JPH0610254B2 - 共縮合ポリエステル延伸物の製造方法 - Google Patents

共縮合ポリエステル延伸物の製造方法

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JPH0610254B2
JPH0610254B2 JP58089991A JP8999183A JPH0610254B2 JP H0610254 B2 JPH0610254 B2 JP H0610254B2 JP 58089991 A JP58089991 A JP 58089991A JP 8999183 A JP8999183 A JP 8999183A JP H0610254 B2 JPH0610254 B2 JP H0610254B2
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copolyester
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ethylene glycol
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忠男 谷津
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、溶融成形性に優れ、機械的強度、透明性およ
びガスバリヤー性に優れた容器用の素材として適した性
能を有する共縮合ポリエステルの延伸物の製造方法に関
するものである。
従来、調味料、油、ビール、日本酒などの酒類、炭酸飲
料などの清涼飲料、化粧品、洗剤などの容器素材として
はガラスが広く使用されていた。しかし、ガラス容器は
ガスバリヤー性にはすぐれているが、製造コストが高い
ので、通常、使用後の空容器を回収し、循環再使用する
方法が採用されていた。しかしながら、ガラス容器は重
いので運送経費がかさむことの他に、破損し易く、取り
扱いに不便であるなどの欠点があった。
ガラス容器の前述の欠点を解消するものとしてガラス容
器から種々のプラスチック容器への転換が拡大しつつあ
る。その素材としては、貯蔵品目の種類およびその使用
目的に応じて種々のプラスチックが採用されている。こ
れらのプラスチック素材のうちで、ポリエチレンテレフ
タレートはガスバリヤー性および透明性に優れいるので
調味料、清涼飲料、洗剤、化粧品などの容器の素材とし
て採用されている。しかし、これらのうちでも最も厳し
いガスバリヤー性の要求されるビールおよび炭酸飲料の
容器の場合には、ポリエチレンテレフタレートでもまだ
充分であるとは言い難く、これらの容器に使用するため
には肉厚を増すことによってガスバリヤー性を向上させ
なければならなかった。現在、ポリエステル容器への需
要は増々増大しつつあるが、これらの用途を拡大するた
めにはガスバリヤー性に優れかつ溶融成形性に優れたポ
リエステルが強く要望されている。
従来、種々のポリエステルが知られており、これらのポ
リエステルのうちでポリエチレンテレフタレートが最も
広く利用されているが、該ポリエチレンテレフタレート
を製造する際に第三成分を共縮重合させた改質ポリエチ
レンテレフタレートも種々提案されている。これらの改
質ポリエチレンテレフタレートの中で、第三成分として
脂肪族系ヒドロキシカルボン酸を共縮重合させる方法も
多くの文献に提案されている[たとえば、特公昭39−
260160号公報、特公昭43−1632号公報、特
公昭43−13232号公報、特公昭47−28119
号公報、特公昭47−45198号公報、特公昭49−
5633号公報、特公昭49−42918号公報、特公
昭50−2196号公報、特公昭50−4040号公
報、特公昭50−38648号公報、特公昭49−65
54号公報、特公昭50−15510号公報、特公昭5
3−1320号公報、その他など]。これらの共縮合改
質ポリエチレンテレフタレートでは第三成分の脂肪族系
ヒドロキシカルボン酸の共縮合組成さえも明確に示され
ていないものも多く、また脂肪族系ヒドロキシカルボン
酸としてβ−ヒドロキシプロピオン酸やε−ヒドロキシ
カプロン酸などのα位以外にヒドロキシル基を有するヒ
ドロキシカルボン酸を共縮合したポリエチレンテレフタ
レートも提案されている。これらの共縮合改質ポリエチ
レンテレフタレートからブロー成形により二軸延伸容器
を成形しても、ガスバリヤー性および溶融成形性に優れ
た性能の容器は得られない。たとえば、前記先行技術文
献の中で特公昭39−26016号公報にはテレフタル
酸成分単位1モルに対して0.02ないし0.6モルの範囲の
脂肪族系ヒドロキシカルボン酸、具体的にはβ−ヒドロ
キシプロピオン酸および0.00002ないし0.01モルの範囲
の多官能性架橋剤成分単位を共縮合した改質ポリエチレ
ンテレフタレートが提案されており、特公昭50−38
648号公報には全構成成分の20ないし70重量%の範囲
のε−ヒドロキシカプロン酸成分単位を含有するポリエ
チレンテレフタレートが提案されているがこれらの改質
ポリエチレンテレフタレートから形成された二軸延伸容
器はいずれもガスバリヤー性が充分とは言い難い。
本発明者らは、ポリエチレンテレフタレートからなる延
伸ブロー成形容器に関する技術が前記状況にあることを
認識し、ガスバリヤー性および溶融成形性に優れかつ延
伸ブロー成形容器として優れた性能を発揮することので
きる改質ポリエチレンテレフタレートの開発を検討した
結果、特定の脂肪族系α−ヒドロキシカルボン酸成分単
位および特定の多官能性成分単位を共縮重合させること
によって得られる特定の組成の共縮合ポリエチレンテレ
フタレートから成形された延伸ブロー容器などの延伸物
