JP2002030009A - l−メントールの製造方法 - Google Patents

l−メントールの製造方法

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JP2002030009A JP2001138438A JP2001138438A JP2002030009A JP 2002030009 A JP2002030009 A JP 2002030009A JP 2001138438 A JP2001138438 A JP 2001138438A JP 2001138438 A JP2001138438 A JP 2001138438A JP 2002030009 A JP2002030009 A JP 2002030009A
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明により、従来では収率と選択性が悪く
て不可能であった方法を、水素化触媒をうまく選択する
ことにより、水素化反応のみで低価格でl−メントール
を合成する。 【解決手段】 ピペリテノンを、特定の光学活性ホスフ
ィンの遷移金属錯体で水素化してプレゴンを製造し、得
られたプレゴンを塩基の存在下、ルテニウム−ホスフィ
ン−アミン錯体で水素化してプレゴールとなし、更に遷
移金属触媒で水素化することを特徴とするl−メントー
ルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬又は香料とし
て用いられるl−メントール及びその中間体のプレゴン
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】メシチルオキシドとメチルビニルケトン
とから容易に合成可能なピペリテノンからプレゴンへの
水素化反応はいくつか報告例がある。1)J.Solodarら
J. Org.Chem., 43巻, 1787頁, 1978年に記載されている
シクロヘキシルアニシルメチルホスフィンを配位子とす
るRh錯体を用いて水素化する例、2)P. L. MauxらTetr
ahedron, 44巻, 1409頁, 1988年に記載されているジフ
ェニルネオメンチルホスフィンを配位子とするCo錯体を
用いて水素化する例がある。また、プレゴンからプレゴ
ールへの報告例は、T. OhkumaらSynlett, 1997年,467頁
に記載されている(S)-BINAP-Ru-(S,S)-ジフェニルエチ
レンジアミン-KOHという触媒系を用いる例がある。
【0003】プレゴンの合成では、1)90%程度の選
択性で得られるが光学純度は33%eeと低い。さらに
反応溶媒にはDMF(ジメチルホルムアミド)を用いて
おり、工業的に実施できる手法ではなかった。2)選択
性は55%、光学純度も15%eeと低く、工業的に実
施できるレベルではなかった。また、プレゴールの合成
に用いる配位子は、(S)-BINAP、(S,S)-ジフェニルエチ
レンジアミンの組合せであり、どちらも光学活性体を使
用していることから触媒コストが高すぎるといった問題
点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以下の1)
〜3)に示す具体的課題を解決するものである。 1) ピペリテノンは水素化が可能な位置が3カ所あ
り、プレゴンを得るには水素化の位置選択性を上げる必
要がある。従前の配位子であるシクロヘキシルアニシル
メチルホスフィン、フェニルアニシルメチルホスフィ
ン、シクロヘキシルo-tert-ブチルフェニルメチルホス
フィン等の一座配位ホスフィンや、DIPAMP:1,2−ビス
−[(o-メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]エタン
、DIOP:2,3-o-イソプロピリデン-2,3-ジヒドロキシ-
1,4-ビス-(ジフェニルホスフィノ)ブタン等の二座配
位ホスフィンより優れた選択性と不斉収率を達成する触
媒、つまり配位子及び遷移金属を選択することであり、
それに影響を及ぼす溶媒系や添加物を検討することが必
要である。 2) プレゴンからプレゴールの調製は、従来技術のル
テニウム−ジアミン−水酸化カリウムの系でかなりの成
果が得らているので、それを安価な触媒に変えて同等の
触媒活性、選択性を得ることが求められている。 3) プレゴールを水素化してメントールを得る方法
は、不均一系水素化触媒を用いて行うことができるが、
さらに高選択性の触媒系の開発が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】以下、本発明を詳細に説
明する。本発明に用いるピペリテノンは、メシチルオキ
シドとメチルビニルケトンを水酸化カリウムの存在下で
反応する(特公昭57−47168号公報参照)かメシ
チルオキシドと4-ジエチルアミノ-2-ブタノンを縮合
して調製することができる。
【0006】本発明では、第一次の水素化反応として、
ピペリテノンの2位のオレフィンを水素化する。その反
応式を以下に示す。
【0007】
【化8】
【0008】ピペリテノンの2位のオレフィンを水素化
する触媒に用いる配位子として、一般式(2)、
【0009】
【化9】
【0010】(式中、R1は、置換基有していてもよい
アリール基又は炭素数3乃至8のシクロアルキル基を示
す。)で示される光学活性ホスフィンである。この一般
式(2)において、R1は、置換基を有していてもよい
フェニル基、置換基を有していても良いナフチル基、ま
たは炭素数3乃至8のシクロアルキル基である。ここで
置換基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチルなどの炭素
数1乃至4の低級アルキル基;フッ素、クロル、ブロム
などのハロゲン原子;メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、ブトキシなどの炭素数1乃至4の低級アルキル基;
トリフルオロメチル、トリクロロメチルなどのハロゲン
化低級アルキル基またはベンジルオキシ基を例示するこ
とができる。好ましい具体例としてのR1は、フェニル
基、4−トリル基、3−トリル基、4−メトキシフェニ
ル基、3,5−キシリル基、3,5−ジtert−ブチ
ルフェニル基、4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニ
ル基、4−メトキシ−3,5−ジtert-ブチルフェニル
基、ナフチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基
などが挙げられる。この一般式(2)において、好まし
く用いられる光学活性ホスフィンとしては、例えば、特
開昭61−63690号、特開昭62−265293号
公報に記載されている第3級ホスフィンで、具体例とし
ては、次のものを挙げることができる。
【0011】2,2'- ビス( ジフェニルホスフィノ)-1,1'
- ビナフチル( 以下、「BINAP」と略記する)、2,2'- ビ
ス[ ジ(p-トリル) ホスフィノ]-1,1'- ビナフチル( 以
下、「p-Tol-BINAP」と略記する)、2,2'- ビス[ ジ(3,5
-キシリル) ホスフィノ]-1,1'- ビナフチル( 以下、「D
M-BINAP」と略記する) 、2,2'- ビス[ ジ(3,5-ジ-tert-
ブチルフェニル) ホスフィノ]-1,1'-ビナフチル( 以
下、「t-Bu-2-BINAP」と略記する)、2,2'- ビス[ ジ(4-
メトキシ-3,5-ジメチルフェニル) ホスフィノ]-1,1'-
ビナフチル( 以下、「DMM-BINAP」と略記する)、2,2'-
ビス( ジシクロヘキシルホスフィノ)-1,1'- ビナフチル
( 以下、「Cy-BINAP」と略記する)、2,2'- ビス( ジシ
クロペンチルホスフィノ)-1,1'- ビナフチル( 以下、
「Cp-BINAP」と略記する)
【0012】また、第一次の水素化反応の触媒に用いる
他の配位子として、一般式(3)、
【0013】
【化10】
【0014】(式中、R1は、置換基有していてもよい
アリール基又は炭素数3乃至8のシクロアルキル基を示
す。)で示される光学活性ホスフィンである。この一般
式(3)において、R1は、置換基を有していてもよい
フェニル基、置換基を有していても良いナフチル基、ま
たは炭素数3乃至8のシクロアルキル基である。ここで
置換基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチルなどの炭素
数1乃至4の低級アルキル基;フッ素、クロル、ブロム
