JPH04320416A - エポキシ樹脂用硬化剤マスターバッチ - Google Patents

エポキシ樹脂用硬化剤マスターバッチ

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JPH04320416A
JPH04320416A JP3070615A JP7061591A JPH04320416A JP H04320416 A JPH04320416 A JP H04320416A JP 3070615 A JP3070615 A JP 3070615A JP 7061591 A JP7061591 A JP 7061591A JP H04320416 A JPH04320416 A JP H04320416A
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adduct
curing agent
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epoxy resin
epoxy
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室井 宗一
Sekizen Sai
蔡 錫全
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエポキシ樹脂用の硬化剤
マスターバッチに関するものである。さらに詳しくは硬
化剤マスターバッチとしての貯蔵安定性およびエポキシ
樹脂への配合性に優れていることは勿論のこと、エポキ
シ樹脂に配合しては、硬化速度が速くかつ貯蔵安定性に
優れた低粘性の1成分系硬化組成物を与えるエポキシ樹
脂用の硬化剤マスターバッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂硬化体は接着性、機械的性
質、熱的性質、耐薬品性および電気的性質に優れている
ことから、塗料、接着剤、電気・電子用絶縁材料として
、幅広く工業的に利用されている。これらの用途に用い
られるエポキシ樹脂配合物は、大きく1成分系と2成分
系に分けられる。
【0003】2成分系はエポキシ樹脂配合物と硬化剤ま
たはその配合物からなり、それらは別々に保管されて、
必要に応じて両者を計量、混合して使用に供されるが、
計量ミスを避けて常に均質な硬化組成物とすることは実
用上困難なことが多い。エポキシ樹脂と硬化剤との反応
は混合と同時に始まる、エポキシ樹脂硬化組成物の一般
的な形態は液状であるが、この形態の硬化組成物につい
ていえば、系の粘度は混合後次第に上昇し、ゲル化を経
て硬化にいたる。ゲル化して使用に供し得なくなるまで
の時間は可使時間と呼ばれる。可使時間はエポキシ樹脂
と硬化剤の化学構造と配合によって定まる。一般的に硬
化速度の速い系ほど可使時間は短くなる。硬化速度に主
眼をおけば室温あるいは低温硬化配合も可能となるが、
必然的に可使時間が短くなり、少量を頻繁に配合する必
要が生ずるなど作業効率の大幅の低下が免れ難い。
【0004】これに対して1成分系は予めエポキシ樹脂
と硬化剤が配合されているために、2成分系に付随する
問題点はすべて解消される。このような目的に供される
硬化剤は潜在性硬化剤と呼ばれる。もっとも単純な1成
分系は、高温硬化型の硬化剤、例えばジシアンジアミド
、フェノールノボラック、アジピン酸ジヒドラジド、ジ
アリルメラミン、ジアミノマレオニトリル、BF3 −
アミン錯体、アミン塩、変性イミダゾール化合物などの
配合で得られる。これらの高温硬化型硬化剤は硬化速度
が遅く、室温における反応が遅々として進まないために
、見掛け上ある程度の期間室温またはそれ以下の温度で
の安定な貯蔵が可能で、高温加熱で硬化する1成分配合
を可能とする。これが室温ではエポキシ樹脂に溶解しな
い高温硬化型硬化剤で、粒子として分散されていると、
貯蔵安定性は格段に改良される。これは明らかにエポキ
シ樹脂との接触面積が極端に小さくなるためである。こ
のような分散型硬化剤もまた一種の潜在性硬化剤といえ
る。
【0005】ただしこのような潜在性硬化剤では十分な
貯蔵安定性をもつエポキシ樹脂硬化組成物の調製は不可
能である。十分に長い貯蔵安定性をもつ本格的な1成分
系エポキシ樹脂硬化組成物は、そのままの状態では本質
的にエポキシ樹脂とは反応しないが、刺激により活性化
する本格的な潜在性硬化剤の配合を必要とする。熱分解
により活性化されるアミンイミド化合物、水分との接触
により活性化されるケチミン化合物、光照射により活性
化される芳香族ジアゾニウム塩化合物、ジアリルヨード
ニウム塩化合物、トリアリルスルホニウム塩またはセレ
ニウム塩化合物、機械的圧力または熱で破壊される材料
でマイクロカプセル化された硬化剤などが挙げられる。
【0006】なかでももっとも実用化がすすんでいるの
が、アミン化合物/エポキシ化合物付加体固形粒子を多
官能性イソシアネート化合物で処理してその潜在硬化性
