JPH0431108B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

（発明の利用分野） 本発明は、再分散性の良い電子写真用液体現像
剤に関するものであり、特に、現像装置への付着
汚れを少なくした電子写真用液体現像剤に関する
ものである。 （従来技術） 一般に電子写真プロセスにおいて、形成された
静電潜像を顕像化する方法としては、カスケード
法、磁気ブラシ法などに代表される乾式現像法
と、高絶縁性、低誘電率の非水液体中にトナー粒
子を分散させた湿式現像法などがある。これらの
現像方法の中で、湿式現像法はトナーを微粒子化
することが可能であり、高解像力、連続階調の画
像を要求される場合には、最も適した現像方法と
言うことができる。 通常、電子写真用液体現像剤としては、カーボ
ンブラツク、ニグロシンなどの顔料もしくは染料
と、アルキツド樹脂、アクリル樹脂等の天然樹脂
もしくは合成樹脂を高絶縁性、低誘電率の液体、
例えば、石油系の脂肪族炭化水素系溶剤中に均一
に分散し、更に、分散した粒子の荷電特性を均一
かつ強化する目的で、金属セツケン、レシチン、
ビニルピロリドンを含有するポリマーなどを添加
したものが知られていた。しかし、これらは経時
により、粒子の沈降あるいは凝集等が発生し易
く、実用上問題があるため、これを解決する方法
として、カーボンブラツクなどの顔料表面に、ポ
リマーをグラフト化することにより、分散の安定
化を図る方法（特公昭44−19196号公報）などが
提案されているが、これらの現像剤は、顔料と同
時に、画像面に付着する樹脂成分の相対的な量が
少なく、形成した画像の定着後の強度が充分でな
いという欠点があつた。更にこれらの液体現像剤
を用いて、酸化亜鉛紙上に画像を形成し、オフセ
ツト印刷版として用いた場合には、印刷インクに
対する感脂性および耐刷枚数が充分でないという
欠点があつた、上記欠点を改良する方法として、
非水液に不溶な重合体と非水液を吸収しうる重合
体とを分子凝集体を形成させたもの（特公昭53−
10458号公報）、非水液に溶媒和する部分と溶媒和
しない部分を持つた両親媒性の重合体（特開昭53
−54029号、特公昭56−10619号、特開昭57−
185445号公報）をトナー粒子として用いることが
提案されている。 これらの方法によつて形成したトナーは、粒子
の分散安定性には優れているものの、一且沈降を
生じた場合、あるいは、現像装置の各部にトナー
が付着した場合には、トナーが塗膜状に固化し、
再分散ができなくなる。 その結果、現像装置を汚して故障の原因になつ
たり、現像装置のスクイズローラー周辺等に付着
物が発生して洗浄が困難になつたりする。 本発明は、上記のような従来の液体現像剤の有
する問題点を改良するものである。 （発明の目的） 本発明の目的は、分散の安定性および再分散性
の優れた電子写真用液体現像剤を提供することに
ある。 本発明の更に他の目的は、定着性に優れ、更に
は、オフセツト印刷原版として用いた場合には、
優れた印刷インク感脂性と、耐刷性をを有する電
子写真用液体現像剤を提供することにある。 （発明の構成） 本発明者等は、鋭意研究の結果、電気抵抗が
10⁹Ω・cm以上で、かつ誘電率が３以下の非水溶
剤中に、少なくとも該非水溶剤に不溶な樹脂を分
散してなる電子写真用液体現像剤において、該樹
脂は該非水溶剤と同じか又は異なる非水溶剤中
で、可溶性樹脂の存在下に、２個以上の重合性官
能基を有する単量体を１種以上と１個の重合性官
能基を有して非水溶剤に不溶な重合体を形成しう
る単量体を１種以上とを重合した樹脂であること
を特徴とする電子写真用液体現像剤によつて、本
発明の目的を達した。 本発明により製造された非水溶剤系に分散した
