JPH0432974Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、自動停止装置付きのスライドフアス
ナー用スライダーにおいて、引手を着脱自在とし
た考案に関するものである。

従来の技術 従来の自動停止装置付きスライドフアスナー用
スライダーとしては、実公昭57−58966号公報、
実公昭58−3527号公報、実公昭61−27449号公報
等に示されるように各種のものが提案されている
が、その引手は、スライダーの組立工程中で組み
付けられるものである。

考案が解決しようとする問題点 上述の従来の自動停止装置付きスライドフアス
ナー用スライダーは、スライダーの組立工程中で
引手が組み付けられる構造であるため、完成後の
スライダーは引手の交換ができず、スライドフア
スナーの需要者の要求に合致する引手を取り付け
ることは不可能であり、自動停止装置付きスライ
ドフアスナー用スライダーの付加価値の増大は望
めなかつた。

このため本考案は、自動停止装置付きのスライ
ドフアスナー用スライダーにおいて、その引手を
需要者の要求、好み等に合致させてスライダー完
成後に装着できるように、また、任意に、容易に
着脱し、交換できるようにすることを目的として
考案されたものである。

問題点を解決するための手段 本考案は、上述の目的を達成するため、スライ
ダーの上翼片のダイヤモンド部から後口部に向け
て、下向き凹状の引手保持体が配設されており、
該引手保持体内のダイヤモンド部寄り位置には停
止爪体が上下回動自在に装着され、該停止爪体に
は、前記上翼片に開設された係止窓孔から務歯列
位置に突出する係止爪と、後口部に向つて開口
し、引手の取付軸部を収容する作動凹溝が形成さ
れ、かつ前記係止爪を常時係止窓孔から突出させ
るよう付勢されていると共に、前記引手保持体の
後口部側の端部と上翼片との間〓部が引手の取付
軸部の挿通間〓とされ、該間〓部には該挿通間〓
の閉鎖部材が間〓閉鎖位置と、ダイヤモンド部側
へ寄つた間〓開口位置との間を摺動できるよう配
設されていると云う構成としたものである。

作 用 本考案は上述の構成であるから、務歯列の噛合
状態において引手を解放すると、係止爪体はバネ
による付勢によつてその係止爪を上翼片の係止窓
孔から務歯列位置に突出させてスライダーの摺動
を止める。

その状態で引手を斜め上方向またはスライダー
摺動方向に向けて引くと、引手の取付軸部によつ
て停止爪体の作動凹溝を介して係止爪体が上動
し、係止爪が務歯列から離れスライダーは自由に
摺動できるようにする。

他方、引手保持体の後口部側の端部と上翼片と
の間の間〓部を常時閉鎖している閉鎖部材は、間
〓閉鎖位置とダイヤモンド部側へ寄つた間〓開口
位置との間を摺動できるので、該閉鎖部を間〓開
口位置へ押進させると、前記間〓部が開口される
ので、この部分から引手の取付軸部を引手保持体
下面に挿入し、更に停止爪体の作動凹溝に挿入す
ることにより、スライダー完成後における引手の
取付けが完了する。

上述の閉鎖部材は引手挿入後、閉鎖位置に戻す
ことにより引手の不測の抜脱は防止されるし、引
手取付後においても、該閉鎖部材を間〓開口位置
に移動させれば、既存の引手の取り外し、別の引
手の取付けを行ないうるものである。

実施例 第１図乃至第６図は第１の実施例を示してお
り、第１図，第２図に示されるように、スライダ
ー１は、上翼片２のダイヤモンド部３から後口部
４に向けて下向き凹状の引手保持体５が配置され
ており、引手保持体５の内部空所６のダイヤモン
ド部３寄り位置には、停止爪体７が上下方向に回
動自在に装着されている。

図示例では、上翼片２の上面８のダイヤモンド
部３寄り位置に並列して立設された取付片９，１
０の間に、停止爪体７が挿入され、両者の軸孔１
１，１２にピン１３が挿入されて停止爪体７が矢
印Ａ，Ｂ方向たる上下方向に回動自在に装着され
ていると共に、上記取付片９，１０と停止爪体７
とに上方から被せられた引手保持体５が、軸孔１
４にピン１３を挿入され、カシメされることによ
り、該引手保持体７が上翼片２に不動に固定され
る。図中符号１５は引手保持体５の基部１６の取
付溝である。

上翼片２の略中央位置には、係止窓孔１７が上
面８から務歯案内路１８に貫通して開設されてお
り、前記停止爪体７にはこの係止窓孔１７を通つ
て務歯案内路１８内に突出し、図示を省略した務
歯列に噛合する係止爪１９が下垂状態で形成され
ている。

また該停止爪体７には、取付状態において後口
部４に向つて開口し、引手２０の取付軸部２１を
収容する作動凹溝２２が形成されると供に、後端
下面２３とダイヤモンド部３に穿設された小孔２
４との間に縮設されたバネ２５により、常時係止
爪１９を務歯案内路１８内へ突出させるよう付勢
されている。