を大幅に改良した硬化剤であり、特開昭64−7052
3および特開平1−113480で技術の詳細が開示さ
れている。この場合、多官能性イソシアネートは付加体
粒子と反応してその表面にカプセル膜を形成することが
推定されている。どうしてもコスト的に高くなるこの種
の潜在性硬化剤においては、等当量比添加にこだわるこ
となく、少量の添加でも硬化が可能なイオン重合型硬化
剤が有利となる。性能面からは、金属腐食のおそれのな
いアニオン重合型硬化剤(3級アミン付加体)が好まれ
る。アミン化合物/エポキシ化合物付加体は、溶媒中で
アミン化合物とエポキシ樹脂を反応させた後、系から溶
媒を除去して一先ず塊状として得られる。次いで粉砕し
、さらに分級して目的とするサイズの硬化剤粒子が取り
出される。次いでアミン化合物/エポキシ化合物付加体
粒子は液状エポキシ樹脂に分散され、加熱状態で多官能
性ポリイソシアネート化合物を添加して、反応させるこ
とで目的とする潜在性硬化剤のマスターバッチが製造さ
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来的な製造
方法において、アミン化合物/エポキシ化合物付加体粒
子として用いられるのは破砕状の形状をもつ粒子である
。このために粘度に対する寄与が大きく、取り扱いうる
粘度で硬化剤マスターバッチを製造すると、その有効含
有率は比較的低く調節せざるを得ない。したがってこの
硬化剤マスターバッチを配合してエポキシ樹脂硬化組成
物を調製する場合、硬化対象としてのエポキシ樹脂が硬
化剤マスターバッチ分散媒としてのエポキシ樹脂と同じ
である場合には問題はないが、種類を異にする場合には
分散媒エポキシ樹脂による硬化対象エポキシ樹脂の稀釈
が問題となる。一方エポキシ樹脂硬化組成物においても
硬化剤粒子の破砕形状はその粘度を著しく高めるので、
配合設計の自由度を低下させるので好ましくない。 例えば、エポキシ樹脂においては熱膨張係数を小さくす
るために樹脂組成物中にフィラーを添加することが通常
行われているが、フィラーの添加によって組成物の粘度
が上昇するので、フィラーの添加量を増大させるために
はもとの硬化組成物の粘度を出来る限り低くすることが
好ましい。このために、多官能性イソシアネート化合物
で処理したアミン化合物/エポキシ化合物付加硬化剤と
して折角優れたさまざまな利点をもちながらも、それが
1成分系硬化組成物においてはそれが十分に生かされる
にはいたっていない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは従来の技術
における多官能性ポリイソシアネート化合物で処理した
アミン化合物/エポキシ化合物付加体粒子がもつ課題を
克服し、1成分系エポキシ樹脂硬化組成物の利点が十分
に生かせる硬化剤を開発すべく鋭意研究を重ねて、本発
明をなすにいたった。
【0009】すなわち本発明は:従来技術における有機
溶媒中でのアミン化合物とエポキシ化合物との付加反応
に際して、有機溶媒にアミン化合物とエポキシ化合物は
溶解する付加体は溶解しないものを選び、さらに適当な
分散安定剤を共存させ、生成する球状付加体粒子を凝集
させることなく安定に分散させることによって、比較的
大型の制御されたサイズ、即ち直径が1μmを超え、3
0μm以下の球状アミン化合物/エポキシ化合物付加体
粒子を得、これを液状エポキシ樹脂中に分散させてから
多官能性ポリイソシアネート化合物で処理することによ
って潜在性硬化剤マスターバッチを製造しようとするも
のである。ここで述べた球状アミン化合物/エポキシ化
合物付加体粒子については、特願平2−138176に
詳細に開示されている。本発明のアミン化合物/エポキ
シ化合物付加体粒子は図1に示すように球状であるがゆ
えに、図2に示す従来法による破砕状粒子に比べて、粘
度に対する寄与が格段に小さくなる。また直径が1μm
を超える比較的大きなサイズの粒子を用いることにより
粘度上昇に対する寄与を小さくすることができる。その
ために硬化剤マスターバッチは高濃度での製造が可能と
なるために、硬化組成物の配合においては、硬化対象エ
ポキシ樹脂に対する稀釈効果が低減されるとともに、硬
化組成物の粘度に対する寄与も小さくなり、配合設計の
自由度が格段に改良される。
【0010】以下本発明に関してさらに詳細に説明する
。まず付加体原料としてのアミン化合物とエポキシ化合
物であるが、これらは硬化剤としての付加体の性質を考
慮して選択される。重要なのはアニオン重合硬化を推進
する化学構造、融点、溶融状態で硬化対象となる配合エ
ポキシ樹脂に対する優れた相溶性、速い硬化性および添
加効果(少ない添加量での高い硬化反応性)である。 ただしここでいう融点とは、通常の融点測定法における
溶融開始温度と定義する。この目的に供されるアミン化
合物としてはすべての種類が対象たりうるが、それに組
み合わせるエポキシ化合物の種類による制約を受ける。 なぜならば本発明においては、重合を避けて付加反応に
