JP4012461B2 - 不飽和エステル化合物、その使用及びこれを含有する付香組成物及び付香された製品 - Google Patents

不飽和エステル化合物、その使用及びこれを含有する付香組成物及び付香された製品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、香料工業に関する。より特徴的には、その異性体の任意の一つ又はそれらの混合物の形の、式:
【0002】
【化2】
Figure 0004012461
【0003】
[式中、Rはメチル又はエチル基を表す]の化合物に関する。本発明は、付香成分としてのこのような化合物の使用及び本発明による化合物を含有する付香された物品又は付香組成物に関する。
【0004】
【従来の技術】
類似のいくつかの構造が文献中に公知であるが、最良の知識によれば、本発明の化合物は、新規な化学構造を有する。
【0005】
環の3位又は4位に炭素-炭素二重結合を有する式(I)のエチルエステルの1/1混合物は、米国特許(US)3887625明細書中に記載されている。
しかしながら、前記の文献中には、当業者に、本発明によるエステル(例えば3位のみに炭素-炭素二重結合を有する)を得させることのできる有用な示唆は存在しない。更に、この先行文献中には、式(I)の化合物の官能特性又は記載化合物の付香成分としての使用可能性の記載又は暗示は存在しない。
【0006】
【特許文献1】
米国特許(US)3887625
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、その異性体の任意の一つ又はそれらの混合物としての、式(I)の化合物及びそれを含有する付香成分及び付香組成物及び付香された製品を得ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
今般、意外にも、式:
【0009】
【化3】
Figure 0004012461
【0010】
[式中、Rはメチル又はエチル基を表す]の化合物は、その異性体、即ち(1R,2R)、(1R,2S)、(1S,2R)又は(1S,2S)異性体の任意の一つ又はこれらの混合物の形で、香料、付香組成物及び付香された製品の製造のために非常に好適性を与える意想外かつ非常に有用なダマスコン類似フレグランスを有することを確認した。
【0011】
式(I)の化合物の中で、メチル トランス-2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレートは、シトロネロール様及び僅かなサフラロニイノートを伴う顕著なダマスコン、ローズ様ノートを示すその香調に関して優れていることが認識された。ダマスコンノートは、特に良好であり、かつ非常に自然の、非常にローズ様の、より正確には紅バラ香調を有する。更に、記載の香調は、例えばα−ダマスコンフレグランス中に存在する発酵リンゴ臭を欠いている。嗅覚の観点から、メチル トランス-2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレートの香調特徴は、δ-ダマスコンとα−ダマスコンとのその中間である。しかしながらこの香調類似性にも関わらず、本発明の化合物の使用は、このダマスコンの香調よりもより多様であることが立証された。
【0012】
更に、調香師は、このトランスエステルの2種のエナンチオマー、即ち、(1R,2S)及び(1S,2R)メチル2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレートの間にはいくつかの違いがあることにも注目した。実際に、双方のエナンチオマーの香調は明らかにダマスコン-様であり、前記の同じ趨勢を有するが、(1R,2S)エナンチオマーのフレグランスは、(1S,2R)エナンチオマーのそれよりも強力であり、他方でよりアロマテイックである。
【0013】
式(I)の化合物の典型的なローズ様の、ダマスコン類似ノートに加えて、このメチル シス-2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレートは、テルペン性でキャロットトップのノートをも有する。
【0014】
エチル トランス-2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレートは、相当するトランメチルエステルのそれと類似のダマスコン様香調を発する。このエチルエステルとメチルエステルとの香調の類似性は、公知類縁体のメチルエステルとエチルエステルとは一般に著しく異なる香調特性を有するとなっている先行文献の観点からは全く意想外のことである。
【0015】
