JPH0450415B2 - - Google Patents

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JPH0450415B2
JPH0450415B2 JP58201634A JP20163483A JPH0450415B2 JP H0450415 B2 JPH0450415 B2 JP H0450415B2 JP 58201634 A JP58201634 A JP 58201634A JP 20163483 A JP20163483 A JP 20163483A JP H0450415 B2 JPH0450415 B2 JP H0450415B2
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JP
Japan
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ethylene
olefin
titanium
skin material
copolymer
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JP58201634A
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JPS6094683A (ja
Inventor
Shigeki Yokoyama
Noboru Yamaoka
Kazuo Matsura
Mitsuharu Myoshi
Makoto Watanabe
Takeo Amatsu
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nippon Petrochemicals Co Ltd filed Critical Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Publication of JPS6094683A publication Critical patent/JPS6094683A/ja
Publication of JPH0450415B2 publication Critical patent/JPH0450415B2/ja
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  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はいわゆるレザーとして使用される表皮
材に関する。さらに詳しくは、特定のエチレン・
α−オレフイン共重合体からなる表皮材に関す
る。 かばん、バツク、自動車、電車、家具等にレザ
ーが使用されている。レザーは表皮材と基布とを
積層してなるものが通常使用されている。この表
皮材には、柔軟性、弾力性、印刷性、表面光沢、
耐摩耗性、耐熱性、耐候性、強度、感触が優れて
いることが要求されている。 従来、表皮材には軟質塩化ビニル樹脂(軟質
PVC)が主に使用されているが、軟質PVCは柔
軟性を付与するために多量の可塑剤が添加されて
いるため、可塑剤のブリードによる表面状態の変
化、時間の経過と共に可塑剤の消失による硬化や
焼却処理時の塩化水素の発生という欠点がある。 軟質PVCの欠点を解決するために、低密度ポ
リエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−プロピレンゴムなどが提案されたが、こ
れらのポリマーでは柔軟性と強度が相反する性質
であるため実用的にすぐれた表皮材が得られな
い。 本発明は従来のポリオレフイン材料では到達で
きなかつた柔軟性、強度、耐熱性および風合、感
触を有し、かつ軟質PVCの欠点を解消した表皮
材を提供することを目的とするものである。 すなわち本発明は少なくともマグネシウムおよ
びチタンを含有する固体触媒成分と有機アルミニ
ウム化合物からなる触媒の存在下、エチレンとα
−オレフインを共重合させて得られる下記の(a)〜
(d)の性状を有するエチレン・α−オレフイン共重
合体を主成分とする表皮材に関する。 (a) メルトインデツクスが0.01〜100g/10min、
好ましくは0.01〜50g/10min、 (b) 密度が0.860〜0.910g/cm3、好ましくは0.860
〜0.900g/cm3、 (c) 示差走査熱量測定法(DSC)において、そ
の最大ピークの温度(Tm)が100℃以上、好
ましくは110℃以上、 (d) 沸騰n−ヘキサン不溶分が10重量%以上、好
