JPH05112494A - (1r,6s)−2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチル及びこれを含有する香料組成物及びその製造法 - Google Patents
(1r,6s)−2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチル及びこれを含有する香料組成物及びその製造法Info
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Abstract
与することのできる香料素材および香料組成物を提供す
ること、及び当該香料素材を光学的にも幾何学的にも純
粋にする方法を提供することを目的とする。 【構成】 前記の目的は、(1R,6S)−2,2,6
−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチルによって
達成される。この化合物は、トランス−2,2,6−ト
リメチルシクロヘキサンカルバルデヒドを酸化し、得ら
れたカルボン酸をエチルエステル化することによって製
造される。光学純度の高い本品を製造するには、トラン
ス−2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸
を光学分割した後にエステル化する。 【効果】 この発明の香料素材は、太陽光線に対して安
定であり、酸性溶液においても、塩基性溶液においても
安定であり、衛生的に安全である。
Description
る香料組成物に関する。また、本発明は香料として有用
な2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エ
チルの製造法に関する。更に、本発明は香料として特に
有用な光学活性な(1R,6S)−2,2,6−トリメ
チルシクロヘキサンカルボン酸エチルの製造法にも関す
る。
構造を有することに起因するさまざまの特性を示す物質
が見られるが、一般に不斉な構造を有する生理活性物質
のうち、人間にとって有用なものは特定の対掌体である
場合が多く、例えば医薬、農薬、フェロモン、食品添加
物の分野では特にその傾向があり、ラセミ混合物になる
ことによって効果が著しく減少したり、マイナスの作用
が出ることも知られている。例えば、特開昭63−44
544号公報には「現在の科学では、嗅覚の現象を解明
することのできる単一理論は存在しなが、経験的に、所
定化合物の1光学活性体のみが所望の香気特性を有し、
そのラセミ体は同様な臭気特性を有するが、その芳香強
度が最良でもその半分以下を示すことがしばしば明らか
にされている。」との主旨が記載されている。香料分野
においても例外でなく、例えばハッカの匂いにはL−メ
ントール、ヒメウイキョウの匂いにはd−カルボン、グ
レープフルーツの匂いにはd−ヌートカトンなどが有用
であり、これらはいずれも他の光学対掌体と匂いが異な
るか、あるいは匂いが強いものである。このような現象
の最近の例としてはα−ヨノン、ヒドロキシシトロネラ
ール、ローズオキサイドなどをあげることができる(化
学総説14(1976)[味と匂いの化学]第6章参
照)。それゆえ、光学活性香料を開発することは新規香
料の開発と同様に、新しい匂い、あるいは有効な光学対
掌体の開発につながる有意義なものである。
キサンカルボン酸エチルは、既に文献記載[Chem.
Ber. 102, 709−711(1969)]
の公知化合物であるが、その香気に関しては記載されて
いないし、香料としての価値も記載されていない。ま
た、2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸
エチルは分子内に不斉炭素原子を有しているため、
(+)体と(−)体との2つの鏡像異性体の存在が予想
されるが、上述文献記載のものはラセミ混合物であり、
これらの異性体を個々に合成したという報告及びこれら
異性体の性質に関する報告は未だ存在しない。
2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エステル
化合物の類似体としては、2−エチル−6,6−ジメチ
ルシクロヘキサンカルボン酸エチルと、2,3,6,6
−テトラメチルシクロヘキサンカルボン酸エチル混合物
が特公平2−62542号公報に開示されているが、そ
の単品としての性質及び混合物としての香りの特性は示
されていない。
ヘキサンカルボン酸誘導体については、バイオレット香
の製造法研究で検討されている[Helv、chem.
Acta 31,134(1948)参照]。また、
(1R,6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキサ
ンカルボン酸エチル(以下、「本化合物」と略記す
る。)は、本発明者らの発明による果実様、花様香気を
有する非常に有用な香料である。本発明者らは(1R,
6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボ
ン酸の製造法に関して下式に示す方法を行った。すなわ
ち光学活性な(3S)−7−メトキシシトロネラールを
原料としてまずエノールアセテートとし、次に環化して
(1R,6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキサ
ンカルバルデヒドを得、これを酸化して(1R,6S)
−2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸と
し、さらにエステル化することにより、本化合物すなわ
ち(1R,6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキ
サンカルボン酸エチルを合成したから、それをここに提
案する。
ー塩として再結晶することにより光学分割を行い、光学
活性なカルボン酸を得る方法の例としてp−イソプロピ
ル−α−メチルジヒドロケイ皮酸(特開昭55−271
66号公報参照)及びp−tert−ブチル−α−メチ
ルジヒドロケイ皮酸(特開昭55−35459号公報参
照)等の例が知られている。
保健衛生材料類の多様化に伴い、香粧品及び保健衛生材
料用香料において従来にない新しい需要が高まり、拡散
性が強く、独特な香質で、し好性が高く、保留性が強
く、かつ安定性が良く、安全性が高い香料物質の開発が
要求されており、特にこれらの要求を満足する花様、果
実様香気を有する香料素材は不足していた。したがっ
て、本発明の目的は上記需要を満足する花様、果実様香
気を付与することのできる香料素材又は香料組成物を提
供することである。
トップノート等のわずかな差異が時として製品の香質を
変えてしまうことが知られている。中でも高級香水等に
おいては、香料単品のデリケートな差が香水としての可
否をきめる場合が多い。特に花様、果実様香気を付加す
る香料単品の場合、天然らしさ、みずみずしさ等のデリ
ケートな香気因子が香料価値として重要となる。本化合
物の立体構造と香気との関係に関して、幾何異性体(シ
ス体及びトランス体)においては、トランス体が優れて
いること、また、トランス体の光学異性体[(1R,6
S)−体と(1S,6R)−体]に関しては、(1R,
6S)−体が優れていることを本発明者らは認識した。
すなわち、トランス体比率が高く、光学純度が高いほど
香気が優れ、香料価値があがる。しかしながら、本発明
者らが最初に得た(1R,6S)−2,2,6−トリメ
チルシクロヘキサンカルボン酸エチルの成分組成は、ト
ランス体である(1R,6S)−体がおおよそ90%で
あり、シス体である(1S,6R)−体が約10%含有
されていた。また、光学純度に関しては光学分割によら
