JPH04345841A - バリアー性積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

バリアー性積層フィルムおよびその製造方法

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JPH04345841A
JPH04345841A JP3119998A JP11999891A JPH04345841A JP H04345841 A JPH04345841 A JP H04345841A JP 3119998 A JP3119998 A JP 3119998A JP 11999891 A JP11999891 A JP 11999891A JP H04345841 A JPH04345841 A JP H04345841A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れたガスバリアー性
を有する積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂フィルム、特にポリエステ
ル系フィルムは、機械的強度、耐薬品性および透明性に
優れ、さらに価格が安価なことなどから広く用いられて
いる。例えば、写真用ベースフィルム、磁気テープ用ベ
ースフィルム、製図用フィルム、コンデンサーなどの電
気機器用フィルム、メンブレンスイッチ、タッチパネル
、キーボード、ラベルなどの工業用材料に用いられてい
る。さらに、食品包装用包装剤としても用いられている
【0003】しかし、ポリエステル系フィルムを、食品
包装などの包装材料に用いる場合には、一般にガスバリ
アー性が不十分である。例えば、表1に、ポリエステル
系フィルムとして最も汎用されているポリエチレンテレ
フタレート(PET)フィルムと、ガスバリアー性に優
れたフィルムであるポリ塩化ビニリデン(PVDC)フ
ィルムとの酸素および水蒸気の透過性を示す。
【0004】
【表1】
【0005】1)20μmのフィルムを用い、24時間
1atmでフィルムを透過した酸素ガスの量である。
【0006】2)20μmのフィルムを用い、24時間
、40℃、90%RHでフィルムを透過した水の量であ
る。
【0007】表1から明らかなように、PETフィルム
は酸素ガスおよび水蒸気をよく透過し、ガスバリアー性
が低い。
【0008】一般に基材のガスバリアー性は、ガスの基
材に対する吸着性、拡散性および脱着性を総合した特性
でありポリマー性基材については以下のような傾向があ
る: 1.ポリマーは金属に見られる様な完全結晶体でないた
め、金属ほどのガスバリアー性を持たない。結晶性のポ
リマーで構成されるフィルムまたはシートにおいては、
該ポリマーのガスとの親和性が小さく、分子間の隙間が
小さく、かつポリマーがガスに対する吸着性、拡散性お
よび脱着性の作用が大きい極性基を有するほど、バリア
ー性が良好である。
【0009】2.高結晶化度のポリマー基材ほどガスバ
リアー性が良好である。
【0010】3.一般に、対称性のある分子構造を有す
るポリマーのガスバリアー性が良好である。
【0011】4.ポリマーの結晶の配向性が大きいほど
ガスバリアー性が良好である。
【0012】5.ポリマー鎖の剛性が高いほどガスバリ
アー性が良好である。
【0013】6.ポリマーの凝集エネルギー密度が高い
ほどポリマー鎖間の結合力が大きくガスバリアー性は良
好である。極性基を有するポリマーはこれに該当する。
【0014】上記2〜6の性質は分子構造の緻密なポリ
マーで構成される基材ほどガスバリアー性が高い事を示
している。
【0015】上記のように、一般に極性基を有するポリ
マーは、ガスバリアー性が良好である。しかし、水酸基
やアミド基などの極性基は水分子と結合しやすく、その
ガスバリアー性は湿度が高くなるにつれて低下する。し
たがって、このような極性基を有する樹脂でなるフィル
ムは、ガスバリアー性が湿度に影響されないPVCDフ
ィルムと積層されて、湿度に依存しない優れたガスバリ
アー性を有する積層体フィルムとして使用されている。 この他のタイプとしては、ビニルアルコールとエチレン
との共重合体(商品名エバール)、PVCDとアクリロ
ニトリルとの共重合体などがあり、これらは、湿度に影
