JP5065608B2 - ミント組成物 - Google Patents
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Description
特に、人々の自然志向の高まりに伴って、自然環境を特徴的にイメージするような香気および/または香味を有し、しかも天然化合物に由来するか或いは天然化合物と同一または類似した化合物からなる、安全性が高く且つ嗜好性に優れ、しかもインパクトの強いミント様の香気・香味素材の開発が強く望まれている。
さらに、本発明の目的は当該ミント組成物で香気・香味付けした各種製品を提供することである。
(1) ミント類および1,3,5,8−ウンデカテトラエン類を含有することを特徴とするミント組成物である。
(2) ミント類が、ハッカオイル、ペパーミントオイル、スペアーミントオイル、ユーカリプタスオイル、メントール、メントン、メントフラン、メントラクトン、イソメントン、カルボン、カンファー、プレゴール、プレゴン、イソプレゴール、イソプレゴンおよびシネオールから選ばれた少なくとも1種である前記(1)のミント組成物;
(3) ミント類1質量部に対して、1,3,5,8−ウンデカテトラエン類の少なくとも1種を0.000001〜1質量部の割合で含有する前記(1)または(2)のミント組成物;および、
(4) 香気・香味付け用である前記(1)〜(3)のいずれかのミント組成物;
である。
(5) 前記(1)〜(4)のいずれかのミント組成物によって香気・香味付けした製品;および、
(6) 口腔用品、医薬品、飲食品、香粧品または日用・雑貨品である前記(5)の香気・香味付けした製品;
である。
そのため、本発明のミント組成物は、前記した優れた特性を活かして、口腔用品、飲食品、香粧品、医薬品、日用・雑貨品などの種々の製品にミント様の香気・香味を付与するための素材として有効に使用することができる。
本発明のミント組成物を用いて香気・香味付けされた製品は、香気・香味の拡散性および強さが増強されていてインパクトが強く、その上天然感および嗜好性に優れる良好なミント様の香気および香味を有していて、前記した優れたミント様の香気・香味が長期間にわたって持続する。
これらの1,3,5,8−ウンデカテトラエン類は、いずれも、常温でオイル状(液状)を呈している。
本発明では、1,3,5,8−ウンデカテトラエン類として前記した異性体のいずれもが使用できるが、そのうちでも、1−(E,Z,Z)−3,5,8−ウンデカテトラエン、1−(E,E,Z)−3,5,8−ウンデカテトラエンが、香気・香味特性が優れている点から好ましく用いられる。
本発明のミント組成物が他の成分を更に含有する場合は、通常使用されているミント類および1,3,5,8−ウンデカテトラエン類以外の他の香料成分を含有してもよい。
本発明のミント組成物が、ミント類および1,3,5,8−ウンデカテトラエン類と共に他の香料成分を含有する場合は、本発明のミント組成物の特徴である「インパクトがあって優れた天然感と香気・香味を有し且つ持続性のあるミント様の香気および香味を有する」という特性に悪影響を及ぼさない範囲で、各種の合成香料、天然精油、天然香料、柑橘油、動物性香料などを用いることができ、例えば、非特許文献13に記載されている天然香料、合成香料などを適宜配合することができる。本発明のミント組成物で用い得る代表的なものとしては、例えば、α−ピネン、リモネン、cis−3−ヘキセノール、アネトール、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、リナロール、オイゲノール、ノネジエナール、ノナジエノール、カリオフィレン、アニス精油、スターアニス精油、ウインタグリーン精油、ティーツリー精油、レモン油などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
ミント組成物におけるミント類と1,3,5,8−ウンデカテトラエン類の含有割合を前記した範囲にすることで、強いインパクトがあって、天然感に優れ、持続性のある良好なミント様の香気・香味を有するミント組成物が得られる。
また、本発明のミント組成物が、ミント類および1,3,5,8−ウンデカテトラエン類と共に他の成分を含有する場合は、ミント組成物の全質量に基づいて、ミント類を0.1〜99.99質量%、更には1〜99質量%、特に10〜90質量%、および1,3,5,8−ウンデカテトラエン類を5〜0.00001質量%、更には3〜0.00002質量%、特に1〜0.0001質量%の割合で含有することが、製品にミント様の香気・香味を良好に付与する上で好ましい。