などのハロゲン原子;メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、ブトキシなどの炭素数1乃至4の低級アルキル基;
トリフルオロメチル、トリクロロメチルなどのハロゲン
化低級アルキル基またはベンジルオキシ基を例示するこ
とができる。好ましい具体例としてのR1は、フェニル
基、4−トリル基、3−トリル基、4−メトキシフェニ
ル基、3,5−キシリル基、3,5−ジtert−ブチ
ルフェニル基、4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニ
ル基、4−メトキシ−3,5−ジtert-ブチルフェニル
基、ナフチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基
などが挙げられる。この一般式(3)において、好まし
く用いられる光学活性ホスフィンとしては、例えば、特
開平4−139140公報に記載されている第3級ホス
フィンで、具体例としては、次のものを挙げることがで
きる。
【0015】2,2'-ビス{ジフェニルホスフィノ}-5,
5',6,6',7,7',8,8'-オクタヒドロビナフチル(以下、
「H8-BINAP」と略記する)、2,2'-ビス{ジ-p-トリルホ
スフィノ}-5,5',6,6',7,7',8,8'-オクタヒドロビナフ
チル(以下、「p-Tol-H8-BINAP」と略記する)、2,2'-
ビス{ジ-(3,5-キシリル)ホスフィノ}-5,5',6,6',7,
7',8,8'-オクタヒドロビナフチル(以下、「DM-H8-BINA
P」と略記する)、2,2'-ビス{ジ-(4-メトキシ-3,5-ジ
メチルフェニル)ホスフィノ}-5,5',6,6',7,7',8,8'-
オクタヒドロビナフチル(以下、「DMM-H8-BINAP」と略
記する)。
【0016】また、第一次の水素化反応の触媒に用いら
れるさらに他の配位子として、一般式(4)
【0017】
【化11】
【0018】(式中、R1は、置換基有していてもよい
アリール基又は炭素数3乃至8のシクロアルキル基を示
し、R2は、水素原子または炭素数1乃至4の低級アル
キル基を示し、R3は、水素原子、メチル基、メトキシ
基またはハロゲン原子を示し、R4は、メチル基、メト
キシ基またはを示し、或いは、R3とR4が一緒になって
メチレンジオキシ基を形成してもよい。)で示される光
学活性ホスフィンである。この一般式(4)において、
1は、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基
を有していても良いナフチル基、または炭素数3乃至8
のシクロアルキル基である。ここで置換基としては、メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、
t−ブチル、イソブチルなどの炭素数1乃至4の低級ア
ルキル基;フッ素、クロル、ブロムなどのハロゲン原
子;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどの
炭素数1乃至4の低級アルキル基;トリフルオロメチ
ル、トリクロロメチルなどのハロゲン化低級アルキル基
またはベンジルオキシ基を例示することができる。好ま
しい具体例としてのR1は、フェニル基、4−トリル
基、3−トリル基、4−メトキシフェニル基、3,5−
キシリル基、3,5−ジtert−ブチルフェニル基、
4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル基、4−メト
キシ−3,5−ジtert-ブチルフェニル基、ナフチル
基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基などが挙げら
れる。この一般式(4)において、好ましく用いられる
光学活性ホスフィンとしては、例えば、特開平11−2
69185号公報に記載されている第3級ホスフィン
で、具体例としては、次のものを挙げることができる。
【0019】((5,6),(5',6')-ビス(メチレンジオキシ)
ビフェニル-2,2'-ジイル) ビス(ジフェニルホスフィン)
( 以下、SEGPHOS と略記する)、((5,6),(5',6')-ビス
(メチレンジオキシ)ビフェニル-2,2'-ジイル) ビス(ジp
-トリルホスフィン) (以下、p-Tol-SEGPHOS と略記す
る)、((5,6),(5',6')-ビス(メチレンジオキシ)ビフェ
ニル-2,2'-ジイル) ビス(ジ3,5-キシリルホスフィン)
(以下、DM-SEGPHOS と略記する)、((5,6),(5',6')-ビ
ス(メチレンジオキシ)ビフェニル-2,2'-ジイル) ビス
(ジ4-メトキシ-3,5-ジメチルフェニルホスフィン)( 以
下、DMM-SEGPHOS と略記する)、((5,6),(5',6')-ビス
(メチレンジオキシ)ビフェニル-2,2'-ジイル) ビス(ジ4
-メトキシ-3,5-ジ-tert-ブチルフェニルホスフィン)
(以下、DTBM-SEGPHOS と略記する)、((5,6),(5',6')-
ビス(メチレンジオキシ)ビフェニル-2,2'-ジイル) ビス
(ジシクロヘキシルホスフィン) (以下、Cy-SEGPHOS と
略記する)
【0020】それ以外に、一般式(4)に該当するもの
として、次の光学活性ホスフィンを挙げることができ
る。2,2'-ジメチル-6,6'-ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)-1,1'-ビフェニル(以下、「BIPHEMP」と略記す
る)、2,2'-ジメチル-6,6'-ビス(ジp-トリルホスフィ
ノ)-1,1'-ビフェニル(以下、「p-Tol-BIPHEMP」と略
記する)、2,2'-ジメチル-6,6'-ビス(ジ3,5-キシリル
ホスフィノ)-1,1'-ビフェニル(以下、「DM-BIPHEMP」
と略記する)、2,2'-ジメチル-6,6'-ビス(ジ4-メトキ
シ-3,5-ジメチルフェニルホスフィノ)-1,1'-ビフェニ
ル(以下、「DMM-BIPHEMP」と略記する)、2,2'-ジメチ
ル-6,6'-ビス(ジ4-t-ブトキシ-3,5-ジメチルフェニル
ホスフィノ)-1,1'-ビフェニル(以下、「DTBM-BIPHEM
P」と略記する)、2,2'-ジメチル-6,6'-ビス(ジシクロ
ヘキシルホスフィノ)-1,1'-ビフェニル(以下、「Cy-B
IPHEMP」と略記する)、2,2'-ジメトキシ-6,6'-ビス
(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビフェニル(以下、
「MeO-BIPHEP」と略記する)、2,2'-ジメトキシ-6,6'-
ビス(ジp-トリルホスフィノ)-1,1'-ビフェニル(以
下、「p-Tol-MeO-BIPHEP」と略記する)、2,2'-ジメト
キシ-6,6'-ビス(ジ3,5-キシリルホスフィノ)-1,1'-ビ
フェニル(以下、「DM-MeO-BIPHEP」と略記する)、2,
2'-ジメトキシ-6,6'-ビス(ジ4-メトキシ-3,5-ジメチル
フェニルホスフィノ)-1,1'-ビフェニル(以下、「DMM-
MeO-BIPHEP」と略記する)、2,2'-ジメトキシ-6,6'-ビ
ス(ジ4-t-ブトキシ-3,5-ジメチルフェニルホスフィ
ノ)-1,1'-ビフェニル(以下、「DTBM-MeO-BIPHEP」と
略記する)、2,2'-ジメトキシ-6,6'-ビス(ジシクロヘ
キシルホスフィノ)-1,1'-ビフェニル(以下、「Cy-MeO
-BIPHEP」と略記する)、2,2'-ジメチル-3,3'-ジクロロ
-4,4'-ジメチル-6,6'-ビス(ジp-トリルホスフィノ)-
1,1'-ビフェニル(以下、「p-Tol-CM-BIPHEMP」と略記
する)、2,2'-ジメチル-3,3'-ジクロロ-4,4'-ジメチル-
6,6'-ビス(ジ3,5-キシリルホスフィノ)-1,1'-ビフェ
ニル(以下、「DM-CM-BIPHEMP」と略記する)、2,2'-ジ
メチル-3,3'-ジクロロ-4,4'-ジメチル-6,6'-ビス(ジ4-
メトキシ-3,5-ジメチルフェニルホスフィノ)-1,1'-ビ
フェニル(以下、「DMM-CM-BIPHEMP」と略記する)
【0021】本発明では、上記した一般式(2)、
(3)または(4)で示される光学活性ホスフィンと遷
移金属とからなる錯体でピペリテノンの2位のオレフィ
ンを水素化するが、この水素化におけるより好ましい触
媒は、遷移金属錯体としてロジウム、イリジウム、ルテ
ニウムより選ばれる一種である、光学活性ホスフィンと
