JPH0729052U - 作業機のバランス用ウェート部材構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案の目的は、エンジンフードに対するバ
ランス用ウェート部材及びサイドバンパーの寸法合わせ
を容易にし、かつ機体の側面に対する取付けも容易に行
い得る作業機のバランス用ウェート部材構造を提供する
ことにある。 【構成】 前方に作業部６を有する機体２の後方に配設
されたエンジンのフード８下方に隣接して取付けられる
バランス用ウェート部材９の両側に、上方へ突出したサ
イドバンパー１０を一体的に設けたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は作業機のバランス用ウェート部材構造に関し、更に詳しくは、エンジ ンフードに対するバランス用ウェート部材及びサイドバンパーの寸法合わせ、及 び機体の側面に対する取付けを容易に行えるようにした作業機のバランス用ウェ ート部材構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、パワーショベル等の作業機には、機体の前方に配設されたブームやバ ケット等からなる作業部との重量バランスを取るため、後方に設置されたエンジ ンのフード下方に隣接してカウンタウェート（バランス用ウェート部材）を配す るようにしている。また、このカウンタウェートの両側には、ウェート部材を兼 用したサイドバンパーが設けられる構成になっている。

【０００３】 ところで、上記カウンタウェート及びサイドバンパーは、それぞれ機体に取付 ける際に、シム調整によりエンジンフード間、及びカウンタウェートとサイドバ ンパー間の隙間合わせを行っている。そのため、エンジンフードに対する寸法合 わせ、及び機体側面の取付部に対する段差合わせ等が煩雑で、取付けを容易に行 うことができないという問題があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、エンジンフードに対するバランス用ウェート部材及びサイド バンパーの寸法合わせを容易にし、かつ機体の側面に対する取付けも容易に行い 得る作業機のバランス用ウェート部材構造を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成する本考案は、前方に作業部を有する機体の後方に配設された エンジンのフード下方に隣接して取付けられるバランス用ウェート部材の両側に 、上方へ突出したサイドバンパーを一体的に設けてなることを特徴とする。

【０００６】

【作用】

本考案は上記のように構成され、エンジンフード下方に隣接して取付けられる バランス用ウェート部材の両側に、上方へ突出したサイドバンパーを一体的に設 けたので、ウェート部材を機体に取付けることによりウェート部材及びサイドバ ンパーを共に機体に取付けることが可能となる。そのため、バランス用ウェート 部材とサイドバンパーをそれぞれ別個に機体に取付ける必要がなくなり、エンジ ンフードに対するウェート部材及びサイドバンパーの寸法合わせを容易にするこ とができると共に、機体の側面に対する取付けも容易に行うことができる。

【０００７】

【実施例】

以下、添付図面に基づいて本考案の実施例を説明する。 図１は、本考案のバランス用ウェート部材構造が用いられた作業機の側面図を示 し、１は走行装置、２は旋回可能な機体で、この機体２の前方には、ブーム３、 アーム４及びバケット５からなる作業部６が設けられている。機体２上に設置さ れた操縦部７の後方には、内蔵するエンジンをカバーするフード８が支点８ｂを 中心に回動自在に取付けられ、このフード８の下方に隣接して、カウンタウェー ト（バランス用ウェート部材）９及びウェート部材を兼用したサイドバンパー１ ０が取付けられている。８ａはフード８の下縁に取付けられた弾性シールである 。

【０００８】 カウンタウェート９は、鋳物等の重量の重い金属から構成され、図２に示すよ うに、その中間部内側の中央の上方側にはスタッドボルト１１が植設されている 。カウンタウェート９の両端側は、図３に示すように、その上部をフード８側へ 突出するように形成されている。 サイドバンパー１０は、ウェート部材を兼用するように鋳物等で構成され、カ ウンタウェート９の両側にそれぞれボルト１３を介してフード８のサイド側に沿 う形状で一体的に固定されると共に、その上部がフード８側へ突出して、カウン タウェート９の突出した上部と繋がるようになっている（図１）。

【０００９】 上記サイドバンパー１０を一体的に固定したカウンタウェート９は、作業機の 機体２に以下のようにして取付けられている。即ち、カウンタウェート９に植設 されたスタッドボルト１１が、機体２のリアフレーム２ａ後方に設けられた取付 部１４の、上側に開放したＵ字状の切り欠き形状を有する係合部１４ａに係合し 、ワッシャ１５ａ，１５ｂ及びナット１６ａ，１６ｂを介してリアフレーム２ａ に固定され、また、カウンタウェート９の両側下部には取付部１７が設けられ、 ボルト１２ａ，１２ｂにより、ワッシャ１８及び上側をＵ字状に切り欠いたシム １９を介してリアフレーム２ａに固定される構成となっている。

