,下記式よりΔnを算出した。
T=I/I=sin(πΔnd/λ)
ここで,Tは透過率,I0は入射光強度,Iは透過光強度,λはプローブ光の波長,Δnはプローブ光の波長における複屈折率,dは試料の厚みである。
この結果,実施例1における高分子液晶フィルムA−2のΔnの変化率Rは−9%であった。一方,比較例1の高分子液晶フィルムB−2のΔnの変化率Rは−62%であり,変化率Rが50%以上大きかった。
実施例2
実施例1で用いた液晶組成物Aを、配向処理を施していない液晶セル(ギャップ:3μm)に注入し、実施例1と同用の操作により光重合し、高分子液晶フィルムA−3を得た。
この高分子液晶フィルムに高圧水銀灯の365nmの輝線を80℃で4時間照射することで光配向処理および架橋処理を同時に行ない、高分子液晶フィルムA−4を得た。上記照射光はバンドパスフィルターにより365nmのみを取り出し,さらに偏光フィルターを通すことで直線偏光性を付与した。
この高分子液晶フィルムA−4のΔnを試験例1と同用の方法により測定したところ0.033であった。また,高分子液晶フィルムA−4を透過したHe−Neレーザー(波長:633nm)の直線偏光の楕円率を評価した結果,楕円率は0.062であった。このことより高分子液晶フィルムA−4は波長633nmの光に対してλ/2板として作用することが確認された。
実施例3
実施例1で用いた液晶組成物Aを、配向処理を施していない液晶セル(ギャップ:3μm)に注入し、実施例1と同用の操作により光重合して高分子液晶フィルムA−5を得た。
高分子液晶フィルムA−5に、書き込み光としてArレーザーからの波長488nmの直線偏光(光強度:22mW/cm)を二光束干渉露光法により80℃で4時間照射することで周期的な光配向による屈折率変調型回折格子の形成と架橋処理を同時に行なうことで高分子液晶フィルムA−6を得た。
この高分子液晶フィルムA−6に読み出し光として半導体レーザーからの830nmの光を入射させたところ透過光である0次光の他に回折光である±1次光が観測された。このときの回折効率は1%であり,この回折効率は80℃まで変わらず保持された。
比較例2
実施例3で用いた液晶組成物Aの代わりに比較例1で用いた液晶組成物Bを用いた以外は全て実施例3と同じ操作を行なうことで屈折率変調型回折格子の形成を行なった。
形成した回折格子に読み出し光として半導体レーザーからの830nmの光を入射させたところ透過光である0次光の他に回折光である±1次光が観測された。このときの回折効率は1%であったが80℃に加熱することで効率は0.4%まで低下した。
本発明の液晶組成物および該液晶組成物を用いた高分子液晶の製造方法は、例えば、位相差板や偏光ホログラム等の光学素子に好適に用いられる。
照射光の偏光によるセル内の高分子液晶の配向状態であって、(a)直線偏光の場合、(b)非偏光の場合を示す模式図である。 セル内の高分子液晶の配向状態であって、(a)均一配向の場合、(b)周期配向の場合を示す模式図である。
符号の説明
10 セル
20、21、22 高分子液晶
G 化合物(G)
D 厚さ

Claims (9)

  1. 下記化合物(A)〜化合物(F)から選ばれる2種以上の化合物と、化合物(G)とを含む重合性の液晶組成物であり、化合物(A)〜化合物(F)から選ばれる2種以上の化合物の組合せは、メソゲン基(x)と、架橋性官能基(y)と、第2の架橋性官能基(z)とを少なくとも含む組合せからなることを特徴とする液晶組成物。
    (ただし、下記架橋性官能基(y)と下記第2の架橋性官能基(z)とは、光重合における光照射の下では両者が実質的に反応せず、加熱によって両者が反応して結合する組合せからなる。)
    (1):メソゲン基(x)と光重合する官能基とを有する化合物(A)。
    (2):メソゲン基(x)と架橋性官能基(y)と光重合する官能基とを有する化合物(B)。
    (3):架橋性官能基(y)と光重合する官能基とを有する化合物(C)。
    (4):第2の架橋性官能基(z)と光重合する官能基とを有する化合物(D)。
    (5):メソゲン基(x)と第2の架橋性官能基(z)と光重合する官能基とを有する化合物(E)。
    (6):第2の架橋性官能基(z)を2個以上有する光重合しない化合物(F)。
    (7):紫外光または可視光の照射によって光異性化する化合物(G)
  2. 前記化合物(G)が光重合する官能基を有する請求項1に記載の液晶組成物。
  3. 前記重合性の液晶組成物が、架橋性官能基(y)と第2の架橋性官能基(z)とが実質的に等当量存在する組合せである、請求項1または2に記載の液晶組成物。
  4. 架橋性官能基(y)と第2の架橋性官能基(z)との組合せが、付加反応により結合する組合せである、請求項1〜3のいずれか1つに記載の液晶組成物。
  5. 架橋性官能基(y)と第2の架橋性官能基(z)との組合せが、一方がイソシアネート基で他方が水酸基またはアミノ基である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の液晶組成物。
  6. 前記重合性の液晶組成物が、化合物(G)の少なくとも1種、化合物(A)の少なくとも1種、化合物(B)および化合物(C)から選ばれる少なくとも1種、並びに、化合物(D)および化合物(F)から選ばれる少なくとも1種、の組合せからなる請求項1〜4のいずれか1つに記載の液晶組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の液晶組成物を、該液晶組成物のネマチック相−等方相の相転移温度以下の温度で光重合させて重合体を得る光重合工程と、生成した重合体に対して直線偏光または非偏光の光を一定方向から照射して前記重合体を配向させる配向工程と、前記重合体を加熱して架橋させる架橋工程とを含むことを特徴とする高分子液晶の製造方法。
  8. 前記配向工程と前記架橋工程とを同時に行う請求項7に記載の高分子液晶の製造方法。
  9. 前記配向工程において、前記重合体の所定の領域に、周期的に前記直線偏光または前記非偏光の光を照射することにより、前記高分子液晶の配向を周期的に形成する請求項7または8に記載の高分子液晶の製造方法。
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