遷移金属とからなる錯体である。最も好ましくは、この
ような光学活性ホスフィンと遷移金属とからなる錯体に
さらにアンモニウム塩、ホスホニウム塩又はアルカリ金
属塩を添加して水素化することである。
【0022】これらの第3級ホスフィンは、いずれも
(S)-体及び(R)-体が存在するので、目的とする光学活性
な化合物のプレゴンの絶対配置に応じて何方かを選択す
ればよい。すなわち、(1R)体を得るには(S)-体を用
い、(1S)体を得るには(R)-体を用いればよい。
【0023】ロジウム錯体:ロジウム錯体の製造法の具
体的な例として、日本化学会編「第4版 実験化学講
座」、第18巻、有機金属錯体、1991年、丸善、3
39−344頁に記載の方法に従い、例えば、ビス(1,
5-シクロオクタジエニル)ロジウム(I)テトラフロロホ
ウ酸塩と光学活性二座配位ホスフィン(L)を反応せしめ
て合成することができる。ロジウム錯体の具体例とし
て、例えば以下のものを挙げることができる。
【0024】[Rh(cod)(L)]ClO4 、[Rh(cod)(L)]PF
6 、[Rh(cod)(L)]BF4 、[Rh(cod)(L)]BPh4 、[Rh(co
d)(L)]OTf、[Rh(cod)(L)]OTs[Rh(cod)(L)]SbF6 、[R
h(cod)(L)]OCOCF3 、[Rh(cod)(L)]OCOC2F5 、[Rh(co
d)(L)]OCOC3F7 、[Rh(nbd)(L)]ClO4 、[Rh(nbd)(L)]P
F6 、[Rh(nbd)(L)]BF4 、[Rh(nbd)(L)]BPh4 、[Rh(n
bd)(L)]OTf、[Rh(nbd)(L)]OTs、[Rh(nbd)(L)]SbF
6 、[Rh(nbd)(L)]OCOCF3 、[Rh(nbd)(L)]OCOC2F5
[Rh(nbd)(L)]OCOC3F7 、Rh(cod)(L)Cl 、Rh(nbd)(L)C
l 、Rh(cod)(L)Br 、Rh(nbd)(L)Br 、Rh(cod)(L)I
、Rh(nbd)(L)I
【0025】上記の式中における各略称は、それぞれ次
の化合物を示す。 L:一般式(2)、(3)または(4)で示される光学
活性ホスフィン、 OTf:トリフルオロメタンスルホナート、 OTs:p-トルエンスルホナート、 Ph:フェニル、 cod:1,5-シクロオクタジエン、 nbd:ノルボルナジエン。
【0026】ルテニウム錯体:ルテニウム錯体を製造す
る方法としては、文献(K. Mashima, K. Kusano, T. Oht
a, R. Noyori, H. Takaya, J. Chem. Soc., Chem. Comm
un.,1208(1989)) に記載の方法で 、例えば、[Ru(p-cym
ene)X2]2(Xは、塩素、臭素、ヨウ素を示す)とLとを
塩化メチレンとエタノール中で加熱撹拌することにより
調製することができる。ルテニウム錯体の具体例とし
て、例えば以下のものを挙げることができる。
【0027】[RuCl(benzene)(L)]Cl 、[RuBr(benzene)
(L)]Br 、[RuI(benzene)(L)]I 、[RuCl(p-cymene)
(L)]Cl 、[RuBr(p-cymene)(L)]Br 、[RuI(p-cymene)
(L)]I 、[RuCl(mesitylene)(L)]Cl 、[RuBr(mesityle
ne)(L)]Br 、[RuI(mesitylene)(L)]I 、[RuCl(hexame
tylbenzene)(L)]Cl 、[RuBr(hexametylbenzene)(L)]Br
、[RuI(hexametylbenzene)(L)]I 、[{RuCl(L)}2(μ-
Cl)3] [NH2Me2] 、[{RuCl(L)}2(μ-Cl)3] [NH2Et2]
、[{RuCl(L)}2(μ-Cl)3] [NH2Pr2] 、[{RuCl(L)}
2(μ-Cl)3] [NH2i-Pr2]
【0028】イリジウム錯体:イリジウム錯体は、文献
(K. Mashima,T. Akutagawa, X. Zhang, T. Taketomi,
H. Kumobayashi, S. Akutagawa, J. Organomet. Chem.,
1992, 428, 213.)に記載の方法に従って、 例えば、
Lと[Ir(cod)(CH3CN)2]BF4とを、テトラヒドロフラン中
にて撹拌下に反応させることにより調製できる。イリジ
ウム錯体の具体例として、例えば以下のものを挙げるこ
とができる。
【0029】[Ir(cod)(L)]ClO4 、[Ir(cod)(L)]PF
6 、[Ir(cod)(L)]BF4 、[Ir(cod)(L)]BPh4 、[Ir(co
d)(L)]OTf、[Ir(cod)(L)]OTs、[Ir(cod)(L)]SbF6
[Ir(cod)(L)]OCOCF3 、[Ir(cod)(L)]OCOC2F5 、[Ir(c
od)(L)]OCOC3F7 、[Ir(nbd)(L)]ClO4 、[Ir(nbd)(L)]
PF6 、[Ir(nbd)(L)]BF4 、[Ir(nbd)(L)]BPh4 、[Ir
(nbd)(L)]OTf、[Ir(nbd)(L)]OTs、[Ir(nbd)(L)]SbF6
、[Ir(nbd)(L)]OCOCF3 、[Ir(nbd)(L)]OCOC2F5
[Ir(nbd)(L)]OCOC3F7 、Ir(cod)(L)Cl 、Ir(nbd)(L)C
l 、Ir(cod)(L)Br 、Ir(nbd)(L)Br 、Ir(cod)(L)I
、Ir(nbd)(L)I
【0030】ロジウム、イリジウム、ルテニウムより選
ばれる一種の「光学活性ホスフィンと遷移金属とからな
る錯体」の存在下、溶媒としては酢酸エチル(EtOA
c)が、選択性、不斉収率ともに優れており、このEt
OAc溶媒で選択性が高くなる系を検討した。その結
果、一般式(8)、 R5678AB (8) (式中、R5,R6,R7,R8は、炭素数1〜16のアル
キル基、フェニル基、ベンジル基を意味し、Aは窒素原
子またはリン原子を意味し、Bはフッ素、塩素、臭素、
ヨウ素のハロゲン原子、カルボキシラート、スルホナー
トを意味する。)で示される四級アンモニウム塩または
四級ホスホニウム塩、具体的には、Me4NCl、Me4NBr、Me
4NI、Et4NCl、Et4NBr、Et4NI、Bu4NCl、Bu4NBr、Bu4N
I、(Benzyl)Me3NCl、(Benzyl)Me3NBr、(Benzyl)Me3NI、
(Benzyl)Et3NCl、(Benzyl)Et3NBr、(Benzyl)Et3NI、(C8
H17)Me3NCl、(C8H17)Me3NBr、(C8H17)Me3NI、(C16H33)M
e3NCl、(C16H33)Me3NBr、(C16H33)Me3NI、Me4NOTf、Me4
NOTs、Me4NOAc、Me4NOCOCF3、n-Bu4NOTf、n-Bu4NOTs、n
-Bu4NOAc、n-Bu4NOCOCF3、などの四級アンモニウム塩、
MePh3PCl、MePh3PBr、MePh3PI、EtPh3PCl、EtPh3PBr、E
tPh3PI、BuPh3PCl、BuPh3PBr、BuPh3PI、Ph4PCl、Ph4PB
r、Ph4PI、(C6H13)Ph3PCl、(C6H13)Ph3PBr、(C 6H13)Ph3
PI、(C7H15)Ph3PCl、(C7H15)Ph3PBr、(C7H15)Ph3PI、(C
8H17)Ph3PCl、(C8H17)Ph3PBr、(C8H17)Ph3PI、(C16H33)
Ph3PCl、(C16H33)Ph3PBr、(C16H33)Ph3PI、(C16H33)Bu3
PCl、(C16H33)Bu3PBr、(C16H33)Bu3PI、ClPPh3CH2PPh3C
l、ClPPh 3(CH2)2PPh3Cl、ClPPh3(CH2)3PPh3Cl、ClPPh
3(CH2)4PPh3Cl、ClPPh3(CH2)5PPh3Cl、ClPPh3(CH2)6PPh
3Cl、BrPPh3CH2PPh3Br、BrPPh3(CH2)2PPh3Br、BrPPh3(C
H2)3PPh3Br、BrPPh3(CH2)4PPh3Br、BrPPh3(CH2)5PPh3B
r、BrPPh3(CH2)6PPh3Br、IPPh 3CH2PPh3I、IPPh3(CH2)2P
Ph3I、IPPh3(CH2)3PPh3I、IPPh3(CH2)4PPh3I、IPPh3(CH
2)5PPh3I、IPPh3(CH2)6PPh3I、などの四級ホスホニウム
塩が使用される。
【0031】また、一般式(9)、 MZ (9) (式中、Mは、Li、Na、Kの金属を意味し、Zは、