ましくは10〜85重量%。 本発明で用いるエチレン・α−オレフイン共重
合体は上記(a)〜(d)の条件をすべて満足するもので
なければならない。 [条件(a)] (a)のメルトインデツクス(JIS K 6760)が
0.01g/10min未満であるとゲルが発生したり成
形性が劣るため良好な外観の表皮材が得られない
し、100g/10minを越えると引裂強度、引張強
度が劣る。 [条件(b)] (b)の密度(JIS K 6760)が0.860g/cm3未満
であると表皮材が軟かすぎて、強度不足や表面の
ベタつきを生じ、表皮材としての機能を果せず、
一方密度が0.910g/cm3を越えると硬質になり、
基材との接着性に欠けるとともに柔軟性が乏しく
なるため好ましくない。 [条件(c)] (c)のDSCによる最大ピーク温度(Tm)は結晶
形態と相関する値であり、Tmが100℃未満であ
ると表皮材の耐熱性、表面強度が不足し、表面が
べたついた感触になるため使用できない。 [条件(d)] つぎに、沸騰n−ヘキサン不溶分は非晶質部分
の割合および低分子量成分の含有率の目安となる
ものであり、不溶分が10重量%未満であるときは
非晶質部分および低分子量成分が多くなり強度低
下による性能不足や表面がべたつき、ごみが付着
しやすくなるなどの問題が生じるとともに、表皮
材自体の形状保持が困難となる。 なお、本発明における沸騰n−ヘキサン不溶分
およびDSCの測定方法はつぎのとおりである。 [沸騰n−ヘキサン不溶分の測定法] 熱プレスを用いて、厚さ200μmのシートを成
形し、そこから縦横それぞれ20mm×30mmのシート
を3枚切り取り、それを2重管式ソツクスレー抽
出器を用いて、沸騰n−ヘキサンで5時間抽出を
行なう。n−ヘキサン不溶分を取り出し、真空乾
燥(7時間、真空下、50℃)後、次式により沸騰
n−ヘキサン不溶分を算出する。 沸騰n−ヘキサン不溶分(重量%)=抽出済
シート重量/未抽出シート重量×100(重量%) [DSCによる測定法] 熱プレス成形した厚さ100μmのフイルムから
約5mgの試料を精秤し、それをDSC装置にセツ
トし、170℃に昇温してその温度で15min保持し
た後降温速度2.5℃/minで0℃まで冷却する。
次に、この状態から昇温速度10℃/minで170℃
まで昇温して測定を行う。0℃から170℃に昇温
する間に現われたピークの最大ピークの頂点の位
置の温度をもつてTmとする。 本発明におけるエチレン・α−オレフイン共重
合体は上記の諸特性をすべて満たすことによつ
て、所望の性能を発揮することができる。 エチレンと共重合するα−オレフインは炭素数
3〜12のものである。具体的には、プロピレン、
ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン
−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1
などを挙げることができる。これらのうち特に好
ましいのは、プロピレンとブテン−1である。エ
チレン−α−オレフイン共重合体の中のα−オレ
フイン含量は5〜40モル%であることが好まし
い。 以下に、本発明において用いるエチレンとα−
オレフインの共重合体の製造法について説明す
る。 まず使用する触媒系は、少なくともマグネシウ
ムおよびチタンを含有する固体触媒成分に有機ア
ルミニウム化合物を組み合わせたもので、該固体
触媒成分としてはたとえば金属マグネシウム、水
酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグ
ネシウム、塩化マグネシウムなど、またケイ素、
アルミニウム、カルシウムから選ばれる金属とマ
グネシウム原子とを含有する複塩、複酸化物、炭
酸塩、塩化物あるいは水酸化物など、さらにこれ
らの無機質固体化合物を含酸素化合物、含硫黄化
合物、芳香族炭化水素、ハロゲン含有物質で処理
又は反応させたもの等マグネシウムを含む無機質
固体化合物にチタン化合物を公知の方法により担
持させたものが挙げられる。 上記の含酸素化合物としては、例えば水、アル
コール、フエノール、ケトン、アルデヒド、カル
ボン酸、エステル、ポリシロキサン、酸アミド等
の有機含酸素化合物、金属アルコキシド、金属の
オキシ塩化物等の無機含酸素化合物を例示するこ
とができる。含硫黄化合物としては、チオール、
チオエーテルの如き有機含硫黄化合物、二酸化硫
黄、三酸化硫黄、硫酸の如き無機硫黄化合物を例
示することができる。芳香族炭化水素としては、
ベンゼン、トルエン、キシレン、アントラセン、
フエナンスレンの如き各種単環および多環の芳香
