JPH04257848A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JPH04257848A
JPH04257848A JP4055291A JP4055291A JPH04257848A JP H04257848 A JPH04257848 A JP H04257848A JP 4055291 A JP4055291 A JP 4055291A JP 4055291 A JP4055291 A JP 4055291A JP H04257848 A JPH04257848 A JP H04257848A
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JP
Japan
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nucleus
group
silver
silver halide
emulsion
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JP4055291A
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Asa Murai
朝 村井
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀カラー写
真感光材料に関し、更に詳しくは、高感度で粒状性およ
びシャープネスが優れ、かつ、脱銀性が改良されたハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンパクトカメラおよび自動焦点
1眼レフカメラ更にはレンズ付フィルム、例えば“写ル
ンです”、等の普及により、高感度でかつ画質の優れた
ハロゲン化銀カラー写真感光材料の開発が強く望まれて
いる。そのために写真用のハロゲン化銀乳剤に対する性
能改良の要求はますます厳しく高感度、優れた粒状性、
および優れたシャープネス等の写真性能に対して、より
高水準の要求がなされている。
【0003】かかる要求に対して、増感色素または色増
感効率の向上を含む感度の向上、感度/粒状性の関係の
改良、シャープネスの改良を意図した平板状ハロゲン化
銀粒子の使用技術が、特開昭58−113926号、同
58−113927号、同58−113928号、同5
8−113930号、同58−113934号、等に開
示されている。
【0004】又、平板状ハロゲン化銀粒子において、転
位を意図的に制御して導入し、種々の写真特性を改良し
ようとする試みが特開昭63−220238号、特開平
1−102547号等に開示されている。
【0005】これらの平板状ハロゲン化銀粒子は、他の
形のハロゲン化銀粒子、例えば立方体、八面体、十四面
体、球状のハロゲン化銀粒子、に比べ表面積/体積の比
が大きく、単位体積当り用いることのできる増感色素の
量が多いということが前記、感度の向上及び感度/粒状
比の関係の改良という効果をもたらしている。しかしな
がらこの増感色素を多量に使用した平板状ハロゲン化銀
粒子をカラー写真感光材料に用いると、カラー現像後の
脱銀性能が著しく悪化するという欠点を有していた。
【0006】ここで脱銀性能とは、当業者間ではよく知
られた性能であり、以下に簡単に説明する。一般にカラ
ー写真感光材料の処理の基本工程は発色現像工程と脱銀
工程である。発色現像工程では発色現像主薬により露光
されたハロゲン化銀粒子が還元されて銀を生ずるととも
に、酸化された発色現像主薬は発色剤(カプラー)と反
応して色素画像を与える。次の脱銀工程においては、酸
化剤(漂白剤と通称する)の作用により、発色現像工程
で生じた銀が酸化され、しかるのち、定着剤と通称され
る銀イオンの錯化剤によって溶解される。この脱銀工程
を経ることによって、カラー感光材料には色素画像のみ
ができあがる。従って脱銀性能が悪化すると、色素画像
の中に銀画像が残ることになり、好ましくない。
【0007】又、近年ミニラボと称される小型の店頭処
理サービスシステムが普及するのに伴い処理の迅速化、
すなわち、処理の所要時間の短縮が強く望まれており、
この面からも脱銀性能が悪化することは大きな問題であ
った。
【0008】従って平板状ハロゲン化銀粒子を使用して
、脱銀性能の悪化しない高感度で高画質のカラー写真感
光材料を開発することは重要な課題であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は高感度
で感度/粒状比、特に色増感感度/粒状比が改良され、
かつ脱銀性が改良されたハロゲン化銀カラー写真感光材
料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、支持体
上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有する写真
感光材料において該乳剤層が平均アスペクト比が3以上
でかつ粒子内に少なくとも1つの転位線を有する平板状
ハロゲン化銀粒子を含有し、かつ該平板状ハロゲン化銀
粒子が下記一般式(I)で表わされる化合物の少なくと
も1種と、一般式(II)で表わされる化合物の少なく
とも1種を併用することにより分光増感されていること
を特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料によって
達成されることを見い出した。一般式(I)
【0011
【化4】
【0012】式中Z1 とZ2 はそれぞれベンズイミ
ダゾール核、オキサゾール核、ベンズオキサゾール核、
ナフトオキサゾール核、チアゾール核、ベンゾチアゾー
ル核、ナフトチアゾール核、セレナゾール核、ベンゾセ
レナゾール核またはナフトセレナゾール核を完成するの
に必要な原子群を表わす。R1 とR2 は炭素数8ま
での置換されてもよく、また炭素鎖が酸素原子またはイ
オウ原子で中断されていてもよい、脂肪族炭化水素基を
表わす。R0 は、水素原子、炭素数3までのアルキル
基、または炭素数8までのアラルキル基を表わす。X(
1) − は酸アニオンを表わし、mは1又は2を表わ
す。ただし、色素が分子内塩を形成する時はmは1であ
る。一般式(II)
【0013】
【化5】
【0014】式中、Z3 とZ4 はそれぞれピロリン
核、ピリジン核、インドレニン核、ベンズイミダゾール
核、オキサゾール核、ベンズオキサゾール核、ナフトオ
キサゾール核、チアゾリン核、チアゾール核、ベンゾチ
アゾール核、ナフトチアゾール核、セレナゾール核、ベ
ンゾセレナゾール核、またはナフトセレナゾール核を完
成するのに必要な原子群を表わす。R3 とR4 のう
ち少なくとも1つは、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ま
たはスルホ基のいずれかで置換された炭素数8までの脂
肪族基を表わし、残りは、炭素数8までの脂肪族基を表
わす。これらの脂肪族基はさらに置換されてもよく、ま
た炭素鎖が酸素原子、または硫黄原子で中断されている
脂肪族基でもよい。X(2) − は、酸アニオンを表
わし、nは1又は2を表わす。ただし、色素が分子内塩
を形成する時は、nは1である。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は平
均アスペクト比が3以上で、かつ粒子内に少なくとも1
つの転位線を有する平板状ハロゲン化銀粒子である。
【0017】ここで平板状ハロゲン化銀粒子(以下「平
板状粒子」という)とは、1枚の双晶面か2枚以上の平
行な双晶面を有する粒子の総称である。双晶面とは、こ
の場合(111)面の両側ですべての格子点のイオンが
鏡像関係にある場合にこの(111)面のことをいう。 この平板状粒子は粒子を上から見た時に三角形状、六角
形状もしくはこれらが丸みを帯びた円形状をしており、
三角形状のものは三角形の、六角形状のものは六角形の
、円形状のものは円形状の互いに平行な外表面を有して
いる。
【0018】本発明における平板状粒子のアスペクト比
とは0.1μm以上の粒子直径を有する平板状粒子につ
いて、各々その粒子直径を厚みで割った値をいう。ここ
で粒子直径とは、粒子の平行な外表面の投影面積と等し
い面積をもつ円の直径である。粒子の投影面積は、電子
顕微鏡上の面積を測定し、撮影倍率を補正することによ
り得られる。粒子の厚みの測定は、参照用のラテックス
球とともに粒子の斜め方向から金属を蒸着し、そのシャ
ドーの長さを、電子顕微鏡上で測定し、ラテックス球の
シャドーの長さを参照にして計算することにより容易に
できる。
【0019】平均アスペクト比は、少なくとも100個
のハロゲン化銀粒子について、各粒子のアスペクト比の
算術平均として求められる。
【0020】本発明に用いられる平板状粒子の平均アス
ペクト比は3以上であるが、好ましくは平均アスペクト
比が3以上10未満、更に好ましくは、4以上8未満で
ある。
【0021】平板状粒子の直径および厚みは、平均アス
ペクト比が3以上という条件を満たせば任意であるが粒
子直径としては、0.3〜5.0μmが好ましく、更に
好ましくは、0.4〜3.0μmである。又、粒子の厚
みは、0.05〜1.0μmが好ましく、更に好ましく
は、0.05〜0.3μmである。
【0022】また単分散の平板状粒子を用いるとさらに
好ましい結果が得られることがある。単分散の平板状粒
子の構造および製造法は、例えば特開昭63−1516
18号などの記載に従うが、その形状を簡単に述べると
、ハロゲン化銀粒子の全投影面積の70%以上が、最小
の長さを有する辺の長さに対する最大の長さを有する辺
の長さの比が、2以下である六角形であり、かつ、平行
な2面を外表面として有する平板状ハロゲン化銀によっ
て占められており、さらに、該六角平板状ハロゲン化銀
粒子の粒子サイズ分布の変動係数〔その投影面積の円換
算直径で表わされる粒子サイズのバラツキ(標準偏差)
を、平均粒子サイズで割った値〕が25%以下の単分散
性をもつものである。
【0023】さらに本発明に用いられる平板状粒子は転
位線を有する。平板状粒子の転位線は、例えばJ.F.
Hamilton,Phot.Sci.Eng., 1
1、57(1967)やT.Shiozawa,J.S
oc.Phot.Sci.Japan 、35、213
(1972)、特開昭63−220238号、等に記載
の、低温での透過型電子顕微鏡を用いた直接的な方法に
より観察することができる。すなわち乳剤から粒子に転
位線が発生するほどの圧力をかけないよう注意して取り
出したハロゲン化銀粒子を電子顕微鏡観察用のメッシュ
にのせ、電子線による損傷(プリントアウト等)を防ぐ
ように試料を冷却した状態で透過法により観察を行なう
。この時粒子の厚みが厚い程、電子線が透過しにくくな
るので高圧型(0.25μの厚さの粒子に対して200
kV以上)の電子顕微鏡を用いた方がより鮮明に観察す
ることができる。このような方法により得られた粒子の
写真より、主平面に対して垂直方向から見た場合の各粒
子についての転位線の位置および数を求めることができ
る。
【0024】転位線の数は、1粒子当り1本以上、好ま
しくは1粒子当り平均10本以上である。より好ましく
は1粒子当り平均20本以上である。転位線が密集して
存在する場合、または転位線が互いに交わって観察する
場合には、1粒子当りの転位線の数は明確には数えるこ
とができない場合がある。しかしながら、これらの場合
においても、おおよそ10本、20本、30本という程
度には数えることが可能であり、明らかに、数本しか存
在しない場合とは区別できる。転位線の数の1粒子当り
の平均数については100粒子以上について転位線の数
を数えて、数平均として求める。
【0025】転位線は、例えば平板状粒子の外周近傍に
導入することができる。この場合転位線は外周にほぼ垂
直であり、平板状粒子の中心から辺(外周)までの距離
の長さのx%の位置から始まり外周に至るように転位線
が発生している。このxの値は好ましくは10以上10
0未満であり、より好ましくは30以上99未満であり
、最も好ましくは50以上98未満である。この時、こ
の転位線の開始する位置を結んでつくられる形状は粒子
形と相似に近いが、完全な相似形ではなく、ゆがむこと
がある。この型の転位線は粒子の中心領域には見られな
い。転位線の方向は結晶学的におおよそ(211)方向
であるがしばしば蛇行しており、また互いに交わってい
ることもある。
【0026】また平板状粒子の外周上の全域に渡ってほ
ぼ均一に転位線を有していても、外周上の局所的な位置
に転位線を有していてもよい。すなわち6角形平板状ハ
ロゲン化銀粒子を例にとると、6つの頂点の近傍のみに
転位線が限定されていてもよいし、そのうちの1つの頂
点近傍のみに転位線が限定されていてもよい。逆に6つ
の頂点近傍を除く辺のみに転位線が限定されていること
も可能である。
【0027】また平板状粒子の平行な2つの主平面の中
心を含む領域に渡って転位線が形成されていてもよい。 主平面の全域に渡って転位線が形成されている場合には
転位線の方向は主平面に垂直な方向から見ると結晶学的
におおよそ(211)方向の場合もあるが(110)方
向またはランダムに形成されている場合もあり、さらに
各転位線の長さもランダムであり、主平面上に短い線と
して観察される場合と、長い線として辺(外周)まで到
達して観察される場合がある。転位線は直線のこともあ
れば蛇行していることも多い。また、多くの場合互いに
交わっている。
【0028】転位線の位置は以上のように外周上または
主平面上または局所的な位置に限定されていても良いし
、これらが組み合わされて、形成されていても良い。 すなわち、外周上と主平面上に同時に存在していても良
い。
【0029】平板状粒子の外周上に転位線を導入するに
は粒子内部に特定の高沃化銀層を設けることによって達
成できる。ここで高沃化銀層には、不連続に高沃化銀領
域を設ける場合を含む。具体的には基盤粒子を調製した
後、高沃化銀層を設けその外側を高沃化銀層より沃化銀
含有率の低い層でカバーすることによって得られる。基
盤の平板状粒子の沃化銀含有率は高沃化銀層よりも低く
、好ましくは0〜20モル%より好ましくは0〜15モ
ル%である。
【0030】粒子内部の高沃化銀層とは沃化銀を含むハ
ロゲン化銀固溶体をいう。この場合のハロゲン化銀とし
ては沃化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀が好ましいが、沃化
銀または沃臭化銀(沃化銀含有率10〜40モル%)で
あることがより好ましい。この粒子内部の高沃化銀層(
以下、内部高沃化銀層という)を基盤粒子の辺上、角上
のいずれかの場所に選択的に存在せしめるためには基盤
粒子の生成条件および内部高沃化銀層の生成条件によっ
てコントロールすることができる。基銀粒子の生成条件
としてはpAg(銀イオン濃度の逆数の対数)およびハ
ロゲン化銀溶剤の有無、種類および量、温度が重要な要
因である。基盤粒子の成長時のpAgを8.5以下より
好ましくは8以下で行うことにより、内部高沃化銀層を
基盤粒子の頂点近傍に選択的に存在せしめることができ
る。一方基盤粒子の成長時のpAgを8.5以上より好
ましくは9以上で行うことにより、内部高沃化銀層を基
盤粒子の辺上に存在せしめることができる。これらのp
Agのしきい値は温度およびハロゲン化銀溶剤の有無、
種類および量によって上下に変化する。ハロゲン化銀溶
剤として、例えばチオシアネートを用いた場合にはこの
pAgのしきい値は高い値の方向にずれる。成長時のp
Agとして特に重要なものはその基盤粒子の成長の最終
時のpAgである。一方、成長時のpAgが上記の値を
満足しない場合においても、基盤粒子の成長後、該pA
gに調整し、熟成することにより、内部高沃化銀層の選
択位置をコントロールすることも可能である。この時、
ハロゲン化銀溶剤としてアンモニア、アミン化合物、チ
オシアネート塩が有効である。内部高沃化銀層の生成は
いわゆるコンバージョン法を用いることができる。この
方法には、粒子形成途中に、その時点での粒子あるいは
粒子の表面近傍を形成しているハロゲンイオンより、銀
イオンとつくる塩の溶解度が小さいハロゲンイオンを添
加する方法などがあるが、本発明においてはその時点の
粒子の表面積に対して添加する溶解度の小さいハロゲン
イオンがある値(ハロゲン組成に関係する)以上の量で
あることが好ましい。たとえば粒子形成途中においてそ
の時点のAgBr粒子の表面積に対してある量以上のK
I量を添加することが好ましい。具体的には8.2×1
0−5モル/m2以上の沃化物塩を添加することが好ま
しい。