具体的には、本発明のミント組成物によって香気・香味付けできる口腔用組成物としては、例えば、歯磨き、口腔洗浄料、マウスウオッシュ、トローチ、チューインガム類などを挙げることができる。
また、本発明のミント組成物により香気・香味付けできる医薬品類としては、ハップ剤、軟膏剤の如き皮膚外用剤、内服剤などを挙げることができる。
・フレグランス製品としては、香水、オードパルファム、オードトワレ、オーデコロンなど;
・基礎化粧品としては、洗顔クリーム、バニシングクリーム、クレンジングクリーム、コールドクリーム、マッサージクリーム、乳液、化粧水、美容液、パック、メイク落としなど;
・仕上げ化粧品としては、ファンデーション、粉おしろい、固形おしろい、タルカムパウダー、口紅、リップクリーム、頬紅、アイライナー、マスカラ、アイシャドウ、眉墨、アイパック、ネイルエナメル、エナメルリムバーなど;
・頭髪化粧品としては、ポマード、ブリランチン、セットローション、ヘアーステック、ヘアーソリッド、ヘアーオイル、ヘアートリートメント、ヘアークリーム、ヘアートニック、ヘアーリキッド、ヘアースプレー、バンドリン、養毛剤、染毛剤など;
・日焼け化粧品としては、サンタン製品、サンスクリーン製品など;
・薬用化粧品としては、制汗剤、アフターシェービングローション及びジェル、パーマメントウェーブ剤、薬用石鹸、薬用シャンプー、薬用皮膚化粧料などを挙げることができ;
・ヘアケア製品としては、シャンプー、リンス、リンスインシャンプー、コンディショナー、トリートメント、ヘアパックなど;
を挙げることができる。
・身体洗浄剤としては、ボディソープ、ボディシャンプー、ハンドソープなど;
・浴用剤としては、入浴剤(バスソルト、バスタブレット、バスリキッド等)、フォームバス(バブルバス等)、バスオイル(バスパフューム、バスカプセル等)、ミルクバス、バスジェリー、バスキューブなど;
・洗剤としては、衣料用重質洗剤、衣料用軽質洗剤、液体洗剤、洗濯石鹸、コンパクト洗剤、粉石鹸など;
・柔軟仕上げ剤としては、ソフナー、ファーニチアケアーなど;
・洗浄剤としては、クレンザー、ハウスクリーナー、トイレ洗浄剤、浴室用洗浄剤、ガラスクリーナー、カビ取り剤、排水管用洗浄剤など;
・台所用洗剤としては、台所用石鹸、台所用合成石鹸、食器用洗剤など;
・漂白剤としては、酸化型漂白剤(塩素系漂白剤、酸素系漂白剤等)、還元型漂白剤(硫黄系漂白剤等)、光学的漂白剤など;
・エアゾール剤としては、スプレータイプ、パウダースプレーなど;
・消臭・芳香剤としては、固形状タイプ、ゲル状タイプ、リキッドタイプなど;
・雑貨としては、ティッシュペーパー、トイレットペーパーなど;
を挙げることができる。
さらに、サイクロデキストリンなどの包接剤に包接してミント組成物を安定化すると共に徐放性にして用いてもよい。
香気・香味付けした製品が飲食品類、口腔用組成物、医薬品などの場合には、一般的には製品の質量に対してミント組成物の量が約0.0005〜20質量%程度、特に0.001〜5質量%程度であることが好ましい。
その際に、ミント組成物で香気・香味付けされたこれらの製品では、製品の質量に基づいて、ミント類の添加量または付与量が0.001〜1質量%、特に0.01〜0.5質量%、および1,3,5,8−ウンデカテトラエン類の添加量または付与量が0.05〜0.0000001質量%、特に0.01〜0.000001質量%になっていることが、本発明のミント組成物による上記した優れた香気・香味付け効果を良好に発揮させる点から好ましい。
その際に、ミント組成物を添加または付与した前記製品の質量に基づいて、ミント類の添加量または付与量が0.001〜1質量%、特に0.01〜0.5質量%、および1,3,5,8−ウンデカテトラエン類の添加量または付与量が0.05〜0.0000001質量%、特に0.01〜0.000001質量%になっていることが、本発明のミント組成物による上記した優れた香気・香味付け効果を良好に発揮させる点から好ましい。
(1)プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR);
機器:DRX−500型(500MHz)(ブルッカー社製)
内部標準物質:テトラメチルシラン
(2)赤外吸収スペクトル(IR);
機器:Nicolet Avator360 FT−IR(ニコレジャパン株式会社製)
測定方法:フィルム法
(3)質量スペクトル(MS);
機器:GCMS−QP2010質量分析計(イオン化電圧:27eV)(株式会社島津製作所製)
非特許文献7に記載されている方法で製造した。具体的には、以下の方法で製造した。
(1)1−ヘキセン−5−イン−3−オールの製造:
(i) 窒素気流下、反応容器に金属アルミニウム11.0g(410mmol)、塩化水銀(II)500mgおよびジエチルエーテル100mlを加え、この溶液に2−プロピルブロマイド67.0g(560mmol)を0℃にて滴下し、滴下終了後そのまま1時間半撹拌した。この反応液を−50℃に冷却した後、アクロレイン31.5g(560mmol)とジエチルエーテル50mlとの混合溶液を−50℃で滴下し、その後−50℃にて1時間撹拌した。10%硫酸水100mlおよび冷水100mlを加え、反応を停止させた後、ジエチエーテルで抽出した。有機層を飽和炭酸ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒留去後、得られた残留物を蒸留(50〜52℃/12Torr)することにより、目的物20.4g(収率38%)を得た。
(ii) 上記(i)で得られた化合物の1H−NMRおよびIRによる分析結果は以下のとおりであり、1−ヘキセン−5−イン−3−オールであることが確認された。
・1H−NMR(CCl4):δ=2.0(t,1H),2.35(dd,2H),3.77(s,OH),4.22(dt,1H),5.0〜6.2(m,3H)
・IR(KBr):3380,3305,3025,2140,1660,725cm-1
(i) 窒素気流下、反応容器にテトラヒドロフラン100mlと金属マグネシウム13.4g(540mmol)を加え、これに臭化エチル60.0g(550mmol)を滴下して混合液(グリニャール試薬)を調製した。この後、この混合液に、1−ヘキセン−5−iイン−3−オール23.5g(240mmol)をテトラヒドフラン50mlに溶解した溶液を滴下し、その後、室温にて1時間撹拌した。次いで、その中にシアン化銅0.2gを加えた後、臭化2−ペンチニル36.0g(240mmol)をテトラヒドロフラン50mlに溶かした液を滴下して更に12時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止させた後、ジエチルエーテルにて抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去し得られた残留物を蒸留(79〜80℃/0.02Torr)して目的物27.2g(収率70%)を得た。
(ii) 上記(i)で得られた化合物の1H−NMR、IRおよびMSによる分析結果は以下のとおりであり、1−ウンデセン−5,8−ジイン−3−オールであることが確認された。
・1H−NMR(CCl4):δ=1.13(t,3H),2.15(qt,2H),2.35(dt,2H),3.1(m,3H),4.2(dt,2H),5.0〜6.2(m,3H)
・IR(KBr):3380,3090,2975,1440,1340,1155cm-1
・MS:162(M+),105,91,57
(i) 窒素気流下、反応容器に1−ウンデセン−5,8−ジイン−3−オール10.0g(61.7mmol)、石油エーテル45ml、アセトン15ml、Lindlar触媒0.5gおよび10%Pd/BaSO4 0.01gを加えた。その後、室温、常圧にて水素添加を行なった。反応終了後、触媒を除去した後、溶媒を留去して得られた残留物を蒸留(50℃/0.03Torr)して目的物7.7g(収率75%)を得た。
(ii) 上記(i)で得られた化合物の1H−NMR、IRおよびMSによる分析結果は以下のとおりであり、(5Z,8Z)−1,5,8−ウンデカトリエン−3−オールであることが確認された。
・1H−NMR(CCl4):δ=1.48(t,3H),2.07(q,2H),2.28(t,2H),2.77(t,2H),2.95(s,1H),4.1(m,1H),5.0〜6.1(m,7H)
・IR(KBr):3360,3080,3020,1660,730cm-1
・MS:162(M+−H2O),110,81,57,55
(i) 窒素気流下、反応容器に(5Z,8Z)−1,5,8−ウンデカトリエン−3−オール3.0g(18.1mmol)、ヘキサメチルホスホリックトリアミド(HMHTA)60ml、メチル(トリフェニキシ)ホスホニウムヨード(MTPI)16.4g(36.2mmol)を加えた後、室温にて3時間、50℃で1時間撹拌した。氷水50mlを加えて反応を停止させて、ペンタンにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒留去後、得られた残留物をペンタンにてクロマトグラフィー処理して、粗生成物2.0g(収率74%)を得た。得られた粗生成物0.5g(3.37mmol)を更にペンタン−ジエチルエーテルにてクロマトグラフィーで精製することにより、(3E,5Z,8Z)−1,3,5,8−ウンデカテトラエン0.05g(収率20%)および(3E,5E,8Z)−1,3,5,8−ウンデカテトラエン0.05g(収率20%)を得た。
