JPH073606B2 - 電子写真液体現像剤 - Google Patents

電子写真液体現像剤

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JPH073606B2
JPH073606B2 JP60176527A JP17652785A JPH073606B2 JP H073606 B2 JPH073606 B2 JP H073606B2 JP 60176527 A JP60176527 A JP 60176527A JP 17652785 A JP17652785 A JP 17652785A JP H073606 B2 JPH073606 B2 JP H073606B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は電子写真液体現像剤に関し、現像による画像再
現性、画質及び現像剤の分散安定性の改善に関する。
(発明の背景) 液体現像剤は、画像部を形成する、いわゆるトナーを溶
媒に分散させてこれに担持させたもので、現像の際帯電
したトナーを電気泳動により潜像に付着させ、ついでこ
れを定着させ画像を形成するためのものである。このた
めにトナーは前記電気泳動を起こさせる顔料又は染料粒
子のような帯電性物質とこの粒子に吸着されてこの粒子
とともに移動する樹脂からなる。このようなトナー粒子
はその電荷が安定に保持される電荷制御性を有するとと
もに、溶媒に対する分散性及び分散安定性が良いことが
必要である。
またトナー粒子の大きさは、画線の解像力に関係するだ
けではなく、画像の鮮鋭性・流れ性などに大きく関与し
ている。一般に液体現像剤は顔料又は染料等の着色剤を
含む樹脂の分散系であるので、その粒子径はある程度巾
の広い分布をもっているが、その分布の形状によって画
質に大きな差を生ずることについては、今日まであまり
考慮されていなかった。
分散性、分散安定性、定着性を改良する目的で、特公昭
55−3696号、特公昭55−10198号、特開昭52−125333
号、特開昭48−49445号には、顔料又は染料と熱可塑性
樹脂とを主成分とする。トナーを担体液に分散してなる
電子写真用液体現像剤において、この樹脂として95〜60
重量%の範囲の中で非水溶媒に可溶なアルキルアクリレ
ートまたはアルキルメタクリレートと前記非水溶媒に難
溶又は不溶なエチレン系不飽和単量体共重合体を添加す
ることが示されている。
しかしながらこれらのものは目的とする性能が不十分で
あるのみならず、これらの現像剤によるトナー像はその
鮮鋭性、画像の流れ性が必ずしも良好ではなかった。
また特願昭58−113644号には、電子写真方式により印刷
版を作成する際の現像液としてトナー画像の機械的強度
が高く耐刷性のよい、また印刷インキの着肉性に優れた
トナーを得ることを目的として顔料又は染料と樹脂とを
主成分とするトナーを含む液体現像剤において、非水溶
媒に可溶性のモノマー成分と非水溶媒に難溶性若しくは
不溶性のモノマー成分とからなる高分子化合物を5〜55
重量%含有させることが示されている。しかしながら、
このトナーはワックス及び/又はポリオレフィンを45〜
95重量%と多量に含有するために、トナーの分散性及び
分散安定性の点で劣り、また画線部の流れを生じやすか
った。
以上のように、従来の液体現像剤は、分散安定性を備
え、かつ良好な画像品質、特に画線部の流れの少ないト
ナー像を得ることが困難であり、その改良が望まれてい
た。
(発明の目的) 本発明の第1の目的は、画線部の流れが少なく、鮮鋭性
に優れた、画像品質の良好なトナー像を得ることができ
る電子写真液体現像剤を提供することにある。
本発明の第2の目的は、分散性及び保有安定性に優れ
た、良好な荷電制御性を有する電子写真液体現像剤を提
供することにある。
また本発明の第3の目的は印刷耐性のよい平版印刷版を
与える電子写真液体現像剤を提供することである。
(発明の構成及び作用) 液体現像剤のトナー粒子は、乾式現像剤の場合に比べ極
めて小さく、1.0μm以下の平均粒径を有することは知
られているが、その粒径分布によって画質に大きな差異
を生ずることは明らかにされていなかった。しかし粒径
分布は、トナー粒子の組成・形状などと共にトナーの電
気的な物性値(モデリティやゼータ電位など)を左右す
する重要な因子であり、良好な画質を得る上で極めて重
要である。我々は鋭意研究の結果、 非水溶媒中に、 a)着色剤 b)前記非水溶媒に可溶性のモノマー成分と、この非水
溶媒に難溶性若しくは不溶性のモノマー成分とからなる
高分子化合物 c)前記非水溶媒に常温で難溶性若しくは不溶性の熱可
塑性樹脂 を含有するトナー粒子を含有する液体現像剤において、
前記非水溶媒に難溶性若しくは不溶性のモノマー成分が
タフト(Taft)の脂肪族極性置換基定数σが絶対値で0.
