JP2748184B2 - 光学活性1‐(2,2,6‐トリメチルシクロヘキシル)‐2‐ブテン‐1‐オンの製造方法及びこれを含有する香料組成物 - Google Patents
光学活性1‐(2,2,6‐トリメチルシクロヘキシル)‐2‐ブテン‐1‐オンの製造方法及びこれを含有する香料組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は光学活性な化合物である式(1) (式中、波線はシス及び/又はトランス配置のC−C結
合を示す) で表される1−〔(6R)−2,2,6−トリメチルシクロヘ
キシル〕−2−ブテン−1−オンの製造方法及び式
(5) (式中、波線はシス及び/又はトランス配置のC−C結
合を示す) で表される1−〔(6R)−2,2,6−トリメチルシクロヘ
キシル〕−2−ブテン−1−オンの製造方法、ならびに
これらの製造方法により得られる式(1)の化合物又は
式(5)の化合物を含有する香料組成物に関する。本発
明により製造される光学活性な1−〔2,2,6−トリメチ
ルシクロヘキシル〕−2−ブテン−1−オンである(6
S)体(1)及び(6R)体(5)は、それぞれ異なった
独特な果実様香気を有する化合物であり、これを含有し
てなる本発明の香料組成物は、各種飲食品、香粧品、芳
香剤、その他保健衛生材料等に広く有効に使用されるも
のである。
合を示す) で表される1−〔(6R)−2,2,6−トリメチルシクロヘ
キシル〕−2−ブテン−1−オンの製造方法及び式
(5) (式中、波線はシス及び/又はトランス配置のC−C結
合を示す) で表される1−〔(6R)−2,2,6−トリメチルシクロヘ
キシル〕−2−ブテン−1−オンの製造方法、ならびに
これらの製造方法により得られる式(1)の化合物又は
式(5)の化合物を含有する香料組成物に関する。本発
明により製造される光学活性な1−〔2,2,6−トリメチ
ルシクロヘキシル〕−2−ブテン−1−オンである(6
S)体(1)及び(6R)体(5)は、それぞれ異なった
独特な果実様香気を有する化合物であり、これを含有し
てなる本発明の香料組成物は、各種飲食品、香粧品、芳
香剤、その他保健衛生材料等に広く有効に使用されるも
のである。
一般に不斉な構造を有する生理活性物質のうち有用な
ものは特定の対掌体である場合が多く、例えば医薬、農
薬、フェロモン、食品添加物等の分野では特にその傾向
がある。香料分野においても例外ではなく、例えばハッ
カの匂いには(l)−メントール、ヒメウイキョウの匂
いには(d)−カルボン、グレープフルーツの匂いには
(d)−ヌートカトン等が有用であり、これらはいずれ
も他の光学対掌体とは匂いが異なるかあるいは他の光学
対掌体より匂いが強いものである。このような現象の最
近の例としては、α−ヨノン、リナロール、ヒドロキシ
シトロネラール、ローズオキサイド等を挙げることがで
きる〔例えば、日本化学会編:「化学総説(第14巻)味
とにおいの化学」p.170−172(1976)〕。このように、
光学活性な香料化合物の開発は近年になって特に注目さ
れている。
ものは特定の対掌体である場合が多く、例えば医薬、農
薬、フェロモン、食品添加物等の分野では特にその傾向
がある。香料分野においても例外ではなく、例えばハッ
カの匂いには(l)−メントール、ヒメウイキョウの匂
いには(d)−カルボン、グレープフルーツの匂いには
(d)−ヌートカトン等が有用であり、これらはいずれ
も他の光学対掌体とは匂いが異なるかあるいは他の光学
対掌体より匂いが強いものである。このような現象の最
近の例としては、α−ヨノン、リナロール、ヒドロキシ
シトロネラール、ローズオキサイド等を挙げることがで
きる〔例えば、日本化学会編:「化学総説(第14巻)味
とにおいの化学」p.170−172(1976)〕。このように、
光学活性な香料化合物の開発は近年になって特に注目さ
れている。
ところで、1−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシ
ル)−2−ブテン−1−オンは、分子内に二つの不斉炭
素原子及び一つの二重結合を有する化合物であり、次に
示す(I)〜(IV)の4種の幾何異性体が合成され、賦
香及びフレーバー組成物として用いられることが知られ
ている(特開昭50−52046号公報)。
ル)−2−ブテン−1−オンは、分子内に二つの不斉炭
素原子及び一つの二重結合を有する化合物であり、次に
示す(I)〜(IV)の4種の幾何異性体が合成され、賦
香及びフレーバー組成物として用いられることが知られ
ている(特開昭50−52046号公報)。
この公報によれば、化合物(III)は、シス−1−ア
セチル−2,2,6−トリメチル−4−シクロヘキセンを水
素添加し、得られたシス−1−アセチル−2,2,6−トリ
メチルシクロヘキサンをアセトアルデヒドと縮合してア
ルドール生成物とし次いで脱水することにより合成さ
れ、化合物(I)は、シス−1−アセチル−2,2,6−ト
リメチルシクロヘキサンをエピ化してトランス体とした
後、上記と同様にアセトアルデヒドと縮合し次いで脱水
することにより合成される。また、化合物(I)及び化
合物(III)の混合物は、トランス−ジヒドロヨノンを
エポキシ化し次いでワートン反応を行うことによって得
られる1−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−2
−ブテン−1−オールを酸化することによって合成さ
れ、化合物(I),(II),(III)及び(IV)の混合
物は、α−ヨノンをエポキシ化し次いで水素を添加する
ことにより得られるジヒドロヨノンのエポキシドを上記
と同様にしてワートン反応次いで酸化反応を行うことに
よって合成され、これらの混合物は、分取用気相クロマ
トグラフィーによって分離することができると記載され
ている。しかしながら、前述したように、上記公報に記
載の化合物(I)〜(IV)は全て幾何異性体を表現した
ものであり、その合成法もそれぞれの幾何異性体を合成
する方法で、得られる化合物は全てラセミ体である、光
学活性体である1−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシク
ロヘキシル〕−2−ブテン−1−オン及び1−〔(6R)
−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−2−ブテン−
1−オンを単離したり、これらを合成してその香気、性
状等を確認した例は見当たらないし、まして、その香料
としての特性についての報告は全くされていない。
セチル−2,2,6−トリメチル−4−シクロヘキセンを水
素添加し、得られたシス−1−アセチル−2,2,6−トリ
メチルシクロヘキサンをアセトアルデヒドと縮合してア
ルドール生成物とし次いで脱水することにより合成さ
れ、化合物(I)は、シス−1−アセチル−2,2,6−ト
リメチルシクロヘキサンをエピ化してトランス体とした
後、上記と同様にアセトアルデヒドと縮合し次いで脱水
することにより合成される。また、化合物(I)及び化
合物(III)の混合物は、トランス−ジヒドロヨノンを
エポキシ化し次いでワートン反応を行うことによって得
られる1−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−2
−ブテン−1−オールを酸化することによって合成さ
れ、化合物(I),(II),(III)及び(IV)の混合
物は、α−ヨノンをエポキシ化し次いで水素を添加する
ことにより得られるジヒドロヨノンのエポキシドを上記
と同様にしてワートン反応次いで酸化反応を行うことに
よって合成され、これらの混合物は、分取用気相クロマ
トグラフィーによって分離することができると記載され
ている。しかしながら、前述したように、上記公報に記
載の化合物(I)〜(IV)は全て幾何異性体を表現した
ものであり、その合成法もそれぞれの幾何異性体を合成
する方法で、得られる化合物は全てラセミ体である、光
学活性体である1−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシク
ロヘキシル〕−2−ブテン−1−オン及び1−〔(6R)