が前記目的を達成することを見出し、本発明に到達し
た。
本発明を概説すれば、本発明は、 (a) テレフタル酸成分単位を主成分とする芳香族系ジ
カルボン酸成分単位が45モル%を超え、49モル%以下、 (b) エチレングリコール成分単位を主成分とするジオ
ール成分単位が45モル%を超え、49モル%以下、 (c) 炭素原子数が5以下の脂肪族系α−ヒドロキシカ
ルボン酸成分単位が2モル%以上10モル%未満、および (d) 炭素原子数が3ないし15の範囲にありかつ3個以
上のカルボキシル基またはヒドロキシル基を有する多官
能性成分単位(架橋剤成分単位)が0ないし5モル%、 から構成される実質上線状の共縮合ポリエステルであっ
て、その物性が (e)極限粘度[η]が0.4ないし1.8dl/gの
範囲にあり、かつ (f)ガラス転移点が40ないし100℃の範囲にある
共縮合ポリエステルから予備成形品を製造し、 次いでこの予備成形品を延伸することを本発明の要旨と
する。
本発明で用いられる共縮合ポリエステルは、テレフタル
酸を主成分とする芳香族系ジカルボン酸成分単位(a)、
エチレングリコールを主成分とするジオール成分単位
(b)および脂肪族系α−ヒドロキシカルボン酸成分単位
(c)からなる三元系の共縮合ポリエステルである場合も
あるし、テレフタル酸を主成分とする芳香族系ジカルボ
ン酸成分単位(a)、エチレングリコール成分を主成分と
するジオール成分単位(b)、脂肪族系オキシカルボン酸
成分単位(c)および多官能性成分単位(d)からなる四元系
縮合ポリエステルである場合もあるもある。いずれの場
合にも、本発明で用いられる共縮合ポリエステルは前記
各成分単位の隣接したカルボキシル基とヒドロキシル基
とが縮合して結合を形成することによってポリマー分子
鎖を形成している。該共縮合ポリエステルの分子末端は
前記いずれの分子末端に存在するカルボキシル基は他の
低級アルコールによってエステル化されている場合もあ
るし、同様に分子末端に存在するヒドロキシル基は他の
低級カルボン酸によってエステル化されている場合もあ
り得る。また、該共縮合ポリエステルを構成するエチレ
ングリコール成分単位を主成分とするジオール成分単位
(b)はその少量部分(たとえば5モル%以下)がジエチ
レングリコール成分の単位のように、ジオール成分単位
同士の反応によるエーテル結合を含有するジオール成分
単位を形成していても差しつかえない。
本発明で用いられる共縮合ポリエステルは実質上線状構
造を有している。ここで、実質上線状構造とは直鎖状ま
たは分枝鎖を有する鎖状構造であることを意味し、ゲル
状架橋構造(網状構造)を有しないことを意味する。こ
のことは、本発明で用いられる共縮合ポリエステルがp
−クロルフェノール、o−クロルフェノールあるいはフ
ェノールとテトラフロロエタンとの混合溶媒に完全に溶
解することによって確認される。該共縮合ポリエステル
が前記三構成成分からなる共縮合ポリエステルである場
合には直鎖状であり、前記四構成成分からなる共縮合ポ
リエステルである場合には分枝鎖である。
本発明で用いられる共縮合ポリエステルの組成は、 (a) テレフタル酸成分単位を主成分とする芳香族系ジ
カルボン酸成分単位が45モル%を超え、49モル%以下、
好ましくは45モル%を越え、48モル%以下の範囲にあ
り、 (b) エチレングリコール成分単位を主成分とするジオ
ール成分単位が45モル%を超え、49モル%以下、好まし
くは45モルを超え、48モル%以下の範囲にあり、 (c) 炭素原子数が5以下の脂肪族系α−ヒドロキシカ
ルボン酸成分が2モル%以上10モル%未満の範囲にあ
り、および (d) 炭素原子数が3ないし15の範囲にありかつ3個以
上のカルボキシル基またはヒドロキシル基を有する多官
能性成分単位が0ないし5モル%、好ましくは0ないし
4モル%の範囲である。該共縮合ポリエステルにおいて
該脂肪族系α−ヒドロキシカルボン酸成分単位(c)の含
有率が10モル%以上となると共に、該芳香族系ジカルボ
ン酸成分単位(a)の含有率が45モル%以下となりかつジ
オール成分単位の含有率が45モル%以下となると該ポリ
エステルはもはや良好な結晶性を示さない場合が生ずる
ことがあり、またガラス転移点が低下する。このよう
な、非晶性でかつガラス転移点加低いポリエステルは、
溶融成形に先だって必要な乾燥を経済的に行なうことが
困難となる。このため、該ポリエステルは溶解成形時に
分子量が低下しやすくなり、したがって該ポリエステル
から製造される成形品の機械強度が低下する。
また、該脂肪族系α−ヒドロキシカルボン酸成分単位
(c)の含有率が2モル%より小さくなると共に、該芳香
族系ジカルボン酸成分単位(a)の含有率が49モル%より
大きくなりかつエチレングリコール成分単位の含有率が
49モル%より大きくなると、該ポリエステルおよびその
延伸物のガスバリヤー性が低下し、本発明の特徴である
ポリエチレンテレフタレートよりも優れたガスバリヤー
性が発現しなくなる。
また、該共縮合ポリエステルの該多官能性成分単位の含
有率が5モル%より大きくなると、該共縮合ポリエステ
ルはゲル状構造を多く含むようになって実質上線状でな
くなり、その溶融成形性が低下するようになる。
本発明で用いられる共縮合ポリエステルは、極限粘度
[η][25℃のフェノール・テトラフロロエタンの等量
混合溶媒中で測定した値]が0.4ないし1.8dl/g範囲にあ
ることが必要であり、さらには0.5ないし1.5dl/gの範囲
にあることが好ましく、そのガラス転移点が40ないし10
0℃の範囲にあることが必要であり、さらには45ないし9
5℃の範囲にあることが好ましい。
該共縮合ポリエステルのその他の物性に関しては、その