樹脂は、微細な粒子として存在すると同時に、非
常に安定な分散性を示し、本発明の現像剤は多数
枚の現像を行つても良好な画像を安定して形成す
ることが可能である。これは、本発明の現像剤
に、可溶性の樹脂が存在することと、分散された
樹脂が２個以上の重合性官能基を持つた単量体か
ら重合された樹脂を少なくとも含有することによ
ると考えられる。すなわち、２個以上の重合性官
能基を持つた単量体を重合すると、重合体は網目
構造を形成していると考えられる。そのために、
現像装置の各部に現像剤が付着した場合も、粒子
が合一しにくく、再分散が容易である反面、加熱
などにより完全に定着した場合は、強固な皮膜が
形成され、良好な定着性を示すと同時に、オフセ
ツト印刷版として用いた場合には、良好な耐刷性
を示すと考えられる。 次に本発明について詳細に述べる。 本発明に用いる電気抵抗が10⁹Ω・cm以上で、
かつ誘電率が３以下の非水溶剤としては、直鎖状
又は分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、
芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素などの溶剤
を挙げることができるが、揮発性・安定性・毒
性・臭気などの点からオクタン、イソオクタン、
デカン、イソデカン、ドデカン、イソドデカン、
ノナン、イソパラフイン系の石油溶剤であるアイ
ソパーＥ、アイソパーＧ、アイソパーＨ、アイソ
パーＬ（アイソパー「Isopar」はエクソン社の商
品名）、ソルベツソ100、シエルゾル71（シエル社
製）などが好適である。 本発明における最も重要な構成成分である非水
溶剤に分散する樹脂の製造は非水溶剤中におい
て、可溶性樹脂の存在下に、単量体を重合するこ
とによつて得られる。非水溶剤としては、基本的
には、前記電子写真用液体現像剤の担体液に混和
するものであれば使用することが可能であるが、
樹脂分散物製造の段階で担体液と同様の溶剤を用
いる方が好ましい。すなわち分散樹脂を製造する
に際して用いる非水溶剤としては、直鎖状又は分
岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族
炭化水素、ハロゲン化炭化水素などが好適であ
り、更に具体的には、ヘキサン、オクタン、イソ
オクタン、デカン、イソデカン、ドデカン、イソ
デカン、ノナン、イソパラフイン系の石油溶剤で
あるアイソパーＥ、アイソパーＧ、アイソパー
Ｈ、アイソパーＬ、ソルベツソ100、シエルゾル
71等が好適である。非水溶剤中で単量体を重合す
る際に、用いる可溶性樹脂は生成した重合体を安
定な樹脂分散物とするために分散安定剤として作
用するが、このために従来公知の分散安定剤を用
いることができる。例えば、非水溶剤として、前
記の脂肪族炭化水素系溶剤を用いる場合は、次に
例示するような各種の合成樹脂又は天然樹脂を可
溶性樹脂として用いることができる。例えば、炭
素原子数４から22のアルキル鎖を有するアクリル
酸又はメタクリル酸のアルキルエステル、高級脂
肪酸ビニルエステル、ビニルアルキルエーテル、
ブタジエン、イソプレン等の単量体の重合体又は
前記の単量体を２種以上組合せた共重合体又は前
記のような脂肪族炭化水素系溶剤に可溶な重合体
を形成する単量体と、下記に示す様な脂肪族炭化
水素系溶剤に不溶な重合体を形成する単量体を樹
脂の可溶性を損わない程度に用いた単量体との共
重合体を挙げることができる。 脂肪族炭化水素に不溶な重合体を形成する単量
体としては、例えば、酢酸ビニル；アクリル酸又
はメタクリル酸のメチル、エチル、ｎ−プロピ
ル、iso−プロピルエステル；スチレン、ビニル
トルエン、α−メチルスチレンの如きスチレン誘
