JP5592563B2 - スライドファスナー用スライダー - Google Patents

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Description

本発明は、スライドファスナー用スライダーに関し、より詳細には、引手を胴体に着脱可能なスライドファスナー用スライダーに関する。
従来のスライドファスナー用スライダーとしては、胴体と、胴体の上面に立設される柱部に支持されるロック部材と、柱部及びロック部材を上方から覆うカバー部材と、柱部、ロック部材、及びカバー部材を貫通し、ロック部材の回転中心となるピンと、カバー部材の端部と胴体との間に形成され、引手が挿通される間隙を開閉する開閉部材と、を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
日本国実公平4−32974号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のスライドファスナー用スライダーでは、開閉部材の第2閉塞部の上面が胴体の上翼板と略平行に形成されているため、ロック部材の作動凹部に引手を挿入し難くなる場合があった。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロック部材の作動凹部に引手を挿入しやすくすることができるスライドファスナー用スライダーを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)胴体と、胴体の上面の前端部に立設される柱部に揺動可能に支持されるロック部材と、柱部及びロック部材を上方から覆うカバー部材と、カバー部材の後端部と胴体との間に形成され、引手の軸部が挿通される間隙を開閉する開閉部材と、を備え、開閉部材が胴体に対して前後方向に摺動可能に設けられるスライドファスナー用スライダーであって、開閉部材は、開閉部材の後端部に形成され、側面視略台形状の第1閉鎖部と、開閉部材の前端部に形成され、側面視略台形状の第2閉鎖部と、を有し、第2閉鎖部の上面が前上りに延びる平面状の斜面に形成されることを特徴とするスライドファスナー用スライダー。
(2)第2閉鎖部は、上面、前面、及び後面を有し、後面が前上りに延びる平面状の斜面に形成され、上面の傾斜角度が、後面の傾斜角度よりも小さいことを特徴とする(1)に記載のスライドファスナー用スライダー。
(3)カバー部材は、天板と、天板の両側縁から下方に延びる左右一対の側面板と、天板の前端部から下方に延びる前面板と、天板の後端部から下方に延びる後面板と、を有し、左右一対の側面板は、その下端面において、下向きに凹状に形成される退避部及び引手収容部と、退避部と引手収容部との間に形成され、下方に延びる突片と、を有し、第2閉鎖部の上面は、突片の下端面と対向して配置され、上面と突片の下端面との間の隙間が、胴体の前方に向けて漸次狭まることを特徴とする(1)又は(2)に記載のスライドファスナー用スライダー。
本発明のスライドファスナー用スライダーによれば、開閉部材の第2閉鎖部の上面が前上りに延びる平面状の斜面に形成されるため、引手の軸部が作動凹部の底(奥)部分に入り込もうとする作用が生じて、ロック部材の作動凹部に引手の軸部を挿入しやすくすることができる。
本発明に係るスライドファスナー用スライダーの第1実施形態を説明する分解斜視図である。 図1に示すスライドファスナー用スライダーの引手が装着されていない状態の縦断面図である。 図2に示す開閉部材の拡大断面図である。 引手の軸部が挿通間隙に押し込まれた状態を説明するスライダーの縦断面図である。 引手の軸部が開閉部材の谷部に入り込んだ状態を説明するスライダーの縦断面図である。 引手の軸部が挿通間隙に更に押し込まれた状態を説明するスライダーの縦断面図である。 引手の軸部がカバー部材の引手収容部に入り込んだ状態を説明するスライダーの縦断面図である。 引手の軸部がロック部材の作動凹部に収容された状態を説明するスライダーの縦断面図である。 第1実施形態のスライドファスナー用スライダーにおいて、引手が後方に引っ張られた際の引手の軸部の状態を説明する拡大縦断面図である。 開閉部材の第2閉鎖部の高さを低くした場合において、引手が後方に引っ張られた際の引手の軸部の状態を説明する拡大縦断面図である。 本発明に係るスライドファスナー用スライダーの第2実施形態を説明する分解斜視図である。 図11に示すスライドファスナー用スライダーの引手が装着されていない状態の縦断面図である。