Cl、Br、Iのハロゲン原子を意味する。)で表され
る塩、具体的には、LiCl、LiBr、LiI、Na
Cl、NaBr、NaI、KCl、KBr、KIなどの
金属塩が使用される。(Bn)Et3NCl、(Bn)Et3NBr、(Bn)Et
3NIなどのアンモニウム塩が選択でき、BuPh3PCl、BuPh3
PBr、BuPh3PI、(C6H13)Ph3PBr、BrPPh3(CH2)4PPh3Brな
どのホスホニウム塩などが選択でき高い選択性が得られ
る(Bn:ベンジル基、Et:エチル基、Ph:フェニ
ル基、Bu:ブチル基を表す。)。
【0032】また、配位子では、BINAP類の中ではDM-BI
NAPを選択することができ、H8-BINAP類の中ではDM-H8-B
INAPを選択することができ、さらにSEGPHOS類の中から
はDTBM-SEGPHOSを選択することができ、高い選択性が得
られる。
【0033】この反応は、水素圧約5乃至100Kg/
cm2(0.5〜10MPa)、反応温度約10乃至1
00℃、反応時間約5乃至30時間の条件で実施され
る。また、遷移金属−光学活性ホスフィン錯体の使用量
は、ピペリテノンに対して約5000〜50000分の
1モルである。添加剤(アンモニウム塩、ホスホニウム
塩またはアルカリ金属塩)の使用量は、遷移金属−光学
活性ホスフィン錯体に対して約0.2〜2.0当量であ
る。上記溶媒の好ましいものは、溶媒なし、THF、ア
セトン、酢酸エチルである。
【0034】本発明では、第二次の水素化反応として、
式(5)で表されるプレゴンをルテニウム−ホスフィン
−アミン錯体で水素化して、式(6)で表されるプレゴ
ールを得る。その反応式を以下に示す。
【0035】
【化12】
【0036】第二次の水素化反応の方法としては、得ら
れたプレゴン(5)を水素化するルテニウム錯体-アミ
ン-塩基の系が最も優れており、検討した結果、ルテニ
ウム錯体としては、アキラルな配位子が使用できること
がわかった。そのような配位子をもつルテニウム錯体の
一例を以下に例示する。Etはエチル基、dmfはジメ
チルホルムアミド、nは1〜5を表す。
【0037】Ru2Cl4((S)-binap)2(NEt3) 、Ru2Cl4((S)
-tol-binap)2(NEt3) 、Ru2Cl4((S)-dm-binap)2(NEt3)
、RuCl2((S)-binap)(dmf)n 、RuCl2((S)-tol-binap)
(dmf)n 、RuCl2((S)-dm-binap)(dmf)n 、RuCl2(PPh3)
3 、RuCl2[(p-tolyl)3P]3 、RuCl2[(o-tolyl)3P]
3 、RuCl2(bpbp) 、RuCl2(1,2-diphos)2 、RuCl2(1,
3-diphos)2 、RuCl2(1,4-diphos)2 、RuCl2(1,5-diph
os)2 、RuCl2(1,6-diphos)2
【0038】上記の式中における各略称は、それぞれ次
の化合物を示す。bpbp:2,2'-ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)-1,1'-ビフェニル、1,2-diphos:1,2-ビス(ジフ
ェニルホスフィノ)エタン、1,3-diphos:1,3-ビス(ジ
フェニルホスフィノ)プロパン、1,4-diphos:1,4-ビス
(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,5-diphos:1,5-ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,6-diphos:1,
6-ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘキサン
【0039】アミンとしては、第1級アミン、第2級ア
ミン、ジアミン等が用いられる。これらの例としてメチ
ルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミ
ン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロペンチル
アミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミンなどの
第1級アミン;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブ
ロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジ
ヘキシルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジシクロヘ
キシルアミン、ジベンジルアミン、ジフェニルアミン、
フェニルエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなどの
第2級アミン;さらにメチレンジアミン、1,2−エチ
レンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プ
ロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、2,3−ブ
タンジアミン、1,2−シクロペンタンジアミン、1,
2−シクロヘキサンジアミン、N−メチルエチレンジア
ミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N,
N’−トリメチルエチレンジアミン、N,N,N’,
N’−テトラメチルエチレンジアミン、o−フェニレン
ジアミン、p−フェニレンジアミン、1,2−ジフェニ
ルエチレンジアミンなどのジアミンが例示される。アミ
ンとしては、好ましくは1,2−エチレンジアミン、
1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、
1,2−ジフェニルエチレンジアミンが選択され、1,
2−エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミンが
もっとも優れている。
【0040】また、塩基は、例えば、下記一般式(1
0) M’Y (10) (M’は、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属を示
し、Yはヒドロキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、
ナフチル基、カルボナート基を示す。)で表される金属
塩あるいは4級アンモニウム塩とすることができる。ま
た、具体的には、LiOH、LiOMe、LiOEt、
LiOi−Pr、LiOt−Bu、NaOH、NaOM
e、NaOEt、NaOi−Pr、NaOt−Bu、K
OH、KOMe、KOEt、KOi−Pr、KOt−B
u、KC108、Li2CO3、K2CO3、Na2CO3
が例示される。さらに第4級アンモニウム塩も利用でき
る。塩基としては、水酸化カリウム(KOH)、t−ブ
トキシカリウム(KOt−Bu)が好ましい。基質であ
るプレゴンに対する触媒の量は約1000〜30000
分の1モルである。アミンの使用量は、触媒に対して約
1〜2当量である。塩基の使用量は、触媒に対して約
0.5〜100当量であり、好ましくは約10〜50当
量である。
【0041】なお、この発明では、液体溶媒として、反
応原料(プレゴン)及び触媒系を可溶化するものであれ
ば適宜なものを用いることができる。例として、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘ
キサンなどの脂肪族炭化水素溶媒、塩化メチレン、など
のハロゲン含有炭化水素溶媒、エーテル、テトラヒドロ
フランなどのエーテル系溶媒、メタノール、エタノー
ル、2−プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコー
ルなどのアルコール系溶媒、アセトニトリル、DMFや
DMSOなどヘテロ原子を含む有機溶媒を用いることが
できる。生成物がアルコールであることからアルコール
系溶媒が最適である。さらにより好ましくは2−プロパ
ノールである。溶媒の量は、反応基質の溶解度および経
済性により判断される。2−プロパノールの場合の基質
濃度は、基質によっては1%以下の低濃度から無溶媒に
近い状態で行うことができるが、好ましくは0.1〜
2.0容量で用いることが望ましい。そして、本発明に
おける水素の圧力は、本触媒系が極めて高活性であるこ
とから1Kg/cm2(0.1MPa)で十分である
が、経済性を考慮すると1〜100Kg/cm2(0.