本発明の有利な化合物は、メチル トランス-2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレート及び(1R,2S)メチル 2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレートである。
【0016】
本発明の化合物の香気特性の特徴及び品質は、それらの先行文献の類縁体の香調の観点からは全く意想外であり、かつ予想外である。
【0017】
実際に、式(I)のトランスメチルエステルは、そのγ-又はα−異性体、即ち、それぞれメチル2,2-ジメチル-6-メチレン-1-シクロヘキサンカルボキシレート(US 5015625に記載、Firmenich SA) 及びメチル2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-カルボキシレート(EP 56109に記載)よりもより近いダマスコンの香調を有する。この作用効果は、主として、記載の異性体と比較する際に、このトランスメチルエステルがγ-及びα−異性体の典型的なハーベイシャス-ツジョン性(herbaceous-thujonic)及びレッド-フルーテイ(red-fruity)で、グリーンアップルノートを殆ど欠いていて、より純粋なダマスコン-ローズ様香調を示す事実に基づく。
【0018】
同様に、式(I)のトランスエチルエステルをエチルガンマ異性体(US 5015625にも記載されている)と比較する際に、本発明の化合物は、それ自体、先行技術の類縁体の金属性で、ハーベイシャス-ツジョン性ノート特徴を欠いているローズ様香調を示すことで、先行文献に公知の化合物から区別される。
【0019】
本発明の化合物は、ファイン香料工場で、香水、コロン又はアフターシェーブローシヨン中で、同様に香料工場での他の慣用の用途、例えば香料石鹸、シャワー又は浴用の調製物、例えば浴用塩、ムース、オイル、ジェル又は他の調製物、製品、例えばボデイオイル、ボデイ-ケア製品、ボデイデオドラント及び発汗抑制剤、ヘアケア製品、例えばシャンプー、環境空気デオドラント又は化粧用調製物中での使用のために好適である。
【0020】
式(I)の化合物は、繊維材料処理用の液体又は固体洗剤、布柔軟化剤のような用途で、又は食器又は例えば工業又は家庭用の種々の表面をクリーニングするための洗剤組成物又はクリーニング製品中でも使用することができる。
【0021】
これらの用途において、本発明による化合物は、単独でも他の付香成分、溶媒、アジュバント又は香料工業で慣用されている添加剤を混合して使用することもできる。これらの補助成分の特性及び種類は、ここではとにかく無駄を省くために更に詳述する必要はない。実際に、当業者は、付香すべき製品の特性及び目標の嗅覚効果に従って、それらを選択することができる。これらの付香補助成分は、種々の化学品群、例えばアルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、亜硝酸塩、テルペン系炭化水素、ヘテロ環式窒素-又は硫黄-含有化合物、同様に、天然又は合成の精油に属する。これらの多くの成分は、関連文献、例えば S. Arctander, Perfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, N. J., USA 又はそれのより最新版中に、又は類似の文献中に又はこの分野で一般に利用可能な特定の特許文献中にも挙げられている。
【0022】
本発明による化合物を前記の種々の製品中に混入することのできる割合は、広い値の範囲内で変動する。実際に、本発明の化合物は、環境に優しく、比較的高い濃度ですら感作作用をしないことを発見した。濃度範囲は、付香すべき製品の特性に、及び目標の嗅覚効果に、同様に、本発明の化合物が当該分野で慣用の付香性補助成分、溶剤又は添加剤と混合して使用される際の所定の組成物中の補助成分の特性に依存して決まる。
【0023】
例えば、これら化合物は、それらが混入される付香組成物に対して0.1〜1.5質量%、有利に0.3〜0.8質量%の濃度で典型的に使用できる。これら化合物が前記の消耗品のいくつかの付香のために直接適用される場合には、これより低い濃度を使用することができる。
【0024】
本発明のもう一つの目的である式(I)の化合物の合成は、3位に選択的に1個の炭素-炭素二重結合を有する最終生成物を直接提供する転位反応により特徴付けられる。記載の転位反応は、ボラン誘導体、例えばNaBH又はカテコールボラン(C)BH及びC〜C-カルボン酸及びそれらのアルカリ金属塩の群から選択されたカルボキシレート誘導体の存在下での、式:
【0025】
【化4】
Figure 0004012461
【0026】
[式中、Rはメチル又はエチル基を表す]のα−β不飽和トシルヒドラゾンの反応を特徴とする。ボラン誘導体は、カテコールボランであり、カルボキシレート誘導体は、C〜C-カルボン酸のナトリウム又はカリウム塩であるのが有利である。
【0027】