以下、本発明に係るスライドファスナー用スライダーの各実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以後の説明において、上側とは図2の紙面に対して上側、下側とは図2の紙面に対して下側、前側とは図2の紙面に対して左側、後側とは図2の紙面に対して右側、右側とは図2の紙面に対して奥側、左側とは図2の紙面に対して手前側とする。また、スライダーの左右方向は幅方向ともいう。
(第1実施形態)
まず、図1〜図9を参照して、本発明に係るスライドファスナー用スライダーの第1実施形態について説明する。
本実施形態のスライドファスナー用スライダー10は、引手を胴体に着脱可能な自動停止機能付きスライダーであって、図1及び図2に示すように、胴体20を備えており、この胴体20は、上下方向に離間して並行に配置される上翼板21及び下翼板22と、上翼板21及び下翼板22を前端部において連結する案内柱23と、上翼板21の左右両側縁に沿って下方に向けて突設される上側フランジ24aと、下翼板22の左右両側縁に沿って上方に向けて突設される下側フランジ24bと、を備える。これにより、胴体20の前部には案内柱23により分離された左右の肩口25が形成され、胴体20の後部には後口26が形成される。そして、上翼板21と下翼板22との間には、左右の肩口25と後口26とを連通する略Y字状のエレメント案内路27が形成され、このエレメント案内路27は、不図示のファスナーエレメント列を挿通させる通路を構成する。
また、スライドファスナー用スライダー10は、上翼板21の上面の前端部に立設される柱部31に上下に揺動可能に支持されるロック部材40と、柱部31及びロック部材40を上方から覆うカバー部材50と、柱部31、ロック部材40、及びカバー部材50を貫通し、ロック部材40の回転中心となるピン11と、カバー部材50の後端部と上翼板21との間に形成され、引手15の軸部15aが挿通される間隙S(以下、「挿通間隙S」と称する)を開閉する開閉部材60と、を備える。
柱部31は、ロック部材40が嵌め込み可能な間隔をあけて離間した左右の壁部31a,31bを有しており、この左右の壁部31a,31bには、ピン11が挿通されるピン挿通穴31cが幅方向に沿ってそれぞれ形成されている。
ロック部材40は、図1及び図2に示すように、ピン11が挿通されるピン挿通穴41aを有する基部41と、基部41から後方に向けてそれぞれ延び、上下方向に対向して配置される上片部42及び下片部43と、を有する。また、上片部42と下片部43との間には、取付状態において、後口26側に向かって開口し、引手15の軸部15aを収容する作動凹部44が形成されている。また、下片部43の先端部には、上翼板21に形成される爪穴33を介してエレメント案内路27に入り込む爪部45が下方に向けて形成されている。また、爪穴33は、上翼板21の上面からエレメント案内路27に貫通している。
カバー部材50は、図1及び図2に示すように、上向きに凸状に湾曲した天板51と、天板51の両側縁から下方に延びる左右一対の側面板52と、天板51の前端部から下方に延びる前面板53と、天板51の後端部から下方に延びる後面板54と、を有する。また、左右一対の側面板52の後部の下端面には、退避部55が胴体20に対向して下向きに凹状に形成されている。また、左右一対の側面板52の中央部の下端面には、引手収容部56が胴体20に対向して下向きに凹状に形成されている。また、退避部55と引手収容部56との間には、下方に延びる突片57が形成されている。
そして、ロック部材40は、柱部31の左右の壁部31a,31b間に挿入され、ロック部材40のピン挿通穴41a及び左右の壁部31a,31bのピン挿通穴31cにピン11が挿通されることにより、胴体20に対して上下に揺動可能に軸支される。また、ピン11は、カバー部材50の左右一対の側面板52に形成される貫通穴52aに挿入されており、カバー部材50は、ピン11を介して柱部31に対して固定される。
