JP4718026B2 - 新規の光学活性な酸素添加された脂環式化合物、その使用、付香組成物および付香された物品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、香料の分野に関する。より具体的には、本発明は式:
【0002】
【化5】
【0003】
[式中、R1およびR2は相互に無関係に、水素原子またはメチル基を表し、かつR3は直鎖状もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和の低級アルキル基を表す]の化合物の数多くの光学活性異性体に関する。
【0004】
低級アルキル基とはここでは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。
【0005】
【従来の技術】
混合物の形または光学活性でない異性体の形での式(I)により表される化合物はいくつか公知である。その出願人が所有者である欧州特許第419860号は、例えば数多くの1−(2′,2′,3′,6′−テトラメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノールのシスおよびトランス立体配置の異性体、特に環の1′位および6′位における置換基の相対的な配向に関するシスおよびトランス立体配置を記載し、またそれらの嗅覚特性も記載している。この特許文献から、トランス異性体、特に1−(2,2,c−3,t−6−テトラメチル−r−1−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノールは嗅覚的な観点からそのシス立体配置の同族体、つまり1−(2,2,t−3,c−6−テトラメチル−r−1−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノールまたは1−(2,2,c−3,c−6−テトラメチル−r−1−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノールより良好であると見なされていることが明らかである。
【0006】
式(I)のその他の化合物、例えば1−(2′,2′,6′−トリメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノールの嗅覚特性は、W. Giersch et al.によりUS4,608,445号に記載されている。
【0007】
しかし、従来技術は前記の化合物をジアステレオマーまたはラセミ体混合物の形で記載しているのみである。
【0008】
ところで式(I)の化合物は、複数のキラル中心を有しており、かつこれらはそれぞれ異なった光学活性のジアステレオマーおよび/またはエナンチオマーの混合物である。従来技術の文献はいずれもここに記載される化合物の特に光学活性な異性体の官能的観点からの可能な重要性を示唆していない。
【0009】
純粋な光学活性異性体の合成は、一般に困難であり、かつコストがかかる。また、良好な嗅覚的性質のラセミ体の存在下でさえ、先験的に特に純粋な光学活性成分がラセミ体とは異なった、またはある意味ではラセミ体よりも良好な嗅覚的性質を有しているであろうことを確定することは困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は新規の光学活性な酸素添加された脂環式化合物、その使用、付香組成物および付香された物品を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
極めて意外なことに、新規の光学活性な異性体の形の式(I)の化合物はその他の異性体から明確に識別され、かつその強度が著しく異なる特徴的なにおいを有していることが判明した。さらに、香料における使用のために、これらの光学活性種のいくつかは公知のラセミ体混合物に勝る明らかな利点を有している。
【0012】
従って本発明は、式:
【0013】
【化6】
【0014】
[式中、R1およびR2は、相互に無関係に、水素原子またはメチル基を表し、かつR3は直鎖状もしくは分枝鎖状、飽和もしくは不飽和の低級アルキル基を表す]の化合物の、式:
【0015】
【化7】
【0016】
[式中、波線はOHの空間における2つの可能な配向の1方もしくは他方を示し、かつ符号は式(I)中のものと同じものを表す]の光学活性な異性体の形、またはこれらの異性体の光学活性混合物に関する。
【0017】
特にR1およびR2が両方とも水素原子を表す場合、化合物(Ia)は(1′R,6′S)立体配置を有し、かつR1がメチル基を、およびR2が水素を表す場合、同じ化合物は(1′R,3′S,6′S)立体配置を表す。
【0018】
低級アルキル基とはここでは1〜4個の炭素原子を有する基を意味する。
【0019】
式(Ia)または(Ib)の化合物およびこれらの化合物の前記の混合物は全てウッディーなタイプの発香ノートを有しているが、その性質および強さはそれぞれの化合物で異なっている。例えばR1およびR2がいずれも水素原子を表し、かつR3がプロピル基を表す式(Ia)および(Ib)により表される化合物、つまり1−(2,2,6−トリメチル−1−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノールの4つの異なった光学活性異性体は、全て極めて異なった香りの特性を有しており、その特性はこれらの異性体の間でのみではなく、前記の化合物のラセミ体を比較しても異なっている。特に(1′R,2S,6′S)−1−(2′2′6′−トリメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノールは高く評価され、かつ嗅覚的な観点から他の3つの光学活性異性体よりもはるかに強力である。そのにおいは特に強いアンバータイプのトップノートを有しており、ウッディーなノートを伴っているが、これはその他の異性体ほど明瞭ではない。その香りはその乾いた感じと、独特のコスタス(costus)ノートによっても特徴付けられるが、これはラセミ体混合物のにおいには欠けている。さらに、R1がメチル基を表し、R2が水素原子を表し、かつR3がプロピル基を表す式(Ia)および(Ib)の化合物の中でも嗅覚的な強度は幅広いことが判明した。式:
【0020】
【化8】
【0021】
の4つの異性体の中から、式(IIa)の異性体は本発明により有利な化合物であり、この系列では最良のにおい成分であり、その他の光学活性異性体のものよりもはるかに強く、かつ持続性のある香りを有することが判明した。その極めて強いウッディーな香りは、アンバー香を有する乾いた、極めて自然な特徴も有している。式(IIIa)の異性体もまた、高く評価される本発明の化合物であり、似たような嗅覚的特徴を有しているが、そのにおいは(IIa)の異性体ほど強くない。一般に言えることは、ヒドロキシル基がS立体配置を有する本発明の化合物は、その他のものよりも強力なにおいを有するということである。さらに、予想外であり、かつ極めて有利なことに、式(IIa)の化合物のにおいは、該化合物はアニマル/パースピレーションノートを有していないという事実によって、相応するラセミ体のにおいから完全に識別されることが確認された。
【0022】
(S)−1−(2,2,6,6−テトラメチル−1−シクロヘキシルオキシ)−2−ブタノールは、ウッディーであり、また同時にシダーおよびアンバー香のある特徴を有するその強い香りにより高く評価される本発明によるもう1つの化合物である。