【0031】より好ましい内部高沃化銀層の生成法は沃
化物塩を含むハロゲン化物塩水溶液の添加と同時に銀塩
水溶液を添加する方法である。
【0032】例えばKI水溶液の添加と同時にAgNO
3 水溶液をダブルジェットで添加する。この時KI水
溶液とAgNO3 水溶液の添加開始時間と添加終了時
間はお互いに前後してずれていてもよい。KI水溶液に
対するAgNO3 水溶液の添加モル比は0.1以上が
好ましく、より好ましくは0.5以上が好ましい。さら
に好ましくは1以上である。系中のハロゲンイオンおよ
び添加沃素イオンに対してAgNO3 水溶液の総添加
モル量が銀過剰領域となってもよい。これらの沃素イオ
ンを含むハロゲン化物水溶液の添加と銀塩水溶液とのダ
ブルジェットによる添加時のpAgは、ダブルジェット
の添加時間に伴なって減少することが好ましい。添加開
始前のpAgは6.5以上13以下が好ましい。より好
ましくは7.0以上11以下が好ましい。添加終了時の
pAgは6.5以上10.0以下が最も好ましい。
【0033】以上の方法を実施する際には、混合系のハ
ロゲン化銀の溶解度が極力低い方が好ましい。したがっ
て高沃化銀層を形成する時の混合系の温度は30℃以上
70℃以下が好ましいが、より好ましくは30℃以上5
0℃以下である。
【0034】最も好ましくは内部高沃化銀層の形成は微
粒子沃化銀(微細な沃化銀の意、以下、同様である。)
または微粒子沃臭化銀または微粒子塩沃化銀または微粒
子塩沃臭化銀を添加して行うことができる。特に微粒子
沃化銀を添加して行うことが好ましい。これら微粒子は
通常0.01μm以上0.1μm以下の粒子サイズであ
るが、0.01μm以下または0.1μm以上の粒子サ
イズの微粒子も、用いることができる。これら微粒子ハ
ロゲン化銀粒子の調製方法に関しては特願昭63−78
51号、同63−195778号、同63−7852号
、同63−7853号、同63−194861号および
同63−194862号に関する記載を参考にすること
ができる。これら微粒子ハロゲン化銀を添加して熟成す
ることにより内部高沃化銀層を設けることが可能である
。熟成して微粒子を溶解する時には、前述したハロゲン
化銀溶剤を用いることも可能である。これら添加した微
粒子は直ちに全て溶解して消失する必要はなく、最終粒
子が完成した時に溶解消失していればよい。
【0035】内部高沃化銀層をカバーする外側の層は高
沃化銀層の沃化銀含有率よりも低く、好ましくは沃化銀
含有率は0〜30モル%より好ましくは0〜20モル%
最も好ましくは0〜10モル%である。この内部高沃化
銀層の位置は粒子の投影される六角形等の中心から測り
、粒子全体の銀量に対して5モル%以上100モル%未
満の範囲に存在することが好ましくさらに好ましくは2
0モル%以上95モル%未満、特に50モル%以上90
モル%未満の範囲内であることが好ましい。これら内部
高沃化銀層を形成するハロゲン化銀の量は銀量にして粒
子全体の銀量の50モル%以下であり、より好ましくは
20モル%以下である。これら高沃化銀層に関してはハ
ロゲン化銀乳剤製造の処方値であって、最終粒子のハロ
ゲン組成を種々の分析法にて測定した値ではない。内部
高沃化銀層は最終粒子においては、再結晶過程等により
消失してしまうことがよくあり、以上は全てその製造方
法に関するものである。
【0036】したがって最終粒子においては転位線の観
測は上述した方法によって容易に行えるが、転位線の導
入のために導入した内部沃化銀層は明確な層としては確
認することができない場合が多く、例えば、平板状粒子
の外周域が、全て、高沃化銀層として観測される場合も
ある。これらのハロゲン組成についてはX線回折、EP
MA(XMAという名称もある)法(電子線でハロゲン
化銀粒子を走査してハロゲン化銀組成を検出する方法)
、ESCA(XPSという名称もある)法(X線を照射
し粒子表面から出て来る光電子を分光する方法)などを
組み合わせることにより確認することができる。
【0037】内部高沃化銀層をカバーする外側の層の形
成時の温度、pAgは任意であるが、好ましい温度は3
0℃以上、80℃以下である。最も好ましくは35℃以
上70℃以下である。好ましいpAgは6.5以上11
.5以下である。前述したハロゲン化銀溶剤を用いると
好ましい場合もあり、最も好ましいハロゲン化銀溶剤は
チオシアネート塩である。
【0038】平板状粒子の主表面に転位線を導入するに
は、基盤粒子を調製した後、ハロ塩化銀を主表面に沈積
させ、そのハロ塩化銀をコンバージョンを経て高臭化銀
又は高沃化銀層を形成させ、その外側にさらにシェル層
を設ければよい。ハロ塩化銀としては塩化銀または塩化
銀含量10モル%以上、好ましくは60モル%以上の塩
臭化銀、または塩沃臭化銀を挙げることができる。これ
らのハロ塩化銀の基盤粒子の主平面上への沈積は硝酸銀
水溶液と適当なアルカリ金属塩(例えば塩化カリウム)
の水溶液を別々にまたは同時に添加することによっても
できるし、これら銀塩からなる乳剤を添加して熟成する
ことにより沈着させることもできる。これらのハロ塩化
銀の沈積はあらゆるpAgの領域で可能であるが、最も
好ましくは5.0以上9.5以下である。この方法では
、平板粒子を主として厚さ方向に成長させる。このハロ
塩化銀層の量は基盤粒子に対して銀換算モル%で1モル
%以上80モル%以下である。より好ましくは2モル%
以上60モル%以下である。このハロ塩化銀層をハロ塩
化銀より溶解度の低い銀塩を作ることができるハロゲン
化物水溶液でコンバージョンさせることにより、平板状
粒子の主平面上に転位線を導入することが可能である。 例えばKI水溶液によってこのハロ塩化銀層をコンバー
ジョンした後、シェルを成長させて最終粒子を得ること
が可能である。これらハロ塩化銀層のハロゲン変換はハ
ロ塩化銀よりも溶解度の低い銀塩に全て置きかわること
を意味するのではなく好ましくは5%以上、より好まし
くは10%以上、最も好ましくは20%以上、溶解度の
低い銀塩に置きかわる。ハロ塩化銀層を設ける基盤粒子
のハロゲン構造をコントロールすることにより主平面上
の局所部位を転位線を導入することが可能である。 例えば基盤平板状粒子の横方向に変位して内部高沃化銀
構造の基盤粒子を用いると主平面の中心部を除いた周辺
部の主平面にのみ転位線を導入することが可能である。 また基盤平板状粒子の横方向に変位して、外側高沃化銀
構造の基盤粒子を用いると、主平面の周辺部を除いた中
心部のみに転位線を導入することが可能である。さらに
はハロ塩化銀のエピタキシャル成長の局部支配物質例え
ば沃化物を用いてハロ塩化銀を面積的に限定された部位
のみに沈積させ、その部位のみに転位線を導入すること
も可能である。ハロ塩化銀の沈積時の温度は30℃以上
、70℃以下が好ましいが、より好ましくは30℃以上
50℃以下である。これらハロ塩化銀の沈積後にコンバ
ージョンを行い、その後にシェルを成長させることも可
能であるが、ハロ塩化銀の沈積後にシェルの成長を行い
ながらハロゲン変換を行うことも可能でる。
【0039】主平面にほぼ平行に形成させる内部ハロ塩
化銀層の位置は粒子厚さの中心から両側に粒子全体の銀
量に対して5モル%以上100モル%未満の範囲に存在
することが好ましく、さらに好ましくは20モル%以上
95モル%未満、特に50モル%以上90モル%未満の
範囲内であることが好ましい。
【0040】シェルの沃化銀含有率は好ましくは0〜3
0モル%、より好ましくは0〜20モル%である。シェ
ル形成時の温度、pAgは任意であるが、好ましい温度
は30℃以上、80℃以下である。最も好ましくは35
℃以上70℃以下である。好ましいpAgは6.5以上
11.5以下である。前述したハロゲン化銀溶剤を用い
ると好ましい場合もあり、最も好ましいハロゲン化銀溶
剤はチオシアネート塩である。最終粒子においては、ハ
ロゲン変換を受けた内部ハロ塩化銀層は、そのハロゲン
変換の程度等の条件により、前述したハロゲン組成の分
析法では確認できない場合がある。しかしながら転位線
は明確に観測できうる。
【0041】この平板状粒子の主平面上の任意の位置に
転位線を導入する方法と、前述した平板状粒子の外周上
の任意の位置に転位線を導入する方法を適宜、組み合わ
せて用いて転位線を導入することも可能である。
【0042】平板状粒子は、他の形のハロゲン化銀粒子
、例えば八面体、立方体、十四面体、球状のハロゲン化
銀粒子、に比べて表面積/体積比が大きく、同じ体積の
ハロゲン化銀粒子に対して、多量の増感色素を用いるこ
とができ、光吸収量を著しく増加できるという利点があ
るが、多量の増感色素を用いると増感色素によってもた
らされる減感も大きくなり、1粒子当りの光吸収量は増
大するが色増感感度が光吸収量に比例して増加しないと
いう問題点があった。この問題に対して前述した転位線
を粒子内に導入することによって、増感色素による減感
が減少し、色増感感度が増加する。
【0043】本発明に併用できるハロゲン化銀乳剤には
、臭化銀、沃臭化銀、沃塩臭化銀および塩臭化銀のいず
れのハロゲン化銀を用いてもよい。好ましいハロゲン化
銀は30モル%以下の沃化銀を含む沃臭化銀、もしくは
沃塩臭化銀である。
【0044】本発明の平板状粒子はクリーブ著「写真の
理論と実際」(Cleve,PhotographyT
heory and Practice (1930)
)、131頁;ガトフ著、フォトグラフィク・サイエン
ス・アンドエンジニアリング(Gutoff,Phot
ographic Scienceand Engin
eering)、第14巻、248〜257頁(197
0年);米国特許第4,434,226号、同4,41
4,310号、同4,433,048号、同4,439
,520号および英国特許第2,112,157号など
に記載の方法により簡単に調製することができる。
【0045】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤において
、ハロゲン化銀粒子の結晶構造は一様なものでも、内部
と外部とが異質なハロゲン組成からなるものでもよく、
層状構造をなしていてもよい。これらの乳剤粒子は、英
国特許第1,027,146号、米国特許第3,505
,068号、同4,444,877号および特願昭58
−248469号等に開示されている。また、エピタキ
シャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀が接合さ
れていてもよく、また例えばロダン銀、酸化鉛などのハ
ロゲン化銀以外の化合物と接合されていてもよい。
【0046】本発明のハロゲン化銀乳剤はその粒子中に
、ハロゲン組成に関して分布あるいは構造を有すること
が好ましい。その典型的なものが特公昭43−1316
2、特開昭61−215540、特開昭60−2228
45、特開昭61−75337などに開示されているよ
うな粒子の内部と表層が異なるハロゲン組成を有するコ
ア−シェル型あるいは二重構造型の粒子である。このよ
うな粒子においてはコア部の形状とシェルの付いた全体
の形状が同一のこともあれば異なることもある。また単
なる二重構造でなく、特開昭60−222844に開示
されているような三重構造にしたりそれ以上の多層構造
にすることや、コア−シェルの二重構造の粒子の表面に
異なる組成を有するハロゲン化銀を薄くつけたりするこ
とができる。
【0047】粒子の内部に構造を持たせるために、上述
のような包み込む構造だけでなく、いわゆる接合構造を
有する粒子をつくることができる。これらの例は特開昭
59−133540、特開昭58−108526、EP
199290A2、特公昭58−24772、特開昭5
9−16254などに開示されている。接合する結晶は
ホストとなる結晶と異なる組成をもってホスト結晶のエ
ッジやコーナー部、あるいは面部に接合して生成させる
ことができる。このような接合結晶はホスト結晶がハロ
ゲン組成に関して均一であってもあるいはコア−シェル
型の構造を有するものであっても形成させることができ
る。
【0048】接合構造の場合にはハロゲン化銀同志の組
み合せは当然可能であるが、ロダン銀、炭酸銀などの岩
塩構造でない銀塩化合物をハロゲン化銀と組み合せ、接
合構造をとることができる。またPbOのような非銀塩
化合物も接合構造が可能であれば用いてもよい。
【0049】これらの構造を有する沃臭化銀粒子の場合
、たとえばコア−シェル型の粒子においてコア部が沃化
銀含有量が高く、シェル部が沃化銀含有量が低くても、
また逆にコア部の沃化銀含有量が低く、シェル部が高い
粒子であってもよい。同様に接合構造を有する粒子につ
いてもホスト結晶の沃化銀含有率が高く、接合結晶の沃
化銀含有率が相対的に低い粒子であっても、その逆の粒
子であってもよい。同様のことは塩化銀含有量について
もいえる。
【0050】また、これらの構造を有する粒子のハロゲ
ン組成の異なる境界部分は、明確な境界であっても、組
成差により混晶を形成して不明確な境界であってもよく
、また積極的に連続的な構造変化をつけたものでも良い
【0051】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤はEP−
0096727B2、EP−0064412B1などに
開示されているように粒子に丸みをもたらす処理、ある
いはDE−2306447C2、特開昭60−2213
20に開示されているように表面の改質を行ってもよい
【0052】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は表面潜
像型が好ましいが、特開昭59−133542に開示さ
れているように現像液あるいは現像の条件を選ぶことに
より内部潜像型の乳剤も用いることができる。また薄い
シェルをかぶせる浅内部潜像型乳剤も目的に応じて用い
ることができる。
【0053】熟成を促進するのにハロゲン化銀溶剤が有
用である。例えば熟成を促進するのに過剰量のハロゲン
イオンを反応器中に存在せしめることが知られている。 それ故、ハロゲン化物塩溶液を反応器中に導入するだけ
で熟成を促進し得ることは明らかである。他の熟成剤を
用いることもできる。これらの熟成剤は銀およびハロゲ
ン化物塩を添加する前に反応器中の分散媒中に全量を配
合しておくことができるし、また1もしくは2以上のハ
ロゲン化物塩、銀塩または解膠剤を加えると共に反応器
中に導入することもできる。別の変形態様として、熟成
剤をハロゲン化物塩および銀塩添加段階で独立して導入
することもできる。
【0054】ハロゲンイオン以外の熟成剤としては、ア
ンモニアあるいは、アミン化合物、チオシアネート塩、
例えばアルカリ金属チオシアネート塩、特にナトリウム
およびカリウムチオシアネート塩、並びにアンモニウム
チオシアネート塩を用いることができる。
【0055】本発明に用いる平板状粒子は粒子間の沃化
銀含量がより均一になっていることが好ましい。粒子間
の沃化銀含量が均一であるかどうかの判断を下すことは
、前述したEPMA法(Electron−Probe
 Micro Analyzer法)を用いることは可
能となる。
【0056】この方法は乳剤粒子を互いに接触しないよ
うに良く分散したサンプルを作成し電子ビームを照射す
る。電子線励起によるX線分析により極微小な部分の元
素分析が行える。
【0057】この方法により、各粒子から放射される銀
及び沃素の特性X線強度を求めることにより、個々の粒
子のハロゲン組成が決定できる。
【0058】EPMA法により粒子間の沃化銀含量の分
布を測定した時に、相対標準偏差が50%以下、さらに
35%以下、特に20%以下であることが好ましい。
【0059】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は、ハロ
ゲン化銀粒子の形成又は物理熟成の過程において、カド
ミウム塩、亜鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩またはそ
の錯塩、ロジウム塩またはその錯塩、鉄塩または鉄錯塩
などを共存させてもよい。最も好ましいのはイリジウム
塩である。
【0060】本発明に用いる平板状ハロゲン化銀粒子は
、粒子形成過程又は物理熟成の過程において、Mois
ar等、“Jornal of Photograph
ic Science”25巻、1977年19〜27
ページに記載されているように内部還元増感することも
できる。還元増感は、ハロゲン化銀乳剤に還元増感剤を
添加する方法、銀熟成と呼ばれるpAg1〜7の低pA
g雰囲気下で成長又は熟成させる方法、高pH熟成と呼
ばれるpH8〜11の高pH雰囲気で成長又は熟成させ
る方法のいずれかの方法で行なわれる。還元増感を行な