響されない優れた酸素ガスバリアー性を有するため、食
品包装用フィルムとして幅広く用いられている。
【0016】しかし、これらのガスバリアー性フィルム
のほとんどは塩素系高分子を用いているため、その製造
工程や廃棄経路で生じる有機性塩素による発ガン性、塩
素ガスによるオゾン層の破壊などの種々の問題がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
欠点を解決するものであり、その目的とするところは、
ガスバリアー性に優れた積層フィルムを提供することに
ある。さらに、本発明の目的は、そのような優れた特性
を有する積層フィルムの製造方法を提供することにある
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の積層フィルムは
、熱可塑性樹脂でなる基材フィルムと;アルコキシシラ
ン、シランカップリング剤、およびポリビニールアルコ
ールを含有する組成物を、ゾルーゲル法によって重縮合
して得られる、主成分が直鎖状ポリマーよりなる複合ポ
リマーでなり、該基材フィルムの少なくとも片面に積層
された、少なくとも1層の複合ポリマー層と;を有しそ
のことにより上記目的が達成される。
【0019】本発明の積層フィルムの製造方法は、アル
コキシシラン、シランカップリング剤、およびポリビニ
ールアルコールを含有する組成物を、ゾル−ゲル法触媒
、鉱酸、水および有機溶剤の存在下に重縮合し、主成分
が直鎖状ポリマーよりなる該組成物の複合ポリマーを含
有する塗工液を調製する工程;熱可塑性樹脂でなる基材
フィルムの少なくとも片面に、該塗工液を塗布する工程
;および、該基材フィルムを、120℃以上で、かつ、
該熱可塑性樹脂の融点以下の温度で熱処理して、該基材
フィルム表面に複合ポリマー層を形成する工程;を包含
し、そのことにより上記目的が達成される。
【0020】好ましい実施態様によれば、上記組成物は
、さらに、1種以上の金属アルコキシドを含有する。
【0021】本発明の基材フィルムとしては、透明な熱
可塑性樹脂フィルムが用いられる。熱可塑性樹脂として
は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
イソフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート
、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹
脂;ポリオキシメチレンなどのポリエーテル系樹脂;ナ
イロン−6、ナイロン−6,6、ポリメタキシレンアジ
パミドなどのポリアミド系樹脂;ポリスチレン、ポリ(
メタ)アクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポ
リ酢酸ビニルなどのビニル系樹脂;ポリカーボネート系
樹脂;セロファン、アセテートなどのセルロース系樹脂
;ポリイミド;ポリエーテルイミド;ポリフェニレンス
ルフィド;ポリエーテルスルフォン;ポリスルフォン;
ポリエーテルエーテルケトン;ポリエーテルケトンケト
ンなどがある。これらの樹脂は単独重合体であっても共
重合体であってもよい。特に、機械的強度、成形性およ
び経済性を考慮すると、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
トなどのポリエステル系樹脂が好適である。さらに、好
ましくは、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を80
モル%以上、グリコール成分としてエチレングリコール
を80モル%以上含有する共重合ポリエステル、あるい
はポリエチレンテレフタレートを80重量%以上の割合
で含有するポリエステルの混合物が用いられる。
【0022】この共重合ポリエステルおよびポリエチレ
ンテレフタレート以外のポリエステルに用いられる、他
のジカルボン酸成分としては、芳香族、脂肪族および脂
環族ジカルボン酸のいずれもが使用され得る。芳香族ジ
カルボン酸としては、イソフタル酸、オルトフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸などが用いられる。脂
肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セ
バシン酸、シュウ酸などが用いられる。脂環族ジカルボ
ン酸としては、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが用いられる
。グリコール成分としては、炭素数が2〜8の脂肪族グ
リコール、あるいは、炭素数が6〜12の脂環族グリコ
ールが好適である。このようなグリコールとしては、1
,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1
,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメ
タノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,
4−シクロヘキサンジメタクリレート、p−キシレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ールなどがある。ポリエーテルグリコールもグリコール
成分として用いられ得、例えば、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコールなどが用いられ得る。共重合成分の一部として
、p−ヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸も用いられ得
る。
【0023】これらのジカルボン酸成分とグリコール成
分とは通常の方法により重合(あるいは共重合)されて
ポリエステルが調製される。
【0024】基材フィルムは、このような熱可塑性樹脂
を単体で、あるいは、1種以上の樹脂を溶融混合してフ
ィルム状に成形したものが用いられる。このような基材
フィルムは未延伸フィルムであっても、1軸または2軸
配向フィルムであってもよい。さらに、このようなフィ
ルムを2枚以上積層した積層体も用いられ得る。
【0025】本発明に用いられるアルコキシシランは、
Si(OR1)4 で表され、R1は、低級アルキル基
である。具体的にはSi(O−CH3)4 、Si(O
―C2H5)4などが用いられる。これらのアルコキシ
シランを混合して使用してもよい。
【0026】本発明には必要に応じて、上記アルコキシ
シランとともに、ジルコニウムアルコキシド、チタニウ
ムアルコキシドなどの金属アルコキシドが用いられ得る
。ジルコニウムアルコキシドは、Zr(OR2)4で示
され、R2は低級アルキル基である。具体的には、Zr
(O―CH3)4、Zr(O―C2H5)4、Zr(O
−iso −C3H7)4 、Zr(O−C4H9)4
 などが用いられ得る。2種以上のこれらのアルコキシ
ドを混合して用いてもよい。ジルコニウムアルコキシド
を用いることによって、得られる積層フィルムの靭性や
耐熱性が向上する。その使用量は、上記アルコキシシラ
ン100重量部に対して10重量部以下の範囲であり、
好ましくは約5重量部である。10重量部を上回ると、
形成される複合ポリマーがゲル化しやすくなり、複合ポ
リマーの脆性が大きくなり、基材フィルムを被覆した際
に複合ポリマー層が剥離しやすくなる。チタニウムアル
コキシドは、Ti(OR3)4で示され、R3は低級ア
ルキル基である。具体的には、Ti(O−CH3)4 
、Ti(O−C2H5)4 、Ti(O−C3H7)4
 、Ti(O−C4H9)4などが用いられ得る。2種
以上のこれらのアルコキシドを混合して用いてもよい。 チタニウムアルコキシドを用いることによって、得られ
る皮膜の熱伝導率が低くなり、基材の耐熱性が著しく向
上する。その使用量は、上記アルコキシシラン100重
量部に対して5重量部以下の範囲であり、好ましくは約
3重量部である。5重量部を上回ると、形成される複合
ポリマーの脆性が大きくなり、基材フィルムを被覆した
際に複合ポリマーが剥離しやすくなる。
【0027】上記アルコキシドと共に用いられるシラン
カップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オル
ガノアルコキシシランが用いられ得る。特に、エポキシ
基を有するオルガノアルコキシシランが好適である。そ