【0023】
さらに、本発明はジアステレオ異性体の光学活性混合物にも関する。これらの中でも式:
【0024】
【化9】
【0025】
[式中、符号は式(I)中と同じものを表す]の化合物の混合物もまた、本発明によれば有利である。特に(1′R,2S,3′S,6′S)および(1′S,2S,3′R,6′R)−4−メチル−1−(2′,2′,3′,6′−テトラメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノールにより形成される混合物は、ラセミ体混合物よりもより強烈なアンバー香があり、それほど甘くなく、かつバルサミックなトップノートによって特徴付けられる香りにより、相応するラセミ体から識別される。(1′R,2S,3′S,6′S)−1−(2′,2′,3′,6′−テトラメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノール)および(1′S,2S,3′R,6′R)−1−(2′,2′,3′,6′−テトラメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノール)の混合物は、極めて高く評価され、かつ本発明の有利な実施態様を代表する。この混合物は、ウッディーで、アンバー香があり、アニマル/パースピレーションノートを全く有していないその香りによって評価される。さらに、前記混合物は、相応するラセミ体、つまり1−(2,2,3,6−テトラメチル−1−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノールとは全く異なった官能的性質を有している。実際に該混合物のウッディーでアンバー香のある香りは、ラセミ体の香りよりもいっそうアンバー香が強く/フルーティーで、ほぼフローラルであり、シダー/アニマルの特徴がわずかである。その香りの強さもまた1つの利点である。
【0026】
本発明のもう1つの対象は、付香組成物または付香された製品の、においの特性を付与、改善、強化または変性する方法であり、該方法は付香成分、つまり式(I)の化合物を光学活性異性体または該異性体の混合物の形で前記の組成物または製品に添加する工程からなる。
【0027】
実際、本発明の化合物は、事実上現代の香料産業のあらゆる分野における使用、例えばファイン・パヒューマリー、つまり香水およびオードトワレの製造における適用において役立ち、これらの分野において独創的な嗅覚効果を達成することができる。
【0028】
該化合物はまた機能性香料においても使用することができる。このタイプの適応の例は、石けん、シャワーもしくはバス・ジェル、シャンプーもしくはその他のヘアケア製品、化粧品、デオドラントおよびエアー・フレッシュナー、テキスタイルの処理のための液体もしくは固体洗浄剤および織物柔軟剤、洗い物もしくは種々の表面の洗浄のために洗剤組成物もしくは洗浄製品である。
【0029】
これらの適用において、本発明による化合物は単独で使用することもできるし、香料分野において通常使用されるその他の付香成分、溶剤または添加剤と混合して使用することもできる。これらの補助成分の性質および種類はここでは詳細な説明を必要としないし、これらを決して網羅できるものではないが、当業者であれば自身の一般的な知識に基づき、かつ付香するべき製品と所望の嗅覚的効果に応じて選択することができるものである。これらの付香用の補助成分は、天然もしくは合成由来のアルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペン炭化水素、窒素もしくは硫黄ヘテロ環式化合物および精油のような広い化学的クラスに属することができる。これらの成分の多くは、例えばS. ArctanderによるPerfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USAまたは最新版のような参考文献、およびその他の類似の性質の文献にも記載されている。
【0030】
これらの特別な選択は所望の香りおよび付香効果が得られるように行うが、その持続効果もまた付香するべき消費製品の機能に依存する。例えば洗剤または織物柔軟剤のためには特にシミと汚れとを処理されるテキスタイルから除去する、またはこれらの手触りを柔軟にすることができるのみではなく、心地よく、かつ持続性の香りを洗浄中にこれらのテキスタイルに付与することもまた所望される。というのはこれらの製品の使用者が、衣類または洗濯物の香りがこれらを洗濯し、乾燥させ、かつアイロンをかけた後でも数日間は感じられることが望ましいと思うことがしばしばあるからである。この持続性の付香効果を得るために、テナシティと直接性という要求される特性を有する付香成分を選択することが長い間公知であり、調香の専門家が、特別な香りを得るために使用したいと思う付香組成物に、優れたテナシティと直接性とを有し、かつそのにおいは、彼が得たいと思う香り全体と調和する、これらの数多くの特定の化合物を配合することができる。
【0031】
さらに付香するべき洗濯物またはその他の表面上での直接性とテナシティは複数のパラメータ、特に前記の成分の分子量およびlog P、かつまたこれらの成分で付香された洗剤または織物柔軟剤により処理されるテキスタイルの品質の相関関係であることは以前から当業者にとって一般的な知識である(例えばS. Escher et al., J. Armer. Org. Chem. Soc. 71, 31 (1994)を参照のこと)。
【0032】
香料分野ではこの知識全てが要求され、かつ付香成分、所望の嗅覚的効果を生み出すことができる組合せの選択のみではなく、その香りがより揮発性の高い化合物よりも長い期間にわたって認知される成分の揮発性の度合いの選択においてこの知識を適用することも要求される。さらに、調香師は彼が付香することを所望し、かつこのベースのにおいを変え、かつ心地よいにおいを付与することができる消費製品ベースの特性に適合する香料を生み出し、また調香師は、その安定性、快い効果、揮発性およびテナシティに基づいて、この目的のために必要かつ適切な成分を使用する。
【0033】
本発明による化合物を種々の前記の製品に配合するその割合は広い値で変更可能である。これらの値は、付香したいと思う物品または製品の性質、および所望の嗅覚的効果に、かつまた本発明の化合物を従来技術で通常使用されるその他の付香成分、溶剤または添加剤と混合する場合には、与えられた組成物の補助成分の性質に依存する。
【0034】
一例として代表的な濃度は、本発明による化合物を配合する付香組成物の質量に対して本発明による化合物1〜10質量%、あるいは20質量%の範囲である。該化合物を直接、前記の種々の消費製品の付香において適用する場合には、より低い濃度を使用することができる。
【0035】
本発明の化合物は、一般に光学活性な異性体の形の置換されたシクロヘキサノールから製造する。従ってここに示した絶対的な立体配置を有する式(Ia)または(Ib)の異性体は、適切な置換シクロヘキサノールとエポキシドとの縮合反応により得られ、その際、これらの2つの化合物は適切な光学活性の異性体の形である、つまりその立体化学は、以下の反応図式で示すとおり、所望の最終生成物の立体化学との相関関係として選択されるといういうことである:
【0036】
【化10】
【0037】
