JP3158463B2 - 静電写真用液体現像剤 - Google Patents

静電写真用液体現像剤

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JP3158463B2
JP3158463B2 JP04517091A JP4517091A JP3158463B2 JP 3158463 B2 JP3158463 B2 JP 3158463B2 JP 04517091 A JP04517091 A JP 04517091A JP 4517091 A JP4517091 A JP 4517091A JP 3158463 B2 JP3158463 B2 JP 3158463B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は静電潜像を現像するため
に使用される液体現像剤に関するものであり、特に分散
性、再分散性、帯電性、画像再現性及び保存安定性に優
れた液体現像剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に静電写真用液体現像剤は、カーボ
ンブラック、フタロシアニン等各種の着色剤と、アルキ
ッド樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリオレフィ
ン樹脂、ロジン樹脂等の天然または合成樹脂からなるト
ナー粒子を石油系炭化水素のような高絶縁性液体中に分
散し、更に金属石鹸等の荷電制御剤を加えたものであ
る。静電潜像と接触すると、液体現像剤中の帯電トナー
粒子が潜像上に電気泳動により沈着することにより現像
が行われる。
【0003】液体現像剤には種々の特性が要求される
が、まず基本的に要求される特性はトナー粒子の分散安
定性である。
【0004】従来液体現像剤においては、粒子の分散安
定性が不十分であり、保存中に粒子が凝集・沈降する傾
向があった。粒子が凝集状態にある場合は良質の画像は
得られず、解像度の劣るものとなる。また凝集、堆積し
た粒子は再分散しにくく、現像機内部に粒子が付着し、
画像の汚れや送液ポンプの目づまり等現像機の故障にも
つながっていた。この問題を克服するために、従来種々
の手段が提案されている。分散安定剤として分散媒に可
溶性の重合体、殊に両親媒性のブロックまたはグラフト
共重合体が非常に有効であることはよく知られており、
液体現像剤への適用については英国特許第1,186,562 号
(1970年)を初め数多くの提案がなされている。分散安
定効果を更に向上させるために分散安定用樹脂とトナー
粒子を化学的に結合せしめる手段も考案され、米国特許
第3,900,412 号、3,990,980 号等に開示されている。ま
た、分散安定用樹脂ばかりでなく結着用樹脂を上述の様
な両親媒性共重合体で構成することも検討され、たとえ
ば特開昭58-122557 号、特開平1-237668号等に開示され
ている。これら種々の手段によりトナー粒子の分散安定
性、再分散性はかなり改善されてはいるもののまだ十分
ではなく、更に改善が要望されている。また、これらで
提案されている樹脂は、煩雑かつ長時間を要する製造工
程を経て製造されるものが多く、経済性において問題が
ある。
【0005】分散安定性と共に、粒子の帯電性も極めて
重要である。高濃度の鮮明な画像を形成するためには、
トナー粒子は均一かつ明瞭に正又は負の極性に帯電して
いなければならない。粒子の荷電はまた、静電反発力に
よる分散安定化にも寄与する。
【0006】粒子に荷電を付与するために通常現像剤に
は荷電制御剤が添加される。荷電制御剤として一般的に
使用されているものはナフテン酸コバルト、ナフテン酸
ジルコニウム等の金属石鹸類、長鎖アルキルベンゼンス
ルフォン酸又は長鎖アルキルスルホ琥珀酸の金属塩、特
開昭56-149053 号等に開示されているN−ビニルピロリ
ドン等の極性成分を含む共重合体など、イオン性或いは
極性の物質である。
【0007】これらの荷電制御剤には種々の問題が存在