−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−2−ブテン−
1−オンを単離したり、これらを合成してその香気、性
状等を確認した例は見当たらないし、まして、その香料
としての特性についての報告は全くされていない。
近年、各種飲食品、香粧品、芳香剤、その他保健衛生
材料等の多様化に伴い、これらに用いる香料として従来
にない新しい需要が高まり、拡散性が強く独特な香気を
有し嗜好性の高い香料物質の開発が要求されている。特
に果実様香気は需要の多い香気であり、従来のものと差
別化できる新しい香料素材の開発が望まれてきている。
また、この様な新素材の開発において、特に香粧品等に
使用する場合の皮膚に対する安全性についても、重要な
課題となっている。
材料等の多様化に伴い、これらに用いる香料として従来
にない新しい需要が高まり、拡散性が強く独特な香気を
有し嗜好性の高い香料物質の開発が要求されている。特
に果実様香気は需要の多い香気であり、従来のものと差
別化できる新しい香料素材の開発が望まれてきている。
また、この様な新素材の開発において、特に香粧品等に
使用する場合の皮膚に対する安全性についても、重要な
課題となっている。
従って、本発明の目的は、皮膚に対し安全であり、前
記需要を満足する独特な果実様香気を有する香料の新素
材となり得る光学活性な化合物を有利に製造する方法及
びこの光学活性な化合物を含有する香料組成物を提供す
ることにある。
記需要を満足する独特な果実様香気を有する香料の新素
材となり得る光学活性な化合物を有利に製造する方法及
びこの光学活性な化合物を含有する香料組成物を提供す
ることにある。
本発明者らは上記実情に鑑み、従来より果実様香気を
有することが知られている1−(2,2,6−トリメチルシ
クロヘキシル)−2−ブテン−1−オンの光学活性体の
製法及びその香気について鋭意研究を行った結果、1−
〔(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−2−
ブテン−1−オン及び1−〔(6R)−2,2,6−トリメチ
ルシクロヘキシル〕−2−ブテン−1−オンを容易にか
つ高収率、高い光学純度で得ることができる新しい製法
を見出し、更に両対掌体の香質の検討を行った結果、驚
くべきことに後記の第1表に示すようにあたかも全く別
な香気を有し、調合効果及び香りの強さ(域値)も異な
っており、それぞれの光学活性体がともに有用な香料素
材になり得ることを見出し本発明を完成した。
有することが知られている1−(2,2,6−トリメチルシ
クロヘキシル)−2−ブテン−1−オンの光学活性体の
製法及びその香気について鋭意研究を行った結果、1−
〔(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−2−
ブテン−1−オン及び1−〔(6R)−2,2,6−トリメチ
ルシクロヘキシル〕−2−ブテン−1−オンを容易にか
つ高収率、高い光学純度で得ることができる新しい製法
を見出し、更に両対掌体の香質の検討を行った結果、驚
くべきことに後記の第1表に示すようにあたかも全く別
な香気を有し、調合効果及び香りの強さ(域値)も異な
っており、それぞれの光学活性体がともに有用な香料素
材になり得ることを見出し本発明を完成した。
本発明の1−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘ
キシル〕−2−ブテン−1−オンの製造方法は次の反応
式で示される。
キシル〕−2−ブテン−1−オンの製造方法は次の反応
式で示される。
(式中、波線はシス及び/又はトランス配置のC−C結
合を示す) 出発化合物である(6S)−2,2,6−トリメチルシクロ
ヘキサンカルバルデヒド〔ジヒドロシクロシトラール〕
(2)は従来より香料として用いることが知られている
化合物であり、特開昭63−44544号公報記載の方法によ
り光学活性なシトロネラールを原料として得ることがで
きるが、この方法に準じて次式に示すような反応を行う
ことにより容易に高収率で得ることができる。
合を示す) 出発化合物である(6S)−2,2,6−トリメチルシクロ
ヘキサンカルバルデヒド〔ジヒドロシクロシトラール〕
(2)は従来より香料として用いることが知られている
化合物であり、特開昭63−44544号公報記載の方法によ
り光学活性なシトロネラールを原料として得ることがで
きるが、この方法に準じて次式に示すような反応を行う
ことにより容易に高収率で得ることができる。
(式中、波線はシス及び/又はトランス配置の結合を示
す) 上記反応式の原料化合物である(3S)−3,7−ジメチ
ル−7−メトキシ−1−オクタナール〔l−メトキシシ
トロネラール〕はボウフラの幼若フェロモンとして知ら
れている化合物であり、又、香料としても工業的に多量
に使用されている。この原料化合物を無水酢酸と反応さ
せ、得られるエノールアセテートを精製することなくリ
ン酸等の触媒で環化する。中間体であるエノールアセテ
ートは下記に示す(E)体及び(Z)体の混合物、化合
物(2)は下記に示すトランス体及びシス体の混合物と
して得られる。
す) 上記反応式の原料化合物である(3S)−3,7−ジメチ
ル−7−メトキシ−1−オクタナール〔l−メトキシシ
トロネラール〕はボウフラの幼若フェロモンとして知ら
れている化合物であり、又、香料としても工業的に多量
に使用されている。この原料化合物を無水酢酸と反応さ
せ、得られるエノールアセテートを精製することなくリ
ン酸等の触媒で環化する。中間体であるエノールアセテ
ートは下記に示す(E)体及び(Z)体の混合物、化合
物(2)は下記に示すトランス体及びシス体の混合物と
して得られる。
こうして得られる出発化合物(2)をアリル化し、1
−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−3
−ブテン−1−オール(3)を得る。化合物(3)は、
下記に示すトランス体、シス体のそれぞれトレオ形及び
エリトロ形の4つの異性体の混合物として得られる。ア
リル化の方法としては、公知のアリルマグネシウムハラ
イド〔CH2=CHCH2MgBr等〕との反応、又は、日本化学会
第59春季年会講演予稿集II、1429頁(1990年)に記載の
庄野らの方法である、アリルハライドと亜鉛等の金属を
ジメチルホルムアミド等の溶媒中で反応させる方法等が
挙げられる。
−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−3
−ブテン−1−オール(3)を得る。化合物(3)は、
下記に示すトランス体、シス体のそれぞれトレオ形及び
エリトロ形の4つの異性体の混合物として得られる。ア
リル化の方法としては、公知のアリルマグネシウムハラ
イド〔CH2=CHCH2MgBr等〕との反応、又は、日本化学会
第59春季年会講演予稿集II、1429頁(1990年)に記載の
庄野らの方法である、アリルハライドと亜鉛等の金属を
ジメチルホルムアミド等の溶媒中で反応させる方法等が
挙げられる。
(式中、−OH基の結合はトレオ形及びエリトロ形の混合
物である) 次に化合物(3)を酸化して1−〔(6S)−2,2,6−
トリメチルシクロヘキシル〕−3−ブテン−1−オン
(4)を得る。化合物(4)は、下記に示すトランス体
及びシス体の混合物として得られる。酸化剤としては、
酸化クロム、酸化銅、サラシ粉、I.MINAMIら;Tetrahedr
on,43(17)p.3903−3915(1987)に記載されているパ
ラジウム錯体又はルテニウム錯体、あるいはE.A.Braude
ら;J.Chem.Soc.,(1952)p.1414−1419に記載されてい
るアルミニウムtert−ブトキシド(A1〔OC(CH3)3〕
3)、あるいは銅−クロム、銅−亜鉛等の脱水素触媒等
が挙げられる。
物である) 次に化合物(3)を酸化して1−〔(6S)−2,2,6−
トリメチルシクロヘキシル〕−3−ブテン−1−オン
(4)を得る。化合物(4)は、下記に示すトランス体
及びシス体の混合物として得られる。酸化剤としては、
酸化クロム、酸化銅、サラシ粉、I.MINAMIら;Tetrahedr
on,43(17)p.3903−3915(1987)に記載されているパ