この合成は、4種の可能な異性体の混合物としての式(I)の化合物を提供する。2種のジアステレオマー、即ちトランス及びシス異性体は、引き続き慣用の方法、例えば再結晶又はクロマトグラフィを用いて分離することができる。最後に、各々のジアステレオマーのエナンチオマーは、実施例に記載のように、遊離酸誘導体のエフェドレート塩の再結晶により分離することができる。
【0028】
【実施例】
次の実施例につき本発明を更に詳述するが、ここで、温度は摂氏(℃)であり、NMRスペクトルデータはCDCl中で360MHz装置を用いて記録されており、化学シフトδは、標準としてのTMSに対するppmで示されており、全ての省略文字は当該分野で慣用の意味を有する。
【0029】
例1
メチル(シス/トランス)2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレートの合成
a)メチル2 , , - トリメチル - 4−[4 - メチルフェニルスルホニル)ヒドラゾノ] - - シクロヘキセン - - カルボキシレート
MeOH(500ml)中のメチル2,2,6-トリメチル-4-オキソ-2-シクロヘキセン-1-カルボキシレート(92.71g、0.473モル)及びAcOH(0.463g、4.7ミリモル)の溶液中のp-トルエンスルホニルヒドラジド(96.80g、0.520モル)の懸濁液を、還流下に、機械的撹拌機を備えた1.5リットル三首フラスコ中で加熱した。
【0030】
加熱時に反応混合物は澄明になり、かつ一旦還流温度で形成されたヒドラゾンは徐々に沈殿した。加熱を6時間延長し、次いでこの反応混合物を0℃に冷却し、沈殿した固体を濾過により集めると、純粋なヒドラゾン153.80gが得られた。この母液のMeOH(55ml)からの結晶化により、第2部分の純粋なヒドラゾン(2.90g)を生じた(収率=91%)。
【0031】
【外1】
Figure 0004012461
【0032】
b)メチル2 , , - トリメチル - - シクロヘキセン - - カルボキシレート及びトランス及びシスジアステレオマーの分離
機械的撹拌機を備えた2リットル三首フラスコ中で、カテコールボラン(15.25g、0.126モル)を、0℃で、CHCl(500ml)中のa)で得られたヒドラゾン(38.45g、0.105モル)の懸濁液に15分かかって添加した。2時間後に、黄色反応混合物に、なお0℃で、AcONa・3HO(28.7g、0.211モル)を一度に添加した。30分後に、この反応混合物を還流下に1時間加熱し、次いで25℃に冷却し、白色固体をセライト上で濾過した。この濾滓をCHClで3回に分けて洗浄し、集めた濾液を減圧下に蒸発させた。粗製物質をペンタン中に溶解させ、有機相を洗浄し(5%NaOH水、HO及び食塩水)、乾燥させ(NaSO)、濾過し、かつ濃縮させた。粗製生成物のバルブ-バルブ(bulb-to-bulb)蒸留(75〜120℃/3ミリバール)により、トランス/シス=86:14混合物としてのメチル2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレート8.55g(収率=43%)が得られた。
【0033】
こうして得られた生成物の-78℃でペンテン(9.5ml)からの結晶化により、メチル トランス-2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレート(トランス/シス=96:4)6.39gを生じ、結晶化母液の濃縮により、トランス/シス=54:46混合物の形のメチル2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレート2.13gを生じた。
【0034】
母液から得られた化合物の2回フラッシュクロマトグラフ分離(SiO、シクロヘキセン/AcOEt=97:3)により、トランス/シス=10:90混合物としてのシスジアステレオマー0.9gを生じた。
【0035】
【外2】
Figure 0004012461
【0036】
例2
メチル トランス-2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレートのエナンチオマーの合成
a)(±) - トランス - , , - トリメチル - - シクロヘキセン - - カルボン酸
DMF(60ml)中のメチル トランス-2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレート(13.48g、74.1ミリモル)及びチオフェノール(8.51g、77.5ミリモル)の溶液中のKOH(4.34g、77.5ミリモル)の懸濁液を、撹拌機を備えた250ml三首フラスコ中で、100℃で加熱した。16時間後に、冷却された混合物を冷HCl水(0.5M、200ml)上に注ぎ、EtOで抽出した。粗製化合物を標準の酸-塩基抽出により予備精製した。有機相を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮させ、次いで100℃/4ミリバールで4時間加熱して、過剰のチオフェノールを除去した。バルブ-バルブ蒸留(100〜130℃/0.1ミリバール)により、トランス/シス=96:4混合物としてのラセミ酸10.57gが得られた(収率=85%)。
