JP2001031608A - 光学活性な1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ル及びそれを有効成分とする香料、及び該化合物の製造法 - Google Patents

光学活性な1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ル及びそれを有効成分とする香料、及び該化合物の製造法

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JP2001031608A
JP2001031608A JP11208715A JP20871599A JP2001031608A JP 2001031608 A JP2001031608 A JP 2001031608A JP 11208715 A JP11208715 A JP 11208715A JP 20871599 A JP20871599 A JP 20871599A JP 2001031608 A JP2001031608 A JP 2001031608A
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fragrance
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JP11208715A
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Kenichi Yamamoto
憲一 山本
Hiroyuki Matsuda
洋幸 松田
Tetsuo Yamazaki
哲郎 山崎
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Takasago International Corp
Original Assignee
Takasago International Corp
Takasago Perfumery Industry Co
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】光学活性な1−(p−メンタ−2’−イル)エ
タノ−ル及びそれを有効成分とする香料、及び該化合物
の製造法を提供する。 【解決手段】式(1) で表わされる(1R,1’R,2’R,4’S)−1−
(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ル及びそれを有効
成分とする香料、及び(2R,4S)−2−アセチル−
p−メンタ−6−エンをルテニウム−ホスフィン錯体た
とえばジルテニウムテトラクロロビス[2,2′−ビス
(ジフェニルホスフイノ)−1,1′−ビナフチル]ト
リエチルアミンの存在下、水素化して、(1R,2R,
4S)−2−アセチル−p−メンタンとなし、ついでケ
トン部位を還元する該化合物の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シトラス様香気を
有する光学活性な1−(p−メンタ−2’−イル)エタ
ノ−ルを含有する香料、及びその製造方法に関する。特
に本発明は、香粧品の附香に用いられるシトラス様香気
を有する光学活性な1−(p−メンタ−2’−イル)エ
タノ−ルを含有する香料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種香粧品類、保健衛生材料等の
多様化に伴い、これらに用いる香料として従来にない新
しい要望が高まり、嗜好性の高いユニ−クな香気を有し
た香料物質の開発が要求されてきている。特に香料の中
でも最も需要の多い香料の一つであるシトラス系香料に
関して、新しい香料素材の開発が望まれている。また、
シトラ−ル、シトロネラ−ル、リモネン等に代表される
シトラス系合成香料は、いずれも特に塩素系漂白剤に不
安定であることから、安定性に優れたシトラス系香料の
開発が強く望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の要望を満足するシトラス系香気を有する化合物及び当
該化合物を有効成分とする香料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この様な状況にあって、
本発明者らは、1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ
−ルの各種光学異性体を合成し、それぞれの香質、調合
素材としての可能性等について検討を行った結果、式
(1)
【化8】 で表わされる(1R,1’R,2’R,4’S)−1−
(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルが他の異性体が
有していないグレープフルーツやオレンジやレモンを想
起させる、嗜好性の高いユニークなシトラス様の香気を
有することを見出し、本発明を完成した。
【0005】本発明は、 1.前記式(1)で表わされる(1R,1’R,2’
R,4’S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ
−ルに関する。 2.前記式(1)で表わされる(1R,1’R,2’
R,4’S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ
−ルを有効成分として含有する香料に関する。 3.(1R,1’R,2’R,4’S)−1−(p−メ
ンタ−2’−イル)エタノ−ルを5重量%以上含有する
1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルからなる香
料に関する。
【0006】4.(1R,1’R,2’R,4’S)−
1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルを5重量%
以上含有する1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−
ルを0.01〜50重量%含有する香料組成物に関す
る。 5.(1R,1’R,2’R,4’S)−1−(p−メ
ンタ−2’−イル)エタノ−ルを5重量%以上含有する
1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルを0.01
〜50重量%含有するシトラス系香料組成物に関する。
【0007】6.式(2)
【化9】 で示される(2R,4S)−2−アセチル−p−メンタ
−6−エンを、次の式(4)、(5)又は(6)
【化10】 [式中、Lは式(7)
【化11】 (ここで、環Aはベンゼン環又はベンゼン環が水素化さ
れたものを、R1 ,R2及びR3 は同一又は異なって水
素原子又は炭素数1乃至4の低級アルキル基である。)
で表される三級ホスフィンを示し;X1 はハロゲン原子
を示し、QはN(C2 5 3 又はCH3 CO2 を示
し、QがN(C2 5 3 の場合、n は2、kは2、m
は1を示し、QがCH3 CO2 の場合、n は1、kは
0、mは2を示し;X2 はハロゲン原子を示し、X3
ハロゲン原子及びI3 を示し、Yは炭素数1乃至4の低
級アルキル基が置換していてもよいベンゼン環を示し;
4 はハロゲン原子を示し、Arは置換基を有していて
もよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいナフ
チル基を示す。]で表されるルテニウム−ホスフィン錯
体の存在下、水素化して、式(3)
【化12】 で示される(1R,2R,4S)−2−アセチル−p−
メンタンとなし、ついでケトン部位を還元することを特
徴とする、式(1)
【化13】 で示される(1R,1’R,2’R,4’S)−1−
(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルの製造方法に関
する。
【0008】7.ルテニウム−ホスフィン錯体がジルテ
ニウムテトラクロロ ビス[2,2’−ビス(ジフェニ
ルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル]トリエチルア
ミン、及びジルテニウムテトラクロロ ビス[2,2’
−ビス(ジトリルホスフィノ)−1,1’−ビナフチ
ル]トリエチルアミンの光学活性体或いはラセミ体、及
びトリス(トリフェニルホスフィン)ジクロロルテニウ
ムから選ばれる少なくとも1種である6)の製造方法に
関する。
【0009】
【発明の実施の形態】1−(p−メンタ−2’−イル)
エタノ−ルは、Δ3 −カレンをアシル化することにより
得られる3−アセチル−Δ4 −カレンから導かれる2−
アセチル−p−メンタ−5,8(9)−ジエンの還元に
より得られる化合物であり、ベチバ−様な木様香気を有
する化合物として報告されている(東ドイツ特許85,
403号公報1966年)。しかしながら、1−(p−
メンタ−2’−イル)エタノ−ルの立体化学、純度、物
性については何ら記載もなされていない。1−(p−メ
ンタ−2’−イル)エタノ−ルは、分子内に4 つの不斉
炭素を有しているため、光学異性体を含め計16種の異性
体が存在し得るが、それぞれの異性体を分離したとの報
告はないし、それらの香質についても知られていない。
さらに、それらの光学活性体を個々に合成したという報
告もなく、もちろん各光学活性体の個々の香料として使
用されているという報告もない。
【0010】本発明の(1R,1’R,2’R,4’
S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルを製
造する反応は、次に示すとおりである。すなわち、式
(2)で表わされる(2R,4S)−2−アセチル−p
−メンタン−6−エン(2)をルテニウム−ホスフィン
錯体を用いて二重結合を水素化して、式(3)で示され
る(1R,2R,4S)−2−アセチル−p−メンタン
となし、ついでケトン部位をアルコールへと還元するこ
とにより式(1)で表わされる(1R,1’R,2’
R,4’S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ
−ルを製造する。
【0011】
【化14】
【0012】上記反応式において、出発原料である(2
R,4S)−2−アセチル−p−メンタン−6−エン
(2)は、従来公知の方法(例えば、米国特許3007
967号、日本油化学会誌,第46巻,101〜105
頁(1997))に従って(S)−(−)−リモネンの
エキソオレフィンを選択的に水素化し、 (4S)−
(−)−p−メンタ−1−エンとした後、得られた(4
S)−(−)−p−メンタ−1−エンを塩化亜鉛と無水
酢酸を用いてアセチル化することにより、(2R,4
S)−2−アセチル−p−メンタン−6−エン(2)と
2 位のエピマーである(2S,4S)−2−アセチル
−p−メンタン−6−エン(2’)の2対1〜4対1の
混合物として得られる。分離精製は、例えば蒸留やシリ
カゲルクロマトグラフィー等により行うことが出来る
が、反応終了後、2 成分を分離することなく蒸留した
ものを次の反応に使用することもできる。
【0013】(1R,2R,4S)−2−アセチル−p
−メンタン(3)は、(2R,4S)−2−アセチル−
p−メンタン−6−エン(2)、或いは(2R,4S)
