JPH0429150B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、お互いに平行な第一と第二の主壁
と、２個の側壁と、後壁と、第一主壁にまで後方
に延在する前部開口と、この前部開口をハウジン
グ内部から分離する仕切りとを有するハウジング
を具え；前記主壁に対して直角に延在する軸線の
回りに回転するように前記両主壁間に支持された
２個のリールハブを具え、第一主壁は磁気テープ
カセツト装置の駆動スピンドルが貫通して前記リ
ールハブに連結することができるようになす２個
のスピンドル開口をもち、磁気テープがリールハ
ブに巻かれ、このテープの一部が前部開口を横切
つて延在しており；閉鎖位置と解放位置間を動き
かつ主部分と側部フランジとを含む前部カバーを
具え、前記主部分は前部カバーの閉鎖位置におい
て前部開口と、前部開口を横切つて延在する磁気
テープ部分とをおおい、前記側部フランジはハウ
ジングの各側壁に夫々隣接して位置しかつ前記側
壁に枢着されており；ハウジングの外側に位置し
かつハウジングの第一主壁に隣接して位置する主
部分を含む摺動板を具え、前記摺動板はハウジン
グ上を摺動案内されて、摺動板が前部カバーを閉
鎖位置にラツチングしかつ摺動板の主部分が、第
一主壁まで後方に延在している前部開口をおおう
閉鎖位置から、前部カバーをアンラツチングしか
つ磁気テープカセツト装置のテープ取出し手段を
通すために前部開口に近づくことを可能にする解
放位置へ、後壁に向かつて第一主壁と平行に動く
ようにハウジング上を摺動案内され、第二主壁が
その全面積にわたつて孔無しにされ、前部カバー
の主部分が前記カバーの閉鎖位置で第二主壁と接
触しており、かつ摺動板の主部分は前記開口をお
おうために摺動板の閉鎖位置で第一主壁中のスピ
ンドル開口を越えて後方に延在すると共に２個の
孔をもち、前記孔は摺動板が解放位置にあるとき
前記開口を露出させ、摺動板はラツチング部分と
作動部分を含む少なくとも１つのラツチング部材
によつて閉鎖位置にラツチングされ、作動部分は
弾力性アームの自由端近くに位置し、前記弾力性
アームは他端で第一主壁に連結され、前記アーム
の自由端は第一主壁の平面に対し実質的に直角に
動くことができ、摺動板の主部分は、この摺動板
の主部分の前縁から後方に延在するスロツト又は
みぞを具え、作動部分は摺動板の閉鎖位置でスロ
ツト又はみぞ内にその後端近くで突入するように
配置されて成る磁気テープカセツトに関するもの
である。

かかる磁気テープカセツトは実開昭第60−
133585号に開示されている。この既知のカセツト
では、前部カバーと摺動板の閉鎖位置においてカ
セツトはごみの侵入や機械的損傷から保護され
る。上記ごみの侵入や機械的損傷は前部開口を横
切つて延在する磁気テープのぴんと張つた部分に
特に有害である。閉鎖位置において、摺動板は前
部カバー用のラツチング部材を構成する。その結
果カバーは使用者がカセツトを取扱つている間偶
発的に開くことはできない。このカセツトは通
常、第２主壁の側が完全に閉鎖されているが、第
１主壁の側は摺動板によつて閉鎖できる。この摺
動板はラツチング部材によつてラツチングされ、
このラツチング部材はまた摺動板によつて前部カ
バーをラツチングする。摺動板の主部分中のスロ
ツト又はみぞは、アンラツチング手段はカセツト
を磁気テープカセツト装置に挿入する摺動運動に
より作動部分を作動させることができる、という
利点を与える。ラツチング部分の形状は特にラツ
チング作用に適合せしめられ、その結果摺動板の
一層確実なラツチングが行われる。実際に、スロ
ツト又はみぞと共に作動部分は摺動板のそれ故前
部カバーの偶発的開放を実質的に防止する。摺動
板は磁気テープカセツト装置のアンラツチング手
段によつてのみアンラツチングすることができ
る。開放位置において摺動板は、カセツトを使用
しているとき、磁気テープカセツト装置中で追加
のスペースを占めることは殆どない。