流動化開始温度が通常140ないし250℃好ましくは150な
いし240℃の範囲である。
該共重合ポリエステルの極限粘度[η]が1.8dl/gより
大きくなると該共縮合ポリエステルの溶融成形性が低下
するようになり、0.4dl/gより小さくなると共縮合ポリ
エステルおよびその延伸物の機械的強度が低下するよう
になる。
本発明で用いられる共縮合ポリエステルを構成する芳香
族ジカルボン酸成分単位(a)は、テレフタル酸成分単位
を主成分とするものであり、その全芳香族系ジカルボン
酸成分単位に対するテレフタル酸成分単位の割合は通常
70ないし100モル%、好ましくは80ないし100モル%の範
囲である。テレフタル酸成分単位以外の芳香族系ジカル
ボン酸成分単位としては、たとえばイソフタル酸、フタ
ル酸、2,6-ナフタリンジカルボン酸などの炭素原子数が
8ないし12の芳香族系ジカルボン酸成分単位を例示する
ことができる。
本発明で用いられる共縮合ポリエステルを構成するジオ
ール成分単位(b)はエチレングリコールを主成分とする
ものであり、その全ジオール成分単位に対するエチレン
グリコール成分単位の割合は通常70ないし100モル%、
好ましくは80ないし100モル%の範囲である。エチレン
グリコール以外のジオール成分単位としては、たとえば
1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペン
テングリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキ
サンジメタノール、1,4-ビス(β−ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼン、1,3-ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベ
ンゼン、2,2-ビス(4-β−ヒドロキシエトキシフェニ
ル)プロパン、ビス(4-β−ヒドロキシエトキシフェニ
ル)スルホンなどの炭素原子数が3ないし15のジオール
成分を例示することができる。
本発明の共縮合ポリエステルを構成する炭素原子数が5
以下の脂肪族系α−ヒドロキシカルボン酸成分単位(c)
としては、たとえば乳酸、グリコール酸、α−ヒドロキ
シn−酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、α−ヒドロキシ
n−吉草酸などを例示することができるが、グリコール
酸成分単位を構成成分とする共縮合ポリエステルの延伸
物はガスバリヤー性にすぐれているのでとくに好まし
い。該脂肪族系α−ヒドロキシカルボン酸成分単位の炭
素原子数が6よりも大きくなっても、またはα位にヒド
ロキシル基を有しない脂肪族系ヒドロキシカルボン酸成
分単位である場合には、いずれも共縮合ポリエステルの
延伸物のガスバリヤー性は低い。
本発明で用いられる共縮合ポリエステルを構成する多官
能性成分単位(d)は炭素原子数が3ないし15の範囲にあ
る3個以上のカルボキシル基またはヒドロキシル基を有
する3官能性以上の多官能性成分単位であり、カルボキ
シル基およびヒドロキシル基を合わせて3個以上有する
多官能性成分単位をも包含する。該多官能性成分単位と
して具体的には、トリメリット酸、トリメシン酸、3,
3′.5,5′−テトラカルボキシジフェニルなどの芳香族
系多塩基酸、プタンテトラカルボン酸などの脂肪族系多
塩基酸、フロログルシン、1,2,4,5-テトラヒドロキシベ
ンゼンなどの芳香族系ポリオール、グリセリン、トリメ
チロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトールなどの脂肪族系ポリオールなどを例示するこ
とができる。
本発明で用いられる共縮合ポリエステルは、ポリエチレ
ンテレフタレートの製造に使用されている従来から公知
の重縮合の方法に準じて製造することができる。
構成成分の芳香族系ジカルボン酸成分単位は、該芳香族
ジカルボン酸として反応系に供給することもできるし、
そのジアルキルエステルとして供給することもできる
し、また該芳香族系ジカルボン酸のビスβ−ヒドロキシ
エチルエステルとして供給することもできる。
また、構成成分の該ジオール成分単位としては、ジオー
ルとして供給することもできるし、構成成分の各カルボ
ン酸のジオールエステルの形態で反応系に供給すること
もできる。
また構成成分の脂肪族系α−ヒドロキシカルボン酸成分
単位は、該脂肪族系α−ヒドロキシカルボン酸として反
応系に供給することもできるし、そのアルキルエステル
として供給することもできるし、またそのβ−ヒドロキ
シエチルエステルとして供給することもできる。
共縮合時の触媒としては、ポリエチレンテレフタレート
の製造に使用されている従来から公知の触媒を用いるこ
とができる。これらの触媒としてはアンチモン、ゲルマ
ニウム、チタンなどの金属もしくはその化合物が使用で
きる。化合物の形態としては、酸化物、水酸化物、ハロ
ゲン化物、無機酸塩、有機酸塩、錯塩、複塩、アルコラ
ート、フェノラートなどがもちいられる。これらの触媒
は、単独で使用することもできるし、また二種以上の混
合物として用いることもできる。これらの触媒はエステ
ル化反応あるいはエステル交換反応の初期の段階から反
応系に供給することもできるし、また重縮合反応段階に
移行する前に反応系に供給することもできる。
また、共縮合時には、ポリエチレンテレフタレートの製
造時に使用されるエステル交換反応の触媒、ジエチレン
グリコールの生成抑制剤、熱安定剤、光安定剤、滑剤、
顔料、染料などの各種添加剤を用いることができる。
これらのエステル交換反応の触媒としては、カルシウ