する。多くの荷電制御剤は電荷付与能力が不十分であ
り、そのため高電位の潜像でないと十分な濃度が得られ
ないことが多い。更に重要な問題点は安定性である。荷
電制御剤はトナー粒子表面に吸着されることにより効果
を発揮するが、一般に粒子と荷電制御剤の結合が不十分
なために、長期間の保存や繰返し使用によって荷電制御
剤が粒子から脱離し、帯電量が低下したり極性が不均
一、不明瞭になるという傾向があった。今一つの重大な
問題は、液の導電性を増大させることである。荷電制御
剤は一般にイオン性或いは極性の物質であるため高い導
電率を有している。従って、トナー粒子に十分な帯電量
が付与されるような量加えると、現像剤の導電率は著し
く増大し、その結果現像時に電荷のリークを起こし現像
性能が著しく低下してしまうという問題がある。荷電制
御方法については数多く提案されているが、上述の様な
問題点に対して完全に満足できるものはなく、更に改善
が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
液体現像剤は粒子の分散、帯電等に於いて不十分な点が
多く、その結果保存性や画質に問題を有していた。
【0009】本発明者らは、以上の様な液体現像剤にお
ける問題点を解決すべく鋭意研究を進めた結果、或種の
特定の構造を有する共重合体が粒子の分散に著しく有効
であるとともに、極めて優れた荷電制御効果をも有し、
かつ上記の様な諸問題点において著しく改善されたもの
であることを見出し、本発明に至ったものである。
【0010】すなわち本発明の目的は、分散の安定性及
び再分散性に優れた液体現像剤を提供することである。
本発明の他の目的は、帯電性、帯電安定性にすぐれた液
体現像剤を提供することである。更に本発明の他の目的
は、液の導電率が低く現像性能の優れた液体現像剤を提
供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
着色剤および樹脂を主成分とするトナーおよび分散安定
剤を高絶縁性担体液に分散してなる静電写真用液体現像
剤において、前記分散安定剤は、下記一般式(I)で示
される繰返し単位からなる重合体の主鎖の一方の末端に
下記一般式(II)で示される重合性二重結合基を結合
してなる一官能性マクロモノマーを必須重合成分として
含有し、かつ担体液に可溶性乃至膨潤性である共重合体
を含有するものであり、かつ、前記静電写真用液体現像
剤は、電気抵抗が1012Ωcm以上であり、下記式(I
II)を満たすことを特徴とする静電写真用液体現像剤
により達成される。
【化3】
【化4】 0.8≦(QD−QC0/(QD−QC48 ≦1. (III) (式(I)中、Xは−COO−,−OCO−,−CH2
OCO−,−CH2COO−,−O−,またはフェニレ
ン基(置換基を有してもよい)を表す。Yは、炭素数1
〜22の炭化水素基または水素原子を表す。aおよびb
は、互に同じでも異なっていても良く、各々水素原子、
ハロゲン原子、シアノ基、または炭素数1〜8の炭化水
素基を表す。また式(II)中、Zは式(I)における
Xと同義である。cおよびdは、互に同じでも異なって
いても良く、各々上記aまたはbと同義である。また、
式(III)中、QDは静電写真用液体現像剤の電荷
量、QCは前記現像剤を遠心分離して得られる担体液の
電荷量、(QD−QC0は作製直後の前記現像剤の前記
電荷量QDおよびQCの差、(QD−QC48は50℃/4
8時間放置した後の前記電荷量QDおよびQCの差を表
す。)
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】(式(I)中、Xは−COO−,−OCO
−,CH2 OCO−,−CH2 COO−,−O−,また
はフェニレン基(置換基を有してもよい)を表す。Y
は、炭素数1〜22の炭化水素基または水素原子を表
す。aおよびbは、互に同じでも異なっていても良く、