れには、例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシ
ラン、およびβ―(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシランがある。このようなシランカ
ップリング剤は2種以上を混合して用いてもよい。この
ようなシランカップリング剤の使用量は、上記アルコキ
シシラン100重量部に対して1〜20重量部の範囲内
である。20重量部以上を使用すると形成される複合ポ
リマーの剛性と脆性とが大きくなり、複合ポリマー層の
絶縁性および加工性が低下する。
【0028】本発明では、複合ポリマーを構成する組成
物にポリビニールアルコール(PVA)が含有される。 PVAを添加することによって、得られる複合ポリマー
のガスバリアー性が著しく向上する。PVAの含有量は
、上記アルコキシシランおよび金属アルコキシドの合計
量100重量部に対して50〜200重量部の範囲であ
り、好ましくは、約100重量部である。200重量部
を上回ると複合ポリマーの脆性が大きくなり、得られる
積層フィルムの耐水性も低下する。50重量%を下回る
と、ガスバリアー性が低下する。
【0029】本発明の方法に用いられるゾル−ゲル法触
媒、主として重縮合触媒としては、水に実質的に不溶で
あり、かつ有機溶媒に可溶な第三アミンが用いられる。 それには例えば、N,N−ジメチルベンジルアミン、ト
リプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルア
ミンなどがあり、特にN,N−ジメチルベンジルアミン
が好適である。その使用量は、アルコキシシラン、金属
アルコキシド、およびシランカップリング剤の合計量1
00重量部当り、0.01〜1重量部、好ましくは約0
.03重量部である。本発明の方法に用いられる鉱酸は
、上記ゾル‐ゲル法の触媒として用いられるほか、後述
のアセタール化触媒(主として加水分解触媒)としても
用いられる。鉱酸としては、硫酸、塩酸、硝酸などが用
いられる。鉱酸の使用量は、アルコキシシラン、金属ア
ルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド
分(シリケート部分)の総モル量に対し0.001〜0
.05モルであり、好ましくは約O.01モルである。
【0030】本発明の方法には、上記アルコキシシラン
および金属アルコキシドの合計モル量1モルに対して、
0.8〜2モルの水が用いられる。水の量が2モルを上
回ると、上記アルコキシシランと金属アルコキシドとか
ら得られるポリマーが球状粒子となり、さらに、この球
状粒子同士が3次元的に架橋し、密度の低い、多孔性の
ポリマーとなる。多孔性のポリマーは、基材フィルムの
ガスバリアー性を改善することができない。水の量が0
.8モルを下回ると、加水分解反応が進行しにくくなる
【0031】本発明の方法に用いられる有機溶媒として
は、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチ
ルアルコールなどが用いられる。溶媒の使用量は、通常
上記アルコキシシラン、金属アルコキシド、シランカッ
プリング剤、PVA、鉱酸およびゾル−ゲル法触媒の合
計量100重量部当り30〜100重量部である。
【0032】本発明の方法によれば、本発明の積層フィ
ルムは、例えば以下のようにして形成される。まず、上
記アルコキシシラン、シランカップリング剤、PVA、
ゾル−ゲル法触媒、鉱酸、水、有機溶媒、および必要に
応じて金属アルコキシドを混合して塗工液を調製する。 この塗工液中では次第に重縮合反応が進行する。次いで
、上記基材フィルムに、常法によりこの塗工液を塗布し
、乾燥する。乾燥により、上記アルコキシシラン、金属
アルコキシド、シランカップリング剤およびPVAの重
縮合がさらに進行し、複合ポリマーの層が形成される。 好ましくは上記の操作を繰り返して、複数の複合ポリマ
ー層を積層する。最後に、上記塗工液を塗布したフィル
ムを120℃以上で、かつ基材フィルムの融点以下の温
度、好ましくは、150〜200℃の範囲の温度で、3
0秒〜10分間加熱すると、本発明の積層フィルムが得
られる。このようにして得られた本発明の積層フィルム