族炭化水素化合物を例示することができる。ハロ
ゲン含有物質としとは、塩素、塩化水素、金属塩
化物、有機ハロゲン化物の如き化合物等を例示す
ることができる。 チタン化合物としては、チタンのハロゲン化
物、アルコキシハロゲン化物、アルコキシド、ハ
ロゲン化酸化物等を挙げることができる。チタン
化合物としては4価のチタン化合物と3価のチタ
ン化合物が好適であり、4価のチタン化合物とし
ては具体的に一般式Ti(OR)nX4−n(ここでR
は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基または
アラルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。
nは0≦n≦4である。)で示されるものが好ま
しく、四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チ
タン、モノメトキシトリクロロチタン、ジメトキ
シジクロロチタン、トリメトキシモノクロロチタ
ン、テトラメトキシチタン、モノエトキシトリク
ロロチタン、ジエトキシジクロロチタン、トリエ
トキシモノクロロチタン、テトラエトキシチタ
ン、モノイソプロポキシトリクロロチタン、ジイ
ソプロポキシジクロロチタン、トリイソプロポキ
シモノクロロチタン、テトライソプロポキシチタ
ン、モノブトキシトリクロロチタン、ジブトキシ
ジクロロチタン、モノペントキシトリクロロチタ
ン、モノフエノキシトリクロロチタン、ジフエノ
キシジクロロチタン、トリフエノキシモノクロロ
チタン、テトラフエノキシチタン等を挙げること
ができる。3価のチタン化合物としては、四塩化
チタン、四臭化チタン等の四ハロゲン化チタンを
水素、アルミニウム、チタンあるいは周期率表
〜族金属の有機金属化合物により還元して得ら
れる三ハロゲン化チタンが挙げられる。また一般
式Ti(OR)mX4−m(ここでRは炭素数1〜20の
アルキル基、アリール基またはアラルキル基を示
し、Xはハロゲン原子を示す。mは0<m<4で
ある。)で示される4価のハロゲン化アルコキシ
チタンを周期率表〜族金属の有機金属化合物
により還元して得られる3価のチタン化合物が挙
げられる。 これらのチタン化合物のうち、4価のチタン化
合物が特に好ましい。 これらの触媒の具体的なものとしては、たとえ
ばMgO−RX−TiCl4系(特公昭51−3514号公
報)、Mg−SiCl4−ROH−TiCl4系(特公昭50−
23864号公報)、MgCl2−Al(OR)3−TiCl4系(特
公昭51−152号公報、特公昭52−15111号公報)、
MgCl2−SiCl4−ROH−TiCl4系(特開昭49−
106581号公報)、Mg(OOCR)2−Al(OR)3−TiCl4
系(特公昭52−11710号公報)、Mg−POCl3
TiCl4系(特公昭51−153号公報)、MgCl2
AlOCl−TiCl4系(特公昭54−15316号公報)、
MgCl2−Al(OR)nX3−n−Si(OR′)mX4−m
−TiCl4系(特開昭56−95909号公報)などの固
体触媒成分(前記式中において、R,R′は有機
残基、Xはハロゲン原子を示す)に有機アルミニ
ウム化合物を組み合わせたものが好ましい触媒系
の例としてあげられる。 他の触媒系の例としては固体触媒成分として、
いわゆるグリニア化合物などの有機マグネシウム
化合物とチタン化合物との反応生成物を用い、こ
れに有機アルミニウム化合物を組み合せた触媒系
を例示することができる。有機マグネシウム化合
物としては、たとえば、一般式RMgX、R2Mg、
RMg(OR)などの有機マグネシウム化合物(こ
こで、Rは炭素数1〜20の有機残基、Xはハロゲ
ンを示す)およびこれらのエーテル錯合体、また
これらの有機マグネシウム化合物をさらに、他の
有機金属化合物たとえば有機ナトリウム、有機リ
チウム、有機カリウム、有機ホウ素、有機カルシ
ウム、有機亜鉛などの各種化合物を加えて変性し
たものを用いることができる。 これらの触媒系の具体的な例としては、例えば
RMgX−TiCl4系(特公昭50−39470号公報)、
RMgX−フエノール−TiCl4系(特公昭54−
12953号公報)、RMgX−ハロゲン化フエノール
−TiCl4系(特公昭54−12954号公報)、RMgX−
CO2−TiCl4(特開昭57−73009号公報)等の固体
触媒成分を有機アルミニウム化合物に組み合せた
ものを挙げることができる。 また他の触媒系の例としては固体触媒成分とし
て、SiO2,Al2O3等の無機酸化物と前記の少なく