各々水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、または炭素数
1〜8の炭化水素基を表す。また式(II)中、Zは式
(I)におけるXと同義である。cおよびdは、互に同
じでも異なっても良く、各々上記aまたはbと同義であ
る。)以下、本発明について詳細に説明する。
【0015】本発明の液体現像剤において用いる高絶縁
性担体液としては、電気抵抗109 Ω・cm以上、かつ誘
電率3以下の無極性液体が好ましく、脂肪族、脂環族、
芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等を用いることが
できるが、直鎖状或いは分枝状の脂肪族炭化水素が特に
好適である。そのような溶媒としては、例えばオクタ
ン、イソオクタン、デカン、イソデカン、ドデカン、イ
ソドデカン、アイソパーG、アイソパーH、アイソパー
L(アイソパー:エクソン社の商品名)シェルゾール7
1(シェルゾール:シェル石油社の商品名)等を挙げる
ことができる。これらの液体に、上記の電気抵抗及び誘
電率の好適値を逸脱しない範囲で他の任意の液体を混合
使用することもできる。
【0016】本発明の液体現像剤においてトナー粒子を
構成する材料は特に限定されるものではなく、従来公知
の種々のものを使用することができる。すなわち着色剤
としてはカーボンブラック、フタロシアニンブルー、ハ
ンザイエロー、キナクリドンレッド等有機又は無機の各
種顔料、染料が使用可能であり、また結着樹脂としては
スチレン樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、アクリル樹
脂、アルキッド樹脂、エチレン(共)重合体、ロジン系
樹脂等から任意に選択される。着色剤と樹脂の比は特に
限定されないが、着色剤1重量部に対し樹脂0.5〜1
0重量部の範囲で配合するのが好ましく、より好ましく
は1〜5重量部である。
【0017】現像剤の調製においては、通常、以上の成
分を高絶縁性担体液に比較的高濃度に分散してまず濃厚
分散液を作製し、更に高絶縁性担体液で希釈して現像剤
が調製される。現像剤中のトナー粒子の濃度は、0.1
〜10重量%程度が適しており、更に好ましくは0.3
〜3.0重量%である。
【0018】本発明の液体現像剤において最も重要な役
割を演ずる構成成分はマクロモノマーを必須の共重合成
分として含む共重合体である。この物質は極めて優れた
分散安定効果を示し、このものを添加することにより著
しく特性の優れた液体現像剤を得ることができる。
【0019】この共重合体において、必須重合成分とし
て含まれる一官能性マクロモノマーは、一般式(I)で
示される繰返し単位からなる重合体の主鎖の一方の末端
に、一般式(II)で示される重合性二重結合基を結合
してなるものであり、その数平均分子量は特に限定され
ないが103 以上〜104 以下であるものが好ましい。
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】(式(I)中、Xは−COO−,−OCO
−,CH2 OCO−,−CH2 COO−,−O−,また
はフェニレン基(置換基を有してもよい)を表す。Y
は、炭素数1〜22の炭化水素基または水素原子を表
す。aおよびbは、互に同じでも異なっていても良く、
各々水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、または炭素数
1〜8の炭化水素基を表す。また式(II)中、Zは式
(I)におけるXと同義である。cおよびdは、互に同
じでも異なっても良く、各々上記aまたはbと同義であ
る。)(I)成分と(II)成分を連結する基として
は、C−C結合(一重或いは二重結合)、炭素−ヘテロ
原子結合(ヘテロ原子としては例えばO、S、N、Si
等)、ヘテロ原子−ヘテロ原子結合の原子団の任意の組
合せで構成される。
【0023】このマクロモノマーは、従来公知の合成方
法により製造することができる。例えばアニオン重合或