式(IVa)および(IVb)の化合物の光学活性混合物は光学活性に置換されたシクロヘキサノールからも得られる。アリル化反応、次いでエポキシド化および臭化アルキルマグネシウムを用いた求核性オキシランによる開環に引き続き、これはアルコキシアルコールを生じる。該アルコキシアルコールの酸化によりアルコキシケトンが得られ、これは立体選択的な還元により、所望の混合物を生じる。(S)−α,α−ジフェニルオキサザボロリジンの存在下でのジボランによるコーレイ(Corey)還元反応はヒドロキシル官能基の絶対的な立体配置の制御を可能にする。
【0038】
以下の反応図式は、本発明による光学活性混合物の製造方法を示す:
【0039】
【化11】
【0040】
本発明による化合物の製造を、以下の実施例においてさらに詳細に説明するが、実施例において温度は摂氏であり、かつ略号は従来技術において通例のものを表す。本発明はまた、香料における本発明の化合物の使用を記載する例により詳細に説明する。
【0041】
【実施例】
例1
1−(2,2,6−トリメチル−1−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノールの4つの光学活性異性体の立体選択的な製造
出発材料を得るための一般的な方法
Helv. Chim. Acta (1988), 71, 1000においてD. P. Simmons et al.,により記載された方法(その内容はここで言及することによって包含されるものとする)によりシトロネラールエノールアセテートを酸性処理することによりジヒドロシクロシトラールがトランス異性体とシス異性体の約90:10の混合物として得られた。この環化のために(−)−S−シトロネラールを出発材料として使用する場合、(+)−(1R,6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキサン−1−カルボアルデヒドおよび(−)−(1S,6S)シス異性体が80〜85%の収率で得られた。(+)−R−シトロネラールから相応するエナンチオマーが得られた。
【0042】
1.(+)−(1R,6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノールおよび(−)−(1S,6R)−トリメチルシクロヘキサノール
a)(+)−(1R,6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシルホルメート
(+)−(1R,6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキサン−1−カルボアルデヒド9.73g(63.0ミリモル)の溶液を、25℃で4日間、ジクロロメタン100ml中70%の純度の3−クロロ−過安息香酸23.5g(95ミリモル)と反応させた。GLC(気−液クロマトグラフィー)(Supelcowax(R)カラム、15m、70℃、220℃まで10℃/分)によりモニタリングして完全に転化した後、該混合物を水500mlに注いだ。デカンテーション、ジクロロメタン50ml×2回で抽出、塩水100ml×2回で洗浄、硫酸ナトリウムによる乾燥、雰囲気圧での蒸発およびクーゲルローア(Kugelrohr)蒸留により、純度97%の物質9.0gが得られた。1H−NMRシグナルの積分は、シス異性体が約6〜8%存在していたことを示した。収率82%。
【0043】
分析データ:
[αD 20]=+37.4(CHCl3、4%)
【0044】
【外1】
【0045】
b)(−)−(1S,6R)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシルホルメート
(−)−(1S,6R)−2,2,6−トリメチルシクロヘキサン−1−カルボアルデヒドと3−クロロ−過安息香酸との反応をa)に記載したものと同一の条件下で行い、(−)−(1S,6R)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシルホルメート85%の収率が得られた。
【0046】
分析データ:
[αD 20]=−37.0(CHCl3、4%)
スペクトルはエナンチオマーのものと同一である。
【0047】
c)(+)−(1R,6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノール
メタノール50ml中の(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシルホルメート6.05g(35.6ミリモル)の溶液を、還流下で、水18ml中の水酸化カリウム6.0g(106ミリモル)と共に1時間加熱した。GC(SP−2100、100℃、220℃まで15℃/分)は、完全な転化を示した。反応混合物を室温に冷却し、ジエチルエーテル100mlで分配し、かつ水相をジエチルエーテル50mlで2回抽出した。乾燥させた有機相を蒸発させ、濃縮液をシリカ(CH2Cl2)50gを介して濾過し、純粋な材料4.90gが得られた。収率は95%、化学的純度>99%(GC)。トランス:シス比約95:5(1H−NMR)、エナンチオマー純度97%(GC:25m Megadex、100℃、130℃まで0.5℃/分)。
【0048】
分析データ:
[αD 20]=+28.1(CHCl3、4%)
【0049】
【外2】
【0050】
d)(−)−(1S,6R)−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノール
上記のc)の記載と同様に、(−)−(1S,6R)−2,2,6−トリメチルシクロヘキサノールが、収率92%および化学的純度99%で得られた。トランス:シス比約95:5(1H−NMR)、エナンチオマー純度98%ee(GC:25m Megadex、100℃、130℃まで0.5℃/分)
分析データ:
[αD20]=+28.1(CHCl3、4%)
スペクトルはエナンチオマーのものと同一である。
【0051】
2.1−(2,2,6−トリメチル−1−シクロヘキシルオキシ−2−ペンタノール異性体
一般的なカップリング手順:
アルゴン雰囲気下で鉱油中35%の水素化カリウムの分散液2.7g(23ミリモル)を無水ペンタン20mlで2回洗浄し、かつデカンテーションし、次いで無水テトラヒドロフラン(THF)30mlに懸濁させた。該懸濁液にTHF5ml中の(+)−(1R,6S)−2,2,6−トリメチル−シクロヘキサノール2.20g(15.5ミリモル)を10分間にわたり滴加した。反応混合物を2時間攪拌し、次いでDMPU2.0mlを添加した。該混合物を還流下(浴温80℃)に加熱し、かつ(S)−1,2−エポキシペンタン1.73g(20.1ミリモル)を一度に添加した。GLC(15m SP−2100、100℃、220℃まで15℃/分)により出発トリメチル−シクロヘキサノールの約90%が転化するまで、反応混合物を一夜、80℃に保持した。反応混合物を氷水100ml上に注ぎ、分配し、かつペンタン50mlで2回抽出した。合した有機相を塩水100mlで2回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、かつ溶剤を蒸発させた。粗製油状物4.2gを9:1のシクロヘキサン/エチルアセテートによりシリカ250gで溶離した。純粋なフラクションの濃縮液のバルブ・ツー・バルブ蒸留(bulb-to-bulb distillation)(炉温110℃、0.1mmHg)により(+)−(1′R,2S,6′S)−1−(2′,2′,6′−トリメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノール0.85gが無色の液体として得られた。2,2,6−トリメチル−シクロヘキサノールに対する収率は23%であった。