ともマグネシウムおよびチタンを含有する固体触
媒成分を接触させて得られる固体物質を用い、こ
れに有機アルミニウム化合物を組み合わせてもの
を例示することができる。無機酸化物としては
SiO2,Al2O3の他にCaO,B2O3,SnO2等を挙げ
ることがで、またこれらの酸化物の複酸化物もな
んら支障なく使用できる。これら各種の無機酸化
物とマグネシウムおよびチタンを含有する固体触
媒成分を接触させる方法としては公知の方法を採
用することができる。すなわち、不活性溶媒の存
在下あるいは不存在下に温度20〜400℃、好まし
くは50〜300℃で通常5分〜20時間反応させる方
法、共粉砕処理による方法、あるいはこれらの方
法を適宜組み合せることにより反応させてもよ
い。 これらの触媒系の具体的な例としては、例え
ば、SiO2−ROH−MgCl2−TiCl4系(特開昭56−
47407号公報)、SiO2−R−O−R′−MgO−AlCl3
−TiCl4系(特開昭57−181305号公報)、SiO2
MgCl2−Al(OR)3−TiCl4−Si(OR′)4系(特開昭
58−21405号公報)(前記式中においてR,R′は
炭化水素残基を示す。)等に有機アルミニウム化
合物を組み合わせたものを挙げることができる。 これらの触媒系において、チタン化合物を有機
カルボン酸エステルとの付加物として使用するこ
ともでき、また前記したマグネシウムを含む無機
固体化合物を有機カルボン酸エステルと接触させ
たのち使用することもできる。また、有機アルミ
ニウム化合物を有機カルボン酸エステルとの付加
物として使用しても何ら支障がない。さらには、
あらゆる場合において、有機カルボン酸エステル
の存在下に調整された触媒系を使用することも何
ら支障なく実施できる。 ここで有機カルボン酸エステルとしては各種の
脂肪族、脂環族、芳香族カルボン酸エステルが用
いられ、好ましくは炭素数7〜12の芳香族カルボ
ン酸エステルが用いられる。具体的な例としては
安息香酸、アニス酸、トルイル酸のメチル、エチ
ルなどのアルキルエステルをあげることができ
る。 上記した固体触媒成分と組み合わせるべき有機
アルミニウム化合物の具体的な例としては一般式
R3Al,R2AlX,RAlX2,R2AlOR,RAl(OR)
XおよびR3Al2X3の有機アルミニウム化合物(こ
こでRは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基
またはアラルキル基、Xはハロゲン原子を示し、
Rは同一でもまた異なつてもよい)で示される化
合物が好ましく、トリエチルアルミニウム、トリ
イソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニ
ウム、トリオクチルアルミニウム、ジエチルアル
ミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムエトキ
シド、エチルアルミニウムセスキクロリド、およ
びこれらの混合物等があげられる。 有機アルミニウム化合物の使用量はとくに制限
されないが通常チタン化合物に対して0.1〜1000
モル倍使用することができる。 また、前記の触媒系をα−オレフインと接触さ
せたのち重合反応に用いることによつて、その重
合活性を大巾に向上させ、未処理の場合によりも
一層安定に運転することもできる。このとき使用
するα−オレフインとしては種々のものが使用可
能であるが、好ましくは炭素数3〜12のα−オレ
フインであり、さらに好ましくは炭素数3〜8の
α−オレフインが望ましい。これらのα−オレフ
インの例としてはたとえばプロピレン、ブテン−
1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘ
キセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセ
ン−1等およびこれらの混合物などをあげること
ができる。触媒系とα−オレフインとの接触時の
温度、時間は広い範囲で選ぶことができ、たとえ
ば0〜200℃、好ましくは1〜110℃で1分〜24時
間で接触処理させることができる。接触させるα
−オレフインの量も広い範囲で選べるが、通常、
前記固体触媒成分1g当り1g〜50000g、好ま
しくは5g〜30000g程度のα−オレフインで処
理し、前記固体触媒成分1g当り1g〜500gの
α−オレフインを反応させることが望ましい。こ
のとき、接触時の圧力は任意に選ぶことができる
が通常、−1〜100Kg/cm2・Gの圧力下に接触させ