うために使用する還元増感剤としては、第1錫塩、アミ
ン及びポリアミン類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジ
ンスルフィン酸、シラン化合物、ボラン化合物などが用
いられる。
【0061】本発明で用いる平板状ハロゲン化銀乳剤は
通常化学増感される。
【0062】化学増感は、上記ハロゲン化銀乳剤形成後
に行なわれるがハロゲン化銀乳剤形成後、化学増感を行
なう前に前記乳剤を常法に従って水洗してもよい。水洗
の方法としては、広くリサーチ・ディスクロージャー 
No.308119(1989年12月)のII節に記
載の方法が使用できる。
【0063】化学増感については、リサーチ・ディスク
ロージャー No.17643(1978年12月:2
3頁)及び同 No.18716(1979年11月:
648頁右欄)に記載されており、pAg5〜10、p
H5〜8及び温度30〜80℃において硫黄、セレン、
テルル、金、白金、パラジウム、イリジウム又は、これ
ら増感剤の複数の組み合せを用いて行なうことができる
【0064】また、化学増感は、米国特許第26423
61号に記載されているようにチオシアネート化合物の
存在下で、あるいは米国特許第2521926号、同3
021215号、同4054457号に記載されている
タイプの硫黄含有化合物の存在下で行なうこともできる
【0065】更に、本発明で用いる平板状ハロゲン化銀
粒子は前記一般式(I)で表わされるトリメチンシアニ
ン色素および/又は、一般式(II)で表わされるモノ
メチンシアニン色素の存在下で化学増感されることが好
ましい。トリメチンシアニン色素やモノメチンシアニン
色素を含む分光増感色素の存在下で化学増感する方法は
、例えば米国特許第4425426号、同第44422
01号、特開昭59−9658号、同61−10314
9号、同61−133941号等に記載されている。
【0066】一般式(I)のトリメチンシアニン色素と
一般式(II)のモノメチンシアニン色素を化学増感の
際使用する場合は、各々単独で使用してもよいし、併用
して使用してもよいが、併用して使用するのが好ましい
【0067】又上述のように化学増感時に一般式(I)
のトリメチンシアニン色素および/又は一般式(II)
のモノメチンシアニン色素を存在させた平板状ハロゲン
化銀粒子は、分光増感するために、同種又は別種の色素
を更に追加で添加してもよいし、しなくてもよい。
【0068】本発明で用いる平板状ハロゲン化銀粒子は
前記一般式(I)で表わされる化合物(トリメチンシア
ニン色素)の少なくとも1種と一般式(II)で表わさ
れる化合物(モノメチンシアニン色素)の少なくとも1
種を併用することにより分光増感されている。
【0069】トリメチンシアニン色素とモノメチンシア
ニン色素とを組み合わせて使用する方法は、特公昭48
−1762号、特公昭54−34535号、特公昭56
−38936号、特開昭58−153926号、特開昭
62−160450号、特開昭63−298240号、
特開平2−24644号等に開示されているがいずれの
公報にも粒子内に転位線を有する平板状ハロゲン化銀粒
子と組み合わせて使用することの記載は全くなく、又、
脱銀性能についての記載もない。
【0070】従って本発明において、粒子内に転位線を
有する平板状ハロゲン化銀粒子を、前記一般式(I)で
表わされるトリメチン色素と、一般式(II)で表わさ
れるモノメチン色素を併用して分光増感することによっ
て、高感度で粒状性が良くかつ脱銀性能が改良されたカ
ラー写真感光材料が得られるのは、全く予想外の効果で
あった。
【0071】本発明で用いられる一般式(I)および一
般式(II) の化合物について更に詳細に説明する。 一般式(I)
【0072】
【化6】
【0073】式中Z1 とZ2 はそれぞれベンズイミ
ダゾール核、オキサゾール核、ベンズオキサゾール核、
ナフトオキサゾール核、チアゾール核、ベンゾチアゾー
ル核、ナフトチアゾール核、セレナゾール核、ベンゾセ
レナゾール核、又はナフトセレナゾール核を形成するに
必要な原子群を表わす。上記ナフトオキサゾール核、ナ
フトチアゾール核及びナフトセレナゾール核はナフト〔
1,2−d〕オキサゾール核、ナフト〔2,1−d〕オ
キサゾール核、ナフト〔1,2−d〕チアゾール核、ナ
フト〔2,1−d〕チアゾール核、ナフト〔2,3−d
〕チアゾール核、ナフト〔1,2−d〕セレナゾール核
、及びナフト〔2,1−d〕セレナゾール核を包含する
【0074】これらの核に含まれた芳香族環上には種々
の置換基を有してもよい。たとえばハロゲン原子(たと
えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子)、炭素数6まで
のアルキル基(たとえばメチル基、エチル基、イソプロ
ピル基、3−プロピル基、ブチル基、t−アミル基)、
シアノ基、カルボキシ基、炭素数4までのアルコキシカ
ルボニル基(たとえばエトキシカルボニル基)、炭素数
4までのアルキルボニル基(たとえばアセチル基)、炭
素数4以下のアルキルスルホニル基(たとえばメチルス
ルホニル基)、芳香族炭化水素基(たとえばフェニル基
、p−トリル基)、ハロゲン置換アルキル基(たとえば
トリフルオロメチル基)、ヒドロキシ基、炭素数4まで
のアルコキシ基(たとえばメトキシ基、エトキシ基)、
または炭素数4までのアルキルカルボニルアミノ基(た
とえばアセチルアミノ基)等を有することができる。ベ
ンズイミダゾール核の1−位ちっ素原子上には炭素数4
までのアルキル基(たとえばメチル基、エチル基、プロ
ピル基)、炭素数4までのアルケニル基(たとえばアリ
ル基)、または芳香族炭化水素基(たとえばフェニル基
)などを有することができる。
【0075】R1 とR2 は炭素数8までの置換され
てもよく、また炭素鎖が酸素原子、硫黄原子などで中断
されてもよい脂肪族炭化水素基をあらわす。R0 は水
素原子、炭素数3までのアルキル基(メチル基、エチル
基、プロピル基など)または炭素数8までのアラルキル
基(たとえばフェネチル基)をあらわす。X(1) −
 は酸アニオンをあらわし、mは1又は2をあらわす。 ただし色素が分子内塩を形成するときmは1である。一
般式(II)
【0076】
【化7】
【0077】式中Z3 とZ4 はそれぞれピロリン核
、ピリジン核、インドレニン核、ベンズイミダゾール核
、オキサゾール核、ベンズオキサゾール核、ナフトオキ
サゾール核、チアゾリジン核、チアゾール核、ベンゾチ
アゾール核、ナフトチアゾール核、セレナゾール核、ベ
ンゾセレナゾール核、またはナフトセレナゾール核を完
成するのに必要な原子群を表わす。上記ナフトオキサゾ
ール核にはナフト〔1,2−d〕オキサゾール核、およ
びナフト〔2,1−d〕オキサゾール核を、ナフトチア
ゾール核にはナフト〔1,2−d〕チアゾール核、ナフ
ト〔2,1−d〕チアゾール核およびナフト〔2,3−
d〕チアゾール核を、ナフトセレナゾール核にはナフト
〔1,2−d〕セレナゾール核およびナフト〔2,1−
d〕セレナゾール核などが包含される。これらの核の芳
香族炭化水素環上には、種々の置換基を有してもよく、
それらの置換基には一般式(I)のZ1 及びZ2 の
場合の芳香族炭化水素環上の置換基と同様のものを使用
できる。インドレニン核の3−位炭素原子上には炭素数
3までの低級アルキル基(たとえばメチル基)を置換基
として有することができる。
【0078】R3 とR4 のうち少なくとも一つは、
ヒドロキシ基、カルボキシ基、またはスルホ基のいずれ
かで置換された炭素数8までの脂肪族基を示し、残りは
炭素数8までの脂肪族基を示す。これらの脂肪族基はさ
らに置換されてもよく、また炭素鎖が酸素原子または硫
黄原子で中断されている脂肪族基でもよい。
【0079】X(2) − は酸アニオンを表わし、n
は1又は2を表わす。ただし色素が分子内塩を形成する
時、nは1である。
【0080】本発明に用いる一般式〔I〕と〔II〕を
各々有する増感色素において、Z1 またはZ2 によ
って完成される異節環核の具体例は、次の如くである。 すなわち、1−メチル−5−クロロベンズイミダゾール
、1−メチル−5−フルオロベンズイミダゾール、1−
メチル−5,6−ジクロロベンズイミダゾール、1−メ
チル−5,6−ジフルオロベンズイミダゾール、1−エ
チル−5−クロロベンズイミダゾール、1−エチル−5
−フルオロベンズイミダゾール、1−エチル−5,6−
ジクロロベンズイミダゾール、1−エチル−5,6−ジ
フルオロベンズイミダゾール、1−プロピル−5−クロ
ロベンズイミダゾール、1−プロピル−5−フルオロベ
ンズイミダゾール、1−プロピル−5,6−ジクロロベ
ンズイミダゾール、1−プロピル−5,6−ジフルオロ
ベンズイミダゾール、1−アリル(allyl)−5−
クロロベンズイミダゾール、1−アリル−5,6−ジク
ロロベンズイミダゾール、1−アリル−5,6−ジフル
オロベンズイミダゾール、1−エチル−5−メトキシカ
ルボニルベンズイミダゾール、1−エチル−5−メチル
スルホニルベンズイミダゾール、1−フェニル−5−ク
ロロベンズイミダゾール、1−フェニル−5−フルオロ
ベンズイミダゾール、1−フェニル−5,6−ジクロロ
ベンズイミダゾール、1−フェニル−5,6−ジフルオ
ロベンズイミダゾール、1−エチル−5−トリフルオロ
メチルベンズイミダゾール:オキサゾール、4−メチル
オキサゾール、5−メチルオキサゾール、4,5−ジメ
チルオキサゾール、4−p−トリルオキサゾール、ベン
ズオキサゾール、5−フルオロベンズオキサゾール、5
−クロロベンズオキサゾール、5−ブロモベンズオキサ
ゾール、5−トリフルオロメチルベンズオキサゾール、
5−メチルベンズオキサゾール、5−メチル−6−フェ
ニルベンズオキサゾール、5,6−ジメチルベンズオキ
サゾール、5−メトキシベンズオキサゾール、5,6ジ
−メトキシベンズオキサゾール、5−フェニルベンズオ
キサゾール、5−カルボキシベンズオキサゾール、5−
メトキシカルボニルベンズオキサゾール、5−アセチル
ベンズオキサゾール、5−ヒドロキシベンズオキサゾー
ル:ナフト〔1,2−d〕オキサゾール:チアゾール、
4−メチルチアゾール、4−フェニルチアゾール、4,
5−ジメチルチアゾール、4−メチル−5−フェニルチ
アゾール、ベンゾチアゾール、5−クロロベンゾチアゾ
ール、5−ブロモベンゾチアゾール、5−メチルベンゾ
チアゾール、5−メトキシベンゾチアゾール、5−エト
キシベンゾチアゾール、6−メチルベンズチアゾール、
6−クロロベンゾチアゾール、5−カルボキシベンゾチ
アゾール、5−アセチルベンゾチアゾール、5−メトキ
シカルボニルベンゾチアゾール、5−ヒドロキシベンゾ
チアゾール、5−トリフルオロメチルベンゾチアゾール
、5−シアノベンゾチアゾール、5,6−ジメチルベン
ゾチアゾール、5−アセチルアミノベンゾチアゾール、
6−メトキシベンゾチアゾール、5,6−ジメトキシベ
ンゾチアゾール、5,6−ジクロロベンゾチアゾール、
ナフト〔1,2−d〕チアゾール、セレナゾール、4−
メチルセレナゾール、4−フェニルセレナゾール、4,
5−ジメチルセレナゾール、ベンゾセレナゾール、5−
クロロベンゾセレナゾール、5−ブロモベンゾセレナゾ
ール、5−メチルベンゾセレナゾール、5−メトキシベ
ンゾセレナゾール、5,6−ジメチルベンゾセレナゾー
ル、ナフト〔1,2−d〕セレナゾール等の核である。
【0081】Z3 またはZ4 によって完成される異
節環核の具体例としては、以上のほか、ピロリン、チア
ゾリン、ピリジン、3,3−ジメチルインドレニン、3
,3,6−トリメチルインドレニン、6−クロロ−3,
3−ジメチルインドレニン、3,3,5,6−テトラメ
チルインドレニンなどの核があげられる。
【0082】上記一般式〔I〕および〔II〕において
R1 、R2 、R3 及びR4 によって夫々表わさ
れる置換基の具体例は次の如くである。すなわちメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−メトキシエ
チル基、2−エチルチオエチル基、2−ヒドロキシエチ
ル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチ
ル基、2−カルボキシエチル基、3−カルボキシプロピ
ル基、4−カルボキシブチル基、3−カルボキシブチル
基、2(2−カルボキシエトキシ)エチル基、2−スル
ホエチル基、3−スルホプロピル基、3−スルホブチル
基、4−スルホブチル基、2−(3−スルホプロポキシ
)エチル基、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル基、
3−スルホプロポキシエトキシエチル基、ビニルメチル
基等である
【0083】X(1) − とX(2) − によって
示される酸アニオンは、例えば、ヨードイオン、ブロモ
イオン、クロロイオン、p−トルエンスルホン酸イオン
、ナフタレンジスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸
イオン、硫酸イオン、パークロレートイオン、ロダンイ
オンなど通常のシアニン色素塩に用いられる酸アニオン
である。
【0084】次に本発明に用いられる増感色素の具体例
を示すが、本発明はこれらにのみ限定されるものではな
い。
【0085】
【化8】
【0086】
【化9】
【0087】
【化10】
【0088】
【化11】
【0089】
【化12】
【0090】
【化13】
【0091】
【化14】
【0092】
【化15】
【0093】
【化16】
【0094】
【化17】
【0095】
【化18】
【0096】
【化19】
【0097】
【化20】
【0098】
【化21】
【0099】
【化22】
【0100】
【化23】
【0101】
【化24】
【0102】
【化25】
【0103】
【化26】
【0104】本発明に用いる一般式(I)の化合物のう
ち特に好ましいものは下記一般式(A)で表わされる化
合物である。一般式(A)
【0105】
【化27】
【0106】〔一般式において、A1 、A2 、A3
 およびA4 はおのおの水素原子、低級アルキル基、
アルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アリー
ル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル、シアノ
基、トリフロロメチル基、アミノ基、アシルアミド基、
アシル基、アシロキシル基、アルコキシカルボニルアミ
ノ基、カルボアルコキシ基を表わす。A1 とA2 、
A3 とA4 は互に連結してナフトオキサゾール核を
形成してもよい。
【0107】R5 は水素原子、または炭素数3までの
アルキル基を表わす。
【0108】R6 およびR7 はおのおの炭素数8ま
でのアルキル基を表わす。ただし、R6 とR7 のう
ち少くとも1つはスルホラジカルをもつアルキル基であ
るものとする。X3 はアニオンを表わす。kは1また
は2を表わし、kは色素が分子内塩を形成する時である
。〕
【0109】本発明に用いられる一般式〔I〕、〔
II〕で表される化合物は、公知の化合物であり、以下
の文献等に記載の方法により、容易に合成することがで
きる。
【0110】例えば、エフ・エム・ハーマー(F.M.
Hamer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ−
シアニン・ダイズ・アンド・リレイティッド・コンパウ
ンズ−(Heterocyclic Compound
s−Cyanine dyes and relate
d compounds−)」、ジョン・ウィリー・ア
ンド・サンズ(John Wiley & Sons)
社、ニューヨーク、ロンドン、(1964年刊)、デー
・エム・スターマー(D.M.Sturmer)著、「
ヘテロサイクリック・コンパウンズ−スペシャル・トピ
ックス・イン・ヘテロサイクリック・ケミストリー−(
Heterocyclic Compounds−Sp
ecial topics in heterocyc
lic chemistry−)」、第18章、第14
節、第482〜515頁、ジョン・ウィリー・アンド・
サンズ(John Wiley & Sons)社、ニ
ューヨーク、ロンドン、(1977年刊)、デー・ジェ
ー・フライ(D.J.Fry)著、「ロッズ・ケミスト
リー・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodd’s 
Chemistry of Carbon Compo