いはカチオン重合により得られるリビングポリマーの末
端に種々の試薬を反応させ重合性基を導入する方法、分
子中にCOOH、OH、アミノ基等の反応性基を含有し
た重合開始剤及び/または連鎖移動剤を用いて得られる
末端に反応性官能基を有するラジカル重合ポリマーに種
々の試薬を反応させ重合性基を導入する方法などがあ
る。
【0024】マクロモノマーは以上の様にして合成する
ことができるが、主鎖がメタクリル酸メチル、アクリル
酸ブチル、スチレン、スチレン−アクリロニトリル、シ
リコ−ンの重合体であり、末端重合性基がメタクリロイ
ル基であるものが東亜合成化学(株)より販売されてお
り、それを利用するのが便利かつ経済的にも有利であ
る。これらのうち特に好ましく用いられるものは、主鎖
がMMAよりなるもの(東亜合成化学(株)製 AA−
6)、或いはスチレンよりなるもの(同AS−6)であ
る。これらのマクロモノマーは、種類の異なる2種以上
を併用することもできる。
【0025】このマクロモノマーと共に用いられる他の
共重合成分としては、生成重合体が炭化水素担体液に可
溶或いは膨潤性となるものから選ばれ、特に好適なもの
は少なくとも6個の炭素原子を有するアルキル基のアク
リル酸或いはメタクリル酸エステル、例えば2−エチル
ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレ
ート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレ
ート等である。これらのモノマー成分の他に、更に他種
モノマー成分を生成重合体の担体液への親和性が著しく
低下しない範囲で併用することも出来る。そのようなモ
ノマーの例としては、炭素数5以下のアルキル(メタ)
アクリレート、スチレンあるいはその誘導体、アクリル
酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、グリシジル(メタ)アクリレート、N,N−
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ビニ
ルピロリドン、2−ビニルピリジン等があげられる。
【0026】本共重合体は担体液に可溶性であることが
好ましいが、完全に可溶性でなくても担体液にある程度
の親和性を示せば差支えなく使用することができる。担
体液に完全に溶解しない場合も、その共重合体を溶解す
る溶媒に溶解した溶液として添加することにより現像剤
中に均一に混合することが出来る。
【0027】本共重合体中のマクロモノマーの好適な含
量は、マクロモノマー及び他の共重合成分の種類により
異なるが一般に1〜70重量%の範囲、好ましくは5〜
50%の範囲が用いられる。1%より少ない場合は荷電
制御効果など目的とする効果が十分に表れず、また70
%を越えると生成共重合体の担体液への親和性が小さく
なりすぎ液中から分離してしまうため、この場合も効果
が十分発揮されない。本共重合体の製造は、通常のラジ
カル重合方法によって行なうことができるが、特に適し
た方法は溶液重合法である。すなわち、マクロモノマー
及び他の共重合成分を溶媒に溶解し、重合開始剤の存在
下に加熱することによって製造することができる。ここ
で用いられる溶媒としては、モノマーを溶解するもので
あれば特に制限はないが、液体現像剤中に混入してもな
るべく影響を及ぼさないよう極性基を含まないものが好
ましく、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
が好ましく用いられる。重合開始剤は一般に使用されて
いるものは全て使用でき、例えばアゾビスイソブチロニ
トリル、アゾビスイソバレロニトリル、過酸化ベンゾイ
ル、過酸化ラウロイル等を用いることができる。重合温
度、及び重合時間は使用される開始剤やモノマーの種類
に依存するが、一般に60〜150 ℃、5 〜20hr程度が好ま
しい。
【0028】本発明の現像剤は、通常の方法により製造
された液体現像剤に上記共重合体を添加することにより