45以上(|σ|≧0.45)である置換基で置換されたビニ
ルモノマー又はビニルカルボン酸エステルモノマーの少
なくとも1種類からなり、前記モノマーが着色剤1gあた
り2.5×10-4〜5.5×10-4mol存在し、かつ該トナー粒子
が、0.06μm未満の粒径を有する粒子が全粒子数の5%
以下であり、1.5μmを越える粒径を有する粒子が3%
以下である粒径分布を有することを特徴とする電子写真
液体現像剤において、画線部の流れの最も少ない鮮鋭性
の優れたトナー像を得ることができることを見い出し
た。
粒径は種々の方法により測定可能であり、粒径計数装
置、例えば堀場製作所遠心式自動粒径分布測定装置CAPA
−500を用いて測定される。0.06μm未満の粒径の粒子
が全粒子数の5%以上であると、画像の鮮鋭性が悪くな
り、1.5μmを越える粒径の粒子が3%以上あると画線
部のトナーの流れが著しく多くなる。尚、大粒子側の上
限1.5μmは1.2μmにとった方がより好しい。
このような粒径分布の液体現像剤を製造する為には、着
色剤の前処理、高分子化合物、熱可塑性樹脂との混練、
熱可塑性樹脂の非水溶媒への加熱溶解及び急冷(好まし
くは高分子化合物を含有する非水溶媒を用いる)、1000
cps以上の高粘度での高速分散等を組み合せ、分散方
法、温度等も試行によって最適に定める。
また、粒径分布の分布形状は異常突起のない単峰分布が
好ましい。例えば第1図は好ましいトナー粒子の分布で
あり、双峰分布の第2図及び第3図は好ましくない例で
ある。このような分布ピークの分裂は分散不足や分散の
不均一、あるいは保存によってトナー粒子の一部が凝集
を起こした場合などに特に生じやすいが、前記のような
種々の分散法を有効に活用し得なかった場合などにも生
じ、大巾な分裂を生じた場合には、分散処理を続けても
解消することはできない。このようにかけ離れた2つの
ピークを含む分布を持つトナーは画線部の流れを生じや
すく、文字の鮮鋭性の劣る、非画像部の汚れを生じた画
像再現となり保存性の点でも劣る。
本発明に用いる高分子化合物は前記(a)の着色剤ある
いは前記(c)の熱可塑性樹脂の高絶縁性、低誘電率非
水溶媒における分散安定性を維持すると共に、トナー画
像部の一構成成分をなすものであって、後述する親油性
の前記非水溶媒に可溶性のモノマー成分とこの非水溶媒
に難溶性もしくは不溶性のモノマー成分とからなる。こ
のようにすると、前記非水溶媒に可溶性のモノマー成分
はこの非水溶媒に親和性を示し、この非水溶媒に難溶性
又は不溶性のモノマー成分は表面が親水性になっている
着色剤粒子に親和性を示すため、着色剤粒子は高分子化
合物により包まれるようにして非水溶媒中に分散される
ので、着色剤粒子の凝集が妨げられるとともにその分散
安定性が維持される。このように高分子化合物の非水溶
媒に難溶性若しくは不溶性のモノマー成分はトナー粒子
の分散安定性、保存性に大きく寄与しているばかりでな
く、イオン又は双極子モーメントによりトナー粒子の荷
電制御性を有する為、トナー粒子中におけるこのモノマ
ー成分の含有率は画像再現性の上で非常に重要である。
我々は種々の高分子化合物について、非水溶媒に難溶性
又は不溶性のモノマー成分の最適な比率を検討した結
果、前記モノマー成分がタフト(Taft)の脂肪族極性置
換基定数σが絶対値で0.45以上(|σ|≧0.45)である
置換基で置換されたビニルモノマー又はビニルカルボン
酸エステルモノマーなど極性制御性に優れた特定のモノ
マーの少なくとも一種からなり、前記モノマーが着色剤
1gあたり2.5×10-4〜5.5×10-4mol存在した場合に特に
顕著な効果が現われることを見いだした。
また前記非水溶媒に難溶性若しくは不溶性のモノマー成
分が置換芳香族ビニルモノマーの少なくとも1種からな
る時は、ハメット(Hammet)の置換基定数σが絶対値0.