unds) 」、(2nd.Ed.vol.IV、pa
rtB、1977年刊)、第15章、第369〜422
頁;(2nd.Ed.vol.IV、partB、19
85年刊)、第15章、第267〜296頁、エルスバ
イヤー・サイエンス・パブリッシング・カンパニー・イ
ンク(Elsvier Science Publis
hing Company Inc.)社刊、ニューヨ
ーク、などの文献が挙げられる。
【0111】本発明に用いられる一般式(I)および(
II)で表わされる化合物の全添加量(添加される色素
の合計量)は、銀モル当り1×10−5モル〜1×10
−2モル、好ましくは5×10−5モル〜5×10−3
モル、特に好ましくは1×10−4モル〜1×10−3
モルである。 一般式(I)の化合物に対する一般式(II)の化合物
の比率は1/50〜1/5の範囲であるが1/30〜1
/10の範囲が特に好ましい。
【0112】上記色素は通常メタノール、エタノール、
水、セロソルブ、酢酸エチルなどの溶媒に溶解してハロ
ゲン化銀乳剤に添加するか、又は水に難溶のオイルに色
素を溶解し、水又は親水性コロイドに分散して添加する
【0113】一般式(I)および(II)で表わされる
色素の添加時期は、平板状ハロゲン化銀粒子を含む乳剤
の製造工程中又は、製造後塗布する前までの任意の工程
で添加することができる。具体的には、ハロゲン化銀粒
子形成中、形成後化学増感前、化学増感中、化学増感終
了後、塗布直前のいずれの時期でもよい。このうち、ハ
ロゲン化銀粒子形成後化学増感前又は化学増感中が好ま
しい。更に上記添加時期に対して色素を分割して任意の
工程で分割添加してもよい。
【0114】又一般式(I)と(II)で表わされる色
素は同時に添加してもよく、別々に添加してもよい。好
ましい添加方法としては一般式(I)および(II)の
色素を同時に添加するか、一般式(II)の色素を添加
した後、一般式(I)の色素を添加する方法である。
【0115】本発明で用いられる平板状ハロゲン化銀粒
子は、一般式(I)で表わされる化合物の少なくとも1
種と、一般式(II)で表わされる化合物の少なくとも
1種を含む以外にそれ自身分光増感作用をもたない色素
あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であって強色
増感を示す物質を含んでいてもよい。例えば含窒素異節
環基で置換されたアミノスチリル化合物(たとえば米国
特許第2933390号、同3635721号に記載の
もの)、芳香族有機酸ホルムアルデヒド縮合物(たとえ
ば米国特許第3743510号に記載のもの)、カドミ
ウム塩、アザインデン化合物などを含んでいてもよい。
【0116】本発明の感光材料は、支持体上に青感色性
層、緑感色性層、赤感色性層のハロゲン化銀乳剤層の少
なくとも1層が設けられていればよく、ハロゲン化銀乳
剤層および非感光性層の層数および層順に特に制限はな
い。典型的な例としては、支持体上に、実質的に感色性
は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤
層から成る感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化
銀写真感光材料であり、該感光性層は青色光、緑色光、
および赤外光の何れかに感色性を有する単位感光性層で
あり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料においては
、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤感
色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置される。しか
し、目的に応じて上記設置順が逆であっても、また同一
感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような設置順を
もとり得る。上記のハロゲン化銀感光性層の間および最
上層、最下層には各種の中間層等の非感光性層を設けて
もよい。該中間層には、特開昭61−43748号、同
59−113438号、同59−113440号、同6
1−20037号、同61−20038号明細書に記載
されるようなカプラー、DIR化合物等が含まれていて
もよく、通常用いられるように混色防止剤を含んでいて
もよい。各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化銀
乳剤層は、西独特許第1,121,470号あるいは英
国特許第923,045号に記載されるように高感度乳
剤層、低感度乳剤層の2層構成を好ましく用いることが
できる。通常は、支持体に向かって順次感光度が低くな
る様に配列するのが好ましく、また各ハロゲン乳剤層の
間には非感光性層が設けられていてもよい。また、特開
昭57−112751号、同62−200350号、同
62−206541号、62−206543号等に記載
されているように支持体より離れた側に低感度乳剤層、
支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよい。 具体例として支持体から最も遠い側から、低感度青感光
性層、(BL)/高感度青感光性層(BH)/高感度緑
感光性層(GH)/低感度緑感光性層(GL)/高感度
赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層(RL)の順、
またはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、また
はBH/BL/GH/GL/RL/RHの順等に設置す
ることができる。また特公昭55−34932号公報に
記載されているように、支持体から最も遠い側から青感
光性層/GH/RH/GL/RLの順に配列することも
できる。また特開昭56−25738号、同62−63
936号明細書に記載されているように、支持体から最
も遠い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順
に配列することもできる。また特公昭49−15495
号公報に記載されているように上層を最も感光度の高い
ハロゲン化銀乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハ
ロゲン化銀乳剤層、下層を中層よりも更に感光度の低い
ハロゲン化銀乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度
が順次低められた感光度の異なる3層から構成される配
列が挙げられる。このような感光度の異なる3層から構
成される場合でも、特開昭59−202464号明細書
に記載されているように、同一感色性層中において支持
体より離れた側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感
度乳剤層の順に配置されていてもよい。その他、高感度
乳剤層/低感度乳剤層/中感度乳剤層、あるいは低感度
乳剤層/中感度乳剤層/高感度乳剤層などの順に配置さ
れていてもよい。また、4層以上の場合にも、上記の如
く配列を変えてよい。色再現性を改良するために、米国
特許第4,663,271号、同第4,705,744
号、同第4,707,436号、特開昭62−1604
48号、同63−89850号の明細書に記載の、BL
,GL,RLなどの主感光層と分光感度分布が異なる重
層効果のドナー層(CL)を主感光層に隣接もしくは近
接して配置することが好ましい。上記のように、それぞ
れの感光材料の目的に応じて種々の層構成・配列を選択
することができる。
【0117】本発明に用いられる写真感光材料の写真乳
剤層に含有される好ましいハロゲン化銀は約30モル%
以下のヨウ化銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、もし
くはヨウ塩臭化銀である。特に好ましいのは約2モル%
から約10モル%までのヨウ化銀を含むヨウ臭化銀もし
くはヨウ塩臭化銀である。写真乳剤中のハロゲン化銀粒
子は、立方体、八面体、十四面体のような規則的な結晶
を有するもの、球状、板状のような変則的な結晶形を有
するもの、双晶面などの結晶欠陥を有するもの、あるい
はそれらの複合形でもよい。ハロゲン化銀の粒径は、約
0.2μm以下の微粒子でも投影面積直径が約10μm
に至るまでの大サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単
分散乳剤でもよい。本発明に使用できるハロゲン化銀写
真乳剤は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(RD
)No. 17643(1978年12月),22〜2
3頁,“I.乳剤製造(Emulsion prepa
ration and  types)”、および同N
o. 18716(1979年11月),648頁、同
No. 307105(1989年11月),863〜
865頁、およびグラフキデ著「写真の物理と化学」,
ポールモンテル社刊(P.Glafkides ,Ch
emie  et Phisique Photogr
aphique ,Paul Montel ,196
7)、ダフィン著「写真乳剤化学」,フォーカルプレス
社刊(G.F.Duffin ,Photograph
ic Emulsion Chemistry(Foc
al Press,1966))、ゼリクマンら著「写
真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V.L
.Zelikman et al.,Making  
and  Coating  Photographi
c  Emulsion ,Focal Press 
, 1964)などに記載された方法を用いて調製する
ことができる。
【0118】米国特許第3,574,628号、同3,
655,394号および英国特許第1,413,748
号などに記載された単分散乳剤も好ましい。また、アス
ペクト比が約3以上であるような平板状粒子も本発明に
使用できる。平板状粒子は、ガトフ著、フォトグラフィ
ック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Gut
off,  PhotographicScience
 andEngineering)、第14巻  24
8〜257頁(1970年);米国特許第4,434,
226号、同4,414,310号、同4,433,0
48号、同4,439,520号および英国特許第2,
112,157号などに記載の方法により簡単に調製す
ることができる。結晶構造は一様なものでも、内部と外
部とが異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状
構造をなしていてもよい、また、エピタキシャル接合に
よって組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよ
く、また例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以
外の化合物と接合されていてもよい。また種々の結晶形
の粒子の混合物を用いてもよい。上記の乳剤は潜像を主
として表面に形成する表面潜像型でも、粒子内部に形成
する内部潜像型でも表面と内部のいずれにも潜像を有す
る型のいずれでもよいが、ネガ型の乳剤であることが必
要である。内部潜像型のうち、特開昭63−26474
0号に記載のコア/シェル型内部潜像型乳剤であっても
よい。このコア/シェル型内部潜像型乳剤の調製方法は
、特開昭59−133542号に記載されている。この
乳剤のシェルの厚みは、現像処理等によって異なるが、
3〜40nmが好ましく、5〜20nmが特に好ましい
【0119】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このよ
うな工程で使用される添加剤はリサーチ・ディスクロー
ジャーNo. 17643、同No. 18716およ
び同No. 307105に記載されており、その該当
箇所を後掲の表にまとめた。本発明の感光材料には、感
光性ハロゲン化銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、
ハロゲン組成、粒子の形状、感度の少なくとも1つの特
性の異なる2種類以上の乳剤を、同一層中に混合して使
用することができる。米国特許第4,082,553号
に記載の粒子表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子、米国
特許第4,626,498号、特開昭59−21485
2号に記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子、
コロイド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層および/または
実質的に非感光性の親水性コロイド層に好ましく使用で
きる。粒子内部および/または表面をかぶらせたハロゲ
ン化銀粒子とは、感光材料の未露光部および露光部を問
わず、一様に(非像様に)現像が可能となるハロゲン化
銀粒子のことをいう。粒子内部または表面をかぶらせた
ハロゲン化銀粒子の調製法は、米国特許第4,626,
498号、特開昭59−214852号に記載されてい
る。粒子内部がかぶらされたコア/シェル型ハロゲン化
銀粒子の内部核を形成するハロゲン化銀は、同一のハロ
ゲン組成をもつものでも異なるハロゲン組成をもつもの
でもよい。 粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀としては
、塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいずれを
も用いることができる。これらのかぶらされたハロゲン
化銀粒子の粒子サイズには特別な限定はないが、平均粒
子サイズとしては0.01〜0.75μm、特に0.0
5〜0.6μmが好ましい。また、粒子形状については
特に限定はなく、規則的な粒子でもよく、また、多分散
乳剤でもよいが、単分散(ハロゲン化銀粒子の重量また
は粒子数の少なくとも95%が平均粒子径の±40%以
内の粒子径を有するもの)であることが好ましい。
【0120】本発明には、非感光性微粒子ハロゲン化銀
を使用することが好ましい。非感光性微粒子ハロゲン化
銀とは、色素画像を得るための像様露光時においては感
光せずに、その現像処理において実質的に現像されない
ハロゲン化銀微粒子であり、あらかじめカブラされてい
ないほうが好ましい。微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の
含有率が0〜100モル%であり、必要に応じて塩化銀
および/または沃化銀を含有してもよい。好ましい沃化
銀を0.5〜10モル%含有するものである。微粒子ハ
ロゲン化銀は、平均粒径(投影面積の円相当直径の平均
値)が0.01〜0.5μmが好ましく、0.02〜0
.2μmがより好ましい。微粒子ハロゲン化銀は、通常
の感光性ハロゲン化銀と同様の方法で調製できる。この
場合、ハロゲン化銀粒子の表面は、光学的に増感される
必要はなく、また分光増感も不要である。ただし、これ
を塗布液に添加するのに先立ち、あらかじめトリアゾー
ル系、アザインデン系、ベンゾチアゾリウム系、もしく
はメルカプト系化合物または亜鉛化合物などの公知の安
定剤を添加しておくことが好ましい。この微粒子ハロゲ
ン化銀粒子含有層に、コロイド銀を好ましく含有させる
ことができる。本発明の感光材料の塗布銀量は、6.0
g/m2以下が好ましく、4.5g/m2以下が最も好
ましい。
【0121】本発明に使用できる公知の写真用添加剤も
上記の3つのリサーチ・ディスクロージャーに記載され
ており、下記の表に関連する記載箇所を示した。     添加剤の種類          RD176
43         RD18716       
RD307105  1. 化学増感剤       
     23頁         648頁右欄  
        866頁  2. 感度上昇剤   
                        6
48頁右欄  3. 分光増感剤、        2
3〜24頁         648頁右欄     
    866〜868 頁      強色増感剤 
                         