とどめねばならないからである。1官能性エポキシ化合
物に対してはすべての種類のアミン化合物を組み合わせ
ることが可能であるが、多官能性エポキシ化合物に組み
合わせうるのはエポキシ基との反応に寄与する活性水素
を1個しかもたないアミン化合物だけてとなる。いずれ
の場合においても活性水素をもたない3級アミノ基が含
まれていることは一向に差し支えない。むしろ付加体の
硬化反応に寄与するアミノ基濃度を高める。すなわち硬
化剤としての添加効果を高めるうえにおいて、その存在
は好ましい。
【0011】多官能性エポキシ化合物に組み合わせうる
アミン化合物の例を挙げれば、2−メチルイミダゾール
や2,4−ジメチルイミダゾールを代表とするイミダゾ
ール化合物、N−メチルピペラジンやN−ヒドロキシエ
チルピペラジンを代表とするピペラジン化合物、アナバ
シンを代表とするアナバシン化合物、3,5−ジメチル
ピラゾールを代表とするピラゾール化合物、テトラメチ
ルグアニジンやプリンを代表とするプリン化合物、ピラ
ゾールを代表とするピラゾール化合物、1,2,4−ト
リアゾールを代表とするトリアゾール化合物などである
【0012】もう一方の原料であるエポキシ化合物とし
てもすべての種類が対象たりうる。例を挙げれば1官能
性化合物としてはn−ブチルグリシジルエーテル、スチ
レンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、2官能性
化合物としてはビスフェノールAジグリシジルエーテル
、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノ
ールSジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエ
ステル、3官能性化合物としてはトリグリシジルイソシ
アヌレート、トリグリシジルパラアミノフェノール、4
官能性化合物としてはテトラグリシジルメタキシレンジ
アミン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、
それ以上の官能基をもつ化合物としてはクレゾールノボ
ラックポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック
ポリグリシジルエーテルなどである。ただし組み合わせ
るアミン化合物の種類によって制約を受けることはアミ
ン化合物について述べたと同様である。すなわち活性水
素を1個しかもたないアミン化合物についてはすべての
種類のエポキシ化合物の組み合わせが可能であるが、2
個以上の活性水素をもつアミン化合物に組み合わせうる
のは1官能性のエポキシ化合物だけである。
【0013】エポキシ化合物は、生成する付加体の融点
と溶融状態での(硬化対象であるエポキシ樹脂に対する
)相溶性を考慮して選ばれる。硬化対象となるエポキシ
樹脂としては圧倒的な量がビスフェノールAジグリシジ
ルエーテルで占められているから、付加体原料としての
エポキシ化合物としては、それに対する相溶性に優れか
つコスト的にも有利なこの化合物が一般的に用いられる
。エポキシ化合物において、エポキシ基の濃度はエポキ
シ当量で表わされる。エポキシ当量が低くなるほどエポ
キシ基濃度が高くなるが、付加体の3級アミノ基濃度を
可及的に低下させないために、高いエポキシ基濃度が望
ましい。したがってエポキシ化合物のエポキシ当量とし
ては、できるかぎり小さいことが望まれる。通常は1,
000以下、好ましくは500以下のエポキシ化合物が
用いられる。
【0014】アミン化合物/エポキシ化合物付加体の融
点は、アミン化合物とエポキシ樹脂の化学構造、ならび
に付加の方式、付加体の構造およびアミン化合物に対す
るエポキシ樹脂の付加比率によって決定される。それら
の適切な選択により、目的に応じて低融点から高融点の
付加体を合成することが可能となる。融点が高くなるほ
ど取り扱いやすくなるが、反対に配合物の硬化反応開始
温度か高くなる。したがって硬化性からみれば融点は低
いにこしたことはないが、取り扱い性、とくに夏期にお
ける取り扱いを考慮すると、最低50℃の融点を必要と
する。
【0015】原料としてのアミン化合物とエポキシ化合
物を溶解し、その付加生成体を粒子として沈殿させる溶
媒の選択は重要である。一般的にいって物質はその極性
が近似した溶媒に溶解する。溶媒の極性の高さは溶解度
パラメーター(単位:(cal./cm3 )1/2 
)で表わされるが、この表示方法にしたがって一般的な
溶解範囲を示せば、エポキシ化合物:8〜11、アミン
化合物:8以上、アミン化合物/エポキシ化合物付加体
:11〜16となる。したがって目的とする本発明の沈
殿反応を実施するためには、溶解度パラメーターが8〜
11の溶媒が適当である。本発明の実施に用いられる溶
媒の例を挙げれば、メチルイソブチルケトン、メチルイ
ソプロピルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、酢