−2−アセチル−p−メンタン−6−エン(2)と2位
のエピマーである(2S,4S)−2−アセチル−p−
メンタン−6−エン(2’)の2対1〜4対1の混合物
をルテニウム−ホスフィン錯体を触媒として立体選択的
に水素添加することにより得られるが、ここで用いられ
るルテニウム−ホスフィン錯体としては、次の式
(4)、(5)及び(6)で表されるルテニウム−ホス
フィン錯体が挙げられる。
【0014】
【化15】 〔式中、Lは式(7)
【化16】 (ここで、環Aはベンゼン環又はベンゼン環が水素化さ
れたものを、R1 ,R2及びR3 は同一又は異なって水
素原子又は炭素数1乃至4の低級アルキル基である。)
で表される三級ホスフィンを示し;X1 はハロゲン原子
を示し、QはN(C2 5 3 又はCH3 CO2 を示
し、QがN(C2 5 3 の場合、n は2、kは2、m
は1を示し、QがCH3 CO2 の場合、n は1、kは
0、mは2を示し;X2 はハロゲン原子を示し、X3
ハロゲン原子及びI3 を示し、Yは炭素数1乃至4の低
級アルキル基が置換していてもよいベンゼン環を示し;
4 はハロゲン原子を示し、Arは置換基を有していて
もよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいナフ
チル基を示す。]
【0015】ここで、R1 ,R2 及びR3 で示される炭
素数1乃至4の低級アルキル基としては、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、tert−ブチルなどが例示さ
れる。このうち、R1 ,R2及びR3 としては水素原子
又はメチル基が好ましい。該ルテニウム−ホスフィン錯
体としては、特開昭61−563690号公報及び特開
平2−191289号公報に記載の式(4)及び(5)
で表わされる錯体が挙げられる
【0016】
【化17】 〔式中、Lは一般式(7−i)
【化18】 (ここで、R2 は水素原子又は炭素数1乃至4の低級ア
ルキル基を示す(R2 が水素原子の場合は2,2’−ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルで
あり、R2 がメチル基の場合は2,2’−ビス(ジ−p
−トリルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルである)
で表される三級ホスフィンの光学活性体を示し;X1
ハロゲン原子を示し、QはN(C2 5 3 又はCH3
CO2 を示し、QがN(C2 5 3 の場合、n は2、
kは2、mは1を示し、QがCH3CO2 の場合、n は
1、kは0、mは2を示し;X2 はハロゲン原子を示
し、X 3 はハロゲン原子及びI3 を示し、Yは炭素数1
乃至4の低級アルキル基が置換していてもよいベンゼン
環を示す。〕
【0017】また、一般式(4)中、Lで表わされる
「光学活性な三級ホスフィン」として、特開平3−25
5090号公報に記載の次の式(7−ii)
【化19】 〔ここで、R1 及びR3 は同一又は異なって水素原子又
は炭素数1乃至4の低級アルキル基を示す(R1 及びR
3 がともにメチル基の場合は2,2’−ビス[ジ−
(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ]−1,1’
−ビナフチルである)〕、又は、特開平4−13914
0号公報に記載の次の一般式(7−iii)
【化20】 〔ここで、R2 は水素原子又は炭素数1乃至4の低級ア
ルキル基を示す(R3 が水素原子の場合は2,2’−ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)−5,5’,6,6’,
7,7’,8,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフ
チルである)〕で表されるものを用いることもできる。
【0018】一般式(4)及び(5)で表されるルテニ
ウム−ホスフィン錯体の好ましい具体例としては、Ru
2 Cl4 (BINAP)2 NEt3 〔ジルテニウムテト
ラクロロビス{2,2’−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)−1,1’−ビナフチル}トリエチルアミン〕、R
2 Cl4 (T−BINAP)2 NEt3 〔ジルテニウ
ムテトラクロロ ビス{2,2’−ビス(ジ−p−トリ
ルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル}トリエチルア
ミン〕などが挙げられる。
【0019】一般式(4)及び(5)で表されるルテニ
ウム−ホスフィン錯体は、例えば特開昭61−6369
0号、特開平3−255090号、特開平4−1391
40号、特開平2−191289号、特開平5−111
639号等の各公報に記載の方法あるいはこれに準ずる
方法により製造することができる。一般式(6)で表わ
される錯体において、X4 はハロゲン原子を示し、Ar
は置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を
有していてもよいナフチル基を示す。ここで、ハロゲン
原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ
素原子などが例示される。
【0020】置換基を有していてもよいフェニル基、又
は置換基を有していてもよいナフチル基における置換基
としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ter
t−ブチルなどの炭素数1乃至4の低級アルキル基、メ
トキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、
n−ブトキシ、tert−ブトキシなどの炭素数1乃至
4の低級アルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子などのハロゲン原子等が例示される。
【0021】一般式(6)で表されるルテニウム−ホス
フィン錯体の好ましい具体例としては、RuCl2 (P
Ph3 3 〔トリス(トリフェニルホスフィン)ジクロ
ロルテニウム〕などが挙げられる。この反応における上
記ルテニウム−ホスフィン錯体の使用量は、反応容器や
反応の形式あるいは経済性によっても異なるが、反応基
質である2−アセチル−p−メンタ−6−エンに対して
0.0001〜0.1倍モル、特に0.0002〜0.
01倍モルが好ましい。
【0022】反応溶媒として、反応原料および触媒系を
可溶化するものであれば適宜なものを用いることができ
る。例えばトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶
媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水
素溶媒、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン系
溶媒、エチルエ−テル、ジイソプロピルエーテル、テト
ラヒドロフランなどのエ−テル系溶媒、メタノ−ル、エ
タノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、ブタノ−ル、ベン
ジルアルコ−ルなどのアルコ−ル系溶媒、このほかアセ
トニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォ
キシドなどのヘテロ原子を含む有機溶媒を用いることが
できる。好ましくはアルコール類が挙げられ、メタノ−
ルがより好ましい。これら溶媒は単独又は必要に応じて
適宜混合して用いることができる。溶媒は基質に対して
1〜10倍量(容量)用いるのが好ましい。
【0023】反応温度は10℃〜150℃、好ましくは
30℃〜70℃で、水素圧は1〜250atm 、好ましく
は10〜150atm で、反応時間は数分〜20時間、好
ましくは1〜10時間である。反応形式は、バッチ式に
おいても連続式においても実施することができる。精製
は、溶媒を留去した後、得られる(1R,2R,4S)
−2−アセチル−p−メンタンと(1S,2S,4S)
−2−アセチル−p−メンタンとの混合物を、蒸留等で
分離することにより行うことができるが、反応終了後の
反応溶液、溶媒留去後の濃縮物及び蒸留物を、そのまま
次の反応に使用することもできる。
【0024】(1R,1’R,2’R,4’S)−1−
(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ル(1)は、化合
物(3)のケトンを還元することにより得られる。本反
応には、従来からの公知の方法を使用する。すなわち、
1)ニッケル、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、白
金等の金属粉末自身、あるいはこれらを担体として炭素
粉末、アルミナ粉末、又はシリカゲル粉末等に吸着させ
た金属触媒を用いて水素添加反応、及び2)水素化ホウ
素ナトリウムや水素化アルミニウムリチウム等の金属ヒ
ドリド還元剤などの一般的に用いられる還元方法が使用
できる。
【0025】水素添加反応を使用する場合、化合物
(3)に対し、0.1〜50重量%の金属触媒(例え
ば、ラネーニッケル、1〜10%ロジウム−シリカゲ
ル、1〜10%ルテニウム−炭素、白金等)を用いて水
素添加反応することにより得られる。特に触媒として
は、ラネーニッケルを1〜50%重量を用いるのが好ま
しい。反応温度は、20〜250℃、好ましくは、50
〜150℃、水素圧は常圧〜250atm 、好ましくは2
0〜150atm 、反応時間1〜100時間、好ましくは
3〜60時間で行うのがよい。溶媒は無溶媒もしくは、
アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール等)、エーテル類(テトラヒドロフラン等)、炭化
水素(ヘプタン等)などの通常使用される有機溶媒及び
それらの混合液を用いることができる。溶媒量は、特に
限定されないが、化合物(3)の1〜5倍量(容量)用
いるのが好ましい。
【0026】精製は、反応後触媒を除去し、溶媒を留去
した後、蒸留することにより得られる(1R,1’R,
2’R,4’S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エ
タノ−ルと(1S,1’R,2’R,4’S)−1−
(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルと(1R,1’
S,2’S,4’S)−1−(p−メンタ−2’−イ
ル)エタノ−ルと(1S,1’S,2’S,4’S)−
1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルとの混合物
を得ることができる。
【0027】金属ヒドリド還元剤を使用する場合、金属
ヒドリド還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、水
素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素リチウム、水
素化ホウ素亜鉛等が挙げられる。金属ヒドリド還元剤
は、化合物(3)に対して、0.3〜2倍モル用いるの