【0052】
このプロトコルを以下の反応にも適用した:(+)−トリメチル−シクロヘキサノールと(R)−エポキシペンタン、(−)−トリメチル−シクロヘキサノールと(S)−エポキシペンタン、それぞれ(R)−エポキシペンタン。
【0053】
以下の2つのエナンチオマーは同一のスペクトルを有している:
(+)(1′R,2S,6′S)−1−(2′,2′,6′−トリメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノール
[αD 20]=+30.0(CHCl3、4%)、
(−)(1′S,2R,6′R)−1−(2′,2′,6′−トリメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノール
[αD 20]=−29.7(CHCl3、4%)
【0054】
【外3】
【0055】
以下の2つのエナンチオマーは同一のスペクトルを有している:
(+)(1′R,2R,6′S)−1−(2′,2′,6′−トリメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノール
[αD 20]=+26.3(CHCl3、4%)、
(−)(1′S,2S,6′R)−1−(2′,2′,6′−トリメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノール
[αD 20]=−23.9(CHCl3、4%)
【0056】
【外4】
【0057】
例2
1−(2,2,3,6−テトラメチル−1−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノールの4つの光学活性異性体の立体選択的な製造
1.(+)−(1R,3S,6S)−2,2,3,6−テトラメチルシクロヘキサノール
a)(1S,2R,5S)−2−イソプロペニル−5−メチルシクロヘキサノール[(+)−イソプレゴール]
機械的な撹拌機を備え、アルゴン雰囲気下にある2lのフラスコに(−)−S−シトロネラール(エナンチオマー過剰量>98%)250g(1.62モル)および無水トルエン0.8lを充填した。該混合物をアセトンと氷の浴中で−5℃に冷却し、一方で無水臭化亜鉛365g(1.63モル)を2時間半にわたって10回に分けて添加した。GLC(気−液クロマトグラフィー)(Carbowaxカラム、15m、100℃、220℃まで15℃/分)により転化が完了するまで該混合物を−5℃でさらに2時間攪拌した。次いで反応混合物を濾過した。濾液を塩水で洗浄し、次いで硫酸ナトリウムにより乾燥させた。2.6×103Paの真空下での蒸発により粗製濃縮液262gが得られた。粗製油状物の試料をシリカを用いた濾過により精製した(シクロヘキサン/エチルアセテート。9:1)。
【0058】
分析データ:
【0059】
【外5】
【0060】
b)(−)イソプレゴンおよび(−)プレゴンの混合物
アルゴン雰囲気下にあり、かつ機械的な撹拌機を備えた3lのフラスコにピリジンクロロクロメート440g(2.0モル)、セライト440gおよび塩化メチレン1.4lを充填した。a)で得られた粗製イソプレゴール260gを3時間かけて、水浴により15℃の温度に保持されている該混合物に添加した。この添加の後で該混合物を周囲温度で5時間攪拌し、かつ転化を気−液クロマトグラフィーによりモニタリングした(SP−2100カラム、15m、100℃。220℃まで15℃/分)。得られた懸濁液を濾過し、かつ濾液をジクロロメタンを用いてシリカ300gにより溶離した。真空下(2×103Pa、浴温約40℃)で濃縮することにより粗製油状物207gが得られ、これを真空下で分留した(Vigreuxカラム、20cm)。13.3Paで49℃で蒸留されるフラクションは重さ130gであり、かつ2つの生成物を57:43の比率で含有しているのみであり、これらはそれぞれ基準生成物とそのスペクトルを比較することによりイソプレゴンおよびプレゴンであると同定された。収率は(S)−シトロネラールに対して53%であった。
【0061】
分析データ:
【0062】
【外6】
【0063】
c)(3S,6R)−6−イソプロペニル−2,2,3,6−テトラメチルシクロヘキサノンおよび(3S,6S)−6−イソプロペニル−2,2,3,6−テトラメチルシクロヘキサノン
アルゴン雰囲気下にあり、かつ機械的な撹拌機を備えた3lのフラスコに、無水テトラヒドロフラン(THF)1lおよび鉱油中35%の水素化カリウムペースト150g(約1.3モル)を充填した。懸濁液を15℃〜20℃に冷却した。温度をこのレベルに保持し、その一方でb)で得られた混合物50gを1.5時間にわたって滴加した。次いで該混合物を4時間攪拌し、かつ周囲温度になるまで昇温させた。次いで該混合物を再度、15℃〜20℃の温度に冷却し、かつヨウ化メチル71ml(1.15ミリモル)を1時間かけて滴加した。反応混合物を周囲温度になるまで昇温させ、次いで該混合物を一夜攪拌した。次いで反応媒体を慎重に氷水400mlに注いだ。デカンテーションの後で水相をジクロロメタン100mlで2回抽出した。有機相を塩水300mlで洗浄し、かつ無水硫酸ナトリウムにより乾燥させた。溶剤を蒸発させ(30℃/1.3×103Pa)、かつ油状の残留物を真空(58℃〜62℃、40Pa)下で蒸留した。(3S)−6−イソプロペニル−2,2,3,6−テトラメチルシクロ−ヘキサノンのジアステレオマー混合物(80:20)を91%含有するフラクション32gが得られた。収率は46%であった。
【0064】
分析データ:
【0065】
【外7】
【0066】
d)(3S,6R)−6−アセチル−2,2,3,6−テトラメチルシクロヘキサノンおよび(3S,6S)−6−アセチル−2,2,3,6−テトラメチルシクロヘキサノン
500mlのシュレンク管に、ジクロロメタン240ml中のc)で得られた(3S,6R)−6−イソプロペニル−2,2,3,6−テトラメチルシクロヘキサノンおよび(3S,6S)−6−イソプロペニル−2,2,3,6−テトラメチルシクロヘキサノンのジアステレオマーの混合物58g(0.30モル)を充填した。該管を−78℃の温度に冷却し、かつ酸素50l/h中のオゾン流(2.5g/h)で焼結ガラスを用いて約6時間、青色が持続するまで該溶液をバブリングした(約0.3モル)。該管をパージし、かつ窒素を用いて脱ガスした後で、反応混合物を周囲温度になるまで昇温させた。次いで該混合物を10%(350g、0.33モル)の重亜硫酸ナトリウムの溶液350mlに注ぎ、かつ一夜攪拌した。相を分離し、かつ水相をジクロロメタン100mlで2回抽出した。合した有機相を塩水100mlで洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムにより乾燥させた。該溶液を以下の工程でそのまま使用した。
【0067】
e)(+)−(3S)−2,2,3,6−テトラメチルシクロヘキサノン