  〜 649頁右欄  4. 増  白  剤   
         24頁         647頁
右欄          868頁  5. かぶり防
止剤、      24〜25頁         6
49頁右欄         868〜870 頁  
    安定剤   6. 光吸収剤、フ        25〜26頁
         649頁右欄          
873頁      ィルター染料、        
                〜 650頁左欄 
     紫外線吸収剤   7. ステイン防止剤        25頁右欄
       650頁左欄〜右欄    872頁 
 8. 色素画像安定剤          25頁 
      650頁左欄          872
頁  9. 硬  膜  剤            
  26頁       651頁左欄       
  874〜875 頁  10. バインダー   
           26頁       651頁
左欄         873〜874 頁  11.
 可塑剤、潤滑剤          27頁    
   650頁右欄          876頁  
12. 塗布助剤、            26〜2
7頁       650頁右欄         8
75〜876 頁      表面活性剤   13. スタチック防止剤        27頁
       650頁右欄         876
〜877 頁  14. マット剤         
                         
             878〜879 頁
【01
22】また、ホルムアルデヒドガスによる写真性能の劣
化を防止するために、米国特許4,411,987号や
同第4,435,503号に記載されたホルムアルデヒ
ドと反応して、固定化できる化合物を感光材料に添加す
ることが好ましい。本発明の感光材料に、米国特許第4
,740,454号、同第4,788,132号、特開
昭62−18539号、特開平1−283551号に記
載のメルカプト化合物を含有させることが好ましい。本
発明の感光材料に、特開平1−106052号に記載の
、現像処理によって生成した現像銀量とは無関係にかぶ
らせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶剤またはそれらの
前駆体を放出する化合物を含有させることが好ましい。 本発明の感光材料に、国際公開WO88/04794号
、特開平1−502912号に記載された方法で分散さ
れた染料またはEP317,308A号、米国特許4,
420,555号、特開平1−259358号に記載の
染料を含有させることが好ましい。本発明には種々のカ
ラーカプラーを使用することができ、その具体例は前出
のリサーチ・ディスクロージャーNo. 17643、
VII −C〜G、および同No. 307105、V
II −C〜Gに記載された特許に記載されている。本
発明の一般式(I) で表わされるカプラーと併用でき
るイエローカプラーとしては、例えば米国特許第3,9
33,501号、同第4,022,620号、同第4,
326,024号、同第4,401,752号、同第4
,248,961号、特公昭58−10739号、英国
特許第1,425,020号、同第1,476,760
号、米国特許第3,973,968号、同第4,314
,023号、同第4,511,649号、欧州特許第2
49,473A号、等に記載のものが好ましい。
【0123】マゼンタカプラーとしては5−ピラゾロン
系及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特
許第4,310,619号、同第4,351,897号
、欧州特許第73,636号、米国特許第3,061,
432号、同第3,725,067号、リサーチ・ディ
スクロージャーNo. 24220(1984年6月)
、特開昭60−33552号、リサーチ・ディスクロー
ジャーNo. 24230(1984年6月)、特開昭
60−43659号、同61−72238号、同60−
35730号、同55−118034号、同60−18
5951号、米国特許第4,500,630号、同第4
,540,654号、同第4,556,630号、国際
公開WO88/04795号等に記載のものが特に好ま
しい。シアンカプラーとしては、フエノール系及びナフ
トール系カプラーが挙げられ、米国特許第4,052,
212号、同第4,146,396号、同第4,228
,233号、同第4,296,200号、同第2,36
9,929号、同第2,801,171号、同第2,7
72,162号、同第2,895,826号、同第3,
772,002号、同第3,758,308号、同第4
,334,011号、同第4,327,173号、西独
特許公開第3,329,729号、欧州特許第121,
365A号、同第249,453A号、米国特許第3,
446,622号、同第4,333,999号、同第4
,775,616号、同第4,451,559号、同第
4,427,767号、同第4,690,889号、同
第4,254,212号、同第4,296,199号、
特開昭61−42658号等に記載のものが好ましい。 さらに、特開昭64−553号、同64−554号、同
64−555号、同64−556号に記載のピラゾロア
ゾール系カプラーや、米国特許第4,818,672号
に記載のイミダゾール系カプラーも使用することができ
る。ポリマー化された色素形成カプラーの典型例は、米
国特許第3,451,820号、同第4,080,21
1号、同第4,367,282号、同第4,409,3
20号、同第4,576,910号、英国特許2,10
2,137号、欧州特許第341,188A号等に記載
されている。
【0124】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、米国特許第4,366,237号、英国特許
第2,125,570号、欧州特許第96,570号、
西独特許(公開)第3,234,533号に記載のもの
が好ましい。発色色素の不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、本発明のイエローカラードシアンカ
プラーに加え、リサーチ・ディスクロージャーNo. 
17643の VII−G項、同No. 307105
の VII−G項、米国特許第4,163,670号、
特公昭57−39413号、米国特許第4,004,9
29号、同第4,138,258号、英国特許第1,1
46,368号に記載のものが好ましい。また、米国特
許第4,774,181号に記載のカップリング時に放
出された蛍光色素により発色色素の不要吸収を補正する
カプラーや、米国特許第4,777,120号に記載の
現像主薬と反応して色素を形成しうる色素プレカーサー
基を離脱基として有するカプラーを用いることも好まし
い。カツプリングに伴って写真的に有用な残基を放出す
る化合物もまた本発明で好ましく使用できる。現像抑制
剤を放出するDIRカプラーは、前述のRD17643
、VII −F項及び同No. 307105、VII
 −F項に記載された特許、特開昭57−151944
号、同57−154234号、同60−184248号
、同63−37346号、同63−37350号、米国
特許4,248,962号、同4,782,012号に
記載されたものが好ましい。R.D.No. 1144
9、同24241、特開昭61−201247号等に記
載の漂白促進剤放出カプラーは、漂白能を有する処理工
程の時間を短縮するのに有効であり、特に、前述の平板
状ハロゲン化銀粒子を用いる感光材料に添加する場合に
、その効果が大である。また、特開昭60−10702
9号、同60−252340号、特開平1−44940
号、同1−45687号に記載の現像主薬の酸化体との
酸化還元反応により、かぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲ
ン化銀溶剤等を放出する化合物も好ましい。
【0125】その他、本発明の感光材料に用いることの
できる化合物としては、米国特許第4,130,427
号等に記載の競争カプラー、米国特許第4,283,4
72号、同第4,338,393号、同第4,310,
618号等に記載の多当量カプラー、特開昭60−18
5950号、特開昭62−24252号等に記載のDI
Rレドックス化合物放出カプラー、DIRカプラー放出
カプラー、DIRカプラー放出レドックス化合物もしく
はDIRレドックス放出レドックス化合物、欧州特許第
173,302A号、同第313,308A号に記載の
離脱後復色する色素を放出するカプラー、米国特許第4
,555,477号等に記載のリガンド放出カプラー、
特開昭63−75747号に記載のロイコ色素を放出す
るカプラー、米国特許第4,774,181号に記載の
蛍光色素を放出するカプラー等が挙げられる。
【0126】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
分散方法により感光材料に導入できる。水中油滴分散法
に用いられる高沸点溶媒の例は米国特許第2,322,
027号などに記載されている。水中油滴分散法に用い
られる常圧での沸点が175℃以上の高沸点有機溶剤の
具体例としては、フタル酸エステル類(ジブチルフタレ
ート、ジシクロヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘ
キシルフタレート、デシルフタレート、ビス(2,4−
ジ−t−アミルフェニル)フタレート、ビス(2,4−
ジ−t−アミルフェニル)イソフタレート、ビス(1,
1−ジエチルプロピル)フタレートなど)、リン酸また
はホスホン酸のエステル類(トリフェニルホスフェート
、トリクレジルホスフェート、2−エチルヘキシルジフ
ェニルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート
、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリドデシ
ルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ト
リクロロプロピルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシ
ルフェニルホスホネートなど)、安息香酸エステル類(
2−エチルヘキシルベンゾエート、ドデシルベンゾエー
ト、2−エチルヘキシル−p−ヒドロキシベンゾエート
など)、アミド類(N,N−ジエチルドデカンアミド、
N,N−ジエチルラウリルアミド、N−テトラデシルピ
ロリドンなど)、アルコール類またはフェノール類(イ
ソステアリルアルコール、2,4−ジ−tert−アミ
ルフェノールなど)、脂肪族カルボン酸エステル類(ビ
ス(2−エチルヘキシル)セバケート、ジオクチルアゼ
レート、グリセロールトリブチレート、イソステアリル
ラクテート、トリオクチルシトレートなど)、アニリン
誘導体(N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−ter
tオクチルアニリンなど)、炭化水素類(パラフィン、
ドデシルベンゼン、ジイソプロピルナフタレンなど)な
どが挙げられる。また補助溶剤としては、沸点が約30
℃以上、好ましくは50℃以上約160℃以下の有機溶
剤などが使用でき、典型例としては酢酸エチル、酢酸ブ
チル、プロピオン酸エチル、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン、2−エトキシエチルアセテート、ジメチ
ルホルムアミドなどが挙げられる。ラテックス分散法の
工程、効果および含浸用のラテックスの具体例は、米国
特許第4,199,363号、西独特許出願(OLS)
第2,541,274号および同第2,541,230
号などに記載されている。
【0127】本発明のカラー感光材料中には、フェネチ
ルアルコールや特開昭63−257747号、同62−
272248号、および特開平1−80941号に記載
の1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、n−ブチ
ル  p−ヒドロキシベンゾエート、フェノール、4−
クロル−3,5−ジメチルフェノール、2−フェノキシ
エタノール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾー
ル等の各種の防腐剤もしくは防黴剤を添加することが好
ましい。本発明は種々のカラー感光材料に適用すること
ができる。一般用もしくは映画用のカラーネガフィルム
、スライド用もしくはテレビ用のカラー反転フィルム、
カラーペーパー、カラーポジフィルムおよびカラー反転
ペーパーなどを代表例として挙げることができる。本発
明に使用できる適当な支持体は、例えば、前述のRD.
No. 17643の28頁、同No. 18716の
647頁右欄から648頁左欄、および同No. 30
7105の879頁に記載されている。本発明の感光材
料は、乳剤層を有する側の全親水性コロイド層の膜厚の
総和が28μm以下であることが好ましく、23μm以
下がより好ましく、18μm以下が更に好ましく、16
μm以下が特に好ましい。また膜膨潤速度T1/2 は
30秒以下が好ましく、20秒以下がより好ましい。膜
厚は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)で測定した
膜厚を意味し、膜膨潤速度T1/2 は、当該技術分野
において公知の手法に従って測定することができる。例
えば、エー・グリーン(A.Green)らによりフォ
トグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリン
グ(Photogr.Sci.Eng.),19巻、2
号,124〜129頁に記載の型のスエロメーター(膨
潤計)を使用することにより、測定でき、T1/2 は
発色現像液で30℃、3分15秒処理した時に到達する
最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚とし、飽和膜厚の1/
2 の膜厚に到達するまでの時間と定義する。膜膨潤速
度T1/2 はバインダーとしてのゼラチンに硬膜剤を
加えること、あるいは塗布後の経時条件を変えることに
よって調整することができる。また、膨潤率は150〜
400%が好ましい。膨潤率とは、さきに述べた条件下
での最大膨潤膜厚から、式:(最大膨潤膜厚−膜厚)/
膜厚に従って計算できる。本発明の感光材料は、乳剤層
を有する側の反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm〜20
μmの親水性コロイド層(バック層と称す)を設けるこ
とが好ましい。このバック層には、前述の光吸収剤、フ
ィルター染料、紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜
剤、バインダー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性
剤等を含有させることが好ましい。このバック層の膨潤
率は150〜500%が好ましい。
【0128】本発明に従ったカラー写真感光材料は、前
述のRD.No. 17643の28〜29頁、同No
. 18716の615左欄〜右欄、および同No. 
307105の880〜881頁に記載された通常の方
法によって現像処理することができる。本発明の感光材
料の現像処理に用いる発色現像液は、好ましくは芳香族
第一級アミン系発色現像主薬を主成分とするアルカリ性
水溶液である。この発色現像主薬としては、アミノフェ
ノール系化合物も有用であるが、p−フェニレンジアミ
ン系化合物が好ましく使用され、その代表例としては3
−メチル−4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、3
−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキ
シエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチ
ル−N−β−メタンスルホンアミドエチルアニリン、3
−メチル−4−アミノ−N−エチル−β−メトキシエチ
ルアニリン及びこれらの硫酸塩、塩酸塩もしくはp−ト
ルエンスルホン酸塩などが挙げられる。これらの化合物
は目的に応じ2種以上併用することもできる。発色現像
液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホウ酸塩もしくはリン酸
塩のようなpH緩衝剤、塩化物塩、臭化物塩、沃化物塩
、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾール類もしくは
メルカプト化合物のような現像抑制剤またはカブリ防止
剤などを含むのが一般的である。また必要に応じて、ヒ
ドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、亜硫
酸塩、N,N−ビスカルボキシメチルヒドラジンの如き
ヒドラジン類、フェニルセミカルバジド類、トリエタノ
ールアミン、カテコールスルホン酸類の如き各種保恒剤
、エチレングリコール、ジエチレングリコールのような
有機溶剤、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコー
ル、四級アンモニウム塩、アミン類のような現像促進剤
、色素形成カプラー、競争カプラー、1−フェニル−3
−ピラゾリドンのような補助現像主薬、粘性付与剤、ア
ミノポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸、アルキル
ホスホン酸、ホスホノカルボン酸に代表されるような各
種キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニト
リロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキ
サンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ニ
トリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレ
ンジアミン−N,N,N,N−テトラメチレンホスホン
酸、エチレンジアミン−ジ(o−ヒドロキシフェニル酢
酸)及びそれらの塩を代表例として挙げることができる
【0129】また反転処理を実施する場合は通常黒白現
像を行ってから発色現像する。この黒白現像液には、ハ
イドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1−フェ
ニル−3−ピラゾリドンなどの3−ピラゾリドン類また
はN−メチル−p−アミノフェノールなどのアミノフェ
ノール類など公知の黒白現像主薬を単独であるいは組み
合わせて用いることができる。これらの発色現像液及び
黒白現像液のpHは9〜12であることが一般的である
。またこれらの現像液の補充量は、処理するカラー写真
感光材料にもよるが、一般に感光材料1平方メートル当
たり3l以下であり、補充液中の臭化物イオン濃度を低
減させておくことにより500ml以下にすることもで
きる。補充量を低減する場合には処理槽の空気との接触
面積を小さくすることによって液の蒸発、空気酸化を防
止することが好ましい。処理槽の写真処理液と空気との
接触面積は、以下に定義する開口率で表わすことができ
る。即ち、開口率=〔処理液と空気との接触面積(cm
2 )〕÷〔処理液の容量(cm3 )〕上記の開口率
は、0.1以下であることが好ましく、より好ましくは
0.001〜0.05である。このように開口率を低減
させる方法としては、処理槽の写真処理液面に浮き蓋等
の遮蔽物を設けるほかに、特開平1−82033号に記
載された可動蓋を用いる方法、特開昭63−21605
0号に記載されたスリット現像処理方法を挙げることが
できる。開口率を低減させることは、発色現像及び黒白
現像の両工程のみならず、後続の諸工程、例えば、漂白
、漂白定着、定着、水洗、安定化などの全ての工程にお
いて適用することが好ましい。また、現像液中の臭化イ
オンの蓄積を抑える手段を用いることにより補充量を低
減することもできる。発色現像処理の時間は、通常2〜
5分の間で設定されるが、高温高pHとし、かつ発色現
像主薬を高濃度に使用することにより、更に処理時間の
短縮を図ることもできる。