前述の引手保持体５の後口部４側の端部２６と
上翼片２との間〓部２７は、引手２０の取付軸部
２１の挿通間〓とされ、この間〓部２７には閉鎖
部材２８が、第２図に示される間〓閉鎖位置と、
第３図に示されるようにダイヤモンド部３側へ寄
つた間〓開口位置との間を摺動できるように配設
されている。

閉鎖部材２８を上述のように摺動させるため、
上翼片２の上面８には、後口部４から取付片９，
１０に達するまでの間に欠肉部２９が形成され欠
肉部２９の両側部と底部とに案内溝３０，３１，
３２が削設され、穿設閉鎖部材２８にこれ等の案
内溝３０，３１，３２に嵌入する突条３３，３４
が形成されている。

欠肉部２９の後口部４に臨む位置には、前記案
内溝３０，３１の延長線上を外側へ外れた位置に
膨肉部３５，３６が形成され、閉鎖部材２８が欠
肉部２９内へ嵌着されたのち、該膨肉部３５，３
６は案内溝３０，３１の延長線上へ圧潰され、閉
鎖部材２８の脱出を阻止するストツパーとされ
る。

引手保持体５の下面には、端部２６に連続して
退避空間３７が形成され、更にダイヤモンド部３
寄り位置に収納空間３８が形成され、両空間の間
に連続縁部３９が突設されている。

閉鎖部材２８には、間〓閉鎖位置において、間
〓部７を、引手２０の取付軸部２１が通過できな
いように閉鎖する第１の閉鎖部４０と、同じく間
〓閉鎖位置において、前記連続縁部３９を引手２
０の取付軸部２１が通過できないように閉鎖する
第２の閉鎖部４１とが形成されており、第１第２
の両閉鎖部４０，４１の間には、引手２０の取付
軸部２１を没入させうる凹部４２が形成されると
共に、該閉鎖部材２８のダイヤモンド部３側の端
面からは窓溝４３が上下に貫設され、該閉鎖部材
２８は平面形状が略Ｕ字形をなすよう構成されて
いる。上述の窓溝４３は、閉鎖部材２８が間〓開
口位置を占めたとき、上翼片２の係止窓孔１７の
周壁４４との干渉を防ぎ、十分な摺動ストローク
を得さしめるものであり、このストロークは、閉
鎖部材２８が既述の間〓開口位置を占めたとき、
第１の閉鎖部４０と第２の閉鎖部４１とが、引手
保持体５の端部２６と連続縁部３９との両者の位
置よりダイヤモンド部３側へ移動し、端部２６と
連続縁部３９と閉鎖部４０，４１との間に、引手
２０の取付軸部２１を通過させうる広さの間〓を
形成するに足りる長さに設定されている。

第１図中符号４５は閉鎖部材２８が常時間〓閉
鎖位置を保つよう、該部材２８を付勢するバネ
で、図示を省略したが上翼片２のダイヤモンド部
３寄り位置に形成された取付孔と閉鎖部材２８の
取付孔との間に縮設されるものである。

上述の第１図，第２図に示されるスライダー１
には、第３図乃至第６図に示される順序で引手２
０が組み付けられる。

即ち、第１工程として、第２図中矢印Ｃで示さ
れるように、引手２０を押進させ、引手取付軸部
２１で間〓閉鎖位置を占める閉鎖部材２８の第１
の閉鎖部４０の外端を押圧すると、第３図に示さ
れるように、第１の閉鎖部４０が、引手保持体５
の端部２６の位置から外れ、間〓部２７が取付軸
部２１を通過させうるよう広く開口されるので、
取付軸部２１を間〓部２７から、第３図中鎖線で
示されるように引手保持体５の退避空間３７内へ
移動させると、閉鎖部材２８はバネ４５の弾力で
元の間〓閉鎖位置に戻るので、その時点で第２工
程として、取付軸部２１を退避空間３７から閉鎖
部材２８の凹所４２へ移動させ、第４図の状態と
する。

第４図の状態としたのち、第３工程として、再
び引手２０を矢印Ｃ方向に押進させると、閉鎖部
材２８は再び第３図の状態となり、第２の閉鎖部
４１が連続縁部３９の位置から外れ、引手２０の
取付軸部２１は凹所４２に納められたまゝ連続縁
部３９の下を通過して収納空間３８の下へ移動さ
れ、同時に停止爪体７の作動凹溝２２内へもたら
され、第５図の状態とされる。

第５図の状態としたのち、第４工程として引手
２０を矢印Ｄで示すように上動させて取付軸部２
１を収納空間３８内へ移動させると、第６図に示
されるように、取付軸部２１と第２の閉鎖部４１
との干渉が無くなるので閉鎖部材２８はバネ４５
の弾力で間〓閉鎖位置へ戻る。