ム、マグネシウム、リチウム、亜鉛、コバルト、マンガ
ンなどの金属化合物を用いることができる。これらの化
合物の形態としては、酸化物、水酸化物、ハロゲン化
物、無機酸塩、有機酸塩などが用いられる。またジエチ
レングリコールの抑制剤としてはトリエチルアミン、ト
リn−ブチルアミンなどのアミン類、テトラエチルアン
モニウムヒドロオキシド、テトラブチルアンモニウムヒ
ドロオキシドなどの第四級アンモニウム化合物などを用
いることができる。また熱安定剤などの安定剤として
は、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、またはこれらのエ
ステルの如きリン化合物を用いることができる。
本発明で用いられる共縮合ポリエステルは従来から公知
の溶融重合法により、さらに場合によっては溶融重合法
ののち固相重合法を採用することによって製造される。
かかる溶融重合法においてはいわゆる直接重縮合法を採
用することもできるし、またいわゆるエステル交換重縮
合法を採用することもできる。すなわち、溶融重合法を
さらに具体的に説明すると、例えばテレフタル酸または
これを主成分とする芳香族系ジカルボン酸もしくはこれ
らのエステル誘導体、エチレングリコールまたはこれを
主成分とするジオール、脂肪族系α−ヒドロキシカルボ
ン酸あるいはそのエステル誘導体、さらに場合によって
はカルボキシル基またはヒドロキシル基を3個以上含有
する多官能性化合物を同時にあるいは逐次的にエステル
化もしくはエステル交換反応せしめてこれらの初期重合
体を形成し、つぎにこれをその融点以上の温度、好まし
くは200〜280℃で真空下もしくは不活性ガス流通下に撹
拌を加えながら重合する方法を例示することができる。
また、本発明で用いられる共縮合ポリエステルはかかる
溶融重合法によるポリエステルをさらに固相重合するこ
とによって分子量を伸長させることによって製造するこ
とができる。かかる固相重合法を具体的に説明すると、
例えば、溶融重合法によるポリエステルを細粒化せし
め、それを融点以下の温度、好ましくは160〜240℃で真
空下もしくは不活性ガス流通下に保持する方法を採用す
ることができる。
該共縮合ポリエステルから延伸状態でフィルム、シー
ト、容器として成形すると、ガスバリヤー性がさらに優
れた成形体がえられる。
次に、本発明の共縮合ポリエステルの延伸物について説
明する。
本発明の共縮合ポリエステルの延伸物には、一軸延伸物
および二軸延伸物があり、その形態はフィルム、シー
ト、繊維、ブロー成形容器のいずれであってもよい。こ
こで、該共縮合ポリエステルの延伸物が一軸延伸された
物であるばあいには、その延伸倍率は通常1.1ないし8
倍、好ましくは1.2ないし7倍、とくに好ましくは1.5な
いし6倍の範囲である。また、該延伸物が二軸延伸され
た物である場合には、その延伸倍率は縦軸方向に通常1.
1ないし7倍、好ましくは1.2ないし6倍、とくに好まし
くは1.5ないし5倍の範囲であり、横方向に通常1.1ない
し7倍、好ましくは1.2ないし6倍、とくに好ましくは
1.1ないし5倍の範囲である。該延伸物はその使用目的
に応じてヒートセットを施すことも可能である。
本発明に係る共縮合ポリエステルの延伸物には、必要に
応じて従来のポリエステルに配合されている核剤、無機
充填剤、滑剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、安
定剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料などの各種の添加剤の
適宜量が配合されていても差しつかえない。
本発明に係る共縮合ポリエステルの延伸物を製造する方
法としては、従来から公知のいずれかの方法を採用する
こともできる。一般には、前記ポリエステルまたはこれ
にさらに必要に応じて前記添加剤を含む組成物より成形
したフィルム状物、シート状物またはパリソンなどの予
備成形品(原成形物)に、この予備成形物を冷却するこ
となく、そのままガラス転移点ないし融点、好ましくは
ガラス転移点ないしガラス転移点よりも50℃高い温度
の範囲で延伸処理が施される。
あるいは上記の予備成形品を、一旦ガラス転移点以下で
温度に冷却固化させたのちに再加熱して、次いでこの予
備成形品をガラス転移点ないし融点、好ましくはガラス
転移点ないしガラス転移点よりも50℃高い温度の範囲
で延伸処理が施される。延伸物にヒートセットを施すに
は、前記延伸温度ないしそれより高い温度で適宜の短時
間加熱処理が行なわれる。
本発明の共縮合ポリエステルの延伸物を製造する方法と
して、原成形物がフィルム状物またはシート状物である
場合には、未延伸のフィルム状物またはシート状物を一
軸方向に延伸する方法(一軸延伸)、縦軸方向に延伸し
た後さらに横軸方向に延伸する方法(二軸延伸)縦軸方
向および横軸方向に同時に延伸する方法(二軸延伸)、
二軸延伸した後にさらにいずれかの一方向に逐次延伸を
繰返す方法、二軸延伸した後にさらに両方向に延伸する
方法、フィルム状物またはシート状物と金型との間の空
間を減圧にすることによって延伸成形するいわゆる真空
成形法などを具体的に例示することができる。
また、これらの共縮合ポリエステルの延伸物は例えばポ
リエチレンテレフタレートなどの他の樹脂と積層した形
態で製造することも可能である。そのような製造方法と
して、該共縮合ポリエステルのフィルム状物またはシー
ト状物の予備成形物をポリエチレンテレフタレートなど
他の樹脂のフィルム状またはシート状の予備成形物と、
それぞれ単層あるいは複層に積層したのち延伸する方
法、あるいは該共縮合ポリエステルの延伸物に例えばポ
リエチレンテレフタレートなどの他の樹脂のフィルム状