製造される。共重合体は溶液として現像剤に添加するの
が便利であり、溶液重合により得られた液をそのまま使
用して差支えない。共重合体の溶解に用いられる溶媒と
しては、現像剤中に混入してもなるべく電気的性質に影
響を与えないよう極性の小さいものが好ましく、担体液
と同一の溶媒を用いるのが最も好ましい。共重合体の担
体液溶媒への溶解性が低い場合は他の任意の溶媒を用い
ることができるが、特に好ましいものはトルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素である。これらの溶媒は、現像
剤中に比較的少量ならば混入しても現像剤性能にほとん
ど影響を及ぼさないので、通常現像剤中から除去する必
要はないが、比較的低沸点の溶媒を用いた場合減圧下に
除去してもよい。
【0029】共重合体の添加量は、現像剤の不揮発分成
分1重量部に対して0.005〜5重量部、より好まし
くは0.01〜1重量部程度である。但し使用する樹脂
や顔料の種類、粒子径、マクロモノマー共重合体の組成
等が異なれば上記の最適添加量も異なるので、この範囲
に限定するものではない。
【0030】本共重合体は優れた分散安定効果を有する
と同時に、極めて優れた荷電制御効果を有することが見
出された。従って、更に荷電制御剤を添加する必要はな
い。ただし、従来公知の荷電制御剤を少量添加して使用
することも可能である。例えばナフテン酸、オクテン
酸、ステアリン酸等の脂肪酸の金属塩、サリチル酸或い
はその誘導体の金属塩、スルホ琥珀酸エステルの金属
塩、油溶性スルホン酸金属塩、燐酸エステル金属塩、燐
酸エステル系界面活性剤、アミノ酸誘導体、レシチン等
があげられる。
【0031】優れた分散安定効果に加えて、強力な荷電
制御効果を有することが本共重合体の特異的な特徴であ
り、このことが著しく高性能の液体現像剤を得ることを
可能としている。
【0032】マクロモノマー共重合体が明確なイオン性
或いは極性の成分を有していないにも拘らず強力な荷電
制御効果を示すことは驚くべきことである。その機構に
ついては、まだ解明出来ていないが、この共重合体がト
ナー粒子表面に強力に吸着され、粒子表面との間に何ら
かの電荷移動が起こる結果、粒子が帯電するものと推定
される。
【0033】マクロモノマー共重合体の添加によりトナ
ー粒子に付与される電荷の極性は、マクロモノマー及び
トナー樹脂の種類により正、負いづれの場合もあるが、
一般に主鎖がスチレンやブチルアクリレートよりなるマ
クロモノマーの場合は正の、MMAのマクロモノマーの
場合は負の極性を付与する傾向がある。またトナー樹脂
がCOOH等の酸性基を含有する場合は負の帯電性を示
しやすい。目的とする極性に応じ、マクロモノマー及び
/又はトナー樹脂の種類を選択すればよい。組成を選ぶ
ことにより正、負いづれの帯電極性のものも製造でき、
従っていかなる印字プロセスにも対応できることも、本
発明の大いに有利な点である。
【0034】イオン性、或いは極性の基を有していない
ために担体液の電気抵抗を低下させる作用が極めて少な
いことは、荷電制御剤としてのマクロモノマー共重合体
の大きな長所である。
【0035】一般に、湿式現像法では現像剤の電気抵抗
が1011Ω cm 程度以下になると、現像時に電荷が漏洩、
散逸し、画像濃度が低下する等の不都合を生ずるのであ
るが、従来のイオン性或いは強極性の荷電制御剤では、
粒子に十分な帯電量を付加するに必要な量を現像剤に添
加すると、無添加の場合1014〜1015Ω cm を示す液抵抗
を1010〜1011Ω cm 迄下げてしまうことが多い。それに
対し本発明のマクロモノマー共重合体ではせいぜい1012
〜1013Ω cm 迄しか低下せず、従って高濃度、高品質の
画像が得られる。
【0036】優れた分散性、帯電性に加え、再分散性、
保存安定性の優れていることも本発明の現像剤の顕著な
特徴である。分散性と再分散性とは一般に両立し難い特
性であり、分散安定性の向上を図った場合、粒子の沈降