また、図2に示すように、ロック部材40は、スライダー10に内蔵された第1コイルばね12により、ロック部材40の爪部45がエレメント案内路27に入り込むように付勢されている。具体的には、ロック部材40の基部41の下面に形成されるばね受け面41bと案内柱23に形成されるばね保持孔23aとの間に、第1コイルばね12が縮設されており、ロック部材40は、この第1コイルばね12の付勢力をばね受け面41bが受けることによりピン11を支点にして揺動し、爪部45が爪穴33からエレメント案内路27に突出するように常時付勢されている。なお、ばね受け面41bは、ロック部材40の基部41のピン挿通穴41aの前方且つ下方部分において、ロック部材40の上方へ段差状に窪んだ面に形成される。また、ばね保持孔23aは、スライダー10の上下方向に沿って延びており、第1コイルばね12を載せるための底面を有する。
開閉部材60は、図1及び図2に示すように、胴体20に取り付けられた状態においてロック部材40と接触しないように、平面視略U字状に形成されており、開閉部材60の後端部に形成され、側面視略台形状の第1閉鎖部61と、開閉部材60の前端部に形成され、側面視略台形状の第2閉鎖部62と、第1閉鎖部61と第2閉鎖部62との間に形成される凹状の谷部63と、を有する。
また、開閉部材60の両側面の下端部には、上翼板21の後部上面に前後方向に沿って形成されるガイド溝35にスライド可能に嵌合するガイド部64がそれぞれ形成されている。これにより、開閉部材60は、胴体20に対して前後方向に摺動可能に設けられる。また、開閉部材60の前端部とガイド溝35内に形成されるばね保持溝35aとの間には、第2コイルばね13が縮設されており、開閉部材60は、この第2コイルばね13の付勢力により、後口26側に常時付勢されている。
また、上翼板21の上面の後端部には、開閉部材60を挿通間隙Sを閉鎖する間隙閉鎖位置にて停止すると共に、開閉部材60のガイド溝35からの離脱を阻止する左右一対のストッパ36が形成される。そして、開閉部材60を挿通間隙Sを開放する間隙開放位置へとスライドさせ、引手15の軸部15aを挿通間隙Sに挿通させることにより、軸部15aは、ロック部材40の作動凹部44内に収容される。
そして、図3に示すように、開閉部材60の第2閉鎖部62は、前面65、上面66、及び後面67を有し、その上面66及び後面67は、前上りに延びる平面状の斜面に形成されている。また、上面66は、開閉部材60の下面(上翼板21の上面)に対して15度〜30度の角度θ1で上り傾斜する面である。さらに、上面66の傾斜角度θ1は、後面67の傾斜角度θ2よりも小さく設定されている。
また、後面67は、開閉部材60の下面に対して45度〜60度の角度θ2で上り傾斜する面である。また、前面65は、前下りで延びる平面状の斜面に形成され、開閉部材60の下面に対して45度〜70度の角度θ3で下り傾斜する面である。また、上面66と前面65の交点は、上面66と後面67の交点よりも上方に配置されている。
また、カバー部材50の突片57は、開閉部材60と上下方向に対向して配置されており、その突片57の下端面57aは、開閉部材60が隙閉鎖位置にて停止している時、開閉部材60の第2閉鎖部62の上面66と対面する。また、突片57の下端面57aは、上翼板21の上面と平行な面に形成される。そして、突片57の下端面57aが上翼板21の上面と平行な面であるのに、第2閉鎖部62の上面66が上翼板21の上面に対して前上りに傾斜する面であるので、第2閉鎖部62の上面66と突片57の下端面57aとの間の隙間が、胴体20の前方に向けて漸次狭まるようになっている。
次に、図4〜図8を参照して、スライドファスナー用スライダー10に引手15を取り付ける手順を説明する。
まず、図4に示すように、引手15の軸部15aを挿通間隙S内に後方から前方に押し込むことにより、開閉部材60が前方にスライドして、引手15の軸部15aがカバー部材50の退避部55内に入り込むと共に、図5に示すように、開閉部材60が後方にスライドして、引手15の軸部15aが開閉部材60の谷部63に入り込む。