ることが望ましい。 α−オレフイン処理の際、使用する有機アルミ
ニウム化合物を全量、前記固体触媒成分と組み合
わせたのちα−オレフインと接触させてもよい
し、また、使用する有機アルミニウム化合物のう
ち一部を前記固体触媒成分と組み合わせたのちα
−オレフインと接触させ、残りの有機アルミニウ
ム化合物を重合のさいに別途添加して重合反応を
行なつてもよい。また、触媒系とα−オレフイン
との接触時に、水素ガスが共存しても支障なく、
また、窒素、アルゴン、ヘリウムなどその他の不
活性ガスが共存しても何ら支障ない。 重合反応は通常のチグラー型触媒によるオレフ
インの重合反応と同様にして行われる。すなわち
反応はすべて実質的に酸素、水などを絶つた状態
で、気相、または不活性溶媒の存在下、またはモ
ノマー自体の溶媒として行われる。オレフインの
重合条件は温度は20℃〜300℃、好ましくは40〜
200℃であり、圧力は常圧ないし70Kg/cm2・G、
好ましくは2Kg/cm2・Gないし60Kg/cm2・Gであ
る。分子量の調節は重合温度、触媒のモル比など
の重合条件を変えることによつてもある程度調節
できるが、重合系中に水素を添加することにより
効果的に行われる。もちろん、水素濃度、重合温
度などの重合条件の異なつた2段階ないしそれ以
上の多段階の重合反応も何ら支障なく実施でき
る。 以上の如く、少なくともマグネシウムおよびチ
タンを含有する固体触媒成分と有機アルミニウム
化合物とからなる触媒の存在下、エチレンと炭素
数3〜12のα−オレフインを共重合させて得られ
た特定のエチレン・α−オレフイン共重合体によ
り、すぐれた特性を有する表皮材を提供できたこ
とは、まつたく予期できないことであり驚くべき
ことであつた。 本発明のエチレン・α−オレフイン共重合体
と、固体触媒成分としてバナジウムを含有するも
のを使用して得られるエチレン・α−オレフイン
共重合体とは明確に区別される。 両者は共重合体を構成するモノマーが同一の場
合であつて、かつ密度が同一であつても、DSC
によるTmは本発明の共重合体の方が高く、沸騰
n−ヘキサン不溶分は本発明の共重合体が10重量
%以上であるのに対し後者は不溶分が存在しない
か、または極めて少量である。このような共重合
体自体の相違に起因して、表皮材用途に使用した
ときには、本発明の共重合体は後者に比較して、
耐熱性および強度がすぐれているとともに、表皮
材用途に要求される諸性能のバランスがすぐれて
いる。さらに触媒残渣として共重合体に存在する
バナジウムはチタンとは異なり毒性が問題となる
ため、触媒除去工程が不可欠であるの対し、本発
明のごとくチタンを使用する場合には触媒残渣の
毒性問題は生ぜず、マグネシウム担体と組合わせ
た高活性触媒を使用する本発明の共重合体では触
媒除去工程が不要となるので極めて経済的であ
る。 本発明においては、前記した特定のエチレン・
α−オレフイン共重合体に、他の方法で得られた
ポリオレフインを適宜配合することは、前記エチ
レン・α−オレフイン共重合体の特性を損なわな
い限り行うことができる。これら他のポリオレフ
インの例としては、高圧法ポリエチレン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、リニア低密度ポリエチ
レン、プロピレン−ブテン−1共重合体等が挙げ
られる。これらの配合割合は、前記エチレン・α
−オレフイン共重合体100重量部に対して、100重
量部以下が好ましい。 また、前記エチレン・α−オレフイン共重合体
に、必要に応じて安定剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、発泡剤、帯電防止剤、難燃剤、染料、顔
料、充填剤等を適宜配合することができる。特に
本発明のエチレン・α−オレフイン共重合体は従
来のポリオレフインと比較して充填剤を多量に配
合し得る。 本発明の表皮材は、単独もしくは基材と積層し
て用いられる。基材としては、織布、不織布、
紙、ポリマー発泡体等を挙げることができる。基
材との積層により表皮材の強度、縫製性が向上す
る。 表皮材を製造する方法としては、各種の方法が
採用できる。エチレン・α−オレフイン共重合体
を単独で使用するときは、T−ダイ等の通常ポリ
オレフイン樹脂用シート成形装置又はカレンダー
ロールによりシートを成形する方法を挙げること
ができる。エチレン・α−オレフイン共重合体を
主成分とし他の配合物を配合するときは、混練工
程を付加する。基材と積層する場合は、このよう
にして得られた表皮材を基材を重ね加熱圧着する
か、あるいは押出ラミネート又はカレンダーロー