ない場合は原料の光学純度に依存するわけであるが、工
業的に入手できる(3S)−7−メトキシシトロネラー
ルの光学純度が98%eeであるため、製品の光学純度
はそれ以下ということになる。すなわち、本発明者らが
最初に得た(1R,6S)−2,2,6−トリメチルシ
クロヘキサンカルボン酸エチルには、改善すべき余地が
残されていた。したがって(1R,6S)−2,2,6
−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチルの成分組
成において、幾何学的にも、光学的にも純粋な(1R,
6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボ
ン酸エチルの製造法の開発が重要であった。すなわち、
本発明の目的は、花様、果実様香気を付加する新規な香
料成分を開発すること、及び上記の新規な香料成分の製
法、特に幾何学的にも、光学的にも純粋な(1R,6
S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン
酸エチルの製造法を提供することである。
本発明者らは、2,2,6−トリメチルシクロヘキサン
カルボン酸誘導体の合成及びその香気に関して鋭意研究
を行った。その結果、香気特性に関して、2,2,6−
トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチルが拡散性が
強く、し好性の高い独特な花様、果実様香気を有してい
ることを発見し、また、2,2,6−トリメチルシクロ
ヘシサンカルボン酸エチルの2種の幾何異性体の内、特
にトランス体が上述の香気特徴を有することを知見し
た。さらに2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカル
ボン酸エチルの光学活性体の合成を行った結果、4種の
光学異性体の内で(1R,6S)−体が特に上述の香気
特徴を有し、香気強度も優れていることを知見した。そ
こで香料素材として使用すべく安定性、安全性のテスト
を行った結果、安定性、安全性とも極めて高いことを確
認し、さらに創香テストを行った結果、有用な香料とな
りうることを見いだし、本発明を完成した。
る光学活性(1R,6S)−2,2,6−トリメチルシ
クロヘキサンカルボン酸エチル、及びその製造法、なら
びにこの化合物を含有する香料組成物を提供するもので
ある。
ヘキサンカルボン酸エチルは、反応式1に示すようにシ
ス体が主成分となる合成法、及び反応式2に示すように
トランス体が主成分となる合成法の2種類の方法を用
い、香質検討を行った。
シクロシトラール(3)をパラジウム触媒で水素化する
ことにより、シス体:65%、トランス体:35%の組
成の2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルバルデ
ヒド(4)を得、これを硝酸酸化してカルボン酸(5)
とし、カルボン酸(5)を等モルのカセイソーダと4級
アンモニウム塩の触媒量を用い、臭化エチルと反応させ
ることによりシス体:68%、トランス体:32%の組
成の2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸
エチル(2a)を得た。
キシシトロネラール(6)を無水酢酸と反応させてエノ
ールアセテート(7)とし、エノールアセテート(7)
を精製することなくリン酸触媒で環化反応させることに
より、トランス体が90%(シス体が10%)の組成の
2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルバルデヒド
(4)を得た。これを上述した方法で酸化、及びエステ
ル化してトランス体:90%、シス体:10%組成の
2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチ
ル(2b)を得た。
価を行った結果、驚くべきことに反応式2の方法で合成
したトランス体が主成分であるサンプルの方が、香気強
度が強く、独特な花様、果実様香気を有し、し好性が高
いことが判明した。そこでシス体、トランス体を分離
し、香気を確認した結果、シス体は弱くて特徴の無い花
香を有しているが、トランス体は上述の香気特徴を有す
ることが明らかとなった。
法に準じて、原料として市販の光学活性なd−又はL−
7−メトキシシトロネラール(8,12)を用い、反応
式3、反応式4に示す方法で(1R,6S)−2,2,
6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチル
(1)、及び(1S,6R)−2,2,6−トリメチル
シクロヘキサンカルボン酸エチル(16)を合成し、香
質評価を行った結果、(1S,6R)−体(16)は
(1R,6S)−体(1)に比較して香気強度が約3分
の1であり、拡散性および独特な果実香の特徴が欠けて
おるが、一方、(1R,6S)−体(1)は上述した優
れた香気特性を有することが判明した。
ス−2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルバルデ
ヒド(10又は14)を原料として用い、光学活性な
2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸(1
1又は15)とする方法としては、上述した硝酸酸化以
外に、Tetrahedron,37, 2091(1
981)等に記載のある亜塩素酸ナトリウムを用いる方
法、J.Org.Chem.53, 3587(198
8)等に記載のある塩化ルテニウム、過酸化水素を用い
る方法、J.Org.Chem.33, 2525(1
968)等に記載のあるカロ酸を用いる方法、J.Or
g.Chem.53, 3587(1988)等に記載
のあるヘテロポリ酸、過酸化水素を用いる方法等を用い
ることもできる。また、光学活性な2,2,6−トリメ
チルシクロヘキサンカルボン酸(11又は15)をエチ
ルエステル化して、光学活性な2,2,6−トリメチル
シクロヘキサンカルボン酸エチル(1又は16)とする
方法として、カルボン酸(11又は15)を酸触媒を用
いてエタノールと反応させる通常良く知られた方法も用
いることができる。
−トリメチルシクロヘキサンカルバルデヒド(10又は
14)から直接光学活性な2,2,6−トリメチルシク
ロヘキサンカルボン酸エチル(1又は16)を合成する
方法として、Tetrahedron,Lett.2
3, 4647(1982)等に記載のある次亜塩素酸
ナトリウムとエタノールを反応させる方法等も用いるこ
とができる。
−2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エ
チル(1)の製造法に関して鋭意研究を行った。その結
果ラセミ体または光学活性な2,2,6−トリメチルシ
クロヘキサンカルボン酸を不斉アミンを用いてジアステ
レオマー塩とし、この塩を再結晶することにより、幾何
学的にも光学的にも純粋な(1R,6S)−2,2,6
−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸(11)を得る
ことに成功した。このものをエステル化することによ
り、幾何学的にも光学的にも純粋な(1R,6S)−
2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチ
ル(1)を容易に製造することが可能であり、本発明を
完成した。 すなわち、本発明は幾何学的にも光学的に
も純粋な(1R,6S)−2,2,6−トリメチルシク
ロヘキサンカルボン酸エチル(1)の製造法をも提供す
るものである。
トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチル(1又は1