は、ガスバリアー性に優れる。このようにして単数もし
くは複数の複合ポリマー層が形成された積層フィルムは
、必要に応じてアセタール化処理がなされる。具体的に
はこの積層フィルムを酸を含むアルデヒド溶液に浸漬す
る。アルデヒドとしてはホルムアルデヒド、アセトアル
デヒド、ブチルアルデヒドなどが用いられるアセタール
化処理を施すことにより複合ポリマー中に微量存在する
PVAに起因する未反応の水酸基がアルデヒドと反応し
てアセタール化され、複合ポリマーの耐水性(耐湿性)
がさらに向上する。
【0033】
【作用】本発明の方法において、アルコキシシランおよ
び金属アルコキシドは、添加された水によって、加水分
解される。次いでゾル−ゲル法触媒の働きによって、生
じた水酸基からプロトンが奪取され、加水分解生成物同
士が脱水重縮合する。このとき、同時にシランカップリ
ング剤も加水分解されて、アルコキシ基が水酸基となる
。触媒の働きによりエポキシ基の開環も起こり、水酸基
が生じる。加水分解されたシランカップリング剤と加水
分解されたアルコキシドとの重縮合反応も進行する。 さらに反応系にはPVAが存在するため、PVAが有す
る水酸基との反応も生じる。生成する重縮合物は、Si
−O−Si、Si−O−Zr、Si−O−Tiなどの結
合からなる無機質部分と、シランカップリング剤に起因
する有機部分とを含有する複合ポリマーである。上記反
応においては、例えば、(II)式に示される部分構造
式を有し、さらにシランカップリング剤に起因する部分
を有する直鎖状のポリマーがまず生成する。このポリマ
ーはOR基(エトキシ基などのアルコキシ基)が直鎖状
のポリマーから分岐した形で有する。このOR基は、存
在する鉱酸が触媒となって加水分解されてOH基となり
、これが(I)式に示されるPVAと重縮合反応し、S
i‐O‐Si結合を有する(III)式に示される複合
ポリマーが生じると考えられる。上記重縮合反応におい
ては、ゾル‐ゲル法触媒(塩基触媒)の働きによりまず
OH基が脱プロトン化し次いで重縮合が進行する。
【0034】
【化1】
【0035】
【化2】
【0036】
【化3】
【0037】上記の反応は常温で進行し、塗工液は調製
中に粘度が増加する。この塗工液を基材フィルムに塗布
し、加熱して溶媒および重縮合反応により生成したアル
コールを除去すると、重縮合反応が完結し、基材フィル
ム上に透明な複合ポリマーの層が形成される。複合ポリ
マー層を複数層積層した場合には、層間の複合ポリマー
同士も縮合し、層と層との間が強固に結合する。さらに
、シランカップリング剤の有機反応性基や、加水分解に
よって生じた水酸基が基材フィルム表面の水酸基と結合
するため、基材フィルム表面と、複合ポリマー層との接
着性も良好である。
【0038】本発明の方法においては、添加される水の
量がアルコキシド類1モルに対して0.8モル〜2モル
、好ましくは1.5モルに調節されているため、上記直
鎖状のポリマーが形成される。このような直鎖状ポリマ
ーは結晶性を有し、非晶質部分の中に多数の微小の結晶
が埋包された構造をとる。このような結晶構造は、結晶
性有機ポリマー(例えば、塩化ビニリデンやPVA)と
同様であり、さらに極性基(OH基)が部分的に分子内
に存在し、分子の凝集エネルギーが高く分子鎖剛性も高
いため良好なガスバリアー性を示す。(III)式に示
されるポリマーのSi−O−CH結合はPVAのアセチ
ル化やホルマール化により形成される安定な結合状態と
同様である。
【0039】このようにして得られる積層フィルムは耐
水性に優れるが、上記のようにさらにアセタール化処理
を施すことにより耐水性がさらに向上する。このように
本発明の積層フィルムは、酸素やN2等に対するバリア
ー性と同様H2Oの透過に対しても充分なバリアー性を
発揮し、さらに耐溶剤性、および耐薬品性にも優れてい
る。
【0040】本発明の積層フィルムは上記のような優れ
た特性を有するので、包装材料として有用であり、特に
ガスバリアー性(O2、N2、H2O等)に優れるため
、食品包装用フィルムとして、好適に使用される。
【0041】
【実施例】以下に本発明の実施例につき説明する。
【0042】(実施例1)エチルシリケート25g、エ
タノール25g、2N塩酸  1.86gおよび水1.