ラジウム錯体又はルテニウム錯体、あるいはE.A.Braude
ら;J.Chem.Soc.,(1952)p.1414−1419に記載されてい
るアルミニウムtert−ブトキシド(A1〔OC(CH3)3〕
3)、あるいは銅−クロム、銅−亜鉛等の脱水素触媒等
が挙げられる。
次いで化合物(4)の二重結合を異性化することによ
り、目的とする1−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシク
ロヘキシル〕−2−ブテン−1−オン(1)を得ること
ができる。異性化剤としては、パラトルエンスルホン
酸、あるいは、笠野雅信ら;近畿大学理工学部研究報告
第13号(昭和53年3月発行)p.37−39に記載されている
カリウムtert−ブトキシド(KOC(CH3)3)等を挙げる
ことができる。
り、目的とする1−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシク
ロヘキシル〕−2−ブテン−1−オン(1)を得ること
ができる。異性化剤としては、パラトルエンスルホン
酸、あるいは、笠野雅信ら;近畿大学理工学部研究報告
第13号(昭和53年3月発行)p.37−39に記載されている
カリウムtert−ブトキシド(KOC(CH3)3)等を挙げる
ことができる。
こうして得られる1−〔(6S)−2,2,6−トリメチル
シクロヘキシル〕−2−ブテン−1−オン(1)は次に
示す4つの異性体(1)−a,(1)−b,(1)−c,
(1)−dの混合物であり、この4異性体は分離するこ
となく混合物のまま含有せしめて香料組成物とすること
ができる。すなわち、混合物のままで、本発明の目的を
充分に満足し得る独特な香気を有する香料組成物とする
ことができる。尚、ガスクロマトグラフィーを用いて4
異性体を分離し、1異性体あるいは、2以上の異性体を
任意の割合で混合した混合物として含有させることもで
きる。又、トランス及びシス異性体を前記合成の途中段
階で分離し、トランス体あるいはシス体の一方のみを合
成することもできる。
シクロヘキシル〕−2−ブテン−1−オン(1)は次に
示す4つの異性体(1)−a,(1)−b,(1)−c,
(1)−dの混合物であり、この4異性体は分離するこ
となく混合物のまま含有せしめて香料組成物とすること
ができる。すなわち、混合物のままで、本発明の目的を
充分に満足し得る独特な香気を有する香料組成物とする
ことができる。尚、ガスクロマトグラフィーを用いて4
異性体を分離し、1異性体あるいは、2以上の異性体を
任意の割合で混合した混合物として含有させることもで
きる。又、トランス及びシス異性体を前記合成の途中段
階で分離し、トランス体あるいはシス体の一方のみを合
成することもできる。
本発明の1−〔(6R)−2,2,6−トリメチルシクロヘ
キシル〕−2−ブテン1−オンの製造方法は次の反応式
で示される。
キシル〕−2−ブテン1−オンの製造方法は次の反応式
で示される。
(式中、波線はシス及び/又はトランス配置のC−C結
合を示す) すなわち、出発化合物である(6R)−2,2,6−トリメ
チルシクロヘキサンカルバルデヒド〔ジヒドロシクロシ
トラール〕(6)の原料として(3R)−3,7−ジメチル
−7−メトキシ−1−オクタナール〔d−メトキシシト
ロネラール〕を用いること以外は、前記の(6S)体
(1)の製造方法と同様の方法で目的とする1−〔(6
R)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−2−ブテン
−1−オン(5)を得ることができる。
合を示す) すなわち、出発化合物である(6R)−2,2,6−トリメ
チルシクロヘキサンカルバルデヒド〔ジヒドロシクロシ
トラール〕(6)の原料として(3R)−3,7−ジメチル
−7−メトキシ−1−オクタナール〔d−メトキシシト
ロネラール〕を用いること以外は、前記の(6S)体
(1)の製造方法と同様の方法で目的とする1−〔(6
R)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−2−ブテン
−1−オン(5)を得ることができる。
こうして得られる化合物(5)は、次に示す4つの異
性体(5)−a,(5)−b,(5)−c,(5)−dの混合
物であり、これらは前記の(6S)体(1)と同様に、混
合物のまま、又は、分離して1異性体あるいは2以上の
異性体を任意の割合で混合した混合物として含有せしめ
て香料組成物とすることができる。
性体(5)−a,(5)−b,(5)−c,(5)−dの混合
物であり、これらは前記の(6S)体(1)と同様に、混
合物のまま、又は、分離して1異性体あるいは2以上の
異性体を任意の割合で混合した混合物として含有せしめ
て香料組成物とすることができる。
こうして得られる光学活性な化合物である1−〔(6
S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−2−ブテン
−1オン及び1−〔(6R)−2,2,6−トリメチルシクロ
ヘキシル〕−2−ブテン−1−オンは、本発明者らによ
って初めて別々に合成されたものである。これらの香質
について、ラセミ体と比較した結果を第1表に示す。比
較した(6S)体及び(6R)体は、前記の製造方法によっ
て得られる4異性体の混合物であり、又、ラセミ体は、
この(6S)体及び(6R)体を1:1の割合で混合したもの
である。第1表中に示した域値は、水溶液にした場合に
香料としての効果を有する最低濃度を示したものであ
る。
S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−2−ブテン
−1オン及び1−〔(6R)−2,2,6−トリメチルシクロ
ヘキシル〕−2−ブテン−1−オンは、本発明者らによ
って初めて別々に合成されたものである。これらの香質
について、ラセミ体と比較した結果を第1表に示す。比
較した(6S)体及び(6R)体は、前記の製造方法によっ
て得られる4異性体の混合物であり、又、ラセミ体は、
この(6S)体及び(6R)体を1:1の割合で混合したもの
である。第1表中に示した域値は、水溶液にした場合に
香料としての効果を有する最低濃度を示したものであ
る。
第1表に示すように本発明によって得られる光学活性
な化合物である1−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシク
ロヘキシル〕−2−ブテン−1−オン及び1−〔(6R)
−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−2−ブテン−
1−オンは、それぞれラセミ体とあたかも全く別な香気
を有し、調合効果及び香りの強さ(域値)も異なってお
り、それぞれの光学活性体がともに有用な香料素材にな
り得る。すなわち、これらの光学活性な化合物を配合す
ることにより、従来の香気と差別化することができる独
特の果実様香気を有し、嗜好性が高く、かつ拡散性及び
保留性が強い香気付与剤あるいは香気改良補強剤等の香
料組成物を提供することができる。なお、本発明に係る
1−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−
2−ブテン−1−オン及び1−〔(6R)−2,2,6−トリ
メチルシクロヘキシル〕−2−ブテン−1−オンの香料
組成物への配合量は特に限定されないが、0.01〜50重量
%が、特に0.1〜20重量%が好ましい。従来の一般的な
香料素材と比べ、かなり高濃度を配合しても不快感を与
えずに香気を付与することができる。また、(6S)体及
び(6R)体ともに皮膚感作性が著しく低いことが確認さ
れたので、各種飲食品の他、香粧品等に用いる香料にも
安全に使用できる。
な化合物である1−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシク
ロヘキシル〕−2−ブテン−1−オン及び1−〔(6R)
−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−2−ブテン−
1−オンは、それぞれラセミ体とあたかも全く別な香気
を有し、調合効果及び香りの強さ(域値)も異なってお
り、それぞれの光学活性体がともに有用な香料素材にな