6)を香料素材として使用するにあたり、必要条件であ
る安全性、安定性のテストを行った結果、人の皮膚に対
する刺激や感作性に関して全く陰性であり、安全性が高
いことが判明した。また、石鹸に付香しての安定性も高
く、光による色やけもせず、またさらにpHが3〜10
においては全く安定であることが判明した。
2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチル
(1)を含有してなる拡散性の強い、し好性の高い独特
な花様、果実様香気付与剤あるいは香気改良補強剤を提
供でき、また香気成分として含有する香粧品類、保健衛
生材料、医薬品などを提供することができる。すなわ
ち、シャンプー、リンス類、香水、コロン類、ヘヤート
ニック、ヘヤークリーム類、ポマードその他毛髪用化粧
料基剤、白粉、口紅、その他の化粧料基剤や化粧料洗
剤、石鹸、皿洗い洗剤、洗濯用洗剤、ソフトナー類、消
毒用洗剤類、防臭洗剤類、室内芳香剤、ファーニチュア
ケアー、消毒剤、殺虫剤、漂白剤、その他の各種保健衛
生用洗剤類、歯磨、マウスウオッシュ、トイレットペー
パー、医薬品の服用を容易にするための賦香剤等に、そ
のユニークな香気を付与できる適当量を配合して商品価
値を高めることができる。
料となるラセミ体のトランス体を主成分とする2,2,
6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸の合成に関し
ては、例えば下式に示す2種の合成法があげられる。第
1法として、市販のβ−シクロシトラール(3)をパラ
ジウム等の水素化触媒で水素化して、シス体を主成分と
する2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルバルデ
ヒド(4)を得、これをリン酸等の酸触媒で異性化し
て、トランス体を主成分とする2,2,6−トリメチル
シクロヘキサンカルバルデヒド(トランス体:90−9
5%)を得ることができる。これを一般的に良く知られ
た酸化法、例えば硝酸酸化によって酸化することによ
り、トランス体を主成分とする2,2,6−トリメチル
シクロヘキサンカルボン酸(5)を得ることができる。
第2法として、上記発明と同様にラセミ体の7−メトキ
シシトロネラール(6)をエノールアセタート(7)と
し、これをリン酸等で環化することにより、トランス体
を主成分とする2,2,6−トリメチルシクロヘキサン
カルバルデヒド(4)(トランス体:88−93%)を
得ることができる。これを同様に酸化することにより、
トランス体を主成分とする2,2,6−トリメチルシク
ロヘキサンカルボン酸(5)(トランス体:88−93
%)を合成することができる。
2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸(5)の
光学分割を行うための分割剤となる不斉アミンとして、
例えば1−フェニルエチルアミン、1−フェニル−2−
トリルエチルアミン、1−(1−ナフチル)エチルアミ
ン等のアリールアルキルアミン類、キニン、プルシン、
シンコニン等の天然物アルカロイド類、アミノアルコー
ル類等種々のアミン類が用いられるが、好ましくはアリ
ール基を有するエチルアミンで代表される一級アミンが
挙げられる。この中でも高い光学純度製品を収率良く得
るには、特に1−フェニルエチルアミン、1−(1−ナ
フチル)エチルアミンをもちいる。
溶性及び易容性ジアステレオマー塩が室温から沸点の間
で溶解し、そのまま室温でもしくは冷却、濃縮等により
ジアステレオマー塩が析出する溶媒であれば良い。例え
ばメタノール、エタノールのようなアルコール類、酢酸
エチル、酢酸メチルのようなエステル類、クロロホル
ム、塩化メチレンのような塩素化炭化水素、ジエチルエ
ーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、n−
ヘキサン、ベンゼン等の炭化水素類あるいは水等が単独
もしくはこれらの2種以上の混合溶媒の形で使用され
る。特に好ましくはn−ヘキサン−酢酸エチルの混合
系、及び単独のジイソプロピルエーテルが挙げられる。
ある。上述したような適当な単独もしくはこれらの2種
以上の混合溶媒系に、室温において2,2,6−トリメ
チルシクロヘキサンカルボン酸(5)と光学活性アミン
とを加えて造塩した後、その溶液を加熱、撹拌して均一
に溶解させる。この溶液の温度をゆるやかに室温まで下
げて、溶解しているジアステレオマー塩を選択的に晶析
させ、結晶を分離させることにより行われる。なお、晶
析に際しては、特に種を加える必要はないが、晶析を速
やかにするためにジアステレオマー塩の微量を結晶化の
ための種として加えることも有効である。
6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸に対して、
0.7−1.1当量程度の範囲で使用することが好まし
い。このようにして得られたジアステレオマー塩は、常
法により脱塩され、目的の光学活性な(1R,6S)−
2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸(1
1)を得、同時に光学活性アミンの回収を行う。例えば
ジアステレオマー塩に希塩酸水及び有機溶媒を加え、良
く振とうして分解し、(1R,6S)−2,2,6−ト
リメチルシクロヘキサンカルボン酸(11)を含有する
有機層と、光学活性アミン塩酸塩を含有する水層を分離
した後、有機層を水洗、脱水、溶媒留去を行い、蒸留あ
るいはシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより光学
活性な(1R,6S)−2,2,6−トリメチルシクロ
ヘキサンカルボン酸(11)を得ることができる。水層
は希カセイソーダで塩基性とし、有機溶媒とよく振とう
して分離した後、有機溶媒層から光学活性アミンを回収
する。
キサンカルボン酸の両光学対掌体は、それらの旋光度の
測定及び当該最終生成物である2,2,6−トリメチル
シクロヘキサンカルボン酸エチルへ変換した後、光学活
性シクロデキストリンを担持したキャピラリーカラムに
よるガスクロマトグラフィー分析を行い、両鏡像体に伴
う面積百分率の差を光学対掌体過剰率(エナンチオメト
リックエクセス:e.e)あるいは光学純度として用い
た(野崎一著「ほしいものだけを作る化学」裳華房発
行、第236頁、1983年版参照)。なお、得られた
幾何学的、光学的に純粋な(1R,6S)−2,2,6
−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸(11)をエス
テル化して幾何学的、光学的に純粋な(1R,6S)−
2,2,6−トリチメチルシクロヘキサンカルボン酸エ
チル(1)とする方法としては、良く知られた方法とし
て酸触媒を用いてエタノールと反応させる方法、あるい
は相間移動触媒を用いてカセイソーダ(またはカセイカ
リ)と臭化エチル(またはヨウ化エチル)の系で反応さ
せる方法等がある。以下に実施例を示して本発明の詳細
を説明する。
例で説明するが、これらの諸例は説明のためのものであ
って、本発明を限定するものではない。
2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチル
(2a)の合成 1−A) 500ミリリットルのオー卜クレーブにβ−
シクロシトラール(3):200g(ガスクロマトグラ
フィー純度:94%)、イソプロピルアルコール:10
0g、5%パラジウムアルミナ触媒:5g、水素圧5k
g/cm2、反応温度25℃にて理論量の水素が消費さ
れるまで反応を行った。反応液の触媒をロ過して除き、