2lのフラスコをメタノール700mlで充填し、かつ水酸化カリウムペレット70g(1.25モル)を一度に導入し、かつ周囲温度で機械的な攪拌により溶解させた。上記により得られたジクロロメタン中のオゾン分解生成物を1時間かけて該混合物に滴加した。この添加のあと、ジクロロメタンを水浴を用いた加熱により蒸留した。得られた混合物を還流下で2時間にわたり加熱し(浴温90℃)、次いでメタノールの大部分を蒸留した。冷たい残留物を氷水300ml上に注ぎ、かつデカンテーションを行った。水相をペンタン50mlで2回抽出し、次いで合した有機相を無水硫酸ナトリウムにより乾燥させ、かつ溶剤を留去した。残留物を短時間蒸留することにより、2工程で((3S,6R)−6−イソプロペニル−2,2,3,6−テトラメチルシクロヘキサノンおよび(3S,6S)−6−イソプロペニル−2,2,3,6−テトラメチルシクロヘキサノールに対して)67%の収率で無色の油状物33gが得られた。信号1H−NMRの組み込みにより、該生成物が2つのジアステレオ異性体、つまりケトンのトランス−(+)−(3S,6S)−2,2,3,6−テトラメチルシクロヘキサノンとシス−(3S,6R)−2,2,3,6−テトラメチルシクロヘキサノンの85:15混合物であることが明らかになった。
【0068】
分析データ:
[αDD20]=+65.5(c=0.045、CHCl3)
【0069】
【外8】
【0070】
f)(+)−(1R,3S,6S)−2,2,3,6−テトラメチルシクロヘキサノール
反応を機械的な撹拌機、滴下漏斗、凝縮器および温度計を備え、アルゴン雰囲気下にある1.5lの二重壁フラスコ中、該フラスコにトルエン250mlおよび金属ナトリウム15.0g(0.65モル)を15分間、還流に加熱して実施した。溶融した2相のトルエン/金属混合物を強力に攪拌しながら冷却し(Medimex(R)トランスミッションによる機械的な攪拌)、かつ金属は小さな球体の形状に凝固した。0℃でイソプロパノール60g(1.0モル)中の(+)−(3S)−2,2,3,6−テトラメチルシクロヘキサノン33g(0.21モル)の溶液を、3時間かけて金属調製物に滴加した。反応混合物を0℃で一夜攪拌し、次いで気−液クロマトグラフィー(Supelcowax、100℃〜200℃、15℃/分)は95%の転化率を示した。エチルアルコールをゆっくり添加することにより残りのナトリウムを分解し、次いで該混合物を水200mlに添加した。有機相と水相とを分離し、かつ水相をトルエン100mlで2回抽出した。合した有機相を塩水200mlで洗浄し、硫酸ナトリウムを使用して乾燥させ、5.3×103Paで濃縮して濃縮液38gが得られた。シクロヘキサン/エチルアセテート95:5の溶離剤混合物を用いてシリカ500gにより溶離し、次いで2回結晶化することにより、純粋な(+)−(1R,3S,6S)−2,2,3,6−テトラメチルシクロヘキサノール19.5gが、気−液クロマトグラフィー(Megadex5カラム、15m、70℃、200℃まで2゜/分)により70%の収率および98%を上回るエナンチオマー過剰率で得られた。
【0071】
分析データ
[αD 20]=+16.9(c=0.039、CHCl3)
【0072】
【外9】
【0073】
2.(−)−(1S,3R,6R)−2,2,3,6−テトラメチルシクロヘキサノール
R−(+)−シトロネラール(エナンチオマー過剰率>98%)から出発して1.に記載した方法と同様に6工程で(−)−(1S,3R,6R)−2,2,3,6−テトラメチルシクロヘキサノールを製造した。化合物(−)−イソプレゴール、(+)−イソプレゴール/(+)−プレゴン、(3R)−6−イソプロペニル−2,2,3,6−テトラメチルシクロヘキサノン、(3R)−6−アセチル−2,2,3,6−テトラメチル−シクロヘキサノン、(−)−3R−2,2,3,6−テトラメチルシクロヘキサノンおよび(−)−(1S,3R,6R)−2,2,3,6−テトラメチルシクロヘキサノールがこうして引き続き得られた。これらのスペクトルデータは全てそれぞれのエナンチオマーのものと同一であった。
【0074】
(−)−3R−2,2,3,6−テトラメチルシクロヘキサノンはαD 20=−66.2(c=0.045;CHCl3)を有していた。(−)−(1S,3R,6R)−2,2,3,6−テトラメチルシクロヘキサノールは、エナンチオマーの分割に関して気−液クロマトグラフィーによりee>98%を有していた(Megadex5カラム、15m、70℃、200℃まで2℃/分)。
【0075】
3.1,2−エポキシペンタン
a)(S)−2−クロロ−1−ペンタノール
L−ノルバリン[α20 D=+30(c=10;HCl水溶液、20%)]48.5g(0.41モル)を6NのHCl 700ml中に溶解し、かつ得られる溶液を−10℃に冷却した。強力に攪拌しながら、亜硝酸ナトリウム46.4g(0.67モル)を10分間で添加し、その一方で温度を−5℃〜−10℃に保持した。−5℃で15時間攪拌した後で、反応混合物をペンタン100mlで3回抽出した。合した有機相を塩水200mlで洗浄し、無水硫酸ナトリウムにより乾燥させ、かつ減圧下で濃縮し、最終的に粗製油状物48gが得られた。
【0076】
この油状物を無水ジエチルエーテル50ml中に溶解させ、かつ懸濁液を10℃でジエチルエーテル200ml中の水素化リチウムアルミニウム12.5g(330ミリモル)の懸濁液に滴加した。該混合物を慎重に氷冷した10%の硫酸250mlに注いだ。有機相をデカンテーションした後で、水相を塩化ナトリウムで飽和させ、かつジエチルエーテル50mlで2回抽出した。合した有機抽出物を無水硫酸ナトリウムにより乾燥させ、かつ雰囲気圧で濃縮した。15cmのVigreuxカラム中での分留により2×103Paに関して88℃〜90℃の間の沸点を有する無色の液体27.3gが得られた。収率はノルバリンに対して53%であった。
【0077】
分析データ:
【0078】
【外10】
【0079】
b)(+)−(R)−1,2−エポキシペンタン
(i)(S)−2−クロロ−1−ペンタノールの精製
ピリジン33g(0.42モル)およびトルエン500ml中の(S)−クロロ−1−ペンタノール26g(0.21モル)の溶液を0℃に冷却し、かつ3,5−ジニトロベンゾイルクロリド57.5g(0.25モル)の溶液を0℃で20分間で3回に分けて添加した。該混合物を周囲温度で一夜放置し、次いで冷水300mlに注いだ。分配およびトルエン50ml×2回の抽出により得られた、合した有機抽出物を硫酸ナトリウムにより乾燥させ、かつ減圧下で濃縮した。粗生成物をイソプロピルエーテル/エタノール2:1から出発して5回再結晶し、融点66℃〜68℃を有する結晶質の粉末26gが得られた((S)−2−クロロ−ペンタノールに対する収率39%)。
【0080】
ジニトロベンゾエート24g(76ミリモル)、メタノール250mlおよびメタノール中30%のナトリウムメトキシドの溶液1mlの混合物を周囲温度で1時間放置した。次いでピンク色の溶液を塩水250mlに注いだ。デカンテーションおよびジエチルエーテル50mlで3回抽出した後、合した有機相を硫酸ナトリウムにより乾燥させ、かつ溶剤を雰囲気圧で蒸留した。バルブ・ツー・バルブ蒸留により(S)−2−クロロ−1−ペンタノール8.1gが得られた。
【0081】
(ii)クロロヒドリンサイクルの閉鎖
2−クロロアルコール6.95g(56.6ミリモル)を0℃に冷却し、かつ新たに粉砕した水酸化カリウム6.4g(0.11モル)を一度に添加した。該混合物を周囲温度で1時間攪拌し、次いで雰囲気圧でバルブ・ツー・バルブ蒸留を行った。水素化カルシウムから出発する再蒸留によりエポキシド4.7gが得られた(炉温90℃)。収率は95%であった。
【0082】
分析データ:
【0083】
【外11】
【0084】
c)(−)−(S)−1,2−エポキシペンタン
