JPH0731854B2 - カセット装填装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明はデジタルオーディオテープレコーダ（以下DA
Tと記す）のカセット装填装置に関するものである。

従来の技術 近年になって据置型のDATが市場に出回り始めたが、機
器の小型化を図りコンパクトカセットのようなポータブ
ル型のDATの出現が望まれている。

このDATは、カセットテープレコーダに使用するコンパ
クトカセットと違い、DATカセットが独特の遮蔽構造を
しており、スライダーと呼ばれる底蓋とリッドと呼ばれ
る前蓋を開けてテープを引き出してドラムに巻き付けて
録音・再生をする必要があり、従来のコンパクトカセッ
トテープレコーダのようにカセットを蓋体に挾着して所
定の位置へ載置することで機器への装填が行なわれる訳
ではない。

従来、DATのカセット装填装置はスロットイン方式のも
のと、トレイ方式のものが知られており、いずれの場合
にもDATカセットをテープ駆動系に装着するまでの仮装
着過程でスライダーのロックを解除してスライダーを移
動させ、次に仮装着位置からテープ駆動系に装着する本
装着過程また本装着状態でリッドを開くように構成して
いた。したがって、従来のDATではスライダー移動手段
はDATカセットのカセット受け部材に形成し、リッド開
放手段はDAT本体に形成する必要があり、リッド開放手
段の移動ストロークは大きいものであった。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、従来装置ではDATカセットのリッド開放
手段はDAT本体に構成され、移動ストロークの大きいも
のであるため、コンパクトカセットテープレコーダのよ
うに回動可能な蓋体にDATカセットを装着してテープ駆
動系にDATカセットを装填することにより、小型化を図
ろうとした場合、リッド開放手段の大きい移動ストロー
クが小型化を阻害する要因となるという欠点を有してい
た。

そこで、本発明はDATカセットを蓋体へ挾着することで
リッドとスライダーのいずれをも開放することのできる
カセット装填装置を提供するものである。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明のカセット装填装置
は、カセットのスライダーに当接する爪部と上記スライ
ダーのロックヒンジに当接する微少突起を形成したカセ
ット受け部材を回動可能な蓋体内面に摺動自在に支持す
ると共に上記カセット受け部材をカセット挿入方向と逆
方向にバネ付勢し、かつ上記カセット受け部材に回動自
在に軸支した釣状腕部を形成したキックギアを上記蓋体
内面に形成したラックに噛合せしめ、上記蓋体内面に押
圧バネを固着するという構成を備えたものである。

作用 本発明は、上記した構成によって、蓋体とカセット受け
部材の間にカセットが挿入されると押圧バネの押圧力で
カセット受け部材にカセットが密着して移動し、上記カ
セット受け部材の微少突起でカセットのロックヒンジが
変位してロックが解除され、スライダーが移動可能とな
り、カセットのスライダーの所定距離の移動が終るとさ
らにカセットを押すことにより上記カセット受け部材が
バネの付勢力に抗して上記蓋体と相対移動して上記蓋体
のラックに噛合したキックギアが回動し、上記キックギ
アに形成した釣状腕部がリッドに当接してリッドを開放
してテープが露出した状態となり、上記蓋体の閉動作で
カセットの装填が可能となる。

実施例 以下、本発明の第１の実施例を添付図面にもとづいて説
明する。第１図は本発明の第１の実施例における要部拡
大図で、第２〜５図は本発明の第１の実施例における側
面一部断面図である。