本発明の目的は本文冒頭に記載した如きカセツ
トにおいてアンラツチング位置へのラツチング部
分の移動を正確ならしめる改良構造を提供するこ
とにある。

その目的を達成するため、本発明はラツチング
部分が弾力性アームの自由端近くにも置かれてい
る点に特徴を有する。かかる構造は、作動部分と
ラツチング部分の両方が弾力性アームの自由端近
くに置かれているため、作動部分がアンラツチン
グ手段によつて動かされるとき、ラツチング部分
をそのアンラツチング位置へ正しく移動させるこ
とを確実に成し得るという利点がある。

本発明による磁気テープカセツトは磁気オーデ
イオ、ビデオ又はデータレコーダに使用するのに
適している。本発明による構造は小形カセツトに
有利に使用できるので、本発明は特に、磁気テー
プを取り出して回転ドラムに巻き付けるようにな
つた、デイジタルオーデイオレコーデイング用の
磁気テープカセツトに適している。

本発明の好適実施例は請求項２以下に記載した
通りである。

以下、本発明を図示の実施例につき説明する。

第１，２図に示す磁気テープカセツトは２個の
平行な実質的に長方形の主壁、即ち第一主壁２
（第２図）と第二主壁３（第１図）をもつハウジ
ング１からなる。主壁２はハウジングの底壁をな
し、２個の円形のスピンドル開口４を形成されて
いる。第２図はその右側の開口のみを示す。他方
の主壁３は孔無しである。カセツトハウジング１
は２個の側壁５と後壁６をもち、前部に開口７を
もち、この開口７は底部において第一主壁２まで
延在し、仕切り８によつてハウジング１の内部と
分離している。摺動板９は第一主壁２上を摺動
し、主部分１０と２個の側部分１１を有し、この
主部分は第一主壁２に対し、この壁の平面と平行
な平面内で衝合し、また２個の側部分１１は主部
分に接続し、夫々各側壁５に隣接する。各側部分
１１はその内側にリツジ部１１ａを具え、このリ
ツジ部は隣接した側壁５の外側のみぞ１２内に摺
動嵌合して、摺動板９を案内し、同時にそれをハ
ウジング１に連結する。かくて、摺動板は、底部
にあるカセツトハウジングの前部開口をおおう第
２図の実線で示す開放位置と破線で示す閉鎖位置
の間をカセツトハウジングに対して摺動する。こ
の開放位置においては前部開口は図示していない
磁気テープカセツト装置のテープ取出し手段のこ
の開口への入込みを可能にするために底部に露出
させられる。摺動板９は、その内側に、突出部１
３を有し、この突出部は後壁６と直角の方向に第
一主壁２中のスロツト（図示せず）内を摺動し、
前記突出部には引張ばね１４の一端を連結し、こ
のばねの他端は第一主壁２の内側に固定し、引張
ばね１４は摺動板９を閉鎖位置に向かつて押圧す
る弾力手段を構成する。摺動板９の主部分１０に
は２個の孔１５があり、これらの孔は摺動板の開
放位置において（第２図）主壁２中の開口４と同
軸にあり、磁気テープカセツト装置の図示してい
ない駆動スピンドルを開口４を通してカセツトハ
ウジングに入れられるようになしている。