ロ液を減圧下、エバポレーターでイソプロピルアルコー
ルを回収し、濃縮油:201gを得た。この濃縮油:2
01gを30cmヘリパック充填蒸留器で精密蒸留を行
い、2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルバルデ
ヒド(4):168g[沸点:77.5−79.5℃/
8mmHg、ガスクロマトグラフ(機種:HEWLET
T PACKARD 5890、カラム:Carbow
ax 20M(HP)0.2mm×25m、条件:80
℃〜220℃、5℃/min.、以後の分析はすべて同
一機種、同一カラム及び同一条件を用いた。)での成分
組成:トランス体:35%、シス体:65%]を得た。 分析データー:MS(CI)M/e (4)−トランス体:154(M+,14) 139
(9) 121(16)111(20) 95(16)
84(36) 69(100) 55(36) 41
(20) (4)−シス体: 154(M+,16) 139
(8) 121(17)111(21) 96(28)
85(69)69(100) 55(42) 41
(27)
ト、撹はん装置のついた300ミリリットル4口フラス
コに、硝酸(60%水溶液):39gを入れて加熱し、
55℃まで温度を上げる。これにかきまぜながら、合成
例1−Aで合成した2,2,6−トリメチルシクロヘキ
サンカバルデヒド(4)[成分組成:(トランス体:3
5%、シス体:65%]:93g(0.60モル)を2
時間かけて滴下した。滴下後3時間同温度で反応させた
のち、室温にしてトルエン100g及び水100gを加
えて水洗分液し、有機層をさらに飽和食塩水100gで
3回水洗分液を行った後、トルエンを減圧下にエバポレ
ーターで留去して、粗2,2,6−トリメチルシクロヘ
キサンカルボン酸(5)[成分組成:(トランス体:3
5%、シス体:65%]101gを得た。 分析データー:MS(CI)M/e (5)−トランス体:170(M+,7) 152(3
5) 137(4)127(7) 110(100)
100(7) 87(54) 69(96) 56(4
6) 41(30)29(3) (5)−シス体: 170(M+,6) 152(3
5) 137(4)127(7) 110(100)
100(55)87(55) 69(91) 56(4
4)41(30) 29(1)
ト、撹はん装置のついた300ミリリットル4口フラス
コに相間異動触媒であるトリカプリルイルメチルアンモ
ニウムクロライド(商品名:Aliquat 336)
55g(0.0135モル)とカセイカリ38.0g
(0.68モル)を入れ、これに1−Bで合成した2,
2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸(5):
46g(0.27モル)とトルエン:79ミリリットル
の溶液を40℃以下で30分で滴下した。滴下終了20
分後、臭化エチル:41.3g(0.367モル)を4
0〜45℃で1時間で滴下した。さらに同温度で3時間
かきまぜて反応を終了した。反応液を水:200ミリリ
ットルで水洗分液後、有機層を3%塩酸水溶液:100
ミリリットルで水洗分液し、さらに有機層を各100ミ
リリットルの5%ソーダ灰水溶液及び飽和食塩水で2回
水洗分液を行い、得られた有機層を減圧下、エバポレー
ターでトルエンを留去して濃縮油:54gを得た。この
濃縮油:54gをウイッドマー蒸留器で精密蒸留し、
2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチ
ル(2a):38g(沸点:98℃/10mmHg,ガ
スクロマトグラフィー純度:トランス体32%、シス体
68%)を得た。 分析データーMS(CI)M/e (1)−トランス体:198(M+,8) 183
(4) 152(87)109(86) 87(53)
69(100) 55(62) 41(95) 29
(96) (1)−シス体: 198(M+,10) 183
(4) 152(90)129(58) 110(8
3) 87(52)69(100) 55(48) 4
1(80)29(62)
2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチ
ル(2b)の合成 2−A)コンデンサー、温度計、滴下ロート及び撹はん
装置をつけた2リットルの4口フラスコに窒素気流下、
無水酢酸305g、酢酸ナトリウム9.5g、トリエチ
ルアミン247gをいれ、かきまぜながら加熱して75
℃とし、この溶液にラセミ体のメトキシシトロネラール
(6)(市販品:高砂香料工業社製)350gを1時間
で滴下した。滴下後、反応液を6時間還流(101〜1
17℃)させたのち5℃まで冷却し、水200g、トル
エン200gを加えて水洗分液し、さらに水200gを
加えて水洗分液を2回行い、エノールアセテート(7)
のトルエン液590gを得た。この溶液をガスクロマト
グラフィーで測定すると化合物(7)はシス体29.5
%、トランス体62.7%、ジアセテート(17)5.
3%の組成であった。
0),155(42),137(100),95(1
2),73(41) (7)シス体: 229(M+1,3),197(1
00),155(88),137(98),95(2
4),73(82) (18): 289(M+1,0.2),197
(85),155(75),137(100),103
(19),73(33)
び撹はん装置をつけた2リットルの4口フラスコに、得
られた化合物(7)のトルエン液590g、85%リン
酸210g、トルエン175gを加え、窒素気流下、か
きまぜながら加熱し、3時間還流(還流温度70〜10
5℃)させた(生成するメタノールをトルエンとともに
少しずつ系外に除き還流温度を調整した)。反応液を5
℃まで冷却し、冷水700ミリリットルで処理して水洗
分液を行い、さらに水700ミリリットル、5%ソーダ
灰水溶液:700ミリリットル及び飽和食塩水:700
ミリリットルでおのおの1回ずつ水洗分液した後、トル
エンを減圧下に留去し、濃縮油305gを得た。得られ
た濃縮油を30cmヘリパック充填蒸留器で精密蒸留を
行い、2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルバル
デヒド(4)149g〔沸点=79.5〜80.5℃/
8mmHg]、ガスクロマトグラフィー組成:トランス
体=90%、シス体=10%]を得た。
ト、撹はん装置のついた300ミリリットル4口フラス
コに、硝酸(60%水溶液):40gを入れ、加熱して
55℃まで温度を上げる。これにかきまぜなから、合成
例2−A)で合成した2,2,6−トリメチルシクロヘ
キサンカバルデヒド(4)[成分組成:(トランス体:
90%,シス体10%]:95g(0.62モル)を2
時間かけて滴下した。滴下後3時間同温度で反応させた
のち、室温にしてトルエン100g及び水100gを加
えて水洗分液し、有機層をさらに飽和食塩水100gで
3回水洗分液を行った後、トルエン80ミリリットルを
減圧下にエバポレーターで留去して、粗2,2,6−ト
リメチルシクロヘキサンカルボン酸(5)[成分組成:
(トランス体:89%、シス体:11%]:104g
(融点:44〜54℃)を得た。なお(5)のシス、ト
ランス体のマススペクトルは合成例−1のものと同一ス
ペクトルであった。
ト、撹はん装置のついた300ミリリットル4口フラス
コに相間異動触媒であるトリカプリルイルメチルアンモ
ニウムクロライド(商品名:Aliquat 336)
5.6g(0.0137モル)とカセイカリ38.9g
(0.69モル)を入れ、2−B)で合成した2,2,
6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸(5)47.