導体；アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸の如き
不飽和カルボン酸又はその無水物；ヒドロキシエ
チルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレ
ート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、Ｎ
−ビニルピロリドン、アクリルアミド、アクリロ
ニトリルの如き各種の極性基を有する単量体を挙
げることができる。分散安定化樹脂としては、上
記の合成樹脂の他に、アルキツド樹脂、各種の脂
肪酸で変性したアルキツド樹脂、アマニ油変性ポ
リウレタン樹脂などの各種樹脂も用いることがで
きる。 本発明に用いる非水溶剤に分散する樹脂は、２
個以上の重合性官能基を有する単量体を１種以上
と１個の重合性官能基を有して非水溶剤に不溶な
重合体を形成しうる単量体を１種以上用いて重合
した樹脂であるが、１個の重合性官能基を有して
非水溶剤に不溶な重合体を形成しうる単量体とし
て例えば、酢酸ビニル；アクリル酸又はメタクリ
ル酸のメチル、エチル、ｎ−プロピル、iso−プ
ロピルエステル；スチレン、ビニルトルエン、α
−メチルスチレンの如きスチレン誘導体；アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、
イタコン酸、無水マレイン酸の如き不飽和カルボ
ン酸又はその無水物；ヒドロキシエチルメタクリ
レートヒドロキシエチルアクリレート、ジエチル
アミノエチルメタクリレート、Ｎ−ビニルピロリ
ドン、アクリルアミド、アクリロニトリルなどの
各種の単量体を挙げることができる。 次に、重合性官能基を２個以上有する単量体
の、重合性官能基として具体的に、CH₂＝CH−、
CH₂＝CH−CH₂−、

【式】

【式】

【式】 CH₂＝CH−CONH−、

【式】

【式】

【式】

【式】

【式】CH₂＝CH− NHCO−、CH₂＝CH−CH₂−NHCO−、CH₂＝
CH−SO₂−、CH₂＝CH−CO−、CH₂＝CH−Ｏ
−、CH₂＝CH−Ｓ−、等を挙げることができる
が、これらの重合性官能基を同一のものあるいは
異なつたものを２個以上有した単量体であればよ
く、重合によつて非水溶剤に不溶な重合体を形成
する。 重合性官能基を２個以上有した単量体の具体例
は、例えば同一の重合性官能基を有する単量体と
して、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等
のスチレン誘導体；多価アルコール（例えば、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール
＃200、＃400、＃600、１，３−ブチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、ジプロピレング
リコール、ポリプロピレングリコール、トリメチ
ロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタ
エリスリトールなど）又は、ポリヒドロキシフエ
ノール（例えばヒドロキノン、レゾルシン、カテ
コールおよびそれらの誘導体）のメタクリル酸、
アクリル酸又はクロトン酸のエステル類、ビニル
エーテル類又はアリルエーテル類；二塩基酸（例
えばマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、イタコ
ン酸、等）のビニルエステル類、アリスエステル
類、ビニルアミド類又はアリルアミド類；ポリア
ミン（例えばエチレンジアミン、１，３−プロピ
レンジアミン、１，４−ブチレンジアミン等）と
ビニル基を含有するカルボン酸（例えば、メタク