ハウジング１の内部では、２個のリールハブ１
６，１７が、主壁と直角に延在する軸線の回りに
回転するように両主壁２，３間に支持される。磁
気テープ１８はリールハブに巻かれ、テープ部分
１８ａは前部開口７を横切つてぴんと張つて延在
する。仕切り８は両端に円筒状に彎曲した凸面の
テープ案内８ａを形成され、その左側テープ案内
は第２図に示す。各テープ案内８ａと、その前端
の隣接した側壁５の部分は通路１９に隣接し、こ
の通路を通して磁気テープ１８はハウジング１の
内部から出て、前部開口７を横切つて延在する。
カセツトを使用しないときは、即ちカセツトが磁
気テープカセツト装置に挿入されないときには、
前部開口７、この開口を横切つて延在する磁気テ
ープ部分１８ａおよび２個の通路１９はすべて前
部カバー２０によつて前部におおわれる。このカ
バーは細長い主部分２１と、この主部分の両端に
ある２個の側部フランジ２２からなる。側部フラ
ンジ２２は旋回ピン２２ａによりハウジングの
夫々の側壁５に枢着する。第１図に示す如く、前
部カバーの主部分２１はその上縁に沿つてフラン
ジ又はリツプ部２１ａをもち、これはカバーを閉
じたとき、ハウジング１の第二主壁３と接触しか
つこれと同一面をなす。同様に、前部カバーが閉
じたとき、その側部フランジ２２は摺動板９の側
部分１１と実質的に接触しかつそれと同一面をな
す。かくて、磁気テープカセツトは正確に閉鎖さ
れる。

主壁３に隣接してハウジング１内にある細長い
ブレーキ板２３は壁３の平面と平行な平面内を動
き、かつばね２４によつて後壁６に向かつて押圧
される。このばねは仕切り８に支えられる。ブレ
ーキ板２３は、使用されていないとき、ばね２４
の作用によつてリールハブ１６，１７の周面に押
当つて、リールハブの回転を妨げ、テープ１８が
カセツトハウジングの前部開口７を横切つてぴん
と張られることを保証する。ブレーキ板２３はカ
セツトハウジングを横切つて側壁から側壁まで延
在し、これらの壁に隣接した所に直角曲がりの側
部分２５をもちこれらの側部分は各々、隣接した
側壁５中のスロツト（図示せず）を貫通する突出
部２６を具える。突出部２６はこれらのスロツト
内を摺動し、摺動板９の側部分１１によつて、こ
の板の閉鎖位置において、おおわれる。かくて、
突出部２６は、摺動板９が閉ざされたとき、作動
されない。しかし、摺動板が第２図に示す開放位
置に摺動せしめられたとき、突出部２６は露出
し、前部カバー２０の側部フランジ２２の縁部分
２２ａと協働し、この結果ブレーキ板２３は前部
カバー２０が開放位置へ旋回したとき、フランジ
２２によつて前方へ動かされる。かくて、前部カ
バー２０が揺動して開くとき、ブレーキ板２３は
リールハブ１６，１７から外される。

第１図に示す如く、摺動板９の閉鎖位置におい
ては、摺動板の各側部分１１の縁部分１１ｂは前
部カバー２０の隣接した側部フランジ２２の縁部
分２２ｂと接触し、前部カバーが閉鎖位置にラツ
チング（掛止）されるようになす。摺動板９は第
２図の実線で示す開放位置に向かつて後方へ摺動
するとき、その板の側部分１１は後ろへ動いて、
カバーフランジ２２を旋回運動するように釈放
し、前部カバーはアンラツチング（掛止解除）さ
れ、このカバーが揺動して開くようにされる。