5g(0.28モル)とトルエン:80ミリリットルの
溶液を40℃以下で30分で滴下した。滴下の20分
後、臭化エチル:42.3g(0.375モル)を40
〜45℃で1時間で滴下した。さらに同温度で3時間か
きまぜて反応を終了した。反応液を水:200ミリリッ
トルで水洗分液後、有機層を3%塩酸水溶液:100ミ
リリットルで水洗分液し、さらに有機層を各100ミリ
リットルの5%ソーダ灰水溶液及び飽和食塩水で2回水
洗分液を行い、得られた有機層を減圧下にエバポレータ
ーでトルエンを留去し、濃縮油:55gを得た。この濃
縮油:55gを30cmウイッドマー蒸留器で精密蒸留
し、2,2,6−トリメチルシクロヘキシサンカルボン
酸エチル(2a):39g[沸点:98℃/10mmH
g、ガスクロマトグラフィー純度:トランス体:90
%、シス体:10%]を得た。
クロヘキサンカルバルデヒド(4)から直接2,2,6
−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチル(2a)
の合成 コンデンサー、温度計、滴下ロート及び撹はん装置のつ
いた1リットルの4口フラスコに合成例2で合成した
2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルバルデヒド
(4):57g[ガスクロマトグラフィー組成:トラン
ス体:90%、シス体:10%]、酢酸:45g及びエ
タノール:250ミリリットルを入れてかきまぜて10
℃に冷却後、市販の次亜塩素酸ナトリウム水溶液(活性
塩素:9.5%):600gを1時間かけて同温度で滴
下した。滴下終了後、室温にもどし、1時間かきまぜて
反応を終了した。反応液のガスクロマトグラフィー成分
組成は2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン
酸エチル(2a):62%、2,2,6−トリメチルシ
クロヘキサンカルボン酸(5):27%、その他の未知
成分11%であった。
液した後、トルエン層を10%カセイソーダ水溶液で水
洗分液して(5)を除去した後、トルエンを留去して濃
縮油(48g)を得た。この濃縮油(48g)を15c
mのヘリパック充填蒸留器で精密蒸留を行い、2,2,
6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチル(1
a):28g[沸点:96.5〜98℃/10mmH
g、ガスクロマトグラフィーでの純度:トランス体:8
9%、シス体:11%]を得た。
6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチル(1)
の合成 4−A)コンデンサー、温度計、滴下ロート及び撹はん
装置をつけた5リットルの4口フラスコに窒素気流下、
無水酢酸871g、酢酸ナトリウム27g、トリエチル
アミン706gをいれ、かきまぜながら加熱して75℃
とし、この溶液に =−10.42°、光学純度=98%ee)1kgを1
時間で滴下した。滴下後、反応液を6時間還流(10〜
15℃)させたのちに5℃まで冷却し、水500g、ト
ルエン500gを加えて水洗分液し、さらに水500g
を加えて水洗分液を2回行い、エノールアセテート
(9)のトルエン液1690gを得た。この溶液をガス
クロマトグラフィーで分析したところ、シス体:29.
0%、トランス体:62.9%、ジアセテート(1
8):5.5%であった。この反応で得られたエノール
アセテート及びジアセタールのマススペクトルは、合成
例2の(7)−トランス体、(7)−シス体、18と同
一であった。
び撹はん装置をつけた5リットルの4口フラスコに、得
られた化合物(9)のトルエン液1690gに85%リ
ン酸620g、トルエン500gを加え、窒素気流下、
かきまぜながら加熱して3時間還流(還流温度71〜1
07℃)させた(生成するメタノールをトルエンととも
に少しずつ系外に除いて還流温度を調整した)。反応液
を5℃まで冷却し、冷水2000ミリリットルで処理し
て水洗分液を行い、さらに水2000ミリリットル、5
%ソーダ灰水溶液2000ミリリットル及び飽和食塩水
2000ミリリットルでおのおの1回ずつ水洗分液した
後、トルエンを減圧下に留去し、濃縮油872gを得
た。得られた濃縮油を1mヘリパック充填蒸留器で精密
蒸留を行い、光学活性2,2,6−トリメチルシクロヘ
キサンカルバルデヒド(10)425g[沸点=80〜
81℃/8mmHg]、 ,6S)体=90%、シス体(1S,6S)体=10
%]を得た。
ト、撹はん装置のついた300ミリリットル4口フラス
コに、硝酸(60%水溶液):42gを入れ、加熱して
55℃まで温度を上げる。これにかきまぜながら、合成
例4−A)で合成した(1R,6S)−2,2,6−ト
リメチルシクロヘキサンカバルデヒド(10)[成分組
成:(1R,6S)−体:90%、(1S,6S)−
体:10%]:100g(0.65モル)を2時間かけ
て滴下した。滴下後に3時間同温度で反応させたのち、
室温にしてトルエン100g及び水100gを加えて水
洗分液し、有機層をさらに飽和食塩水100gで3回水
洗分液を行った後、トルエンを減圧下にエバポレーター
で留去して、粗(1R,6S)−2,2,6−トリメチ
ルシクロヘキサンカルボン酸(11)[成分組成:(1
R,6S)−体:91%、(1S,6S)−体:9
%]:109g(融点:44−54℃)を得た。これを
塩化メチレンを溶媒として再結晶を行い、純粋な(1
R,6S)−2,2,6−トリメチル +14.37°):52gを得た。
3(d,3H,J=5.94) 0.907(m,1
H) 0.99(s,1H)1.010(s,1H)
1.18(m,1H) 1.42(m,1H) 1.5
0(m,2H) 1.73(m,1H) 1.83
(m,2H) MS m/e:170(M+,7) 152(35)
137(4) 127(7) 110(100) 10
0(7) 87(54) 69(96) 56(46)
41(30) 29(3) IR(cm−1):3400〜2500,2950,2
925,1700,950
ト、撹はん装置のついた300ミリリットル4口フラス
コに相間異動触媒であるトリカプリルイルメチルアンモ
ニウムクロライド(商品名:Aliquat 33
6):5.9g(0.0145モル)とカセイカリ
(0.73モル):40.9gを入れ、4−B)で合成
した(1R,6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘ
キサンカルボン酸(11):50g(0.29モル)と
トルエン:85ミリリットルの溶液を40℃以下で30
分で滴下した。滴下終了20分後、臭化エチル:44.