速度は改善されるもののいったん沈降した粒子は一層緻
密に堆積し、再分散性は悪化するのが通常である。然る
に本発明の現像剤は、極めて良好な分散性を有するにも
拘わらず再分散性も良好であり、現像装置への付着汚れ
などのトラブルも生ずることなく、保存安定性の良さと
あいまって、常に高品質の画像を与える。しかも、本発
明の液体現像剤は、マクロモノマー共重合体をトナー粒
子そのものに含有させるのではなく、分散安定剤として
高絶縁性担体液に分散させるので、トナー粒子の結着樹
脂の選択の自由度を高くすることができる。また、分散
安定剤は液体現像剤中でトナー粒子表面に付着するだけ
で必要かつ十分な分散性等を実現するので、結着樹脂自
体に分散性を付与するために同じ共重合体を使用する場
合に比べて、高価な共重合体の使用量が少なくてもよ
い。
【0037】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明をこれらに限定されない。
【0038】(共重合体の製造) 製造例1 マクロモノマーAS-6(スチレンマクロモノマー、東亜合
成化学(株)製、数平均分子量約6000)30g 、ラウリル
メタクリレート70g 、アゾビスイソブチロニトリル2gを
トルエン200gに溶解し、撹拌装置、還流冷却器、ガス導
入管を備えた500ml 三口フラスコ中、窒素雰囲気下に緩
やかに撹拌しながら75℃に8hr 加熱した。やや混濁した
共重合体溶液が得られた。
【0039】製造例2〜5 モノマー成分として下記のものを使用し、製造例1と全
く同様にして各共重合体を製造した。
【0040】 製造例 マクロモノマー その他のモノマー No. (添加量) (添加量) 2 AA-6(MMA マクロモノマー) ラウリルメタクリレート (20g ) (80g ) 3 AA-6(MMA マクロモノマー) ステアリルメタクリレート (20g ) (80g ) 4 AB-6(ブチルアクリレ−ト ラウリルメタクリレート マクロモノマ−) (20g ) (80g ) 5 AS-6 ( 27g) ラウリルメタクリレート(70g ) アクリル酸 ( 3g ) 比較製造例1 ラウリルメタクリレート80g 、過酸化ベンゾイル1gをト
ルエン160gに溶解し、製造例1と同様にして重合反応を
行ないラウリルメタクリレート単独重合体溶液を得た。
この溶液にメチルメタクリレート20g および過酸化ベン
ゾイル2gを加え、更に8hr 80℃で反応させ、グラフト共
重合体溶液を得た。
【0041】比較製造例2 モノマーとしてラウリルメタクリレート80g およびメチ
ルメタクリレート20gを用い、製造例1と同様にして反
応させ共重合体溶液を得た。
【0042】実施例1 下記組成の成分を90℃で溶融し、これを0.8mmのガ
ラスビーズをメディアとする小型撹拌機で90℃、2時
間撹拌して顔料を分散した。
【0043】 <成 分> <分量(g)> エチレン 酢酸ビニル共重合体 (アライドシグナル社製 AC400) 30 リオノゲンマゼンタR(東洋インキ製造(株)製) 6 アイソパーM(エクソン社製) 114 混合後、混合液を室温まで冷却した後、さらにアイソパ
ーG(エクソン製)30g加えて、サンドミル(カンペ
製)で2時間湿式粉砕して、固形分20重量%の分散液
を得た。この分散液65gをアイソパーGで固形分1重
量%に希釈し、さらにこれに製造例1のマクロモノマー
共重合体25重量%トルエン溶液を5.2g添加して液
体現像剤1を作製した。
【0044】得られた現像剤の粒子径は遠心沈降式粒径
アナライザー(島津製作所製SA−CP3)で測定し
た。
【0045】現像剤の電荷発生量は次のようにして評価
した。まず現像剤1の1.45gを液体用電極(川口電
機製LP−05型)にとり、+500V印加して0.
秒間電極に流れる電流を積分した。これをQDとする。
また、このときにトナー粒子が正または負電極どちらに
付着するかでトナーの極性を判断した。次に現像剤を遠
心分離して担体液を分離し、遠心分離された担体液1.