第一主壁２中に２個のラツチング部材２７が配
置され、その右側のラツチング部材のみを第２図
に示す。ラツチング部材２７は、主壁に直角にか
つリールハブ１６，１７の回転軸線を含む平面に
直角に延在しかつリールハブ１６，１７から等距
離にある平面に対し鏡面対称関係に配置する。ラ
ツチング部材２７は主壁２と一体に形成し、
各々、側壁５の１つの近くでこの主壁中の関連す
る孔３４内にかつその側壁に接する通路１９の後
ろまで短い距離にわたり位置する。各ラツチング
部材２７は弾力性アーム２８を含み、このアーム
は主壁２の平面内にありかつ摺動板９の移動方向
に延在する。このアームは後端で主壁２に連結
し、前端にはラツチング部分２９（第３図）と作
動部分３０（第４図）を形成され、これらの部分
２９，３０は一体の突出部としてアーム２８上に
並んで配列され、夫々第３，４図に示す如く両方
ともその外側（下側）で第一主壁２の平面から突
出する。第３図に示す如く、摺動板９の閉鎖位置
で、各ラツチング部材のラツチング部分２９は摺
動板９の内面のみぞ３１により形成される関連し
た孔の端壁３１ａと協働する。このみぞ３１は後
壁６と直角の方向に延在して板９を閉鎖位置にラ
ツチングする。摺動板９の開放位置において、ラ
ツチング部分２９は第６図に示す如く摺動板９の
主部分１０の前縁１０ａと協働して、この板をこ
の位置にラツチングさせる。上記両機能を正しく
行わせ、摺動板９を閉鎖位置と開放位置に確実に
ラツチングさせるために、各ラツチング部材のラ
ツチング部分２９の前面と後面、即ち摺動板と協
働する面は摺動板と主壁２の平行な平面と直角を
なして延在する。好適にはラツチング部分は長方
形状をもつ。摺動板９の閉鎖位置では、各ラツチ
ング部材２７の作動部分３０は摺動板９の主部分
１０中の関連したスロツト３２内に突入する。ス
ロツト３２は板９の前縁から後方に延在し、部分
３０は前記板の閉鎖位置でスロツトの後端近くに
位置する。カセツトが磁気テープカセツト装置内
に滑り込まされるとき、各スロツト３２は該装置
に具えたアンラツチング部材、例えば第５図に示
すピン３３を受け入れ、カセツトが前方に動くに
つれて、夫々の作動部分３０がこの部材に掛合
し、その上を摺動してそれにより持上げられ、部
分３０は丸い輪郭をもち、このためそれはアンラ
ツチング部材上を円滑に摺動することができる。
ラツチング部材２７の弾力性アーム２８に生じる
片寄りによつてこれらの部材のラツチング部分２
９は摺動板９中のみぞの外に持上げられて、前記
板をアンラツチングさせる。アーム２８のばね力
はアームの長さと厚さの選択によつて決めること
ができる。更に、アーム２８と部分２９，３０を
使用することに依り、摺動板９をラツチングさせ
るための追加の部品は必要でないことは明らかで
ある。

前述の如く、磁気テープカセツトを使用しない
とき、摺動板９は閉鎖位置にあり、カセツトハウ
ジングの底壁２中の開口４をおおう。それはまた
底部にあるハウジングの前部開口７を閉鎖させ、
このため磁気テープ１８の部分１８ａにはカセツ
トハウジングの下側から近づくことはできない。
前部において、テープ部分１８ａは閉じた前部カ
バー２０の主部分２１によりおおわれ、上側にお
いては、有効な遮へいが前部カバー２０の上部フ
ランジとカセツトハウジングの主壁３の間の接触
によつて与えられる。ラツチング部材２７は、ラ
ツチング部分２９が第３図に示す位置にあると
き、摺動板９が動けなくなることを確実にする。
カセツトが磁気テープカセツト装置内にないと
き、摺動板９のアンラツチングは非常に困難であ
る。その理由は、２個のラツチング部材を設けた
こと及び作動部分３０が比較的狭いスロツト３２
内に位置することに依つて、これらの作動部分を
指又はその爪で押し下げることが困難であること
にある。かくて本発明のカセツトは摺動部材９の
偶発的な開放を防止する程度が究めて高い。摺動
板のラツチングによつて、前部カバー２０はラツ
チングされ、この結果前部カバーは偶発的に開放
されることがない。前部カバーと摺動板を互いに
ラツチングさせることによつて、ブレーキ板２３
が偶発的に作動されることはできず、このためリ
ールハブはその回転が望ましくないときには回転
することができないということが保証される。