5g(0.395モル)を40〜45℃で1時間で滴下
した。さらに同温度で3時間かきまぜて反応を終了し
た。反応液を水:200ミリリットルで水洗分液後、有
機層を3%塩酸水溶液:100ミリリットルで水洗分液
し、さらに有機層を各100ミリリットルの5%ソーダ
灰水溶液及び飽和食塩水で2回水洗分液を行い、得られ
た有機層を減圧下にエバポレーターでトルエンを留去
し、濃縮油:58gを得た。この濃縮油:58gを30
cmウイッドマー蒸留器で精密蒸留し、純粋な(1R,
6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボ
ン酸エチル(1):41g[沸点 トグラフィー純度:99.9%以上]を得た。
シクロヘキサンカルボン酸エチル(1)の分析データー1 HNMR(400MHz,CDCl3)δ:0.82
6(d,3H,J=6.0Hz) 0.90(m,1
H) 0.936(s,3H)0.970(s,3H)
1.15(m,1H) 1.26(t,3H,J=
7.1Hz) 1.39(m,1H) 1.50(m,
2H) 1.69(m,1H) 1.79(d,1H,
J=11.4Hz) 1.85(m,1H) 4.14
(q,2H,J=7.1Hz) MS m/e:198(M+,8) 183(4) 1
52(27) 109(86) 87(53) 69
(100) 55(62)41(95) 29(96) IR(cm−1):2925,1740,1460,1
385,1240,1195,1040
6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチル(1
6)の合成 5−A)コンデンサー、温度計、滴下ロート及び撹はん
装置をつけた2リットルの4口フラスコに窒素気流下、
無水酢酸280g、酢酸ナトリウム9g、トリエチルア
ミン230gをいれ、かきまぜながら加熱して75℃と
し、この溶液にd 10.52°、光学純度=98%ee)320gを1時
間で滴下した。滴下後、反応液を6時間還流(100〜
119℃)させたのち5℃まで冷却し、水160g、ト
ルエン160gを加えて水洗分液し、さらに水160g
を加えて水洗分液を2回行い、エノールアセタート(1
3)のトルエン液540gを得た。ガスクロマトグラフ
ィー組成はシス体(14):30%、トランス体(1
4):63%、ジアセタート(19):5.0%であっ
た。この反応で得られたエノールアセタート(13)及
びジアセタート(19)は、合成例2の(7)−トラン
ス体、(7)−シス体、19と同一マススペクトルであ
った。
び撹はん装置をつけた2リットルの4口フラスコに、得
られた化合物(13)のトルエン液540g、85%リ
ン酸200g、トルエン160gを加え、窒素気流下、
かきまぜながら加熱して3時間還流(還流温度80〜1
08℃)させた(生成するメタノールをトルエンととも
に少しずつ系外に除き還流温度を調整した)。反応液を
5℃まで冷却し、冷水640ミリリットルで処理して水
洗分液を行い、さらに水640ミリリットル、5%ソー
ダ灰水溶液640ミリリットル及び飽和食塩水640ミ
リリットルでおのおの1回ずつ水洗分液した後、トルエ
ンを減圧下に留去し、濃縮油280gを得た。得られた
濃縮油を30cmヘリパック充填蒸留器で精密蒸留を行
い、光学活性2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカ +0.49°、ガスクロマトグラフィーでの純度:[ト
ランス(1S,6R)体=91%、シス(1R,6R)
体=9%]を得た。
ト、撹はん装置のついた300ミリリットル4口フラス
コに、硝酸(60%水溶液):38gを入れ、加熱して
55℃まで温度を上げる。これにかきまぜながら、合成
例5−A)で合成した(1S,6R)−2,2,6−ト
リメチルシクロヘキサンカバルデヒド(14)[成分組
成:(1S,6R)−体:91%、(1R,6R)一
体:9%]:90g(0.58モル)を2時間かけて滴
下した。滴下後、3時間同温度で反応させたのち、室温
にしてトルエン90g及び水100gを加えて水洗分液
し、有機層をさらに飽和食塩水100gで3回水洗分液
を行った後、トルエンを減圧下にエバポレーターで留去
して、粗(1S,6R)−2,2,6−トリメチルシク
ロヘキサンカルボン酸(15)[成分組成:(1S,6
R)−体:91%、(1R,6R)−体:9%]:98
gを得た。これを塩化メチレンを溶媒として再結晶を行
い、純粋な(1S,6R)−2,2,6−トリメチルシ
クロヘキサンカルボン酸(15 た。
ト、撹はん装置のついた300ミリリットル4口フラス
コに相間異動触媒であるトリカプリルイルメチルアンモ
ニウムクロライド(商品名:Aliquat 33
6):5.3g(0.013モル)とカセイカリ(0.
65モル):37gを入れ、5−B)で合成した(1
S,6R)−2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカ
ルボン酸(15):45g(0.26モル)と、トルエ
ン:80ミリリットルの溶液を40℃以下で30分で滴
下した。滴下終了20分後、臭化エチル:40g(0.
355モル)を40〜45℃で1時間で滴下した。さら
に同温度で3時間かきまぜて反応を終了した。反応液を
水:200ミリリットルで水洗分液後、有機層を3%塩
酸水溶液:100ミリリットルで水洗分液し、さらに有
機層を各100ミリリットルの5%ソーダ灰水溶液及び
飽和食塩水で2回水洗分液を行い、得られた有機層を減
圧下、エバポレーターでトルエンを留去して濃縮油:5
2gを得た。この濃縮油52gを30cmウイッドマー
蒸留器で精密蒸留し、純粋な(1S,6R)−2,2,
6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチル(1
6):37g[沸点:98℃/ 度:99.9%以上]を得た。
サンカルボン酸エチル(2b)を石鹸に対して付香し、
ガラス容器に密閉して50℃の恒温器に入れ、2月間安
定性テストを行った。香質の変化を5人の専門パネラー
によって調べた結果、分解臭など無くて香気の変化及び
劣化は認められず、経時的に安定であることが判明し
た。また、太陽光に対する安定性について調べるため、
上記石鹸を太陽光の下に室温で1ヶ月間置き、色焼けテ
ストを行った結果、色焼けは全く認められなかった。
シクロヘキサンカルボン酸エチル(2b)の酢酸酸性溶
液(pH=3)を作成した。 酢酸 : 1g クエン酸トリエチル :50g 合成例−2で得た2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸 エチル(2b) :10g n−ドデカン(内標) : 1g この溶液を100ミリリットルのガラス容器に入れ、4
0℃の恒温室で1ヶ月間保存した後、ガスクロマトグラ
フィーで組成の変化を調べた。その結果、変化は認めら
れず、2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン
酸エチルは酢酸酸性下では安定であることが判明した。
シクロヘキサンカルボン酸エチル(2b)の塩基性溶液
(pH=10)を作成した。 トリエチルアミン : 1g クエン酸トリエチル :50g 合成例2で得た2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン 酸エチル : 5g 水 : 0.5g メタノール :10g n−ドデカン(内標) : 1g この溶液を100ミリリットルのガラス容器に入れ、4
0℃の恒温室で1ヶ月間保存した後、ガスクロマトグラ
フィーで組成の変化を調べた。その結果、変化は認めら
れず、2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン
酸エチル(2b)はアミン塩基性(pH=10)下では
安定であることが判明した。
カルボン酸エチル(2b)の安全性に関して感作性テス
ト、皮膚一次刺激テスト、光毒性テスト及び変異原性テ
ストを行ったが、いずれも陰性であり、安全性が非常に
高いことが判明した。
剤組成物を調製した。 処 方 重量部 過炭酸ナトリウム 93.7 酵素(アルカラーゼ29T:ノボインダストリー社製) 1.0 無水硫酸カルシウム 5.0 合成例1で得た2,2,6−トリメチルミクロヘキサンカルボン 酸エチルの50%エタノール溶液 0.3 ──────────────────────────────────── 合計 100.0
成例2で得たトランス体が主成分である2,2,6−ト
リメチルシクロヘキサンカルボン酸エチル(トランス
体:90%、シス体:10%)の代わりに、合成例1で