り得る。すなわち、これらの光学活性な化合物を配合す
ることにより、従来の香気と差別化することができる独
特の果実様香気を有し、嗜好性が高く、かつ拡散性及び
保留性が強い香気付与剤あるいは香気改良補強剤等の香
料組成物を提供することができる。なお、本発明に係る
1−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−
2−ブテン−1−オン及び1−〔(6R)−2,2,6−トリ
メチルシクロヘキシル〕−2−ブテン−1−オンの香料
組成物への配合量は特に限定されないが、0.01〜50重量
%が、特に0.1〜20重量%が好ましい。従来の一般的な
香料素材と比べ、かなり高濃度を配合しても不快感を与
えずに香気を付与することができる。また、(6S)体及
び(6R)体ともに皮膚感作性が著しく低いことが確認さ
れたので、各種飲食品の他、香粧品等に用いる香料にも
安全に使用できる。
また、本発明香料組成物には、通常使用される調合香
料を配合することができる。
料を配合することができる。
このようにして得られる香料組成物は、このものを香
気成分として含有する各種飲食品、香粧品、芳香剤、そ
の他保健衛生材料等を提供することができる。すなわ
ち、清涼飲料、洋酒等の飲料;アイスクリーム、シャー
ベット、ゼリー、ジャム、キャンディー、チューインガ
ム等の菓子その他食品類;香水、コロン類;シャンプ
ー、リンス類;ヘアトニック、ヘアクリーム、ポマード
等の毛髪用化粧料基剤;白粉、口紅、その他の化粧料基
剤:化粧用洗剤基剤、石鹸、皿洗い洗剤、洗濯用洗剤、
消毒用洗剤、防臭洗剤等の洗浄剤;歯磨き、マウスウォ
ッシュ等の口腔用組成物;ソフトナー類、室内芳香剤や
ファーニチュアケアー、消毒剤、殺虫剤、漂白剤、トイ
レットペーパー、医薬品の服用を容易にするための賦香
剤等に、そのユニークな香気を付与できる適当量を配合
してその商品価値を高めることができる。
気成分として含有する各種飲食品、香粧品、芳香剤、そ
の他保健衛生材料等を提供することができる。すなわ
ち、清涼飲料、洋酒等の飲料;アイスクリーム、シャー
ベット、ゼリー、ジャム、キャンディー、チューインガ
ム等の菓子その他食品類;香水、コロン類;シャンプ
ー、リンス類;ヘアトニック、ヘアクリーム、ポマード
等の毛髪用化粧料基剤;白粉、口紅、その他の化粧料基
剤:化粧用洗剤基剤、石鹸、皿洗い洗剤、洗濯用洗剤、
消毒用洗剤、防臭洗剤等の洗浄剤;歯磨き、マウスウォ
ッシュ等の口腔用組成物;ソフトナー類、室内芳香剤や
ファーニチュアケアー、消毒剤、殺虫剤、漂白剤、トイ
レットペーパー、医薬品の服用を容易にするための賦香
剤等に、そのユニークな香気を付与できる適当量を配合
してその商品価値を高めることができる。
次に、実施例を示して本発明を更に具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルバル
デヒド(2)の合成: コンデンサー、温度計、滴下ロート及び撹拌装置をつ
けた5の4口フラスコに、窒素気流下、無水酢酸871
g、酢酸ナトリウム27g、トリエチルアミン706gを入れか
きまぜながら加熱して75℃とし、この溶液に−メトキ
シシトロネラール(市販品:高砂香料工業株式会社製:
▲〔α〕25 D▼=−10.42゜、光学純度=98%ee)1kgを
1時間かけて滴下した。滴下後、反応液を6時間101℃
〜117℃で還流させたのち5℃まで冷却し、水500ml及び
トルエン500gを加え洗浄、分液し、更に水500mlを加え
水洗、分液を2度行い、エノールアセテートのトルエン
溶液1690gを得た。この溶液は、ガスクロマトグラフィ
ー(測定機種:HEWLETT PACKARD5890;カラム:Carbowax 2
0M(HP)0.2mmID×25mm、以下ガスクロマトグラフィー
は同様のものを使用)で分析した結果、(Z)−エノー
ルアセテート29.5%、(E)−エノールアセテート62.7
%及び下記構造を有するジアセテート5.3%の組成であ
った。
デヒド(2)の合成: コンデンサー、温度計、滴下ロート及び撹拌装置をつ
けた5の4口フラスコに、窒素気流下、無水酢酸871
g、酢酸ナトリウム27g、トリエチルアミン706gを入れか
きまぜながら加熱して75℃とし、この溶液に−メトキ
シシトロネラール(市販品:高砂香料工業株式会社製:
▲〔α〕25 D▼=−10.42゜、光学純度=98%ee)1kgを
1時間かけて滴下した。滴下後、反応液を6時間101℃
〜117℃で還流させたのち5℃まで冷却し、水500ml及び
トルエン500gを加え洗浄、分液し、更に水500mlを加え
水洗、分液を2度行い、エノールアセテートのトルエン
溶液1690gを得た。この溶液は、ガスクロマトグラフィ
ー(測定機種:HEWLETT PACKARD5890;カラム:Carbowax 2
0M(HP)0.2mmID×25mm、以下ガスクロマトグラフィー
は同様のものを使用)で分析した結果、(Z)−エノー
ルアセテート29.5%、(E)−エノールアセテート62.7
%及び下記構造を有するジアセテート5.3%の組成であ
った。
スペクトルデータ MS(m/e値): (E)−エノールアセテート:229(M+1,1),197(7
0),155(42),137(100),95(12),73(41) (Z)−エノールアセテート:229(M+1,3),197(10
0),155(38),137(98),95(24),73(82) ジアセテート:289(M+1,0.2),197(85),155(75),
137(100),103(19),73(33) 次にコンデンサー、温度計、水抜き装置及び撹拌装置
をつけた5の4口フラスコに、得られたエノールアセ
テートのトルエン溶液1690g、85%リン酸水溶液620g、
及びトルエン500gを加え、窒素気流下、かきまぜながら
加熱して71〜107℃で3時間還流させた(生成するメタ
ノールをトルエンとともに少しずつ系外に除き還流温度
を調整した)。
0),155(42),137(100),95(12),73(41) (Z)−エノールアセテート:229(M+1,3),197(10
0),155(38),137(98),95(24),73(82) ジアセテート:289(M+1,0.2),197(85),155(75),
137(100),103(19),73(33) 次にコンデンサー、温度計、水抜き装置及び撹拌装置
をつけた5の4口フラスコに、得られたエノールアセ
テートのトルエン溶液1690g、85%リン酸水溶液620g、
及びトルエン500gを加え、窒素気流下、かきまぜながら
加熱して71〜107℃で3時間還流させた(生成するメタ
ノールをトルエンとともに少しずつ系外に除き還流温度
を調整した)。
反応液を5℃まで冷却し、冷水2000mlで水洗、分液を
行い、さらに水2000ml、5%ソーダ灰水溶液2000ml及び
飽和食塩水2000mlにて各々1回ずつ洗浄、分液した後、
トルエンを減圧下留去し、濃縮油872gを得た。
行い、さらに水2000ml、5%ソーダ灰水溶液2000ml及び
飽和食塩水2000mlにて各々1回ずつ洗浄、分液した後、
トルエンを減圧下留去し、濃縮油872gを得た。
得られた濃縮油を1mヘリパック充填蒸留器で精密蒸留
を行い、掲題の(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキ
サンカルバルデヒド(2)425g〔沸点=80〜81℃/8mmH
g,▲〔α〕25 D▼=−0.47゜,ガスクロマトグラフィー
での純度=トランス−(2)90%,シス−(2)10%、
光学純度=97.5%〕を得た。
を行い、掲題の(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキ
サンカルバルデヒド(2)425g〔沸点=80〜81℃/8mmH
g,▲〔α〕25 D▼=−0.47゜,ガスクロマトグラフィー
での純度=トランス−(2)90%,シス−(2)10%、
光学純度=97.5%〕を得た。
1−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕
−3−ブテン−1−オール(3)の合成: 窒素気流下、コンデンサー、温度計、滴下ロート及び