【００１０】 尚、リアフレーム２ａに設けられた貫通孔１７ａは、ボルト１２ａ，１２ｂの 軸径よりも大きい所謂バカ孔に形成されている。 そして、中央のスタッドボルト１１に取付けられるナット１６ａ，１６ｂの締 付け位置を調整すると共にシム１７を増減することにより、サイドバンパー１０ 及びカウンターウエート９の前後方向における位置調整ができる構成になってい る。

【００１１】 また、取付部１４の下方には、リアフレーム２ａに横設されたブラケット２０ にボルト２１が上下方向に螺合しており、その頭部が中央に配された上方のナッ ト１６ａと当接してナット１６ａの高さ、即ち、サイドバンパー１０及びカウン タウェート９の上下方向における位置を調整することができるようにしてある。 このように本考案は、前方に作業部６を有する機体２の後方に配設されたエン ジンのフード８下方に隣接して取付けられるカウンタウェート９の両側に、上方 へ突出したサイドバンパー１０を一体的に設けてウェート部材構造としたので、 カウンタウェート９を機体２のリアフレーム２ａに取付けることによりカウンタ ウェート９及びサイドバンパー１０を共に機体２に取付けることができ、カウン タウェートとサイドバンパーをそれぞれ別個に機体に取付ける必要がなくなるた め、エンジンフード８に対するカウンタウェート９及びサイドバンパー１０の寸 法合わせを容易にし、かつ機体２の側面に対する取付けも容易に行うことが可能 となる。

【００１２】 また、サイドバンパー１０をカウンタウェート９と同じ材料からなるウェート 部材と兼用して構成し、カウンタウェート９と一体的にしてフード８の側面に沿 って延設することにより、機体２の旋回時に剛性の高いサイドバンパー１０が障 害物と接触するため、機体部品の損傷を防止することができる。 また、カウンタウェート９の取付位置を３か所とし、中央上方側の１か所の取 付部１４でその取付位置を前後調整することにより、エンジンフード８とサイド バンパー１０との隙間調整を一層容易に行うことが可能である。

【００１３】 また更に、スタッドボルト１１が係合する取付部１４の係合部１４ａを、上側 を開放したＵ字状の切り欠き形状に形成してあるため、取付時カウンタウェート ９を揺動自在に置くことが可能となり、下側の取付部１７に取付けられるボルト １２ａ，１２ｂの位置合わせを容易にすることができる。 その上、ボルト２１を上下に動かしてカウンタウェート９の中央に配されたナ ット１６ａを介してカウンタウェート９とサイドバンパー１０の高さ調整をする ことができるため、バランスよく容易に上下調整を行うことができると共に、ス タッドボルト１１のナット１６ａ，１６ｂを締付けることなく、ボルト２１の頭 部をナット１６ａに接当させた状態で、下方側のボルト１２ａ，１２ｂを締付け ることによりカウンタウェート９を機体２のリアフレーム２ａに強固に固定する ことも可能である。

【００１４】 本考案は、上述した実施例において、貫通孔１７ａを上下に延びる長孔に形成 することもできる。また、取付を容易にするため、ボルト１２ａ，１２ｂをスタ ッドボルトとし、ナットを介して固定するようにするとよい。 なお、本考案は上述の実施例の態様に限定されるものではなく、上記実施例以 外の態様であっても本考案を実施しうるものであることは言うまでもない。

【００１５】

【考案の効果】

上述したように本考案は、前方に作業部を有する機体の後方に配設されたエン ジンフード下方に隣接して取付けられるバランス用ウェート部材の両側に、上方 へ突出したサイドバンパーを一体的に設けたので、エンジンフードに対するバラ ンス用ウェート部材及びサイドバンパーの寸法合わせを容易にし、かつ機体の側 面に対する取付けも容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のバランス用ウェート部材構造が用いら
れた作業機の側面図である。

【図２】本考案に係る作業機のバランス用ウェート部材
構造を示す平面図である。

【図３】図２の正面図である。

【図４】バランス用ウェート部分を中央で破断（図３の
Ａ−Ａ断面）した拡大側面図である。

【符号の説明】

２ 機体 ２ａ リアフレー
ム ６ 作業部 ８ フード ９ カウンタウェート（バランス用ウェート部材） １０ サイドバンパー

フロントページの続き (72)考案者 坂根 富士夫 島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地 １ 三菱農機株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 前方に作業部を有する機体の後方に配設
   されたエンジンのフード下方に隣接して取付けられるバ
   ランス用ウェート部材の両側に、上方へ突出したサイド
   バンパーを一体的に設けてなる作業機のウェート部材構
   造。