リル酸、アクリル酸、クロトン酸、アリル酢酸
等）との縮合体などが挙げられる。 又、異なる重合性官能基を有する単量体とし
て、例えば、ビニル基を含有するカルボン酸〔例
えば、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリロイ
ル酢酸、アクリロイル酢酸、メタクリロイルプロ
ピオン酸、アクリロイルプロピオン酸、イタコニ
ロイル酢酸、イタコニロイルプロピオン酸、カル
ボン酸無水物とアルコール又はアミンの反応体
（例えばアリルオキシカルボニルプロピオン酸、
アリルオキシカルボニル酢酸、２−アリルオキシ
カルボニル安息香酸、アリルアミノカルボニルプ
ロピオン酸、等）等〕のビニル基を含有したエス
テル誘導体又はアミド誘導体（例えば、メタクリ
ル酸ビニル、アクリル酸ビニル、イタコン酸ビニ
ル、メタクリル酸アリル、アクリル酸アリル、イ
タコン酸アリル、メタクリロイル酢酸ビニル、メ
タクリロイルプロピオン酸ビニル、メタクリロイ
ルプロピオン酸アリル、メタクリル酸ビニルオキ
シカルボニルメチルエステル、アクリル酸ビニル
オキシカルボニルメチルオキシカルボニルエチレ
ンエステル、Ｎ−アリルアクリルアミド、Ｎ−ア
リルメタクリルアミド、Ｎ−アリルイタコン酸ア
ミド、メタクリロイルプロピオン酸アリルアミ
ド、等）、又は、アミノアルコール類（例えばア
ミノエタノール、１−アミノプパノール、１−ア
ミノブタノール、１−アミノヘキサノール、２−
アミノブタノール等）と、ビニル基を含有したカ
ルボン酸の縮合体などが挙げられる。 本発明に用いられる２個以上の重合性官能基を
有する単量体は、全単量体の10モル％以下、好ま
しくは５モル％以下用いて重合し、樹脂を形成す
る。 本発明において画像を可視化する必要のある場
合は、従来公知の各種顔料又は染料を使用するこ
とができる。着色方法としては、各種の方法があ
るが、樹脂粒子を分散した現像剤中に、顔料又は
染料を分散せしめる方法、分散樹脂を着色する方
法などがある。 分散樹脂自体を着色する方法の１つとして、例
えば、分散樹脂に物理的に分散する方法があり、
用いられる顔料や染料は、非常に多く知られてい
る。例えば、磁性酸化鉄粉末、粉末ヨウ化鉛、カ
ーボンブラツク、ニグロシン、アルカリブルー、
ハンザイエロー、キナクリドンレツド、フタロシ
アニンブルーなどが挙げられる。 着色の方法の他の１つとしては、特開昭57−
48738などに記されている如く、分散樹脂物を好
ましい染料で染色する方法である。あるいは他の
着色の方法として分散樹脂物と染料を化学的に結
合させるがあり、例えば特開昭53−54029に開示
されている。更には、着色したモノマー自体を用
いて、これを樹脂粒子中に共重合させることによ
り粒子を着色することも可能である。 本発明の液体現像剤には、荷電特性の強化ある
いは画像性の改良等のために、必要に応じて種々
の添加剤を加えても良く、例えば「電子写真」16
巻、２号、44頁（1978年）に具体的に記載されて
いる。 例えばジ−２−エチルヘキシルスルホコハク酸
金属塩、ナフテン酸金属塩、高級脂肪酸金属塩、
レシチン、ポリ（ビニルピロリドン）等の添加剤
が挙げられる。 以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれ
らのみに限定されるものではない。 実施例 １ 撹拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計を備
えた1000mlのガラス製容器にアイソパーH400ｇ、
ラウリルメタクリレートモノマー200ｇ、アゾビ
スイソブチロニトリル1.0ｇを加え、窒素気流下
で撹拌しつつ80℃にて６時間重合を行つて重合率
95％でポリラウリルメタクリレートを得た。次に