撹拌装置をつけた500mlの4口フラスコにで合成した
(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルバルデ
ヒド(2)100g(0.64モル)、アリルブロマイド120g
(0.96モル)及びジメチルホルムアミド200mlを入れ室
温にてかきまぜた。更に亜鉛粉末83g(1.28モル)を添
加し、室温で4時間かきまぜて反応させた。生成物を常
法処理(水洗後ジエチルエーテルで抽出し、得られる油
層を濃縮する。以下同様)し、濃縮油114gを得た。これ
をクライゼン蒸留し、掲題の1−〔(6S)−2,2,6−ト
リメチルシクロヘキシル〕−3−ブテン−1−オール
(3)104g(0.53モル、収率83%)〔沸点=86〜87℃/
4.0mmHg〕を得た。このものは、ガスクロマトグラフィ
ーで分析した結果、トランス−(3)、シス−(3)の
それぞれトレオ形及びエリトロ形の4つの異性体〔(3
−a,(3)−b,(3)−c,(3)−d〕の混合物であ
り、それぞれのマススペクトルは以下のようであった。
尚、(3)−a及び(3)−bはトランス−(3)のト
レオ形あるいはエリトロ形のいずれかであり、(3)−
c及び(3)−dはトランス−(3)のトレオ形あるい
はエリトロ形のいずれかであると推定した。
−3−ブテン−1−オール(3)の合成: 窒素気流下、コンデンサー、温度計、滴下ロート及び
撹拌装置をつけた500mlの4口フラスコにで合成した
(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキサンカルバルデ
ヒド(2)100g(0.64モル)、アリルブロマイド120g
(0.96モル)及びジメチルホルムアミド200mlを入れ室
温にてかきまぜた。更に亜鉛粉末83g(1.28モル)を添
加し、室温で4時間かきまぜて反応させた。生成物を常
法処理(水洗後ジエチルエーテルで抽出し、得られる油
層を濃縮する。以下同様)し、濃縮油114gを得た。これ
をクライゼン蒸留し、掲題の1−〔(6S)−2,2,6−ト
リメチルシクロヘキシル〕−3−ブテン−1−オール
(3)104g(0.53モル、収率83%)〔沸点=86〜87℃/
4.0mmHg〕を得た。このものは、ガスクロマトグラフィ
ーで分析した結果、トランス−(3)、シス−(3)の
それぞれトレオ形及びエリトロ形の4つの異性体〔(3
−a,(3)−b,(3)−c,(3)−d〕の混合物であ
り、それぞれのマススペクトルは以下のようであった。
尚、(3)−a及び(3)−bはトランス−(3)のト
レオ形あるいはエリトロ形のいずれかであり、(3)−
c及び(3)−dはトランス−(3)のトレオ形あるい
はエリトロ形のいずれかであると推定した。
化合物(3)のスペクトルデータ MS(m/e値): (3)−a(主成分,87%):196(M,1),156(48),138
(93),126(4),112(3),95(50),81(93),69(1
00),55(33),43(30) (3)−b:196(M,1),156(24),138(96),126
(2),112(37),97(43),81(96),69(100),55(3
3),43(26) (3)−c:196(M,1),156(30),138(37),126
(4),112(30),95(41),81(59),69(100),55(3
3),43(24) (3)−d:196(M,1),156(28),138(52),126
(6),112(35),95(30),81(54),69(100),55(3
0),43(26) 1−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕
−3−ブテン−1−オン(4)の合成: コンデンサー、温度計、滴下ロート及び撹拌装置をつ
けた5の4口フラスコにで合成した1−〔(6S)−
2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−3−ブテン−1
−オール(3)104g(0.53モル)とアセトン1260mlを入
れかきまぜ、更に酸化クロム73g(0.84モル)、水1320m
l及び硫酸65mlの混合物を反応温度20〜25℃に調製して
1時間かけて滴下した。
(93),126(4),112(3),95(50),81(93),69(1
00),55(33),43(30) (3)−b:196(M,1),156(24),138(96),126
(2),112(37),97(43),81(96),69(100),55(3
3),43(26) (3)−c:196(M,1),156(30),138(37),126
(4),112(30),95(41),81(59),69(100),55(3
3),43(24) (3)−d:196(M,1),156(28),138(52),126
(6),112(35),95(30),81(54),69(100),55(3
0),43(26) 1−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕
−3−ブテン−1−オン(4)の合成: コンデンサー、温度計、滴下ロート及び撹拌装置をつ
けた5の4口フラスコにで合成した1−〔(6S)−
2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−3−ブテン−1
−オール(3)104g(0.53モル)とアセトン1260mlを入
れかきまぜ、更に酸化クロム73g(0.84モル)、水1320m
l及び硫酸65mlの混合物を反応温度20〜25℃に調製して
1時間かけて滴下した。
滴下後、反応液を常法で処理し、掲題の1−〔(6S)
−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−3−ブテン−
1−オン(4)の濃縮油95g(0.48モル、収率91%)
〔ガスクロマトグラフィーでの純度=トランス−(4)
91%、シス(4)9%〕を得た。
−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−3−ブテン−
1−オン(4)の濃縮油95g(0.48モル、収率91%)
〔ガスクロマトグラフィーでの純度=トランス−(4)
91%、シス(4)9%〕を得た。
化合物(4)のスペクトルデータ MS(m/e値): トランス−(4):194(M,9),179(4),151(15),12
5(9),109(15),95(4),83(17),69(100),55
(11),41(6) シス−(4):194(M,9),179(13),151(26),125(4
4),111(23),95(11),83(17),69(100),55(2
0),41(7) 1−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕
−2−ブテン−1−オン(1)の合成: コンデンサー、温度計、撹拌装置のついた1の4口
フラスコにで合成した1−〔(6S)−2,2,6−トリメ
チルシクロヘキシル〕−3−ブテン−1−オン(4)の
濃縮油95g(0.48モル)、パラトルエンスルホン酸4.8g
(0.028モル)及びトルエン900mlを入れ、80℃で30分加
熱し異性化反応を行った後、常法処理し、得られた濃縮
油83.6gを30cmウイッドマー蒸留器で精密蒸留を行い、
目的とする1−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘ
キシル〕−2−ブテン−1−オン(1)78g(0.39モ
ル、収率81%)〔沸点=69℃/3mmHg、▲n20 D▼(屈折
率)=1.480、d25(比重)=0.9181、▲〔α〕25 D▼=
−8.56゜、ガスクロマトグラフィーでの純度=トランス
−(E)体<(1)−a>87.2%、シス−(E)体<
(1)−b>8.4%、トランス−(Z)体<(1)−c
>4.0%、シス−(Z)体<(1)−d>0.3%、以上4
異性体の構造に関しては、トランス−(E)体<(1)
−a>は単離し、1H−NMR,IR,MSスペクトルデータにて
確認し、他の3異性体はMSスペクトルデータにて推定し
た。尚、単離したトランス−(E)体<(1)−a>の