第１図〜第５図において、１は筐体、２は支軸、３は支
軸２にて筐体１に回動可能に支持された蓋体、４は蓋体
３の内面に取着された押圧バネ、５は蓋体３の内面に設
けたカセット受け部材であり、カセットの挿入，取出方
向に移動可能なように蓋体３に対し支持されており、カ
セットの取出方向に図示していないバネにて付勢されて
いる。６は上記カセット受け部材５に回動自在に軸支さ
れたキックギア、７は上記蓋体３とカセット受け部材５
の間に挾着されるDATカセットである。上記カセット受
け部材５にはDATカセット７のスライダー7a底面に設け
た溝に入り込んでその溝内に突出するヒンジロックを解
除する微少突起5a,5a′を有し、先端にDATカセット７の
スライダー7a端面に当接して上記スライダー7aを移動さ
せる爪部5b,5b′を有している。そして、上記カセット
受け部材５に軸支したキックギア６が上記蓋体３の内面
に形成したラック3aに噛み合っている。このキックギア
６には上記DATカセット７のリッド7bを開放するための
釣状腕部6aを有している。

このような構成において、まず第２図はカセット挿入開
始の状態をし、押圧バネ４に押さえられカセット７がカ
セット受け部材５に密着して移動し、カセット７に形成
されたロックヒンジ（図示せず）に微少突起5a,5a′が
当接してロックが解除され、スライダー7aが移動可能な
状態にある。この状態からカセット７をさらに押し込む
と、カセット受け部材５の爪部5b,5b′に当接したスラ
イダー7aが移動し、第３図のようにカセット７のリッド
7bがキックギア６の釣状腕部6aの位置より前方に位置さ
れることになる。さらにこの状態からカセット７を押し
続けると、カセット受け部材５もカセット７と共に付勢
バネに抗して移動し、これによってカセット受け部材５
に軸支されたキックギア６が上記蓋体３に形成されたラ
ック3aにより回動させられ、キックギア６に形成された
釣状腕部6aがカセット７のリッド7bと当接してリッド7b
をそのバネ付勢力に抗して回動させ、第４図のようにな
る。この状態ではカセット７のテープが露出した形とな
り、押圧バネ４の押圧力でカセット７はスライダー7aが
開きかつリッド7bが開放された仮装填状態に保持されて
いる。そして、上記蓋体３を支軸２を支点に閉動する
と、第５図のようにDATカセット７は所定の位置に装填
される。

以上のように本実施例によれば、蓋体の一部にラックを
形成し、押圧バネを固着し、微少突起と爪部を形成しか
つバネで付勢したカセット受け部材を上記蓋体に摺動自
在に支持し、上記蓋体に形成されたラックに噛合し釣状
腕部を形成したキックギアを上記カセット受け部材に回
動自在に軸支することにより、カセットを蓋体へ挾着挿
入することでリッドとスライダーのいずれをも開動する
ことができる。

発明の効果 以上のように本発明によれば、蓋体にラックを形成し、
上記蓋体に押圧バネを固着し、微少突起と爪部を形成し
たカセット受け部材をバネで付勢して上記蓋体に摺動自
在に装着し、上記蓋体に形成したラックに釣状腕部を形
成したキックギアを噛合して上記カセット受け部材に回
動自在に軸支することにより、カセットを蓋体に挾着挿
入することでリッドとスライダーを開動することが可能
となり、リッド開放手段としてのキックギアの移動スト
ロークは小さく、コンパクト化に構成することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のカセット装填装置の実施例を示す要部
の斜視図、第２図〜第５図は同装置の一部断面図であ
る。 ３……蓋体、４……押圧バネ、５……カセット受け部
材、６……キックギア。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】筐体に一端を回動自在に軸支され、内面の
   一部にラックを形成した蓋体と、上記蓋体に固着された
   押圧バネと、上記蓋体に摺動自在に装着され、一部にカ
   セットの底部に形成したスライダーに当接する爪部と上
   記スライダーの固定ロックヒンジに当接する微少突起を
   有しカセット挿入方向と逆方向にバネで付勢されたカセ
   ット受け部材と、上記蓋体のラックに噛合して上記カセ
   ット受け部材に回動自在に軸支され、前記カセットの前
   部のリッドを開閉する釣状腕部を形成したキックギアを
   備えたことを特徴とするカセット装填装置。