2を越える(|σ|>0.2)置換基で置換された芳香族ビ
ニルモノマーの少なくとも1種からなり、前記モノマー
が着色剤1gあたり2.5×10-4〜5.5×10-4mol存在するこ
とにより、同様に顕著な効果が現われることを見い出し
た。また置換脂肪族ビニルモノマー及び置換芳香族ビニ
ルモノマーが存在する場合には合わせて2.5×10-4〜5.5
×10-4mol/gの範囲に入る様に調整する。
置換基定数は周知のようにプラスに傾くほど電子吸引性
であり、マイナスに傾くほど電子供与性である。非水溶
媒に難溶性若しくは不溶性のモノマー成分を2.5×10-4
〜5.5×10-4mol/g添加する為には、高分子化合物中にお
ける非水溶媒に難溶性若しくは不溶性のモノマー成分の
重合比率は様々に変化しうるが、最終的に高分子化合物
が非水溶媒に溶解しなければならないのでおのずと限界
がある。このようなモノマー比率の高分子化合物を用い
たトナーは画線部の流れ、にじみが著しく少なく、文字
の鮮鋭性に優れ、経時による性能劣化も少ない。理由は
明らかではないが、おそらくこの割合で用いられた高分
子化合物はカーボンブラックなどの着色剤の吸着サイト
との関係において最も有効に吸着し、また解離度が高い
為、あるいは大きな分極率を持つため、トナー粒子の電
荷量を高く保つ良好な荷電制御機能を有すると考えられ
る。さらにこれらの極性モノマー成分が、高分子中に存
在している為、低分子荷電制御剤に比べ極性成分のトナ
ー粒子からの脱着によるトナー粒子自身の電荷量の減少
や、非水溶媒の導電率の増加を抑えることが可能とな
り、帯電した潜像の非水溶媒への電荷の漏洩による画像
のにじみを防止し、画像再現性、保存性が向上されると
考えられる。
またこの比率より低い極性モノマー含有率をもつ高分子
化合物を用いたトナーは現像速度が遅くベタの乗りが悪
く、この比率より高い極性モノマー含有率をもつ高分子
化合物を用いたトナーは液の導電率が高くなってしまう
ため、文字の鮮鋭性・保存性の点で劣る。
またこのような高分子化合物としては次にあげるような
共重合体があげられる。
前記非水溶媒に可溶のモノマー成分としては次に示す一
般式で表わされるモノマーが挙られる。
一般式〔I〕 ここで、RはH,CH3,C2H5,AはCOOCnH2n+1,OCnH2n+1
(nは6〜20)を表わす。
具体的には、アクリル酸又はメタクリル酸のステアリ
ル,ラウリル,2−エチルヘキシル又はヘキシルエステ
ル、メタクリル酸のセチル又はオクチルエステル、又は
ステアリルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル等
が例示される。
前記非水溶媒難溶性若しくは不溶性のモノマー成分で、
タフト(Taft)の脂肪族極性置換基定数σが絶対値0.45
以上(|σ|≧0.45)である置換基で置換されたビニル
モノマー又はビニルカルボン酸エステルモノマー、ある
いはハメット(Hammet)の置換基定数σが絶対値で0.2
を超える(|σ|>0.2)置換基で置換された芳香族ビ
ニルモノマーなど極性制御性に優れたビニルモノマーと
しては次のようなエチレン系不飽和モノマーが挙げられ
る。
カルボキシル基含有モノマー 具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
フマル酸、イタコン酸、カルボキシスチレン等が挙げら
れる。
アルコール性水酸基含有モノマー 具体的には、β−ヒドロキシメチルアクリレール、β−
ヒドロキシエチルメタクリレート、β−ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート等が挙げられる。
次の一般式のN含有モノマー 一般式〔II〕 一般式〔III〕 上記一般式〔II〕において、RはH,CH3、l=1〜4、
m=1〜4、一般式〔III〕において、RはH,CH3,Bはフ
ェニレン、ナフチレン、l=0〜1、m=0〜1、n=
0〜4で表わす。
具体的には、一般式〔II〕に該当するものは、ジメチル
アミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメ
タクリレート等、一般式〔III〕に該当するものは、ア
クリルアミド、カルバモイルスチレン、N,N−ジメチル
カルバモイルスチレン、アミノスチレン、ジメチルアミ
ノスチレン等が挙げられる。
次の一般式で示されるスルホン酸含有モノマー 一般式〔IV〕 ここでRはH,CH3,Dは(CH2SO31〜2M、 ここで、Mはアルカリ金属、NH4、アルカリ土類金属を