D−ノルバリン[α20 D=−30(c=10;HCl水溶液、20%)の(R)−2−クロロペンタノールおよび(−)−(S)−1,2−エポキシペンタンへの転化を、3.に記載したものと類似の方法により実施した。
【0085】
[α]D 25=−15.8(c=0.50;CHCl3)
4.1,2−エポキシブタン
a)(+)−(R)−1,2−エポキシブタン
L−2−アミノ酪酸の(S)−2−クロロブタノールおよび(+)−1,2−エポキシブタンへの転化を上記の通りに実施した。スペクトルデータはU. Goergens and M. P. Schneider, Tetr. Asym. 1992, 3, 1149およびM. J. Kim and G. M. Whitesides, J. Am. Chem. Soc. 1988, 110, 2959により出版されたものに相応する。
【0086】
b)(−)−(S)−1,2−エポキシブタン
D−2−アミノ酪酸の(R) −2−クロロブタノールおよび(−)−(S)−1,2−エポキシブタンへの転化を上記の通りに実施した。スペクトルデータはU. Schmidt et al., Chem. 1980, 92, 201により出版されたものに相応する。
【0087】
5.1−(2,2,3,6−テトラメチル−1−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノールの異性体
一般的な方法
アルゴン雰囲気下で鉱油中20%の水素化カリウムの分散液4.0g(20ミリモル)を無水ペンタン20mlで洗浄し、かつデカンテーションを行い、次いで無水テトラヒドロフラン30ml中に懸濁させた。THF30ml中の(+)−(1R,3S,6S)−2,2,3,6−テトラメチルシクロヘキサノール2.10gを該懸濁液に30分で滴加した。反応混合物を2時間攪拌し、次いで1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミドン(DMPU)2mlを添加した。該混合物を還流に加熱(浴温80℃)し、かつ(S)−1,2−エポキシペンタン1.50g(17.4ミリモル)を一度に添加した。気−液クロマトグラフィー(SP−2100カラム、15m、100℃、220℃まで15℃/分)により出発テトラメチルシクロヘキサノールの90%が転化するまで反応混合物を80℃に保持した。次いで反応混合物を氷水250mlに注ぎ、デカンテーションを行い、かつペンタン50mlで2回抽出した。合した有機相を塩水100mlで2回洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥させ、かつ溶剤を蒸発させた。バルブ・ツー・バルブ蒸留(炉温110℃、13.3Pa)により無色の液体2.5g〜3.1gが得られ、これをシリカ200gにより9:1のシクロヘキサン/エチルアセテート混合物を用いて溶離した。純粋な光学活性1−(2′,2′,3′,6′−テトラメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノール1.3g〜1.5gが、2,2,3,6−テトラメチルシクロヘキサノールに対して40%〜46%の収率で得られた。それぞれの異性体に関してシクロヘキサノールおよびエポキシドを所望の最終立体化学との相関関係として選択した。
【0088】
分析データ:
(+)−(1′R,2S,3′S,6′S)−1−(2′,2′,3′,6′−テトラメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノール(IIa)
[αD 20]=+25.5℃(c=0.041;CHCl3)
【0089】
【外12】
【0090】
(−)−(1′S,2R,3′R,6′R)−1−(2′,2′,3′,6′−テトラメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノール(IIIb)
[αD 20]=−26.2℃(c=0.042;CHCl3)
スペクトルデータは(IIa)のものと同一である。
【0091】
(+)−(1′R,2R,3′S,6′S)−1−(2′,2′,3′,6′−テトラメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノール(IIIa)
[αD 20]=+22.7℃(c=0.039;CHCl3)
【0092】
【外13】
【0093】
(−)−(1′S,2S,3′R,6′R)−1−(2′,2′,3′,6′−テトラメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノール(IIb)
[αD 20]=−22.3℃(c=0.046;CHCl3)
スペクトルデータは(IIIa)のものと同一である。
【0094】
例3
コーレイ還元法による(1′R,2S,3′S,6′S)−1−(2′,2′,3′,6′−テトラメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノールおよび(1′S,2S,3′R,6′R)−1−(2′,2′,3′,6′−テトラメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノールの混合物の立体選択的な製造
1.(±)−2,2,c−3,t−6−テトラメチル−R−1−シクロヘキサノール
機械的な撹拌機、滴下漏斗、凝縮器および温度計を備え、アルゴン雰囲気下にある1.5lの二重壁Schmizoフラスコ中で、該フラスコにトルエン500mlおよび金属ナトリウム22.5g(1.0モル)を15分間還流に加熱することにより反応を実施した。溶融した2相のトルエン/金属混合物を強力に攪拌しながら冷却し(Medimex(R)トランスミッションによる機械的な攪拌)、かつ該金属は小さな球体の形に凝固した。0℃でイソプロパノール150g(2.5モル)中の2,2,3,6−テトラメチル−シクロヘキサノン54g(0.35モル)の溶液を3時間にわたって滴加した。反応混合物を0℃で一夜攪拌し、かつ気−液クロマトグラフィー(Supelcowax(R)カラム、100℃〜220℃、15℃/分)は95%の転化率を示した。エチルアルコールをゆっくり添加することにより残りのナトリウムを分解し、次いで該混合物を水1000mlに添加した。相を分離し、かつ水相をトルエン100mlで2回抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウムにより乾燥させ、かつ蒸発させて濃縮液54gが得られた。気−液クロマトグラフィー(SP−2100、100℃〜220℃、15℃/分)によるエクアトリアル/アキシアル比は85:15であり、かつ2つの異性体の比率は揮発性の粗生成物に対して89%であった。試料のバルブ・ツー・バルブ蒸留により非揮発性材料の不在が明らかになり、従って粗製生成物収率は約87%であった。該生成物をそのままでその後の工程に使用した。
【0095】
2.(±)−R−2−アリルオキシ−1,1,t−3,c−6−テトラメチルシクロヘキサン