得たシス体が主成分である2,2,6−トリメチルシク
ロヘキサンカルボン酸エチル(2b)及び合成例4で得
た光学活性な(1R,6S)−2,2,6−トリメチル
シクロヘキサンカルボン酸エチル(1)を使用したもの
について、酵素臭のマスキングに関して比較テストを行
った。すなわち、上記漂白剤組成物をポリ容器ボトルに
密閉し、恒温室に入れて40℃で30日間保存し、酵素
臭の変化をしらべた。10人の専門パネラーにより判定
した結果を表1に示す。
6S)−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチル
(1)を用いた漂白剤は、完全に酵素臭をマスキングす
ること、及び合成例2で得たトランス体を主成分とする
2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチ
ル(2b)を用いた漂白剤もほぼ満足できることが判明
した。また、両者とも香質の変化は全く無かった。
主成分である2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカ
ルボン酸エチル(2b)(トランス体:90%、シス
体:10%)、合成例1で得たシス体が主成分である
2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチ
ル(2a)及び合成例4で得た光学活性な(1R,6
S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン
酸エチルを用いて、下記処方の女性用フローラルブーケ
調のフレグランスを作成し、20人の専門パネラーによ
って、し好性テストを行った。
−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチル(1)及
び合成例2で得たトランス体を主成分とする2,2,6
−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチル(2b)
を用いた処方例であるおのおのの処方例1及び2に関し
て、全員がブランクに比較してトップノートにまとまり
があり、天然のやさしい花らしさがあり、好きであると
答えた。また合成例1で得たシス体が主成分である2,
2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチル
(2a)を用いた処方例3の場合は、5人が処方例3の
方がブランクに比較して好きであると答えたが、13人
が2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エ
チルを添加した効果が感じられないと答え、さらに2人
はブランクの方が好きであると答えた。なお処方例−1
と処方例2との比較においては、18人が処方例1の方
がトップノートの拡散性が強く、いきいきした香調があ
り好きであると答えた。
主成分である2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカ
ルボン酸エチル(2b)(トランス体:90%、シス
体:10%)を用いて、下記処方のし好性の高いローズ
ベースを作成した。 処 方 重量部 ノニルアルデヒド : 2 β−ヨノン : 30 酢酸シス−3−ヘキセニル : 3 L−シトロネロール : 80 L−酢酸シトロネリル : 7 ゲラニオール : 110 フェニルエチルアルデヒドジメチルアセタール : 50 イソシクロシトラール : 6 L−ローズオキサイド : 10 シス−3−ヘキセノール : 7 メチルオイゲノール : 20 ネロール : 20 酢酸フェニルエチル : 65 フェニルエチルアルコール : 560 合成例−2の2,2,6−トリメチル−シクロヘキサンカルボン 酸エチル(2b) : 30 合計 1000
S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン
酸エチル(1)を用いて、し好性の高い下記処方のシト
ラス調フレグランスを作成した。 処 方 重量部 酢酸ベンジル : 6 ベルガモット油 : 100 シトラール : 30 L−シトロネロール : 10 酢酸ゲラニル : 60 グレープフルーツ油 : 50 ジヒドロジャスモン酸メチル : 50 ヘリオトロピン : 2 レモン油 : 250 ライム油 : 30 リナロール : 50 酢酸リナリル : 100 エチレンブラシレー卜 : 15 オレンジ油 : 190 プチグレン シトロニア油 : 2 フェニルエチルアルコール : 20 酢酸スチラリル : 15 4−(4−メチル−3−ペンテニル)−3−シクロヘキセン− 1−カルバルデヒド : 5 (1R,6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカル ボン酸エチル(1) : 15 合計 1000
原料としたラセミ体のトランス体を主成分とする2,
2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸(5)の
合成(1) (6−A)500ミリリットルのオートクレーブにβ−
シクロシトラール(3)の200g(ガスクロマトグラ
フィー純度は94%)、イソプロピルアルコールの10
0g、5%パラジウムアルミナ触媒の5g、水素圧5k
g/cm2、反応温度25℃において理論量の水素が消
費されるまで水素化反応を行った。反応液から触媒をロ
過して除き、ロ液から減圧下にエバボレーターでイソプ
ロピルアルコールを回収し、粗2,2,6−トリメチル
シクロヘキサンカルバルデヒド(4)の濃縮油201g
[ガスクロマトグラフでの成分組成はトランス体:2
9.8%、シス体:70%、その他:0.3%]を得
た。この濃縮油(201g)をパラトルエンスルホン酸
(20g)、トルエン(800ミリリットル)と共に8
0℃において10時間反応させたのち、常法にて水洗中
和し、トランス体を主成分とする粗2,2,6−トリメ
チルシクロヘキサンカルバルデヒド(4)の濃縮油(1
97g)を得た。この濃縮油:197gを30cmヘリ
パック充填蒸留器で精密蒸留を行い、2,2,6−トリ
メチルシクロヘキサンカルバルデヒド(4)の138g
[沸点は78.6−80.6℃/8mmHg、ガスクロ
マトグラフィーでの組成はトランス体:90.2%、シ
ス体:9.8%]を得た。
ート、撹拌装置のついた300ミリリットル4口フラス
コに、硝酸(60%水溶液)39gを入れて加熱し、5
5℃まで温度を上げた。これにかきまぜながら、6−A
で合成した2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカル
バルデヒド(4)[成分組成:(トランス体:90.2
%、シス体:9.8%]の93g(0.60モル)を2
時間かけて滴下した。滴下後3時間同温度で反応させた
のち、室温にしてトルエン100g及び水100gを加
えて水洗分液し、有機層をさらに飽和食塩水100gで
3回水洗分液を行った後、トルエンを減圧下にエバボレ
ーターで留去して、粗2,2,6−トリメチルシクロヘ
キサンカルボン酸(5)[成分組成:(トランス体:9
0.5%、シス体:9.5%]101gを得た。
アミンを用いた2,2,6−トリメチルシクロヘキサン
カルボン酸の光学分割 合成例6で得たラセミ体を主成分とする2,2,6−ト
リメチルシクロヘキサンカルボン酸(5)[トランス体
90.5%,シス体9.5%]90.0g(0.528
モル)を室温においてn−ヘキサン10,800ミリリ
ットル中に加え、さらに(R)−(+)−1−(1−ナ
フチル)エチルアミン90.3g(0.528モル)を
撹拌しながら加え、沈殿を生じさせた。この沈殿物を含
む反応系に酢酸エチル810ミリリットルを添加し、撹
拌加熱して溶解させ、均一溶液にした後、加熱を止め、
そのまま一晩放置した。生成した結晶を同様に4回(合
計5回)の再結晶操作をくりかえし、20.4gの白色
針状結晶(1R,6S)−卜リメチルシクロヘキサンカ
ルボン酸−(R)−(+)−1−(1−ナフチル) 1,EtOH)を得た。収率は11.3%であった。
ジエチルエーテル900ミリリットル中で室温下30分
撹拌し、分液後にジエチルエーテル層を飽和食塩水30
0ミリリットルで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水
後、溶媒を留去し、10.2gの光学活性な(1R,6
S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン
酸(11)[ガスクロマトグラフィーでの純度はトラン
ス体99.9%,シス体 tOH)]を得た。なお、水層をカセイソーダ(48.