ルによりエチレン・α−オレフイン共重合体又は
これを主成分とする配合物の溶融物を基布に直接
積層することができる。 表皮材の厚さは適宜であるが、0.05〜2mmの範
囲が好ましい。表皮材の表面に適宜エンボス加工
や印刷を施すことができる。 以上述べた本発明の表皮材は、特定のエチレ
ン・α−オレフイン共重合体を用いているため
に、柔軟性が良好であるとともに強度、耐熱性に
すぐれ、しかも表面のべたつきがない。従来のポ
リオレフインと比較して各性質が矛循なくバラン
スしている。また、可塑剤を使用していないた
め、可塑剤に起因する前記の諸問題が生じない。
本発明の表皮材は印刷性にもすぐれている。風
合、感触も合成品であることを感じさせない程で
ある。 以下実施例により本発明を具体的に説明する。 実施例および比較例に使用するポリマーはつぎ
のとおりである。 実施例 1 気相法により実質的に無水の塩化マグネシウ
ム、1,2−ジクロルエタンおよび四塩化チタン
から得られた固体触媒成分およびトリエチルアル
ミニウムからなる触媒を用いてエチレンとブテン
−1とを共重合して得られたエチレン−ブテン−
1共重合体。 この共重合体のエチレン含量は91.5モル%、メ
ルトインデツクスは0.50g/10min、密度は0.904
g/cm3、DSCの最大ピーク温度は120.5℃、沸騰
n−ヘキサン不溶分は94重量%であつた。 実施例 2 気相法により実質的に無水の塩化マグネシウ
ム、アントラセンおよび四塩化チタンから得られ
た固体触媒成分とトリエチルアルミニウムからな
る触媒を用いてエチレンとプロピレンの共重合を
行なつて得られた共重合体。 このエチレン・プロピレン共重合体のエチレン
含量は81.5モル%、メルトインデツクスは1.0
g/10min、密度は0.890g/cm3、DSCの最大ピ
ーク温度は121.6℃、沸騰n−ヘキサン不溶分は
58重量%であつた。 実施例 3 エチレン含量は87.0モル%、メルトインデツク
スは2.3g/10min、密度は0.893g/cm3、DSCの
最大ピーク温度は119.3℃、沸騰n−ヘキサン不
溶分は78重量%である、実施例−1と同様の方法
で得られたエチレン−ブテン−1共重合体。 比較例 1 高圧法低密度ポリエチレン、メルトインデツク
ス0.9g/10min、密度0.918g/cm3。 比較例 2 エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含
量25重量%)、メルトインデツクス2.0g/
10min、密度0.950g/cm3。 [表皮材の製造] 実施例1,2,3および比較例1,2の各重合
体を押出機で加熱溶融し、T−ダイから樹脂温度
210℃で押出し、温度70℃の直立3本ロールに巻
取速度3.6m/minで通し、巾30cm、厚さ0.5mmの
シートを得た。 [評価] (1) シート成形性 厚さの均一なシートが波打ち、筋あとなく成形
できるものを〇、著しく不均一なもを×、中間を
△とした。 (2) 風合 柔軟性のあるものを〇、硬いものを×とした。 (3) 感触 表面がベタつかないものを〇、べたつくものを
×とした。 (4) 耐熱温度 表皮材を2枚重ね、200g/cm2の荷重をかけて、
所定温度で3時間放置後容易にはがれる最高温度
を示した。実用上80℃以上が必要とされている。 (5) 物理性状 伸びおよび引張強さを常法により測定した。 以上(1)〜(5)の評価結果を表に示す。表から本発
明品が極めてすぐれていることがわかる。
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 気相法により少なくともマグネシウムおよび
    チタンを含有する固体触媒成分として有機アルミ
    ニウム化合物からなる触媒の存在下、エチレンと
    α−オレフインを共重合させて得られる下記の(a)
    〜(d)の性状を有するエチレン−α−オレフイン共
    重合体を主成分とする表皮材: (a) メルトインデツクスが0.01〜100g/10min、 (b) 密度が0.860〜0.910g/cm3、 (c) 示差走査熱量測定法(DSC)において、そ
    の最大ピークの温度が100℃以上、 (d) 沸騰n−ヘキサン不溶分が10重量%以上。 2 前記α−オレフインが炭素数3〜12のα−オ
    レフインであることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の表皮材。
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