かくて、摺動板９と前部カバー２０を閉じたと
き、本発明の磁気テープカセツトは、ごみやほこ
りの侵入や、カセツト内の磁気テープを損傷させ
る機械的作用を有効に防止する完全に閉鎖された
ユニツトを構成する。磁気テープ部分１８ａは、
露出した位置にあるため、カセツトを使用してい
ないときには極めて良く保護されなければならな
い。前述の如く、磁気テープのこの部分は、ヘツ
ドドラム中の回転磁気ヘツドによる記録又は読取
りを可能となすために、該装置のテープ取出し手
段がテープ１８を取出してこれを該装置のヘツド
ドラムの回りに通すため、カセツトが該磁気テー
プカセツト装置に挿入されるときカセツトハウジ
ングの前部開口７で露出される必要がある。回転
ヘツドドラムで運転するかかる装置にはビデオレ
コーダがある；別例としては、デジタル形の記録
及び／又は再生信号を用いるオーデイオ又はデー
タレコーダがある。後者の型式のレコーダ用に
は、比較的小さな長さの磁気テープのみが必要と
される。本発明のカセツトは特にこの目的に適し
ている。その理由は、使用される部品が極めて小
形であるからである。

カセツトを磁気テープカセツト装置内に装入す
るためには、カセツトを該装置内の装入機構に挿
入する必要がある。この場合、該装置に前部で開
くいわゆる“レターボツクス”を具える。カセツ
トの挿入中、装入機構に定置して配置される該装
置のアンラツチング部材がカセツトの前部カバー
２０の主部分２１の下縁の凹所２１ｂを通してカ
セツトの摺動板９のスロツト３２に入る（第１
図）。前記凹所２１ｂは前部カバーが閉鎖位置に
あるときスロツト３２と一線に整列する。ピン３
３の代わりにアンラツチング部材はカセツトを挿
入する装入機構の底部に設けたうね状部とするこ
とができる。第５図に示す如くかつ前述の如く該
装置のアンラツチング部材の挿入中、ラツチング
部材２７の作動部分３０はアーム２８のばね力に
抗して上がり、このため前記アームは片寄つて、
ラツチング突出部２９を摺動板９中のみぞ３１か
ら離脱させて前記板をアンラツチングさせる。そ
のときアンラツチング部材３３は板９中のスロツ
ト３２の後部端壁に衝合し、この結果カセツトを
更に挿入するとき摺動板９はアンラツチング部材
３３によつて留められて、カセツトハウジング１
の前部開口７の底部を露出させる。この動きの間
ばね１４は更に緊張せしめられる。それらが摺動
板９の主部分１０の前縁１０ａを通るにつれて、
ラツチング部分２９はラツチング部材２７のアー
ム２８のばね力の作用下で縁１０ａ上にスナツプ
嵌合して第６図に示す位置にくる。この位置にお
いて、２個のラツチング部分２９は、摺動板９が
正しい位置を占め、この位置にラツチングされる
ことを確実ならしめる。かくて、アンラツチング
部材は、アンラツチング部材がカセツトの作用位
置において引込められるように、摺動板が開放位
置にあるときにもはや負荷されない。最終位置に
おいて、摺動板は後壁６から小さな距離をおいた
第一主壁２の隆起部分に衝合する。この位置で孔
１５は第一主壁２の開口４に近づくことを可能に
する。かくて、磁気テープカセツト装置の駆動ス
ピンドルはリールハブに容易に掛合でき、又はカ
セツトはこれらの駆動スピンドル上に装入機構に
よつて下ろすことができる。

前述の如く、前部カバー２０は、摺動板の後方
移動によつてアンラツチングされる。該装置の挿
入機構の下向き移動の結果、前部カバーは既知の
仕方では第２図に示す位置へ揺動して開き、ブレ
ーキ板２３はばね２４の力に抗して前部カバーの
側部フランジ２２により前方へ動かされ、リール
ハブ１６，１７を開放する。この時点から該装置
のテープ取出しピン又は同様の手段は、これはこ
のときカセツトハウジングの前部開口７内に突入
しているが、カセツトから磁気テープ１８のルー
プを取出し、これをヘツドドラムの回りに通すこ
とができる。今や、このテープへの記録又はテー
プ１８からの記録の再生を行なうことが可能であ
る。