【0130】発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理さ
れる。漂白処理は定着処理と同時に行なわれてもよいし
(漂白定着処理)、個別に行なわれてもよい。更に処理
の迅速化を図るため、漂白処理後漂白定着処理する処理
方法でもよい。さらに二槽の連続した漂白定着浴で処理
すること、漂白定着処理の前に定着処理すること、又は
漂白定着処理後漂白処理することも目的に応じ任意に実
施できる。漂白剤としては、例えば鉄(III)などの
多価金属の化合物、過酸類、キノン類、ニトロ化合物等
が用いられる。代表的漂白剤としては鉄(III)の有
機錯塩、例えばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレント
リアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチ
ルイミノ二酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、グ
リコールエーテルジアミン四酢酸、などのアミノポリカ
ルボン酸類もしくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの
錯塩などを用いることができる。これらのうちエチレン
ジアミン四酢酸鉄(III)錯塩、及び1,3−ジアミ
ノプロパン四酢酸鉄(III) 錯塩を始めとするアミ
ノポリカルボン酸鉄(III)錯塩は迅速処理と環境汚
染防止の観点から好ましい。さらにアミノポリカルボン
酸鉄(III)錯塩は漂白液においても、漂白定着液に
おいても特に有用である。これらのアミノポリカルボン
酸鉄(III)錯塩を用いた漂白液又は漂白定着液のp
Hは通常4.0〜8であるが、処理の迅速化のためにさ
らに低いpHで処理することもできる。
【0131】漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴には
、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。 有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書に記載されて
いる:米国特許3,893,858号、西独特許第1,
290,812号、同2,059,988号、特開昭5
3−32736号、同53−57831号、同53−3
7418号、同53−72623号、同53−9563
0号、同53−95631号、同53−104232号
、同53−124424号、同53−141623号、
同53−28426号、リサーチ・ディスクロージャー
No. 17129号(1978年7月)などに記載の
メルカプト基またはジスルフィド基を有する化合物;特
開昭50−140129号に記載のチアゾリジン誘導体
;特公昭45−8506号、特開昭52−20832号
、同53−32735号、米国特許第3,706,56
1号に記載のチオ尿素誘導体;西独特許第1,127,
715号、特開昭58−16,235号に記載の沃化物
塩;西独特許第966,410号、同2,748,43
0号に記載のポリオキシエチレン化合物類;特公昭45
−8836号記載のポリアミン化合物;その他特開昭4
9−40,943号、同49−59,644号、同53
−94,927号、同54−35,727号、同55−
26,506号、同58−163,940号記載の化合
物;臭化物イオン等が使用できる。なかでもメルカプト
基またはジスルフィド基を有する化合物が促進効果が大
きい観点で好ましく、特に米国特許第3,893,85
8号、西独特許第1,290,812号、特開昭53−
95,630号に記載の化合物が好ましい。更に、米国
特許第4,552,834号に記載の化合物も好ましい
。これらの漂白促進剤は感材中に添加してもよい。 撮影用のカラー感光材料を漂白定着するときにこれらの
漂白促進剤は特に有効である。漂白液や漂白定着液には
上記の化合物の他に、漂白ステインを防止する目的で有
機酸を含有させることが好ましい。特に好ましい有機酸
は、酸解離定数(pKa)が2〜5である化合物で、具
体的には酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸などが好
ましい。定着液や漂白定着液に用いられる定着剤として
はチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエーテル系化合物
、チオ尿素類、多量の沃化物塩等をあげることができる
が、チオ硫酸塩の使用が一般的であり、特にチオ硫酸ア
ンモニウムが最も広範に使用できる。また、チオ硫酸塩
とチオシアン酸塩、チオエーテル系化合物、チオ尿素な
どの併用も好ましい。定着液や漂白定着液の保恒剤とし
ては、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、カルボニル重亜硫酸付加
物あるいは欧州特許第294769A号に記載のスルフ
ィン酸化合物が好ましい。更に、定着液や漂白定着液に
は液の安定化の目的で、各種アミノポリカルボン酸類や
有機ホスホン酸類の添加が好ましい。本発明において、
定着液または漂白定着液には、pH調整のためにpKa
が6.0〜9.0の化合物、好ましくは、イミダゾール
、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、
2−メチルイミダゾールの如きイミダゾール類を0.1
〜10モル/l添加することが好ましい。
【0132】脱銀工程の時間の合計は、脱銀不良が生じ
ない範囲で短い方が好ましい。好ましい時間は1分〜3
分、更に好ましくは1分〜2分である。また、処理温度
は25℃〜50℃、好ましくは35℃〜45℃である。 好ましい温度範囲においては、脱銀速度が向上し、かつ
処理後ステイン発生が有効に防止される。脱銀工程にお
いては、攪拌ができるだけ強化されていることが好まし
い。攪拌強化の具体的な方法としては、特開昭62−1
83460号に記載の感光材料の乳剤面に処理液の噴流
を衝突させる方法や、特開昭62−183461号の回
転手段を用いて攪拌効果を上げる方法、更には液中に設
けられたワイパーブレードと乳剤面を接触させながら感
光材料を移動させ、乳剤表面を乱流化することによって
攪拌効果を向上させる方法、処理液全体の循環流量を増
加させる方法が挙げられる。このような攪拌向上手段は
、漂白液、漂白定着液、定着液のいずれかにおいても有
効である。攪拌の向上は乳剤膜中への漂白剤、定着剤の
供給を速め、結果として脱銀速度を高めるものと考えら
れる。また、前記の攪拌向上手段は、漂白促進剤を使用
した場合により有効であり、促進効果を著しく増加させ
たり漂白促進剤による定着阻害作用を解消させることが
できる。本発明の感光材料に用いられる自動現像機は、
特開昭60−191257号、同60−191258号
、同60−191259号に記載の感光材料搬送手段を
有していることが好ましい。前記の特開昭60−191
257号に記載のとおり、このような搬送手段は前浴か
ら後浴への処理液の持込みを著しく削減でき、処理液の
性能劣化を防止する効果が高い。このような効果は各工
程における処理時間の短縮や、処理液補充量の低減に特
に有効である。
【0133】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一
般的である。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性
(例えばカプラー等使用素材による)、用途、更には水
洗水温、水洗タンクの数(段数)、向流、順流等の補充
方式、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。 このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の
関係は、Journal  ofthe Societ
y of Motion Picture  and 
 Television Engineers第64巻
、P.248−253(1955年5月号)に記載の方
法で、求めることができる。前記文献に記載の多段向流
方式によれば、水洗水量を大幅に減少し得るが、タンク
内における水の滞留時間の増加により、バクテリアが繁
殖し、生成した浮遊物が感光材料に付着する等の問題が
生じる。本発明のカラー感光材料の処理において、この
ような問題の解決策として、特開昭62−288,83
8号に記載のカルシウムイオン、マグネシウムイオンを
低減させる方法を極めて有効に用いることができる。ま
た、特開昭57−8,542号に記載のイソチアゾロン
化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソシアヌール
酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾ
ール等、堀口博著「防菌防黴剤の化学」(1986年)
三共出版、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技
術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学会編「
防菌防黴剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤を用い
ることもできる。本発明の感光材料の処理における水洗
水のpHは、4〜9であり、好ましくは5〜8である。 水洗水温、水洗時間も、感光材料の特性、用途等で種々
設定し得るが、一般には、15〜45℃で20秒〜10
分、好ましくは25〜40℃で30秒〜5分の範囲が選
択される。 更に、本発明の感光材料は、上記水洗に代り、直接安定
液によって処理することもできる。このような安定化処
理においては、特開昭57−8543号、同58−14
834号、同60−220345号に記載の公知の方法
はすべて用いることができる。また、前記水洗処理に続
いて、更に安定化処理する場合もあり、その例として、
撮影用カラー感光材料の最終浴として使用される、色素
安定化剤と界面活性剤を含有する安定浴を挙げることが
できる。色素安定化剤としては、ホルマリンやグルタル
アルデヒドなどのアルデヒド類、N−メチロール化合物
、ヘキサメチレンテトラミンあるいはアルデヒド亜硫酸
付加物などを挙げることができる。この安定浴にも各種
キレート剤や防黴剤を加えることもできる。
【0134】上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオ
ーバーフロー液は脱銀工程等他の工程において再利用す
ることもできる。自動現像機などを用いた処理において
、上記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合には、水
を加えて濃縮補正することが好ましい。本発明のハロゲ
ン化銀カラー感光材料には処理の簡略化及び迅速化の目
的で発色現像主薬を内蔵しても良い。内蔵するためには
、発色現像主薬の各種プレカーサーを用いるのが好まし
い。例えば米国特許第3,342,597号記載のイン
ドアニリン系化合物、同第3,342,599号、リサ
ーチ・ディスクロージャーNo. 14,850号及び
同No. 15,159号記載のシッフ塩基型化合物、
同13,924号記載のアルドール化合物、米国特許第
3,719,492号記載の金属塩錯体、特開昭53−
135628号記載のウレタン系化合物を挙げることが
できる。本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、必要
に応じて、発色現像を促進する目的で、各種の1−フェ
ニル−3−ピラゾリドン類を内蔵しても良い。典型的な
化合物は特開昭56−64339号、同57−1445
47号、および同58−115438号等記載されてい
る。 本発明における各種処理液は10℃〜50℃において使
用される。通常は33℃〜38℃の温度が標準的である
が、より高温にして処理を促進し処理時間を短縮したり
、逆により低温にして画質の向上や処理液の安定性の改
良を達成することができる。また、本発明のハロゲン化
銀感光材料は米国特許第4,500,626号、特開昭
60−133449号、同59−218443号、同6
1−238056号、欧州特許210,660A2号な
どに記載されている熱現像感光材料にも適用できる。
【0135】
【実施例】以下、本発明を実施例により、更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0136】実施例1 乳剤A(転位線を有しない平板状粒子)ゼラチン10.
5g、KBr3.0gを含む水溶液1000mlを60
℃に保ち撹拌した。硝酸銀水溶液(AgNO3 7.3
g)とハロゲン化物水溶液(KBr5.1g、KI  
0.31g)をダブルジェットで1分間に渡って添加し
た。ゼラチン21.5gを添加した後、75℃に昇温し
た。硝酸銀水溶液(AgNO3 136.3g)とハロ
ゲン化物水溶液(KIをKBrに対して、4.2モル%
含む)をダブルジェットで流量を加速しながら51分間
に渡って添加した。この時銀電位を飽和カロメル電極に
対して、0mVに保った。温度を40℃に降温し、硝酸
銀水溶液(AgNO3 28.6g)とKBr水溶液を
ダブルジェットで5.35分間に渡って添加した。この
時銀電位を飽和カロメル電極に対して−50mVに保っ
た。生成した乳剤をフロキュレーション法にて脱塩し、
ゼラチンを加えた後、pH6.0、pAg8.8に調整
した。乳剤Aは平均円相当径1.31μm、平均厚み0
.22μm、平均アスペクト比6.0の平板状粒子乳剤
であった。
【0137】乳剤B(転位線を有しない平板状粒子)乳
剤Aの製法に対して以下の点のみを変更して乳剤Bを得
た。2段目のハロゲン化物水溶液(KIをKBrに対し
て4.2モル%含む)をハロゲン水溶液(KIをKBr
に対して8.4モル%含む)に変更した。乳剤Bは平均
円相当径1.30μm、平均厚み0.22μm、平均ア
スペクト比5.9の平板状粒子乳剤であった。
【0138】乳剤C(転位線を有する平板状粒子)乳剤
Aの製法において2段目の硝酸銀水溶液を添加して温度
を40℃に降温するまでは同様にして行った。硝酸銀水
溶液(AgNO3 3.2g)とKI水溶液(KI  
2.4g)を5分間に渡って添加した。その後、硝酸銀
水溶液(AgNO3 25.4g)とKBr水溶液をダ
ブルジェットで5.35分間に渡って添加した。この時
銀電位を飽和カロメル電極に対して−50mVに保った
。フロキュレーション以降は乳剤Aと同様にして行った
。乳剤Cは平均円相当径1.26μm、平均厚み0.2
4μm、平均アスペクト比5.3の平板状粒子であった
【0139】乳剤D(転位線を有する平板状粒子)乳剤
Aの製法において、1段目の硝酸銀水溶液を添加して温
度を75℃に昇温するまでは同様にして行った。その後
硝酸銀水溶液(AgNO3 136.3g)とハロゲン
水溶液(KIをKBrに対して4.2モル%含む)をダ
ブルジェットで流量加速して51分間に渡って添加した
。 この時、銀電位を最初の46分間は飽和カロメル電極に
対して0mVに保ち、その後+90mVに銀電位を変更
した。温度を40℃に降温し、硝酸銀水溶液(AgNO
3 3.2g)とKI水溶液(KI2.4g)を5分間
に渡って添加した。その後、硝酸銀水溶液(AgNO3
 25.4g)とKBr水溶液をダブルジェットで5.
35分間に渡って添加した。この時銀電位を飽和カロメ
ル電極に対して−50mVに保った。フロキュレーショ
ン以降は乳剤Aと同様にして行った。Em−Dは平均円
相当径1.35μm、平均厚み0.225μm、平均ア
スペクト比6.0の平板状粒子であった。
【0140】乳剤−A〜Dを液体窒素温度にて200K
V透過型電子顕微鏡にて観察したところ、乳剤−Aおよ
び乳剤−Bは、転位線が全く認められない粒子が殆どで
あった。一方、乳剤−Cには平板状粒子の外周全域に転
位線が数多く認められた。乳剤−Dには六角形の平板状
粒子の6つの角の近傍に局在して密集して転位線が数多
く認められた。乳剤−CおよびDともに厳密な一粒子当
りの平均の転位線の数は数えることができないが、明ら
かに20本以上は存在していた。
【0141】乳剤A〜Dを以下のようにして化学増感を
施し、乳剤A−1、B−1、C−1、D−1を得た。乳
剤を64℃に昇温し例示化合物I−イを銀1モル当り4
.5×10−4モル加え、20分間保持した後、64℃
でチオ硫酸ナトリウム1.0×10−5モル/モル銀、
塩化金酸2.1×10−6モル/モル銀、チオシアン酸
カリウム1.1×10−3モル/モル銀を添加して各々
最適に化学増感を施した。ここで「最適に化学増感を施
す」とは化学増感後、1/10秒露光した時の感度が最
も高くなるような化学増感をいう。
【0142】同様にして乳剤A〜Dを以下のように化学
増感を施し、乳剤A−2、B−2、C−2、D−2を得
た。乳剤を64℃に昇温し例示化合物I−イおよびII
−イをそれぞれを銀1モル当り、4.5×10−4モル
および2.3×10−5モル加え、20分間保持した後
、64℃でチオ硫酸ナトリウム9×10−6モル/モル
銀、塩化金酸2.0×10−6モル/モル銀、チオシア
ン酸カリウム1.1×10−3モル/モル銀を添加して
、各々最適に化学増感を施した。
【0143】上記のようにして調製した8種類の乳剤(
乳剤A−1、B−1、C−1、D−1、A−2、B−2
、C−2、D−2)を下塗り層の設けてあるトリアセチ
ールセルロースフィルム支持体上に下記塗布条件で乳剤
層及び保護層を塗布し、表1に示すような試料1〜8を
作製した。
【0144】乳剤塗布条件 (1) 乳剤層 乳剤:A−4、B−4、C−2、D−1、E−4、F−
2(銀2.2g/m2) カプラー:下記に示す構造のマゼンタカプラー(1.5
×10−3mole/m2) トリクレジルフォスフェート(1.1g/m2)ゼラチ
ン(2.3g/m2)
【0145】
【化28】
【0146】(2) 保護層 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジンナ
トリウム塩(0.08g/m2) ゼラチン(1.8g/m2)
【0147】これらの試料1〜8を40℃相対湿度70
%の条件下に14時間放置した後4800°Kの色温度
変換フィルターと緑フィルター(富士写真フイルム(株
)製BPN−53)及び連続ウェッジを通して1/10
0秒間露光し、下記に示すカラー現像処理を行なった。
【0148】                          
   処理工程    工程        処理時間
      処理温度      補充量      
タンク容量  発色現像      3分15秒   
   37.8℃      25ml       
 10l  漂    白          45秒
      38.0℃        5ml   
       5l  定着 (1)        
  45秒      38.0℃      ───
          5l  定着 (2)     
     45秒      38.0℃      
30ml          5l  安定 (1) 
         20秒      38.0℃  
    ───          5l  安定 (
2)          20秒      38.0
℃      ───          5l  安
定 (3)          20秒      3
8.0℃      40ml          5
l  乾    燥      1分        
  55  ℃        補充量は35mm巾1
m当り        定着は(2) から(1) へ
の向流方式        安定は(3) から(1)
 への向流方式尚、現像液の漂白工程への持ち込み量、
及び定着液の安定工程への持ち込み量は35mm巾の感
光材料1m長さ当たりそれぞれ2.5ml、2.0ml
であった。
【0149】   以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液)                  
            母液(g)      補充
液(g)  ジエチレントリアミン五酢酸      
            5.0          
  6.0  亜硫酸ナトリウム          
                  4.0    
        5.0  炭酸カリウム      
                        3
0.0          37.0  臭化カリウム
                         