第６図の状態では、停止爪体７は、作動凹溝２
２内へ進入した取付軸部２１により、上方へ回動
されているが、引手２０を解放すると、停止爪体
７はバネ２５の弾力で逆方向へ回動され、第２図
中取付軸部２１を鎖線で示した状態とされ、引手
２０の取り付けが完了する。

第２図中鎖線で示される取付軸部２１の位置に
引手２０があるとき、矢印Ｅで示す方向へ引手２
０を引くと、取付軸部２１は、閉鎖部材２８の第
２の閉鎖部４１の斜面４６に沿つて上動し、停止
爪体７の作動凹溝２２を上方へ押圧し、停止爪体
７を第６図の位置まで回動させるので、係止爪１
９と図示を省略した務歯との係合が外れ、スライ
ダー１の停止が解除されるものである。

閉鎖部材２８の閉鎖部４０，４１と、引手保持
体５の端部２６、連続縁部３９等の形状、構造等
は、本考案の目的の範囲内で種々変更されうるこ
とは勿論であり、第７図は引手保持体４７に、そ
の端部４８に連続させて収納空間４９を設けると
共に、閉鎖部材５０に１個の閉鎖部５１のみを設
け、この閉鎖部５１で、引手保持体４７の端部４
８と上翼片５２との間の引手挿通間〓たる間〓部
５３および、該間〓部５３と収納空間４９との連
続部５４とを同時に閉鎖し、同時に開口できるよ
うにしたもので、引手保持体４７を第１の実施例
より短かくしうるものである。

第８図は第３の実施例を示しており、第１図，
第２図に示す実施例に比し、そのピン１３とバネ
２５とを省略し、停止爪体５５に、ダイヤモンド
部５６寄りの下端に、先端を半円弧断面として支
点部５７を設け、この支点部５７を上翼片５８に
設けた略半円弧断面の受溝５９で受支すると共に
引手保持体６０内部上方に設けた板バネ６３で停
止爪体５５の上面を弾圧し、係止爪６１が常時係
止窓孔６２から下方へ突出しているよう付勢した
ものであり、作用、機能は第１の実施例のものと
全く同一であるが、機構全体を簡略化したもので
ある。

効 果 本考案は、以上説明した構成、作用のものであ
つて、スライダー停止時には停止爪体の係止爪に
よつて、停止位置に係止され、ロツクされるが、
引手をスライダー摺動方向に向け、斜上方あるい
は摺動方向へ引くと、その操作で前記係止、ロツ
クが解除され、務歯の噛合、解離が行なわれる。

また閉鎖部材をダイヤモンド部方向へ押進ささ
せると、引手保持体内へ引手の取付軸部を挿入さ
せる間〓部が開口され、スライダー完成後におい
て引手を取り付け、あるいは取り外して別の引手
と交換できる等の効果を奏し、自動停止装置付き
スライドフアスナー用スライダーの付加価値を著
しく高めうる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１の実施例の分解斜面図、第２図は
第１図に示されるものの引手取付直前の状態を示
す縦断面図、第３図，第４図，第５図および第６
図は第１図に示すものを引手取付工程順に示す縦
断面図、第７図は第２の実施例の縦断面図、第８
図は第３の実施例の縦断面図である。 １……スライダー、２……上翼片、３……ダイ
ヤモンド部、４……後口部、５……引手保持体、
７……停止爪体、８……上面、１７……係止窓
孔、１９……係止爪、２０……引手、２１……取
付軸部、２２……作動凹溝、２６……端部、２７
……間〓部、２８……閉鎖部材、２９……欠肉
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スライダー１の上翼片２，５２，５８のダイヤ
   モンド部３，５６から後口部４に向けて、下向き
   凹状の引手保持体５，４７，６０が配設されてお
   り、該引手保持体５，４７，６０内のダイヤモン
   ド部３，５６寄り位置には停止爪体７，５５が上
   下回動自在に装着され、該停止爪体７，５５に
   は、前記上翼片２，５２，５８に開設された係止
   窓孔１７，６２から務歯列位置に突出する係止爪
   １９，６１と、後口部４に向つて開口し引手２０
   の取付軸部２１を収容する作動凹溝２２が形成さ
   れ、かつ前記係止爪１９，６１を常時係止窓孔１
   ７，６２から突出させるよう付勢されていると共
   に、前記引手保持体５，４７，６０の後口部４側
   の端部２６，４８の上翼片２，５２，５８との間
   〓部２７，５３が引手２０の取付軸部２１の挿通
   間〓とされ、該間〓部２７，５３には、該挿通間
   〓の閉鎖部材２８，５０が間〓閉鎖位置と、ダイ
   ヤモンド部３，５６側へ寄つた間〓開口位置との
   間を摺動できるよう配設されている引手を着脱で
   きる自動停止装置付きスライドフアスナー用スラ
   イダー。