酸、n−ブチルアセテート、イソブチルアセテート、エ
チルアセテート、メチルアセテート、テトラヒドロフラ
ン、1,4−ジオキサン、セロソルブ、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、アニソール、トルエン、p−キシレン、ベ
ンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチ
レン、クロロベンゼン、ピリジンなどがある。単独ある
いは2種以上の組み合わせで使用に供される。溶解度パ
ラメーターが8〜11の範囲外の溶媒であっても、2種
以上の組み合わせで特定した範囲内の溶解度パラメータ
ーに調節して使用に供することも可能である。ただし適
合する溶媒の正確な溶解度パラメーターは当然アミン化
合物とエポキシ化合物の化学構造によって多少異なるの
で、個々の場合に応じて厳密に選択することが肝要であ
る。選択が厳密でないと、確かに沈殿反応は円滑に進行
したとしても、溶媒に対する生成付加体の溶解度が高く
て収率が低くなるということもありうる。
【0016】分散安定剤は、沈殿反応において析出する
付加体粒子を安定に溶媒中に分散する。それが存在しな
いと、生成した付加体粒子が反応中に凝固して、目的と
する球状粒子が得られなくなる。この目的に供される分
散安定剤としては、生成した付加体と有機溶媒の両方に
対してともに高い親和性をもつ両親媒性の高分子化合物
が適する。化学構造的にはグラフト共重合体、ブロック
共重合体、ランダム共重合体およびその他の重合体のい
ずれもが資格要件をそなえている。
【0017】グラフト共重合体の例を挙げれば:スチレ
ンをグラフト共重合したメチルメタクリレート/メタク
リル酸共重合体、メチルメタクリレート/2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート共重合体、ポリ2−ヒドロキシ
メタクリレート、ポリ2,3−ジヒドロキシプロピルメ
タクリレート、ポリアクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル
、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレ
ンオキシドおよびポリ4−ビニル−エチルピリジウムブ
ロミド、メチルメタクリレートをグラフト共重合したメ
チルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、グリシジ
ルメタクリレート/スチレン共重合体およびメチルメタ
クリレート/フルオロアルキルアクリレート共重合体、
メタクリル酸をグラフト共重合したポリブタジエンおよ
びメチルメタクリレート/グリシジルメタクリレート共
重合体、N−メチロールアクリルアミドをグラフト共重
合したポリメチルメタクリレートおよび2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート共重合体、12−ヒドロキシステ
アリン酸をグラフト共重合したポリメチルメタクリレー
ト、エチルアクリレート/メタクリル酸共重合体、メチ
ルアクリレート/メタクリル酸共重合体およびスチレン
/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタク
リレートをグラフト共重合したポリメチルメタクリレー
トならびにエチレンオキシドをグラフト共重合したポリ
塩化ビニル、メチルメタクリレートをグラフト共重合し
たスチレン/グリシジルメタクリレートなどがある。
【0018】ブロック共重合体の例を挙げれば:ポリラ
ウリルメタクリレート/ポリメタクリル酸ブロック共重
合体、ポリスチレン/ポリメタクリル酸ブロック共重合
体、ポリエチレンオキシド/ポリスチレン/ポリエチレ
ンオキシドブロック共重合体およびポリ12−ヒドロキ
システアリン酸/ポリエチレングリコール/ポリ12−
ヒドロキシステアリン酸などがある。
【0019】またランダム共重合体の例を挙げれば:酢
酸ビニル/ビニルアルコール共重合体、酢酸ビニル/N
−ビニルピロリドン共重合体、N−ビニルピロリドン/
メチルメタクリレートなどがある。さらにその他の重合
体の例としてはカチオン化したアミン変性ポリエステル
などが挙げられる。
【0020】分散安定剤の分子量が高くなるほど安定化
効果は増大するが、限度をこえて分子量を高くすると、
反対に凝集効果が次第に強くなるので逆効果となる。し
たがって本発明の目的に叶う分散安定剤の分子量として
は1,000から200,0000、好ましくは2,0
00から100,000の範囲が適する。分散安定剤と
しては上述のように多種類のものが存在するが、その効
果は当然アミン化合物/エポキシ化合物の化学構造によ
って異なる。実用的には試行錯誤的な選択を必要とする
【0021】選ばれた溶媒に選ばれたアミン化合物とエ
ポキシ化合物を溶解し、さらに選ばれた分散安定剤を溶
解して、攪拌しながら加熱すると、当初透明であった溶