旋光▲〔α〕25 D▼=−17.97゜であった。〕を得た。
5(9),109(15),95(4),83(17),69(100),55
(11),41(6) シス−(4):194(M,9),179(13),151(26),125(4
4),111(23),95(11),83(17),69(100),55(2
0),41(7) 1−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕
−2−ブテン−1−オン(1)の合成: コンデンサー、温度計、撹拌装置のついた1の4口
フラスコにで合成した1−〔(6S)−2,2,6−トリメ
チルシクロヘキシル〕−3−ブテン−1−オン(4)の
濃縮油95g(0.48モル)、パラトルエンスルホン酸4.8g
(0.028モル)及びトルエン900mlを入れ、80℃で30分加
熱し異性化反応を行った後、常法処理し、得られた濃縮
油83.6gを30cmウイッドマー蒸留器で精密蒸留を行い、
目的とする1−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘ
キシル〕−2−ブテン−1−オン(1)78g(0.39モ
ル、収率81%)〔沸点=69℃/3mmHg、▲n20 D▼(屈折
率)=1.480、d25(比重)=0.9181、▲〔α〕25 D▼=
−8.56゜、ガスクロマトグラフィーでの純度=トランス
−(E)体<(1)−a>87.2%、シス−(E)体<
(1)−b>8.4%、トランス−(Z)体<(1)−c
>4.0%、シス−(Z)体<(1)−d>0.3%、以上4
異性体の構造に関しては、トランス−(E)体<(1)
−a>は単離し、1H−NMR,IR,MSスペクトルデータにて
確認し、他の3異性体はMSスペクトルデータにて推定し
た。尚、単離したトランス−(E)体<(1)−a>の
旋光▲〔α〕25 D▼=−17.97゜であった。〕を得た。
化合物(1)のスペクトルデータ トランス−(E)体<(1)−a>:1 H−NMR(CDCl3)δppm:0.73(3H,d,J=6.36Hz),0.89
(3H,s),0.92(3H,s),0.91(2Hm),1.37(1H,m),1.5
1(2H,m),1.72(1H,m),1.88(3H,q.J=6.8Hz,1.66H
z),2.22(1H,m),6.19(1H,q,J=15.5Hz,1.66Hz),6.8
(1H,q,J=15.5Hz,6.8Hz) IR(cm-1):2930,1690,1660,1630,1460,1440,970 MS(m/e値):194(M,6),179(8),151(17),137
(2),125(9),111(24),95(4),83(17),69(1
00),55(11),41(6) その他3異性体のMS(m/e値): シス−(E)体<(1)−b>:194(M,11),179(2
8),151(26),138(5),125(71),111(40),95(1
7),83(15),69(100),55(17),41(11) トランス−(Z)体<(1)−c>:194(M,13),179
(9),151(19),137(2),125(20),111(22),95
(7),83(27),69(100),55(18),41(7) シス−(Z)体<(1)−d>:194(M,9),179(17),
151(22),137(2),125(53),111(22),95(9),8
3(22),69(100),55(13),41(7),28(7) 実施例2 1−〔(6R)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−
2−ブテン−1−オン(5)の合成: 実施例1ののl−メトキシシトロネラールのかわり
にd−メトキシシトレネラール(市販品:高砂香料工業
株式会社製:▲〔α〕25 D▼=+10.42゜、光学純度=98
%ee)を使用した以外は実施例1〜と同様にして目
的とする1−〔(6R)−2,2,6−トリメチルシクロヘキ
シル〕−2−ブテン−1−オン(5)〔沸点=69.1℃/3
mmHg、▲〔α〕25 D▼=+8.56゜〕を得た。
(3H,s),0.92(3H,s),0.91(2Hm),1.37(1H,m),1.5
1(2H,m),1.72(1H,m),1.88(3H,q.J=6.8Hz,1.66H
z),2.22(1H,m),6.19(1H,q,J=15.5Hz,1.66Hz),6.8
(1H,q,J=15.5Hz,6.8Hz) IR(cm-1):2930,1690,1660,1630,1460,1440,970 MS(m/e値):194(M,6),179(8),151(17),137
(2),125(9),111(24),95(4),83(17),69(1
00),55(11),41(6) その他3異性体のMS(m/e値): シス−(E)体<(1)−b>:194(M,11),179(2
8),151(26),138(5),125(71),111(40),95(1
7),83(15),69(100),55(17),41(11) トランス−(Z)体<(1)−c>:194(M,13),179
(9),151(19),137(2),125(20),111(22),95
(7),83(27),69(100),55(18),41(7) シス−(Z)体<(1)−d>:194(M,9),179(17),
151(22),137(2),125(53),111(22),95(9),8
3(22),69(100),55(13),41(7),28(7) 実施例2 1−〔(6R)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−
2−ブテン−1−オン(5)の合成: 実施例1ののl−メトキシシトロネラールのかわり
にd−メトキシシトレネラール(市販品:高砂香料工業
株式会社製:▲〔α〕25 D▼=+10.42゜、光学純度=98
%ee)を使用した以外は実施例1〜と同様にして目
的とする1−〔(6R)−2,2,6−トリメチルシクロヘキ
シル〕−2−ブテン−1−オン(5)〔沸点=69.1℃/3
mmHg、▲〔α〕25 D▼=+8.56゜〕を得た。
試験例 1−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−
2−ブテン−1−オン(1)及び1−〔(6R)−2,2,6
−トリメチルシクロヘキシル〕−2−ブテン−1−オン
(5)の皮膚一次刺激性試験及び光毒性試験 実施例1及び実施例2にて製造した1−〔(6S)−2,
2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−2−ブテン−1−
オン(1)及び1−〔(6R)−2,2,6−トリメチルシク
ロヘキシル〕−2−ブテン−1−オン(5)について皮
膚一次刺激性試験及び光毒性試験を行った。
2−ブテン−1−オン(1)及び1−〔(6R)−2,2,6
−トリメチルシクロヘキシル〕−2−ブテン−1−オン
(5)の皮膚一次刺激性試験及び光毒性試験 実施例1及び実施例2にて製造した1−〔(6S)−2,
2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−2−ブテン−1−
オン(1)及び1−〔(6R)−2,2,6−トリメチルシク
ロヘキシル〕−2−ブテン−1−オン(5)について皮
膚一次刺激性試験及び光毒性試験を行った。
以下、その詳細を説明する。
実験動物:体重約270gの雄ハートレイ系モルモットを2
週間予備飼育後、体重が350〜400gになった健康なもの
を使った。試験群は一群5匹で行った。
週間予備飼育後、体重が350〜400gになった健康なもの
を使った。試験群は一群5匹で行った。
被験試料:各被験化合物をアセトンにて規定の濃度(50
%,30%,10%,5%)に調整したものを用いた。
%,30%,10%,5%)に調整したものを用いた。
尚、光毒性の陽性コントロールには100ppmの8−メト
キシプソラレンのエタノール溶液を用いた。
キシプソラレンのエタノール溶液を用いた。
試験方法:毛刈、剃毛した実験動物を腹位に固定し、背
中の正中線を対称軸として1.5cm×1.5cmの5区画を2列
作成した。陽性コントロールを含む5点の被験試料各0.