表わす。
その他のモノマー 具体的には、グリシジルアクリレート、グリシジルメタ
クリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニル、クロルス
チレンなどのハロゲン化スチレン類、ヒドロキシスチレ
ン類、ジメチルアミノスチレンなどのアミノスチレン
類、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、エチレング
リコールジメタクリレート等が挙げられる。なおスチレ
ン誘導体については村橋俊介ら著「合成高分子II」(朝
倉書店刊)に種々記載されている。
前記高分子化合物の非水溶媒に難溶性若しくは不溶性の
モノマー成分には前記以外のエチレン系不飽和モノマー
を含んでもよい。
次のようなものが例示される。
アルキルアクリレート又はアルキルメタクリレート 具体的には、エチルアクリレート、メチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート等が挙
げられる。
その他のモノマー 具体的にはスチレン、ビニルトルエンなどのアルキルス
チレン等が挙げられる。
前記非水溶媒に可溶性のモノマーとこの非水溶媒に難溶
性若しくは不溶性のモノマーはそれぞれの群の1種又は
2種以上が用いられる。
本発明のトナーの樹脂成分の前記(c)の熱可塑性樹脂
はトナー画像部の一構成成分をなすものであり、これが
トナー樹脂中に含有されることによりトナーの分散安定
性、分散液の再分散性を一層向上させるばかりでなく、
紙あるいは平版印刷版上などでの画像定着性を向上でき
るものである。このような非水溶媒に常温で難溶性若し
くは不溶性の熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン、エ
チレン酢酸ビニル共重合体、エチレンメタクリル酸共重
合体、エチレンアクリル酸共重合体、アクリル樹脂、メ
タクリル樹脂、エステルガム、フッ素樹脂、塩化ビニル
樹脂、塩素化ポリオレフィン、ポリオレフィン、ワック
ス類などが例として挙げられる。また分散安定性、画像
の定着性、再分散性を向上し、また印刷版作成用とし
て、耐刷性を持たせる機械的強度や印刷インキ着肉性を
向上できるものとしては、軟化点が60〜130℃のワック
ス類及び/又はポリオレフィンが特に好ましい。このよ
うなものとして下記に示すものが例示される。
ポリエチレンの例 ワックス(パラフィンワックス)の例メーカー 商品名 軟化点(℃) 純正化学 パラフィンワックス 60〜98 小林化工 さらし密ろう 65 セタノーム 80 永井化工 さらし密ろう 65 製鉄化学 フローセン 110 これらの前記非水溶媒に常温で難溶性又は不溶性の熱可
塑性樹脂は単独でも用いられるし、併用しても用いられ
る。また、現像後トナー粒子が定着される際に加熱して
溶融すればトナー粒子相互の結合力を向上するととも
に、トナー粒子の被画像形成面に対する接着力を向上す
る。
前記(b)の高分子化合物及び(c)の熱可塑性樹脂は
これらの合計の樹脂分に対して(b)の高分子化合物が
好ましくは95〜5重量%、より好ましくは80〜5重量
%、(c)の熱可塑性樹脂が好ましくは5〜95重量%、
より好ましくは20〜95重量%混合されるが、これらの比
率は最終製品の用途により種々変化させることができ
る。これらの範囲においては、使用した着色剤粒子は現
像液中に安定に分散され、画線部の流れの少ない、画像
の鮮鋭性にすぐれたトナー像を得ることができる。さら
に、この現像剤を用いて印刷版を作成する際に、その印
刷版が、トナー像をレジストとして、アルカリ水溶液の
ようなエッチング液によって非画線部を溶解除去(以後
エッチングと称する)されるタイプのものである場合に
は、画線部のトナー像及び印刷版の樹脂層がエッチング
液に膨潤、溶出しないことが必要であるため、液体現像
剤中に熱可塑性樹脂は45〜95重量%、高分子化合物は55
〜5重量%含有されることが好ましい。
本発明に用いられる顔料又は染料着色剤は主に静電画像
に電気泳動する電荷を付与するためのものであって一般
に液体現像剤用着色剤として知られているものは任意に
使用できる。
例えばオイルブラック、オイルレッド等の油溶性アゾ染
料、ビスマルクブラウン、クリソイジン、等の塩基性ア
ゾ染料、ウールブラック、アミドブラックグリーン、ブ
ルーブラックHF等の酸性アゾ染料、ダイレクトディープ