が好ましい。反応温度は、−70〜100℃、好ましく
は、−20〜50℃、反応時間1分〜5時間、好ましく
は10分〜1時間で行うのがよい。溶媒は無溶媒もしく
は、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロ
パノール等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン等)、炭化水素(ペンタン等)などの通常
使用される有機溶媒及びそれらの混合液を用いることが
できる。溶媒量は、特に限定されないが、化合物(3)
の1〜10倍量(容量)用いるのが好ましい。
【0028】精製は、例えば、反応後に水を加え、溶媒
を留去した後、ジエチルエーテル、トルエン、キシレ
ン、ヘキサン、ヘプタン等の溶媒で抽出し、溶媒を留去
した後、蒸留することにより(1R,1’R,2’R,
4’S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ル
と(1S,1’R,2’R,4’S)−1− (p−メ
ンタ−2’−イル)エタノ−ルと(1R,1’S,2’
S,4’S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ
−ルと(1S,1’S,2’S,4’S)−1−(p−
メンタ−2’−イル)エタノ−ルとの混合物を得ること
ができる。
【0029】この(1R,1’R,2’R,4’S)−
1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルと(1S,
1’R,2’R,4’S)−1−(p−メンタ−2’−
イル)エタノ−ルと(1R,1’S,2’S,4’S)
−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルと(1
S,1’S,2’S,4’S)−1−(p−メンタ−
2’−イル)エタノ−ルとの混合物をリサイクル分取液
体クロマトグラフィー等により分離することにより、
(1R,1’R,2’R,4’S)−1−(p−メンタ
−2’−イル)エタノ−ル(40〜70%ee;eeは
enantiomeric excessを意味する)を得、ついで光学活
性な保持層を有するリサイクル分取液体クロマトグラフ
ィー等により分離することにより、光学的に純粋な(1
R,1’R,2’R,4’S)−1−(p−メンタ−
2’−イル)エタノ−ルを得ることができる。
【0030】リサイクル分取液体クロマトグラフィーの
カラムにはCosmosil 5SL(ナカライテスク
社製)、Inertsil SIL(ジーエルサイエン
ス社製)、Develosil 30(野村化学社
製)、その他の分取液体クロマトグラフィーカラム等を
用いることにより可能であるが、何らこれらに限定され
るものではない。光学活性な保持層を有する液体クロマ
トグラフィーのカラムには、CHIRALCEL OD
やOD−H(ダイセル化学工業株式会社製)、Sumi
chiral OA−2000(住友分析センター社
製)、その他の光学活性な保持層を有する液体クロマト
グラフィーカラム等を用いることにより可能であるが、
何らこれらに限定されるものではない。
【0031】得られた(1R,1’R,2’R,4’
S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルと
(1S,1’R,2’R,4’S)−1−(p−メンタ
−2’−イル)エタノ−ルと(1R,1’S,2’S,
4’S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ル
と(1S,1’S,2’S,4’S)−1−(p−メン
タ−2’−イル)エタノ−ルとの混合物を、分離カラム
としてCosmosil5SL(ナカライテスク社製)
を、検出器として示差屈折計を備えた液体クロマトグラ
フ装置で、溶出液としてヘキサン/テトラヒドロフラン
=95/5を用いて、(1R,1’R,2’R,4’
S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルと
(1S,1’R,2’R,4’S)−1−(p−メンタ
−2’−イル)エタノ−ルと(1R,1’S,2’S,
4’S)−1− (p−メンタ−2’−イル)エタノ−
ルと(1S,1’S,2’S,4’S)−1−(p−メ
ンタ−2’−イル)エタノ−ルをそれぞれ分取する。
【0032】溶出液は、これ以外にもヘキサン/メタノ
ール=95/5、ヘキサン/エタノール=95/5、
等、炭化水素系の溶媒と極性溶媒との組み合わせたもの
を用いることが可能であるが、これらに何ら限定される
ものではない。得られた(1R,1’R,2’R,4’
S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ル(4
0〜70%ee)を、分離カラムにCHIRALCEL
ODやOD−H(ダイセル化学工業株式会社製)を、
検出器に示差屈折計を備えた液体クロマトグラフ装置
で、溶出液としてヘキサン/イソプロパノール=95/
5で分離し、2種の光学活性体を(1R,1’R,2’
R,4’S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ
−ル及び(1S,1’S,2’S,4’R)−1−(p
−メンタ−2’−イル)エタノ−ルをそれぞれ分取す
る。溶出液は、これ以外にもヘキサン/エタノール=9
8/2、ヘキサン/テトラヒドロフラン=98/2、
等、炭化水素系の溶媒と極性溶媒との組み合わせたもの
を用いることが可能であるが、これらに何ら限定される
ものではない。
【0033】更に(1S,1’R,2’R,4’S)−
1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ル(40〜7
0%ee)から同様の方法によって、(1S,1’R,
2’R,4’S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エ
タノ−ル及び(1R,1’S,2’S,4’R)−1−
(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルを得ることがで
きる。同様な方法で、(R)−(+)−リモネンを原料
とし、1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルの光
学異性体である(1S,1’S,2’S,4’R)−1
−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ル、(1R,
1’R,2’R,4’S)−1−(p−メンタ−2’−
イル)エタノ−ル、(1R,1’S,2’S,4’R)
−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ル及び(1
S,1’R,2’R,4’R)−1−(p−メンタ−
2’−イル)エタノ−ルを得ることができる。
【0034】しかし、(S)−(−)−リモネンより、
このようにして得られた4種の光学活性な立体異性体及
び本発明化合物の鏡像体を含む5種の1−(p−メンタ
−2’−イル)エタノ−ルの内、(1R,1’R,2’
R,4’S)−1− (p−メンタ−2’−イル)エタ
ノ−ルが特に爽やかなグレープフルーツ様、オレンジ
様、レモン様の嗜好性の高いシトラス様香気を特異的に
有しているのに対し、その鏡像体である(1S,1’
S,2’S,4’R)−1−(p−メンタ−2’−イ
ル)エタノ−ルは、ほとんど無臭で特徴が無く香料的価
値に乏しく、香料として使用に適さない。また、水酸基
の立体の異なる(1S,1’R,2’R,4’S)−1
−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルは、匂いの強
度が弱く、香質はグリーンに分類され、ケミカルで甘い
パウダリー感を有しているが香料的価値に乏しく、香料
として使用に適さない。
【0035】更に、1’,2’−位の立体の異なる(1
R,1’S,2’S,4’S)−1−(p−メンタ−
2’−イル)エタノ−ルは、匂いの強度が弱く、香質は
グリーンに分類され、シトラス様の甘さを有するが、ほ
こりっぽさを有するためマイナスイメージがあり香料的
価値に乏しく、香料として使用に適さなかった。更にま
た、(1S,1’S,2’S,4’S)−1−(p−メ
ンタ−2’−イル)エタノ−ルは、特徴が無く無臭に近
く香料的価値に乏しく、香料として使用に適さなかった
(表2参照)。
【0036】本発明の(1R,1’R,2’R,4’
S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルを、
塩素系漂白剤に添加しても、色と香質は全く変化がな
く、更に、既存のシトラス様香料(シトラール、シトロ
ネラール、リモネン、ゲラニルニトリル、シトロネリル
ニトリル)よりも、次亜塩素酸ナトリウムの有効塩素を
損なうことがなく、本発明の(1R,1’R,2’R,
4’S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ル
は、塩素系漂白剤に対して安定である(表4参照)。
【0037】本発明における香料とは、一種類の化学構
造からなる純粋な香料物質、或いはその香料物質の製造
行程で生成する構造異性体や副生成物を含有した香料物
性混合物で、調合行程において一つの独立した香料素材
として使用される単品香料を意味する、また香料組成物
とは、それら香料の一種類以上を調合することで得られ
る香料混合物を意味する。
【0038】本発明の(1R,1’R,2’R,4’
S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルはシ
トラス様で、グレープフルーツやオレンジやレモンを想
起させ、より新鮮で、嗜好性が高く香気付与効果に優れ
ており、石鹸等の基材臭や、漂白剤臭又はオゾン臭のマ
スキング力も強く、非常に有用な香料素材であるから、
これを配合することにより拡散性と安定性が良く保留性
が強い新鮮な嗜好性の高い香気付与剤或は香気改良剤等
の香料組成物を提供することができる。
【0039】本発明の(1R,1’R,2’R,4’
S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルは、
嗜好性の高いシトレス様香気を有しており、有用な香料
物質となり得るので、単独の香気成分として使用しても
よい。また、本発明では、本発明の(1R,1’R,
2’R,4’S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エ
タノ−ルに前記した他の立体異性な1−(p−メンタ−
2’−イル)エタノ−ル類を共存させたものを香気成分
としていてもよい。その場合は本発明の(1R,1’
R,2’R,4’S)−1−(p−メンタ−2’−イ
ル)エタノ−ルが5 重量%以上とすることが好ましい。
【0040】更に、本発明では(1R,1’R,2’
R,4’S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ
−ル単独、あるいは他の立体異性な1−(p−メンタ−
2’−イル)エタノ−ルを共存させたものに、通常使用
されている香料成分をさらに含有する香料も香気成分と