次いで、図6に示すように、引手15の軸部15aを挿通間隙S内において更に前方に押し込むことにより、開閉部材60が前方にスライドして、引手15の軸部15aがカバー部材50の引手収容部56内にロック部材40を上方に持ち上げながら入り込む(図7参照)と共に、図8に示すように、開閉部材60が後方にスライドして、引手15の軸部15aがロック部材40の作動凹部44に挿入される。
このように構成されたスライドファスナー用スライダー10では、図6及び図7に示すように、引手15の軸部15aがカバー部材50の退避部55内から前方に押し込まれることにより、軸部15aが開閉部材60の第2閉鎖部62の上面66及び後面67に接触して、軸部15aが前方且つ上方に案内される。これにより、引手15の軸部15aがロック部材40の作動凹部44に容易に挿入される。
ここで、引手15の軸部15aを挿入しやすくするために、開閉部材60の第2閉鎖部62の高さを低くすることも考えられるが、この場合、引手15が後方に引っ張られると、図10に示すように、軸部15aがカバー部材50の突片57の前方角部に接触して、カバー部材50を上方に持ち上げようとする曲げ応力が発生してしまう。しかし、本実施形態では、上面66を前上りの斜面に形成して、第2閉鎖部62の高さを十分に確保しているので、引手15が後方に引っ張られたとしても、図9に示すように、軸部15aがカバー部材50の突片57の前面に接触して、カバー部材50を持ち上げようとする曲げ応力はほぼ発生しない。
以上説明したように、本実施形態のスライドファスナー用スライダー10によれば、第2閉鎖部62の上面66が前上りに延びる平面状の斜面に形成されるため、引手15を挿入する際に、引手15の軸部15aが斜面状の上面66により上方に案内されると、軸部15aが、ロック部材40の上片部42を自動的に持ち上げ、上面66と上片部42との間を通って、作動凹部44の底(奥)部分に入り込もうとする作用が生じる。これにより、ロック部材40の作動凹部44に引手15の軸部15aを挿入しやすくすることができる。
(第2実施形態)
次に、図11及び図12を参照して、本発明に係るスライドファスナー用スライダーの第2実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
本実施形態では、上記第1実施形態と同様に、図11及び図12に示すスライドファスナー用スライダー110の開閉部材160の第2閉鎖部162の上面66が、前上りに延びる平面状の斜面に形成されている。また、第2閉鎖部162の前面65及び後面67も上記第1実施形態と同様である。
スライドファスナー用スライダー110は、引手を胴体に着脱可能な自動停止機能付きスライダーであって、図11及び図12に示すように、胴体120を備えており、この胴体120は、上下方向に離間して並行に配置される上翼板121及び下翼板122と、上翼板121及び下翼板122を前端部において連結する案内柱123と、上翼板121の左右両側縁に沿って下方に向けて突設される上側フランジ124aと、下翼板122の左右両側縁に沿って上方に向けて突設される下側フランジ124bと、を備える。これにより、胴体120の前部には案内柱123により分離された左右の肩口125が形成され、胴体120の後部には後口126が形成される。そして、上翼板121と下翼板122との間には、左右の肩口125と後口126とを連通する略Y字状のエレメント案内路127が形成され、このエレメント案内路127は、不図示の左右一対のファスナーエレメント列を挿通させる通路を構成する。
また、スライドファスナー用スライダー110は、上翼板121の上面の前端部に立設される柱部131に上下に揺動可能に支持されるロック部材140と、上翼板121の上面の前端部に取り付けられ、柱部131及びロック部材140を上方から覆うカバー部材150と、カバー部材150の後端部と上翼板121との間に形成され、引手15の軸部15aが挿通される間隙S(以下、「挿通間隙S」と称する)を開閉する開閉部材160と、を備える。
