JPS633899Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はトラクターの作業機取付装置に関す
る。

本考案は、エンジンの両側方をエンジンと離間
して前後方向に走り、エンジンの前後に取付けた
部材を連結するエンジン補強枠であつて、このエ
ンジン補強枠に作業機取付部を設けるものに関す
る。

〔従来技術〕

かかる型式のエンジン補強枠に作業機取付部を
設けるものはなかつた。

従来公知のものは、実開昭50−124021号公報の
ように単に機枠から作業機取付部を延出すると
か、実開昭51−105715号公報のように薄板でエン
ジンと共にエンジンの前後を連結するものであつ
た。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このような従来構造のものは、安全フレームや
フロントローダー等の作業機を取付けるに際し、
該取付枠を機枠の取付座に螺合するように取付ボ
ルトで機枠に取付けるようにしているので、着脱
時の取扱性の点で問題があつた。即ち、ボンネツ
トやステツプ等がクラツチハウジング等の機枠よ
りも外側方に大きく突出した状態にあり、取付座
はこれらに対して奥まつた位置にあるので、クラ
ツチハウジング等の機枠に直接取付枠を付けるこ
とは、ボンネツト、ステツプ等が障害となつて作
業性が悪かつた。トラクター車体はその前部に搭
載したエンジンを構造体の一部とし、エンジンの
前後にアクスルブラケツト及びクラツチハウジン
グをボルト結合して構成しているので、フロント
ローダ作業機の作業中や安全フレーム転倒時等、
各ボルトに強大な剪断力が作用することになり、
従つてトラクター車体の強度的な点から、装着す
べき作業機の大きさにも自ずと制限があつた。

〔問題を解決するための手段〕

本考案の目的は、前述のような従来の問題点を
解消しようとするものであつて、次のような技術
的手段を講じた。即ち、トラクター車体２０の前
部にエンジン１を配設し、該エンジン１前方にア
クスルブラケツト６を取付け、エンジン１後方に
取付盤３やクラツチハウジング２等から成る機枠
Ｆを取付け、さらにエンジン１上方をボンネツト
８で覆つたトラクターにおいて、トラクター車体
２０の略中央部両側に左右一対の取付台５・５を
設け、この各取付台５・５は、トラクター車体２
０の機枠Ｆ側端部に固定される固定板２１と、ボ
ンネツト８よりも横方向外方側に突出した位置に
安全フレーム４の前柱下端部４ａを取付けた取付
板２２と、内端を機枠Ｆに取付け外端を前記安全
フレーム４の前柱下端部４ａに取付けた水平状の
受板２３と、取付板２２から前方に突出する取付
ブラケツト２４とから成り、この各取付台５・５
とトラクター車体２０の前端部に設けたアクスル
ブラケツト６とを、エンジン１の側方を通るサイ
ドフレーム７で連結したエンジン補強枠２５であ
つて、このエンジン補強枠２５に外方に向かう作
業機取付部１５・１５を設けたことを特徴とする
トラクターの作業機取付装置の構成とした。

〔考案の効果〕

この技術手段によれば、作業機取付部１５・１
５がエンジン１や機枠Ｆの外側方で外方に向かつ
て設けられているので、作業機を外方から接当さ
せて取付けることが容易であり、又、アクスルブ
ラケツト６と機枠Ｆを、エンジン１とサイドフレ
ーム７・７及び取付台５・５から成るエンジン補
強枠２５・２５で複数列状に連結したので、トラ
クター車体２０の前部が補強され、エンジン１と
その前後の部材を結合するボルトに作用する剪断
力の軽減を図れる。又、サイドフレーム７は補強
を兼ねると共に、エンジン１の側部に付設される
補機（例えばスターターモーターやオイルポンプ
等）のガード用としての機能も備えている。

〔実施例〕

上述した本考案の実施例について説明する。

図例は、農用トラクターにこの考案を折り込ん
だものであつて、トラクター車体２０は、エンジ
ン１、アクスルブラケツト６、クラツチハウジン
グ２、取付盤３、ギヤーボツクス１２等を構造体
として成つている。９は前車輪であつて、アクス
ルブラケツト６下方左右に設けられる。８はボン
ネツトであつて、エンジン１の上方を覆う。１０
は前車輪９の向きを変えるハンドル、１１は運転
者用のシート、１３は後車輪、１４・１４…はエ
ンジン１のクランクケース側面やクラツチハウジ
ング２側面の壁部に設けた作業装置取付用の取付
座壁、１５・１５は作業機取付部であつて、アク
スルブラケツト６と取付台５を連結するサイドフ
レーム７の両側面に外方に向かつた方向からボル
ト等の締付具（図示せず。）を挿入自在に設けて
いる。１６はヒンジであつて、エンジン１の側方
を覆う安全カバー１７の下端部を揺動中心に外側
方に回動着脱自在に軸着している。