1リットルの容器にアルゴン雰囲気下で鉱油中20%のKHの分散液30g(約0.15モル)を充填した。該分散液を50℃〜70℃の石油エーテルのフラクション50mlで希釈し、攪拌し、デカンテーションを行い、次いで液体をピペットで除去した。この操作を繰り返すことにより、鉱油の大部分を除去した。次いでTHF100mlを添加し、かつTHF10ml中の1.で得られた2,2,3,6−テトラメチル−1−シクロヘキサノール20g(0.13モル)を30分間で、撹拌下(Medimex(R)による機械的な攪拌)に滴加した。周囲温度での攪拌を1時間継続し、次いで該混合物を0℃に冷却した。ジメチルスルホキシド(DMSO)100ml中の臭化アリル23g(0.19モル)の溶液を1時間にわたって添加し、その一方で反応温度を0℃に保持した。該混合物を添加後にさらに1時間0℃で放置し、次いで氷水500mlに注いだ。ペンタン100mlで3回、相を分離した。合した有機相を5%の水性アンモニア300mlにより洗浄し、次いで水200mlで2回洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥させ、かつ蒸発させて、粗製油状物33gが得られた。Vigreuxカラム(15cm、<13.3Pa)中での蒸留により、13.3Paで沸点43℃〜44℃を有する無色の液体23.6gが得られた。気−液クロマトグラフィー(SP−2100、100℃〜220℃、15℃/分)により達成された純度は85%であった。収率は79%であった。
【0096】
分析データ:
【0097】
【外14】
【0098】
3.(±)−2−[(2,2−c−3−t−6−テトラメチル−R−1−シクロヘキシルオキシ)メチル]オキシラン
1lのフラスコにジクロロメタン200mlおよび純度70%のm−クロロ過安息香酸50g(0.2モル)を充填した。混合物を0℃に冷却し、かつジクロロメタン200ml中の2.で得られたアリルエーテル19.5gの85%溶液を0℃で1.5時間にわたって添加した。反応混合物を1時間放置して周囲温度に昇温させ、次いで一夜放置した。次に該混合物を20%のNaOH水溶液600mlに注ぎ、かつ0.5時間攪拌した。分離した有機相をNaOHの20%水溶液100mlで、次いで塩水200mlで洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、かつ濃縮して粗製油状物25gが得られた。20cmのWidmerカラム中での蒸留により、無色の液体19.0gが回収され、これは気−液クロマトグラフィー(SP−2100、100℃〜220℃、15℃/分)の結果によれば純度95%であった。収率は85%であった。
【0099】
分析データ:
【0100】
【外15】
【0101】
4.(±)−1−(2,2,c−3,t−6−テトラメチル−R−1−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノール
アルゴン雰囲気下にある500mlのフラスコにTHF60ml、3.で得られたエポキシド6g(26ミリモル)およびヨウ化銅(I)0.30g(1.5ミリモル)を充填した。機械的に攪拌される混合物を0℃に冷却し、かつTHF中臭化エチルマグネシウムの0.36Mの溶液110mlを1.5時間にわたって滴加した。得られた混合物をさらに30分間攪拌し、次いで周囲温度に昇温するまで放置した。次いでNH4Cl飽和水溶液に注ぎ、ペンタン100mlで3回デカンテーションし、かつ塩水100mlで洗浄した。硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、溶剤を蒸発させて粗製油状物9.3gが得られた。バルブ・ツー・バルブ蒸留(103Pa、炉温135℃)により純度81%(気−液クロマトグラフィーSP−2100、100℃〜220℃、15℃/分)の生成物5.7gが収率72%で得られた。生成物をそのまま以下の工程で使用した。
【0102】
5.(±)−1−(2,2,c−3,t−6−テトラメチル−R−1−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノン
ジクロロメタン20ml中に溶解した4.で得られた純度81%のアルコール4g(13ミリモル)の試料を、ジクロロメタン300ml中のセライト15gおよびピリジンクロロクロメート14gの懸濁液に周囲温度で滴加した。転化が完了するまで該混合物を30分間攪拌し、かつSiO2 200gを介して濾過した。純度98%の生成物2.8gが収率89%で得られた。
【0103】
分析データ:
【0104】
【外16】
【0105】
6.(1′R,2S,3′S,6′S)−1−(2′,2′,3′,6′−テトラメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノールおよび(1′S,2S,3′R,6′R)−1−(2′,2′,3′,6′−テトラメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノール
a)触媒の製造
ディーン・シュタルク(Dean-Stark)トラップおよび凝縮器を備え、アルゴン雰囲気下にある150mlの三口フラスコに、トルエン70mlおよびS−α,α−ジフェニルプロリノール5.15g(0.020モル)を充填した。トリメチルボロキシン1.70g(0.014モル)を3分間で導入した。白色の沈殿物が現れ、かつトルエン35mlを添加し、その一方で該混合物を30分間連続して攪拌した。該混合物を還流に加熱し(98℃)、かつ水をトラップに分離した。トルエンを数回添加し、かつ水をもはや蒸留できなくなり、かつ全ての沈殿物が消滅するまで水の分離を続けた。黄色の溶液を冷却し、かつアルゴン雰囲気下で検定フラスコへ移した。最終的な体積は、ジフェニルプロリノールの全選択的転化率を想定して、0.4Mの滴定量で50mlであった。
【0106】
b)還元
冷却ジャケットおよび機械的撹拌機を備えた200mlの反応器をアルゴン雰囲気下においた。無水THF25mlを導入し、かつ0℃に冷却した(−1℃に固定した低温浴の循環)。a)で得られた0.4Mの触媒溶液0.7ml(0.3ミリモル)を添加し、次いでTHF中ボラン.Me2Sの2M溶液2.4ml(4.8ミリモル)を添加した。シリンジを使用して1−(2,2,3,6−テトラメチルシクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノン1.7g(7.1ミリモル)を6時間にわたって添加し、その一方で温度を0℃に維持した。次いで該反応混合物を10%のNaOH水溶液300ml上に注ぎ、かつデカンテーションを行った。水相をペンタン100ml×2回で抽出した。合した有機相を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥させ、かつ減圧下で濃縮した。残留物を蒸留し(バルブ・ツー・バルブ蒸留、125℃、133Pa)、無色の液体1.6gが得られた。収率は94%であった。
【0107】
[αD 20]=−2.6(c=0.045;CHCl3)
例4
付香組成物の製造
織物柔軟剤のための付香組成物を以下の成分から製造した:
1) 8,12−エポキシ−13,14,15,16−テトラノルラブダナム;製造元:スイス、ジュネーブ在、Firmenich SA、
2) 1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチルシクロペンタ−γ−2−ベンゾピラン;製造元:USA在、International Flavors & Fragrances、
3) メチルジヒドロジャスモネート;製造元:スイス、ジュネーブ在、Firmenich SA、
4) メチルイオノンの異性体混合物;製造元:スイス、ジュネーブ在、Firmenich SA、
5) 3−(4−t−ブチルフェニル)−2−メチルプロパノール;製造元:スイス、Vernier在、Givaudan-Roure SA、