液は付加体の生成に伴って不透明になる。反応の進行に
伴って系の不透明度はしだいに増し、分散液特有の白濁
状を呈するようになる。反応率100%まで反応を進め
、スプレードライヤーで噴霧乾燥すれば、目的とする球
状の硬化剤粒子が得られる。
【0022】付加体粒子のサイズは原料の種類、反応条
件および分散安定剤の種類と添加量によって決定される
。これらの因子のうち決定的なのは分散安定剤の種類で
ある。例えば2−メチルイミダゾールとビスフェノール
Aジグリシジルエーテルとのメチルイソブチルケトン中
での沈殿反応において、スチレンまたはメチルメタクリ
レートをグラフト共重合したメチルアクリレート/メタ
クリル酸共重合体分散剤はミクロンサイズの粒子径を与
えるのに対して、カチオン化したアミン変性ポリエステ
ルはサブミクロンの微粒子を与える。次に大きな影響を
及ぼすのは反応条件であり、一般的にいって原料濃度、
分散安定剤濃度、反応温度および反応率が高くなるほど
、また攪拌速度が遅くなるほど生成する粒子は大きくな
る。低粘度、高濃度硬化剤マスターパッチを目的とする
本発明においては、直径1μmを超える比較的大きなサ
イズの粒子を用い、1μmを超え30μm以下の範囲の
粒子サイズが好ましい。
【0023】硬化剤マスターバッチ分散媒として用いら
れる液状エポキシ樹脂にとって基本的に重要なのは、そ
れが含む水酸基と粘度である。水酸基はポリイソシアネ
ートと反応して系の粘度を上昇させ、極端な場合にはゲ
ル化にいたらしめる。したがってこの目的に供する液状
エポキシ樹脂としては水酸基をまったく含まないかまた
は含有してもその水準がきわめて低いことが要求される
。また粘度はできるだけ低いことが望ましい。分散媒の
粘度が低いほど高い濃度での付加体粒子の分散が可能に
なる。この基本的要件に加えて、配合するエポキシ樹脂
と硬化配合物の用途も考慮されるべきである。分散媒と
してのエポキシ樹脂も硬化構造に組み入れられるのでこ
の配慮は当然のことである。高耐熱性配合の場合にはこ
の目的に叶った分散媒エポキシ樹脂が、低金属腐食性配
合においては分解性塩素含有率の低い分散媒エポキシ樹
脂が選ばれるべきである。
【0024】硬化剤マスターバッチは、液状エポキシ樹
脂に分散した付加体粒子を多官能性イソシアネート化合
物で処理することによって製造される。この目的に供さ
れる多官能性イソシアネート化合物としては、トルエン
ジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネー
トの1核体および多核体、水添メチレンジフェニルジイ
ソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレ
ンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシア
ネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネー
ト、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリ
イソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チ
オホスフェート、ならびにそれらと他の活性水素含有化
合物との付加反応で生成する多官能性イソシアネート化
合物などである。これら多官能性イソシアネート化合物
の付加体に対する添加量は硬化剤マスターバッチの貯蔵
安定性と硬化反応性を支配する。同じ付加体粒子につい
ていえば、添加量が多くなるほど貯蔵安定性は改良され
るが、反対に硬化反応性は低下する。本発明における1
〜30μmの範囲の粒子に対しては、1〜20%、好ま
しくは2〜10%の範囲である。貯蔵安定性と硬化反応
性の折衷点は粒子サイズによって異なる。粒子サイズが
小さくなるほど、折衷点における多官能性イソシアネー
トの必要添加量は多くなる。
【0025】付加体粒子はまず分散媒液状エポキシ樹脂
に均一に分散される。微細粒子は往々にして2次粒子を
形成しているので、1次粒子としての分散のためには機
械的分散処理を必要とする。具体的には、例えば3本ロ
ールによる混練が挙げられる。次いで付加体粒子を分散
したエポキシ樹脂は、攪拌下に硬化剤の融点以下に加熱
される。所定の温度に達したところで、過度の温度上昇
が起きない速度でポリイソシアネート化合物を添加し、
加熱を続けながら付加体粒子の処理を行なう。反応時間
の経過とともに系中のポリイソシアネート化合物濃度は
低下する。イソシアネート基の完全な消失をもって反応
終了とする。この処理により付加体粒子表面にカプセル
膜が形成されることは、すでに特願平2−163966
で明らかにされている。以下実施例によりさらに詳細に
説明する。
【0026】比較例1 温度計、還流冷却器およびステンレス鋼製プロペラー型
攪拌装置をそなえた内容積3,000mlの丸底三つ口
フラスコに、キシレン600gと2−メチルイミダゾー