柱部131は、ロック部材140が嵌め込み可能な間隔をあけて離間した左右の壁部131a,131bと、左右の壁部131a,131b間に形成される支持凸部132と、を有する。
ロック部材140は、図11及び図12に示すように、胴体120の柱部131に支持される基部141と、基部141から後方に向けてそれぞれ延び、上下方向に対向して配置される上片部142及び下片部143と、を有する。また、上片部142と下片部143との間には、取付状態において、後口126側に向かって開口し、引手15の軸部15aを収容する作動凹部144が形成されている。また、下片部143の先端部には、上翼板121に形成される爪穴133を介してエレメント案内路127に入り込む爪部145が下方に向けて形成されている。また、基部141の下面には、柱部131の支持凸部132に揺動可能に支持される支持凹部141aが形成されている。また、爪穴133は、上翼板121の上面からエレメント案内路127に貫通している。
カバー部材150は、図11及び図12に示すように、上向きに凸状に湾曲した天板151と、天板151の両側縁から下方に延びる左右一対の側面板152と、天板151の前端部から下方に延びる前面板153と、天板51の後端部から下方に延びる後面板154と、を有する。また、左右一対の側面板152の後部の下端面には、退避部155が胴体120に対向して下向きに凹状に形成されている。また、左右一対の側面板152の中央部の下端面には、引手収容部156が胴体120に対向して下向きに凹状に形成されている。また、退避部155と引手収容部156との間には、下方に延びる突片157が形成されている。
また、左右一対の側面板152の前端側下端部には、上翼板121の前端部に形成される嵌合溝134に嵌合する嵌合片158がそれぞれ形成されている。そして、この嵌合片158を嵌合溝134に嵌合し、左右一対の側面板152を柱部131の左右の壁部131a,131bの外側面に形成される凹部131cにかしめることによって、カバー部材150は、その前端部が上翼板121の前端部に固定され、胴体120に対して前後方向に沿って片持状に取り付けられる。また、嵌合溝134は、柱部131の左右にそれぞれ形成され、胴体120の前後方向に延びている。また、嵌合片158は、カバー部材150の左右一対の側面板152の下端から側方へ突出している。
また、ロック部材140とカバー部材150との間には、ロック部材140の爪部145がエレメント案内路127に入り込むように付勢する長方形の板ばね170が設けられている。この板ばね170の前後端部には、係止凹部171がそれぞれ形成されており、この前後の係止凹部171を、カバー部材150の天板151の前後に形成される係止凸部151aにそれぞれ係止させることにより、カバー部材150内に板ばね170が装着される。また、係止凸部151aは、カバー部材150の内部(天板151、左右一対の側面板152、前面板153、及び後面板154により囲まれた空間内)に配置されている。
開閉部材160は、図11及び図12に示すように、胴体120に取り付けられた状態においてロック部材140と接触しないように、平面視略U字状に形成されており、開閉部材160の後端部に形成され、側面視略台形状の第1閉鎖部161と、開閉部材160の前端部に形成され、側面視略台形状の第2閉鎖部162と、第1閉鎖部161と第2閉鎖部162との間に形成される凹状の谷部163と、を有する。
また、開閉部材160の両側面の下端部には、上翼板121の後部上面に前後方向に沿って形成されるガイド溝135にスライド可能に嵌合するガイド部164がそれぞれ形成されている。これにより、開閉部材160は、胴体120に対して前後方向に摺動可能に設けられる。また、開閉部材160の前端部とガイド溝135内に形成されるばね保持溝135aとの間には、コイルばね112が縮設されており、開閉部材160は、このコイルばね112の付勢力により、後口126側に常時付勢されている。
また、上翼板121の上面の後端部には、開閉部材160を挿通間隙Sを閉鎖する間隙閉鎖位置にて停止すると共に、開閉部材160のガイド溝135からの離脱を阻止する左右一対のストッパ136が形成されている。そして、開閉部材160を挿通間隙Sを開放する間隙開放位置へとスライドさせ、引手15の軸部15aを挿通間隙Sに挿通させることにより、軸部15aは、ロック部材140の作動凹部144内に収容される。