カセツトが該装置から取出されるとき、ラツチ
ング部材２７の作動部分３０は該装置のアンラツ
チング部材３３によつて再び持上げられ、この結
果ラツチング部分２９は摺動板９の主部分１０の
前部縁１０ａから離脱せしめられて、前記板をア
ンラツチングさせる。次いでばね１４は第３，４
図に示す位置へ摺動板を戻し、前記位置でそれは
ラツチング部分２９によつて自動的にラツチング
される。摺動板９が閉鎖位置へ戻る前に、前部カ
バー２０は、重力とばね２４によつてブレーキ板
２３に加えられる力の結合作用下で閉鎖位置へ揺
動して戻される。前部カバー２０は摺動板９が閉
鎖位置へ戻されるとき、摺動板の側部分１１によ
つて再び閉鎖位置にラツチングされる。

第７，８図に示す第二実施例は第一実施例で既
に示されかつそれと同じ参照数字を付された多く
の部品からなる。この第二実施例では、２個のラ
ツチング部材３５の各々は弾力性アーム３６を含
み、このアームは長方形のラツチング部材３７と
作動部分３８を具え、この作動部分はラツチング
部分３７上にありかつピラミツド形輪郭をもつ。
摺動板３９の閉鎖位置で、ラツチング部分３７は
各々板３９の内面の孔４０の壁に衝合し、この板
３９をラツチングする。作動部分３８は板３９中
の関連したみぞ４１に突入する。このみぞ４１は
第一実施例中のスロツト３２と同じ方向に延在す
る。孔４０はみぞ４１の底壁に位置し、この底壁
中のもう１つの孔４２は摺動板３９の前縁近くに
位置する。板３９の開放位置において、ラツチン
グ部分３７は孔４２の壁に衝合し、この板をラツ
チングする。好適には、みぞ４１の側壁は前部カ
バー２０の主部分２１に向かつてトンネル形をな
して未広がり状に拡開するが、主部分２１はみぞ
４１と一線に整列した凹所２１ｂを具える。第
７，８図に示すカセツトの挿入中、みぞ４１は該
装置のアンラツチング部材３３を受入れる。各ア
ンラツチング部材は孔４０に隣接してみぞ４１内
にある作動部分３８を持上げる。同時に該装置上
のピン（図示せず）が板３９の前縁に衝合し、こ
の板を後壁に向かつて押圧する。この力に依つ
て、ピラミツド形輪郭をもつ部分３８は孔４０の
縁上を滑らかに摺動し、アーム３６は部分３８が
孔４０の壁から外れるまで片寄らされる。この結
果、摺動板３９はラツチング部材３５から、アン
ラツチングされることになる。カセツトを更に挿
入すると、板３９の内側は、部分３７，３８がア
ーム３６のばね力の作用下において孔４２内にス
ナツプ嵌入するまで、部分３８の先端上を摺動す
る。第７図に示す板３９のこの位置で、ラツチン
グ部分３７は、摺動板３９が正しく位置して、ラ
ツチングされることを確実にする。カセツトが該
装置から取出されるとき、各作動部分３８は該装
置のアンラツチング部材３３によつて再び持上げ
られ、この結果部分３７，３８は板３９をアンラ
ツチングすべく孔４２の壁から離脱せしめられ
る。次いでばね１４は第８図に示す位置へ板３９
を戻す。この位置においては、この板は部分３
７，３８が孔４０内にスナツプ嵌入したとき自動
的にラツチングされる。作動部分３８が比較的狭
いみぞ４１内に配置されかつ部分３８が摺動板３
９の平面上に延在しないので、作動部分３８を指
又は指の爪で押下げるのは困難であり、それ故カ
セツトが該装置内にないときに摺動板３９をアン
ラツチングすることは極めて困難である。かくて
本発明のカセツトのこの実施例は摺動板３９の偶
発的開放を防止する程度が極めて高い。