ル(2Mz)300gを仕込み、攪拌しながら120℃
に加熱して、2Mzを完全に溶解させた。攪拌をつづけ
ながら、300gのキシレンに680gのエポキシ当量
186のビスフェノールAジグリシジルエーテル(BA
DGE)(油化シェル株式会社製、エピコート828)
を溶解した溶液を、温度を120℃に保ちながら90分
間にわたって添加した。生成した付加体はキシレンに不
溶のために、反応の進行に伴って粘ちょうな飴状体とし
て析出した。さらに2時間にわたって反応を続け、通常
用いられるエポキシ基の分析法により、反応率が98%
以上に到達したことを確認してから、温度を室温まで下
げた。
【0027】攪拌を停止し、上層のキシレンを傾斜法で
除去してから、フラスコの内容物を140℃に加熱し、
残留キシレンを10mmHgの減圧下で留去した。次い
で溶融している付加体を浅皿に流し込み、冷却して赤褐
色の付加体塊を得た。これをジェットミルで繰り返し粉
砕し、最後に分級してストークス径で2.9μmの粒子
を得た。なおストーク径は、粉砕粒子を、卓上型超音波
洗浄機(井内盛栄堂製、SINPAR  VS−100
III )を用いてシクロヘキサン中に分散してから、
超遠心式自動粒度分布測定装置(掘場製作所製、CAP
A−700型)で測定した。粒子形状を図2に電子顕微
鏡写真で示す。
【0028】こうして製造した破砕状付加体粒子200
gをエポキシ当量173のほとんど水酸基を含まないB
ADGE(ダウケミカル社製DER332)300gに
加え、簡単に粗練してから3本ロールミルを3回通して
完全に分散した。分散液250gを加熱可能な攪拌装置
付き反応器に移し、攪拌しながら60℃に加熱した。こ
の温度を保ちながら、約1時間にわたって4gのメチレ
ンジフェニルジイソシアネートのホルマリン縮合体(ポ
リMDI)(日本ポリウレタン工業株式会社製、ミリオ
ネートMR−300)を添加し、同温度を保ちながら2
時間加熱してから冷却して、硬化剤マスターバッチを調
製した。島津製作所製FTIR分析計を用いての測定に
よれば、未反応のポリMDIはほとんど残存していなか
った。こうして製造された硬化剤マスターバッチの性質
を表1に示す。初期粘度はブルックフィールド粘度計に
よる測定結果であり、安定貯蔵期間はゲル化するまでの
期間である。
【0029】次に調製した硬化剤マスターバッチの硬化
剤としての性質を調べるために、エピコート828に対
して、付加体基準でエピコート828に対して10%(
10phr)となるように硬化剤マスターバッチを配合
して硬化組成物とした。この硬化組成物について、初期
粘度、硬化速度の目安としてのゲル化時間(ストローク
キュア法による測定)および安定貯蔵期間を測定した。 結果を表1に示す。さらに硬化組成物の一部を100℃
で1時間、次いで150℃で3時間加熱硬化して硬化体
を作成し、そのガラス転移温度(Tg)、引張り特性お
よび吸水率を測定した。測定方法は以下の通りである。 Tg:示差熱分析計による測定、引張り特性:JIS 
 K7113に基づく測定、吸水率:直径39mm、厚
さ4mmの試料を100℃の水に6時間浸漬した後、そ
の重量増加率を測定。結果を表1に示す。
【0030】比較例2 比較例1と同様に製造された2Mz/エピコート828
付加体をジェットミルで粉砕して、ストークス径で9.
8μmの粒子を得、これを比較例1と同様にして、DE
R332マスターバッチとした。ただし、処理に使用し
たポリMDIの量だけは異なり、付加体粒子基準で2%
であった。この硬化剤マスターバッチの性質、および比
較例1と同様にして調製した硬化組成物の性質ならびに
硬化体の性質は表1に示す。
【0031】実施例1 温度計、還流冷却器およびガラス製半月型攪拌装置を備
えた内容積5,000mlの丸底三つ口フラスコに、2
,805gのメチルイソブチルケトン(MIBK)を仕
込み、これに150gの2Mzと分散安定剤としてメチ
ルメタクリレートをグラフト共重合したスチレン/グリ
シジルメタクリレート(東亜合成株式会社製、レゼタG
P300)24.3gとメチルメタクリレートをグラフ
ト共重合したメチルメタクリレート/メタクリル酸共重
合体の32.3%MIBK溶液(東亜合成株式会社製、
レゼダGP101S)150.5gを加えてから、温度
を70℃に上げて完全に溶解した。ついでエピコート8
28の50%溶液672.9gを加え、内容物を400
rpmの速度で攪拌しながら、70℃で9時間反応させ
た。当初ごく薄く濁った反応液は、反応時間が経過する
につれて、次第に乳白色、不透明な液に変化し、反応終
期においてはクリーム色を帯びた乳白色液となった。
【0032】70℃で9時間の反応で反応率100%に
達したら、室温に冷却し、スプレードライヤー(ヤマト
科学株式会社製有機溶剤系用スプレードライヤー、GS
−31型)で噴霧乾燥して、乾燥硬化剤粒子を回収した
。噴霧乾燥の条件は、つぎの通りであった。
【0033】噴霧ノズル径:          0.