【0037】
【外3】
Figure 0004012461
【0038】
b) - - トランス - , , - トリメチル - - シクロヘキセン - - カルボン酸
機械的撹拌機を備えた100mlフラスコ中で、ヘキサン-アセトン混合物(75:25、27ml)中の(-)-エフェドリン(Fluka 、5.64g、34.2ミリモル)の溶液を、5分間で、ヘキサン(20ml)中の(±)-トランス-2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボン酸(7.65g、45.5ミリモル)の溶液に添加した。45分間の撹拌の後に、懸濁液を0℃に冷却し、濾過すると、エフェドレート塩5.61g(65%ee)及び母液が得られた。トルエン-ヘキサン混合物(60:40)からのエフェドレート塩の2回結晶化により、純粋エフェドレート塩4.08g及び相当する母液を生じた。こうして得られた純粋エフェドレート塩をメタノール(45ml)中に溶かし、25℃で5%HCl水(10.5ml)で処理した。半時間後に、反応混合物を濃縮させ、残分をAcOEt(100ml)中に溶かした。有機相を洗浄し(HO及び食塩水)、乾燥させ(NaSO)、濾過し、かつ濃縮させた。バルブ-バルブ蒸留(100〜130℃/0.1ミリバール)により、純粋な(-)-トランス-2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボン酸2.01g(98%ee、CP-キラシル-DEX CB上でのキラルGCで測定)を生じた。
【0039】
[α] 20(CHCl、c=14g/l)= -97.3
NMR:ラセミ化合物に対して前記したと同様。
【0040】
c)(+) - トランス - , , - トリメチル - - シクロヘキセン - - カルボン酸
b)で得られて集められた母液(塩9.14g)を、b)の記載と同様な方法を用いて再生させて、遊離の酸を生じさせた。バルブ-バルブ蒸留(100〜130℃/0.1ミリバール)により、(+)-トランス-2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボン酸5.20gを生じた(ee=41%)。こうして得られた遊離の酸を(+)-エフェドリン半水和物(シグマ、5.39g、31.0ミリモル)で他のエナンチオマーを得るために前記されているように処理してエフェドレート塩8.91g(49%ee)を得た。この塩のb)に記載のような2回結晶化により、純粋な塩5.55g(97%ee)を生じた。こうして得られたこの純粋なエフェドレート塩をメタノール(58ml)中に溶かし、5%HCl水(14.5ml)で処理した。半時間後に反応混合物を濃縮させ、かつ残分をAcOEt(100ml)中に溶解させた。有機相を洗浄し(HO及び食塩水)、乾燥させ(NaSO)、濾過し、かつ濃縮させた。バルブ-バルブ蒸留(100〜130℃/0.1ミリバール)により、純粋な(+)-トランス-2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボン酸2.01gを生じた(98%ee、CP-キラシル-DEX CB上でのキラルGCにより測定)。
【0041】
[α] 20(CHCl、c=12g/l)= +100.9
NMR:ラセミ化合物に対して前記したと同様。
【0042】
d)(+)又は( - - メチル トランス - , , - トリメチル - - シクロヘキセン - - カルボキシレート
100ml三首フラスコ中で、DMF(40ml)中のb)又はc)で得られた遊離酸の所望のエナンチオマー(1.85g、11.0ミリモル)、ヨウ化メチル(1.87g、15.8ミリモル)及びKCO(1.82g、15.8ミリモル)の溶液を、40℃で2時間撹拌した。冷却された反応混合物を冷5%HCl水上に注ぎ、ペンタンで2回抽出した。有機相を洗浄し(HOで及び食塩水で3回)、乾燥させ(NaSO)、濾過し、かつ濃縮させた。バルブ-バルブ蒸留(100℃/4ミリバール)により、所望のメチルエステル1.8gを生じた(収率=90%)。
【0043】
【外4】
Figure 0004012461
【0044】
例3
エチル トランス-2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレートの合成