物またはシート状物を接着する方法などを例示すること
ができる。予備成形物がパリソンである場合に、これを
用いて延伸ブロー成形容器を製造する方法としては、前
記温度のパリソンを縦軸方向に延伸した後、ブロー成形
することによってさらに横軸方向に延伸する方法(二軸
延伸ブロー成形)などを例示することができる。さらに
これらの延伸において該共縮合ポリエステルと例えばポ
リエチレンテレフタレートなどの他の樹脂とから、それ
ぞれ単層あるいは複層に積層されたパリソンを用いて、
前記の延伸プローを成形することによって、該共縮合ポ
リエステルと例えばポリエチレンテレフタレートなどの
他の樹脂とから成る積層されたブロー成形品を製造する
方法も例示することができる。
本発明に係る共縮合ポリエステルの延伸物は、耐熱特性
およびガスバリヤー性に優れているので種々の用途に利
用することができる。とくに該共縮合ポリエステルから
なる二軸延伸ブロー成形容器はガスバリヤー性に優れて
いるので、調味料、油、ビール、日本酒などの酒類、コ
ーラ、サイダー、ジュースなどの清涼飲料、化粧品、洗
剤などの容器としてすぐれているが、とりわけビールま
たは炭酸飲料の容器として使用するときには容器の肉厚
を薄くすることが可能となり、また賞味期間を延長させ
ることが可能となる。
また、本発明の共縮合ポリエステルの延伸物が延伸され
たフィルム状物である場合には、これらは具体的には電
気絶縁用、磁気テープ用、写真フィルム用、金属蒸着フ
ィルム用などの用途に使用することができる。
次に、本発明の実施例によって具体的に説明する。な
お、作製例、比較作製例、実施例および比較例におい
て、性能評価は以下の方法に従って行なった。
ポリエステルの極限粘度は、フェノール・テトラクロル
クエタン1:1(重量比)混合溶液を用いて25℃で測定
した。ポリエステルの組成はトリフロロ酢酸溶液の核磁
気共鳴スペクトルを測定することによって求めた。ま
た、ポリエステルのガラス転移温度は示差走査型熱量計
を用いて、10℃/minの昇温速度で測定することによっ
て求めた。また、ポリエステルのシート、延伸フィル
ム、あるいは延伸ボトルのガスバリヤー性は、酸素ガス
透過係数はモコン(MOCON)社製オキシトラン(OXTRA
N)装置を用いて、また炭酸ガス透過係数はモコン(MOC
ON)社製パーマトラン(PERMATRAN)C-IV装置を用い
て、それぞれ25℃で測定した。
作製例1 テレフタル酸398.6g、エチレングリコール178.8gおよ
びグリコール酸27.4gの混合物に二酸化ゲルマニウム0.
05gとテトラエチルアンモニウムヒドロキシド20%水溶
液0.23gの混合溶液を添加し、2kg/cm2の窒素加圧下2
30℃ないし245℃で3.5時間エステル化反応を撹拌下に行
ない、生成する水を系外に留去した。ついで、生成した
エステル化物にトリメチルホスフェート0.22gを添加
後、撹拌下に1時間かけて反応系を250℃から270℃に昇
温するとともに、圧力を常圧から1mmHgまで減圧にし、
さらに1.5時間、270℃、1mmHgで生成するエチレングリ
コールを留去しながら反応せた。このようにして得られ
たテレフタル酸、エチレングリコールおよびグリコール
酸を原料とするコポリエステルは無色透明であり、また
このコポリエステルの極限粘度は0.69dl/gであった。
さらにこのコポリエステル中のテレフタル酸、エチレン
グリコール、およびグリコール酸の成分単位の含量はそ
れぞれ46.6モル%、45.3モル%、6.8モル%であり、ま
たこのコポリエステルのガラス転移温度は67℃であっ
た。さらにこのコポリエステルをガラス転移温度より10
℃低い温度で減圧下20時間乾燥後プレスシートを作製し
て、そのガスバリヤー製を測定した。その結果、酸素ガ
ス透過係数は 1.9ml・mm/m2・day・atm、また炭酸ガス透過係数は17ml・m
m/m2・day・atmであった。
比較作製例1 テレフタル酸とエチレングリコールとより常法にしたが
って極限粘度0.70dl/gのポリエチレンテレフタレート
を製造した。このポリエチレンテレフタレートを用いて
作製例1と同様にして作製したプレスシートの酸素ガス
透過係数は 4.5ml・mm/m2・day・atm、また炭酸ガス透過係数は25ml・m
m/m2・day・atmであった。
作製例2 テレフタル酸398.6g、エチレングリコール178.8g、グ
リコール酸18.3gを用いる以外は作製例1と同様の方法
によってコポリエステルを合成した。このコポリエステ
ルの極限粘度は 0.75dl/gまたこのコポリエステル中のテレフタル酸、
エチレングリコールおよびグリコール酸の各成分単位の
含量はそれぞれ47.6モル%、45.9モル%、および4.7モ
ル%、またこのコポリエステルのガラス転移温度は69℃
であった。さらにこのコポリエステルを用いて作製例1
と同様にして作製したプレスシートの炭酸ガス透過係数
は 20ml・mm/m2・day・atmであった。
比較作製例2 テレフタル酸398.6g、エチレングリコール178.8gおよ
びグリコール酸7.3gを用いる以外は作製例1と同様の
方法によってコポリエステルを合成した。このコポリエ
ステルの極限粘度は 0.74dl/gまたこのコポリエステル中のテレフタル酸、
エチレングリコールおよびグリコール酸の各成分単位の
含量はそれぞれ49.1モル%、47.4モル%および1.9モル
%であり、またこのコポリエステルのガラス転移温度は
71℃であった。しかし、このコポリエステルを用いて作
製例1と同様の方法によっで作製したプレスシートの炭
酸ガス透過係数を測定したところ、24ml・mm/m2・day・at