1〜10MPa)の範囲で、好ましくは5〜50Kg/
cm2(0.5〜5MPa)の範囲が望ましいが、プロ
セス全体の経済性を考慮して10Kg/cm2(1MP
a)以下でも高い活性を維持することが可能である。反
応温度については、0〜150℃で行うことができる
が、好ましくは10〜50℃の範囲が望ましい。また、
反応時間は、反応基質濃度、温度、圧力等の反応条件に
よって異なるが、数分から30時間で反応は完結する。
【0042】本発明では、第三次の水素化反応として、
式(6)で表されるプレゴールを遷移金属触媒で水素化
して、式(7)で表されるl−メントールを得る。その
反応式を以下に示す。
【0043】
【化13】
【0044】第三次の水素化としては、一般に良く用い
られる不均一系水素化触媒が用いられる。例えば、ラネ
ーニッケル、酸化白金、白金ブラック、パラジウムブラ
ック、ロジウムブラック、パラジウム炭素、イリジウム
炭素、ロジウム炭素、ルテニウム炭素、オスミウム炭
素、パラジウムアルミナ、パラジウムシリカ、パラジウ
ムシリカアルミナなどが挙げられる。好ましくは、ラネ
ーニッケル、パラジウム炭素、イリジウム炭素、ロジウ
ム炭素、ルテニウム炭素、パラジウムアルミナ、パラジ
ウムシリカ、パラジウムシリカアルミナなどが挙げら
れ、より好ましくは、パラジウム炭素、パラジウムシリ
カアルミナが挙げられる。この反応は、水素圧約5〜5
0Kg/cm2(0.5〜5MPa)、反応温度約20
〜100℃、反応時間約5〜20時間の条件で実施され
る。また、触媒の使用量はプレゴールに対して約0.0
1〜1.0重量%である。上記溶媒の好ましいものは、
トルエン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、2−
プロパノール、もしくは、溶媒なしである。
【0045】また、第三次の水素化として、得られたプ
レゴール(6)をルテニウム−ホスフィン−ジカルボキ
シラート錯体である均一系触媒が用いられる。以下に、
このルテニウム−ホスフィン−ジカルボキシラート錯体
である均一系触媒について説明する。プレゴールのオレ
フィンを水素化する触媒に用いる配位子であるホスフィ
ンとして、前記した一般式(2)、一般式(3)または
一般式(4)を用いることができる。
【0046】また、第三次の水素化反応の触媒に用いら
れるさらに他の配位子として、一般式(11) (R1)2P−(CH2)n−P(R1)2 (11) (式中、R1は、前記と同じ意味を示し、nは1から7
までの自然数を示す。)で表されるホスフィンである。
この一般式(11)において、R1としては、前述した
例示を挙げることができる。この一般式(11)におい
て、好ましく用いられるホスフィンとしては、例えば、
次のものを挙げることができる。
【0047】ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,
2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジ
フェニルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジフェニル
ホスフィノ)ブタン、1,5-ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)ペンタン、1,6-ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘキ
サン、1,7-ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘプタン、ビ
ス(ジ(p-トリル)ホスフィノ)メタン、1,2-ビス(ジ
(p-トリル)ホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジ(p-ト
リル)ホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジ(p-トリ
ル)ホスフィノ)ブタン、1,5-ビス(ジ(p-トリル)ホ
スフィノ)ペンタン、1,6-ビス(ジ(p-トリル)ホスフ
ィノ)ヘキサン、1,7-ビス(ジ(p-トリル)ホスフィ
ノ)ヘプタン、ビス(ジ(3,5-キシリル)ホスフィノ)
メタン、1,2-ビス(ジ(3,5-キシリル)ホスフィノ)エ
タン、1,3-ビス(ジ(3,5-キシリル)ホスフィノ)プロ
パン、1,4-ビス(ジ(3,5-キシリル)ホスフィノ)ブタ
ン、1,5-ビス(ジ(3,5-キシリル)ホスフィノ)ペンタ
ン、1,6-ビス(ジ(3,5-キシリル)ホスフィノ)ヘキサ
ン、1,7-ビス(ジ(3,5-キシリル)ホスフィノ)ヘプタ
ン、ビス(ジ(4-メトキシ-3,5-ジtert-ブチルフェニ
ル)ホスフィノ)メタン、1,2-ビス(ジ(4-メトキシ-
3,5-ジtert-ブチルフェニル)ホスフィノ)エタン、1,3
-ビス(ジ(4-メトキシ-3,5-ジtert-ブチルフェニル)
ホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジ(4-メトキシ-3,5
-ジtert-ブチルフェニル)ホスフィノ)ブタン、1,5-ビ
ス(ジ(4-メトキシ-3,5-ジtert-ブチルフェニル)ホス
フィノ)ペンタン、1,6-ビス(ジ(4-メトキシ-3,5-ジt
ert-ブチルフェニル)ホスフィノ)ヘキサン、1,7-ビス
(ジ(4-メトキシ-3,5-ジtert-ブチルフェニル)ホスフ
ィノ)ヘプタン、ビス(ジ(3,5-ジフルオロフェニル)
ホスフィノ)メタン、1,2-ビス(ジ(3,5-ジフルオロフ
ェニル)ホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジ(3,5-ジフ
ルオロフェニル)ホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジ
(3,5-ジフルオロフェニル)ホスフィノ)ブタン、1,5-
ビス(ジ(3,5-ジフルオロフェニル)ホスフィノ)ペン
タン、1,6-ビス(ジ(3,5-ジフルオロフェニル)ホスフ
ィノ)ヘキサン、1,7-ビス(ジ(3,5-ジフルオロフェニ
ル)ホスフィノ)ヘプタン、ビス(ジ(3,5-ジトリフル
オロメチルフェニル)ホスフィノ)メタン、1,2-ビス
(ジ(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ホスフィ
ノ)エタン、1,3-ビス(ジ(3,5-ジトリフルオロメチル
フェニル)ホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジ(3,5-
ジトリフルオロメチルフェニル)ホスフィノ)ブタン、
1,5-ビス(ジ(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ホ
スフィノ)ペンタン、1,6-ビス(ジ(3,5-ジトリフルオ