(ii) 上記(i)で得られた化合物の1H−NMR、IRおよびMSによる分析結果は以下のとおりであり、それぞれ(3E,5Z,8Z)−1,3,5,8−ウンデカテトラエン0.05g(収率20%)および(3E,5E,8Z)−1,3,5,8−ウンデカテトラエンであることが確認された。
・1H−NMR(CCl4):δ=1.0(t,3H),2.07(q,2H),2.92(t,2H),5.0〜6.7(m,9H)
・IR(KBr):3080,3010,2860,1690,750cm-1
・MS:148(M+),119,105,91,79
○(3E,5E,8Z)−1,3,5,8−ウンデカテトラエン:
・1H−NMR(CCl4):δ=1.0(t,3H),2.05(q,2H),2.85(t,2H),4.9〜6.7(m,9H)
・IR(KBr):3080,3000,2870,1630,730cm-1
・MS:148(M+),105,105,91,79
(1)(2E)−オクテン−5−イン−1−オールの製造:
(i) 窒素気流下、反応容器にジエチルエーテル200mlおよび水素化アルミニウムリチウム4.0g(105.3mmol)を加え、これに2,5−オクタジイン−1−オール15.0g(123mmol)をジエチルエーテル100mlに溶かした溶液を滴下し、その後、室温にて5時間撹拌した。これに氷水を加え、次に2N塩酸水を加えて反応を停止させた後、ジエチエーテルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去し、得られた残留物を蒸留(55℃/0.05Torr)することにより、目的物11.4g(収率75%)を得た。
(ii) 上記(i)で得られた化合物の1H−NMR、IRおよびMSによる分析結果は以下のとおりであり、(2E)−オクテン−5−イン−1−オールであることが確認された。
・1H−NMR(CCl4):δ=1.1(t,3H),2.13(qd,2H),2.85(m,2H),4.2(s,1H),5.65(m,2H)
・IR(KBr):3350,3030,2920,1685,970cm-1
・MS:124(M+),109,95,79,77
(i) 窒素気流下、反応容器にラネーニッケル0.01g、エタノール150ml、エチレンジアミン0.33ml(5.0mmol)、(2E)−2−オクテン−5−イン−1−オール10.0g(80.6mmol)を加えた。その後、室温、常圧にて水素添加を行なった。反応終了後、触媒を除去した後、溶媒を留去し得られた残留物を蒸留(92〜93℃/12Torr)して目的物8.2g(収率81%)を得た。
(ii) 上記(i)で得られた化合物の1H−NMR、IRおよびMSによる分析結果は以下のとおりであり、(2E,5Z)−2,5−オクタジエン−1−オールであることが確認された。
・1H−NMR(CCl4):δ=0.95(t,3H),2.05(q,2H),2.75(m,2H),3.97(m,2H),4.08(s,1H),5.38〜5.6(m,4H)
・IR(KBr):3330,3010,2880,1685,730cm-1
・MS:126(M+),95,93,67,41
窒素気流下、反応容器にトリフェニルホスフィン11.0g(42mmol)とベンゼン100mlを加え、それに臭素6.56g(41mmol)とベンゼン25mlの混合溶液を滴下した。次いで、それに、(2E,5Z)−2,5−オクタジエン−1−オール5.0g(39.7mmol)をベンゼン20mlに溶かした溶液を滴下し、その後、室温にて2時間撹拌した。次いで、トリフェニルホスフィン11.0g(42mmol)とベンゼン20mlの混合溶液を加えた後、4時間過熱還流し、更に室温にて12時間撹拌した。結晶を濾過し、ベンゼンで洗浄することにより目的物13.9g(収率78%)を得た。
窒素気流下、反応容器に(2E,5Z)−2,5−オクタジエントリフェニルホスホニウムブロマイド10.0g(22.2mmol)とテトラヒドロフラン100mlを加えた。この中に、n−ブチルリチウム(0.5Nペンタン溶液)44.4ml(22.2mmol)を滴下し、室温にて30分間撹拌した。この混合溶液の中に、アクロレイン1.24g(22.2mmol)ちテトラヒドロフラン10mlの混合溶液を滴下し、更に室温にて30分間撹拌した後、氷水を加えて反応を停止させた。ジエチルエーテルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒留去後、得られた残留物をペンタンにてクロマトグラフィー処理し、粗生成物0.72gを得た。得られた粗生成物をテトラヒドロフラン5mlに溶解し、テトラシアノエチレン0.45gを加え、室温にて5時間撹拌した。溶媒を濃縮して得られた残分をクロマトグラフィーで精製することにより、目的物0.35g(収率11%)を得た。