上記と同様な、500ml容器に、アイソパーH200
ｇ、酢酸ビニルモノマー50ｇ、先に得られたポリ
ラウリルメタクリレート６ｇ及びアジピン酸ジビ
ニルを酢酸ビニルに対して2mol％添加し、窒素
気流下で70℃に保つた。これに、２，2′−アゾビ
ス（２，４−ジメチルバレロニトリル）を1.0ｇ
添加し、６時間重合を行うことにより、白色の樹
脂分散物が得られた。重合率85％、粒子サイズ
は、約0.3μｍであつた。これとは別に先に得られ
たポリラウリルメタクリレート10ｇとアイソパー
H30ｇ及びニグロシン10ｇを、ガラスビーズと供
に、ペイントシエーカー（東京精機(株)製）により
90分間分散を行い、ニグロシンの微小な分散物を
得た。 上記の樹脂分散物5.7ｇ、ニグロシン分散物0.5
ｇ及びナフテン酸ジルコニウム0.05ｇを、アイソ
パーH1に希釈することにより、液体現像剤を
作製した。この液体現像剤を用いて、全自動電子
製版機ELP280（富士写真フイルム(株)製）により、
酸化亜鉛紙に露光、現像に行つた所、非常に鮮明
なオフセツト印刷用マスタープレートが得られ
た。また2000枚現像後も、現像装置へのトナー付
着汚れはほとんど発生しなかつた。 更にこのマスタープレートにより常法により印
刷を行つた所3000枚印刷後も、鮮明な印刷物を得
ることができた。 次に、比較のために樹脂分散物の単量体のアジ
ピン酸ジビニルを除くほかは、同様にして液体現
像剤を作製し、同様に現像したところ、自現機の
現像液をスクイズするローラー周辺にトナーの付
着がみられた。 実施例 ２ 実施例１におけるアジピン酸ジビニルの代り
に、エチレングリコールジメタクリレートを用い
て、それを酢酸ビニルモノマーに対して、
0.5mol％用いる他は、同様の操作を行うことに
より、内部架橋をしたポリ酢酸ビニルのアイソパ
ーＨ分散物を得た。 上記分散物28ｇ、実施例１にて作製したニグロ
シン分散物２ｇ及びジイソブチレンと無水マレイ
ン酸の共重合物の60％ドコサニルアミド化物0.03
ｇをアイソパーG1に希釈することにより液体
現像剤を作製した。これを実施例１と同様の装置
により、酸化亜鉛紙を2000枚現像した所、装置に
対するトナー付着汚れはほとんど発生しなかつ
た。 実施例 ３ 撹拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計を備
えた1000mlのガラス製容器に、アイソパーH400
ｇ、ラウリルメタクリレートモノマー190ｇ、ア
クリル酸10ｇ、アゾビスイソブチロニトリル1.0
ｇを添加し、窒素気流下で撹拌しつつ、80℃で６
時間重合を行つた。重合率90％でコポリ（―ラウリ
ルメタクリレート−アクリル酸）が得られた。上
記と同様に500ml容器に上記共重合体7.5ｇ及び酢
酸ビニルモノマー50ｇ、アジピン酸ジアリルを酢
酸ビニルモノマーに対して1mol％、アイソパー
H200ｇを添加し、窒素気流下、70℃とし、２，
2′−アゾビス（２，４−ジメチルバレロニトリ
ル）1.0ｇ添加した。６時間重合後、重合率約80
％で粒子サイズ約0.3μｍの白色の樹脂分散物が得
られた。 これとは別に、アルカリブルー（オリエント化
成(株)）10ｇ上記で得られたコポリ（―ラウリルメタ
クリレート−アクリル酸）10ｇ及びアイソパー
H30ｇをガラスビーズと供にペイントシエーカー
で90分間分散してアルカリブルー分散物を得た。 次に前記で得た樹脂分散物31ｇ、アルカリブル
ー分散物0.2ｇ及びナフテン酸ジハコニウム0.05
ｇをアイソパーG1に希釈し液体現像剤を作製
した。これを実施例１と同様の装置により酸化亜
鉛紙を2000枚現像した所、装置に対するトナー付
着汚れはほとんど発生しなかつた。 実施例 ４ 実施例３において、アジピン酸ジアリルを用い