       1.3            0.5
  沃化カリウム                 
               1.2mg     
     ───  ヒドロキシルアミン硫酸塩   
                 2.0     
       3.6  4−〔N−エチル−N−β−
ヒドロキシ        4.7         
   6.2    エチルアミノ〕−2−メチルアニ
リン    硫酸塩   水を加えて                  
                1.0l     
     1.0l  pH            
                         
   10.00        10.15(漂白液
)                        
          母液(g)      補充液(
g)  1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二鉄   
 144.0        206.0    アン
モニウム一水塩   1,3−ジアミノプロパン四酢酸        
      2.8            4.0 
 臭化アンモニウム                
          84.0        120
.0  硝酸アンモニウム             
             17.5        
  25.0  アンモニア水(27%)      
              10.0       
     1.8  酢酸(98%)        
                    51.1 
         73.0  水を加えて     
                         
    1.0l          1.0l  p
H                        
                  4.3    
        3.4(定着液)母液、補充液共通(
g)   エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩     
                     1.7 
 亜硫酸ナトリウム                
                         
   14.0  重亜硫酸ナトリウム       
                         
          10.0  チオ硫酸アンモニウ
ム水溶液(70%重量/容量)           
 210.0ml  チオシアン酸アンモニウム   
                         
      163.0  チオ尿素        
                         
                     1.8 
 水を加えて                   
                         
        1.0l  pH         
                         
                         
 6.5(安定液)母液、補充液共通(g)   界面活性剤WA−1              
                         
     0.5  界面活性剤WA−2      
                         
             0.4  トリエタノール
アミン                      
                    2.0  
1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オンメタノール 
             0.3  ホルマリン(3
7%)                      
                    1.5  
水を加えて                    
                         
       1.0l  pH          
                         
                         
6.5
【0150】
【化29】
【0151】処理済の試料を緑のフィルターで透過濃度
を測定し、カブリ、感度(緑感度)を求めた。
【0152】感度はカブリ上0.2の濃度を与える露光
量(ルックス・秒)の逆数の相対値で表わした。
【0153】また上記処理済試料について粒状度を評価
するためにRMS粒状度を測定した。RMS粒状度の測
定は、各試料をカブリ上0.5の濃度を与える露光量で
一様に露光し、前述のカラー現像処理を行なった後、マ
クラミン社刊“The Theory of the 
Photographic Process”第4版、
2章の“Image Structure”  に記載
されている方法で測定した。測定は緑のフィルターを用
い、測定のアパーチャーは48μm径のものを使用した
。RMS粒状度は試料1のRMS値を100とし、これ
に対する相対値で表わした。
【0154】更に、脱銀性能の評価を行なうために、試
料1〜8を現像銀量が0.6g/m2になるように均一
な露光を与え、前述のカラー現像処理において、漂白時
間を30秒に短縮して処理を行なった。処理済の試料の
残存銀量を螢光X線分析によって測定した。ここで試料
1〜8の現像銀量が0.6g/m2になるような露光量
は、あらかじめ試料1〜8を階段ウェッジ(濃度が0.
2きざみで20段)を通して露光し、前述のカラー現像
処理において、発色現像のみ行なった後、試料を水洗し
、螢光X線分析によって現像銀を測定するという予備実
験により求めた。
【0155】結果を表1に示す。表1より、本発明(試
料7、8)は、他の試料に比べて、高感度でかつ残存銀
量が少なく脱銀性能が良いことが分かる。
【0156】
【表1】
【0157】実施例2 乳剤E(転位線を有する低アスペクト比平板状粒子)ゼ
ラチン10.5g、KBr4.0gを含む水溶液100
0mlを35℃に保ち撹拌し、硝酸銀水溶液(AgNO
3 8.3g)とハロゲン化物水溶液(KBr5.54
g、KI0.37g)をダブルジェットで30秒間に渡
って添加した。ゼラチン21.5gを添加した後63℃
に昇温し、硝酸銀水溶液を添加して銀電位を飽和カロメ
ル電極に対して、+40mVに調整した。その後25重
量%のアンモニア水を5cc添加し、63℃で熟成を行
なった。熟成後アンモニアを中和して、硝酸銀水溶液(
AgNO3 136.3g)とハロゲン化物水溶液(K
IをKBrに対して4.2モル%含む)をダブルジェッ
トで流量を加速しながら60分間に渡って添加した。こ
の時銀電位を最初の55分間は飽和カロメル電極に対し
、+40mVに保ち、その後0mVに銀電位を変更した
。温度を40℃に降温し、硝酸銀水溶液(AgNO3 
3.6g)とKI水溶液(KI2.7g)を5分間に渡
って添加した。その後、硝酸銀水溶液(AgNO3 2
5.0g)とKBr水溶液をダブルジェットで5.35
分間に渡って添加した。この時銀電位を飽和カロメル電
極に対して−40mVに保った。生成した乳剤をフロキ
ュレーション法にて脱塩し、ゼラチンを加えた後pH6
.0、pAg 8.8に調製して乳剤Eを得た。乳剤E
は、平均円相当径0.68μm、平均厚み0.24μm
、平均アスペクト比2.8の平板状乳剤粒子であった。
【0158】乳剤F(転位線を有するアスペクト比の高
い平板状粒子)乳剤Eの製法において、1段目の硝酸銀
水溶液を添加して、温度を63℃に昇温するまでは同様
にして行なった。その後銀電極を飽和カロメル電極に対
して−20mVに調整し、25重量%のアンモニア水を
3cc添加し、63℃で熟成を行なった。熟成後アンモ
ニア水を中和して硝酸銀水溶液(AgNO3 136.
3g)とハロゲン化物水溶液(KIをKBrに対して4
.2モル%含む)をダブルジェットで流量を加速しなが
ら51分間に渡って添加した。この時、銀電位を最初の
46分間は飽和カロメル電極に対して−20mVに保ち
その後0mVに銀電位を変更した。温度を40℃に降温
し、硝酸銀水溶液(AgNO3 3.6g)とKI水溶
液(KI2.7g)を5分間に渡って添加した。その後
硝酸銀水溶液(AgNO3 25.0g)とKBr水溶
液をダブルジェットで5.35分間に渡って添加した。 この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して−40mV
に保った。乳剤Eと同様にして脱塩し、ゼラチンを加え
た後pH6.0、pAg 8.8に調整して乳剤Fを得
た。乳剤Fは、平均円相当径0.76μm、平均厚み0
.19μm、平均アスペクト比4.0の平板状粒子であ
った。
【0159】乳剤E、Fを実施例1と同様の方法で20
0KV透過型電子顕微鏡で観察したところ乳剤E、Fと
も転位線が数多く認められた。乳剤E、Fとも一粒子当
りの平均の転位線の数は数えることはできないが明らか
に20本以上は存在していた。
【0160】乳剤E及びFを、以下のように化学増感を
施し、乳剤E−1、E−2、F−1を調製した。乳剤を
60℃に昇温し、本特許明細書中に記載の例示化合物I
−Tを銀1モル当り、それぞれ乳剤E−1の場合は5.
5×10−4モル、乳剤E−2及びF−1の場合は6.
4×10−4モル加え、20分間保持した後チオ硫酸ナ
トリウム、塩化金酸及びチオシアン酸カリウムを加えて
、60℃で各々最適に化学増感した。
【0161】同様にして、乳剤E及びFを以下のように
化学増感を施し、乳剤E−3、E−4、F−2を調製し
た。乳剤を60℃に昇温し、本特許明細書中に記載の例
示化合物I−T及びII−イを銀1モル当りそれぞれ乳
剤E−3の場合は、5.5×10−4モル及び2.5×
10−5モル、乳剤E−4及びF−2の場合はI−T及
びII−イをそれぞれ6.4×10−4モル及び2.9
×10−5モル加え、20分間保持した後、チオ硫酸ナ
トリウム、塩化金酸及びチオシアン酸カリウムを加えて
60℃で各々最適に化学増感を施した。
【0162】上述のようにして調製した6種類の乳剤(
乳剤E−1、E−2、E−3、E−4、F−1、F−2
)を実施例1と同様の方法で塗布して試料9〜14を作
製し、実施例1と同様にして、露光及びカラー現像処理
を行なった。
【0163】処理済の試料を緑のフィルターで透過濃度
を測定し、カブリ、感度を求めた。
【0164】又、実施例1に記載されているのと同様の
方法で脱銀性能の評価を行なった。
【0165】結果を表2に示す。表2より本発明の試料
(No. 14)は低アスペクト比の乳剤Eに比べて高
感度で、かつ残存銀量が少なく脱銀性能が良いことが分
かる。
【0166】
【表2】
【0167】実施例3
【0168】乳剤G ゼラチン10.5g、KBr3.0gを含む水溶液10
00mlを50℃に保ち撹拌し、硝酸銀水溶液(AgN
O3 10.2g)とハロゲン化物水溶液(KBr7.
1g、KI0.43g)をダブルジェットで1分間に渡
って添加した。ゼラチン21.5gを添加した後、75
℃に昇温した。硝酸銀水溶液(AgNO3 136.3
g)とハロゲン化物水溶液(KIをKBrに対して8.
3モル%含む)をダブルジェットで流量を加速しながら
添加した。この時銀電位を飽和カロメル電極に対して+
20mVに保った。温度を40℃に降温し、硝酸銀水溶
液(AgNO3 3.2g)とKI水溶液(KI2.4
g)を5分間に渡って添加した。この時銀電位を飽和カ
ロメル電極に対して−60mVに保った。その後、硝酸
銀水溶液(AgNO3 22.3g)とKBr水溶液を
ダブルジェットで5.35分間に渡って銀電位を−60
mVに保って添加した。形成した粒子をフロキュレーシ
ョン法にて脱塩し、ゼラチンを加えた後、pH6.0、
pAg 8.8に調整した。乳剤Gは、平均円相当径0
.92μm、平均厚み0.18μm、平均アスペクト比
5.1の平板状粒子乳剤であった。乳剤Gを実施例1に
記載してある同様の方法で透過型電子顕微鏡観察をした
ところ平板粒子の外周全域に転位線が数多く認められた
【0169】乳剤G及び実施例1の乳剤Cを下記のよう
にして化学増感を行ない、乳剤G−1、G−2、G−3
、C−3、C−4、C−5を調製した。
【0170】乳剤G−1 乳剤Gを62℃に昇温し、例示化合物I−Y、I−イ、
I−ロをそれぞれ銀1モル当り1.2×10−4モル、
4.4×10−4モル、5.2×10−5モル添加し、
20分間保持した後、62℃でチオ硫酸ナトリウム1.
8×10−5モル/モル銀、塩化金酸4.2×10−6
モル/モル銀、チオシアン酸カリウム1.1×10−3
モル/モル銀を添加し、最適に化学増感を施した。
【0171】乳剤G−2 乳剤Gを62℃に昇温し、例示化合物I−Y、I−イ、
I−ロおよびII−Wをそれぞれ銀1モル当り1.2×
10−4モル、4.2×10−4モル、5.0×10−
5モル、3.2×10−5モル添加し、20分間保持し
た後乳剤G−1と同量のチオ硫酸ナトリウム、塩化金酸
、およびチオシアン酸カリウムを添加して、最適に化学
増感した。
【0172】乳剤G−3 乳剤Gを62℃に昇温し、例示化合物I−Y、I−イ、
I−ロおよびII−イをそれぞれ銀1モル当り、1.2
×10−4モル、4.2×10−4モル、5.0×10
−5モル、4.1×10−5モル添加し、20分間保持
した後、乳剤G−1と同量のチオ硫酸ナトリウム、塩化
金酸およびチオシアン酸カリウムを添加して最適に化学
増感を施した。
【0173】乳剤C−3 実施例1の乳剤Cを64℃に昇温し、例示化合物I−Y
、I−イ、I−ロをそれぞれ銀1モル当り8.7×10
−5モル、3.3×10−4モル、4.0×10−5モ
ル添加し、20分間保持した後64℃でチオ硫酸ナトリ
ウム1.0×10−5モル/モル銀、塩化金酸2.1×
10−6モル/モル銀、チオシアン酸カリウム1.1×
10−3モル/モル銀を添加して最適に化学増感を施し
た。
【0174】乳剤C−4 乳剤Cを64℃に昇温し、例示化合物I−Y、I−イ、
I−ロおよびII−Wをそれぞれ銀1モル当り8.7×
10−5モル、3.3×10−4モル、4.0×10−
5モル、3.0×10−5モル添加し、20分間保持し
た後乳剤C−3と同量のチオ硫酸ナトリウム、塩化金酸
、およびチオシアン酸カリウムを添加して最適に化学増
感を施した。
【0175】乳剤C−5 乳剤Cを64℃に昇温し、例示化合物I−Y、I−イ、
I−ロおよびII−イをそれぞれ銀1モル当り8.7×
10−5モル、3.3×10−4モル、4.0×10−
5モル、2.3×10−5モル添加し、20分間保持し
た後、乳剤C−3と同量のチオ硫酸ナトリウム、塩化金
酸、およびチオシアン酸カリウムを添加して、最適に化
学増感を施した。
【0176】上記6種類の乳剤(G−1、G−2、G−
3、C−3、C−4、C−5)を用いて下記のようにし
て、多層構成によりなるカラー感光材料101〜103
を作製した。
【0177】多層構成よりなるカラー感光材料下塗りを
施したトリアセチールセルロースフィルム支持体上に下
記に示すような組成の各層を重層塗布し多層カラー感光
材料を作製した。塗布量はハロゲン化銀及びコロイド銀
については銀のg/m2単位で表わした量を、カプラー
,添加剤及びゼラチンについてはg/m2単位で表わし
た量を示す。ただし増感色素については、同一層内のハ
ロゲン化銀1モルあたりのモル数で示した。
【0178】 (試料101〜103) 第1層(ハレーション防止層)   黒色コロイド銀                
                        銀
    0.18  ゼラチン           
                         