ブラックE、コンゴーレッド等の直接染料、スーダンバ
イオレット、アシッドブルー等のアントラキノン系染
料、オーラミン、マラカイトグリーン、クリスタルバイ
オレット等のカルボニウム染料、ローダミンB等のロー
ダミン染料、サフラニン、ニグロシン、メチレンブルー
等のキノンイミン染料等の染料が挙げられる。顔料とし
ては、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタ
ロシアニングリーン、ウオッシングレッド、ベンジジン
イエロー等が挙げられる。又表面処理を施した顔料、例
えばニグロシンで染色したカーボンブラック、グラフト
カーボン、ローダミンBで染色した酸化硅素微粉末や、
マイクロリスブルー等を用いる事もできる。
これらはそれぞれ単独又は2種以上が混合して用いられ
る。またその添加量は分散安定性、接着性、機械的強
度、レジスト性、画像再現性に大きく影響する為、樹脂
分に対し50重量%以下にすることが好ましい。
本発明に用いられる非水溶媒は、トナーを荷電状態で分
散保持する分散媒となるものであって、高絶縁性で低誘
電率を有するものが使用される。このようなものとして
は、石油系脂肪族炭化水素又はそのハロゲン誘導体が挙
げられる。このような脂肪族炭化水素としては、n−ヘ
キサン、n−ペンタン、イソオクタン、イソドデカン等
が挙げられ、この市販品としてはエクソン社製のイソパ
ラフィンであるアイソパーH、アイソパーG、アイソパ
ーL、アイソパーE、あるいはシェル石油製のシェルゾ
ール−71等がある。また、脂肪族炭化水素のハロゲン誘
導体としては四塩化炭素、パーフルオロエテレンが挙げ
られる。なお前記非水溶媒に用いられる以上のような非
水溶媒は誘電率3以下、溶解度パラメータ8.5以下のも
のである。
本発明の液体現像剤には必要に応じて電荷制御剤が画像
流れ防止剤のような添加剤を添加することができる。
このような電荷制御剤としては、レシチン、ナフテン酸
金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルナ
フタレンスルホン酸塩、モノ又はジアルキルスルホコハ
ク酸塩、ジアルキルフォスフェート、アマニ油、大豆
油、天然又は合成樹脂等が挙げられる。
また、画像流れ防止剤としては、低分子量の含フッソ樹
脂、低分子量のシリコーン、低分子量ポリスチレン、ロ
ジンエステル、石油樹脂、サッカロースアセテートイソ
ブチレート等が挙げられる。
本発明の液体現像剤は、着色剤、電荷制御剤等を選択す
れば正電荷を有するトナー又は負電荷を有するトナーを
自由に製造することができる。
本発明の液体現像剤を製造するには、高絶縁性低誘電率
の非水溶媒中に前記(a)の着色剤、(b)の高分子化
合物、及び(c)の熱可塑性樹脂を加え、必要に応じて
前記添加剤を加えて、これらをポールミル、サンドミ
ル、コロイドミル、超音波分散法等により分散する。こ
のようにすると、前記(b)の高分子化合物は着色剤を
分散質とし、これに吸着等により付着して非水溶媒に分
散する。この際この高分子化合物は前記非水溶媒に可溶
性のモノマー成分が、この非水溶媒側に向き、前記非水
溶媒に難溶性又は不溶性のモノマー成分が親水性表面を
有する着色剤粒子に向くので、その分散安定性を良く保
持できる。着色剤粒子はその微細化の過程等により帯電
して電荷を有し、それ自身荷電制御性を持つ高分子化合
物に包まれるようにして非水溶媒中に分散されるため、
優れた分散安定性、荷電制御性を示す。この際、非水溶
媒に難溶性又は不溶性モノマー成分が本発明の比較率よ
りなるトナー粒子は、高分子化合物の着色剤粒子に対す
る吸着が構造的にも電気的にも安定化し強固な結合を取
るため、画像の流れが極めて少なく経時劣化も少ない。
また前記(c)の熱可塑性樹脂は、前記(b)の高分子
化合物の重合前、重合中、重合終了後の加熱時に添加す
るか、別に高分子化合物の一部を添加した非水溶媒に加
熱溶解して添加する。また少量の非水溶媒、高分子化合
物の存在下に混練してもよい。これらの方法は、熱可塑
性樹脂を微粒子化し分散を容易にする。また添加後の分
散は常温のままで行なっても良く、あるいは熱可塑性樹
脂の前記非水溶媒への溶解温度以上に加熱した状態で分
散してもよい。熱可塑性樹脂を加熱溶解した系では、熱
可塑性樹脂のトナー液中への均一な分散が促進される。
添加後、又は加熱分散後は撹拌下に急冷することが好ま
しい。これにより熱可塑性樹脂は高分子化合物中、又は