る代りに、トリメチロールプロパントリメタクリ
レートを酢酸ビニルモノマーに対して、0.1mol
％添加する他は、同様の操作により、液体現像剤
を作製し、現像したがトナー付着汚れは発生しな
かつた。 実施例 ５ 実施例３においてアジピン酸ジアリルを用いる
代りに、ジエチレングリコールジメタクリレート
を、酢酸ビニルに対して、0.5mol％添加する他
は、同様の操作により、液体現像剤を作製し現像
したがトナー付着汚れは発生しなかつた。 実施例 ６ 実施例１で用いたと同様に500ml容器に、アイ
ソパーH200ｇ、スチレン−ブタジエン共重合体
（スチレン含量25％商品名ソルプレン1204旭化成
(株)製）20ｇ、メチルメタクリレート43ｇ、ｎ−ブ
チルメタクリレート７ｇ、ジエチレングリコール
ジメタクリレート１ｇを窒素気流下、70℃に加熱
し、アゾビスイソブチロニトリル１ｇを添加し、
６時間重合を行つた。重合率約90％、粒子サイズ
約0.5μｍの白色の樹脂分散物が得られた。 この樹脂分散物5.4ｇ及び実施例３にて作製し
たアルカリブルー分散物0.2ｇとナフテン酸ジル
コニム0.05ｇをアイソパーG1に希釈し、液体
現像剤を作製した。この現像液を用いて実施例１
と同様に現像を行つたが、トナー付着はみられな
かつた。 次に比較のためにジエチレングリコールジメタ
クリレートを除いて作つた樹脂分散物を用いるほ
かは同様にして液体現像剤を作製し、現像したと
ころ自現機のスクイズローラの周辺にトナーの付
着がみられた。 実施例 ７ 実施例６において、ジエチレングリコールジメ
タクリレートを用いる代りに、トリエチレングリ
コールジメタクリレート1.2ｇを用いて、同様の
操作により、液体現像剤を作製し、現像したがト
ナー付着はみられなかつた。 実施例 ８ 実施例６においてジエチレングリコールジメタ
クリレートの代りにメタクリル酸ビニル0.6ｇを
用い、他は同様の操作により液体現像剤を作製
し、現像したがトナー付着はみられなかつた。 実施例 ９ 実施例６において、ジエチレングリコールジメ
タクリレートの代りにメタクリル酸アリル0.7ｇ
を用いた。他は同様の操作により液体現像剤を作
製し、現像したがトナー付着はみられなかつた。 実施例 10 実施例６において、ジエチレングリコールジメ
タクリレートの代りにアクリル酸ビニルオキシカ
ルボニルエチルエステル1.0ｇを用いた。他は同
様にして、液体現像剤を作成し、現像したがトナ
ー付着はみられなかつた。 実施例 11 実施例１で得られた白色の樹脂分散物100ｇ及
び、染料のスミカロンネイビーブルー２ｇを100
℃に加温し５時間加熱撹拌した。室温に冷却した
のち、凝集沈殿物を、紙を用いて別し、青色
の樹脂分散物を得た。 上記の青色の樹脂分散物15ｇ及びナフテン酸ジ
ルコニウム0.05ｇをアイソパーG1に希釈し、
液体現像剤を作製した。 これを実施例１と同様の装置により、現像した
所、装置に対するトナー付着汚れは殆んど発生し
なかつた。 実施例 12 実施例３で得られた白色の樹脂分散物100ｇ及
びスミカロンブラツク３ｇを100℃に加温し、５
時間加熱撹拌した。 室温に冷却したのち、凝集沈殿物を紙を用い
て別し、黒色の樹脂分散物を得た。 上記の黒色の樹脂分散物17ｇ及びナフテン酸ジ
ルコニウム0.06ｇをアイソパーG1に希釈し、
液体現像剤を作製した。 これを実施例１と同様の装置により現像した
所、装置に対するトナー付着汚れは殆んど発生し
なかつた。 実施例 13 実施例３で得られた白色の樹脂分散物100ｇ及
びカーボンブラツク（三菱化成(株)製＃40）４ｇ及
び実施例３で得られたラウリルメタクリレートと
アクリル酸の共重合体４ｇ及びアイソパーH25ｇ