ロメチルフェニル)ホスフィノ)ヘキサン、1,7-ビス
(ジ(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ホスフィ
ノ)ヘプタン。
【0048】それ以外に、下記一般式(12)
【0049】
【化14】
【0050】(式中、R1は、前記と同じ意味を示し、
9乃至〜R12は、水素原子、メチル基、メトキシ基、
フェニル基、ハロゲン原子またはトリフルオロメチル基
を示し、R7とR8、R8とR9、又は、R9とR10が一緒
になってメチレンジオキシ基を形成するか、R8とR9
が一緒になってシクロアルキル環を形成してもよい。)
で示されるホスフィンである。この一般式(12)にお
いて、R1としては、前述した例示を挙げることができ
る。この一般式(12)において、好ましく用いられる
ホスフィンとしては、例えば、次のものを挙げることが
できる。
【0051】1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼ
ン、1,2-ビス(ジ(p-トリル)ホスフィノ)ベンゼン、
1,2-ビス(ジ(3,5-キシリル)ホスフィノ)ベンゼン、
1,2-ビス(ジ(4-メトキシ-3,5-ジtert-ブチルフェニ
ル)ホスフィノ)ベンゼン、1,2-ビス(ジ(3,5-ジフル
オロフェニル)ホスフィノ)ベンゼン、1,2-ビス(ジ
(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ホスフィノ)ベ
ンゼン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-4,5-メチ
レンジオキシベンゼン、1,2-ビス(ジ(p-トリル)ホス
フィノ)-4,5-メチレンジオキシベンゼン、1,2-ビス
(ジ(3,5-キシリル)ホスフィノ)-4,5-メチレンジオ
キシベンゼン、1,2-ビス(ジ(4-メトキシ-3,5-ジtert-
ブチルフェニル)ホスフィノ)-4,5-メチレンジオキシ
ベンゼン、1,2-ビス(ジ(3,5-ジフルオロフェニル)ホ
スフィノ)-4,5-メチレンジオキシベンゼン、1,2-ビス
(ジ(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ホスフィ
ノ)-4,5-メチレンジオキシベンゼン、2,3-ビス(ジフ
ェニルホスフィノ)ナフタレン、2,3-ビス(ジ(p-トリ
ル)ホスフィノ)ナフタレン、2,3-ビス(ジ(3,5-キシ
リル)ホスフィノ)ナフタレン、2,3-ビス(ジ(4-メト
キシ-3,5-ジtert-ブチルフェニル)ホスフィノ)ナフタ
レン、2,3-ビス(ジ(3,5-ジフルオロフェニル)ホスフ
ィノ)ナフタレン、2,3-ビス(ジ(3,5-ジトリフルオロ
メチルフェニル)ホスフィノ)ナフタレン、2,3-ビス
(ジフェニルホスフィノ)-5,6,7,8-オクタヒドロナフ
タレン、2,3-ビス(ジ(p-トリル)ホスフィノ)−5,6,
7,8-オクタヒドロナフタレン、2,3-ビス(ジ(3,5-キシ
リル)ホスフィノ)-5,6,7,8-オクタヒドロナフタレ
ン、2,3-ビス(ジ(4-メトキシ-3,5-ジtert-ブチルフェ
ニル)ホスフィノ)5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン、
2,3-ビス(ジ(3,5-ジフルオロフェニル)ホスフィノ)
-5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン、2,3-ビス(ジ(3,5
-ジトリフルオロメチルフェニル)ホスフィノ)-5,6,7,
8-オクタヒドロナフタレン。
【0052】ルテニウム−ジカルボキシラート錯体 ルテニウム錯体の製造法の具体例としては、例えば、Oh
taらのInorg. Chem. 1998年、27巻、566頁に記載の方法
に従い、合成することができる。ジカルボキシラート錯
体の具体例として、例えば以下のものを挙げることがで
きる。
【0053】Ru(OAc)2(L) 、Ru(OCOPh)2(L) 、Ru(OCO
C2H5)2(L) 、Ru(OCOC3H7)2(L) 、Ri(OCO-i-C3H7)2(L)
、Ru(OCOC4H9)2(L) 、Ru(OCO-t-C4H9)2(L) 、Ru(OC
OCH2OCO)(L) 、Ru(OCOC2H4OCO)(L) 、Ru(OCOC3H6OCO)
(L) 、Ru(OCOC4H8OCO)(L)
【0054】上記の式中における各略称は、それぞれ次
の化合物を示す。 L:一般式(2)、(3)、(4)、(11)または
(12)で示される光学活性ホスフィン Ac:アセチル Ph:フェニル
【0055】第三次の水素化として、プレゴール(6)
をルテニウムジカルボキシラート錯体で水素化したとき
最も高い選択性が得られた。その他の反応条件は通常の
水素化と変わりないが、水素圧5−50Kg/cm
2(0.5〜5MPa)、反応温度20−100℃反応
時間5−20時間、溶媒なし、もしくはトルエン、酢酸
エチル、メタンール、エタノール、2−プロパノール、
塩化メチレン、テトラヒドロフランなどの溶媒中で反応
させる。反応式を次に示す。
【0056】
【化15】
【0057】
【発明の効果】本発明で見出した光学活性ホスフィン配
位子と遷移金属錯体で、ピペリテノンを水素化する方法
において、高い位置選択性でしかも高い不斉収率でプレ
ゴンを製造することができるようになった。さらに塩基
の存在下、ルテニウム−ホスフィン−アミン錯体で選択
的な水素化を行いプレゴールと成した後、遷移金属触媒
で水素化してl−メントールを製造することができる。
つまり、3回水素化反応を繰り返すことにより、安価な
方法で高い収率でl−メントールを製造する方法を提供
するものである。
【0058】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら
制約されるものではない。尚、以下の実施例や比較例に
おいて、得られた化合物の物性の測定には、次の機器を
用いた。 NMR DRX500 (Bruker社製) 1H-NMR (500MHz; 内部標準:テトラメチルシラン) 31P-NMR (202MHz; 内部標準:85%リン酸) GLC 5890-II (Agilent Technologies社製) GC-Columun 変換率:FFAP 30m x 0.53mm (GL Science Ltd) 不斉収率:Chiraldex B-TA 30m x 0.25mm (ASTEC社)
【0059】
【合成例1】 4-ヒドロキシ-2-ブタノンを用いたピペ
リテノンの合成 1L4つ口フラスコにメシチルオキシド688ml(6.0
mol)を仕込み、40%水酸化ベンジルトリメチルアンモ
ニウム水溶液4.18ml (10 mmol)を滴下し、80℃
まで加熱する。4-ヒドロキシ-2-ブタノン172ml(2.
