JPH0425178B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は農用トラクターにおいて、座席の上方
を囲うように設けて、農用トラクターの転倒時に
オペレーターを人身事故から守る安全フレームの
基部取付構造に関するものである。

(ロ) 従来技術 農用トラクターのリアアクスルハウジング部分
に安全フレームを装着する技術は沢山の公知技術
がある。

例えば、実開昭56−25674号公報や、実開昭56
−135376号の如くである。しかし、安全フレーム
の取付基部の強度の点からして殆どが、リアアク
スルハウジングの上下を挟むようにして固定して
いたのである。

しかし、リアアクスルハウジングを挟んで固定
するだけでは、どうしても強度が弱く転倒時にも
十分な保護効果が発揮されない場合があつたので
ある。

また特にトラクタがオフセツト形に構成されて
いる場合に、左右のリアアクスルハウジングが短
くなると、安全フレームの基部の取付部が無くな
るという不具合いがあつたのである。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 本発明は狭いスペースの内で安全フレームの基
部を強固に固定することを目的としたものであ
り、特に車輪幅を広くしてボンネツトや、駆動系
統を機体の中心がら偏心させたオフセツト形トラ
クターの安全フレームの取付において、効果を発
揮するのである。

即ち、ミツシヨンケースとフアイナルケースが
近接した狭い範囲内において、安全フレームを強
度が大の状態で取付けることができ、取付スペー
スが小さいのでオフセツト量を更に大きくとるこ
とができる等の効果を有するものである。

(ニ) 問題を解決するための手段 本発明の目的は以上の如くであり、該目的を達
成する為の構成を説明すると。

ボンネツト２１と座席１を左右に偏心させたオ
フセツト形農用トラクターの安全フレーム取付装
置において、ミツシヨンケース４が偏心して長く
なつたリアアクスルハウジング側の安全フレーム
２Ｒの基部２ｂは、下端上下にブラケツト１０と
１１を突出し、該ブラケツト１０，１１をリアア
クスルハウジング３の上下に嵌装してボルトにて
固定し、ミツシヨンケース４が偏心して短くなつ
たリアアクスルハウジング側の安全フレーム２Ｌ
の基部２ｃは、ミツシヨンケース４の面に沿うブ
ラケツト８，９と、短いリアアクスルハウジング
７の先端に付設したフアイナルケース１２Ｌの内
側面に沿うブラケツト１４とにより支持したもの
である。

(ホ) 実施例と作用 本発明の目的は以上の如くであり、次に添付の
図面に示した実施例の構成と、発明の作用を説明
すると。

第１図は本発明の農用トラクターの全体側面
図、第２図は同じく安全フレームとキヤノピー１
８部分を示す前面図、第３図は安全フレームの基
部の取付部を示す拡大側面図、第４図は同じく拡
大前面図である。

第１図、第２図よりオフセツト形農用トラクタ
ーの全体構造から説明すると。

前輪２１Ｌ，２１Ｒ、後輪１９Ｌ，１９Ｒの轍
間距離を広く構成し、畦を跨ぐようにし、ボンネ
ツト２１や、ミツシヨンケース４等の駆動部分を
機体中心の左側に寄せて畦に触れないように配置
している。ステアリングハンドル２０、座席１は
ボンネツトからずらして設け、前方の視界の良好
な位置に配置している。

これによりオペレーターは下方の作物を見なが
ら作業ができるのである。２５はミツドカルチ装
置２３を昇降する為の油圧シリンダーであり、２
４はリアカルチ装置である。

又、安全フレーム２の上端に２本の補助ブラケ
ツト１７Ｌ，１７Ｒを立設して、日除けの役目を
するキヤノピー１８を固設している。補助ブラケ
ツト１７Ｌ，１７Ｒを取付けるだけで、標準サイ
ズのキヤノピー１８を取付けることができ、補助
ブラケツト１７Ｌ，１７Ｒを用いれば安全フレー
ム２の上端の幅が異なつた場合にも標準のキヤノ
ピーが用いられるのである。

次に本発明の要部を第３図、第４図より説明す
ると。

ミツシヨンケース４が機体中心よりも左方に偏
心しているので、右側のリアアクスルハウジング
３は長くなり、左側のリアアクスルハウジング７
は短くなるのである。

普通に安全フレームの基部を取付ける場合に
は、右側の安全フレーム２Ｒの基部２ｂの如く、
下端上下にブラケツト１０と１１を前方へ向けて
突出し、該ブラケツト１０，１１をリアアクスル
ハウジング３の上下に嵌装し、上下からボルトに
て固定するのである。