を、内容量約900cm³のボールミルにて、72時間混
練して黒色の樹脂分散物を得た。得られた黒色の
分散物20ｇ及びナフテン酸ジルコニウム0.07ｇを
アイソパーG1に希釈し、液体現像剤を作製し
た、これを実施例１と同様の装置により現像した
所、装置に対するトナーの付着汚れは殆んど発生
しなかつた。 実施例 14 実施例１の方法で製造したポリ（ラウリルメタ
クリレート）、14ｇ、酢酸ビニル60ｇ、クロトン
酸３ｇ及びビニルオキシカルボニルエチルオキシ
カルボニルメチルメタクリレート１ｇをアイソパ
ーH240ｇと混合し、窒素ガスを流しながら撹拌
し75℃にて加熱した。これに２，2′−アゾビス
（２，４−ジメチルバレロニトリル）を0.8ｇ添加
し、６時間重合を行うことにより、白色の樹脂分
散物が得られた。 全モノマーの重合率は90％で、樹脂の粒子サイ
ズは、0.2μｍであつた。 上記の白色の樹脂分散物100ｇ及びソルベン
ト・ブルーB4ｇの混合物を、80℃に加熱し、こ
の温度で撹拌下３時間混合した。冷却後、200メ
ツシユのナイロン布を通して微量の凝集沈殿物を
除くことにより、青色の樹脂分散物を得た。樹脂
の粒子サイズは0.20μｍで変化はしていなかつた。 得られた青色の樹脂分散物5.5ｇ及びナフテン
酸ジルコニウム塩をアイソパーG1に希釈する
ことにより液体現像剤を作製した。 これを実施例１と同様の装置により、現像した
所、装置に対するトナー付着汚れは発生しなかつ
た。 更に、得られたオフセツト印刷用マスタープレ
ートの画質は鮮明であり、又、このマスタープレ
ートにより常法によつて印刷を行なつた所、3000
枚印刷後も、鮮明な印刷物を得ることができた。 実施例 15 実施例３の方法で製造したコポリ（ラウリルメ
タクリレート−アクリル酸）12ｇ、メチルメタク
リレート60ｇ、アジピン酸ジビニル0.8ｇ及びア
イソパーH240ｇの混合物を、窒素気流下、70℃
に加温した。この温度で撹拌下、２，2′−アゾビ
ス（２，４−ジメチルバレロニトリル）0.6ｇを
添加し、４時間反応させた。重合率90％で粒子サ
イズ0.5μｍの白色の樹脂分散物が得られた。 得られた樹脂分散物5.7ｇ、実施例１で作製し
たニグロシン分散物0.5ｇ及びナフテン酸ジルコ
ニウム0.06ｇをアイソパーH1に希釈し、液体
現像剤を作製した。 実施例１と同様に操作し、装置へのトナーの付
着汚れの発生有無を調べたが、殆んど見られなか
つた。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 電気抵抗が10⁹Ω・cm以上で、かつ誘電率が
   ３以下の非水溶剤中に、少なくとも該非水溶剤に
   不溶な樹脂を分散してなる電子写真用液体現像剤
   において、該樹脂は該非水溶剤と同じか又は異な
   る非水溶剤中で、可溶性樹脂の存在下に、下記(1)
   又は(2)で表わされるビニル基を２個以上有する単
   量体と１個のビニル基を有する下記(イ)又は(ロ)で表
   わされる非水溶剤に不溶な重合体を形成しうる単
   量体を１種以上とを重合した樹脂粒子であること
   を特徴とする電子写真用液体現像剤。 (1) 多価アルコールのメタクリル酸又はアクリル
   酸エステル (2) 二塩基酸のビニルエステル (イ) 炭素数１〜４のアルキル基をエステル基と
   して含むビニルエステル (ロ) 炭素数１〜４のアルキル基をエステル基と
   して含むメタクリル酸エステル ２ ビニル基を２個以上有する単量体が二塩基酸
   ビニルエステルであり、１個のビニル基を有し
   て、非水溶剤に不溶な重合体を形成し得る単量体
   が、炭素数１〜４のアルキル基をエステル基とし
   て含むビニルエステルであることを特徴とする請
   求項１に記載の電子写真用液体現像剤。