6) 4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボアルデヒド+3−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボアルデヒド;製造元:USA在、International Flavors & Fragrances、
7) (5,6,7,8−テトラヒドロ−3,5,5,6,8,8−ヘキサメチル−2−ナフチル)−1−エタノン;製造元:オランダ在、PFW、
8) 2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボアルデヒド;製造元:スイス、ジュネーブ在、Firmenich SA、
9) 製造元:スイス、ジュネーブ在、Firmenich SA。
【0108】
(+)−(1′R,2S,3′S,6′S)−1−(2′,2′,3′,6′−テトラメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノールを100質量部添加することにより、この付香組成物の香りのパチョリノートは強化され、その際、該組成物はいっそうアンバー香のある、バルサミックな、ほぼジューシーなコノテーションが付与される。(+)−(1′R,2S,3′S,6′S)−1−(2′,2′,3′,6′,テトラメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノールを(+)−(1′R,2R,3′S,6′S)−1−(2′,2′,3′,6′−テトラメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノールと交換すると、該組成物の香りはいっそうアンバー香があり、シダー香があり、より乾いた、リッチな香りになる。
【0109】
例5
男性用オードトワレのための付香組成物の調整
男性用オードトワレのベース組成物を以下の成分から製造した:
1)1,2,3,5,6,7,−ヘキサヒドロ−1,1,2,3,3−ペンタメチル−4−インデノン;製造元:USA在、International Flavors & Fragrances、
2)製造元:USA在、International Flavors & Fragrances、
3)製造元:スイス、Vernier在、Givaudan-Roure SA、
4)高いシス異性体含有率を有するメチルジヒドロジャスモネート;製造元:スイス、ジュネーブ在、Firmenich SA、
5)1−(オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−エタノン;製造元:USA在、International Flavors & Fragrances、
6)4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボアルデヒド+3−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボアルデヒド;製造元:USA在、International Flavors & Fragrances、
7)3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル);製造元:スイス、Vernier在、Givaudan-Roure SA、
8)製造元:製造元:スイス、Vernier在、Givaudan-Roure SA、
9)(5,6,7,8−テトラヒドロ−3,5,5,6,8,8,−ヘキサメチル−2−ナフチル)−1−エタノン;製造元:PFW、オランダ。
【0110】
(+)−(1′R,2S,3′S,6′S)−1−(2′,2′,3′,6′−テトラメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノール300質量部をこのベース組成物に添加し、新規の組成物が得られる。該組成物の香りはウッディーでアンバー香のあるタイプの強烈なトップノートを有しており、ほとんどバルサミックなインセンスのサブノートを伴っている。
【0111】
同量の(+)−(1′R,2R,3′S,6′S)−1−(2′,2′,3′,6′−テトラメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノールの添加はベース組成物の香りに異なった効果をもたらす。新規の組成物は前者ほど強烈ではないウッディーな香りのノートを有するが、しかしこのノートはより乾いた、ほとんどぴりっとした感じであり、そしてもはやバルサミックではない。
【0112】
例6
女性用オードトワレのための付香組成物の調製
女性用のオリエンタルタイプのオードトワレのためのベース組成物を以下の成分から製造した:
1)(3,7−ジメチル−6−オクテニルオキシ)−アセトアルデヒド;製造元:USA在、International Flavors & Fragrances、
2)製造元:スイス、ジュネーブ在、Firmenich SA、
3)メチルジヒドロジャスモネート;製造元:スイス、ジュネーブ在、Firmenich SA、
4)製造元:USA在、International Flavors & Fragrances、
5)4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボアルデヒド+3−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボアルデヒド;製造元:USA在、International Flavors & Fragrances、
6)製造元:スイス、ジュネーブ在、Firmenich SA、
7)製造元:USA在、International Flavors & Fragrances、
8)製造元:USA在、International Flavors & Fragrances、
9)製造元:スイス、ジュネーブ在、Firmenich SA。
【0113】
ジプロピレングリコール中1%の(1′R、2S,3′S,6′S)−1−(2′,2′,3′,6′−テトラメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノールと(1′S、2S,3′R,6′R)−1−(2′,2′,3′,6′−テトラメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノールとの混合物を70質量部添加することにより、香水のオリエンタル/ウッディーなノートが強化される。パチュリ、バニラおよびモスのノートはいっそうはっきりし、かつ該香水は強度および拡散性を得る。
Claims (6)
- 化合物としての(1′R,2S,6′S)−1−(2′,2′,6′−トリメチル−1′−シクロヘキシルオキシ)−2−ペンタノール。
- 付香成分としての請求項1から3までのいずれか1項記載の化合物の使用。
- 活性成分としての請求項1から3までのいずれか1項記載の化合物を含有する付香組成物または付香された物品。
- 香水またはオーデコロン、石けん、シャワージェルまたはバスジェル、シャンプーまたはその他のヘアケア製品、化粧品、デオドラントまたはエアーフレッシュナー、洗剤または織物柔軟剤または洗浄製品の形の請求項5記載の付香された物品。
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