しかし、本実施例のオフセツトトラクターの場
合には、左側のリアアクスルハウジング７は殆ど
ミツシヨンケース４への取付面のみで、すぐに最
終減速を行うフアイナルケース１２Ｌが近接して
いるのであり、リアアクスルハウジングの上下を
挟むブラケツトが突出できないのである。

この点を克服すべく、本発明は右側の安全フレ
ーム２Ｒの基部２ｂよりもやや後方に左側の安全
フレーム２Ｌの基部２ｃを配置し、ここからミツ
シヨンケース４の下面に沿うブラケツト８と、フ
アイナルケース１２Ｌの内側面に沿うブラケツト
１４と、それにリアアクスルハウジング７の外側
面に沿うブラケツト９の３枚のブラケツトを突出
しているのである。

これら３枚のブラケツトにより狭い空間であり
ながら強度を強く、かつ組み立てを容易としてい
るのである。特にこのように上下の面にブラケツ
ト８，９，１４を取り付けることにより、右側の
基部２ｂよりも、前後方向の負荷に対して強くな
るのである。そして右側の基部２ｂは左右方向の
負荷に対して強いので、左右前後どちらに対して
も強度を保つことができるのである。

実際の取付においては、まずブラケツト１４と
一体化したブラケツト８をミツシヨンケース４の
下面にボルトで固定し、このブラケツト８上に基
部２ｃを載置してボルトを締めし、ブラケツト９
をリアアクスルハウジング７の外側面に固設する
のである。

第３図にて示す如く左右の基部の取付け方が相
違するので、基部２ｃと２ｂは取付け角度が異な
つているのである。

又、安全フレームの基部２ｂ，２ｃと上部の間
の曲折部にはジヨイントフレーム２ａを設け、こ
れで連結している。

ジヨイントフレームは２枚のコの字形のフレー
ムを向かい合わせて上下のフレーム材を抱持した
後、周囲を溶接して一体化している。１３は工具
箱である。

右側のリアアクスルハウジング３の余分な部分
の上面に、座席１の基部パイプ５が固定されてい
る。そして該基部パイプ５に調節パイプ６を挿入
し、ピンの挿入孔を変えることにより座席高さを
調節可能としている。１５Ｌ，１５Ｒは前後スラ
イド装置、１６はスライドロツクレバーである。
第３図において３０，３１は座席安全ベルトであ
り、一方は安全フレーム２に他方は油圧ケース３
３の後部のブラケツト３２にピン３０ａ，３１ａ
にて固定されている。

(ヘ) 発明の効果 本発明は以上の如く構成したので次のような効
果を奏するものである。

第１に、安全フレームの基部を従来の如く、リ
アアクスルハウジングの上下にのみ固定したので
は強度的に弱いが、ミツシヨンケース底面やフア
イナルケースへも固定することにより前後方向の
負荷に対しても十分な強度を持たせることができ
るのである。

第２に、オフセツト形農用トラクター等の狭い
方のリアアクスルハウジング部分に安全フレーム
の基部を取り付けようとする場合に、本発明の技
術を実施することにより取付スペースが小となる
ので、更にオフセツト量を大とすることができ、
逆にどのような狭い空間でも安全フレームを取り
付けることが可能となるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の農用トラクターの全体側面
図、第２図は同じく安全フレームとキヤノピー１
８部分を示す前面図、第３図は安全フレームの基
部の取付部を示す拡大側面図、第４図は同じく拡
大前面図である。 ２Ｌ，２Ｒ……安全フレーム、２ｃ，２ｂ……
基部、３……リアアクスルハウジング、４……ミ
ツシヨンケース、８，９，１４……ブラケツト、
１２……フアイナルケース。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ボンネツト２１と座席１を左右に偏心させた
   オフセツト形農用トラクターの安全フレーム取付
   装置において、ミツシヨンケース４が偏心して長
   くなつたリアアクスルハウジング側の安全フレー
   ム２Ｒの基部２ｂは、下端上下にブラケツト１０
   と１１を突出し、該ブラケツト１０，１１をリア
   アクスルハウジング３の上下に嵌装してボルトに
   て固定し、ミツシヨンケース４が偏心して短くな
   つたリアアクスルハウジング側の安全フレーム２
   Ｌの基部２ｃは、ミツシヨンケース４の面に沿う
   ブラケツト８，９と、短いリアアクスルハウジン
   グ７の先端に付設したフアイナルケース１２Ｌの
   内側面に沿うブラケツト１４とにより支持したこ
   とを特徴とする農用トラクターの安全フレーム取
   付装置。