mであり、比較作製例1に示したポリエチテンテレフタ
レートのプレスシートの値とほとんど変わらない値であ
った。
比較作製例3 テレフタル酸398.6g、エチレングリコール178.8gおよ
びグリコール酸246.4gを用いる以外は作製例1と同様
の方法によってコポリエステルを合成した。このコポリ
エステルの極限粘度は0.66dl/g、またこのコポリエステ
ル中のテレフタル酸、エチレングリコールおよびグリコ
ール酸の各成分単位の含量はそれぞれ30.0モル%、27.7
モル%、および40.1%、またこのコポリエステルのガラ
ス転移温度は39℃であった。さらにこのコポリエステル
を用いて作製例1と同様に乾燥したのちプレスシートを
作製した。しかしながら得られたプレスシートは強度が
弱く、クラックが発生するためにガスバリヤー性を測定
することができなかった。
作製例3 グリコール酸のかわりに乳酸32.4gを用いる以外は作製
例1と同様にして、テレフタル酸、エチレングリコール
および乳酸を原料とするコポリエステルを合成した。こ
のコポリエステルの極限粘度は0.70dl/g、またこのコポ
リエステル中のテレフタル酸および乳酸の各成分単位の
含量はそれぞれ46.6モル%、45.2モル%、および6.9モ
ル%であり、またこのコポリエステルのガラス転移温度
は65℃であった。さらにこのコポリエステルを用いて作
製例1と同様にして作製したプレスシートの炭酸ガス透
過係数は18ml・mm/m2・day・atmであった。
作製例4 グリコール酸のかわりにα−ヒドロキシ酪酸を原料とす
るコポリエステルを合成した。このコポリエステルの極
限粘度は0.68dl/g、またこのコポリエステル中のテレフ
タル酸、エチレングリコールおよびα−ヒドロキシ酪酸
の各成分単位の含量はそれぞれ46.5モル%、45.1モル
%、および6.9%であり、またこのコポリエステルのガ
ラス転移温度は63℃であった。さらにこのコポリエステ
ルを用いて作製例1と同様にして作製したプレスシート
の炭酸ガス透過係数は20ml・mm/m2・day・atmであった。
作製例5 テレフタル酸のかわりにテレフタル酸358.7gとイソフ
タル酸39.9gとの混合物を用いる以外は作製例1と同様
にして、テレフタル酸、イソフタル酸、エチレングリコ
ールおよびグリコール酸を原料とするコポリエステルを
合成した。このコポリエステルの極限粘度は0.74dl/g、
またこのコポリエステル中のテレフタル酸、イソフタル
酸、エチレングリコールおよびグリコール酸の各成分単
位の含量はそれぞれ41.9モル%、4.7モル%、45.0モル
%および6.8%でありまたこのコポリエステルのガラス
転移温度は62℃であった。さらにこのコポリエステルを
用いて作製例1と同様にして作製したプレスシートの炭
酸ガス透過係数は14ml・mm/m2・day・atmであった。
作製例6 エチレングリコールのかわりにエチレングリコール164.
5gとネオペンチルグリコール20.3gとの 混合物を用いる以外は作製例1と同様にしてテレフタル
酸、エチレングリコール、ネオペンチルグリコールおよ
びグリコール酸を原料とするコポリエステルを合成し
た。このコポリエステルの極限粘度は0.73dl/g、またこ
のコポリエステル中のテレフタル酸、エチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコールおよびグリコール酸の各成
分単位の含量はそれぞれ46.5モル%、41.2モル%、3.6
モル%および6.8%であり、またこのコポリエステルの
ガラス転移温度は64℃であった。さらにこのコポリエス
テルを用いて作製例1と同様にして作製したプレスシー
トの炭酸ガス透過係数は17ml・mm/m2・day・atmであっ
た。
作製例7 エチレングリコールのかわりにエチレングリコール160.
9gとビス(4-β−ヒドロキシエトキシフェニル)スル
ホン81.2gとの混合物を用いる以外は作製例1と同様に
してテレフタル酸、エチレングリコール、ビス(4-β−
ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンおよびグリコー
ル酸を原料とするコポリエステルを合成した。このコポ
リエステルの極限粘度は0.74dl/g、またこのコポリエス
テル中のテレフタル酸、エチレングリコール、ビス(4-
β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンおよびグリ
コール酸の各成分単位の含量はそれぞれ46.5モル%、4
0.2モル%、4.5モル%および6.8モル%であり、またこ
のコポリエステルのガラス転移温度は82℃であった。さ
らにこのコポリエステルを用いて作製例1と同様にして
作製したプレスシートの炭酸ガス透過係数は18ml・mm/m
2・day・atmであった。
作製例8 テレフタル酸のかわりにテレフタル酸398.6gとトリメ
ット酸1.51gとの混合物を用いる以外は作製例1と同様
にしてテレフタル酸、トリメット酸、エチレングリコー
ルおよびグリコール酸を原料とするコポリエステルを合
成した。このコポリエステルの極限粘度は0.68dl/g、ま
たこのコポリエステル中のテレフタル酸、エチレングリ
コールおよびグリコール酸の各成分単位の含量はそれぞ
れ46.3モル%、45.1モル%、および6.9モル%であり、
またこのコポリエステルのガラス転移温度は67℃であっ
た。さらにこのコポリエステルを用いて作製例1と同様
にして作製したプレスシートの炭素ガス透過係数は16ml
・mm/m2・day・atmであった。
作製例9 エチレングリコールのかわりにエチレングリコール178.