して使用できる。ここで通常使用されている香料成分
は、広い範囲の香料が使用でき、例えば、Arctan
der S.,“Perfume and Flavo
r Chemicals”, publishedby
the author, Montclair,
N.J.(U.S.A.)1969年に記載されている
ような成分を使用することができる。代表的なものとし
て、α- ピネン、リモネン、メントール、cis−3−
ヘキセノール、フェニルエチルアルコール、スチラリル
アセテート、オイゲノール、ローズオキサイド、リナロ
ール、ベンズアルデヒド、ムスコンなどである。
【0041】本発明の(1R,1’R,2’R,4’
S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルの香
料組成物への配合量は、その調合香料の種類や目的によ
り異なるが、組成物中において、0.01〜50重量
%、特に0.1〜20重量%となる配合量が好ましい。
【0042】本発明の(1R,1’R,2’R,4’
S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ル単独
あるいは該化合物を含む香料組成物をシャンプー、リン
ス類などの香料調合品に添加すると、拡散性、保留性を
高め、且つシトラス様香気を付与し、更に、新鮮な、嗜
好性の高い香気を賦与することができる。本発明の香料
又は香料組成物は、香料成分として香粧品類、保険衛生
材料、医薬品、雑貨などに好適に使用することができ
る。すなわち、シャンプー、リンス類、香水、コロン
類、ヘヤートニック、ヘアークリーム類、ポマード、毛
髪用化粧料基材、その他化粧料基材や化粧料洗剤、室内
芳香剤、石鹸、皿洗い洗剤、洗濯用洗剤、ソフトナー
類、消毒用洗剤類、防臭洗剤類、ファーニチアケアー、
消毒剤、殺菌剤、忌避剤、漂白剤、その他の各種保険衛
生用洗剤類、歯磨、マウシュウォッシュ、トイレットペ
ーパー、医薬品の服用を容易にするための賦香剤等に使
用し、それらの商品価値を高めることができる。
【0043】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらによってなんら限定されるもので
はなく、本反応の範囲を逸脱しない範囲で変更すること
は可能である。実施例中で使用するメタノール及びエタ
ノールは、それぞれマグネシウムメトキシド又はマグネ
シウムエトキシド存在下で、還流して脱水後、蒸留し、
さらに脱気して用いた。なお、各実施例において物性の
測定及び精製に用いた装置は次の通りである。
【0044】リサイクル分取液体クロマトグラフィー ポンプ:PU 615PU(ジーエルサイエンス社製) カラム:Cosmosil 5SL(ナカライテスク社
製) 検出器:RI−98(ラボシステム機器社製) 自動切換バルブ(ジーエルサイエンス社製) 高速液体クロマトグラフィー ポンプ:PU 615PU(ジーエルサイエンス社製) カラム:Chiralcel OD(ダイセル化学工業
株式会社製) 検出器:RI−98(ラボシステム機器社製) 自動切換バルブ(ジーエルサイエンス社製)
【0045】ガスクロマトグラフィー 機器:GC 353(ジーエルサイエンス社製)及びH
EWLETT PACKARD 5890(ヒューレッ
トパッカード社製) プロトン核磁気共鳴スペクトル(1 H−NMR) 機器:AMX−400(400MHz)(ブルカ−社
製) 内部標準物質:テトラメチルシラン(重クロロホルム
中)13 C核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR) 機器:AMX−400(100MHz)FT−NMR測
定装置(ブルカ−社製) 内部標準物質:テトラメチルシラン(重クロロホルム
中) 赤外吸収スペクトル(IR) 機器:IR−810型(日本分光工業株式会社製) 測定法:フィルム 旋光度 機器:DIP−370(日本分光社製) 質量分析スペクトル 機器:M−80B(日立製作所社製)
【0046】また、以下のとおり、略号も用いて記載す
る場合もある。 BINAP:2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)
−1,1’−ビナフチルT−BINAP:2,2’−ビ
ス(ジ−p−トリルホスフィノ)−1,1’−ビナフチ
ル NEt3 :トリエチルアミン
【0047】参考例1 (S)−(−)−リモネンから
(2R,4S)−2−アセチル−p−メンタ−6−エン
の合成 (1)(4S)−(−)−p−メンタ−1−エンの合成 圧力計、温度計と撹拌装置を備えた500mLのステン
レス製オ−トクレ−ブに、10mLのエタノ−ルで3回
洗浄したラネ−ニッケル触媒10.0gと(S)−
(−)−リモネン(80%e.e.;アセデサ社製)2
00g入れ、水素置換後、温度50℃、水素圧35at
mで4時間水素添加を行った。反応終了後、室温まで冷
却し触媒を除去することにより無色液体の(4S)−
(−)−p−メンタ−1−エン200gを得た。ガスク
ロマトグラフィ−〔カラム:CP−WAX 25m×
0.25mm(I.D)×0.2um(ジーエルサイエ
ンス社製)、測定温度:60〜92℃(4℃/分で昇
温)〕を用いた分析により化学純度を測定したところ9
2%であった。
【0048】(4S)−(−)−p−メンタ−1−エン
のスペクトルデ−タ [ α] D 20 -75° (neat)1 H NMR (400 MHz, CDCl3,δ) : 5.37 (1H, m), 2.03〜
1.88 (3H, m), 1.80〜1.65 (2H, m), 1.62 (3H, brs),
1.45 (1H, m), 1.29〜1.17 (2H, m), 0.90〜0.86 (6H,
m)
【0049】(2)(2R,4S)−2−アセチル−p
−メンタ−6−エンの合成 温度計と撹拌装置を付けた1L の4口丸底フラスコに
(4S)−(−)−p−メンタ−1−エン200g
(1.45mol)と塩化亜鉛79.0g(0.580
mol)を仕込み、窒素気流下撹拌しながら、温度15
〜20℃で無水酢酸443.9g(4.35mol)を
20分で滴下する。その後更に4時間撹拌する。反応終
了後、別の容器に移し、飽和炭酸ナトリウム水溶液を8
00mLを加える。有機層と水層とを分離した後、更に
水層からヘキサン600mLを用いて生成物を2回抽出
した後、有機層と合わせる。これを水500mL、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液300mL、水500mL、
及び飽和食塩水300mLにて各々2回洗浄後、ヘキサ
ンを減圧留去し、濃縮液269.7gを得た。これをヘ
リパック(東京金網社製No.2,10cm)を充填し
た蒸留器で蒸留を行い無色液体として(2R,4S)−
2−アセチル−p−メンタ−6−エンと(2S,4S)
−2−アセチル−p−メンタ−6−エンの混合物を18
0g([ α] D 20 +86.1°(c=1.10, EtOH)、沸点=67
〜70℃/2mmHg)得た。ガスクロマトグラフィ−
〔カラム:Neutrabond−130m×0.25
mm(I.D.)×0.4um(ジーエルサネンス社
製)、温度条件:100〜220℃(10℃で昇温)〕
を用いた分析により(2R,4S)−2−アセチル−p
−メンタ−6−エンの化学純度を測定したところ74%
で、(2S,4S)−2−アセチル−p−メンタ−6−
エンの化学純度を測定したところ26%であった。
【0050】(2R,4S)−2−アセチル−p−メン
タ−6−エンと(2S,4S)−2−アセチル−p−メ
ンタ−6−エンの74:26の混合物の内100mg
を、分離カラムにInertsil ODS−3〔20
mm×250mm(ジーエルサネンス社製)〕を、可視
・紫外線検出器を検出器としたリサイクル分取液体クロ
マトグラフィー装置を用い、溶出液としてメタノールに
より20mL/分の流速で12回リサイクルを行い、保
持時間91分で光学純度60%e.e.の(2R,4
S)−2−アセチル−p−メンタ−6−エン70mg、
及び保持時間95分で光学純度60%e.e.の(2
S,4S)−2−アセチル−p−メンタ−6−エン20
mgをそれぞれ分離し、得た。
【0051】(2R,4S)−2−アセチル−p−メン
タ−6−エンのスペクトルデ−タ 光学純度60%e.e.〔(ガスクロマトグラフィ−機
種:HEWLETTPACKARD 5890)、カラ
ム:キラルデックスG−TA 30m×0.25mm
(I.D.)×0.125um(アステック社製)、測
定温度:60〜130℃(1℃/分で昇温)〕 [ α] D 20 +153 ° (c=1,02, EtOH) MS (EI) m/z : 180 (6), 137(50), 95(25), 93 (2
0), 81 (100), 69 (15),43(25) IR: 1715 cm -1 (C=O)1 H NMR (400 MHz, CDCl3, δ) : 5.63(1H, brs), 3.06
(1H, d, J = 6.7 Hz),2.18(3H, d, J=0.4 Hz),2.09(1H,
brd, J=16Hz), 1.94(1H, dm, J=13Hz), 1.71(1H, m),
1.63(3H, brs), 1.52(1H, ddd, J=6.8, 12.4, 13.3Hz),
1.43(1H, dq,J=6.7, 6.7Hz), 1.28 (1H, m), 0.86(3H,
d, J=6.7Hz), 0.84(3H, d, J=6.7Hz)13 C NMR (100 MHz, CDCl3,δ) : 210.64(s), 130.61
(s), 125.28 (d), 54.02(d), 35.66 (d), 31.85(d), 2
9.26(t), 28.85(t), 28.71(q), 22.91 (q), 19.82(q),
19.38 (q)
【0052】(2S,4S)−2−アセチル−p−メン
タ−6−エンのスペクトルデ−タ 光学純度60%e.e.〔(ガスクロマトグラフィ−機
種:HEWLETTPACKARD 5890)、カラ
ム:キラルデックスG−TA 30m×0.25mm
(I.D.)×0.125um(アステック社製)、測
定温度:60〜130℃(1℃/分で昇温)〕 [ α] D 20 - 59ー (C = 0.50, EtOH) MS (EI) m/z : 180 (6), 137(65), 95(50), 93 (4
0), 81 (100), 69 (27),43 (45) IR: 1715 cm -1 (C=O)1 H NMR (400 MHz, CDCl3, δ) : 5.63 (1H, brs), 3.15
(1H, m), 2.12 (3H,d, J=0.4 Hz), 2.04(1H, brd, J
= 16 Hz), 1.93(1H, m), 1.80 (1H, m), 1.58(3H, dq,
J=1.2, 1.3 Hz), 1.50(1H, m), 1.31(1H, m), 1.25 (1
H, q, J=12Hz),0.89 (3H, d, J=6.7Hz), 0.88 (3H, d,
J=6.7Hz)13 C NMR (100 MHz, CDCl3,δ) : 212.17(s), 130.51
(s), 125.85 (d), 56.49(d), 39.35(d), 32.35(d), 30.