(ii) 上記(i)で得られた化合物の1H−NMR、IRおよびMSによる分析結果は以下のとおりであり、(3Z,5E,8Z)−1,3,5,8−ウンデカテトラエンであることが確認された。
・1H−NMR(CCl4):δ=0.95(t,3H),2.03(q,2H),2.85(t,2H),4.95〜7.0(m,9H)
・IR(KBr):3080,3010,2960,1620,1005,975,730cm-1
・MS:148(M+),119,105,91,79
(1) ミント類としてメントン(高砂香料工業株式会社製)を用い、メントン99.99質量部に対して、室温下で、上記の合成例1で製造した(3E,5E,8Z)−1,3,5,8−ウンデカテトラエンを0.01質量部の割合で混合するか[実験番号(1a)]、合成例1で製造した(3E,5Z,8Z)−1,3,5,8−ウンデカテトラエンを0.01質量部の割合で混合するか[実験番号(1b)]、または合成例1で製造した(3E,5E,8Z)−1,3,5,8−ウンデカテトラエンと合成例1で製造した(3E,5Z,8Z)−1,3,5,8−ウンデカテトラエンの1:1(質量比)の混合物を混合して[実験番号(1c)]、3種類のミント組成物(メントン組成物)を調製した。
(2) 上記(1)で調製したミント組成物(メントン組成物)の香気・香味を、密閉容器から取り出した直後のメントン自体の香気・香味を基準にして(3点)、下記の表1に示す評価規準にしたがって10名の専門のパネラーにより点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。なお、表2の点数は、平均値の少数点第一位を四捨五入したものである。
(3) ミント類(メントン)またはミント組成物(メントン組成物)における香気・香味の持続性の評価は、実験番号(1d)(メントン単独)ではメントンを密封容器から大気中に取り出して室温下(25℃、55%RH)に3時間放置した時の香気・香味を、密閉容器から取り出した直後のメントン自体の香気・香味を基準にして(3点)、下記の表1に示した評価規準にしたがって10名の専門のパネラーにより点数評価してもらい、その平均値を採ることにより行った。
また、ミント組成物(メントン組成物)[実験番号(1a)、(1b)、(1c)]ではミント組成物(メントン組成物)の調製後にそのまま室温下(25℃、55%RH)に前記と同じ3時間放置した時での香気・香味を、密閉容器から取り出した直後のメントン自体の香気・香味を基準にして(3点)、下記の表1に示した評価規準にしたがって10名の専門のパネラーにより点数評価してもらい、その平均値を採ることにより行った(小数点第一位を四捨五入)。
(1) ミント類としてカルボン(高砂香料工業株式会社製)を用い、カルボン99.98質量部に対して、室温下で、上記の合成例1で製造した1−(E,E,Z)−3,5,8−ウンデカテトラエンを0.02質量部の割合で混合するか[実験番号(2a)]、合成例2で製造した1−(E,Z,Z)−3,5,8−ウンデカテトラエンを0.02質量部の割合で混合するか[実験番号(2b)]、または合成例1で製造した1−(E,E,Z)−3,5,8−ウンデカテトラエンと合成例2で製造した1−(E,Z,Z)−3,5,8−ウンデカテトラエンの1:1(質量比)の混合物を混合して[実験番号(2c)]、3種類のミント組成物(カルボン組成物)を調製した。
(2) 上記(1)で調製したミント組成物(カルボン組成物)の香気・香味を、密閉容器から取り出した直後のカルボン自体の香気・香味を基準にして(3点)、上記の表1に示す評価規準にしたがって10名の専門のパネラーにより点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表3に示すとおりであった。
(3) ミント類(カルボン)またはミント組成物(カルボン組成物)における香気・香味の持続性の評価は、実験番号(2d)(カルボン単独)ではカルボンを密封容器から大気中に取り出して室温下(25℃、55%RH)に3時間放置した時の香気・香味を、密閉容器から取り出した直後のカルボン自体の香気・香味を基準にして(3点)、上記の表1に示した評価規準にしたがって10名の専門のパネラーにより点数評価してもらい、その平均値を採ることにより行った。