着色剤表面に微粒子状あるいは薄膜状に析出し、その結
果トナーの分散安定性、分散液の再分散性を一層向上さ
せるばかりでなく、トナー画像の定着性、エッチング液
に対する耐性を向上することができる。
このようにして製造された液体現像剤は、その着色剤、
さらに樹脂の種類により異なるが、通常50〜220mVのゼ
ータ電位と6.0×10-6〜2.0×10-5cm2/・secの易動度を
もつ。しかしこの値はその用途により種々変化するもの
であるので、液体現像剤の物性値としてこれに限定され
るものではない。
〔実施例〕
次に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
本実施例を説明するに先立ち本実施例に使用される高分
子化合物の製造法を説明する。
製造例1 撹拌機、コンデンサー、温度計、滴下ロートを備え、窒
素シールを行なった四つ口フラスコにアイソパーG(エ
ッソ社製)100gをとり、70℃に加熱した。ついでこの中
に ステアリルメタクリレート 96g メタクリル酸 4g アゾビスイソブチロニトリル 1g よりなる混合液を2時間にわたって滴下し、さらにアイ
ソパーG320g、トリメチルアミン4.7gを加え、その後70
℃で6時間加熱を続け重合したところ重合率96.8%の樹
脂分散液を得た。
製造例2 製造例1と同様フラスコに アイソバーG 100 g 2−エチルヘキシルメタクリレート 70 g メチルメタクリレート 21.5g N,N−ジメチルアミノエチル メタクリレート 8.5g アゾビスイソブチロニトリル 2 g よりなる混合液を入れ、90℃で3時間加熱後、アイソパ
ーGを300gとアゾビスイソブチロニトリル1gを加えてさ
らに4時間加熱し重合率98.5%の樹脂分散液を得た。
製造例3 製造例1と同様フラスコに ラウリルメタクリレート 74g クリシジルメタクリレート 6g アイソパーG 100g よりなる混合物を入れて、90℃に加熱して過酸化ベンゾ
イル1.5gを加え、8時間重合し、さらにアイソパーG220
gを加えて樹脂分散液を作成した。重合率は98.5%であ
った。
製造例4 製造例1と同様フラスコにアイソパーG100gをとり、70
℃に加熱した。ついでこの中に ステアリルメタクリレート 40 g スチレン 40 g メチルメタクリレート 12 g N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート 8 g アゾビスイソブチロニトリル 2.2g よりなる混合物液を2時間にわたって滴下し、さらにア
イソパーGを300g加えその後70℃で6時間加熱を続け重
合したところ重合率97.5%の樹脂分散液を得た。
製造例5 製造例1と同様フラスコにアイソパーG100gをとり、70
℃に加熱した。ついでその中に ステアリルメタクリレート 95.2g メタクリル酸 2.2g アゾビスイソブチロニトリル 1 g よりなる混合液を2時間にわたって添加し、さらにアイ
ソパーG300g、トリエチルアミン2.6gを加え、その後70
℃で6時間加熱を続け重合したところ、重合率97.0%の
樹脂分散液を得た。
比較製造例1 製造例1と同様フラスコに アイソパーG 100g 2−エチルヘキシルメタクリレート 68g メチルメタクリレート 20g N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート 12g アゾビスイソブチロニトリル 2g よりなる混合液を入れ、90℃で3時間加熱後、アイソパ
ーG300gとアゾビスイソブチロニトリル1gを加えてさら
に4時間加熱し、重合率98.8%の樹脂分散液を得た。
比較製造例2 製造例1と同様フラスコに アイソパーG 100 g 2−エチルヘキシルメタクリレート 70 g メチルメタクリレート 26.4g アゾビスイソブチロニトリル 2 g よりなる混合液を入れ、90℃で3時間加熱後、アイソパ
ーG300gとアゾビスイソブチロニトリル1gを加え更に4
時間加熱し、重合率98.5%の樹脂分散液をえた。
実施例1 カーボンブラック(三菱化成社製 MA−100) 20g アイソパーG(エッソ社製) 240g 上記混合物をガラスビーズにて30分分散し、別にフラス
コ中で エチレン酢酸ビニル共重合体(日本ユニカー社製 DQDJ
−7197) 40g 製造例1の樹脂分散液 100g を混合、加熱溶解したものを上記分散液に高速撹拌した
状態で添加してさらに適量のガラスビーズを加えて15時