他の実施例（図示せず）としては、２個のラツ
チング部材２７；３５の代わりに、唯１個のラツ
チング部材２７又は３５をもちいることができ
る。閉鎖位置に摺動板をラツチングするために各
ラツチング部材のラツチング部分２９又は３７を
使うこともできる。摺動板の磁気テープカセツト
装置のアンラツチング部材によつて開放位置に保
持することができる。別法として、摺動板は、第
７．８図の第二実施例に関して説明したピンによ
つて開放位置に保持することができる。前記ピン
はカセツトが挿入されるとき摺動板を後壁に向か
つて押圧する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の磁気テープカセツトの斜視図
で、閉鎖位置にある前部カバーと摺動板と示す
図；第２図は第１図のカセツトの下側の一部切除
した斜視図で、開放位置にある前部カバーと摺動
板を示す図；第３図は第２図の線−上でとつ
た拡大断面図で；閉鎖位置にラツチングされた摺
動板を示す図；第４図は第２図の線−上でと
つた断面図で、第３図と同じ位置にある摺動板を
示す図；第５図は第２図の線−上でとつた断
面図で、磁気テープカセツト装置のアンラツチン
グ手段によつて持上げられたラツチング部材の作
動部分を示す図；第６図は第２図の線−上で
とつた断面図で、ラツチング部材のラツチング部
分によつて開放位置にラツチングされた摺動板を
示す図；第７図は本発明の磁気テープカセツトの
もう１つの実施例の下側の、一部分切除した斜視
図で、開放位置にある前部カバーと摺動板を示す
図；第８図は第７図の線−上でとつた拡大断
面図で、閉鎖位置にラツチングされた摺動板を示
す図である。 １…ハウジング、２…第一主壁、３…第二主
壁、４…円形開口、５…側壁、６…後壁、７…前
部の開口、８…仕切り、９…摺動板、１０…主部
分、１１…側部分、１２…みぞ、１３…突出部、
１４…引張ばね、１５…孔、１６，１７…リール
ハブ、１８…磁気テープ、１９…通路、２０…前
部カバー、２１…主部分、２２…側部フランジ、
２３…ブレーキ板、２４…ばね、２６…突出部、
２７…ラツチング部材、２８…アーム、２９…ラ
ツチング部材、３０…作動部分、３１…みぞ、３
２…スロツト、３３…ピン又はアンラツチング部
材、３５…ラツチング部材、３６…弾力性アー
ム、３７…ラツチング部材、３８…作動部分、３
９…摺動板、４０…孔、４１…みぞ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ お互いに平行な第一と第二の主壁２，３と、
   ２個の側壁５と、後壁６と、第一主壁２にまで後
   方に延在する前部開口７と、この前部開口７をハ
   ウジング内部から分離する仕切り８とを有するハ
   ウジング１を具え；前記主壁に対して直角に延在
   する軸線の回りに回転するように前記両主壁２，
   ３間に支持された２個のリールハブ１６，１７を
   具え、第一主壁２は磁気テープカセツト装置の駆
   動スピンドルが貫通して前記リールハブ１６，１
   ７に連結することができるようになす２個のスピ
   ンドル開口４をもち、磁気テープ１８がリールハ
   ブ１６，１７に巻かれ、このテープの一部１８ａ
   が前部開口７を横切つて延在しており；閉鎖位置
   と解放位置間を動きかつ主部分２１と側部フラン
   ジ２２とを含む前部カバー２０を具え、前記主部
   分は前部カバー２０の閉鎖位置において前部開口
   ７と、前部開口を横切つて延在する磁気テープ部
   分１８ａとをおおい、前記側部フランジはハウジ
   ング１の各側壁５に夫々隣接して位置しかつ前記