8gとグリセリン0.80gとの混合物を用いる以外は作製
例1と同様にしてテレフタル酸、エチレングリコール、
グリセリンおよびグリコール酸を原料とするコポリエス
テルを合成した。このコポリエステルの極限粘度は0.65
dl/g、またこのコポリエステル中のテレフタル酸、エチ
レングリコール、グリコール酸の各成分単位の含量はそ
れぞれ46.5モル%、44.5モル%、および6.9モル%であ
り、またこのコポリエステルのガラス転移温度は67℃で
あった。さらにこのコポリエステルを用いて作製例1と
同様にして作製したプレスシートの炭酸ガス透過係数は
16ml・mm/m2・day・atmであった。
作製例10 エチレングリコールのかわりにエチレングリコール178.
8gと1,1,1-トリメチロールエタン0.87gとの混合物を
用いる以外は実施例1と同様にして、テレフタル酸、エ
チレングリコール、1,1,1-トリメチロールエタンおよび
グリコール酸を原料とするコポリエステルを合成した。
このコポリエステルの極限粘度は0.67dl/g、またはこの
コポリエステル中のテレフタル酸、エチレングリコール
およびグリコール酸の各成分単位の含量はそれぞれ46.5
モル%、45.5モル%、および6.8モル%であり、またこ
のコポリエステルのガラス転移温度は66℃であった。さ
らにこのコポリエステルを用いて作製例1と同様にして
作製したプレスシートの炭酸ガス透過係数は16ml・mm/m
2・day・atmであった。
作製例11 エチレングリコールのかわりにエチレングリコール178.
8gとペンタエリスリトール0.65gとの混合物を用いる
以外は作製例1と同様にして、テレフタル酸、エチレン
グリコール、ペンタエリスリトールおよびグリコール酸
を原料とするコポリエステルを合成した。このコポリエ
ステルの極限粘度は0.67dl/g、またこのコポリエステル
の中のテレフタル酸、エチレングリコールおよびグリコ
ール酸の各成分単位の含量はそれぞれ46.6モル%、44.9
モル%、および6.8モル%であり、またこのコポリエス
テルのガラス転移温度は68℃であった。さらにこのコポ
リエステルを用いて作製例1と同様にして作製したプレ
スシートの炭酸ガス透過係数は17ml・mm/m2・day・atmで
あった。
作製例12 作製例1と同じ条件で溶融重合して合成した、極限粘度
が0.70dl/gのテレフタル酸、エチレングリコールおよび
グリコール酸を原料とするコポリエステルを、150℃で
2時間乾燥窒素雰囲気下で結晶化したのち、190ないし2
00℃で12時間乾燥窒素気流下に保持して固相重合を行っ
た。このようにして得られた固相重合コポリエステルの
極限粘度は0.83dl/g、またこのコポリエステルのガラス
転移温度は69であった。さらにこの固相重合コポリエス
テルを用いて作製例1と同様にして作製したプレスシー
トの炭酸ガス透過係数は、16ml・mm/m2・day・atmであっ
た。
作製例13 作製例1と同じ条件で溶融重合して合成した、極限粘度
が0.70dl/gのテレフタル酸、エチレングリコールおよび
グリコール酸を原料とするコポリエステルを、150℃で
2時間乾燥窒素雰囲気下で結晶化したのち、190ないし2
10℃で12時間、1mmHg以下の減圧下に保持して固相重合
を行った。このようにして得られた固相重合コポリエス
テルの極限粘度は1.20dl/g、またこのコポリエステルの
ガラス転移温度は69℃であった。さらにこの固相重合コ
ポリエステルを用いて作製例1と同様に作製したプレス
シートの炭酸ガス透過係数は、15ml・mm/m2・day・atmで
あった。
比較作製例4 圧力が1mmHgでの溶解重縮合の時間を30分間にする以外
は作製例1と同じ条件で溶融重縮合を行いテレフタル
酸、エチレングリコールおよびグリコール酸を原料とす
るコポリエステルを合成した。このコポリエステルの極
限粘度は0.38dl/gであり、またこのコポリエステルのガ
ラス転移温度は65℃であった。さらにコポリエステルの
プレスシートの作製を作製例1と同様の条件で試みた。
しかしながら、作製後のプレスシートは非常にもろく、
クラックが入ったものであったために、ガスバリヤー性
の測定はできなかった。
比較作製例5 作製例1と同じ条件で溶融重合して合成した、極限粘度
が0.70dl/gのテレフタル酸、エチレングリコールおよび
グリコール酸を原料とするコポリエステルを、150℃で
2時間乾燥窒素雰囲気下で結晶化したのち、200ないし2
10℃で36時間1mmHg以下の減圧下に保持して固相重合を
行った。このようにして得られた固相重合コポリエステ
ルの極限粘度は1.77dl/gであった。このことにより、極
限粘度が1.8dl/g以上のコポリエステルを得るために
は、固相重合には非常に長時間を要することとなり、ま
ず経済性の面で好ましくないと考えられた。さらにこの
コポリエステルのプレスシートの作製を作製例1と同様
の条件で試みたところ、場所によって厚みが若干異なる
プレスシートが得られた。
実施例1 作製例1のコポリエステルを用いて200μのプレスシー
トを作製し、さらに二軸延伸装置を用いて縦軸方向およ
び横軸方向にそれぞれ3倍に85℃で同時延伸して、平均
厚み約22μの二軸延伸フィルムを作製した。この二軸延
伸フィルムの厚みの最大値と最小値との差は約3μであ
った。さらにこの二軸延伸フィルムの酸素ガス透過係数
は1.1ml・mm/m2・day・atmであり、また炭酸ガス透過係数
は、12ml・mm/m2・day・atmであった。
比較例1 比較作製例1のポリエチレンテレフタレートを用いて90