100ml三首フラスコ中で、DMF(20ml)中の例2aで得られたトランス-2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボン酸(0.800g、4.8ミリモル)、臭化エチル(0.616g、5.7ミリモル)及びKCO(0.787g、5.7ミリモル)の懸濁液を、40℃で2時間撹拌した。冷却された反応混合物を、冷5%HCl水上に注ぎ、ペンタンで2回抽出した。有機相を洗浄し(HO及び食塩水で3回)、乾燥させ(NaSO)、濾過し、かつ濃縮させた。バルブ-バルブ蒸留(100℃/4ミリバール)により、トランス/シス=96:4混合物の形のエチル トランス-2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレート0.870gを生じた(収率=84%)。
【0045】
【外5】
Figure 0004012461
【0046】
例4
付香組成物の製造
次の成分を混合することにより、”フルーテイ”タイプのベース組成物を製造した:
Figure 0004012461
Figure 0004012461
【0047】
前記組成物へのメチル トランス-2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレート100質量部の添加は、前者に明白なローズ様香調を与えた。本発明の化合物の添加により提供される嗅覚効果は、δ-ダマスコンにより提供されるそれと類似している。更に、この嗅覚効果は、既に公知のガンマ異性体(メチル2,2-ジメチル-6-メチレン-1-シクロヘキサンカルボキシレート)の同量添加により得られるよりも少ないフルーテイ-ブラックベリイ-ブルーベリイ調であり、他の公知の構造類縁体、即ち本発明の化合物のアルファ異性体を用いて得られる効果よりもよりエレガントで、よりダマスコン様であった。
【0048】
例5
付香組成物の製造
次の成分を混合することにより、”アロマテイック”タイプの組成物を製造した:
Figure 0004012461
Figure 0004012461
【0049】
前記組成物へのトランス-2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレートメチル300質量部の添加は、前者にフルーテイで、グリーンな、ダマスコン様のローズ香調を与えた。この効果は、δ-ダマスコンにより一般に与えられるフレグランスの香調であったが、同時によりフルーテイで、より低いフローラルであった。
【0050】
例6
付香組成物の製造
次の成分を混合することにより、”フルーテイ-シトラス”タイプの組成物を製造した:
Figure 0004012461
【0051】
前記ベース組成物へのメチル トランス-2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレート50質量部の添加は、前者にローズ様で、レッドアップル効果を与えた。本発明の化合物の代わりにガンマ又はアルファ異性体を用いると、この効果はアロマテイック-ローズマリイ及びフルーテイ-ブルーベリイ香調であるか又はそれぞれ、よりセラー、ハーベイシャス及びアーシイであった。

Claims (5)

  1. メチル トランス-2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレート、メチル(1R,2S)-2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレート又はメチル(1S,2R)-2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレートである、化合物。
  2. メチル トランス-2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレート又はメチル(1R,2S)-2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレートである、請求項1に記載の化合物。
  3. ダマスコン−ローズ様香調を付与するための付香成分としての、請求項1または2に記載の化合物の使用
  4. 付香成分として請求項1または2に記載の化合物を、慣用の付香補助成分、溶剤又はアジュバントと一緒に含有している、付香組成物又は付香された製品。
  5. 香水又はコロン、付香された石鹸、シャワー又は浴用ジェル、シャンプー、ボデイデオドラント又は発汗抑制剤、環境空気デオドラント、繊維材料処理用の液体又は固体洗剤、食器又は種々の表面用の洗剤組成物又は清浄化製品、布柔軟化剤又は化粧品調製物の形の、請求項に記載の付香組成物又は付香された製品。
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