また、ミント組成物(メントン組成物)[実験番号(2a)、(2b)、(2c)]ではミント組成物(カルボン組成物)の調製後にそのまま室温下(25℃、55%RH)に前記と同じ3時間放置した時での香気・香味を、密閉容器から取り出した直後のカルボン自体の香気・香味を基準にして(3点)、上記の表1に示した評価規準にしたがって10名の専門のパネラーにより点数評価してもらい、その平均値を採ることにより行った(小数点第一位を四捨五入)。
(1) 下記の表4に示す成分を、表4に示す割合で用いて室温下(25℃、55%RH)で混合して、ミント組成物[実験番号(3a)と(3b)]をそれぞれ調製した。
(2) 上記(1)で得られたミント組成物の香気・香味を、製造直後の実験番号(3b)のミント組成物(1,3,5,8−ウンデカテトラエン類を含有しないミント組成物)の香気・香味を基準にして(3点)、上記の表1に示す評価規準に準じて10名の専門のパネラーにより点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表4に示すとおりであった。
(3) ミント組成物における香気・香味の持続性の評価は、上記(1)で調製した実験番号(3b)のミント組成物(1,3,5,8−ウンデカテトラエン類を含有しないミント組成物)の一部を製造直後に密閉容器に入れて保存しておいたもの(調製直後と香気・香味が殆ど変化していない)を基準にして、それぞれのミント組成物を大気中で室温下(25℃、55%RH)に3時間放置した時の香気・香味を、上記の表1に準じた評価規準にしたがって10名の専門のパネラーにより点数評価してもらい、その平均値を採ることにより行った。
(1) 実施例3の実験番号(3a)で調製した、1,3,5,8−ウンデカテトラエン類を含有するミント組成物を用いて、下記の表5に示す歯磨き粉配合により、歯磨き粉を製造した。具体的には、表5に示す歯磨き粉配合を構成する成分の全量を混合して均一にまるまで撹拌し、歯磨き粉を[実験番号(4A)]。
(2) 実施例3の実験番号(3b)で調製した、1,3,5,8−ウンデカテトラエン類を含有しないミント組成物を用いて、下記の表5に示す歯磨き粉配合により、上記(1)と同様にして歯磨き粉を製造した[実験番号(4B)]。
それに対して、上記(2)で得られた実験番号(4B)の歯磨き粉は、ミント様の香気・香味の拡散性が不十分で、しかもフレッシュ感およびナチュラル感において、実験番号(4a)のものよりも劣っていた。
(1) 実施例3の実験番号(3a)で調製したミント組成物(1,3,5,8−ウンデカテトラエン類を含有するミント組成物)または実験番号(3b)で調製したミント類(1,3,5,8−ウンデカテトラエン類を含有しないミント組成物)を用いて、下記の表6に示す配合により、チューインガムを製造した。具体的には、下記の表7に示すチューインガム配合を構成する成分の全量を混合してチューインガムを製造した。
それに対して、上記で得られた実験番号(5B)のチューインガムは、ミント様の香気・香味の拡散性が不十分で、しかもフレッシュ感およびナチュラル感において、実験番号(5A)のものよりも劣っていた。
Claims (9)
- ミントおよび1,3,5,8−ウンデカテトラエンを含有することを特徴とするミント組成物。
- ミントが、ハッカオイル、ペパーミントオイル、スペアーミントオイル、ユーカリプタスオイル、メントール、メントン、メントフラン、メントラクトン、イソメントン、カルボン、カンファー、プレゴール、プレゴン、イソプレゴール、イソプレゴンおよびシネオールから選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載のミント組成物。
- ミント1質量部に対して、1,3,5,8−ウンデカテトラエンの少なくとも1種を0.000001〜1質量部の割合で含有する請求項1または2に記載のミント組成物。
- 香気・香味付け用である請求項1〜3のいずれか1項に記載のミント組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のミント組成物によって香気・香味付けした製品。
- 口腔用品である請求項5に記載の香気・香味付けした製品。
- 医薬品である請求項5に記載の香気・香味付けした製品。
- 飲食品である請求項5に記載の香気・香味付けした製品。
- 香粧品である請求項5に記載の香気・香味付けした製品。
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