また、カバー部材150の突片157は、開閉部材160と上下方向に対向して配置されており、その突片157の下端面157aは、開閉部材160が隙閉鎖位置にて停止している時、開閉部材160の第2閉鎖部162の上面66と対面する。また、突片157の下端面157aは、上翼板121の上面と平行な面に形成される。そして、突片157の下端面157aが上翼板121の上面と平行な面であるのに、第2閉鎖部162の上面66が上翼板121の上面に対して前上りに傾斜する面であるので、第2閉鎖部162の上面66と突片157の下端面157aとの間の隙間が、胴体120の前方に向けて漸次狭まるようになっている。
その他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と同様である。
なお、本発明は上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
10,110 スライドファスナー用スライダー
20,120 胴体
31,131 柱部
40,140 ロック部材
50,150 カバー部材
51,151 天板
52,152 側面板
53,153 前面板
54,154 後面板
55,155 退避部
56,156 引手収容部
57,157 突片
57a,157a 下端面
60,160 開閉部材
61,161 第1閉鎖部
62,162 第2閉鎖部
65 前面
66 上面
67 後面
15 引手
15a 軸部
S 挿通間隙
θ1 上面の傾斜角度
θ2 後面の傾斜角度
θ3 前面の傾斜角度

Claims (3)

  1. 胴体(20,120)と、
    前記胴体の上面の前端部に立設される柱部(31,131)に揺動可能に支持されるロック部材(40,140)と、
    前記柱部及び前記ロック部材を上方から覆うカバー部材(50,150)と、
    前記カバー部材の後端部と前記胴体との間に形成され、引手(15)の軸部(15a)が挿通される間隙(S)を開閉する開閉部材(60,160)と、を備え、
    前記開閉部材が前記胴体に対して前後方向に摺動可能に設けられるスライドファスナー用スライダー(10,110)であって、
    前記開閉部材は、前記開閉部材の後端部に形成され、側面視略台形状の第1閉鎖部(61,161)と、前記開閉部材の前端部に形成され、側面視略台形状の第2閉鎖部(62,162)と、を有し、
    前記第2閉鎖部の上面(66)が前上りに延びる平面状の斜面に形成されることを特徴とするスライドファスナー用スライダー。
  2. 前記第2閉鎖部(62,162)は、前記上面(66)、前面(65)、及び後面(67)を有し、
    前記後面が前上りに延びる平面状の斜面に形成され、
    前記上面の傾斜角度(θ1)が、前記後面の傾斜角度(θ2)よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のスライドファスナー用スライダー。
  3. 前記カバー部材(50,150)は、天板(51,151)と、前記天板の両側縁から下方に延びる左右一対の側面板(52,152)と、前記天板の前端部から下方に延びる前面板(53,153)と、前記天板の後端部から下方に延びる後面板(54,154)と、を有し、
    前記左右一対の側面板は、その下端面において、下向きに凹状に形成される退避部(55,155)及び引手収容部(56,156)と、前記退避部と前記引手収容部との間に形成され、下方に延びる突片(57,157)と、を有し、
    前記第2閉鎖部(62,162)の前記上面(66)は、前記突片の下端面(57a,157a)と対向して配置され、前記上面と前記突片の前記下端面との間の隙間が、前記胴体(20,120)の前方に向けて漸次狭まることを特徴とする請求項1又は2に記載のスライドファスナー用スライダー。
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