0 mol)を80℃に保ちながら1時間かけて滴下する。滴
下終了後30分撹拌した後、酢酸0.69mlを滴下し
て中和する。反応溶液を減圧下、蒸留を行い、ピペリテ
ノン180gを得た。収率60%。
【0060】
【合成例2】 4-ヒドロキシ-2-ブタノンを用いたピペ
リテノンの合成 1L4つ口フラスコにメシチルオキシド688ml(6.0
mol)を仕込み、水酸化バリウム8水和物6.30g(0.0
2 mol)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド2.
28g (10 mmol)を加え80℃まで加熱する。 4-ヒド
ロキシ-2-ブタノン172ml(2.0 mol)を80℃に保ち
ながら1時間かけて滴下する。滴下終了後30分撹拌し
た後、反応溶液を減圧下、蒸留を行い、ピペリテノン1
82gを得た。収率62%。
【0061】
【合成例3】 メチルビニルケトンを用いたピペリテノ
ンの合成 1L4つ口フラスコにメシチルオキシド688ml(6.0
mol)を仕込み、炭酸カリウム13.82g(0.1mol)、ベ
ンジルトリエチルアンモニウムクロリド2.28g (10
mmol)を加え80℃まで加熱する。メチルビニルケトン
166.48ml(2.0 mol)を80℃に保ちながら1時
間かけて滴下する。滴下終了後30分撹拌した後、反応
溶液を減圧下、蒸留を行い、ピペリテノン186gを得
た。収率62%。
【0062】
【実施例1】 プレゴンの合成 100mlのオートクレーブに、ピペリテノン3g(20
mmol),[Rh(cod)Cl]22.5mg(0.005 mmol),(S)-DM-
BINAP(2,2'-ビス(ジ-3,5-キシリルホスフィノ)-1,1'-ビ
ナフチル) 7.3mg(0.01 mmol)、HexPh3PBr 4.3
mg(0.01 mmol)、THF9mlを加え、水素圧3MPa、
50℃で18時間反応した。ガスクロマトグラフィーで
変換率を求めたところ92%であった。そのうち、プレ
ゴン90.1%、ピペリトン1.03%、メントン0.
9%、イソメントン0.8%含まれていた。プレゴンの
不斉収率は97.0%eeであった。
【0063】
【実施例2】 プレゴンの合成 HexPh3PBrの代わりにBnEt3NCl 2.3mg(0.01 mmol)
を用いたほかは実施例1と同様に水素化反応を行ったと
ころ、変換率は90.4%であった。そのうち、プレゴ
ン90.5%、ピペリトン1.0%、メントン0.7
%、イソメントン0.7%含まれていた。プレゴンの不
斉収率は95.7%eeであった。
【0064】
【実施例3】 プレゴンの合成 (S)-DM-BINAPの代わりに(S)-DM-H8-BINAP(2,2'-ビス
(ジ-3,5-キシリルホスフィノ)- 5,5',6,6',7,7',8,8'-
オクタヒドロ-1,1'-ビナフチル) 7.4mg(0.01 mmo
l) を用いたほかは実施例1と同様に水素化反応を行っ
たところ、変換率は93.5%であった。そのうち、プ
レゴン87.3%、ピペリトン0.9%、メントン2.
7%、イソメントン1.9%含まれていた。プレゴンの
不斉収率は97.4%eeであった。
【0065】
【実施例4】 プレゴンの合成 100mlのオートクレーブに、ピペリテノン3g(20
mmol)、[Rh(cod)2]BF41.6mg(0.004 mmol)、(S)-DM
-BINAP 2.9mg(0.004 mmol)、HexPh3PBr1.7mg
(0.004 mmol)、THF 9mlを加え、水素圧3MPa、50
℃で18時間反応した。変換率を求めたところ92.6
%であった。そのうち、プレゴン84%、ピペリトン
1.5%、メントン1.9%、イソメントン1.8%含
まれていた。プレゴンの不斉収率は97.4%eeであ
った。
【0066】
【実施例5】 プレゴンの合成 100mlのオートクレーブに、ピペリテノン3g(20
mmol)、[Rh(cod)Cl]21.0mg(0.002 mmol)、(S)-DM-
BINAP 2.9mg(0.004 mmol)、HexPh3PBr1.7mg
(0.004 mmol)、アセトン 9mlを加え、水素圧3MPa、
50℃で18時間反応した。変換率を求めたところ9
9.2%であった。そのうち、プレゴン88.3%、ピ
ペリトン2.5%、メントン2.5%、イソメントン
1.9%含まれていた。プレゴンの不斉収率は96.0
%eeであった。
【0067】
【実施例6】 プレゴンの合成 100mlのオートクレーブにピペリテノン3g(20 mm
ol)、[Rh(cod)2]OCOC3F7 1.6mg(0.004 mmol)、(S)
-DTBM-SEGPHOS((5,6), (5',6')-ビス(メチレンジオキ
シ)ビフェニル-2,2'-ジイル)ビス(ジ-3,5-ジ-tert-
ブチル-4-メトキシフェニルホスフィン) 4.7mg
(0.004 mmol)、HexPh3PBr 1.7mg(0.004 mmol)、TH
F 9mlを加え、水素圧3MPa、50℃で18時間反応
した。変換率を求めたところ95.5%であった。その
うち、プレゴン89.2%、ピペリトン2.4%、メン
トン2.0%、イソメントン2.4%含まれていた。プ
レゴンの不斉収率は98.1%eeであった。
【0068】
【実施例7】 プレゴンの合成 500mlのオートクレープに、ピペリテノン150g
(1mol)、[Rh(cod)2]PF 6 18.6mg(0.04mmol)、(S)-
DTBM-SEGPHOS 47.2mg(0.04mmol)、BrPPh 3(CH2)4P
Ph3Br14.8mg (0.02mmol)、酢酸エチル7.5ml
を加え、水素圧3MPa、50℃で20時間反応した。反
応終了後、水素をパージし、反応溶液を濃縮、減圧下蒸
留を行い、プレゴンを136.8g得た。収率90%。
【0069】
【実施例8】 プレゴールの合成 100mlのオートクレーブに、プレゴン3.04g
(20 mmol)、RuCl2(PPh 3)3 19.1mg(0.02 mmo
l)、0.2M-1,3-ジアミノプロパン-2-プロパノール溶液
(0.2 mL)、0.2 M 水酸化カリウム−2-プロパノール溶液
(1.0 mL)、2−プロパノール(14 mL)を仕込み、水素2M
Paを圧入し、25℃で3時間撹拌する。反応終了後、水
素をパージし、反応溶液を濃縮、減圧下蒸留を行い、プ
レゴールを2.61g得た。収率85%。
【0070】
【実施例9〜12】 プレゴールの合成 各条件下でのプレゴンの水素化を行った。その結果を次
の表1に示す。なお、表中、6:6'は、式(6)の化合
物:式(6’)の化合物、を表す。各実施例のRu-cat.