38(t), 28.92(t), 27.23 (q), 21.20 (q), 19.83(q), 1
9.48 (q)
【0053】(2R,4S)−2−アセチル−p−メン
タ−6−エンと(2S,4S)−2−アセチル−p−メ
ンタ−6−エンの74:26混合物のスペクトルデ−タ [α] D 20 +86.1° (c=1,10, EtOH) IR: 1715 cm -1 (C=O)
【0054】実施例1 (2R,4S)−2−アセチル
−p−メンタ−6−エンから(1R,1‘R,2’R,
4‘S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノール
の合成 (1)(1R,2R,4S)−2−アセチル−p−メン
タンの合成 圧力計、温度計と撹拌装置を備えた500mLのステン
レス製オ−トクレ−ブに先に得られた(2R,4S)−
2−アセチル−p−メンタ−6−エンと(2S,4S)
−2−アセチル−p−メンタ−6−エンの74:26混
合物180gを加え、反応容器内を十分窒素置換する。
窒素気流下Ru2 Cl4 [(S)−(−)−T−BIN
AP]2 NEt3 450mg(495μmol)を加え
る。これに減圧下超音波脱気し十分に窒素置換したメタ
ノ−ル180mLを窒素気流下、加える。水素圧100
atm、50℃で3時間撹拌し反応を終了した。変換
率、選択率ともに100%であった。反応液を減圧下溶
媒を回収した後、蒸留(53〜57℃/1〜2mmH
g)により170g〔 [α] D 20 +7.4 °(c=0.98, EtO
H)〕の(1R,2R,4S)−2−アセチル−p−メン
タンと (1S,2S,4S)−2−アセチル−p−メ
ンタンの混合物を得た。ガスクロマトグラフィ−〔カラ
ム:CP−WAX25m×0.25mm(I.D.)×
0.2um(ジーエルサイエンス社製)、温度条件:1
00〜220℃(5℃/分で昇温)〕を用いた分析によ
り、含有率を測定したところ(1R,2R,4S)−2
−アセチル−p−メンタンの含有率は74%で、(1
S,2S,4S)−2−アセチル−p−メンタンの含有
率は26%であった。
【0055】(1R,2R,4S)−2−アセチル−p
−メンタンのスペクトルデ−タ [α] D 20 + 2.1°(C = 1.1, EtOH) MS (EI) m/z : 182(M + , 29), 167(22), 164(13), 139
(38), 124 (39), 109(21), 98 (23), 97 (64), 95 (4
0), 83 (100), 81 (50), 71(60), 69(100), 57(79), 55
(92), 53 (23), 43 (90), 41 (78), 39 (28) IR: 1712 cm -1 (C=O)1 H NMR (400 MHz, CDCl3, δ) : 2.27(1H, ddd, J= 3.
8, 8.4, 9.9 Hz), 2.12(3H, s), 1.87(1H, m), 1.77(1
H,dddd,J=1.6, 3.8, 5.4, 13.6Hz), 1.70 〜1.58(2H,
m), 1.56 〜1.48(2H, m), 1.41(1H, ddt, J=10.7, 13.
4,3.9Hz), 1.25(1H,m), 1.18(1H, dddd, J=3.5, 9.3, 1
0.7, 13.1Hz), 0.91(3H, d, J=6.5Hz), 0.89(3H, d, J=
6.5Hz), 0.88 (3H, d, J=6.7Hz)13 C NMR (100 MHz, CDCl3,δ) : 212.67(s), 53.79(d),
39.89(d), 32.00(d),29.82 (t), 28.81(t), 28.64(q),
27.66(d), 26.56(t), 20.71 (q), 20.67 (q),20.04
(q)
【0056】(1S,2S,4S)−2−アセチル−p
−メンタンのスペクトルデ−タ IR: 1715 cm -1 (C=O) MS (EI) m/z : 182 (M + , 15), 164(17), 139(17), 13
8(16), 124 (70), 109(38), 98 (100), 95(40), 85(8
3), 83(78), 81(44), 71(52), 69(67), 67 (38),57 (4
3), 55 (65), 53 (20), 43 (67), 41 (60), 39 (28)13 C NMR (100 MHz, CDCl3,δ) : 213.14 (s), 59.29
(d), 43.39 (d), 34.67(t), 33.95(d), 32.76(t), 32.7
4(d), 29.18(t), 29.10 (q), 20.27 (q), 19.75(q), 1
9.68 (q)
【0057】(1R,2R,4S)−2−アセチル−p
−メンタンと(1S,2S,4S)−2−アセチル−p
−メンタンの74:26混合物のスペクトルデ−タ [α] D 20 + 7.4°(C = 0.98 、 EtOH) IR: 1715 cm -1 (C=O)
【0058】(2)(1R,1’R,2’R,4’S)
−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ル(1)の
合成 (2−a)ラネーニッケル触媒を用いる(1R,2R,
4S)−2−アセチル−p−メンタン(3)のケトンの
還元 温度計と撹拌装置を備えた1000mLのステンレス製
オ−トクレ−ブに、ラネ−ニッケル触媒34.0gと
(1R,2R,4S)−2−アセチル−p−メンタンと
(1S,2S,4S)−2−アセチル−p−メンタンの
74:26の混合物170gとイソプロパノ−ル340
mLを入れ、水素置換後、温度100℃、水素圧50a
tmで46時間加熱撹拌する。反応終了後、室温まで冷
却し触媒を除去した後、残渣を10cmヘリパック(東
京金網社製No.4)を充填した蒸留器で蒸留(69〜
75℃/1〜2mmHg)し、無色透明な液体を142
g〔[α] D 20 -8.6 °(c=1.05, EtOH)〕を得た。ガス
クロマトグラフィ−〔カラム:CP−WAX 25m×
0.25mm(I.D.)×0.2um(ジーエルサイ
エンス社製)、測定温度:100〜220:℃(5℃/
分で昇温)〕を用いた分析により含有率を測定したとこ
ろ、(1R,1’R,2’R,4’S)−1−(p−メ
ンタ−2’−イル)エタノ−ル52%で、(1S,1’
R,2’R,4’S)−1−(p−メンタ−2’−イ
ル)エタノ−ルは22%で、(1R,1’S,2’S,
4’S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ル
は8%で、(1S,1’S,2’S,4’S)−1−
(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルは18%であっ
た。
【0059】(2−b)水素化ホウ素ナトリウムを用い
る(1R,2R,4S)−2−アセチル−p−メンタン
(3)のケトンの還元 温度計と撹拌装置を備えた1000mLの4口丸底フラ
スコに、(1R,2R,4S)−2−アセチル−p−メ
ンタンと(1S,2S,4S)−2−アセチル−p−メ
ンタンの74:26の混合物170gとメタノ−ル34
0mLを入れ、氷冷下で撹拌しながら水素化ホウ素ナト
リウム22.9g(0.606mol)を少量ずつ30
分で加える。反応終了後、反応液を氷水450mLに加
え反応を停止する。メタノールを減圧留去し、残渣をジ
エチルエ−テル450mLで3回抽出し、有機相を水1
800mLで2回、飽和食塩水450mLで1回洗浄した。
減圧下溶媒を留去した後、残渣を蒸留することによりに
より、無色透明な液体を142g ( [α] D 20 -8.6 °
(c=1.05, EtOH))を得た。ガスクロマトグラフィ−〔カ
ラム:CP−WAX 25m×0.25mm(I.