51gを混合し、80℃で1〜2時間撹拌した。このと
き、上記混合物のエチルシリケートと水とのモル比は1
:1.51である。次いでエポキシシランSH6040
(東レダウコーニング社製)2.5gを加えて撹拌した
【0043】これにPVA重合度(2000;クラレ社
製)を10%含む水溶液を17.4g加え、1〜2時間
撹拌して透明となった時点でN,N−ジメチルベンジル
アミン32重量%エタノール溶液0.1gを加えて撹拌
すると粘性のある塗工液が得られた。
【0044】上記塗工液を、厚さ12μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルムに塗布し150℃で5分間乾
燥し、厚さ20μmの積層フィルムを得た。得られた積
層フィルムのガスバリアー性を評価した結果2個のサン
プルについて測定を行った結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】1)24時間1atmでフィルムを透過し
たO2ガスの量である。
【0047】2)24時間40℃、90%RHでフィル
ムを透過したH2Oの量である。
【0048】3)24時間1atmでフィルムを透過し
たN2ガスの量である。
【0049】表2の結果を表1と比較すると明らかなよ
うに、本発明の積層フィルムは、酸素、水蒸気および窒
素の透過性が非常に低く、サランフィルム(旭化成工業
社製;塩化ビニリデン主体のアクリロニトリル共重合体
)よりもさらに良好なガスバリアー製を有する。
【0050】(実施例2)実施例1で得られた塗工液を
、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
に塗布し150℃で5分間乾燥し、いったん25℃以下
に冷却した後アセトアルデヒド溶液中でアセタール化を
施した。このようにして実施例1と同様の厚さ20μm
の積層フィルムを得た。得られた積層フィルムのガスバ
リアー性の評価結果は実施例1とほぼ同様であった。
【0051】(実施例3)複合ポリマーに靭性を加える
ために、実施例1の塗工液にジルコニウムイソプロポキ
シド1gを添加して、実施例2と同様にして本発明の積
層フィルムを得た。得られたフィルムは実施例1および
2のフィルムに比較して柔軟性および靭性が向上した。
【0052】(実施例4)PVAの5%水溶液を25.
0g使用したこと以外は実施例1と同様にして粘性のあ
る塗工液を得た。この塗工液を厚さ20μmのポリプロ
ピレンフィルムに塗布し、120℃で5分間乾燥して、
一旦25℃以下に冷却した後、アセトアルデヒド溶液中
でアセタール化処理を施した。このようにして厚さ27
μmの積層フィルムを得た。このフィルムを実施例1と
同様に評価した。その結果を表3に示す。
【0053】
【表3】
【0054】
【発明の効果】本発明によればガスバリアー性の極めて
良好な積層フィルムが得られる。本発明の積層フィルム
のガスバリアー性は従来のPVDCフィルムなどの比べ
て高く、かつ耐水性に優れる。柔軟性にも富み、耐溶剤
性および耐薬品性にも優れる。塩素系化合物を使用して
いないので環境汚染の心配もない。このようなフィルム
は、包装材料をはじめとする種々の分野に利用され得、
特に食品包装用フィルムとして好適である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂でなる基材フィルムと;アル
    コキシシラン、シランカップリング剤およびポリビニー
    ルアルコールを含有する組成物を、ゾルーゲル法によっ
    て重縮合して得られる、主成分が直鎖状ポリマーよりな
    る複合ポリマーでなり、該基材フィルムの少なくとも片
    面に積層された、少なくとも1層の複合ポリマー層と;
    を有する、積層フィルム
  2. 【請求項2】前記組成物が、さらに、1種以上の金属ア
    ルコキシドを含有する、請求項1に記載の積層フィルム
  3. 【請求項3】アルコキシシラン、シランカップリング剤
    、およびポリビニールアルコールを含有する組成物を、
    ゾルーゲル法触媒、鉱酸、水、および有機溶剤の存在下
    に重縮合し、主成分が直鎖状ポリマーよりなる該組成物
    の複合ポリマーを含有する塗工液を調製する工程;熱可
    塑性樹脂でなる基材フィルムの少なくとも片面に、該塗
    工液を塗布する工程;および該積層体を、120℃以上
    で、かつ、該熱可塑性樹脂の融点以下の温度で熱処理し
    て、該基材フィルム表面に複合ポリマー層を形成する工
    程;を包含する、積層フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】前記組成物が、さらに、1種以上の金属ア
    ルコキシドを含有する、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記ゾルーゲル法触媒が、水に実質的に不
    溶であり、かつ、有機溶媒に可溶な第3アミンである、
    請求項3に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記水が、前記アルコキシシラン1モルに
    対して0.8から2モルの割合で用いられる、請求項3
    に記載の方法。
  7. 【請求項7】さらに、前記複合ポリマー層が形成された
    基材フィルムをアセタール化処理する工程を含有する、
    請求項3に記載の方法。
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