   側壁に枢着されており；ハウジング１の外側に位
   置しかつハウジングの第一主壁２に隣接して位置
   する主部分１０を含む摺動板９；３９を具え、前
   記摺動板９；３９はハウジング上を摺動案内され
   て、摺動板が前部カバー２０を閉鎖位置にラツチ
   ングしかつ摺動板の主部分１０が、第一主壁まで
   後方に延在している前部開口７をおおう閉鎖位置
   から、前部カバー２０をアンラツチングしかつ磁
   気テープカセツト装置のテープ取出し手段を通す
   ために前部開口７に近づくことを可能にする解放
   位置へ、後壁６に向かつて第一主壁と平行に動く
   ようにハウジング上を摺動案内され、第二主壁３
   がその全面積にわたつて孔無しにされ、前部カバ
   ー２０の主部分２１が前記カバーの閉鎖位置で第
   二主壁３と接触しており、かつ摺動板９；３９の
   主部分１０は前記開口４をおおうために摺動板の
   閉鎖位置で第一主壁２中のスピンドル開口４を越
   えて後方に延在すると共に２個の孔１５をもち、
   前記孔は摺動板９；３９が解放位置にあるとき前
   記開口４を露出させ、摺動板９；３９はラツチン
   グ部分２９；３７と作動部分３０；３８を含む少
   なくとも１つのラツチング部材２７；３５によつ
   て閉鎖位置にラツチングされ、作動部分３０；３
   ８は弾力性アーム２８；３６の自由端近くに位置
   し、前記弾力性アームは他端で第一主壁２に連結
   され、前記アームの自由端は第一主壁の平面に対
   し実質的に直角に動くことができ、摺動板９；３
   ９の主部分１０は、この摺動板の主部分１０の前
   縁１０ａから後方に延在するスロツト又はみぞ３
   ２；４１を具え、作動部分３０；３８は摺動板の
   閉鎖位置でスロツト又はみぞ３２；４１内にその
   後端近くで突入するように配置されて成る磁気テ
   ープカセツトにおいて、ラツチング部分が弾力性
   アームの前記自由端近くにも置かれていることを
   特徴とする磁気テープカセツト。 ２ 請求の範囲第１項記載の磁気テープカセツト
   において、作動位置は摺動板９；３９の移動方向
   を横切る方向でラツチング部分に隣接しているこ
   とを特徴とする磁気テープカセツト。 ３ 特許請求の範囲第２項記載の磁気テープカセ
   ツトにおいて、作動部分３８はラツチング部分３
   ７上に位置し、前記部分は弾力性アーム３６上の
   １個の一体の突出部として形成されることを特徴
   とする磁気テープカセツト。 ４ 特許請求の範囲第１項乃至第３項の何れか１
   項に記載の磁気テープカセツトにおいて、摺動板
   ９；３９の閉鎖位置において、ラツチング部分２
   ９；３７は摺動板を閉鎖位置にラツチングするた
   めに摺動板の内面の孔３１；４０の壁３１ａと協
   働し、前記孔４０は摺動板３９中のみぞ４１の底
   壁内に位置することを特徴とする磁気テープカセ
   ツト。 ５ 特許請求の範囲第４項記載の磁気テープカセ
   ツトにおいて、摺動板３９の解放位置において、
   ラツチング部分３７は摺動板を解放位置にラツチ
   ングするために摺動板中のみぞ４１の底壁中のも
   う１つの孔４２の壁と協働することを特徴とする
   磁気テープカセツト。 ６ 特許請求の範囲第１項乃至第５項の何れか１
   項に記載の磁気テープカセツトにおいて、摺動板
   ９；３９中のスロツト又はみぞ３２；４１の深さ
   はこのスロツト又はみぞに突入する作動部分３
   ０；３８の対応する寸法に少なくとも一致するこ
   とを特徴とする磁気テープカセツト。