D.)×0.2um(ジーエルサイエンス社製)、測定
温度:100〜220:℃ (5℃/分で昇温)〕を用
いた分析により含有率を測定したところ、(1R,1’
R,2’R,4’S)−1−(p−メンタ−2’−イ
ル)エタノ−ルの含有率は52%で、(1S,1’R,
2’R,4’S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エ
タノ−ルの含有率は22%で、(1R,1’S,2’
S,4’S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ
−ルの含有率は8%で、(1S,1’S,2’S,4’
S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルの含
有率は18%であった。
【0060】(1R,1’R,2’R,4’S)−1−
(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ル, (1S,1’
R,2’R,4’S)−1−(p−メンタ−2’−イ
ル)エタノ−ル, (1R,1’S,2’S,4’S)−
1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルと(1S,
1’S,2’S,4’S)−1−(p−メンタ−2’−
イル)エタノ−ルの混合物100mgを、分離カラムに
Cosmosil 5SL(20mm×250mm;ジ
ーエルサイエンス社製)を、検出器として、示差屈折計
を備えたリサイクル分取液体クロマトグラフィー装置を
用い、溶出液としてヘキサン/テトラヒドロフラン=9
5:5により、16mL/分の流速で3回リサイクルを
行い、保持時間34分で、光学純度60%e.e.の
(1R,1’R,2’R,4’S)−1−(p−メンタ
−2’−イル)エタノ−ルを50mg、保持時間38分
で、光学純度60%e.e.の(1S,1’R,2’
R,4’S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ
−ルを20mg、保持時間40分で(1R,1’S,
2’S,4’S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エ
タノ−ルを7mg 、と(1S,1’S,2’S,4’S)
−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルを7mgを
それぞれ分離し、得た。
【0061】さらに、光学純度60%e.e.の(1
R,1’R,2’R,4’S)−1−(p−メンタ−
2’−イル)エタノ−ル20mgを、分離カラムに光学活
性カラムChiralcel OD(20mm×250
mm;ダイセル化学工業社製)を、検出器として、示差
屈折計を備えたリサイクル分取液体クロマトグラフィー
装置を用い、溶出液としてヘキサン/イソプロパナール
=95:5により、6mL/分の流速で30回リサイク
ルを行い、保持時間395分で、光学純度99%e.
e.の(1R,1’R,2’R,4’S)−1−(p−
メンタ−2’−イル)エタノ−ルを15mg、保持時間
390分で、光学純度99%e.e.の(1S,1’
S,2’S,4’R)−1−(p−メンタ−2’−イ
ル)エタノ−ルを3mgをそれぞれ分離し、得た。
【0062】(1R,1’R,2’R,4’S)−1−
(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ル(1)のスペク
トルデ−タ 光学純度99%e.e.〔ガスクロマトグラフィ−機
種:HEWLETT PACKARD 5890、カラ
ム:キラルデックスG−TA 30m×0.25mm
(I.D.)×0.125um(アステック社製)、測
定温度:80〜150℃(1℃/分で昇温)〕 [α] D 20 - 27°(C = 0.43, EtOH) MS (EI) m/z : 166(M-18, 13), 123 (100), 97 (55), 9
6 (30), 95 (33), 83(72), 81(40), 69(48), 67(22), 5
7(29), 55 (96), 45 (43), 43 (38), 41 (37)1H NMR (4
00 MHz, CDCl3, δ) : 4.04 (1H, m), 1.60 (1H, m),
1.59 (1H, m), 1.57(1H, m), 1.56(1H, m), 1.51〜1.34
(2H, m), 1.42(1H, ddd, J=4.0, 9.0,13Hz),1.28(1H,dd
ddd, J=1.0, 4.0, 6.5, 8.0, 10.0Hz),1.23(1H, dddd,
J=3.5,8.0, 9.0, 12.5Hz),1.19(3H, d, J=6.39Hz),1.15
(1H, OH, brd, J=4.4Hz), 1.12(1H, dddd, J=3.5, 4.5,
7.5, 9.0Hz), 0.98 (3H, d, J=6.7Hz), 0.88 (6H, d,J
=6.6Hz)13 C NMR(100 MHz, CDCl3, δ) : 67.44(d), 45.62(d),
39.54(d), 31.71 (d),29.47(t), 28.51(d), 26.25(t),
25.26(t), 21.25 (q), 20.59 (q), 20.52 (q),19.77
(q)
【0063】(1S,1’R,2’R,4’S)−1−
(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルのスペクトルデ
−タ 光学純度60%e.e.〔ガスクロマトグラフィ−機
種:HEWLETT PACKARD 5890、カラ
ム:キラルデックスG−TA 30m×0.25mm
(I.D.)×0.125um(アステック社製)、測
定温度:80〜150℃(1℃/分で昇温)〕 MS (EI) m/z : 166 (M-18, 10), 123 (100), 97 (58),
96 (34), 95 (36), 83(80), 81(40), 69(48), 67(20),
57(25), 55 (88), 45 (45), 43 (41), 41 (39)1 H NMR (400 MHz, CDCl3, δ) : 4.00(1H, m), 1.74(1
H, m), 1.63〜1.35(5H,m), 1.35〜1.25(4H,m), 1.18〜
1.09(4H, m), 0.97(3H, d, J=6.9Hz), 0.87(6H,d, J=6.
7Hz)13 C NMR (100 MHz, CDCl3,δ) : 68.00(d), 46.70(d),
39.43(d), 30.48 (d),28.98(t), 29.89(d), 25.84(t),
25.84(t), 20.44(q), 20.20 (q), 19.60 (q),19.50 (q)
【0064】(1R,1’S,2’S,4’S)−1−
(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルのスペクトルデ
−タ 光学純度60%e.e.〔ガスクロマトグラフィ−機
種:HEWLETT PACKARD 5890、カラ
ム:キラルデックスG−TA 30m×0.25mm
(I.D.)×0.125um(アステック社製)、測
定温度:80〜150℃(1℃/分で昇温)〕 MS (EI) m/z : 166 (M-18, 6), 140 (43), 138 (17), 1
23 (21), 97 (55), 96(71), 83(72), 81(29), 69(63),
67(20), 57(39), 55(100), 45 (38), 43 (30),41 (30)1 H NMR (400 MHz, CDCl3, δ) : 4.12(1H, dq, J=3.8,
6.5Hz), 1.78(1H, dq,J=12.5, 2.5Hz), 1.70(1H, m),
1.67(1H, m), 1.45(1H,dqq,J=5.4, 6.8,6.8Hz),1.23(1
H, m), 1.23(1H, OH, brs), 1.09(1H, m), 1.08 (1H,
m), 1.07 (3H, d,J=6.5Hz), 1.07〜0.90 (2H, m), 0.90
〜0.85 (9H), 0.74 (1H, q,J=12.5Hz)13 C NMR (100 MHz, CDCl3,δ) : 67.97(d), 50.36(d),
43.71(d), 36.32 (t),34.55 (d), 32.98(d), 29.56(t),
27.15(t), 19.86(q), 19.63 (q), 19.52 (q),16.58
(q)
【0065】(1S,1’S,2’S,4’S)−1−
(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルのスペクトルデ
−タ 光学純度60%e.e.〔ガスクロマトグラフィ−機
種:HEWLETT PACKARD 5890、カラ
ム:キラルデックスG−TA 30m×0.25mm
(I.D.)×0.125um(アステック社製)、測
定温度:80〜150℃(1℃/分で昇温)〕 MS (EI) m/z : 166(M-18, 10), 140 (52), 138 (20), 1
23 (28), 97 (80), 96(73), 95(32), 83(85), 81(35),
69(53), 67 (27), 57 (35), 55(100), 45(47),43 (40),
41 (37)
【0066】本化合物の構造は、生成する4異性体の
内、3異性体の立体を決定することにより判明した。
(1R,1’R,2’R,4’S)−1−(p−メンタ
−2’−イル)エタノ−ルと(1S,1’R,2’R,
4’S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ル
と(1R,1’S,2’S,4’S)−1−(p−メン
タ−2’−イル)エタノ−ルと(1S,1’S,2’
S,4’S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ
−ルをそれぞれ52%,22%,8%,18%含有する
混合物のスペクトルデ−タ [α] D 20 -8.6 °(C = 0.05, EtOH) IR: 3350 cm -1 (OH)
【0067】参考例2 (R)−(+)−リモネンから(1S,1’S,2’
S,4’R)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ
−ルの合成 (1)(4R)−(+)−p−メンタ−1−エンの合成 圧力計、温度計と撹拌装置を備えた500mLのステン
レス製オ−トクレ−ブに、10mLのエタノ−ルで3回
洗浄したラネ−ニッケル触媒10.0gと(R)−
(+)−リモネン(98%ee;高砂香料株式会社製)
200g入れ、水素置換後、温度50℃、水素圧35a
tmで4時間水素添加を行った。反応終了後、室温まで
冷却し触媒を除去することにより無色液体の(4R)−
(+)−p−メンタ−1−エン200gを得た。ガス
クロマトグラフィ−〔カラム:CP−WAX 25m×
0.25mm(I.D)×0.2um(ジーエルサイエ
ンス社製)、測定温度:60〜92℃(4℃/分で昇
温)〕を用いた分析により化学純度を測定したところ9
2%であった。 (4R)−(+)−p−メンタ−1−エンのスペクトル
デ−タ[ α] D 20 +85° (neat)
【0068】(2)(2S,4R)−2−アセチル−p
−メンタ−6−エンの合成 温度計と撹拌装置を付けた1L の4口丸底フラスコに
(4R)−(+)−p−メンタ−1−エン200g
(1.45mol)と塩化亜鉛79.0g(0.580
mol)を仕込み、窒素気流下撹拌しながら、温度15
〜20℃で無水酢酸443.9g(4.35mol)を
20分で滴下する。その後更に4時間撹拌する。反応終
了後、別の容器に移し、飽和炭酸ナトリウム水溶液を8
00mLを加える。有機層と水層とを分離した後、更に
水層からヘキサン600mLを用いて生成物を2回抽出
した後、有機層と合わせる。これを水500mL、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液300mL、水500mL、
及び飽和食塩水300mLにて各々2回洗浄後、ヘキサ
ンを減圧留去し、濃縮液269.7gを得た。これをヘ
リパック(東京金網社製No.2,10cm)を充填し
た蒸留器で蒸留を行い無色液体として(2S,4R)−
2−アセチル−p−メンタ−6−エンと(2R,4R)
−2−アセチル−p−メンタ−6−エンの74:26の
混合物を180g〔[α] D 20 -86°(c=1.10, EtOH)、
沸点=67〜70℃/2mmHg〕得た。ガスクロマト
グラフィ−〔カラム:Neutrabond−1 30
m×0.25mm(I.D.)×0.4um(ジーエル
サネンス社製)、温度条件:100〜220℃(10℃
で昇温)〕を用いた分析により(2S,4R)−2−ア
セチル−p−メンタ−6−エンの化学純度を測定したと
ころ69%で、(2R,4R)−2−アセチル−p−メ
ンタ−6−エンの化学純度を測定したところ24%であ
った。
【0069】(2S,4R)−2−アセチル−p−メン
タ−6−エンと(2R,4R)−2−アセチル−p−メ
ンタ−6−エンの74:26混合物のスペクトルデ−タ [α] D 20 -86° (c=1,10, EtOH) IR: 1715 cm -1 (C=O)
【0070】(3)(1S,2S,4R)−2−アセチ
ル−p−メンタンの合成 圧力計、温度計と撹拌装置を備えた500mLのステン
レス製オ−トクレ−ブに先に得られた(2S,4R)−
2−アセチル−p−メンタ−6−エンと(2R,4R)
−2−アセチル−p−メンタ−6−エンの74:26混
合物180gを加え、反応容器内を十分窒素置換する。
窒素気流下Ru2 Cl4 [(R)−(+)−T−BIN
AP]2 NEt3 450mg(495μmol)を加え
る。これに減圧下超音波脱気し十分に窒素置換したメタ
ノ−ル180mLを窒素気流下、加える。水素圧100
atm、50℃で3時間撹拌し反応を終了した。変換
率、選択率ともに100%であった。反応液を減圧下溶
媒を回収した後、蒸留(53〜57℃/1〜2mmH
g)により170g〔 [α] D 20 -7.4 °(c=0.98, EtO
H)〕の(1S,2S,4R)−2−アセチル−p−メン
タンと(1R,2R,4R)−2−アセチル−p−メン
タンの混合物を得た。ガスクロマトグラフィ−〔カラ
ム:CP−WAX 25m×0.25mm(I.D.)
×0.2um(ジーエルサイエンス社製)、温度条件:
100〜220℃ (5℃/分で昇温〕)を用いた分析
により、含有率を測定したところ(1S,2S,4R)
−2−アセチル−p−メンタンの含有率は74%で、
(1R,2R,4R)−2−アセチル−p−メンタンの
含有率は26%であった。
【0071】(1S,2S,4R)−2−アセチル−p
−メンタンと(1R,2R,4R)−2−アセチル−p
−メンタンの74:26の混合物のスペクトルデ−タ [α] D 20 - 7.4°(C = 0.98 、 EtOH) IR: 1715 cm -1 (C=O)
【0072】(4)(1S,1’S,2’S,4’R)
−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルの合成 温度計と撹拌装置を備えた1000mLのステンレス製オ
−トクレ−ブに、ラネ−ニッケル触媒34.0gと(1
S,2S,4R)−2−アセチル−p−メンタンと(1
R,2R,4R)−2−アセチル−p−メンタンの7
4:26の混合物170gとイソプロパノ−ル340m
Lを入れ、水素置換後、温度100℃、水素圧50at
mで46時間加熱撹拌する。反応終了後、室温まで冷却
し触媒を留去した後、残渣を10cmヘリパック(東京
金網社製No.4)を充填した蒸留器で蒸留(69〜7
5℃/1〜2mmHg)し、無色透明な液体を142g
〔[α] D 20 +8.6 °(c=1.05, EtOH)〕を得た。ガスク
ロマトグラフィ−〔カラム:CP−WAX 25m×
0.25mm(I.D.)×0.2um(ジーエルサイ
エンス社製)、測定温度:100〜220℃(5℃/分
で昇温)〕を用いた分析により含有率を測定したとこ
ろ、(1S,1’S,2’S,4’R)−1−(p−メ
ンタ−2’−イル)エタノ−ルは52%で、(1R,
1’S,2’S,4’R)−1−(p−メンタ−2’−
イル)エタノ−ルは22%で、(1S,1’R,2’
R,4’R)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ
−ルは8%で、(1R,1’R,2’R,4’R)−1
−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルは18%であ
った。
【0073】(1S,1’S,2’S,4’R)−1−
(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ル、(1R,1’
S,2’S,4’R)−1−(p−メンタ−2’−イ
ル)エタノ−ル、(1S,1’R,2’R,4’R)−
1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルと(1R,
1’R,2’R,4’R)−1−(p−メンタ−2’−
イル)エタノ−ルをそれぞれ52%,22%,8%,1
8%含有する混合物のスペクトルデ−タ [α] D 20 +8.6 °(C =1.0, EtOH) IR: 3350cm -1 (OH)
【0074】実施例2〜3、比較例1〜4 100mLステンレス製オートクレーブを用いて、実施
例1(2)で得られた(2R,4S)−2−アセチル−
p−メンタ−6−エンと(2S,4S)−2−アセチル
−p−メンタ−6−エンの74:26の混合物を原料と
して用いて、次の表1に示す条件で水素化反応を行っ
た。比較例として、様々な不均一系還元触媒を用いた場
合の(2R,4S)−2−アセチル−p−メンタン−6
−エン(2)と(2S,4S)−2−アセチル−p−メ
ンタン−6−エン (2’)の74:26の混合物の還
元を行った。
【0075】
【表1】
【0076】表1からもわかる通り、(2R,4S)−
2−アセチル−p−メンタン−6−エン(2)と(2
S,4S)−2−アセチル−p−メンタン−6−エン
(2’)の約74:26の混合物を、均一系触媒である
Ru2 Cl2 (PPh3 3 を用いると変換率94%
で、1,2−トランス体が選択率93%で得られ、さら
にRu2 Cl4 [(S)−(−)−T−BINAP]2
NEt3 を用いると変換率100%で1,2−トランス
体の選択率100%で得ることができる。一方、不均一
系の触媒(Raney−Ni,5%Pd−C,5%Ru
−C,5%Rh−C)を用いて水素化すると、式(x)
で示される副生成物の1,2−シス体が1,2−トラン
ス体(3)及び(3’)に対して等量以上生成し、さら
に5%Pd−Cを使用した時には、式(z)で示される
副生成物が約12%生成してしまい1,2−トランス体
を選択的に得ることはできない。この様に均一系ルテニ
ウム−ホスフィン触媒を用いたオレフィンの還元は、本
発明を完成する上で非常に有用な反応である。
【0077】実施例4 (香気質の評価) 前記方法によって得られた各種光学活性な1−(p−メ
ンタ−2’−イル)エタノ−ルについてそれぞれの香気
質の評価を行った。各々の匂い紙上に約5mgの試料を
付与し、(1R,1’R,2’R,4’S)−1−(p
−メンタ−2’−イル)エタノ−ル及びその光学対掌体
である(1S,1’S,2’S,4’R)−1−(p−
メンタ−2’−イル)エタノ−ルにおいては7人の専門
パネラ−により、また(1S,1’R,2’R,4’
S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ル、
(1R,1’S,2’S,4’S)−1−(p−メンタ
−2’−イル)エタノ−ル及び(1S,1’S,2’
S,4’S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ
−ルにおいては2人の専門パネラーにより行った。結果
を表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】表2に示したように、(1R,1’R,
2’R,4’S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エ
タノールのみが特異的に、グレープフルーツ、オレンジ
やレモンを想起させるシトラス様香気を有していること
が明らかになった。それに比べて、(1S,1’S,
2’S,4’R)−1−(p−メンタ−2’−イル)エ
タノ−ルは、嗜好性が低く特徴のない弱い香気であり、
鏡像体間で顕著な香質の差を有していた。また、水酸基
の立体の異なる(1S,1’R,2’R,4’S)−1
−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルは、匂い強度
が弱く、香質はグリーンに分類され、ケミカルで甘いパ
ウダリー感で、更に、(1S,1’S,2’S,4’