取付台５は、機枠Ｆのうちエンジン１とクラツ
チハウジング２の間に挟み込んで取り付けた取付
盤３に一端を固定して外側方に突出する固定板２
１部分と、ボンネツト８よりも横方向外側方に突
出した位置に安全フレーム４の前柱下端部４ａ前
面を取付けた垂直面の取付板２２と、内端をクラ
ツチハウジング２に取付け外端を安全フレーム４
の前柱下端部４ａ下面に取付けた水平状の受板２
３と、取付板２２から前方に突出する取付ブラケ
ツト２４とから成つている。図例では取付板２２
と受板２３は、安全フレーム４の前柱下端部４ａ
を介して一体となつているが、両者を直接溶接し
ても良い。

取付台５の取付ブラケツト２４には、サイドフ
レーム７の後端部を締付具２５・２５で締付ける
ためのネジ孔２６・２６が設けられるが、このネ
ジ孔２６部に作業機を共締めとして付けても同効
を奏す。又、取付板２２の前面に設けてもよい。

第３図で示すようにボンネツト８は、安全カバ
ー１７よりも横方向幅狭となつている。サイドフ
レーム７と安全カバー１７の側面は略上下方向同
一となつている。又、アクスルブラケツト６はそ
の内側部分をエンジン１の前面に締付具２７・２
７…で締付け、外側部をサイドフレーム７により
機枠Ｆ側に締付具２８・２８…を介して締付け
る。

第４図で示すように、安全フレーム４の前柱下
端部４ａは、取付台５の略外側端に位置してお
り、幅広の運転者空間を提供する。受板２３と固
定板２１及び取付板２２を上下方向一体的に突き
合わせて溶接すれば、受板２３の内端は機枠Ｆに
取付けなくても良い。

図例のように、エンジン１の側部を前後に亘つ
て設けた強固なサイドフレーム７上部に安全カバ
ー１７を回動着脱自在に軸着すれば、カバーで覆
つた時は、エンジン１やその側部に取付けた燃料
ポンプ、油圧用ポンプ、発電器やセルモータ等の
凹凸部を覆うことができ安全であると共に、取外
しが簡単なので、内部の点検も容易となる。又、
作業機の取付座がサイドフレーム７とエンジン１
下部クランクケース側壁部やクラツチハウジング
２側壁に設けられているので、両部材に亘つて作
業機を取付けることも可能となり、荷重の分散が
容易となつた。この取付台５は、図例では安全フ
レーム４取付台としたが、キヤビンフレーム、フ
ロントローダーフレームを取付けるブラケツトに
利用できる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図は
全体側面図、第２図は要部の斜視図、第３図は第
１図のＡ−Ａ断面図、第４図は同Ｂ−Ｂ断面図で
ある。 図中、符号１はエンジン、２はクラツチハウジ
ング、３は取付盤、４は安全フレーム、４ａは前
柱下端部、５は取付台、６はアクスルブラケツ
ト、７はサイドフレーム、８はボンネツト、１５
は作業機取付部、２０はトラクター車体、２１は
固定板、２２は取付板、２３は受板、２４は取付
ブラケツト、２５は補強枠を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トラクター車体２０の前部にエンジン１を配設
   し、該エンジン１前方にアクスルブラケツト６を
   取付け、エンジン１後方に取付盤３やクラツチハ
   ウジング２等から成る機枠Ｆを取付け、さらにエ
   ンジン１上方をボンネツト８で覆つたトラクター
   において、トラクター車体２０の略中央部両側に
   左右一対の取付台５・５を設け、この各取付台
   ５・５は、トラクター車体２０の機枠Ｆ側端部に
   固定される固定板２１と、ボンネツト８よりも横
   方向外方側に突出した位置に安全フレーム４の前
   柱下端部４ａを取付けた取付板２２と、内端を機
   枠Ｆに取付け外端を前記安全フレーム４の前柱下
   端部４ａに取付けた水平状の受板２３と、取付板
   ２２から前方に突出する取付ブラケツト２４とか
   ら成り、この各取付台５・５とトラクター車体２
   ０の前端部に設けたアクスルブラケツト６とをエ
   ンジン１の側方を通るサイドフレーム７で連結し
   たエンジン補強枠２５であつて、このエンジン補
   強枠２５に外方に向かう作業機取付部１５・１５
   を設けたことを特徴とするトラクターの作業機取
   付装置。