8g)で塩基性(pH10)とした後、ジエチルエーテ
ル700ミリリットルで抽出し、9.3gの(R)−
(+)−1−(1−ナフチル)エチルアミンを回収し
た。この(1R,6S)−2,2,6−トリメチルシク
ロヘキサンカルボン酸(11)の光学純度は、トルエン
を溶媒とし、相間移動触媒存在下で、水酸化カリウムと
臭化エチルを用いたエチル化法により光学活性な目的化
合物すなわち(1R,6S)−2,2,6−トリメチル
シクロヘキサンカルボン酸エチル(1)へ変換した後、
CP−シクロデキストリン−B−236−M−19を担
持した光学活性キャピラリーカラム(50ミリリットル
×0.25mm)で、85℃一定の条件で分析を行な
い、得られた2種のジアステレオマーの面積百分率の差
から光学純度97.5%eeと決定した。
ルアミンを用いた2,2,6−トリメチルシクロヘキサ
ンカルボン酸の光学分割 合成例4−Bで得られた光学純度98%eeで、光学活
性な2,2,6−トリ 0g(0.159モル)を、室温においてジイソプロピ
ルエーテル1080ミリリットル中に加え、さらに
(+)−1−フェニルエチルアミン(以下、これを
「(+)−PEA」と略称する。)の19.2g(0.
159モル)を撹拌しながら加え、沈殿を生じさせた。
この沈殿物を含む反応系を撹拌加熱して溶解させて均一
溶液にした後、加熱を止め、そのまま一晩放置した。生
成した結晶を同様に1回(合計2回)の再結晶操作をく
りかえし、15.2gの白色 0.99、EtOH)を得た。収率は56.3%であっ
た。この塩を10%塩酸200ミリリットルとジエチル
エーテル600ミリリットル中で室温下30分撹拌し、
分液後にジエチルエーテル層を飽和食塩水200ミリリ
ットルで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、溶媒を
留去し、8.8gの(1R,6S)−2,2,6−トリ
メチルシクロヘキシルカルボン酸(11)[ (C=0.51,EtOH)]を得た。
で塩基性(pH10)とした後、ジエチルエーテル(5
00ミリリットル)で抽出し、5.7gの(+)−PE
Aを回収した。この(1R,6S)−2,2,6−トリ
メチルシクロヘキサンカルボン酸(11)の光学純度
は、合成例7で述べた方法により、99.99%eeと
決定した。なお上記光学分割した(1R,6S)−2,
2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸(11)
のエステル化は、下記処方によって行った。
装置のついた100ミリリットル4口フラスコに相間異
動触媒であるトリカプリルイルメチルアンモニウムクロ
ライド(商品名:Aliquat 336)10.2g
(0.0025モル)とカセイカリ7.0g(0.12
6モル)を入れ、(1R,6S)−2,2,6−トリメ
チルシクロヘキサンカルボン酸(11)の8.5g
(0.05モル)とトルエン15ミリリットルの溶液を
40℃以下で30分で滴下した。滴下終了20分後、臭
化エチル7.6g(0.068モル)を40〜45℃で
1時間で滴下した。さらに同温度で3時間かきまぜて反
応を終了した。反応液を水37ミリリットルで水洗分液
後、有機層を3%塩酸水溶液19ミリリットルで水洗分
液し、さらに有機層を各19ミリリットルの5%ソーダ
灰水溶液及び飽和食塩水で2回水洗分液を行い、得られ
た有機層から減圧下にエバポレーターでトルエンを留去
して、濃縮油10.0gを得た。この濃縮油10.0g
をミクロ蒸留器で精密蒸留し、(1R,6S)−2,
2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチル
(1)6g(沸点は99℃/10mmHg)を得た。こ
れをガスクロマトグラフィーで分析し、ガスクロマトグ
ラフィー純度100% このものを処方例のテストサンプルとして用いた。
0%の(1R,6S)−2,2,6−トリメチルシクロ
ヘキサンカルボン酸エチル(1)と、合成例4−Cで得
た光学純度98%eeの(1R,6S)−2,2,6−
トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチル(1)を用
いて下記処方の女性用フローラルブーケ調のフレグラン
スを作成し、20人の専門パネラーによって、し好性テ
ストを行った。その結果、15人が「合成例7で得たも
のを使用した処方例1の方がトップノートにまとまりが
あり、より水々しく、天然のやさしい花らしさがあり、
好きである」と答えた。また、4人は「両者ともほぼ同
じである」と答え、1人は4−Bで得たものの方が好き
である」と答えた。
−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチル、特にそ
の光学活性体を含有する香料組成物を提供するものであ
る。すなわち、(1R,6S)−2,2,6−トリメチ
ルシクロヘキサンカルボン酸エチルは香料としての性質
に優れ、その光学活性体を含有する香料組成物は、各種
香粧品類、保健衛生材料、医薬品、塗料等の広い分野に
用いられる。
Claims (5)
- 【請求項1】式(1)で示される(1R,6S)−2,
2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチル。 【化1】 - 【請求項2】式(1)で示される(1R,6S)−2,
2,6−トリメチルシクロヘキサンカルボン酸エチルを
含有することを特徴とする香料組成物。 【化2】 - 【請求項3】トランス−2,2,6−トリメチルシクロ
ヘキサンカルバルデヒドを酸化して対応するカルボン酸
に変換し、このカルボン酸をエチルエステル化すること
を特徴とする(1R,6S)−2,2,6−トリメチル
シクロヘキサンカルボン酸エチルの製造法。 - 【請求項4】2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカ
ルボン酸を光学分割し、光学活性な2,2,6−トリメ
チルシクロヘキサンカルボン酸を得、これをエステル化
することを特徴とする次の式(1)で示される光学活性
な(1R,6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキ
サンカルボン酸エチルの製造法。 【化3】 - 【請求項5】2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカ
ルボン酸の光学分割を不斉アミンを用いるジアステレオ
マー塩の再結晶により行う請求項4の製造法。
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