02mlに左右に塗布し、片側アルミホイルで遮光し、光毒
性用光源を皮膚から10cmの距離に保ち70分間照射した
(総エネルギー量は約13ジュール/cm2)。
中の正中線を対称軸として1.5cm×1.5cmの5区画を2列
作成した。陽性コントロールを含む5点の被験試料各0.
02mlに左右に塗布し、片側アルミホイルで遮光し、光毒
性用光源を皮膚から10cmの距離に保ち70分間照射した
(総エネルギー量は約13ジュール/cm2)。
尚、光毒性用光源は、長波長紫外線源(UV−A)の東
芝FL−40S・BLB(300〜400nm、max.360nm)を並列に6
灯装着したものを使用した。使用時に320nm以下の波長
をガラス・フィルターで遮光した。
芝FL−40S・BLB(300〜400nm、max.360nm)を並列に6
灯装着したものを使用した。使用時に320nm以下の波長
をガラス・フィルターで遮光した。
結果判定:照射後24時間の皮膚の反応を後記の第2表に
て得られる陽性率と評価点を基にして行い、その結果を
第3表にまとめた。
て得られる陽性率と評価点を基にして行い、その結果を
第3表にまとめた。
一次刺激性はアルミホイルで遮光した側で、又、光毒
性は照射側と遮光側の評価点の差で判定した。
性は照射側と遮光側の評価点の差で判定した。
第3表より明らかなように本発明によって得られる1
−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−2
−ブテン−1−オン(1)及び1−〔(6R)−2,2,6−
トリメチルシクロヘキシル〕−2−ブテン−1−オン
(5)は、ともに皮膚一次刺激性も光毒性も全く示さな
い、皮膚に対して安全性の高い化合物である。
−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−2
−ブテン−1−オン(1)及び1−〔(6R)−2,2,6−
トリメチルシクロヘキシル〕−2−ブテン−1−オン
(5)は、ともに皮膚一次刺激性も光毒性も全く示さな
い、皮膚に対して安全性の高い化合物である。
実施例3〜4、参考例、比較例1 キイチゴフレーバー 実施例1にて製造した1−〔(6S)−2,2,6−トリメ
チルシクロヘキシル〕−2−ブテン−1−オン(1)
〔以下「(6S)体」という〕及び実施例2にて製造した
1−〔(6R)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−
2−ブテン−1−オン(5)〔以下「(6R)体」とい
う〕を用い、下記処方のキイチゴフレーバーを調製した
(実施例3及び実施例4)。更に参考例として、上記化
合物(6S)体及び(6R)体と類似の構造を有し、従来よ
り香料として用いられているβ−ダマスコン〔1−(2,
2,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−
2−ブテン−1−オン、G.Ohloff;「香料」No.126特集
号p.43参照〕、及び、比較例1として(6S)体:(6R)
体=1:1の混合物〔以下「ラセミ体」という〕を含むフ
レーバーを調製した。得られた4種の香料組成物を評価
濃度0.04ppmとなるようにシロップ水に添加し、5人の
専門パネラーによって評価した。
チルシクロヘキシル〕−2−ブテン−1−オン(1)
〔以下「(6S)体」という〕及び実施例2にて製造した
1−〔(6R)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−
2−ブテン−1−オン(5)〔以下「(6R)体」とい
う〕を用い、下記処方のキイチゴフレーバーを調製した
(実施例3及び実施例4)。更に参考例として、上記化
合物(6S)体及び(6R)体と類似の構造を有し、従来よ
り香料として用いられているβ−ダマスコン〔1−(2,
2,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−
2−ブテン−1−オン、G.Ohloff;「香料」No.126特集
号p.43参照〕、及び、比較例1として(6S)体:(6R)
体=1:1の混合物〔以下「ラセミ体」という〕を含むフ
レーバーを調製した。得られた4種の香料組成物を評価
濃度0.04ppmとなるようにシロップ水に添加し、5人の
専門パネラーによって評価した。
その結果、実施例4、参考例及び比較例1のフレーバ
ーは、比較的共通した香りの幅、強さ、広がりがあり、
甘い果実様の香味であるが、実施例3の(6S)体を配合
したフレーバーは、甘酸っばさが強くかつ後味がさっぱ
りしており、前3者のフレーバーとは特徴が大きく異な
り、5人のパネラー全員が断然実施例3のフレーバーが
好きであると評価した。
ーは、比較的共通した香りの幅、強さ、広がりがあり、
甘い果実様の香味であるが、実施例3の(6S)体を配合
したフレーバーは、甘酸っばさが強くかつ後味がさっぱ
りしており、前3者のフレーバーとは特徴が大きく異な
り、5人のパネラー全員が断然実施例3のフレーバーが
好きであると評価した。
実施例5〜6、比較例2 モモ濃縮ジュースの添加 天然のモモ濃縮ジュースに(6S)体(実施例5)、
(6R)体(実施例6)、及び比較例としてラセミ体(比
較例2)を各々0.012ppmの濃度になるように添加し10人
の専門パネラーによって評価した。
(6R)体(実施例6)、及び比較例としてラセミ体(比
較例2)を各々0.012ppmの濃度になるように添加し10人
の専門パネラーによって評価した。
その結果、実施例5は後味がさっぱりとした白桃的で
あり、一方の実施例6は赤桃的であり、これらに比較し
て、比較例2ではとくに添加の特徴がきわだっておら
ず、無添加のジュースに比べ4人が(6S)体を添加した
実施例5が好きであると評価し、5人が(6R)体を添加
した実施例6の方が好きであると評価した。
あり、一方の実施例6は赤桃的であり、これらに比較し
て、比較例2ではとくに添加の特徴がきわだっておら
ず、無添加のジュースに比べ4人が(6S)体を添加した
実施例5が好きであると評価し、5人が(6R)体を添加
した実施例6の方が好きであると評価した。
実施例7〜8、比較例3 フローラルブーケ調香水 (6S)体(実施例7)、(6R)体(実施例8)、及び
比較例としてラセミ体(比較例3)を用い、下記処方の
バイオレット的特徴を有したフローラルブーケ調香水を
作成し、10人の専門パネラーによって評価した。
比較例としてラセミ体(比較例3)を用い、下記処方の
バイオレット的特徴を有したフローラルブーケ調香水を
作成し、10人の専門パネラーによって評価した。
その結果、8人が(6S)体を配合した実施例7がいち
ばん天然らしさを有し薫りに深みがあり新鮮で好きであ
ると答えた。2人が(6R)体を配合した実施例8がグリ
ーンの薫りが強調されていて好きであると答えた。
ばん天然らしさを有し薫りに深みがあり新鮮で好きであ
ると答えた。2人が(6R)体を配合した実施例8がグリ
ーンの薫りが強調されていて好きであると答えた。
実施例9〜10、比較例4 漂白剤組成物への添加 (6S)体(実施例9)、(6R)体(実施例10)、及び
比較例としてラセミ体(比較例4)を用い、下記処方の
酵素含有漂白剤組成物を作成した。
比較例としてラセミ体(比較例4)を用い、下記処方の
酵素含有漂白剤組成物を作成した。
上記漂白剤組成物をポリ容器ボトルに密閉し恒温箱に
入れ40℃、30日間保存した後、酵素臭のマスキングにつ
いて10人の専門パネラーによって評価した。
入れ40℃、30日間保存した後、酵素臭のマスキングにつ
いて10人の専門パネラーによって評価した。
その結果、下記表に示すように(6S)体を配合した実
施例9に関しては10人全員が酵素臭を全く感じないと評
価した。
施例9に関しては10人全員が酵素臭を全く感じないと評
価した。
更に、上記漂白剤組成物を用いてタオルを洗濯した
後、タオルの残香について同じ10人の専門パネラーによ
って評価した。
後、タオルの残香について同じ10人の専門パネラーによ
って評価した。
その結果、10人全員が(6S)体を配合した実施例9で
洗濯したタオルは心地よいフルーティーな残香がし酵素
臭が全く感じられないと答えたのに対し、実施例10及び
比較例4に関してはフルーティーな残香があまり感じら
れず、少し酵素臭を感じると評価した。
洗濯したタオルは心地よいフルーティーな残香がし酵素
臭が全く感じられないと答えたのに対し、実施例10及び
比較例4に関してはフルーティーな残香があまり感じら
れず、少し酵素臭を感じると評価した。
本発明によれば工業的に有用な光学活性な化合物であ
る1−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕
−2−ブテン−1−オン及び1−〔(6R)−2,2,6−ト