                1.40第2層(中
間層)   2,5−ジ−t−ペンタデシルハイドロキノン  
                0.18  EX−
1                        
                         
   0.070  EX−3           
                         
                0.020  EX
−12                      
                        2
.0×10−3  U−1             
                         
                0.060  U−
2                        
                         
     0.080  U−3          
                         
                   0.10  
HBS−1                    
                         
     0.10  HBS−2         
                         
                0.020  ゼラ
チン                       
                         
    1.04第3層(第1赤感乳剤層)   乳剤H                    
                         
   銀    0.25  乳剤I        
                         
               銀    0.25 
 増感色素I                   
                         
  6.9×10−5  増感色素II       
                         
              1.8×10−5  増
感色素III                   
                         
 3.1×10−4  EX−2          
                         
                 0.34  EX
−10                      
                         
   0.020  U−1            
                         
                 0.070  U
−2                       
                         
      0.050  U−3         
                         
                    0.070
  HBS−1                  
                         
       0.060  ゼラチン       
                         
                    0.87第
4層(第2赤感乳剤層)   乳剤J                    
                         
   銀    1.00  増感色素I      
                         
               5.1×10−5  
増感色素II                   
                         
  1.4×10−5  増感色素III      
                         
              2.3×10−4  E
X−2                      
                         
     0.40  EX−3          
                         
                 0.050  E
X−10                     
                         
    0.015  U−1           
                         
                  0.070  
U−2                      
                         
       0.050  U−3        
                         
                     0.07
0  ゼラチン                  
                         
         1.30第5層(第3赤感乳剤層)   乳剤K                    
                         
   銀    1.60  増感色素I      
                         
               5.4×10−5  
増感色素II                   
                         
  1.4×10−5  増感色素III      
                         
              2.4×10−4  E
X−2                      
                         
     0.097  EX−3         
                         
                  0.010  
EX−4                     
                         
      0.080  HBS−1       
                         
                  0.22  H
BS−2                     
                         
    0.10  ゼラチン           
                         
                1.63第6層(中
間層)   EX−5                   
                         
        0.040  HBS−1     
                         
                    0.020
  ゼラチン                   
                         
        0.80第7層(第1緑感乳剤層)   乳剤H                    
                         
   銀    0.15  乳剤I        
                         
               銀    0.15 
 増感色素I−ロ                 
                         
3.0×10−5  増感色素I−Y        
                         
         1.0×10−4  増感色素I−
イ                        
                  3.8×10−
4  EX−1                  
                         
         0.021  EX−6     
                         
                      0.2
6  EX−7                  
                         
         0.030  EX−8     
                         
                      0.0
25  HBS−1                
                         
         0.10  HBS−3     
                         
                    0.010
  ゼラチン                   
                         
        0.63第8層(第2緑感乳剤層)   乳剤G−1またはG−2またはG−3……表4に記
載      銀    0.45  増感色素……表
4に記載   EX−6                   
                         
        0.094  EX−7      
                         
                     0.02
6  EX−8                  
                         
         0.018  HBS−1    
                         
                     0.16
  HBS−3                  
                         
   8.0×10−3  ゼラチン        
                         
                   0.50第9
層(第3緑感乳剤層)   乳剤C−3またはC−4またはC−5……表4に記
載      銀    1.20  増感色素……表
4に記載   EX−1                   
                         
        0.025  EX−11     
                         
                    0.10 
 EX−13                   
                         
      0.015  HBS−1       
                         
                  0.25  H
BS−2                     
                         
    0.10  ゼラチン           
                         
                1.54第10層(
イエローフィルター層)   黄色コロイド銀                
                        銀
    0.050  EX−5          
                         
                 0.080  H
BS−1                     
                         
    0.030  ゼラチン          
                         
                 0.95第11層
(第1青感乳剤層)   乳剤H                    
                         
   銀    0.080  乳剤I       
                         
                銀    0.07
0  乳剤L                   
                         
    銀    0.070  増感色素IV   
                         
                  3.5×10−
4  EX−8                  
                         
         0.042  EX−9     
                         
                      0.7
2  HBS−1                 
                         
        0.28  ゼラチン       
                         
                    1.10第
12層(第2青感乳剤層)   乳剤J                    
                         
   銀    0.45  増感色素IV     
                         
                2.1×10−4 
 EX−9                    
                         
       0.15  EX−10       
                         
              7.0×10−3  H
BS−1                     
                         
    0.050  ゼラチン          
                         
                 0.78第13層
(第3青感乳剤層)   乳剤M                    
                         
   銀    0.77  増感色素IV     
                         
                2.2×10−4 
 EX−9                    
                         
       0.20  HBS−1       
                         
                  0.070  
ゼラチン                     
                         
      0.69第14層(第1保護層)   乳剤N                    
                         
   銀    0.20  U−4        
                         
                     0.11
  U−5                    
                         
         0.17  HBS−1     
                         
                5.0×10−2 
 ゼラチン                    
                         
       1.00第15層(第2保護層)   H−1                    
                         
         0.40  B−1(直径  1.
7μm)                     
         5.0×10−2  B−2(直径
  1.7μm)                 
                 0.10  B−
3                        
                         
     0.10  S−1           
                         
                  0.20  ゼ
ラチン                      
                         
     1.20
【0179】更に、全層に保存性、
処理性、圧力耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布
性をよくするために、W−1、W−2、W−3、B−4
、B−5、F−1、F−2、F−3、F−4、F−5、
F−6、F−7、F−8、F−9、F−10、F−11
、F−12、F−13及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩
、イリジウム塩、ロジウム塩が含有されている。
【0180】
【表3】
【0181】
【化30】
【0182】
【化31】
【0183】
【化32】
【0184】
【化33】
【0185】
【化34】
【0186】
【化35】
【0187】
【化36】
【0188】
【化37】
【0189】
【化38】
【0190】
【化39】
【0191】
【化40】
【0192】
【化41】
【0193】
【化42】
【0194】
【化43】
【0195】
【化44】
【0196】
【化45】
【0197】
【化46】
【0198】
【化47】
【0199】第8層に乳剤I−1、かつ第9層に乳剤C
−3を用いたものを試料101、第8層に乳剤I−2か
つ第9層に乳剤C−4を用いたものを試料102、第8
層に乳剤I−3かつ第9層に乳剤C−5を用いたものを
試料103とした。
【0200】これらのカラー感光材料101〜103を
40℃相対湿度70%の条件下に14時間放置した後4
800°K色温度変換フィルターと連続ウェッジを通し
て1/100秒間露光し、実施例1に記載されたカラー
現像処理を行なった。
【0201】処理済の試料をカラー透過濃度計で測定し
、緑感度(緑のフィルターを通して濃度測定)を求めた
。緑感度はかぶり上0.2の濃度を与える露光量の逆数
の相対値で表わした。
【0202】更に処理済試料の最高濃度部に残存してい
る銀量を螢光X線分析により測定して脱銀性能を評価し
た。
【0203】結果を表4に示す。表3よりII−W又は
II−イの色素を併用して分光増感することにより脱銀
性能が良化することが分かる。
【0204】
【表4】
【0205】
【発明の効果】本発明の構成をとることにより、高感度
で、感度/粒状比、特に色増感感度/粒状比が改良され
、かつ脱銀性が改良されたハロゲン化銀カラー写真感光
材料が得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  支持体上に少なくとも1層のハロゲン
    化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料に
    おいて、該乳剤層が平均アスペクト比が3以上で、かつ
    粒子内に少なくとも1つの転位線を有する平板状ハロゲ
    ン化銀粒子を含有し、かつ該平板状ハロゲン化銀粒子が
    、下記一般式(I)で表わされる化合物の少なくとも1
    種と一般式(II)で表わされる化合物の少なくとも1
    種を併用することにより分光増感されていることを特徴
    とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。一般式(I)
    【化1】 式中Z1 とZ2 はそれぞれベンズイミダゾール核、
    オキサゾール核、ベンズオキサゾール核、ナフトオキサ
    ゾール核、チアゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフト
    チアゾール核、セレナゾール核、ベンゾセレナゾール核
    、またはナフトセレナゾール核を完成するのに必要な原
    子群を表わす。R1とR2 は炭素数8までの置換され
    てもよく、また炭素鎖が酸素原子またはイオウ原子で中
    断されていてもよい、脂肪族炭化水素基を表わす。R0
     は、水素原子、炭素数3までのアルキル基、または炭
    素数8までのアラルキル基を表わす。X(1) − は
    酸アニオンを表わしmは1又は2を表わす。ただし、色
    素が分子内塩を形成する時はmは1である。一般式(I
    I)【化2】 式中、Z3 とZ4 はそれぞれピロリン核、ピリジン
    核、インドレニン核、ベンズイミダゾール核、オキサゾ
    ール核、ベンズオキサゾール核、ナフトオキサゾール核
    、チアゾリン核、チアゾール核、ベンゾチアゾール核、
    ナフトチアゾール核、セレナゾール核、ベンゾセレナゾ
    ール核、またはナフトセレナゾール核を完成するのに必
    要な原子群を表わす。R3 とR4 のうち少なくとも
    1つは、ヒドロキシ基、カルボキシ基、またはスルホ基
    のいずれかで置換された炭素数8までの脂肪族基を表わ
    し、残りは、炭素数8までの脂肪族基を表わす。これら
    の脂肪族基はさらに置換されてもよく、また炭素鎖が酸
    素原子、または硫黄原子で中断されている脂肪族基でも
    よい。X(2) − は、酸アニオンを表わし、nは1
    又は2を表わす。ただし、色素が分子内塩を形成する時
    はnは1である。
  2. 【請求項2】  前記平板状ハロゲン化銀粒子が1粒子
    内に転位線を10本以上有する平板状ハロゲン化銀粒子
    であることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀カ
    ラー写真感光材料。
  3. 【請求項3】  請求項1記載の平板状ハロゲン化銀粒
    子が化学増感されており、化学増感される際、前記一般
    式(I)で表わされる化合物及び又は、一般式(II)
    で表わされる化合物の存在下で化学増感されることを特
    徴とする請求項1記載のハロゲン化銀カラー写真感光材
    料。
  4. 【請求項4】  請求項1記載の一般式(I)で表わさ
    れる化合物が下記一般式(A)で表わされる化合物であ
    ることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀カラー
    写真感光材料。一般式(A) 【化3】 式中A1 、A2 、A3 、およびA4 は、それぞ
    れ、水素原子、低級アルキル基、アルコキシ基、ハロゲ
    ン原子、ヒドロキシル基、アリール基、カルボキシル基
    、アルコキシカルボニル、シアノ基、トリフロロメチル
    基、アミノ基、アシルアミド基、アシル基、アシロキシ
    ル基、アルコキシカルボニルアミノ基、カルボアルコキ
    シ基を表わす。A1 とA2 、およびA3 とA4 
    は、互に連結して、ナフトオキサゾール核を形成しても
    よい。R6 とR7 は、炭素数8までのアルキル基を
    表わす。ただし、R6 とR7 のうち少なくとも1つ
    はスルホラジカルをもつアルキル基であるものとする。 R5 は、水素原子、または炭素数3までのアルキル基
    を表わす。X3 − は酸アニオンを表わし、kは1ま
    たは2を表わし色素が分子内塩を形成する時はkは1で
    ある。
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