S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルは特
徴がなく、これら異性体は香気価値に乏しく、香料とし
て使用に適さなかった。以上により、1−(p−メンタ
−2’−イル)エタノールの中で、(1R,1’R,
2’R,4’S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エ
タノ−ルが特に、グレープフルーツ、オレンジやレモン
を想起させるシトラス様香気を有していることが明らか
になった。
【0080】実施例5 (存在量と香質強度) 本発明の(1R,1’R,2’R,4’S)−1−(p
−メンタ−2’−イル)エタノ−ルの立体異性体混合物
中での存在量と有効な香質強度との関係を、実施例4と
同様な官能方法で評価した。本発明化合物の(1R,
1’R,2’R,4’S)−1−(p−メンタ−2’−
イル)エタノ−ルを含まない比較コントロールとして、
実施例1で合成した本発明化合物以外の3つの立体異性
体である(1S,1’R,2’R,4’S)−1−(p
−メンタ−2’−イル)エタノ−ル,(1R,1’S,
2’S,4’S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エ
タノ−ル及び(1S,1’S,2’S,4’S)−1−
(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルを重量比が1:
1:1となる1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−
ルの立体異性体混合物を調整した。このものに、本発明
化合物である(1R,1’R,2’R,4’S)−1−
(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルを添加し、5重
量%及び10重量%含有した試料を調整して存在量と香
質強度を評価した結果を表3に示す。その結果、立体異
性体混合物の(1R,1’R,2’R,4’S)−1−
(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルの存在量が5重
量%以上でグレープフルーツやオレンジやライチを想起
させるシトラス様香気が十分認められ、10重量%以上
では顕著な差が認められた。
【0081】
【表3】
【0082】評価基準 ++:7人のパネラー中7人が香料的価値があると認め
た。 +:7人のパネラー中5人が香料的価値があると認め
た。 −:7人のパネラーとも香料的価値を認めなかった。
【0083】実施例6 (シトラス様フレグランス用香
料組成物) 下記の表4に示す処方で調製したフレグランス用香料組
成物600重量部に実施例1で得られた(1R,1’
R,2’R,4’S)−1−(p−メンタ−2’−イ
ル)エタノ−ル10重量部を加え、その効果を7人の専
門パネラーにより評価した。その結果、全員が(1R,
1’R,2’R,4’S)−1−(p−メンタ−2’−
イル)エタノ−ルを使用することにより、シトラス様の
香気を付与することができ、香質並びに強度的にも優れ
ていると答えた。
【0084】
【表4】
【0085】上記グレープフルーツ様の香料組成物に光
学活性1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルの中
で(1R,1’R,2’R,4’S)−1−(p−メン
タ−2’−イル)エタノ−ルを使用することにより、グ
レープフルーツのピール感が付け加えられ、グレープフ
ルーツのナチュラル感がより引き立てられた。(1R,
1’R,2’R,4’S)−1−(p−メンタ−2’−
イル)エタノ−ルはシトラス様香料のアクセント素材と
して非常に有用である。この香料組成物は、シトラス、
グリーン、フローラル、フルーツ用品向けの香料に効果
的に使用できた。
【0086】実施例7 (漂白剤の基材に対する安定
性) 塩素系漂白剤の基質(pH13)として以下の表5に示
す処方中に、本発明化合物の(1R,1’R,2’R,
4’S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ル
と既存シトラス様化合物を試験物質として各々0.3重
量%添加後、蒸留水を加え合計を100とし、20℃、
暗所で4週間インキュベートし、色と香質の変化及びそ
の時の残留塩素率を求めた。残留塩素率の結果を表6に
示す。
【0087】
【表5】
【0088】
【表6】
【0089】その結果、本発明化合物は、色と香質は全
く変化が無く、漂白剤の基材に対して安定であることが
明らかとなった。また、表4からも明らかなように、残
存塩素率は(1R,1’R,2’R,4’S)−1−
(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルを加えていない
コントロールを100とした時91であり、既存シトラ
ス様化合物と比較した場合明らかなように、漂白剤に欠
かせない次亜塩素酸ナトリウムの有効塩素を消耗する恐
れが低い香料である。以上の結果から、(1R,1’
R,2’R,4’S)−1−(p−メンタ−2’−イ
ル)エタノ−ルは漂白剤の基材中で高い安定性を有して
いることが明らかになった。
【0090】
【発明の効果】本発明は、(1R,1’R,2’R,
4’S)−1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ル
を有効成分とする新規な香料を提供するものである。
(1R,1’R,2’R,4’S)−1−(p−メンタ
−2’−イル)エタノ−ルは香料としての性質に優れ、
これにより(1R,1’R,2’R,4’S)−1−
(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルを有効成分とす
る香料は、各種化粧品類、保険衛生材料、医薬等の広い
分野に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C11B 9/00 C11B 9/00 D // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07M 7:00 (72)発明者 山崎 哲郎 神奈川県平塚市西八幡一丁目4番11号 高 砂香料工業株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AA03 AB14 AC11 AC41 AC81 BA21 BA23 BA48 BA70 BE20 BE23 FC22 FE11 4H039 CA40 CA60 CB10 CB20 4H059 BA14 BB13 BB45 BB55 DA09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1) 【化1】 で表わされる(1R,1’R,2’R,4’S)−1−
    (p−メンタ−2’−イル)エタノ−ル。
  2. 【請求項2】式(1) 【化2】 で表わされる(1R,1’R,2’R,4’S)−1−
    (p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルを有効成分とし
    て含有する香料。
  3. 【請求項3】(1R,1’R,2’R,4’S)−1−
    (p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルを5重量%以上
    含有する1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルか
    らなる香料。
  4. 【請求項4】(1R,1’R,2’R,4’S)−1−
    (p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルを5重量%以上
    含有する1−(p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルを
    0.01〜50重量%含有する香料組成物。
  5. 【請求項5】前記香料組成物は、シトラス系香料組成物
    であることを特徴とする請求項4記載の香料組成物。
  6. 【請求項6】式(2) 【化3】 で示される(2R,4S)−2−アセチル−p−メンタ
    −6−エンを、次の式(4)、(5)又は(6) 【化4】 〔式中、Lは式(7) 【化5】 (ここで、環Aはベンゼン環又はベンゼン環が水素化さ
    れたものを、R1 ,R2及びR3 は同一又は異なって水
    素原子又は炭素数1乃至4の低級アルキル基である。)
    で表される三級ホスフィンを示し、X1 はハロゲン原子
    を示し、QはN(C2 5 3 又はCH3 CO2 を示
    し、QがN(C2 5 3 の場合、n は2、kは2、m
    は1を示し、QがCH3 CO2 の場合、n は1、kは
    0、mは2を示し;X2 はハロゲン原子を示し、X3
    ハロゲン原子及びI3 を示し、Yは炭素数1乃至4の低
    級アルキル基が置換していてもよいベンゼン環を示し;
    4 はハロゲン原子を示し、Arは置換基を有していて
    もよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいナフ
    チル基を示す。〕で表されるルテニウム−ホスフィン錯
    体の存在下、水素化して、式(3) 【化6】 で示される(1R,2R,4S)−2−アセチル−p−
    メンタンとなし、ついでケトン部位を還元することを特
    徴とする、式(1) 【化7】 で示される(1R,1’R,2’R,4’S)−1−
    (p−メンタ−2’−イル)エタノ−ルの製造方法。
  7. 【請求項7】 ルテニウム−ホスフィン錯体がジルテニ
    ウムテトラクロロビス[2,2’−ビス(ジフェニルホ
    スフィノ)−1,1’−ビナフチル]トリエチルアミ
    ン、及びジルテニウムテトラクロロビス[2,2’−ビ
    ス(ジトリルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル]ト
    リエチルアミンの光学活性体或いはラセミ体、及びトリ
    ス(トリフェニルホスフィン)ジクロロルテニウムから
    選ばれる少なくとも1種である請求項6記載の(1R,
    1’R,2’R,4’S)−1−(p−メンタ−2’−
    イル)エタノ−ルの製造方法。
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