リメチルシクロヘキシル〕−2−ブテン−1−オンを容
易に高収率で得ることができる。更に、本発明によって
製造される1−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘ
キシル〕−2−ブテン−1−オン又は1−〔(6R)−2,
2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−2−ブテン−1−
オンを含有する香料組成物は、従来のものと差別化でき
る独特な香気で、かつ、拡散性が強く嗜好性が高い等の
優れた香気を有するので、各種飲食品、香粧品、芳香
剤、その他保健衛生材料等の広い分野に有効に用いられ
るものである。
る1−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシル〕
−2−ブテン−1−オン及び1−〔(6R)−2,2,6−ト
リメチルシクロヘキシル〕−2−ブテン−1−オンを容
易に高収率で得ることができる。更に、本発明によって
製造される1−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘ
キシル〕−2−ブテン−1−オン又は1−〔(6R)−2,
2,6−トリメチルシクロヘキシル〕−2−ブテン−1−
オンを含有する香料組成物は、従来のものと差別化でき
る独特な香気で、かつ、拡散性が強く嗜好性が高い等の
優れた香気を有するので、各種飲食品、香粧品、芳香
剤、その他保健衛生材料等の広い分野に有効に用いられ
るものである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−48738(JP,A) 特開 昭50−52046(JP,A) 特開 昭63−44544(JP,A)
Claims (4)
- 【請求項1】式(2) (式中、波線はシス及び/又はトランス配置のC−C結
合を示す) で表される(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘキサン
カルバルデヒドをアリル化して式(3) (式中、波線はシス及び/又はトランス配置のC−C結
合を示す) で表される1−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘ
キシル〕−3−ブテン−1−オールを得、式(3)の化
合物を酸化して式(4) (式中、波線はシス及び/又はトランス配置のC−C結
合を示す) で表される1−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘ
キシル〕−3−ブテン−1−オンを得、式(4)の化合
物を異性化することを特徴とする式(1) (式中、波線はシス及び/又はトランス配置のC−C結
合を示す) で表される1−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘ
キシル〕−2−ブテン−1−オンの製造方法。 - 【請求項2】式(6) (式中、波線はシス及び/又はトランス配置のC−C結
合を示す) で表される(6R)−2,2,6−トリメチルシクロヘキサン
カルバルデヒドをアリル化して式(7) (式中、波線はシス及び/又はトランス配置のC−C結
合を示す) で表される1−〔(6R)−2,2,6−トリメチルシクロヘ
キシル〕−3−ブテン−1−オールを得、式(7)の化
合物を酸化して式(8) (式中、波線はシス及び/又はトランス配置のC−C結
合を示す) で表される1−〔(6R)−2,2,6−トリメチルシクロヘ
キシル〕−3−ブテン−1−オンを得、式(8)の化合
物を異性化することを特徴とする式(5) (式中、波線はシス及び/又はトランス配置のC−C結
合を示す) で表される1−〔(6R)−2,2,6−トリメチルシクロヘ
キシル〕−2−ブテン−1−オンの製造方法。 - 【請求項3】請求項1記載の製造方法により得られる式
(1) (式中、波線はシス及び/又はトランス配置のC−C結
合を示す) で表される1−〔(6S)−2,2,6−トリメチルシクロヘ
キシル〕−2−ブテン−1−オンを含有することを特徴
とする香料組成物。 - 【請求項4】請求項2記載の製造方法により得られる式
(5) (式中、波線はシス及び/又はトランス配置のC−C結
合を示す) で表される1−〔(6R)−2,2,6−トリメチルシクロヘ
キシル〕−2−ブテン−1−オンを含有することを特徴
とする香料組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23698090A JP2748184B2 (ja) | 1990-09-10 | 1990-09-10 | 光学活性1‐(2,2,6‐トリメチルシクロヘキシル)‐2‐ブテン‐1‐オンの製造方法及びこれを含有する香料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23698090A JP2748184B2 (ja) | 1990-09-10 | 1990-09-10 | 光学活性1‐(2,2,6‐トリメチルシクロヘキシル)‐2‐ブテン‐1‐オンの製造方法及びこれを含有する香料組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04330033A JPH04330033A (ja) | 1992-11-18 |
JP2748184B2 true JP2748184B2 (ja) | 1998-05-06 |
Family
ID=17008611
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23698090A Expired - Fee Related JP2748184B2 (ja) | 1990-09-10 | 1990-09-10 | 光学活性1‐(2,2,6‐トリメチルシクロヘキシル)‐2‐ブテン‐1‐オンの製造方法及びこれを含有する香料組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2748184B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6930083B2 (en) | 2002-03-22 | 2005-08-16 | Takasago International Corporation | Isomer composition excellent in chemical resistance containing optically active trans-1-(2,2,6-trimethylcyclohexyl)-2-buten-1-one and fragrance compositions containing the isomer composition |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001348353A (ja) | 2000-06-07 | 2001-12-18 | Takasago Internatl Corp | (1s,6r)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシルメチルケトン及び/又は(1r,6s)−2,2,6−トリメチルシクロヘキシルメチルケトン、それらの製造方法並びにそれらを含有してなる香料組成物 |
CN108929213A (zh) * | 2018-08-22 | 2018-12-04 | 南宁厚学致新科技有限公司 | 一种绿色合成丙烯基酮类化合物的方法 |
-
1990
- 1990-09-10 JP JP23698090A patent/JP2748184B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6930083B2 (en) | 2002-03-22 | 2005-08-16 | Takasago International Corporation | Isomer composition excellent in chemical resistance containing optically active trans-1-(2,2,6-trimethylcyclohexyl)-2-buten-1-one and fragrance compositions containing the isomer composition |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04330033A (ja) | 1992-11-18 |
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