4mm乾燥チャンバー入口温度:110℃ 乾燥チャンバー出口温度:75℃ 熱風流量:              0.53m3
 /min.噴霧圧力:              
1.0kg/cm2送液速度:           
   7.9g/min.コンデンサー出口温度:  
12℃ この噴射乾燥により、ほぼ理論量の乾燥粒子が回収され
た。硬化剤粒子の平均サイズは比較例1で述べた方法で
測定した結果、1.1μmであった。また回収されたM
IBKの回収率は98.8%であった。このMIBKは
分析に供したが、原料は一切検出されなかった。
【0034】こうして調製された付加体粒子200gを
300gのDER332に加え、簡単に粗練してから3
本ロールミルを通して完全に分散した。比較例1および
2の粉砕状付加体粒子の場合には、完全分散にロールミ
ル3回パスを必要としたが、本実施例の球状付加体粒子
の場合には、1回パスで完全分散状態に達した。分散液
250gを加熱可能な攪拌装置付き反応器に移し、攪拌
しながら60℃に加熱した。この温度を保ちながら、約
1時間にわたって15gのメチレンジフェニルジイソシ
アネート(MDI)のホルマリン縮合体(日本ポリウレ
タン製、ミリオネートMR−100)を加え、6時間加
熱して、添加したポリMDIを完全に反応させた。この
硬化剤マスターバッチの性質を表1に示す。
【0035】調製した硬化剤マスターバッチを付加体を
基準にして10phrとなるようにエピコー828に配
合して硬化組成物とし、比較例1と同様にして、硬化組
成物の性質ならびに硬化体の性質を調べた。結果を表1
に比較例と対比して示す。
【0036】実施例2 温度計、還流冷却器およびカラス製半月型攪拌装置を備
えた内容積5,000mlの丸底三つ口フラスコに、3
,390gのMIBKを仕込み、これに140gの2M
zと分散安定剤として22.7gのレゼダGP−300
を加えてから、温度を70℃に上げて完全に溶解した。 ついで628gのエピコート828の50%MIBK溶
液を加え、内容物を400rpmの速度で攪拌しながら
、70℃で9時間反応させ、反応率を100%まで到達
させた。こうして調製した付加体分散液を実施例1と同
じ条件で噴霧乾燥して乾燥粒子を得た。得られた球状粒
子の平均直径は2.8μmであった。粒子形状を図1に
電子顕微鏡写真で示す。
【0037】付加体粒子200gを実施例1と同じ操作
で300gのDER332に分散し、その250gを加
熱可能な攪拌装置付き反応器に移し、攪拌しながら60
℃に加熱した。この温度を保ちながら、約1時間にわた
って4gのミリオネートMR−300を添加し、同温度
を保ちながら4時間攪拌加熱して、添加したポリMDI
を全て反応させた。この硬化剤マスターバッチの性質を
比較例および実施例と対比して表1に示す。
【0038】次に実施例1で述べたと同じ方法で10p
hrの硬化剤マスターバッチをエピコート828に配合
して硬化組成物とし、硬化組成物としての性質ならびに
硬化体の性質を調べた。結果を表1で、比較例および他
の実施例と比較する。
【0039】実施例3 温度計、還流冷却器およびガラス製半月型攪拌装置を備
えた内容積5,000mlの丸底三つ口フラスコに、2
,805gのMIBKを仕込み、これに150gの2M
zと分散安定剤として24.3gのレゼダGP−300
と153.8のレゼダGP−102Sを加えてから、温
度を70℃に上げて完全に溶解した。ついでエピコート
828の50%溶液673gを加え、内容物を250r
pmの速度で攪拌しながら、70℃で9時間反応させ、
反応率を100%まで到達させた。こうして調整した付
加体分散を実施例1と同じ条件で噴霧乾燥して、乾燥粒
子を得た。平均粒子径は9.9μmであった。
【0040】付加体粒子200gを実施例1と同じ操作
で300gのDER332に分散し、その250gを加
熱可能な攪拌装置付き反応器に移し、攪拌しながら60
℃に加熱した。この温度を保ちながら、約1時間にわた
って2gのミリオネートMR−300を添加し、同温度
を保ちながら4時間攪拌加熱して、添加したポリMDI
を全て反応させた。硬化剤マスターバッチの性質を表1
で比較例および他の実施例と比較する。
【0041】次に実施例1で述べたと同じ方法で10p
hrの硬化剤マスターバッチをエピコート828に配合
して硬化組成物とし、硬化組成物としての性質ならびに
硬化体の性質を調べた。結果を表1で、比較例および他
の実施例と比較する。
【0042】実施例4 温度計、還流冷却器およびガラス製半月型攪拌装置を備
えた内容積5,000mlの丸底三つ口フラスコに、2
,940mlのMIBKを仕込み、これに190.4g
のN−メチルピペラジン(N−MP)と27gのレゼダ
GP−300を加えてから、温度を70℃に上げて完全
に溶解した。ついでエピコート828の50%MIBK
溶液700gを加え、内容物を250rpmの速度で攪
拌しながら、70℃で20時間反応させ、反応率を10
0%まで到達させた。こうして調整した付加体分散液を
実施例1と同じ条件で噴霧乾燥して、球状乾燥粒子を得
た。平均粒子径は2.7μmであった。
【0043】付加体粒子200gを実施例1と同じ操作
で300gのDER332に分散し、その250gを加
熱可能な攪拌装置付き反応器に移し、攪拌しながら60
℃に加熱した。この温度を保ちながら、約1時間にわた
って4gのミリオネートMR−300を添加し、同温度