は、それぞれ、RuCl2(PPh3)3(実施例9)、Ru2Cl4((S)
-tol-binap)2(NEt3)(実施例10)、RuCl2[(o-tolyl)3
P]2(ethylendiamine)(実施例11)、RuCl 2(bpbp)(eth
ylenediamine)(実施例12)を使用した。
【0071】
【表1】
【0072】
【実施例13】 プレゴールの合成 200mlのオートクレーブに、プレゴン30.4g
(200 mmol)、RuCl2(PPh3)3(propanediamine)19.1
mg(0.02 mmol)、t-BuOK 44.9mg(0.4mmol)、2
−プロパノール(15 mL)を仕込み、水素3MPaを圧入し、
30℃で18時間撹拌する。反応終了後、水素をパージ
し、反応溶液を濃縮、減圧下蒸留を行い、プレゴールを
30.2g得た。収率98%。
【0073】
【実施例14】 メントールの合成 100mlのオートクレーブに、プレゴール1.0g
(6.5 mmol)、5%Pd炭素(20 mg)、酢酸エチル(5 mL)
を仕込み、水素2MPaを圧入し、60℃にて5時間撹拌
した。反応終了後、室温まで冷却し、反応溶液を濃縮し
た。メントール:ネオイソメントール=91:9の混合
物を0.99g得た。収率90%。
【0074】
【実施例15〜22】 メントールの合成 各条件下でのプレゴールの水素化を行った。その結果を
次の表2に示す。なお、表中、7:7"は、式(7)の化合
物:式(7”)の化合物、を表す。
【0075】
【表2】
【0076】
【実施例23】 メントールの合成 100mlのオートクレーブにプレゴール3.1g (20
mmol) 、Ru(OAc)2(dppe) 6.2mg(0.01 mmol)、メ
タノール(3 mL) を仕込み、水素圧 3Mpa を圧入し、5
0℃で18時間攪拌した。反応終了後。室温まで冷却し、
反応溶液を濃縮した。メントール:ネオメントール:ネ
オイソメントール=96:1.7:2.3の混合物を
3.1g得た。収率95.5%。
【0077】
【実施例24〜33】 メントールの合成 均一系の遷移金属触媒として実施例23のRu(OAc)2(dpp
e)に代えて、表3に記載の遷移金属触媒を用い、実施例
23と同様にプレゴールの水素化を行った。その結果を
表3に示す。なお、表中における各略称は、それぞれ次
の化合物を示す。 dppb:ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、 dppe:ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン
【0078】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 31/24 B01J 31/24 Z 31/26 31/26 Z C07C 35/12 C07C 35/12 45/62 45/62 49/603 49/603 // C07B 53/00 C07B 53/00 B 61/00 300 61/00 300 C07C 29/145 C07C 29/145 35/17 35/17 C07M 7:00 C07M 7:00 Fターム(参考) 4G069 AA06 AA08 BA08B BA27A BA27B BB01B BC01A BC03B BC08A BC29A BC68A BC70A BC70B BC71A BC71B BC72A BC72B BC73A BC74A BC75A BE14A BE14B BE17A BE26A BE26B BE28A BE32A BE32B BE33B BE36A BE36B CB02 DA02 FA01 FB77 4H006 AA02 AC11 AC81 BA22 BA23 BA24 BA25 BA26 BA30 BA48 BA55 BA70 BE20 4H039 CA12 CA60 CB10 CB20

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)、 【化1】 で表されるピペリテノンを、一般式(2)、 【化2】 (式中、R1は、置換基を有してもよいアリール基又は
    炭素数3乃至8のシクロアルキル基を表す。)で示され
    る光学活性ホスフィンと遷移金属とからなる錯体、また
    は一般式(3)、 【化3】 (式中、R1は、置換基を有してもよいアリール基又は
    炭素数3乃至8のシクロアルキル基を表す。)で示され
    る光学活性ホスフィンと遷移金属とからなる錯体、また
    は一般式(4)、 【化4】 (式中、R1は、置換基を有してもよいアリール基又は
    炭素数3乃至8のシクロアルキル基を示し、R2は水素
    原子又は低級アルキル基を示し、R3は水素原子、メチ
    ル基、メトキシ基又はハロゲン原子を示し、R4 はメチ
    ル基、メトキシ基またはR3とR4が一緒になってメチレ
    ンジオキシキ基を形成する。)で示される光学活性ホス
    フィンと遷移金属とからなる錯体で、水素化して、式
    (5) 【化5】 で表されるプレゴンを製造し、得られたプレゴンを塩基
    の存在下、ルテニウム−ホスフィン−アミン錯体で水素
    化して、式(6)、 【化6】 で表されるプレゴールとなし、更に遷移金属触媒で水素
    化することを特徴とする式(7)、 【化7】 で表されるl−メントールの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の式(1)で表されるピペ
    リテノンから、式(5)で表されるプレゴンを製造する
    に際し、請求項1記載の一般式(2)、一般式(3)ま
    たは一般式(4)で表される光学活性ホスフィンと、ロ
    ジウム、イリジウム、ルテニウムより選ばれる遷移金属
    とからなる光学活性ホスフィン錯体で、水素化反応を行
    うことを特徴とする請求項1に記載のl−メントールの
    製造方法
  3. 【請求項3】 請求項1記載の式(1)で表されるピペ
    リテノンから、式(5)で表されるプレゴンを製造する
    に際し、請求項1記載の一般式(2)、一般式(3)ま
    たは一般式(4)で表される光学活性ホスフィンと、ロ
    ジウム、イリジウム、ルテニウムより選ばれる遷移金属
    とからなる光学活性ホスフィン錯体に、アンモニウム
    塩、ホスホニウム塩又はアルカリ金属塩を添加して水素
    化反応を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記
    載のl−メントールの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の式(5)で表されるプレ
    ゴンから、式(6)で表されるプレゴールを製造するに
    際し、プレゴンのカルボニルを選択的に還元するルテニ
    ウム−ホスフィン−アミン錯体が、アキラルなホスフィ
    ン、ジアミン配位子である請求項1乃至3記載のl−メ
    ントールの製造方法
  5. 【請求項5】 請求項1記載の式(1)で表されるピペ
    リテノンから式(5)で表されるプレゴンを製造する方
    法において、請求項1記載の一般式(2)、一般式
    (3)または一般式(4)で表される光学活性ホスフィ
    ンと、ロジウム、イリジウム、ルテニウムより選ばれる
    遷移金属とからなる光学活性ホスフィン錯体で、ピペリ
    テノンを水素化することを特徴とする式(5)で表され
    るプレゴンの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5で定義された光学活性ホスフィ
    ンと遷移金属とからなる錯体に、アンモニウム塩、ホス
    ホニウム塩又はアルカリ金属塩を添加して水素化反応を
    行うことを特徴とする請求項5記載のプレゴンの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の式(6)で表されるプレ
    ゴールから、式(7)で表されるl−メントールを製造
    する方法において、プレゴールのオレフィンを選択的に
    還元する遷移金属触媒が、パラジウム、イリジウム、ロ
    ジウム、ルテニウム、ニッケル、オスミウム、白金の不
    均一系触媒であることを特徴とする請求項1記載のl−
    メントールの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の式(6)で表されるプレ
    ゴールから、式(7)で表されるl−メントールを製造
    する方法において、プレゴールのオレフィンを選択的に
    還元する遷移金属触媒が、ルテニウム−ホスフィン−ジ
    カルボキシラート錯体である均一系触媒であることを特
    徴とする請求項1記載のl−メントールの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の式(5)で表されるプレ
    ゴンから、式(6)で表されるプレゴールを製造する方
    法において、塩基が、アルカリ金属化合物又はアルカリ
    土類金属化合物であることを特徴とする請求項1又は請
    求項4記載のl−メントールの製造方法。
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