45gを液体用電極(川口電機製LP−05型)にと
り、+500V印加して0.5秒間電極に流れる電流を
積分した。これをQCとする。QD、QCはともに電荷量
を表し、(QD−QC)が大きくかつQC/QDは小さいほ
ど、トナー粒子上に発生した正味の電荷量が大きく、
体液中のイオン成分が少ないことを示し、現像剤として
は有利である。
【0046】得られた現像剤の電荷安定性は、作製直後
の(QD −QC 0 と50℃/48時間放置後の(QD
−QC 48を測定し、その比(QD −QC 0 /(QD
−QC 48をもって評価した。この比が1に近いほど電
荷量の変化が小さく、粒子の凝集も少ないことを示し、
現像剤としては有利である。
【0047】次に現像剤1をリコー(株)製湿式複写機
DT2500を用いて印字テストしたところ良好な画像
が得られた。
【0048】実施例2〜5 実施例1において、マクロモノマー共重合体として製造
例2〜5のものをそれぞれ使用して液体現像剤2〜5を
作製し(現像剤No.は製造例No.に対応)、実施例
1と同様にしてテストしたところ、いずれも良好な画像
が得られた。
【0049】実施例6 末端水酸基変性ポリスチレン(東亜合成化学(株)製
マクロモノマーHS−6)180gとリオノゲンマゼン
タR(東洋インキ製造(株)製)36gをステンレス鍋
に入れ、これを100℃で加熱溶融後、万能混合撹拌機
5DM−γ湯煎型(三英製作所製)で2時間混練し、混練
物を冷却固化した後、エックサンプルミルKIIー1
(不二パウダル社製)で粉砕した。この粉砕物40gと
アイソパーG160gを0.8mmのガラスビーズをメデ
ィアとするサンドミルに投入し、さらに製造例2のマク
ロモノマー共重合体の25重量%トルエン溶液19.2
gを添加して6時間湿式粉砕して固形分20重量%の液
体現像剤6を作製し、実施例1と同様にしてテストした
ところ、良好な画像が得られた。
【0050】比較例1〜2 実施例1において、共重合体として比較製造例1〜2の
ものをそれぞれ使用して比較液体現像剤1〜2を作製し
(現像剤No.は比較製造例No.に対応)、実施例1
と同様にしてテストしたところ、濃度の薄い画像しか得
られなかった。作製した現像剤の粒子径、作製直後のQ
D 、QC 、および電荷安定性を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の液体現像
剤は優れた分散性、再分散性、帯電性および保存安定
性を有し、さらに液の電気抵抗が高いので、常に高濃度
・高品質の画像を与える。しかも、本発明の液体現像剤
は、マクロモノマー共重合体をトナー粒子そのものに含
有させるのではなく、分散安定剤として高絶縁性担体液
に分散させるので、トナー粒子の結着樹脂の選択の自由
度を高くすることができる。また、分散安定剤は液体現
像剤中でトナー粒子表面に付着するだけで必要かつ十分
な分散性等を実現するので、結着樹脂自体に分散性を付
与するために同じ共重合体を使用する場合に比べて、高
価な共重合体の使用量が少なくてもよい。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】着色剤および樹脂を主成分とするトナーお
    よび分散安定剤を高絶縁性担体液に分散してなる静電写
    真用液体現像剤において、前記分散安定剤は、下記一般
    式(I)で示される繰返し単位からなる重合体の主鎖の
    一方の末端に下記一般式(II)で示される重合性二重
    結合基を結合してなる一官能性マクロモノマーを必須重
    合成分として含有し、かつ担体液に可溶性乃至膨潤性で
    ある共重合体を含有するものであり、かつ、前記静電写
    真用液体現像剤は、電気抵抗が1012Ωcm以上であ
    り、下記式(III)を満たすことを特徴とする静電写
    真用液体現像剤。 【化1】 【化2】 0.8≦(QD−QC0/(QD−QC48 ≦1. (III) (式(I)中、Xは−COO−,−OCO−,−CH2
    OCO−,−CH2COO−,−O−,またはフェニレ
    ン基(置換基を有してもよい)を表す。Yは、炭素数1
    〜22の炭化水素基または水素原子を表す。aおよびb
    は、互に同じでも異なっていても良く、各々水素原子、
    ハロゲン原子、シアノ基、または炭素数1〜8の炭化水
    素基を表す。また式(II)中、Zは式(I)における
    Xと同義である。cおよびdは、互に同じでも異なって
    いても良く、各々上記aまたはbと同義である。また、
    式(III)中、QDは静電写真用液体現像剤の電荷
    量、QCは前記現像剤を遠心分離して得られる担体液の
    電荷量、(QD−QC0は作製直後の前記現像剤の前記
    電荷量QDおよびQCの差、(QD−QC48は50℃/4
    8時間放置した後の前記電荷量QDおよびQCの差を表
    す。)
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