間分散した。この分散液をアイソパーGを用いて70倍倍
に希釈し液体現像剤を得た。
実施例2 製造例2の樹脂分散液 50g 着色剤表面処理したカーボンブラック(ニグロシン/三
菱化成社製MA−100=1/10) 20g アイソパーG 190g 上記混合物をガラスビーズにて30分分散し、別にフラス
コ中で ポリエチレン(三洋化成社製 サンワックス171P) 40g 製造例2の樹脂分散液 50g アイソパーG 50g を混合、加熱溶解したものを上記分散液を高速撹拌した
状態で添加してさらに適量のガラスビーズを加えて15時
間分散した。この分散液をアイソパーGを用いて70倍倍
に希釈し、液体現像剤を得た。
実施例3 製造例3の樹脂分散液 50g カーボンブラック(三菱化成社製 MA−100) 20g アイソパーG 150g 上記混合物をガラスビーズにて6時間分散し、この分散
液にポリエチレン(三洋化成社サンワックス171P)40g
をアイソパーG90g、製造例3の樹脂分散液50gに加熱溶
解したものを添加して分散液全体を80℃に加熱した状態
でさらに適量のガラスビーズを加えて2時間分散した。
その後撹拌下に分散液を急冷し、さらに7時間ガラスビ
ーズにて分散し、この分散液をアイソパーGを用いて70
倍に希釈して液体現像剤を得た。
実施例4 製造例4の樹脂分散液 50g フタロシアニンブルー(大日本インキ社製 Fastogen B
lue GS) 20g アイソパーG 120g 上記混合物を実施例3と同様にして分散した。この時熱
可塑性樹脂にはフッ素樹脂(三井フロロケミカル社製テ
フロンK)を用いた。
実施例5 カーボンブラック(三菱化成社製 #44) 20g アイソパーG 160g 上記混合物をガラスビーズにて30分分散し、別にフラス
コ中で エチレン−酢酸ビニル共重合体(日本ユニカー社製DQDJ
−7197) 20g 製造例5の樹脂分散液 200g を混合、加熱溶解したものを上記分散液を高速撹拌した
状態で添加してさらに適量のガラスビーズを加えて10時
間分散した。この分散液をアイソパーGを用いて70倍倍
に希釈し液体現像剤を得た。
実施例6 実施例1の製造例1の樹脂分散液のかわりに、製造例5
の樹脂分散液を用いた他は、実施例1と同様にして液体
現像剤を得た。
比較例1 実施例2の製造例2の樹脂分散液のかわりに、比較製造
例1の樹脂分散液を用いた他は、実施例2と同様にして
液体現像剤を得た。
比較例2 実施例2の製造例2の樹脂分散液のかわりに、比較製造
例2の樹脂分散液を用いた他は実施例2と同様にして液
体現像剤を得た。
比較例3 フタロシアニンブルー(大日本インキ社製 Fastogen B
lue GS) 20g 製造例4の樹脂分散液 100g アイソパーG 10g 上記混合物をガラスビーズにて6時間分散し、この分散
液をアイソパーGを用いて100倍に希釈して液体現像剤
を得た。
感光液及び印刷版の作成 ε型銅フタロシアニン 1重量部 m−クレゾールフェノール ノボラック樹脂 6重量部 エチレンングリコールモノ エチルエーテル 24重量部 の組成物を常温にて超音波分散器にかけ、分散均質化
し、感光液を得た。この感光液を粗面化したアルミニウ
ム板上に膜厚が5μになるように塗布し、印刷原版を得
た。この印刷原版をコロナ帯電装置にて帯電し、原稿に
反射ポジティブ、光源に蛍光灯200W、10本を用い、レン
ズ系を通して像露光を行って静電潜像を得、上記液体現
像剤にて現像を行った。加熱定着を行ない、ケイ酸ソー
ダ及びカセイソーダからなるアルカリ水溶液中に浸漬
し、非画像部(トナーの付着してない部分)の光導電性
層をエッチングして印刷版を得た。その結果を次に示
す。
なお表中の項目の評価は次のようにして行なった。
(1) 分散安定性 調整直後の現像剤を試験管中に静置し、常温で放置しト
ナーの沈降状態を肉眼で判定し、沈降を生じる月数を表
示した。また4ケ月以上たっても沈降しないものを極め
て良好とした。
(2) 文字再現の鮮鋭度 コントラストの高さと「がさつき」の有無を総合評価
し、5段階で表わした。5が最高、1が最低で、3は許
容レベル、2は使用には問題があるレベルである。
(3) トナー像流れ トナー像の特に文字部に生ずる尾引き。非画像部をかぶ
らせる結果となる為、トナー像での可視画性を悪くする
ばかりでなく、アルカリ性エッチング液で非画像部を溶
解除去した後も版の地汚れの原因となる。
上記の表から得た液体現像剤は分散安定性に優れている
こと確認された。また極性制御性に優れ、粒径が細かく