を保ちながら4時間攪拌加熱して、添加したポリMDI
を完全に反応させた。硬化剤マスターバッチの性質を表
1で比較例および他の実施例と比較する。
【0044】次に実施例1で述べたと同じ方法で10p
hrの硬化剤マスターバッチをエピコート828に配合
して硬化組成物とし、硬化組成物としての性質ならびに
硬化体の性質を調べた。結果を表1で、比較例および他
の実施例と比較する。
【0045】表1において従来的な粉砕法で製造される
本発明の沈殿法で製造される球状付加体からの硬化剤マ
スターバッチ、これを配合した硬化組成物ならびに硬化
体の性質を比較してある。ここではとくに付加体の粒子
サイズに着目してかなり広くその範囲を変化させている
が、これは粒子サイズが粘度と硬化性に大きく影響する
からである。表1の結果によれば: (1)  付加体の粒子サイズを同じくすれば、同じ条
件での多官能性ポリイソシアネート処理で、従来法の粉
砕状付加体粒子と本発明の球状付加体粒子は、ほぼ同じ
硬化性(ゲル化時間からみた)と貯蔵安定性を与える。
【0046】(2)  付加体の粒子サイズが異なれば
、粒子サイズが小さいほうが硬化性に優れるが、硬化剤
マスターバッチおよび硬化組成物の粘度は高くなる。
【0047】(3)  付加体の粒子サイズが小さいほ
うが、多少優れた性質の硬化体を与える。しかし付加体
粒子形状による違いはほとんど見られない。
【0048】従来法による付加体粒子と本発明による付
加体粒子を比較した場合、硬化剤マスターバッチおよび
硬化組成物において、本発明は以下の点において従来法
にまさる。
【0049】(1)  硬化剤マスターバッチの製造に
おいて、分散媒エポキシ樹脂に対する分散が容易。従来
法の付加体粒子では完全分散に3回パスを必要とするが
、本発明の付加体粒子の場合には、1回パスで完全分散
に達する。
【0050】(2)  近似する粒子サイズの付加体粒
子で比較すると、調整される硬化剤マスターバッチの粘
度は本発明の付加体粒子のもののほうがはるかに低い。
【0051】(3)  近似する粒子サイズの付加体粒
子で比較すると、調整される硬化組成物の粘度は本発明
の付加体粒子のもののほうがはるかに低い。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】沈殿反応で製造される粒子直径が1〜3
0μmの球状アミン化合物/エポキシ化合物付加体粒子
を、ほとんど水酸基を含まないエポキシ樹脂中に分散さ
せ、付加体粒子100重量部に対して2から20重量部
の多官能性イソシアネート化合物で処理することにより
、従来的な方法で製造される破砕状付加体粒子に比べて
、はるかに簡単に、しかも粘度の低い硬化剤マスターバ
ッチを製造することができる。したがって粘度を同じく
すれば、高濃度のマスターバッチの製造が可能になる。 かくして製造されたマスターバッチは、エポキシ樹脂に
配合して、破砕状付加体粒子からのそれに比べてかなり
粘度の低い硬化組成物を与える。このことは顔料を配合
すれば、同じ粘度ならばより多くの顔料配合を約束する
。かくしてこの高顔料配合は、コストの低減に役立つば
かりでなく、無機フィラー配合組成物においては硬化収
縮の低減に、導電性フィラー配合組成物においては電気
伝導性の改良に役立つ。
【0054】この特性を生かして本発明の球状硬化剤粒
子は広い分野に1成分エポキシ樹脂硬化組成物の提供を
可能にする。例を挙げれば、構造接着剤分野:車両組立
用接着剤、光学機械組立用接着剤、電子・電気機器組立
用接着剤など、塗料分野:粉体塗料、焼付け塗料など、
電子分野:プリント配線基板ガラスクロス含浸材、IC
チップ封止材、導電性塗料、ソルダーレジスト、ダイボ
ンディング用接着剤、プリント基板接着剤、導電性接着
剤など、電気分野:電気絶縁材料、コイル含浸材、バッ
テリーケース接着剤、テープヘッド接着剤など。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の沈殿反応法で製造された付加体粒子の
構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図2】粉砕により微細粒子化された付加体粒子の構造
を示す電子顕微鏡写真である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  アミン化合物とエポキシ化合物から合
    成される直径が1μmを超える球状付加体粒子を液状エ
    ポキシ樹脂中に分散してから、付加体100重量部に対
    して2から20重量部の多官能性イソシアネート化合物
    で処理して得られるエポキシ樹脂用の硬化剤マスターバ
    ッチ。
  2. 【請求項2】  アミン化合物とエポキシ化合物から合
    成された直径が1μmを超え30μm以下の範囲の球状
    付加体を用いて得られる請求項1記載のエポキシ樹脂用
    の硬化剤マスターバッチ。
  3. 【請求項3】  直径が1μmを超え30μm以下の範
    囲の球状アミン化合物/エポキシ化合物付加体を液状エ
    ポキシ樹脂に分散させ、付加体100重量部に対して2
    から20重量部の多官能性イソシアネート化合物を添加
    して加熱処理する請求項1記載のエポキシ樹脂用硬化剤
    マスターバッチの製造方法。
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