℃で延伸する以外は実施例1と同様にして平均厚み約22
μの二軸延伸フィルムを作製した。この二軸延伸フィル
ムの厚みの最大値と最小値との差は約3μであった。さ
らにこの二軸延伸フィルムの酸素ガス透過係数は2.6ml・
mm/m2・day・atmであり、また炭酸ガス透過係数は、18ml
・mm/m2・day・atmであった。
実施例2 作製例3のコポリエステルを用いて、実施例1と同様に
して平均厚み約22μの二軸延伸フィルムを作製した。こ
の二軸延伸フィルムの厚みの最大値と最小値との差は約
3μであった。さらにこの二軸延伸フィルムの炭酸ガス
透過係数は、13ml・mm/m2・day・atmであった。
実施例3 作製例10のコポリエステルを用いて、実施例1と同様に
して平均厚み約22μの二軸延伸フィルムを作製した。こ
の二軸延伸フィルムの厚みの最大値と最小値との差は約
2μであった。さらにこの二軸延伸フィルムの炭酸ガス
透過係数は、12ml・mm/m2・day・atmであった。
実施例4 作製例12のコポリエステルを用いて、実施例1と同様に
して平均厚み約22μmの二軸延伸フィルムを作製した。
この二軸延伸フィルムの厚みの最大値と最小値との差は
約2μであった。さらにこの二軸延伸フィルムの炭酸ガ
ス透過係数は、11ml・mm/m2・day・atmであった。
実施例5 実施例1におけるテレフタル酸、エチレングリコールお
よびグリコール酸を原料とするコポリエステルの約200
μのプレスシートと比較例1におけるポリエチレンテレ
フタレートの約200μのプレスシートとを重ね合わせ
て、つづいてさらにプレス成形して厚さ約約200μの複
層のプレスシートを作製した。この福複層のプレスシー
トのコポリエステル層とポリエチレンテレフタレート層
との密着性は良好であった。さらにこの複層のプレスシ
ートを実施例1と同様の条件で同時に二軸延伸して平均
厚み約22μの二軸延伸フィルムを作製した。この二軸延
伸フィルムのコポリエステル層およびポリエチレンテレ
フタレート層の厚みはいずれも約11μであったことか
ら、コポリエステル層およびポリエチレンテレフタレー
ト層はいずれも均一に延伸していることが確かめられ
た。またこの二軸延伸フィルムのコポリエステル層およ
びポリエチレンテレフタレート層との密着性も良好であ
った。さらにこの二軸延伸フィルムの炭酸ガス透過係数
は、14ml・mm/m2・day・atmであった。
実施例6 作製例1と同様の条件でテレフタル酸、エチレングリコ
ールおよびグリコール酸を原料とする極限粘度が0.71dl
/gのコポリエステルを大量に製造した。このコポリエス
テルを射出成形して予備成形品(コールドパリソン)を
作製し、さらにこの予備成形品を遠赤外の加熱装置を用
いて85℃〜90℃に加熱しこれを延伸ブロー成形機を用い
て縦約2.5倍、横約4.3倍に延伸して最小肉厚部が300
μ、内容積が約1リットルの延伸ボトルを成形した。つ
ぎにこの延伸ボトルの酸素ガス透過度および炭酸ガス透
過度を測定したところそれぞれ 0.5ml/day・bottle・atmおよび 2.6ml/day・bottle・atmであった。
比較例2 比較作製例1と同様の条件で合成した極限粘度が0.71dl
/gのポリエチレンテレフタレートを用いて、実施例6と
同様に成形して、最小肉厚が300μ、内容積が約1リッ
トルの延伸ボトルを作製した。この延伸ボトルの酸素ガ
ス透過度は1.1ml/day・bottle・atmであり、また炭酸ガ
ス透過度は、4.0ml/day・bottle・atmであった。
実施例7 まず最初に比較例2のポリエチレンテレフタレートの射
出成形を行ない、つぎに実施例6のテレフタル酸、エチ
レングリコールおよびグリコール酸を原料とするコポリ
エステルを再度射出成形して、ポリエチレンテレフタレ
ート層が内側であり、コポリエステル層が外側であり、
各々の厚みがいずれも約1.5mmからなる予備成形品を作
製した。ついでこの予備成形品を実施例6と同様に延伸
ブロー成形機を用いて延伸し最小肉厚部のポリエチレン
テレフタレート層が約150μまたはテレフタル酸、エチ
レングリコールおよびグリコール酸を原料とするコポリ
エステル層が約150μであり、内容積が約1リットルの
延伸ボトルを作製した。この延伸ボトルの酸素ガス透過
度は0.8ml/day・bottle・atmであり、また炭酸ガス透過
度は、3.2ml/day・bottle・atmであった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) テレフタル酸成分単位を主成分と
    する芳香族系ジカルボン酸成分単位が45モル%を超え
    49モル%以下、 (b) エチレングリコール成分単位を主成分とするジ
    オール成分単位が45モル%を超え49モル%以下、 (c) 炭素原子数が5以下の脂肪族系α−ヒドロキシ
    カルボン酸成分単位が2モル%以上10モル%未満、お
    よび (d) 炭素原子数が3ないし15の範囲にありかつ3
    個以上のカルボキシル基またはヒドロキシル基を有する
    多官能性成分単位が0ないし5モル%、 から構成される実質上線状の共縮合ポリエステルであっ
    て、その物性が (e)極限粘度[η]が0.4ないし1.8dl/gの
    範囲にあり、かつ (f)ガラス転移点が40ないし100℃の範囲にある
    共縮合ポリエステルから予備成形品を製造し、 次いでこの予備成形品を延伸することを特徴とする共縮
    合ポリエステル延伸物の製造方法。
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