均一で文字の鮮鋭度が高く、トナー像の流れも少なかっ
た。なおこれらの印刷版をオフセット印刷に供したとこ
ろ、20万枚以上の印刷が可能であった。
ついで市販の酸化亜鉛−樹脂分散系電子写真マスターに
常法により静電潜像を形成せしめた後実施例2の現像剤
で現像し、スチレン−メタクリル酸(モル比50:50)共
重合体を砂目立てしたアルミニウム板上に約3μの厚さ
で設けた印刷用原版にバイアスロール方式により上記ト
ナー画像を転写し、さらに赤外線ランプ下で定着した。
ついでこの印刷用原版を炭酸ナトリウム2.5%水溶液で
エッチング処理を行なったところ、トナーの付着してい
ない部分が除去された印刷版を得た。エッチング時の上
記炭酸ナトリウムに対する耐性は良好で、文字再現の鮮
鋭性は極めて高くこの印刷版をオフセット印刷に供した
ところ、15万枚以上の印刷が可能であった。
次にセレン感光板上に常法により静電潜像を形成せしめ
た後、実施例4の現像剤で現像し、転写用紙にチャージ
転写したところ、非常に鮮明な高濃度(ベタ部の画像濃
度1.28)の画像が得られた。また、この画像は地汚れも
なく、鮮鋭度、解像力共に良好であった。
また、実施例5の現像剤をキャノン株式会社製液体現像
方式転写複写機NP−6に適用したところ、画像濃度1.25
で鮮鋭度、解像力共に良好な地汚れのない画像が得られ
た。
〔発明の効果〕
本発明の液体現像剤は以上説明したように、着色剤を高
絶縁性・低誘電率の非水溶媒中に、前記非水溶媒に可溶
性のモノマー成分と、この非水溶媒に難溶性若しくは不
溶性モノマー成分とからなる高分子化合物を用いて分散
した系であり、微小な粒径を有し、かつ微細すぎる粒子
や分散がうまく進行せずに残った極端に大きな粒子がな
いため、画像の流れが少なく、かつ鮮鋭性に優れたトナ
ー像を得ることができる。
また、高分子化合物中の非水溶媒に難溶性若しくは不溶
性のモノマー成分を、着色剤に対し、最適な比率で添加
したことにより、高分子化合物が着色剤に効率的に強固
に吸着されかつ液抵抗を低くおさえることが可能なた
め、優れた分散安定性、荷電制御性を示し、長期保存に
対する性能の経時劣化の少ない、画像の流れ・にじみが
極めて少ないトナー像を提供することができる。これに
より、紙面・版面のよごれ、文字のにじみのない読みや
すい良好な画像を得ることができ、さらにこの高分子化
合物を用いてトナー樹脂中の熱可塑性樹脂の比率を45重
量%以上に設定すれば、溶出液でトナー像をレジストと
してエッチングするタイプの印刷版用として鮮鋭性に優
れた画像を文字の細りを生ずることなく提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に好ましいトナー粒子分布を示し、第2
図及び第3図は好ましくない例を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非水溶媒中に a)着色剤 b)前記非水溶媒に可溶性のモノマー成分と、この非水
    溶媒に難溶性若しくは不溶性のモノマー成分とからなる
    高分子化合物 c)前記非水溶媒に常温で難溶性若しくは不溶性の熱可
    塑性樹脂 を含有するトナー粒子を含有する液体現像剤において、
    前記非水溶媒に難溶性若しくは不溶性のモノマー成分が
    タフト(Taft)の脂肪族極性置換基定数σが絶対値で0.
    45以上(|σ|≧0.45)である置換基で置換されたビニ
    ルモノマー又はビニルカルボン酸エステルモノマーの少
    なくとも1種類からなり、前記モノマーが着色剤1gあた
    り2.5×10-4〜5.5×10-4mol存在し、かつ該トナー粒子
    が、0.06μm未満の粒径を有するトナー粒子が全粒子数
    の5%以下であり、1.5μmを越える粒径を有する粒子
    が3%以下である粒径分布を有することを特徴とする電
    子写真液体現像剤。
  2. 【請求項2】高分子化合物中の非水溶媒に難溶性若しく
    は不溶性のモノマー成分がハメット(Hammet)の置換基
    定数σが0.2を越える(|σ|>0.2)置換基で置換され
    た芳香族ビニルモノマーの少なくとも1種からなり、前
    記モノマーが着色剤1gあたり2.5×10-4〜5.5×10-4mol
    存在することを特徴とする特許請求範囲第1項記載の電
    子写真液体現像剤。
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